(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の金融メッセージの複数の市場参加者へのネットワークを介した通信を管理するためのコンピュータ実施型の方法であって、当該複数の金融メッセージが、前記複数の市場参加者のうちの第1の市場参加者によって受信され読解されることを意図した第1の市場データを含んでいる第1の金融メッセージと、前記第1の市場データに関係しているが、前記複数の市場参加者全てによって受信され読解されることを意図した第2の市場データを含んでいる第2の金融メッセージとを含み、前記複数の金融メッセージのそれぞれが前記複数の市場参加者に通信される間に様々な伝送遅延を受ける可能性のあるネットワークを介しての通信を管理するためのコンピュータ実施型の方法であって、
プロセッサによって、前記第1の金融メッセージの第1の市場データの少なくとも一部分を難読化する段階であって、前記第1の市場データの前記難読化された部分が、前記第1の市場参加者にとって、当該難読化されたデータを読解可能にするように構成された関連付けられたキーデータ無しには読解不能になるようにする、難読化する段階と、
前記プロセッサによって、前記第2の金融メッセージを、前記関連付けられたキーデータで拡張する段階と、
前記プロセッサによって、前記ネットワークを介して、前記難読化された部分を有する前記第1の金融メッセージを前記第1の市場参加者へ、そして前記第2の金融メッセージを前記複数の市場参加者へ、送信する段階と、を備えているコンピュータ実施型の方法。
前記第1の金融メッセージの前記第1の市場データの少なくとも一部分を難読化する段階は、暗号化アルゴリズムを使用して可読平文を不可読暗号文へ変換する段階を備えている、請求項1に記載のコンピュータ実施型の方法。
前記関連付けられたキーデータは、強引な解読の企てを、前記第1の金融メッセージの受信と前記第2の金融メッセージの前記複数の市場参加者のうちの少なくとも1人による受信の間の遅延であると決定された時間の長さに亘って食い止めるサイズの暗号化暗号を含む、請求項2に記載のコンピュータ実施型の方法。
前記第2の金融メッセージの前記拡張する段階は、前記第2の金融メッセージを、当該第2の金融メッセージ中の前記関連付けられたキーデータを前記第1の金融メッセージとリンクさせる識別データを含めるように拡張する段階、を更に備えている、請求項1に記載のコンピュータ実施型の方法。
前記第1の金融メッセージの一部分は、難読化されておらず、前記第2の金融メッセージ中に保有される識別データを指し示すデータを含む、請求項1に記載のコンピュータ実施型の方法。
難読化されたデータを読解可能にさせるように構成されていない少なくとも1つの擬製キーを含む第3のメッセージを生成する段階と、前記第3のメッセージを前記複数の市場参加者へ送信する段階と、を更に備えている、請求項1に記載のコンピュータ実施型の方法。
複数の金融メッセージの複数の市場参加者へのネットワークを介した通信を管理するためのシステムであって、当該複数の金融メッセージが、前記複数の市場参加者のうちの第1の市場参加者によって受信され読解されることを意図した第1の市場データを含んでいる第1の金融メッセージと、前記第1の市場データに関係しているが、前記複数の市場参加者全てによって受信され読解されることを意図した第2の市場データを含んでいる第2の金融メッセージとを含み、前記複数の金融メッセージのそれぞれが前記複数の市場参加者に通信される間に様々な伝送遅延を受ける可能性のあるネットワークを介しての通信を管理するためのシステムにおいて、
メモリに記憶されていて、プロセッサによって実行されると、当該プロセッサに、前記第1の市場データの少なくとも一部分を難読化して、前記難読化された部分が、前記第1の市場参加者にとって読解可能にするように構成された関連付けられたキーデータ無しには読解不能にするように構成されている第1のロジックと、
前記メモリに記憶されていて、プロセッサによって実行されると、当該プロセッサに、前記関連付けられたキーデータを含む前記第2の金融メッセージを生成させるように構成されている第2のロジックと、
メモリに記憶されていて、プロセッサによって実行されると、当該プロセッサに、ネットワークを介して、前記第1の金融メッセージを前記第1の市場参加者へ送信させるように構成されている第3のロジックと、
前記メモリに記憶されていて、プロセッサによって実行されると、当該プロセッサに、ネットワークを介して、前記第2の金融メッセージを前記複数の市場参加者へ送信させるように構成されている第4のロジックと、を備えているシステム。
前記第1の金融メッセージの少なくとも前記一部分を難読化するように構成されている前記第1のロジックは、暗号化アルゴリズムを使用して可読平文を不可読暗号文へ変換する段階を備えている、請求項13に記載のシステム。
前記関連付けられたキーデータは、強引な解読の企てを、前記第1の金融メッセージの前記特定の市場参加者による受信と前記第2の金融メッセージの前記複数の市場参加者のうちの少なくとも1人の市場参加者による受信との間の遅延時間であると決定された時間の長さに亘って食い止めるサイズの暗号化暗号である、請求項14に記載のシステム。
前記第2の金融メッセージを生成するように構成されている前記第2のロジックは、前記第2の金融メッセージを、当該第2の金融メッセージ中の前記関連付けられたキーデータを前記第1の金融メッセージと関連付けるために前記第1の市場参加者によって認識可能な識別データで拡張する段階を備えている、請求項13に記載のシステム。
前記メモリに記憶されていて、プロセッサによって実行されると、メッセージを復号する機能の無い擬製キーを備える第3のメッセージを生成させるように構成されている第5のロジックを更に備えている、請求項13に記載のシステム。
送信されるデータが様々な伝送遅延を受ける可能性のあるネットワークを介しての複数の金融メッセージの複数の市場参加者への通信を管理するためのシステムであって、当該複数の金融メッセージが、前記複数の市場参加者のうちの第1の市場参加者によって受信され読解されることを意図した第1のデータを含んでいる第1の金融メッセージと、前記第1のデータに関係しているが、前記複数の市場参加者全てを対象とした第2のデータを含んでいる第2の金融メッセージと、を含んでいる、複数の金融メッセージの複数の市場参加者へのネットワークを介した通信を管理するためのシステムにおいて、
前記第1のデータの少なくとも一部分を難読化するための手段であって、前記前記難読化された部分が、当該難読化された部分を前記第1の市場参加者にとって読解可能にさせるように構成されている関連付けられたキーデータ無しには読解不能であるようにするための手段と、
前記関連付けられたキーデータを含む前記第2の金融メッセージを生成するための手段と、
前記第1の金融メッセージを前記第1の市場参加者へ送信するための手段と、
前記第2の金融メッセージを前記複数の市場参加者へ送信するための手段と、を備えているシステム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
非公開の市場データメッセージの生成及び送信を、対応する公開市場データメッセージの生成及び送信から分離することにより、起こり得ることとして、非公開データが対応する公開データより前に通信されるか、又はそうではなくて、非公開データの送信が対応する公開データの送信を追い越してしまい、その結果、非公開データの受信者に他の市場参加者より先に市場情報が提供されてしまうことになる可能性がある。この市場情報の先行受信は、市場参加者に対する市場情報の不均衡が起こり得るせいで、望ましからざる出来事とされるであろう。開示されている実施形態は、シカゴマーカンタイルエクスチェンジ(「CME」)の様な取引所から市場参加者への金融メッセージの通信において、特定市場参加者へ向けられているメッセージが、当該メッセージ中に保有される非公開の市場データが特定市場参加者によって認識され得ないように、全部又は一部が符号化されるか、又は隠蔽されるか、又はそれ以外に難読化されるようにした通信に関している。非公開の市場データの難読化は、隠蔽を取り外すこと又はそれ以外にデータを難読化解除することが必要であるデータが、全市場参加者へ向けられた別のメッセージであって非公開の市場データに関係してはいるが公開流布を意図したデータを更に保有している別のメッセージ中に提供されるように設計
することができる。特定市場参加者は、非公開の市場データを難読化解除するために必要なデータを全市場参加者へ向けられたメッセージから受け取ることになるので、全市場参加者へ向けられたメッセージが受信されるまでは、難読化された非公開の市場データが特定市場参加者によって理解されることは起こり得ないことが確約される。このやり方では、特定市場参加者が非公開の市場データを有するメッセージを、他の市場参加者が対応する市場データを受信するより前に
読解することの限定的な可能性は取り除かれ、且つ同時に非公開
の機密性の高いデータを秘密に保つことができる。
【0010】
開示されている実施形態は、先物及び/又は先物オプションを取引することに関係して論じられているが、当然のことながら開示されている実施形態は、現在利用可能であるか今後開発される何れかの株式、オプション、又は先物の取引システム又は市場に適用できるものである。当然のことながらここに記載されている先物取引所の様な取引環境は、権利及び義務が取引される1つ又は複数の経済市場を実現している。よって、取引環境は、市場の完全性、透明性、予測可能性、公正/公平アクセス、及び参加者の市場に関する期待感、を維持することの必要性によって特徴付けられよう。例えば、取引所は、トレーダー注文や取消などの入力に、市場データである例えば価格や利用可能な対抗注文などに基づくといった様に市場参加者によって予想される方式で応えて、トランザクションが起こることになる確実性の予想されるレベルを一貫性のある予測可能な方式で提供しなくてはならない。加えて、電子取引システムは、更に、トランザクションの処理の速さ、待ち時間、容量、及び応答時間に関する市場参加者による更なる期待感及び要求を生じさせると共に、それに関係して追加の複雑性を発生させることが理解されるであろう。従って、開示されている実施形態は、これから説明されてゆく様に、確実に市場参加者の期待感を満足させるようにする機能性、例えば予測できるシステム応答が維持される機能性、を更に含んでいる。
