【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、この発明は、
被管理対象物に取り付けられる、GPS受信機と、通信装置と、上記GPS受信機および上記通信装置の動作を制御し、上記GPS受信機で受信されるGPS信号より上記被管理対象物の位置データを取得し、この位置データを上記通信装置から外部に送信する処理装置と、上記GPS受信機、上記通信装置および上記処理装置に電力を供給する電源とを有する管理タグを有し、
上記管理タグは、時刻t
1 に上記電源をオンとし、次いで上記GPS受信機をオンとして計測を開始し、上記GPS信号より最初の位置データを取得した後の時刻t
3 に上記GPS受信機をオフとし、次いで上記時刻t
3 または上記時刻t
3 の前後の時刻t
4 に上記通信装置をオンとして上記位置データを上記通信装置から送信し、次いで時刻t
5 に上記通信装置をオフとし、次いで時刻t
6 に上記電源をスリープ状態としてこのスリープ状態を時刻t
7 まで継続し、上記時刻t
1 から上記時刻t
6 までの時間を10分以内とし、上記時刻t
1 から上記時刻t
7 までの動作を繰り返し行うように構成されている遠隔管理システムである。
【0007】
この遠隔管理システムにおいては、GPS受信機は、コールドスタートの状態で使用される。この遠隔管理システムにおいては、管理タグの電力消費量を抑える観点より、管理タグは、好適には、時刻t
1 に上記電源をオンとし、上記時刻t
1 から10ミリ秒以内の時刻t
2 に上記GPS受信機をオンとして計測を開始し、上記GPS信号より最初の位置データを取得した直後の時刻t
3 に上記GPS受信機をオフとし、上記時刻t
3 または上記時刻t
3 の前後の時刻t
4 に上記通信装置をオンとして上記位置データを上記通信装置から送信し、上記時刻t
3 または上記時刻t
4 から5秒以内の時刻t
5 に上記通信装置をオフとし、上記時刻t
5 から1秒以内の時刻t
6 に上記電源をスリープ状態としてこのスリープ状態を時刻t
7 まで1秒以上継続し、上記時刻t
1 から上記時刻t
6 までの時間を5分以内とし、上記時刻t
1 から上記時刻t
7 までの動作を繰り返し行うように構成される。管理タグの電力消費量をより一層抑える観点より、時刻t
1 から時刻t
2 までの時間、時刻t
2 から時刻t
3 までの時間、時刻t
3 または時刻t
4 から時刻t
5 までの時間はできるだけ短くするのが望ましい。好適には、時刻t
1 から時刻t
2 までの時間は10マイクロ秒以内、より好適には5マイクロ秒以内、時刻t
2 から時刻t
3 までの時間は5分以内、好適には3分以内、より好適には1分以内で可能な限り短くし、時刻t
3 または時刻t
4 から時刻t
5 までの時間は4秒以内であり、時刻t
1 から時刻t
6 までの時間は1分以内である。
【0008】
電源は、典型的には、管理タグに取り付けられた電池であり、使用する電池は特に限定されず、必要に応じて選ばれる。電源は、無線電力通信により外部から送信される電力を利用するものであってもよい。
【0009】
この遠隔管理システムの一つの例では、管理タグの通信装置から送信される位置データを受信する中継機およびこの中継機から転送される位置データを受信し、被管理対象物の管理を行う管理センターをさらに有する。被管理対象物の位置データは複数の中継機を経由して管理センターに受信されることもあるし、中継機から更に、インターネット等の電気通信回線(無線または有線)を経由して管理センターに受信されることもある。あるいは、被管理対象物10の位置データは、通信装置24から直接、管理センター50の画像表示装置に送信されるようにしてもよい。この遠隔管理システムの他の例では、中継機を設けず、管理タグから直接、位置データを受信し、被管理対象物の管理を行う管理センターをさらに有する。管理センターには、典型的には、画像表示装置が設けられ、この画像表示装置の画面に管理エリアの画像および管理エリア内の被管理対象物の位置が表示される。中継機は、管理エリア全体で被管理対象物の遠隔管理が可能となるように、管理エリア内に一つまたは複数設置される。
【0010】
