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特許6644475人間の観察結果をアナリティクスデータに統合するためのコンピュータで実現されるシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6644475
(24)【登録日】2020年1月10日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】人間の観察結果をアナリティクスデータに統合するためのコンピュータで実現されるシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20120101AFI20200130BHJP
【FI】
   G06Q10/06 324
【請求項の数】9
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2015-83874(P2015-83874)
(22)【出願日】2015年4月16日
(65)【公開番号】特開2015-210821(P2015-210821A)
(43)【公開日】2015年11月24日
【審査請求日】2018年4月16日
(31)【優先権主張番号】14/265,333
(32)【優先日】2014年4月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519169410
【氏名又は名称】コンデュエント ビジネス サーヴィシズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】マーク・ジェフリー・ステフィック
(72)【発明者】
【氏名】クレッグ・エルダーショウ
(72)【発明者】
【氏名】ルー・ジア
(72)【発明者】
【氏名】パイ・リウ
(72)【発明者】
【氏名】タニグチ・マキコ
(72)【発明者】
【氏名】スレヤ・タルカン
(72)【発明者】
【氏名】フランシスコ・エデュアルド・トレス
(72)【発明者】
【氏名】エドワード・ウー
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・ジャーヴィス
【審査官】 小山 和俊
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−192078(JP,A)
【文献】 特表2007−504573(JP,A)
【文献】 特開2010−218459(JP,A)
【文献】 特開2013−137779(JP,A)
【文献】 特開平10−214113(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0307189(US,A1)
【文献】 特開2013−196624(JP,A)
【文献】 特開2014−052922(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの観察結果をオペレーショナルデータに統合するためのコンピュータで実現される方法であって、
データベースにおいて注を維持するステップであって、各々の注は、ユーザから受信され、主観的な観察結果を備える、維持するステップと、
タグをカテゴリーで編成するために前記タグの分類を維持することと、
客観的な性質のワークフローデータを備えるオペレーショナルデータを定義するステップと、
前記注の各々をタグの1つ以上に関連づけ、さらに、前記タグに関連づけられた前記注を前記データベースにおいて維持するステップと、
前記ワークフローデータについて前記注を検索するための基準を定義し、前記ワークフローデータの各々のためのクエリを形成するステップと、
前記基準に基づいて前記ワークフローデータのための前記タグに関連づけられた前記注を選択するために前記クエリを実行するステップであって、前記注に関連づけられた前記タグの各々のための前記カテゴリーの各々を前記ワークフローデータの前記クエリとマッチすることを含む、クエリを実行するステップと
前記クエリにマッチしたカテゴリーに基づいて統合のための前記注を選択するステップと、
前記選択された注を前記ワークフローデータに統合するステップと、
前記ワークフローデータを前記統合された注とともにディスプレイに表示するステップと
を備え、前記ステップがコンピュータによって実行される、方法。
【請求項2】
請求項に記載の方法であって、さらに、
前記注の各々の要約を生成することと、
前記注の前記要約を利用することとを備え、前記利用することは、
前記要約に基づいて前記タグの前記カテゴリーを編成するために前記注の傾向を分析することと、
前記注の前記要約とマッチする前記ワークフローデータを識別することとの少なくとも1つを備える、方法。
【請求項3】
前記タグの前記分類は、有向グラフ、階層、およびリストのリストの少なくとも1つとして編成される、請求項に記載の方法。
【請求項4】
請求項に記載の方法であって、さらに、
互いに関連する前記カテゴリーの1つ以上を認識することと、
前記関連するカテゴリーより上のカテゴリーを新たなカテゴリーとして自動で作成することとを備える、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、さらに、
前記注が作成された日付、時刻、および場所、前記ユーザの識別子、および前記ユーザの作業活動の少なくとも1つの情報を備える各々の注に対する予め定義されたタグを提供することを備える、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、さらに、
前記注に関連づけるために前記ユーザによって選択するための予め定義されたタグを提供することと、