【0011】
入来する注文及び要求に対してのアウトバウンド応答は、「フィード」と呼称される伝達手段、例えばチャネル又はコネクション、を介して通信されるのが通常であり、当該フィードは、市場参加者全てへ広く同報通信される市場情報フィードとは分離されている。
【0012】
また一方、開示されている実施形態は、市場データメッセージ、例えば注文控え更新が、典型的に、市場参加者からの入来するメッセージに応えたものであること、例えば価格更新メッセージが何れかの以前の時点に受信された取引注文などへ応答して送られること、を認識している。従って、入来する要求メッセージへの応答としての全市場参加者への所与の市場データメッセージ同報通信は、当該要求メッセージの送信者へ特定的に送られる応答メッセージと重複しており、当該送信者は同報通信される市場データメッセージを重ねて受信することになる。例えば、一例として1つ又はそれ以上の取引される商品の価格に変化を引き起こすといった様に市場に影響を与える新規取引注文、注文変更、又は取引取消の様な要求を提出する市場参加者は、彼らの要求が処理されていることの確認を、残りの市場参加者がその影響を市場データへの更新を介して知るより前に受信するかもしれない。
【0013】
上記シナリオに対する解は、概して、通信の必要帯域幅を符号化機構又は圧縮機構によって削減すること、及び別々の通信経路の待ち時間を整列させる又は均等化する或いはそれ以外に正規化するべくバッファの様な機構を導入すること、を含んでいる。また一方、フィードのそれぞれにとって必要とされる帯域幅の削減化は非効率の問題を解決しようと努めてはいるが、その様な削減は有効性がシステム及びハードウェア依存性である。また、同じデータを確立する2つの異なったデータフィード間の待ち時間に関してパリティを実現しようとする試みは、概して、「ベストエフォート型」の解とされてきた。即ち、付きまとう待ち時間は勘案できても、追加的なそしておそらくは実質的にランダムな待ち時間を持ちこむ可能性のあるエラーや干渉といった様な一過性の事象を勘案することは難しい。
【0014】
ここでの使用に際し、金融メッセージは、市場参加者によって電子取引システムへ通信されるメッセージとその逆の方向に通信されるメッセージの両方を指す。電子取引システムへ通信される金融メッセージは「インバウンド」メッセージとも呼称され、トレーダー注文、注文変更、注文取消、などの様な要求メッセージ、並びに他のメッセージ型式、を含んでいよう。電子取引システムから通信される金融メッセージは「アウトバウンドメッセージ」と呼称され、確認メッセージの様な、インバウンドメッセージに応えたメッセージ、又は市場更新メッセージや気配値メッセージなどの様な他のメッセージ、を含んでいよう。
【0015】
金融メッセージは、更に、取引される商品について、「注文控え」又は「控え」とも呼称される市場への影響、例えば当該商品についての優勢価格など、を有している又は反映しているものか、或いは市場若しくはそのサブセット又は一部への影響を有していない又は反映していないものか、で分類される。例えば、取引を仕掛けるという要求は、取引が適当な対抗注文と突き合わされることになるか又は取引が注文控えに載せられ適当な対抗注文を待つことになるかのどちらかを指し示す応答をもたらすことになろう。幾つかの事例では、要求は、当該要求の受信時点に近接して一時的に発行される確認応答の様な影響無し応答を引き出し、次いで、より後の時点に別の市場影響有りを反映する応答を生じさせる、ということもある。例えば、ストップ注文、フィル・オア・キル注文、別名では即時又は取消注文、又は他の条件付き要求には、即時に市場に影響を及ぼす効果はなく、仮にあったとしても必要条件が合致するまでは影響を及ぼさない。従って、受信の認知又は確認、例えば市場影響無し通信、がトレーダーに送られ、単に注文が受信されたことが確認される。条件が合致し、その市場に影響を及ぼす結果が起こってくるという際には、市場影響有りメッセージが上述のように送信されることになる。注文が取り下げられる又はそれ以外に取り消される事態を引き起こす可能性のある時間限界又は価格限界の様な追加の条件が指定されることもあれば、その様な事象が代わりに別の市場影響無し通信を生じさせることもある、ものと理解しておきたい。幾つかの実施形では、市場影響有り通信は、市場影響無し通信とは分離して、例えば別の通信チャネル又はフィードを介するなどして、通信されることもある。更に、異なった市場又はその態様を反映する様々な型式の市場データフィードが提供され得ることが理解されるであろう。そうすると、市場参加者は、例えば、彼らにとって関心のあるフィードを受信するように加入申し込みをすることができる。例えば、特定の市場データフィードは、「トップ・オブ・ブック」フィードと呼称される、特定の商品についての最高売/買価格に関係する情報しか通信しないようになっていることもある。この事例では、要求メッセージは、最高売/買価格に作用する場合に限って市場に影響すると見なされ、それ以外は市場に影響しないと見なされることになる。市場に影響する通信は、市場に影響しない通信よりも、市場参加者にとってより重要とされる傾向があるので、この分離は、市場又はその一部への影響を有している又は反映しているそれら通信の間での混雑又はノイズを低減することができる。概して、開示されている実施形態は、これから説明する様に、例えばインバウンドメッセージに応えたものであるような、応答メッセージを反映して市場に影響の有る市場データを、他の市場への影響を反映するメッセージと併せて、難読化することに関する。
【0016】
市場データフィードは、更に、所与の市場、その集合体、又はその一部の「見解」又は「概観」を提供するものとして特徴付けられよう。例えば、市場データフィードは、特定の商品についての市場の全体的な状態、例えば全ての現在突き合わせ待ち売/買注文及びそれに関連付けられる価格並びに取引告示など、市場の一部に限定した状態、例えばトップ10限定の突き合わせ待ち売/買注文、及び/又は複数の市場又はそれらの一部分からなる集合体の状態、を伝送する。ここでの使用に際し、市場影響有り要求とは、市場データフィードを介して提示される市場の「見解」に影響を及ぼすものと言ってもよい。
【0017】
マーケット情報の異なった型式又はサブセットを提供するために、又はその様な情報を異なったフォーマットで提供するために、様々な型式の市場データフィードが、CMEの様な電子取引システムによって提供されている。例として、注文別市場(Market by Order)、市場深度(Market Depth)(別名では、控えの指定深度までの価格別市場)であって、例えばCMEが提供する10深価格別市場フィード、トップ・オブ・ブック(単深の価格別市場フィード)、及びそれらの組合せ、が挙げられる。内容の観点からみてあらゆる方式の専門的フィードがあり、即ち、例えば計算された指標の様な導出データを提供しているフィードがある。電子取引システムによって提供される市場データフィードの数、型式、及び方式は、実施形依存性であり、電子取引システムによって取引される商品の種類、顧客/トレーダーの選好、帯域幅及びデータ処理の制限事項、など、に依存して変わるものであること、及び現在利用可能であるか又は今後開発される全てのその様なフィードがここでは想定されていること、を理解しておきたい。
【0018】
概して、開示されている実施形態は、特定の市場参加者に限定して送られるメッセージ中に保有される消費市場情報への実際的な障害を作り出す。この障害は、市場情報の難読化又はロック掛け、及び特定の市場参加者が全市場参加者へ配信される公開メッセージ中に配信されている対応するキー無しには難読化を取り外すことができないという不能性、に基づいている。難読化が対応するキー無しにどの程度まで打ち破られるかは様々であろうが、1つの実施形態では、難読化は、対応するキー無しに難読化を打破しようとする何らかの試みを、受信者が難読化を打破できるようになる前に確実に他の市場参加者に公開情報を持たせられるだけの時間に亘って遅滞させるに十分でありさえすればよい。従って、システム中に何らかの待ち時間が存在して公開メッセージが市場参加者全てに到着するより前に非公開のメッセージを特定の市場参加者に到着させてしまうようなことがあったとしても、それは、当該特定の市場参加者が非公開のメッセージを受信した際にその市場データを消費する、用いる、又は理解することをできなくされていることによって緩和されるはずである。本質的に、実施形態は、公開メッセージが取り外しを可能にさせるまで非公開の市場データが情報の解禁時間制限(knowledge embargo)に保持されることを確実にする。
【0019】
1つの実施形態では、難読化は暗号化技法を通じて提供されている。例えば、隠蔽させることが意図される市場データは、暗号化アルゴリズムの使用を通じて難読化され、データの内容が、難読化された市場データを復号化するように又は読解可能にするように構成されているキーデータの使用無しには、何れの人又は機械にとっても読解不能になるようにされていてもよい。難読化又は暗号化されたデータへのアクセスを制御するために、別途、キーデータ又は暗号化キーが提供されるようになっていてもよい。例えば、暗号化キーは、取引所によって市場の参加者へ送信される公開メッセージと一体に又はその一部として提供されていてもよい。公開メッセージを受信した特定の市場参加者は、暗号化キーを使用し、暗号化キーによって復号させるように設計されているアルゴリズムで暗号化された市場データを有する既に受信済みの市場メッセージを暗号化解除又は復号することができる。
【0020】
或る実施形態では、暗号化されたデータを有する非公開のメッセージは、暗号化されたデータを復号するための特定の対応する暗号化キーを有することになる。特定の市場参加者は、どの公開メッセージが対応する暗号化キーを保有しているかを、識別子か又は非公開のメッセージと共に送信される但し難読化されていない他の相関付け用の表示に基づいて判断する。識別子は、対応するキーを保有している公開メッセージを識別又は指示していてもよい。例えば、識別子は、番号であってもよく、その場合、当該番号は対応するキーを保有している公開メッセージと一体に提供されている番号に一致する。非公開のデータメッセージをキーデータを備える公開データメッセージと相関付けることのできる他のやり方もあり、全てのその様な方法がここでは想定されていることを理解しておきたい。