被管理対象物は、管理エリア内で何らかの動きがあるものであれば、基本的にはどのようなものであってもよく、生物であっても非生物であってもよいし、生物と非生物とが混在してもよい。生物である被管理対象物は、例えば、家畜、家畜以外の動物、人(ヒト)等である。動物は、具体的には、例えば、牛(乳牛、肉牛を含む)、水牛、ジャワ牛、バンテーン、ヤク、ヒツジ、ヤギ、アンテロープ、シカ、ガゼル、キリン、ラクダ、アルパカ、リャマ、グアナコ、ビクーニャ、マメジカ、ネズミジカ等の脊椎動物偶蹄類(反芻動物)やウマ、ロバ等の脊椎動物奇蹄類等であるが、これに限定されるものではない。非生物である被管理対象物は、各種の物品(商品、製品等)であり、これらが段ボール等の包装箱に収納されているものも含む。被管理対象物への管理タグの取り付けは、被管理対象物の種類や状況等に応じて行うことができる。例えば、被管理対象物が家畜である場合、管理タグは、家畜の首にはめられる首輪等に取り付けられたり、耳、胴体、足首等に取り付けられる。また、商品や製品等では、管理タグはこれらに直接取り付けられることもあるし、包装箱に取り付けられることもある。
【0011】
また、この発明は、
被管理対象物に、GPS受信機と、通信装置と、上記GPS受信機および上記通信装置の動作を制御し、上記GPS受信機で受信されるGPS信号より上記被管理対象物の位置データを取得し、この位置データを上記通信装置から外部に送信する処理装置と、上記GPS受信機、上記通信装置および上記処理装置に電力を供給する電源とを有する管理タグを装着した状態で、時刻t
1 に上記電源をオンとするステップと、
上記GPS受信機をオンとして計測を開始し、上記GPS信号より最初の位置データを取得した後の時刻t
3 に上記GPS受信機をオフとするステップと、
上記時刻t
3 または上記時刻t
3 の前後の時刻t
4 に上記通信装置をオンとして上記位置データを上記通信装置から送信し、時刻t
5 に上記通信装置をオフとするステップと、
時刻t
6 に上記電源をスリープ状態としてこのスリープ状態を時刻t
7 まで継続するステップとを有し、
上記時刻t
1 から上記時刻t
6 までの時間を10分以内とし、上記時刻t
1 から上記時刻t
7 までの動作を繰り返し行う遠隔管理方法である。
【0012】
この遠隔管理方法においては、管理タグの電力消費量を抑える観点より、管理タグは、好適には、上記時刻t
1 から10ミリ秒以内の時刻t
2 に上記GPS受信機をオンとして計測を開始し、上記GPS信号より最初の位置データを取得した直後の時刻t
3 に上記GPS受信機をオフとし、上記時刻t
3 または上記時刻t
3 の前後の時刻t
4 に上記通信装置をオンとして上記位置データを上記通信装置から送信し、上記時刻t
3 または上記時刻t
4 から5秒以内の時刻t
5 に上記通信装置をオフとし、上記時刻t
5 から1秒以内の時刻t
6 に上記電源をスリープ状態としてこのスリープ状態を時刻t
7 まで1秒以上継続し、上記時刻t
1 から上記時刻t
6 までの時間を5分以内とし、上記時刻t
1 から上記時刻t
7 までの動作を繰り返し行う。この遠隔管理方法の発明においては、上記以外のことについては、その性質に反しない限り、上記の遠隔管理システムの発明に関連して説明したことが成立する。
【0013】
また、この発明は、
被管理対象物に取り付けられる、GPS受信機と、通信装置と、上記GPS受信機および上記通信装置の動作を制御し、上記GPS受信機で受信されるGPS信号より上記被管理対象物の位置データを取得し、この位置データを上記通信装置から外部に送信する処理装置と、上記GPS受信機、上記通信装置および上記処理装置に電力を供給する電源とを有する管理タグであって、
時刻t
1 に上記電源をオンとし、次いで上記GPS受信機をオンとして計測を開始し、上記GPS信号より最初の位置データを取得した後の時刻t
3 に上記GPS受信機をオフとし、次いで上記時刻t
3 または上記時刻t
3 の前後の時刻t
4 に上記通信装置をオンとして上記位置データを上記通信装置から送信し、次いで時刻t
5 に上記通信装置をオフとし、次いで時刻t
6 に上記電源をスリープ状態としてこのスリープ状態を時刻t
7 まで継続し、上記時刻t
1 から上記時刻t
6 までの時間を10分以内とし、上記時刻t
1 から上記時刻t
7 までの動作を繰り返し行うように構成されていることを特徴とするものである。
【0014】
この管理タグの発明においては、上記以外のことについては、その性質に反しない限り、上記の遠隔管理システムの発明に関連して説明したことが成立する。