前記注に関連づけるために前記ユーザによって手動でタグを入力するためのユーザインターフェース上のフィールドを提供することとの少なくとも1つを備える、方法。
【請求項7】
前記注は、テキスト、ピクチャ、ビデオ、アニメーション、および音声記録の少なくとも1つを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記注は、前記注の作成時刻、場所、タイトル、前記ユーザの名前、コメント、優先順位、除外要求、および前記注の目的の少なくとも1つを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、さらに、
前記タグが前記注に関連づけられた際の前記注の受信者を識別することと、
前記タグに関連づけられた前記注を前記識別された受信者に回送することとを備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、一般的にデータ管理に関し、具体的には、ユーザの観察結果をアナリティクスデータに統合するためのコンピュータで実現されるシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
政府、病院、銀行、会社、および大学といった、複雑な業務状況においてサービスを行う組織は、膨大な量の日々のトランザクションを処理する。それらの大規模な日常業務に加えて、組織、特に、モバイルワーカーまたは複数の現場の従業員を有する、都市交通および公衆安全組織を含む地方自治体や病院のような組織は日常的に、さまざまな不慣れな事象および状況を司ることを要求される。たとえば、地方自治体は、市町村の開発、観光、公共事業、公園およびレクリエーション、警察、火災、緊急サービス、交通、住宅供給、等といったさまざまな機能における役割を果たす。同様に、病院によって提供されるサービスは、患者毎に大きく異なる。しかしながら、組織のための現在のオペレーティングシステムは、すべてのビジネス業務を記録し、分類することはできない。そのような複雑なビジネス業務を管理するために、組織のためのオペレーティングシステムは、変化する環境を十分に考慮した幅広い動作を含まなければならない。
【0003】
一般に、組織のオペレーティングシステムは、音声およびテキストメッセージングシステム、ワークフローシステム、データアナリティクス、および構造化文書収集といった、4つのカテゴリーの情報システムに分割され、各々のシステムは、利点と欠点を有する。まず、音声およびテキストメッセージングシステムは、組織において情報を伝え、活動を調整する。電子メール、ボイスメール、およびテキストメッセージは普通、典型的にはメッセージの受信者を指定することによって組織内の個人間でメッセージを送受するように設計される。かくして、メッセージに関する情報は普通、送信者と受信者との間でのみ共有される。たとえ送信者と受信者との間のメッセージの文脈が1つのメッセージスレッドにおけるメッセージの交換中にシフトしたとしても、同一の個人のみがそのメッセージスレッドに関与する。そのメッセージスレッドに新たな受信者を手動で追加することまたは個人のグループを受信者として指定することが、組織内の他の個人とメッセージ情報を共有する代替案であり得るが、それはオペレーティングシステムとしての十分なソリューションではない。さらに、メッセージ情報は、データとして処理されることができないので、組織の活動を支援するためのデータアナリティクスのようなさらなる処理を困難にする。
【0004】
次に、ワークフローシステムは、組織の日常のルーチン業務を組織の個人による使用のためにアクセス可能なプラットフォームに結集する。ワークフローシステムは、組織内の各個人が一連のタスクを効率的に処理および管理できるよう、組織のルーチン業務をより小さなタスクに分ける。しかしながら、ワークフローシステムはルーチンタスクの容易化のみのために設計されているので、ワークフローシステムは、可変的で複雑な環境に応答するのに適していない。換言すると、複雑な環境に応答し、人間の観察結果をワークフローシステムに統合するための、詳細で段階的な決定ガイダンスを準備することは、ワークフローシステムの容量を超える。
【0005】
さらに、データアナリティクスは、データを収集して統計的に処理することにより、データにおけるパターンを提示する。データアナリティクスは、普通、視覚化を用いて、データをレビューし、計画することにより、組織をそれらの進行中の業務において誘導し得る。しかしながら、データアナリティクスは、定量的であり、一般的に、拡張可能で文脈的な非構造化情報を統合しない。
【0006】
最後に、文書収集は、文書およびメタデータをデータベースに格納することを含み、ファイルレポジトリを提供する。レポジトリに格納されたデータは、探索機能を使用することによって得られ得る。しかしながら、可変的なタイプの文書およびメタデータのために、探索機能の一般性は難儀である。たとえば、カレンダー、スプレッドシート、およびイベント計画は、特別なページタイプを有する。さらに、データベースにおける可変的なタイプのデータ間のデータアナリティクスを行うことは、成功しそうにない。かくして、各々の現在のオペレーティングシステムは、組織がそれらの複雑な業務を管理するには不十分である。
【0007】
構造化電子メールシステムが、Malone et al., “The Information Lens: Intelligent Information Sharing Systems,” Communications of the ACM, Vol. 30, No. 5, p. 390−402, May 1986 and Lai et al., “Object Lens: A ‘Spreadsheet’ for Cooperative Work,” ACM Transactions on Office Information Systems, Vol. 6, No. 4, p. 332−353, October 1986に開示されている。定型文的な種類の会話のみといった電子メールは、データ要素にアクセスし、データ要素を処理するコンピュータシステムのために構造化される。