【0021】
1つの実施形態では、公開メッセージのフォーマット及び/又は体裁を更に正規化するように、固有暗号化キー即ち擬製又はおとりの固有キーがアウトバウンドの公開メッセージと一体に含められている。このやり方では、市場参加者には全てのメッセージが同じ様な体裁で提示されるので、単なる公開メッセージ中の暗号化キーの存在から市場情報を推察することはより難しくなろう。更に、複数の暗号化キー、擬製キー、又はそれらの組合せが、公開メッセージと一体に提供されるようになっていてもよい。例えば、複数の非公開のメッセージ中に反映されている情報を開示する複数の暗号化キーが、公開メッセージと一体に含められていてもよい。そうすると、複数の暗号化キーが含められていない公開メッセージの体裁を正規化するために複数の擬製キーが必要になるであろう。更に、実際の暗号化キーの存在又は意図をよりいっそうぼやかすために、ランダムな数の擬製キーが生成され、メッセージと一体に含められるようになっていてもよい。
【0022】
或る実施形態では、市場参加者用にデバイスが提供されている。デバイスは、難読化されたデータを有する非公開のメッセージを受信するように動作する。デバイスは、更に、非公開のメッセージの難読化されたデータから難読化を取り外すように構成されているキーデータを有する公開メッセージを受信するように動作する。
【0023】
本開示の態様によれば、金融メッセージの通信を管理するためのシステム及び方法が開示されている。開示されている実施形態は、ユーザー例えば市場参加者が取引情報をやり取りできるようにする、
図4に関連付けて説明されている様なコンピュータデバイス及びコンピュータネットワークと共に実施されるのが望ましい。開示されている実施形態を利用する複数のエンティティ例えば市場参加者は、特定のエンティティが開示されている実施形態に関して果たすことになる役割を反映する他の名称で呼ばれることもあること、及び所与のエンティティが、実施形及び着手されようとする特定のトランザクションの性質並びに当該エンティティの別の市場参加者及び/又は取引所との約定関係及び/又は法的関係に依っては、1つより多くの役割を果たすこともあること、を理解しておきたい。
【0024】
金融メッセージ510及び530を有する市場データの複数の市場参加者550及び540へのネットワーク532及び534上での通信を管理するための説明図が
図5に示されている。例えば、特定の市場参加者540がネットワーク532を使用して取引所505相手に注文を出すとする。取引所505は、当該注文に対し、非公開のメッセージ510を非公開の回路ネットワーク532上で当該特定の市場参加者540へ送ることによって応答することができる。非公開のメッセージ510は、特定の市場参加者540が非公開のメッセージ510の内容を知ることを許容しない方式でロック掛け又は難読化される。取引所505は、更に、公開メッセージ520を生成し、それをマルチキャスト回路ネットワーク534を使用して送る。或る実施形態では、マルチキャスト回路ネットワーク534は、公開ネットワークと考えることができる。別の実施形態ではマルチキャスト回路ネットワーク534は、複数の市場参加者540のための非公開の回路ネットワークの集まりとされている。非公開のメッセージ510の内容をロック解除するように設計されているキーが、公開メッセージ520と一体に含められる。公開メッセージ520がマルチキャストネットワーク534を使用して送信されると、特定の市場参加者540とその他の市場参加者550の両方が公開メッセージ520を受信する。特定の市場参加者は、次いで、公開メッセージ520中のキーを使用して、非公開のメッセージ510の内容をロック解除することができる。
【0025】
取引システム及び方法を実施するための或る例示としての取引ネットワーク環境が
図1に示されている。取引所コンピュータシステム100は、ワイドエリアネットワーク126及び/又はローカルエリアネットワーク124並びに取引所コンピュータシステム100と連結されている以下に記載のコンピュータデバイス114、116、118、120、及び122を介すなどして、注文を受信し、注文及び取引に関係のある市場データをユーザーへ送信する。
【0026】
ここでは「〜と連結されている」という語句は、直接に接続されている又は1つ又はそれ以上の介在構成要素を通じて間接に接続されている、を意味すると定義されている。その様な介在構成要素は、ハードウェアベースの構成要素とソフトウェアベースの構成要素の両方を含み得る。更に、未決クレームでの使用を明確化すること、そしてまたこれにより公衆へ注意を促すことを期して、「<A>、<B>、・・・及び<N>のうちの少なくとも1つ」又は「「<A>、<B>、・・・<N>、又はそれらの組合せのうちの少なくとも1つ」という語句は、出願人によって最も広範な意味で定義され、これまで又はこれ以後も出願人によって異論が明示的に表明されない限り如何なる他の示唆される定義にも優先されるものであって、A、B、・・・及びNから成る群より選択された1つ又はそれ以上の要素を意味し、つまりは、要素A、B、・・・又はNのうちの1つ又はそれ以上からなる何れかの組合せということであり、何れか1つの要素単独又は他の要素のうちの1つ又はそれ以上との組合せによるものが含まれ、上記他の要素は更に記載されていない追加の要素を含み得る。
【0027】
取引所コンピュータシステム100は、1つ又はそれ以上のメインフレーム、デスクトップ又は他のコンピュータ、例えば以下に
図4に関して説明されているコンピュータ400など、と共に実施することができる。トレーダー及び取引所コンピュータシステム100の他のユーザーを識別する情報、例えば口座番号又は識別子やユーザー名及びパスワードなど、を含んでいるユーザーデータベース102が提供されていてもよい。取引中に使用される口座情報を処理する口座データモジュール104が提供されていてもよい。ビッド価格とオファー価格を突き合わせるために突き合わせエンジンモジュール106が含まれていて、ビッドとオファーを突き合わせるための1つ又はそれ以上のアルゴリズムを実行するソフトウェアと共に実施されていてもよい。取引及び取引の明細を識別する情報を記憶するために取引データベース108が含まれていてもよい。具体的には、取引データベースは、取引の起こった時間及び約定価格を識別する情報を記憶するようになっていてもよい。現在ビット価格及び現在オファー価格を算出する又はそれ以外に求めるために注文控えモジュール110が含まれていてもよい。市場データを集め、ユーザーへの送信のためのデータを用意するために、市場データモジュール112が含まれていてもよい。ユーザーのリスク活用をユーザーの定義したリスク閾値に関して算出し確定するためにリスク管理モジュール134が含まれていてもよい。注文控えモジュール110及び/又は突き合わせエンジンモジュール106による処理に向けてデルタベース注文型式及びバルク注文型式を分解するために注文処理モジュール136が含まれていてもよい。開示されている実施形態の1つ又はそれ以上の態様によれば、中でも特に、大量気配値メッセージの受け入れレートを制御するために、メッセージ管理モジュール140が含まれていてもよい。同時処理制限が、ユーザーデータベース102、口座データモジュール104、突き合わせエンジンモジュール106、取引データベース108、注文控えモジュール110、市場データモジュール112、リスク管理モジュール134、注文処理モジュール136、又は取引所コンピュータシステム100の他の構成要素、を含む取引システム構成要素のうちの1つ又はそれ以上によって定義されているか又は以上に説明されている様に別々に又は組み合わせてその様な構成要素のうちの1つ又はそれ以上に課せられていることもあるものと理解しておきたい。
【0028】
或る実施形態では、メッセージ管理モジュール140は、少なくともその一部分が難読化されている第1のメッセージであって、第1のメッセージの難読化されている部分が当該難読化部分を読解可能にさせるように構成されている関連付けられたキーデータ無しには読解不能になっている、第1のメッセージを生成するように、及び関連付けられたキーデータを備える第2メッセージを生成するように、構成されているメッセージ生成部を含んでいる。メッセージ管理モジュール140は、更に、第1のメッセージを第1市場参加者へ、そして第2のメッセージを複数の市場参加者へ、送信するように構成されているメッセージ送信部を伴っていてもよい。
【0029】
図1に示されている取引ネットワーク環境は、例示としてのコンピュータデバイス114、116、118、120、及び122を含んでおり、それらコンピュータデバイスは、コンピュータデバイスを取引所コンピュータシステム100と連結させる、又はユーザーに取引及びそれに付帯する他の情報を通信させる、例えば送信及び受信させる、異なった例示としての方法又は媒体を描いている。トレーダーによって配備されるコンピュータデバイスの型式及び彼らを取引所コンピュータシステム100と通信させる方法及び媒体は、実施形依存性であって変わることもあること、描かれているコンピュータデバイス全て及び/又は通信の手段/媒体全てが使用されるとは限らないこと、及び現在利用可能であるか又は今後開発される他のコンピュータデバイス及び/又は通信の手段及び/又は媒体が使用されてもよいこと、を理解しておきたい。各コンピュータデバイスは、以下に
図4に関して更に詳細に説明されているコンピュータ400を含んでいてもよいとされるものであって、コンピュータの動作全般を制御する中央プロセッサ、及び中央プロセッサをネットワークカード又はモデムの様な1つ又はそれ以上の従来式構成要素へ接続しているシステムバスを含んでいてもよい。各コンピュータデバイスは、更に、データ又はファイルを読み出したり書き込んだりするため、及び他のコンピュータデバイスや取引所コンピュータシステム100と通信するための、各種インターフェースユニット及びドライバを含んでいてもよい。コンピュータデバイスの型式に依存して、ユーザーは、キーボード、ポインティングデバイス、マイクロホン、ペンデバイス、又は現在利用可能であるか又は今後開発される他の入力デバイスを用いて、コンピュータと対話することができる。
【0030】
一例としてのコンピュータデバイス114は、例えば、T1ライン、一般的なローカルエリアネットワーク(LAN)、又はコンピュータデバイス接続用の他の有線及び/又は無線媒体、例えば
図4に示されていて以下に
図4に関して説明されているネットワーク420、を介するなどして、直接に取引所コンピュータシステム100へ接続されているものとして示されている。例示としてのコンピュータデバイス114は、更に、ラジオ132へ接続されていることが示されている。セルラー電話、スマートフォン、又は他の無線式専有及び/又は非専有デバイス、を含むラジオ132のユーザーは、トレーダー又は取引所職員とすることができる。ラジオユーザーは、注文又は他の情報を、例示としてのコンピュータデバイス114又はそのユーザーへ送信することができる。すると、例示としてのコンピュータデバイス114のユーザーが、又は例示としてのコンピュータデバイス114が単独に及び/又は自発的に、取引又は他の情報を取引所コンピュータシステム100へ送信する。
【0031】
例示としてのコンピュータデバイス116及び118はローカルエリアネットワーク(「LAN」)124と連結されており、当該LAN124は、周知のLAN技術である例えばスター、デイジー、チェーン、など、のうちの1つ又はそれ以上に構成されていて、イーサネット(登録商標)、TCP/IP、など、の様な多種多様なプロトコルを使用していよう。例示としてのコンピュータデバイス116及び118は、互いと通信し、またLAN124と連結されている他のコンピュータや他のデバイスと通信していてもよい。コンピュータ及び他のデバイスは、撚対線、同軸ケーブル、光ファイバー、又は他の有線又は無線媒体、を介してLAN124と連結させることができる。
図1に示されている様に、移動式電話、タブレットベースの演算デバイス、又は他のワイヤレスデバイスの様な、例示としての無線パーソナルデジタルアシスタントデバイス(「PDA」)122が、WiFi、Bluetooth(登録商標)、及び/又はセルラー電話ベースのデータ通信プロトコルの様な、ラジオ波を介してLAN124及び/又はインターネット126と通信していてもよい。PDA122は、更に、従来式ワイヤレスハブ128を介して取引所コンピュータシステム100と通信していてもよい。
【0032】
図1は、更に、LAN124を、1つ又はそれ以上の公開又は非公開の有線又は無線ネットワークで構成されているワイドエリアネットワーク(「WAN」)126と連結されているものとして示している。1つの実施形態では、WAN126はインターネット126を含んでいる。LAN124は、LAN124をインターネット126へ接続するルーターを含んでいよう。例示としてのコンピュータデバイス120は、モデム、DSLライン、衛星テレビ受信用アンテナ、又は知られている様にコンピュータデバイスをインターネット126へ接続サービスプロバイダを介して接続するための何れかの他のデバイス、を介して、インターネット126へ直接連結されているものとして示されている。LAN124及び/又はWAN126は、
図4に示され以下に
図4に関して説明されているネットワーク420と同じであってもよい。
【0033】
以上に説明されている様に、取引所コンピュータシステム100のユーザーには、金融派生商品又は証券についての絶え間のないビッド価格及びオファー価格を、例えば描かれている例示としてのコンピュータデバイスのうちの1つを介するなどして、取引所コンピュータシステム100へ提供することによって市場を維持する1人又はそれ以上のマーケットメーカー130が含まれていることもある。取引所コンピュータシステム100は、更に、取引エンジン138の様な他の取引エンジン相手に情報をやり取りすることもある。当業者には、数多くの追加のコンピュータ及びシステムが取引所コンピュータシステム100へ連結されていることもあることが理解されるであろう。その様なコンピュータ及びシステムには、清算システム、規制システム、及び料金システム、が含まれよう。
【0034】
図1に示されているコンピュータデバイス及びシステムの動作は、非一時的コンピュータ可読媒体上に記憶されているコンピュータ実行可能命令によって制御できるようになっていてもよい。例えば、例示としてのコンピュータデバイス116は、注文情報をユーザーから受信し当該注文情報を取引所コンピュータシステム100へ送信するためのコンピュータ実行可能命令を含んでいてもよい。別の例では、例示としてのコンピュータデバイス118は、市場データを取引所コンピュータシステム100から受信し当該情報をユーザーへ表示するためのコンピュータ実行可能命令を含んでいてもよい。
【0035】
当然ながら、取引所コンピュータシステム100へは、数多くの追加のサーバ、コンピュータ、手持ち式デバイス、パーソナルデジタルアシスタント、電話、及び他のデバイスも接続されていよう。また、当業者には、
図1に示されているトポロジーは一例にすぎず、
図1に示されている構成要素は、図示されていないが数多くの代わりのトポロジーによって接続されている他の構成要素を含んでいてもよいことが理解されるであろう。
【0036】
図1に示されている様に、取引所コンピュータシステム100は、更に、メッセージ管理モジュール140を含んでおり、当該メッセージ管理モジュール140は、市場データモジュール112と合同で、取引所と複数の市場参加者の間で送られる金融データを保有する市場メッセージを管理するための開示されている機構を実施していてもよい。但し、以上に論じられている様に、開示されている機構は、1つ又はそれ以上のゲートウェイデバイス、モデム、1人又はそれ以上のトレーダーのコンピュータ又は端末、など、を含め、関連のメッセージトラフィック及びそれらへの応答を通過させるか、或いはそうでなければアクセス可能な、何れの論理的及び/又は物理的な(単数又は複数の)点で実施されていてもよい。
【0037】
図2は、1つの実施形態によるメッセージ管理モジュール140のブロック線図を描いており、或る例示としての実施形では、上述の取引所コンピュータシステム100の一部として実施されている。
【0038】
ここに記載されている実施形態は、大量気配値メッセージ、個々の注文メッセージ、取消メッセージ、など、の様な取引関連メッセージを用いている。取引エンティティは、セッションと関連付けられる1つ又は複数の取引端末を有していよう。また、金融証券は金融派生商品とすることができる。派生商品には、先物約定、先物オプション約定、他の先物約定の関数であるか又は他の先物約定と関係付けられている先物約定、スワップ、スワップション、又は価格が、対象商品、証券、市況商品、株式、指標、又は金利商品、に関係付けられているか又はそれらから派生している他の金融証券、が含まれる。1つの実施形態では、注文は、一般的なオプションクラスに属するオプション約定に対する注文である。注文は、更に、金融証券のバスケット、クアドラント、又は他の組合せ、など、に対してのこともある。オプション約定は、複数の権利行使価格を有していることもあり、及び/又はプット約定及びコール約定を備えていることもある。大量気配値メッセージが取引所に受信されることもある。ここでの使用に際し、取引所100には、注文を受信及び/又は実行する場及び/又はシステムが含まれる。
【0039】
図2は、複数の金融メッセージの複数の市場参加者へのネットワーク214を介しての通信を管理するためのシステム200を示しており、以上に説明されている様にネットワーク214は、以下に説明されているネットワーク420又は以上に説明されているネットワーク124又は126であってもよく、システム200は上述の統合フィードモジュール140として実施されていてもよい。複数のメッセージは、複数の市場参加者のうちの第1の市場参加者によって受信され読解されることを意図したデータを含む第1の金融メッセージと、第1の金融メッセージに対応していて複数の市場参加者全てを対象としたデータを含む第2の金融メッセージと、を含んでいよう。開示されている実施形態は、実施形に依存して、他の型式のメッセージに適用できるものと理解しておきたい。また、メッセージは、1つ又はそれ以上のデータパケット、データグラム、又は、上述のネットワーク214を介しての送信に適する特定の1つ又はそれ以上のプロトコル、例えば、FIXプロトコル、TCP/IP、イーサネット(登録商標)、などに、フォーマットされた、配列された、構成された、及び/又はパッケージされた他のデータ集合体、を備えていてもよく、その様なメッセージフォーマット及び/又はプロトコルは米国特許第7,831,491号及び米国特許公開第2005/0096999A1号に記載されており、両特許を参考文献としてここにそっくりそのまま援用する。また、開示されているメッセージ管理システムは、FIX又はFIX/FASTの様なオープンメッセージ標準実装を使用して、又は取引所提供のAPIによって、実施されていてもよい。
【0040】
システム200は、プロセッサ202及びそれと連結されているメモリ204を含んでおり、それらは以下に
図4に関して説明されているプロセッサ402及びメモリ404として実施されていてもよい。システム200は、更に、メモリに記憶されていて、プロセッサ202によって実行されると、プロセッサ202に第1金融メッセージの少なくとも一部分を難読化するように仕向け、第1の金融メッセージの難読化された部分が、当該難読化部分を第1の市場参加者にとって読解可能にさせるように構成されている関連付けられたキーデータ無しには、第1の市場参加者にとって読解不能になるようにする、第1の論理206を含んでいる。システム200は、更に、メモリ204に記憶されていて、プロセッサ202によって実行されると、関連付けられたキーデータを備える第2の金融メッセージを生成させる、第2の論理212を含んでいる。代わりに、第2の論理212は、既存の第2のメッセージを関連付けられたキーデータで拡張させるように構成されていてもよい。システム200は、更に、メモリ204に記憶されていて、プロセッサ202によって実行されると、プロセッサ202に、ネットワーク214を介して、難読化された第1の金融メッセージを第1の市場参加者へ送信するよう仕向ける、第3の論理208を含んでいてもよい。システム200は、追加的に、メモリ204に記憶されていて、プロセッサ202によって実行されると、プロセッサ202に、ネットワーク214を介して、第2の金融メッセージを複数の市場参加者への送信するよう仕向ける、第4の論理208を含んでいる。第1の金融メッセージは、トレーダー注文、取引変更、取引取消、又はそれらの組合せ、に応えたものであり、確認メッセージ、更新メッセージ、拒絶メッセージ、又はそれらの組合せを備えていよう。第1の金融メッセージは、第1の市場参加者によって提出された前のメッセージに応答してシステム200によって生成されるものとすることができる。