【0008】
Heer et al., “Voyagers and Voyeurs: Supporting Asynchronous Collaborative Information Visualization,” Proceedings of the ACM Conference on Human Factors in Computing Systems (CHI), April 28−May 3, 2007, San Jose, CAにおいて説明されているように、コメントがアナリティクスに組み込まれ得る。Sense.usは、コラボレーティブな視覚化のためのシステムであり、米国国勢調査データのためのウェブベースの予備的な分析のフレームワークを提供する。Sense.usは、データについての意見によるコメントスレッド会話によるコラボレーションをサポートする。コメントは、アナリティクスデータと結び付けられるが、データの一部にはならない。同様に、Google Analytics, provided by Google, Inc., Mountain View, CAは、視覚化されたアナリティクスデータにユーザによるコメントを添付することを可能にするが、コメントは、アナリティクスデータとは分離したままにされる。
【0009】
進行中の組織の業務を管理し、発展させるために、可変的な非構造化データを編成し、アナリティクスデータに組み込むことに対するニーズが存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
人々とコンピュータの両方により読み取られて処理され得る注または注釈として、個人の観察結果および情報といった組織の通常的な業務のフレームワーク外のデータを収集し、アナリティクスデータに統合することができる、反映的なアナリティクスシステムは、システムレベルの知識を生成し、客観的データおよび主観的データを含む組織におけるすべての活動を考慮した業務の意思決定を容易にする。システムは、処理を誘導するために注にタグを追加し、ユーザの現在の活動についての注および他の文脈的な情報の時刻および場所のようなさまざまな情報をオートフィルすることができる。システムはさらに、アナリティクスの文脈における注を表示し、注のストリームから傾向および他の集約された結論を計算して、注からの情報を分析および検索することができる、インテリジェントプロセッサを含む。
【課題を解決するための手段】
【0011】
一実施形態は、ユーザの観察結果をオペレーショナルデータに統合するためのコンピュータで実現される方法を提供する。データベースは注を維持し、注は各々、ユーザから受信され、主観的な観察結果を備える。客観的な性質のワークフローデータを含むオペレーショナルデータが定義される。注の各々は、タグの1つ以上に関連づけられる。タグに関連づけられた注がさらに、データベースにおいて維持される。注を検索するための基準がワークフローデータのために定義され、ワークフローデータの各々のためのクエリが形成される。タグに関連づけられた注を選択するためのクエリが、選択された注がワークフローデータに統合され得るよう、基準に基づいてワークフローデータおよびアナリティクスデータのために実行される。統合された注を有するワークフローデータがディスプレイに表示される。
【0012】
さらなる実施形態は、ユーザの観察結果をアナリティクスデータに統合するためのコンピュータで実現される方法を提供する。組織におけるトランザクションを動作させるための構造化データを含む客観的な性質の組織のワークフローデータが維持される。データベースは注釈を維持し、各々の注釈は、作成者として組織に属するユーザから受信され、主観的な観察結果を備える。注釈の各々は、タグの1つ以上とタグ付けされる。タグ付けされた注釈は、構造化データの各々に対するタグ付けされた注釈の関連性を決定することにより、構造化データの中に埋め込まれる。構造化データのデータ処理が行われ、埋め込まれたタグ付けされた注釈を有する処理された構造化データに基づいたアナリティクスデータが、ユーザインターフェース上で視覚化される。
【0013】
本発明のさらなる他の実施形態が、本発明を実現するために意図された最良の形態を説明することにより本発明の実施形態が説明される、以下の詳細な説明から、当業者に容易に明らかになるであろう。理解されるように、本発明は、他の実施形態および異なる実施形態が可能であり、そのいくつかの詳細は、さまざまな明らかな点における変更がすべて本発明の精神および範囲から逸脱することなく可能である。したがって、図面および詳細な説明は、限定的なものではなく本質的に例示的なものとみなされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、一実施形態に係る、ユーザの観察結果をアナリティクスデータに統合するためのコンピュータで実現されるシステムを示す機能ブロック図である。
図2図2は、一実施形態に係る、ユーザの観察結果をアナリティクスデータに統合するためのコンピュータで実現される方法を示す流れ図である。
図3図3は、図2の方法における使用のための組織のワークフローを例として示す処理の流れ図である。
図4図4は、図2の方法における使用のための注の例を示す機能ブロック図である。
図5図5は、注を作成するためのモバイルインターフェースを例として示す図である。