【0041】
1つの実施形態では、第1の論理206は、プロセッサ202によって実行されると、暗号化アルゴリズムを使用して可読平文を不可読暗号文へ変換することによって第1の金融メッセージの少なくとも一部分を難読化するようになっていてもよい。暗号化アルゴリズムは、対称キーアルゴリズムであってもよいし、非対称アルゴリズムであってもよいし、又は、強引な解読の企てが、少なくとも、第1の金融メッセージの特定市場参加者による受信と第2金融メッセージの複数の市場参加者のうちの少なくとも1人の市場参加者による受信の間の遅延であると判定される時間の長さを要してしまう程度に、第1の金融メッセージの一部分を難読化するように構成されている何れかの暗号化アルゴリズムであってもよい。第1の論理206は、更に、第1のメッセージの難読化部分を第1の市場参加者にとって読解可能にさせるように構成されている暗号化暗号の形式をしているキーデータを生成させるよう実行可能になっていてもよい。或る代替形として、第2の論理212がキーデータを生成させるよう実行可能になっていてもよい。第2の論理212は、更に、キーデータを有する識別子を含めるよう実行可能になっていてもよい。識別子は、難読化部分を有する第1の金融メッセージと難読化部分を復号するように即ち理解可能にさせるように構成されているキーデータとの間の関連付けを指し示していてもよい。
【0042】
1つの実施形態では、第2の論理212は、更に、プロセッサ202によって実行されると、第2の金融メッセージを、第2の金融メッセージ中の復号キーを第1の市場参加者によって受信された第1の金融メッセージと関連付けるために第1の市場参加者が認識できる識別データで拡張させるようになっていてもよい。例えば、識別データは、第1のメッセージの非難読化部分又は読解可能部分中に含まれている番号に一致する識別番号であってもよい。別の実施形態では、識別データは認識可能にされている。
【0043】
1つの実施形態では、第2論理212は、更に、プロセッサ202によって実行されると、金融メッセージを、複数のメッセージと関連付けられたキーデータを指し示すデータで拡張させるようになっていてもよい。例えば、擬製キー又は特定のデータを復号する働きを持たないキーデータを金融メッセージ中に含ませるようにしてもよい。擬製キーは、キーデータを含んでいない金融メッセージを正規に見せかけるために使用されるものである。更に、或る実施形態で、金融メッセージ中に、複数のメッセージの複数の部分を復号するためにキーデータの複数のセットが含められる場合、複数の擬製キーをキーの標準数即ちキーデータの量が維持されるようにして含ませることは市場参加者に正規の体裁を与えることができる。
【0044】
1つの実施形態では、システム200は、プロセッサ202によって実行されると、何れのメッセージ又は何れのメッセージの諸部分をも復号する機能の無い擬製キーを有する第3のメッセージを生成させる第5論理を含んでいてもよい。典型的に、第3のメッセージは、複数の市場参加者による受信を意図した公開金融メッセージということになろう。これは、メッセージングシステムの全公開メッセージにとって普通の体裁を維持するための追加の技法であるとしてもよい。
【0045】
図6は、これまでに説明されている実施形態と共に利用でき、また
図1のコンピュータデバイス114、116、118、120、又は122として実施することのできる、メッセージ受信デバイス250の或る実施形態を示している。メッセージ受信デバイス250は、プロセッサ222及びそれと連結されているメモリ224を含んでおり、それらは以下に
図4に関して説明されているプロセッサ402及びメモリ404として実施されていてもよい。メッセージ受信デバイス250は、更に、メモリ224に記憶されていて、プロセッサ222によって実行されると、プロセッサ222に、以上に説明されている様な第1メッセージであって、市場データを含み、その少なくとも一部分が難読化されていて、当該第1のメッセージを解読するように構成されている関連付けられたキー又はキーデータ無しには解読不能になっている、第1のメッセージを受信するよう仕向けるように構成されている第1の論理226を含んでいる。
【0046】
代わりに、第1の論理226を、プロセッサ222にネットワーク214を使用してシステム200から第1のメッセージを検索させるように構成してもよい。メッセージ受信デバイス250は、更に、メモリ224に記憶されていて、プロセッサ222によって実行されると、プロセッサ222に、システム200によって複数の市場参加者へネットワーク214を介して送信された第2のメッセージを取り出すよう仕向けるように構成されている第2の論理228を含んでいる。第2のメッセージは、市場データと、第1メッセージの難読化された市場データを解読するように構成されている関連付けられたキー又はキーデータと、を備えている。メッセージ受信デバイス250は、更に、メモリ224に記憶されていて、プロセッサ222によって実行されると、プロセッサ222に、第1のメッセージの難読化された市場データを関連付けられたキー又はキーデータを使用して解読するよう仕向けるように構成されている第3論理230を含んでいる。
【0047】
図3は、
図2のシステム200の動作を示す流れ図を描いている。具体的には、
図3は、複数の金融メッセージの複数市場参加者へのネットワーク214を介した通信を管理するためのコンピュータ実施型の方法を示しており、当該複数の金融メッセージは第1の金融メッセージを含んでいる。第1の金融メッセージは、複数の市場参加者のうちの第1市場参加者によって受信され読解されることを意図した第1の市場データを含んでいる。複数の金融メッセージは、更に、第1の金融メッセージに対応していて複数の市場参加者全てによって受信され読解されることを意図した第2の市場データを含んでいる第2の金融メッセージを含んでいる。動作は、第1のメッセージの少なくとも一部分を難読化する段階(ブロック310)と、第2のメッセージをキーデータで拡張する段階(ブロック320)と、第1のメッセージを送信する段階(ブロック330)と、第2のメッセージを送信する段階(ブロック340)と、を含んでいる。
【0048】
或る実施形態では、第1の金融メッセージと第2の金融メッセージは、メッセージペアと見なされ、同じ市場活動に応答して生成される。例えば、第1の金融メッセージが第1の市場参加者へ送られる注文確認であり、その場合、第2の金融メッセージは注文の結果としての対象商品又は対象物の市場価格調節である、としてもよい。
【0049】
或る実施形態は、プロセッサ202によって、第1の金融メッセージの第1の市場データの少なくとも一部分を難読化する段階(ブロック310)において、第1の市場データの難読化された部分が、当該難読化データを当該第1の市場参加者にとって読解可能にさせるように構成されている関連付けられたキーデータ無しには、第1の市場参加者にとって読解不能になるように難読化する段階を伴う。第1の金融メッセージは、確認メッセージ、更新メッセージ、拒絶メッセージ、又はそれらの組合せ、とする。難読化する段階は、第1の市場データの一部分の理解を不明瞭にする働きをする何れの方法によってもよい。或る実施形態では、難読化する段階(ブロック310)は、暗号化アルゴリズムを使用して、可読平文を不可読暗号文へ変換する段階を伴う。更に、関連付けられたキーデータは、強引な解読の企てを、特定の第1の市場参加者による第1の金融メッセージの受信と第2の金融メッセージの受信の間の遅延であると判定される時間の長さに亘って食い止めるサイズの暗号化暗号を含んでいてもよい。難読化する段階は、データを人間及び機械にとって関連付けられたキーデータの適用無しには読解不能にさせる何れのプロセス又は方法を伴っていてもよい。
【0050】
或る実施形態では、第1の金融メッセージは全て難読化されるようになっている。別の実施形態では、第1のメッセージ中に含まれる何らかの市場データは全て難読化され、第1の市場メッセージ中に含まれる他のデータは読解可能にされるようになっている。或る実施形態では、金融メッセージの市場データは全て難読化されるが、第2の金融メッセージのための識別データを指し示すメッセージ部分は難読化されないようになっている。例えば、第1の金融メッセージは、読解可能な識別子と難読化された市場データを含んでいてもよい。識別子は、第1の金融メッセージ市場データを難読化解除する又は読解可能にするように構成されているキーデータを有する第2市場メッセージを識別していてもよい。或る実施形態では、第1のメッセージ中の識別子は第2のメッセージ中の識別子に一致している。別の実施形態では、第1の金融メッセージ中の識別子は、第2の金融メッセージ中のデータに対応してはいるが、第2の金融メッセージ中のデータに一致してはいない。或る実施形態では、第1のメッセージの識別子は、第1の市場参加者を対応する第2の金融メッセージへ方向付ける類別/種別を指し示している。例えば、市場メッセージフィードが色を割り当てられている場合、第1の金融メッセージ識別子はフィードについて色と個別メッセージシリアル番号を指し示していてもよい。その様な実施形態では、第1のメッセージ識別子は、「RED002341」と読めるものであって、而して「RED(赤色)」フィードのメッセージ番号002341が関連付けられたキーデータを保有している対応する第2の金融メッセージであることが指し示されるようにしていてもよい。
【0051】