図6図6は、図2の方法における使用のための注にタグを関連づけるためのルーチンを示す流れ図である。
図7図7は、図2の方法における使用のためのタグのオントロジを例として示す機能ブロック図である。
図8図8は、図2の方法における使用のためのワークフローデータへの注を検索するためのルーチンを示す流れ図である。
図9図9は、チームにおける各々のエージェントのシフトをレビューするためのテーブルアナリティクスのウェブページを例として示すスクリーンショットである。
図10図10は、各々のエージェントの全体的な実績をレビューするための地図および時系列アナリティクスのウェブページを例として示すスクリーンショットである。
図11図11は、特定のタスクについての各々のエージェントの実績をレビューするためのテーブルアナリティクスのウェブページを例として示すスクリーンショットである。
図12図12は、召喚状目標を計画するためのテーブルアナリティクスのウェブページを例として示すスクリーンショットである。
図13図13は、図12のテーブルアナリティクスにおける使用のための注を表示するウェブページを例として示すスクリーンショットである。
図14図14は、傾向を表示するウェブページを例として示すスクリーンショットである。
図15図15は、注を有する事故および二重駐車の傾向を表示するための地図および時系列アナリティクスのウェブページを例として示すスクリーンショットである。
図16図16は、図15の注に応答する注を有する事故および二重駐車の傾向を表示するための地図のアナリティクスのウェブページを例として示すスクリーンショットである。
図17図17は、図16の注に応答する注を有する事故および二重駐車の傾向を表示するための地図のアナリティクスのウェブページを例として示すスクリーンショットである。
図18図18は、事故および二重駐車の傾向をレビューするための地図のアナリティクスのウェブページを例として示すスクリーンショットである。
図19図19は、データベースから注を探索するためのウェブページを例として示すスクリーンショットである。
図20図20は、スーパータグを作成する方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ユーザの観察結果によって反映されたアナリティクスデータを得ることは、組織がそれらの進行中の日常業務をより効率的に管理することを支援する。図1は、一実施形態に係る、ユーザの観察結果をアナリティクスデータに統合するためのコンピュータで実現されるシステム10を示す機能ブロック図である。政府および病院のような組織11は、組織におけるさまざまな役割のために多くの従業員を雇用する。従業員の一部は、彼らの役割を行うための複数の現場で、およびモバイルで、勤務している。それらのモバイルワーカー12−15は、デスクトップ12、ポータブル13、またはモバイル14、15のコンピュータによる有線または無線接続を使用して、インターネットのような広域公衆データ通信ネットワーク17にわたって組織サーバ16にリモートでアクセスすることができる。
【0016】
組織サーバ16は、図3を参照して後にさらに説明されるように、トランザクションおよび他の組織固有の事項のすべてを動作させるために必要な大規模な組織のオペレーティングデータ(図示せず)を管理する。モバイルワーカー12−15は、彼らが彼らのタスクを行いながら、ワークフローデータインターフェース20によって、組織サーバ16に相互接続されたデータベース19に格納されたワークフローデータ18にアクセスし得る。ワークフローデータ18は、ウェブインターフェース21、22またはダッシュボードアプリケーションのようなモバイルアプリケーション23、24ならびに他のタイプのユーザインターフェースによって、モバイルワーカー12−15のコンピュータに提供され得る。ワークフローデータ18は、組織において日常的に行われるルーチンおよび通常的なタスクを管理するために使用され、大部分は客観的な定量化データを含む。たとえば、都市交通システムに関するワークフローデータ18は、駐車違反データ、進行中の工事のデータ、および交通渋滞データを含み得る。別の例として、公衆安全組織に関するワークフローデータ18は、事故データおよび召喚状データを含み得る。他のタイプのワークフローデータ18が可能である。
【0017】
モバイルワーカー12−15はワークフローデータ18にアクセスしながら、彼らは、コンピュータ12−15を介してユーザインターフェース21−24により、ワークフローデータ18に向けられた注または注釈25を作成し得る。モバイルワーカー12−15からの注25は、図4を参照して後にさらに説明されるように、ワークフローデータ18に関する主観的な観察結果および見解を含み得る。注モジュール26が、ワークフローデータインターフェース20によってモバイルワーカー12−15から受信された注25を認識し、データベース19に注25を格納する。さらに、図6を参照して後にさらに説明されるように、注25は、それらがワークフローデータインターフェース20によって作成される際にタグ付けされる。タグモジュール27が、時刻および場所のデータ、注25を作成するモバイルワーカー12−15の識別子、モバイルワーカー12−15の作業活動といった、注25に関連づけられたタグ28を自動で作成し得る。さらに、タグモジュール27は、モバイルワーカー12−15によって行われた作業活動に最良にマッチする、または注25の性質または文脈を最良に記述する選択についての予め定義されたタグ28をモバイルワーカー12−15に提供し得る。さらなる実施形態において、タグ28は、注25の目的、優先順位、および注25において記述された事項の長さを示すためにモバイルワーカー12−15によって手動で入力され得る。自動タグ、予め定義されたタグ、および手動で入力されたタグはすべて、データベース19において維持される。他のタイプのタグが可能である。
【0018】
タグ28に関連づけられた注25は、図8を参照して後にさらに説明されるように、タグ付けされた注29として維持され、ワークフローデータ18の基準30に基づいてワークフローデータ18に統合される。基準モジュール31が、各々のワークフローデータ18のためにデータベース19に格納された基準を識別し、ワークフローデータ18に関連するタグ付けされた注29を選択する。続いて、統合モジュール32が、タグ付けされた注29を関連するワークフローデータ18とペアにし、タグ付けされた注29をワークフローデータ18の一部として統合する。表示モジュール33が、タグ付けされた注29に関連づけられたワークフローデータ18を、ユーザインターフェース21−24での表示のために送信する。さらなる実施形態では、タグ付けされた注29は、ワークフローデータ18に集約され、アナリティクスのために処理され得る。アナリティクス処理により、ワークフローデータ18およびタグ付けされた注29は、アナリティクスモジュール34によって、統計的な定量的なデータのようなアナリティクスデータ35を得るために分析される。アナリティクスデータ35は、図10−12を参照して後にさらに説明されるように、モバイルワーカー12−15によって使用されるコンピュータのディスプレイで、地図、時系列、チャート、テーブル、および他の構造として示され得る。
【0019】
各々のコンピュータ12−15は、基本的な処理装置、メモリ、入力/出力ポート、ネットワークインターフェース、および公知の揮発性ストレージといった、汎用プログラマブルコンピューティングデバイスにおいて従来から見出されるコンポーネントを含むが、他のコンポーネントが可能である。加えて、コンピュータ12−15およびワークフローサーバ18、アナリティクスサーバ19、およびワークフローデータインターフェース20は各々、本明細書に開示される実施形態を実現するための1つ以上のモジュールを含み得る。モジュールは、従来のプログラミング言語でソースコードとして書かれたコンピュータプログラムまたは手順として実現され得、オブジェクトまたはバイトコードとして中央処理装置による実行のために提示されるか、または、それ自体が中央処理装置によりオブジェクト、バイト、またはインタークレジットコードとして実行される言語インタプリタによって、従来の解釈されたプログラミング言語のインタークレジットでインタークレジットソースコードとして書かれる。あるいは、モジュールはまた、集積回路として、または読み取り専用メモリコンポーネントに焼き込まれるか、のいずれかで、ハードウェアで実現され得る。ソースコードおよびオブジェクトバイトコードのさまざまな実現は、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードドライブ、デジタルビデオディスク(DVD)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、および同様の記憶媒体といった、コンピュータ可読記憶媒体上で保持され得る。他のタイプのモジュールおよびモジュール機能だけでなく、他の物理ハードウェアコンポーネントが可能である。
【0020】
リアルタイムのユーザの観察結果およびインテリジェンスを組織のオペレーティングシステムに統合することは、進行中の業務のために必要な個人化された知識の考慮を可能にする。図2は、一実施形態に係る、ユーザの観察結果をアナリティクスデータに統合するためのコンピュータで実現される方法40を示す流れ図である。組織において、組織を運営するために必要なルーチンタスクおよびトランザクションが、しばしば、組織のオペレーティングシステムによりデジタルで管理される。組織のオペレーティングシステムは、ビジネスプロセスの標準的で企業規模の収集物であり得、ワークフロー管理システムのような複雑なビジネスプログラムを実行し得る。ワークフロー管理システムは、ワークフローとして配列されたタスクの定義されたシーケンスを監視するためのソフトウェアシステムである。ワークフロー管理システムは、組織内の個人または個人のグループのための各々のタスクを定義し、そのタスクに関する進行中の処理を監視する。ワークフローデータが、ワークフローデータにアクセスしている組織内の個人のために定義され、タスクを行うためにウェブインターフェースアプリケーションまたはモバイルアプリケーションのようなユーザインターフェースによって個人のために表示され得る(ステップ41)。
【0021】
典型的なワークフロー管理システムは、組織における複数のレベルのタスクおよび個人を制御することができる。例として、図3は、図2の方法における使用のための組織のワークフロー50を示す処理の流れ図である。この例では、エージェント51、スーパーバイザー53、およびマネージャー55を含む、3つのレベルの個人が、組織のワークフローに関与する。エージェント51が、個別のタスクを動作させている52。エージェント51は典型的に、スーパーバイザー53がタスク54をレビューできるよう、動作が完了すると、組織のワークフローによって彼らのスーパーバイザー53に彼らのタスクの実績を報告する。マネージャーおよびディレクター55が、組織を監督し、組織における活動の責任をまとめて担う。マネージャー55は典型的に、任意の傾向またはマネージャー55による速やかな対処を要求するアクションの過程を確認するために、統計的に処理されたデータをレビューする56。続いて、マネージャー55は、組織にとって有益なある特定の成果を達成するために目標を計画し得る57。スーパーバイザー53が、マネージャー55から計画について通知され、エージェント51が行うさらなる計画58を作成する。このように、組織のワークフローが円滑に管理され得る。