或る実施形態では、第1の金融メッセージは、第1の市場参加者から前に受信されているメッセージに応えたものである。例えば、第1の市場参加者が注文を提出していたとすると、その場合、第1の金融メッセージは当該注文が出されたことを確認する注文確認である、としてもよい。更に、その様な実施形態では、どんな注文が確認されたかを指し示す第1の市場メッセージのデータは難読化されるようになっていてもよい。別の実施形態では、全実質市場データが難読化されるようになっていてもよい。例えば、メッセージの型式、即ち、注文確認、対応する注文、注文の対象となる物、注文高、及び市場への潜在効果を示唆する何れかの他の情報、を指し示す市場データが難読化される。他の実施形態では、選択された市場データ型式のみが難読化される。例えば、対象となる物及び注文高のみが難読化されるようになっていてもよい。
【0052】
或る実施形態は、プロセッサ202によって、第1の金融メッセージに対応する第2の金融メッセージを関連付けられたキーデータで拡張する段階(ブロック320)を伴う。キーデータは、対応する暗号化アルゴリズムで暗号化された市場データ又はメッセージを解読する働きをする暗号化暗号であってもよい。
【0053】
或る実施形態では、プロセッサ202によって、第2のメッセージを拡張する段階は、更に、第2の金融メッセージを、第2金融メッセージ中の関連付けられたキーデータを第1の金融メッセージとリンクさせる識別データを含めるように拡張する段階を伴う。例えば、第2の金融メッセージは、第1の金融メッセージの識別子に一致する識別子で拡張されていてもよい。
【0054】
或る実施形態では、第2の金融メッセージは、複数の金融メッセージのための複数のキー及び関連付けられたキーデータの存在を指し示すデータで拡張されるようになっている。例えば、公開メッセージ即ちこの実施形態では第2のメッセージは、複数の非公開のメッセージに関係付けられる市場データを伴っており、それら複数の非公開のメッセージのうちの1つが第1のメッセージである。複数の非公開のメッセージが部分的又は全体的に難読化されることから、公開メッセージは、難読化された非公開のメッセージと関連付けられたキーデータを提供するように構成されている複数のキーを含んでいるか又は複数のキーで拡張されている。或る実施形態では、第2の金融メッセージも、擬製キーか又はキーデータを模してはいるが難読化されたデータを読解可能にさせるように構成されてはいないデータで拡張されるようになっていてもよい。擬製キーは、複数キー拡張を伴う実施形態での第2の金融メッセージの体裁を正規化するのに使用されている。別の実施形態では、対応する非公開のメッセージを有していない或いはそれ以外でキーデータを保有していない第3金融メッセージが擬製キー又は擬製キーデータで拡張されている。第3のメッセージは、同様に、複数の市場参加者へ送信されるようになっていてもよい。
【0055】
或る実施形態は、プロセッサ202によって、ネットワーク214を介して、難読化された第1の金融メッセージを、第1の市場参加者へ送信する段階(ブロック330)を伴う。
【0056】
或る実施形態は、プロセッサ202によって、ネットワーク214を介して、第2の金融メッセージを、複数の市場参加者へ送信する段階(ブロック340)を伴う。
【0057】
図7は、
図6のメッセージ受信デバイス250の動作を示す流れ図を描いている。動作は、第1のメッセージを受信する段階(ブロック350)と、第2のメッセージを受信する段階(ブロック360)と、第1のメッセージ中のデータの難読化を第2のメッセージ中に保有されているキーデータで取り外す段階(ブロック370)と、を含んでいる。
【0058】
或る実施形態は、第1の金融メッセージを、システム200から、ネットワーク214を使用して、受信する段階(ブロック350)を含む。第1の金融メッセージは、少なくとも一部分が難読化されている市場データであって、当該第1の市場データの難読化部分が難読化されたデータを復号するように又は読解可能にさせるように構成された関連するキーデータ無しには読解不能になっている、市場データを含む。
【0059】
或る実施形態は、システム200からネットワーク214を使用して、複数の市場参加者へ送信された第2のメッセージを取り出す段階(ブロック360)を含む。第2のメッセージは、第1のメッセージの難読化された市場データを復号するように又は読解可能にさせるように構成されている関連するキーデータを含む。
【0060】
或る実施形態は、第1の金融メッセージの難読化された市場データの難読化を、第2金融メッセージからのキーデータを使用して、取り外す段階(ブロック370)を伴う。難読化を取り外す段階は、復号すること、解読すること、暗号化解除すること、又は難読化された市場データを読解可能にさせる何れかの他の方法、を伴う。
【0061】
図3の流れ図(ブロックの集まり380)の少なくとも一部分は、
図2のシステム200を使用して実施されていてもよく、
図7の流れ図(ブロックの集まり390)の少なくとも一部分は、
図6のメッセージ取り出しデバイス250を使用して実施されていてもよい、と理解しておきたい。当業者には、ここに記載されている1つ又はそれ以上のモジュールは、他にもあろうが中でもとりわけ、コンピュータ可読命令(例えば実行可能なソフトウェアコード)を備える有形コンピュータ可読媒体を使用して、実施できることが理解されるであろう。代わりに、モジュールは、ソフトウェアコード、ファームウェアコード、ハードウェア、及び/又は上記のものの組合せ、として実施されていてもよい。例えば、モジュールは金融証券のための取引所100の一部として具現化されていてもよい。
【0062】
図4を参照すると、全体としてのコンピュータシステム400の例示的な実施形態が示されている。コンピュータシステム400は、実行されると、コンピュータシステム400にここに開示されている方法又はコンピュータベースの機能のうちの何れか1つ又はそれ以上を遂行するよう仕向けることのできる命令のセットを含むことができる。コンピュータシステム400は、独立型デバイスとして動作していてもよいし、例えばネットワークを使用して、他のコンピュータシステム又は周辺デバイスへ接続されていてもよい。以上に論じられている構成要素のうちの何れか、例えばプロセッサ202は、コンピュータシステム400か又はコンピュータシステム400中の構成要素とすることができよう。コンピュータシステム400は、突き合わせエンジン、マージン処理、支払又は清算機能を、開示されている実施形態がその構成要素をなしているシカゴマーカンタイルエクスチェンジの様な取引所に成り代わって実施することになる。
【0063】
ネットワーク化された配備の中で、コンピュータシステム400は、クライアント−サーバ・ユーザーネットワーク環境でのサーバの立場で動作しているか又はクライアントユーザーコンピュータとして動作していてもよいし、又はピア・ツー・ピア(又は分散型)ネットワーク環境でのピアコンピュータシステムとして動作していてもよい。コンピュータシステム400は、更に、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、セットトップボックス(STB)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、移動体デバイス、パームトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、通信デバイス、無線電話、地上回線電話、制御システム、カメラ、スキャナ、ファクシミリ機、プリンタ、ページャ、パーソナルトラステッドデバイス、ウェブアプライアンス、ネットワークルータ、スイッチ又はブリッジ、又は何れかの他の機械であって当該機械によって取られる行動を特定している命令のセット(順次式又はそれ以外の様式)を実行する能力のある機械、の様な各種デバイスとして実施するか又はその様な各種デバイスへ組み入れることができる。或る特定の実施形態では、コンピュータシステム400は、音声、映像、又はデータ通信、を提供する電子デバイスを使用して実施することができる。また、単一のコンピュータシステム400が示されているが、「システム」という用語は、同様に、命令の単数又は複数のセットを個別に又は連帯に実行して1つ又はそれ以上のコンピュータ機能を遂行させるシステム又はサブシステムの何らかの集まりを含むものと解釈されるべきである。
【0064】
図4に示されている様に、コンピュータシステム400は、プロセッサ402、例えば、中央処理ユニット(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、又はそれら両方、を含んでいてもよい。プロセッサ402は、各種システム中の構成要素であってもよい。例えば、プロセッサ402は、標準的なパーソナルコンピュータ又はワークステーションの一部であってもよい。プロセッサ402は、1つ又はそれ以上の、一般的なプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、サーバ、ネットワーク、デジタル回路、アナログ回路、それらの組合せ、又は他の現在知られているか又は今後開発されるデータ分析処理用デバイス、とすることができる。プロセッサ402は、手動生成される(即ちプログラムされる)コードの様なソフトウェアプログラムを実施していてもよい。
【0065】