【0022】
図2を再び参照すると、注および注釈が、オペレーティングシステムのユーザから得られ、オペレーティングシステムに相互接続されたデータベースにおいて維持され得る(ステップ42)。注および注釈は、組織内の個人によって、彼らが行っている各々のタスクに関するコメントおよび追加の見解を提供するために使用され得る。注は、彼らがウェブインターフェースアプリケーションまたはモバイルアプリケーションのようなユーザインターフェースによってワークフローデータをレビューおよび更新する際に、オペレーティングシステムに入力され得る。図4は、図2の方法における使用のための注60の例を示す機能ブロック図である。注60は、テキスト61、ピクチャ62、アニメーション63、ビデオ64、および音声記録65といった、さまざまな形態で提供され得る。個人は、テキスト61を使用して注60の目的および詳細を記述し得、また、関連するピクチャ62、アニメーション63、ビデオ64、および音声記録65をアップロードし得る。オペレーティングシステムのユーザがユーザインターフェースを介して注を作成する際、1つ以上のタグが注に関連づけられ得る(ステップ43)。タグは、図6を参照して後にさらに説明されるように、さまざまな手法で各々の注に関連づけられ得る。タグは一般的に、カテゴリーに分類される。かくして、タグ付けにより、注が、タグの分類に基づいてカテゴライズされ得る(ステップ44)。タグの分類は、図7を参照して後にさらに説明される。各々のワークフローデータは、注を検索するための基準を指定し得る。各々のワークフローデータのための注が基準をタグとマッチすることによって選択され得、選択された注がワークフローデータに統合される(ステップ45)。ワークフローデータへの注の統合が行われると、注は、ワークフローデータの文脈において表示され得る。さらに、ワークフローデータに統合された注が、アナリティクスを得るために処理され得る(ステップ46)。このように、注は、オペレーティングシステムに直接統合され、レイヤー構造で編成される。さらに、オペレーティングシステムは、ユーザの観察結果および見解をシステムに反映させることを可能にする。加えて、組織内のオペレータによる注釈は、組織における実際の業務のさらなる洞察を提供し得、組織が組織の業務を適切に解釈し、レビューし、計画することを可能にする。
【0023】
注および注釈は、その活動がしばしば、急速に変化する環境に起因して通常的な業務およびルーチン業務を超える、都市交通システム、公衆安全組織、および病院のような組織内のオペレータによって最良に使用され得る。例示的なシナリオが説明に役立ち得る。
【表1】
【0024】
このシナリオによると、Bay City警察署のエージェントであるJackson巡査が、遅延の説明のための注を残すことにより、遅延したけん引イベントの記録を取っている。注は、図4を参照して前にさらに説明されたように、テキストメッセージの他にさまざまな形式の情報を伝達することができる。例として、図5は、注を作成するためのモバイルインターフェース70を例として示す図である。注71が、Jackson巡査により、上述されたシナリオにおいて示された車の事故に関する彼の職務報告書に関連して作成される。注71は、注71の目的を記述するためのタイトル72を含み得る。一実施形態において、注は、彼の職務報告書をレビューするスーパーバイザーまたはマネージャーのような特定の人物73、またはさらには別の巡査にも向けられ得る。注を向ける他の種類の人物が可能である。この例では、注71は、スーパーバイザーのSwanson #47に向けられている。注71は、注71のさらなる詳細を提供するために書かれた情報をユーザが入力するためのフィールド74を含む。さらに、個人は、注71上にピクチャ75をアップロードすることができ、また、撮影されたピクチャ75の時刻76を示す。Jackson巡査は、注71にさらなる詳細を提供するために、車の事故現場で2つのピクチャ75を各々午前7時55分と午前8時25分に撮影している。さらに、注は、オペレータによって行われた活動の場所77を含み得る。最後に、タグ78が、ノート71において指定され得る。図6は、図2の方法における使用のための注にタグを関連づけるためのルーチン80を示す流れ図である。必要な情報がすべて注に入力されると(ステップ81)、タグが指定される。注が作成されるのに沿ってタグが自動で入力され得る(ステップ82)。そのような自動タグは、作者のアイデンティティ、現在の活動、場所、および時刻を含み得る。他のタイプの自動タグが可能である。さらに、注の作成者により、タグが、標準化されたタグの収集物から選択され得る(ステップ83)。図5を再び参照すると、予め定義されたタグがプルダウン選択79によって提供され得、1つ以上のタグ78が単一の注のために選択され得る。予め定義されたタグは、事故、停電、道路の補修、工事現場、過剰なハンディキャップステッカー、等を含み得る。さらなる実施形態において、注の作成者は、予め定義されたタグに加えて、またはその代わりに、タグを手動で指定し得る(ステップ84)。このように、注は、1つ以上のタグに関連づけられることができ(ステップ85)、関連づけられたタグに基づいて注を識別および追跡するのに役立ち得る。タグは、関連の時刻、優先順位、イベントに関連する特定のグループ、または注が送達され得る個人さえも指定することができる。他のタイプのタグが可能である。
【0025】
オントロジでカテゴライズされたタグは、オペレーティングシステムにおけるタグの維持を単純化することができる。オントロジは、有向グラフ、階層、リストのリスト、ならびに他の形式のオントロジとして編成され得る。図7は、図2の方法における使用のためのタグ90のオントロジを例として示す機能ブロック図である。例として、Bay City警察署における交通課のタスクに関連するタグの階層が示されている。タグの階層90は、親カテゴリータグ91−95と子カテゴリータグ96−108を示す。子カテゴリータグ96−108は、各々の親カテゴリータグ91−95をさらに分類する。一実施形態では、子カテゴリータグは、孫カテゴリーならびにさらなる子孫へとさらにカテゴライズされ得る。さらに、図20を参照して後にさらに説明されるように、新たな種類のイベントおよび観察結果が出現すると、新たなタグが経時的にオントロジに基づいて容易に作成され得る。
【0026】
タグに関連づけられた注は、タグの分類に基づいてカタログ化され得る。タグ付けされた注をワークフローデータの一部と関係付けるために、各々のワークフローデータは、注を検索するための基準を維持する。図8は、図2の方法における使用のためのワークフローデータへの注を検索するためのルーチン110を示す流れ図である。各々のワークフローデータが、注を検索するための基準を定義する(ステップ111)。基準は、子カテゴリータグのような、オペレーティングシステム上で維持された特定の予め定義されたタグを含み得る。あるいは、基準は、タグの分類における親カテゴリータグを示すのみであり得る。さらに、基準は、領域内の特定の場所、時刻範囲における特定の時刻、データ範囲における特定の日付、または組織内の特定の人物、ならびに他のタイプの基準を指定し得る。基準が定義されると、定義された基準は、注を選択するためのクエリへと形成される(ステップ112)。クエリは、タグのリストとマッチされ得る(ステップ113)。たとえば、クエリが、「遅延けん引」、「第4チーム」、「第49週」、および「取締り」といった4つのタグを含む場合、「遅延けん引」および「第4チーム」のタグに関連づけられたJackson巡査によって作成された注だけでなく、タグがクエリにおけるタグの一部を含む他の注が選択され得る。クエリは、親カテゴリータグのようなタグのカテゴリーにマッチされ得る(ステップ114)。たとえば、クエリは、(図7においてそれぞれ103、104、および94として示された)「大雪」および「洪水」のサブカテゴリーを含む「異常気象」タグを含み得る。あるいは、クエリは、テキスト、イメージ、音声記録、ならびにそれらが関連する注の他のコンテンツを含む、注のコンテンツとマッチされ得る。注が各々のワークフローデータのために選択されると、タグを有する注が、ワークフローデータに統合される(ステップ115)。注は、ワークフローデータにおけるいくつかの場所に潜在的に統合され得る。
【0027】
オペレーティングシステムは、各々の統合された注をワークフローデータの一部として認識し、関連づけられたタグに基づいて注をカテゴライズする。かくして、ワークフローデータのアナリティクスを行う際、統合された注がまず、ワークフローデータのデータとして識別され、続いて、カウントされ、組み合わせられ、フィルタにかけられ、回送され、注の文脈が関連する特定のアナリティクスにおいて表示され得る。例示的なシナリオは、統合された注がどのように利用され、レビューのためにオペレーティングシステムのワークフローデータ上に表示されるかを示すのに役立ち得る。
【表2】
【0028】
シナリオによると、Jackson巡査によって作成された注が、Jackson巡査の活動のシフトレビューおよびアナリティクス上に現れる。図9は、チームにおける各々のエージェントのシフトをレビューするためのテーブルアナリティクス120のウェブページを例として示すスクリーンショットである。
【0029】
例として、ウェブページ120は、スーパーバイザーのSwanson 122のために表示されたシフト121をレビューするためのアナリティクスを示す。構造化データが、第4チームにおける召喚状に関する各々の巡査の実績123、巡回区域の平均124、注125、および承認126を示す。スーパーバイザーのSwanson 122は、彼女のインターフェースで2つの承認127、128を確認することができる。彼女が「遅延けん引」の承認127の1つをクリックすると、承認要求129が個別のウィンドウとして表示される。いずれの承認要求も、普通、例外の理由を提供するために注が付けられなくてはならない。このケースにおいて、承認要求129は、午前8時35分にJackson巡査によって作成された注に関連づけられている。スーパーバイザーのSwansonは、別個のウィンドウ129における「承認」アイコン130または「拒絶」アイコン131をクリックすることによって、要求を承認するか拒絶するかのいずれかのアクションを起こすことができる。スーパーバイザーのSwansonはさらに、要求についての任意のさらなる情報または注を入力するために、「注を追加」アイコン132をクリックすることによって、要求に対する注を作成するオプションを有し得る。要求を承認することにより、要求に関連づけられた注はさらに、「承認された例外」のデータまたは「承認されたレッカー車」についてのデータとして分類およびカウントされ、もはや「承認要求」のデータとは関連づけられない。承認されているか否かのいずれにしても、いつどこでイベントが発生したのか、どの巡査が承認要求に関与しているか、といったデータが保持および追跡され得る。
【0030】