コンピュータシステム400は、バス408を介して通信することのできるメモリ404を含んでいてもよい。メモリ404は、主メモリ、静的メモリ、又は動的メモリ、とすることができる。メモリ404は、限定するわけではないが、様々な型式の揮発性又は不意揮発性記憶媒体の様なコンピュータ可読記憶媒体を含んでいてもよく、その様な記憶媒体には、限定するわけではないが、ランダムアクセスメモリ、読み出し専用メモリ、プログラム可能読み出し専用メモリ、電気的プログラム可能読み出し専用メモリ、電気的消去可能読み出し専用メモリ、フラッシュメモリ、磁気テープ又はディスク、光学媒体、及び同種のもの、が含まれる。1つの実施形態では、メモリ404は、プロセッサ402のためのキャッシュ又はランダムアクセスメモリを含んでいる。代わりの実施形態では、メモリ404は、プロセッサ402、例えばプロセッサのキャッシュメモリ、システムメモリ、又は他のメモリ、とは別体である。メモリ404は、外部の記憶媒体又はデータ記憶用データベースであってもよい。例として、ハードドライブ、コンパクトディスク(「CD」)、デジタルビデオディスク(「DVD」)、メモリカード、メモリスティック、フロッピィディスク、ユニバーサルシリアルバス(「USB」)メモリデバイス、又はデータを記憶する働きのある何れかの他のデバイス、が挙げられる。メモリ404は、プロセッサ402によって実行できる命令を記憶する働きをする。図に示されここに説明されている機能、行為、又はタスクは、メモリ404に記憶されている命令412を実行するプログラムされたプロセッサ402によって遂行されるものとすることができる。機能、行為、又はタスクは、命令セット、記憶媒体、プロセッサ、又は処理戦略、の特定の型式とは独立であり、単独で又は組合せとして動作する、ソフトウェア、ハードウェア、集積回路、ファームウェア、マイクロコード、及び同種のもの、によって遂行されよう。同じく、処理戦略には、多重処理、マルチタスキング、並行処理、及び同種の処理、が含まれる。
【0066】
示されている様に、コンピュータシステム400は、更に、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)、フラットパネルディスプレイ、ソリッドステートディスプレイ、ブラウン管(CRT)、プロジェクタ、プリンタ、又は他の現在知られているか又は今後開発される確定情報出力用ディスプレイデバイス、の様なディスプレイユニット414を含んでいよう。ディスプレイ414は、ユーザーがプロセッサ402の機能行使を見るためのインターフェースとしての役目、特にメモリ404又はドライブユニット406に記憶されているソフトウェアとのインターフェースとしての役目を果たすものであってもよい。
【0067】
加えて、コンピュータシステム400は、ユーザーをシステム400の構成要素のうちの何れかと対話させるように構成されている入力デバイス416を含んでいよう。入力デバイス416は、数字パッド、キーボード、又はマウスやジョイスティックの様なカーソルコントロールデバイス、タッチスクリーンディスプレイ、遠隔制御、又はシステム400と対話する働きをする何れかの他のデバイス、とすることができる。
【0068】
或る特定の実施形態では、
図4に描かれている様に、コンピュータシステム400は、更に、ディスク又は光学ドライブユニット406を含んでいる。ディスクドライブユニット406は、命令412の1つ又はそれ以上のセット、例えばソフトウェア、が埋め込まれているコンピュータ可読媒体410を含んでいてもよい。また、命令412は、ここに記載されている方法又は論理のうちの1つ又はそれ以上を具現化していてもよい。或る特定の実施形態では、命令412は、まるごと又は少なくとも一部が、メモリ404内に、及び/又はコンピュータ400による実行時にはプロセッサ402内に、常駐していてもよい。メモリ404及びプロセッサ402は、更に、以上に論じられているコンピュータ可読媒体を含んでいてもよい。
【0069】
本開示は、コンピュータ可読媒体において、ネットワーク420へ接続されているデバイスが、音声、映像、オーディオ、画像、又は何れかの他のデータを、ネットワーク420上で通信することができるように、命令412を含んでいるか又は伝播信号に応えて命令412を受信し実行するコンピュータ可読媒体を企図している。更に、命令412は、ネットワーク420上で通信インターフェース418を介して送信又は受信されていてもよい。通信インターフェース418は、プロセッサ402の一部であってもよいし、又は別体の構成要素であってもよい。通信インターフェース418は、ソフトウェアに作成されていてもよいし、又はハードウェア内の物理的接続であってもよい。通信インターフェース418は、ネットワーク420、外部媒体、ディスプレイ414、又はシステム400内の何れかの他の構成要素、又はそれらの組合せ、と接続するように構成されている。ネットワーク420との接続は、有線イーサネット(登録商標)接続の様な物理的接続であってもよいし、又は以下に論じられている様に無線式に確立されていてもよい。同じく、システム400の他の構成要素との追加の接続は物理的接続であってもよいし無線式に確立されていてもよい。
【0070】
ネットワーク420には、有線ネットワーク、無線ネットワーク、又はそれらの組合せ、が含まれる。無線ネットワークは、セルラー電話ネットワーク、802.11、802.16、802.20、又はWiMaxネットワークであってもよい。また、ネットワーク420は、インターネットの様な公衆ネットワーク、イントラネットの様な私的ネットワーク、又はそれらの組合せであってもよく、現在利用可能であるか又は今後開発される各種ネットワークプロトコル、例えば限定するわけではないがTCP/IPベースのネットワークプロトコルなど、を利用することができる。
【0071】
本明細書に記載されている主題及び機能的動作の実施形態は、デジタル電子回路構成に、又は本明細書に開示されている構造及びそれらの構造的等価物を含むコンピュータソフトウェア、ファームウェア、又はハードウェアに、又はそれらの組合せに、実施することができる。本明細書に記載されている主題の実施形態は、1つ又はそれ以上のコンピュータプログラム製品として、即ちデータ処理装置による実行のため又はデータ処理装置の動作を制御するためにコンピュータ可読媒体上に符号化されているコンピュータプログラム命令の1つ又はそれ以上のモジュールとして、実施することができる。コンピュータ可読媒体は単一媒体であるとして示されているが、「コンピュータ可読媒体」という用語は、単一の媒体を含みもすれば、中央集中化された又は分散されたデータベース及び/又は命令の1つ又はそれ以上のセットを記憶している関連付けられたキャッシュやサーバの様な複数の媒体を含みもする。「コンピュータ可読媒体」という用語は、プロセッサによる実行のための命令のセットを記憶、符号化、又は搬送する能力があるか又はコンピュータシステムにここに開示されている方法又は動作のうちの何れか1つ又はそれ以上を遂行するよう仕向ける如何なる媒体をも含むものとする。コンピュータ可読媒体は、機械可読記憶デバイス、機械可読記憶基板、メモリデバイス、又はそれらのうちの1つ又はそれ以上からなる組合せ、とすることができる。「データ処理装置」という用語は、一例として、プログラム可能プロセッサ、コンピュータ、又は複数プロセッサ又は複数コンピュータを含め、データを処理するためのあらゆる装置、デバイス、及び機械を網羅する。装置には、ハードウェアの他に、問題のコンピュータプログラムのための実行環境を作り出すコード、例えばプロセッサーファームウェアを構成しているコード、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、又はそれらのうちの1つ又はそれ以上からなる組合せ、を含めることができる。
【0072】
或る特定の非限定的な例示としての実施形態では、コンピュータ可読媒体には、メモリカード又は1つ又はそれ以上の不揮発性読み出し専用メモリを収納している他のパッケージの様なソリッドステートメモリを含めることができる。また、コンピュータ可読媒体は、ランダムアクセスメモリ又は他の揮発性書換可能メモリのこともあろう。加えて、コンピュータ可読媒体には、ディスクやテープ又は送信媒体上で通信される信号の様な搬送波信号を捕捉するための他の記憶デバイスの様な光磁気媒体又は光学媒体を含めることができる。eメールへのデジタルファイル貼付又は他の自己完結型情報アーカイブ又はアーカイブのセットは、有形記憶媒体である配布媒体と考えることができる。従って、開示は、コンピュータ可読媒体又は配布媒体及びデータや命令を記憶させることのできる他の等価物並びに後継物の媒体のうちの何れか1つ又はそれ以上を含んでいるものと考えられる。
【0073】
或る代わりの実施形態では、特定用途向け集積回路の様な専用ハードウェア実装、プログラム可能論理アレイ、及び他のハードウェアデバイスが、ここに記載されている方法のうちの1つ又はそれ以上を実施するように構築されている。様々な実施形態の装置及びシステムを含み得る適用には、広範囲に、各種の電子システム及びコンピュータシステムを含めることができよう。ここに記載されている1つ又はそれ以上の実施形態は、2つ又はそれ以上の特定の相互接続されているハードウェアモジュール又はデバイスを、それらモジュールの間で及びそれらモジュールを通じて通信させることのできる関連付けられた制御及びデータ信号と共に使用して、又は特定用途向け集積回路の諸部分として使用して、機能を実施することができよう。従って、本システムは、ソフトウェア実装、ファームウェア実装、及びハードウェア実装を網羅する。
【0074】
本開示の様々な実施形態によれば、ここに記載されている方法は、コンピュータシステムによって実行可能なソフトウェアプログラムによって実施されていてもよい。また、或る例示としての非限定的な実施形態では、実施形は、分散処理、構成要素/オブジェクト分散処理、及び並列処理、を含むことができる。代わりに、仮想コンピュータシステム処理が、ここに記載されている方法又は機能性のうちの1つ又はそれ以上を実施するように構築されてもよい。
【0075】
本明細書は、特定の標準及びプロトコルに関して特定の実施形態に実施され得るものとしての構成要素及び機能を説明しているが、本発明はその様な標準及びプロトコルに限定されない。例えば、インターネット及び他のパケット交換ネットワーク送信のための標準(例えば、TCP/IP、UDP/IP、HTML、HTTP、HTTPS)は最先端の例を代表している。その様な標準は、周期的に、本質的に同じ機能を有するより高速又はより効率的な等価物によって取って代わられる。従って、ここに開示されている機能と同じ又は同様の機能を有する後任の標準又はプロトコルはその等価物であると考えられる。
【0076】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプト、又はコード、としても知られている)は、コンパイラ型言語又はインタープリタ型言語を含むプログラミング言語の何れかの形式で書かれ、独立型プログラムとしての形態又はモジュール、構成要素、サブルーチン、又はコンピューティング環境での使用に適する他のユニットとしての形態を含む何れかの形態に配備されているものとすることができる。コンピュータプログラムは、必ずしも、ファイルシステム内のファイルに対応しているとは限らない。プログラムは、他のプログラム又はデータを保持しているファイルの一部分に記憶されていてもよいし(例えば、マークアップ言語文書中に記憶されている1つ又はそれ以上のスクリプト)、問題のプログラムに専用の単一ファイルに記憶されていてもよいし、又は複数の連携ファイルに記憶されていてもよい(例えば、1つ又はそれ以上のモジュール、サブプログラム、又はコードの一部を記憶している複数ファイル)。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で、又は1つの現場に設置されているか又は複数の現場を跨いで分散されていて通信ネットワークによって相互接続されている複数のコンピュータ上で、実行されるように配備させることができる。
【0077】
本明細書に記載されている処理及び論理フローは、1つ又はそれ以上のコンピュータプログラムを実行して入力データに対する動作及び出力の生成によって機能を遂行する1つ又はそれ以上のプログラム可能なプロセッサによって遂行されてもよい。処理及び論理フローは、同様に、特殊目的論理回路構成、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(特定用途向け集積回路;Application Specific Integrated Circuit)によって遂行されてもよく、装置もまたその様な特殊目的論理回路構成として実施されてもよい。
【0078】
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサには、一例として、汎用と特殊目的の両方のマイクロプロセッサ、及び何らかの種類のデジタルコンピュータの何れか1つ又はそれ以上のプロセッサが含まれる。概して、プロセッサは、読み出し専用メモリ又はランダムアクセスメモリ又はそれら両方から命令及びデータを受信することになろう。コンピュータの必須要素は、命令を遂行するためのプロセッサと、命令及びデータを記憶するための1つ又はそれ以上のメモリデバイスである。概して、コンピュータは、更に、データを記憶するための1つ又はそれ以上のマスストレージデバイス、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、を含んでいるか、又はその様なマスストレージデバイスからデータを受信する又は当該デバイスへデータを送信する又はその両方を行うように動作可能に連結されることになろう。但し、コンピュータはその様なデバイスを有していなくてはならないというわけではない。また、コンピュータは、別のデバイス、例えば、ほんの数例を挙げるなら、移動体電話、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、移動体オーディオプレーヤー、全地球測位システム(GPS)受信機、に内蔵されていてもよい。コンピュータプログラム命令及びデータを記憶するのに適したコンピュータ可読媒体には、あらゆる形態の不揮発性メモリ、媒体、及びメモリデバイスが含まれ、一例として、半導体メモリデバイス、例えば、EPROM、EEPROM、及びフラッシュメモリデバイス;磁気ディスク、例えば、内部ハードディスク又はリムーバブルディスク;光磁気ディスク;及びCD ROMディスク及びDVD−ROMディスク、が挙げられる。プロセッサ及びメモリは、特殊目的論理回路構成によって補完されているか又は当該論理回路構成に組み込まれていてもよい。
【0079】
ユーザーとの対話を提供するために、本明細書に記載されている主題の実施形態は、情報をユーザーへ表示するためのディスプレイ(例えばCRT(ブラウン管)又はLCD(液晶ディスプレイ)モニタ)と、ユーザーが入力をコンピュータへ提供できるようにするキーボード及びポインティングデバイス、例えばマウス又はトラックボールと、を有するデバイス上に実施することができる。ユーザーとの対話を提供するのに同様に他の種類のデバイスを使用することもでき、例えば、ユーザーに提供されるフィードバックは、何らかの形態の感覚フィードバック、例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバック、であってもよいし、またユーザーからの入力は、音響入力、音声入力、又は触覚を用いた入力を含む何れの形態で受信されてもよい。
【0080】
本明細書に記載されている主題の実施形態は、バックエンド構成要素を含んでいるコンピューティングシステムに、例えばデータサーバとして、又はミドルウェア構成要素を含んでいるコンピューティングシステム、例えばアプリケーションサーバに、又はフロントエンド構成要素を含んでいるコンピューティングシステム、例えばユーザーが本明細書に記載されている主題の実施形と対話できるようにするグラフィックユーザーインターフェース又はウェブブラウザを有するクライアントコンピュータに、又は1つ又はそれ以上のその様なバックエンド、ミドルウェア、又はフロントエンドの構成要素の何れかの組合せを含んでいるコンピューティングシステムに、実施することができる。システムの構成要素は、デジタルデータ通信の何れかの形態又は媒体によって、例えば通信ネットワークによって、相互接続されていてもよい。通信ネットワークの例には、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、ワイドエリアネットワーク(「WAN」)、例えばインターネット、が含まれる。
【0081】
コンピューティングシステムは、クライアントとサーバを含んでいよう。クライアントとサーバは、概して互いから遠隔にあり、典型的には通信ネットワークを通じて対話する。クライアントとサーバの関係は、それぞれのコンピュータ上で走っていて互いにクライアント−サーバ関係を有しているコンピュータプログラムに基づいて発生する。
【0082】
ここに記載されている実施形態の例示は、様々な実施形態の構造の全般的な理解を提供することを意図している。例示は、ここに記載の構造又は方法を利用する装置及びシステムの要素及び特徴全ての完全な説明としての役目を担うことを意図しているわけではない。本開示を概観すれば、多くの他の実施形態が当業者に自明となろう。本開示から他の実施形態が利用されたり導き出されたりするかもしれず、よって、構造的及び論理的な置換及び変更が開示の範囲から逸脱すること無くなされる余地がある。加えて、例示は単に表現上のものであり、縮尺を合わせて描画されているわけではない。例示内の或る特定の比率は誇張され、かたや他の比率は最小化されていることもある。従って、開示及び図は、限定を課すのではなしに説明目的であると見なされるべきである。
【0083】
本明細書は多くの明細を含んでいるが、これらは本発明の範囲又は特許請求されるものの範囲への限定としてではなく、むしろ本発明の特定の実施形態に特有の特徴の記述として解釈されたい。本明細書中に別々の実施形に照らして記載されている一部の特定の特徴は、更に、組合せとして単一の実施形に実施することもできる。逆に、単一の実施形に照らして記載されている様々な特徴は、同様に、別々に又は何らかの適した部分的組合せとして複数の実施形に実施することもできる。また、特徴は特定の組合せで作用するものとして以上に記載されているかもしれないし、更にはそういうものとして冒頭に特許請求されているかもしれないが、特許請求されている組合せからの1つ又はそれ以上の特徴は、場合によっては、当該組合せから削除されることもあり得るし、また特許請求されている組合せは、部分的組合せ又は部分的組合せの変型へ向けられることもあり得る。
【0084】
同様に、動作は特定の順序に図面に描かれここに説明されているが、このことは、その様な動作が示されている特定の順序で又は連続した順序で遂行されること、又は所望の結果を実現するのに例示されている動作全てが遂行されること、を要求しているものと理解されてはならない。一部の特定の状況では、マルチタスク処理及び並列処理が有利であるかもしれない。また、上述の実施形態の様々なシステム構成要素の分離は、その様な分離が全ての実施形態で要求されているものと理解されてはならず、また、記載のプログラム構成要素及びシステムは、概して、一体に単一のソフトウェア製品に統合することもできるし、又は複数のソフトウェア製品へパッケージ化することもできるものと理解されたい。
【0085】
開示の1つ又はそれ以上の実施形態は、ここでは、個々に及び/又は集合的に「発明」という用語で呼称されているが、それは単に便宜上であり、本願の範囲を何れかの特定の発明又は発明的概念に自発的に限定する意図は無い。また、ここでは特定の実施形態が例示され説明されているが、同じ目的又は同様の目的を実現するように設計された何れかの後続の配列が示されている特定の実施形態に取って代わることがあるかもしれない。本開示は、様々な実施形態の何れの及び全ての後続の適応型又は変型にも及ぶものとする。説明を概観すれば、ここに具体的に記載されていない上記実施形態の組合せ及び他の実施形態が当業者には自明となろう。
【0086】
本開示の「要約書」は、37C.F.R第1条72項(b)に準拠するように提供されており、特許請求の範囲の範囲又は意味を解釈又は限定するために使用されるようなことはないとの理解に立って提出されている。加えて、上記「発明を実施するための形態」では、開示を合理化することを目的に、様々な特徴がひとまとめにグループ化され単一の実施形態中に説明されているかもしれない。本開示は、請求されている実施形態が各請求項に明示的に述べられているより多くの特徴を必要とするとの意図を反映していると解釈されてはならない。むしろ、付随の特許請求の範囲が反映している通り、発明の主題は、開示されている実施形態の何れかの実施形態の特徴全てより少ない特徴の実施形態に向けられていることもある。而して、付随の特許請求の範囲は、各請求項が特許請求対象の主題を別々に定義する各々独立したものとして「発明を実施するための形態」へ組み入れられている。
【0087】
上記詳細な説明は、従って、限定を課すのではなく説明を目的とするものと見なされるべきであり、本発明の精神及び範囲を定義することを意図しているものは、付随の特許請求の範囲並びにその全ての等価物であると理解している。