さらなる実施形態では、アナリティクスが、地図、時系列、チャート、および他の構造として示され得る。図10は、各々のエージェントの全体的な実績をレビューするための地図および時系列アナリティクスのウェブページ140を例として示すスクリーンショットである。ウェブページ140は、Jackson巡査のシフト活動を示す。Jackson巡査の活動は、地図ビュー141、時系列ビュー142、および要約ビュー145において確認され得る。時系列ビュー142では、大量の時間が、彼の職務ステータスにおける「TT(レッカー車)」イベント143に割り当てられている。レッカー車イベントが一般的に約20分を要することを知っているので、スーパーバイザーのSwansonは、TT143のアイコンをクリックして、このTTイベントに関しJackson巡査によって作成された別個のウィンドウ144における注の説明を確認し得る。かくして、たとえ例外承認のためにJackson巡査によって行われた要求がない場合でも、時系列における大きな時間スロットといった注が、スーパーバイザーのSwansonのために依然として表示され得る。
【0031】
同様に、テーブルは、アナリティクスのさらなる詳細を提供し得る。図11は、特定のタスクについての各々のエージェントの実績をレビューするためのテーブルアナリティクスのウェブページ150を例として示すスクリーンショットである。テーブル151は、第4チームの実績の要約を、特にけん引イベントに着目して表示している。1つの列152において、スーパーバイザーのSwansonは、けん引活動のチームの要約を確認し、2件のレッカー車イベントを除き、21件のレッカー車イベントが20分以内に完了したことを見出し得る。次の列153において、スーパーバイザーのSwansonは、4件の例外的なケースがあるが、1件のイベントのみが60分を超える時間を要していることを確認し得る。さらなる次の列154は、前の週に60分を超える1件のレッカー車イベントがあったことを示す。
【0032】
反映的なアナリティクスシステムは、レビューするためだけでなく、注を考慮して計画するためにアナリティクスを提供し得る。典型的には、アナリティクスは、レビューおよび計画するために組織内の個人にとって意味のあるデータにおける、ある特定のパターンまたは傾向を得るために、定量的な客観的データの統計処理を実現する。タグを利用して注をワークフローデータに統合することにより、典型的には主観的な定性データを含む統合された注はさらに、計画のためにワークフローデータに利用され、表示され得る。例示的なシナリオが説明に役立つであろう。
【表3】
この例示的なシナリオでは、マネージャー、たとえば、スーパーバイザーのSwansonが、アナリティクスを行い、年次計画の月毎の召喚状についての目標を確立するために、オペレーティングシステムに要求を送信し得る。図12は、召喚状目標を計画するためのテーブルアナリティクスのウェブページ160を例として示すスクリーンショットである。ウェブページ160は、2013年の召喚状の目標161と、327,836件の召喚状が6月までに発行されたという2013年の召喚状の進捗162とを示す。列163は、前年中の月毎の召喚状の数を示す。次の列164は召喚状の実際の数を示すように指定され、月毎の召喚状の目標がさらに次の列165に示されている。月毎の召喚状の目標は、季節的なおよびイベント関連の考慮すべき事項のために調節される。しかしながら、召喚状の数は、各月とも目標に遅れを取っている傾向にあり、召喚状の進捗162において、「−32,596件遅れ」として示され得る。注のための列168は、召喚状の計画に関連する注を示す。注170の上の数字169は、各々の注のカテゴリーを示し得る。たとえば、1月には、4つの注が記録され、スーパーバイザーのSwansonは、2つの注が気象171に関連し、他の2つの注がイベント172に関連するということを一目で理解することができる。カテゴリーは、色分けだけでなく他のコード化を施され得る。このウェブページにおいて、32,596件の召喚状は目標に達しておらず、「分散」アイコン166をクリックすることにより、召喚状の目標が成功裏に達成され得るよう、召喚状の不足が167として2013年の残りの月に分散させられることができる。分散は、昨年の召喚状実績163に基づいて管理され得る。しかしながら、分散はまた、各月における注のレビューの後にスーパーバイザーのSwansonによって調節されることもできる。分散を管理するための他の手法が可能である。
【0033】
計画インターフェースにおける注は、アナリティクスデータの解釈と予想を供給し、定量的データと定性データの両方を考慮して今後の計画を立てるようマネージャーまたはディレクターを誘導し得る。図13は、図12のテーブルアナリティクスにおける使用のための注を表示するウェブページ180を例として示すスクリーンショットである。マネージャーまたはディレクターは、各々の注をクリックすることによって、召喚状の不足の説明のための注をレビューし得る(図12の170)。たとえば、気象としてタグ付けされた2つとイベントのためにタグ付けされた他の2つとを含む、2013年1月の4つの注181が、182−185として示され得る。各々の注の要約がリスト182−185として提供され、このリストの1つ186をクリックすることにより、さらなる詳細が表示される186。注は、注の作成者Dave Davis、作成の日付、タイトル、コメント、ピクチャ、およびタグ187を含む。タグ187は「気象」および「召喚状計画」を含むので、注は、召喚状計画インターフェースにおいて適切に表示され得る(図12における160)。このように、注によって導入された主観的な観察結果は、マネージャーまたはディレクターがより少ない召喚状の理由を考慮するための定量的データを供給し得る。
【0034】
アナリティクスはまた、組織の業績を全体的に診断し、主観的データと客観的データの両方を考慮して組織における活動の優先順位を修正するために行われ得る。例示的なシナリオが説明に役立ち得る。
【表4-1】
【表4-2】
【表4-3】
【0035】
例示的なシナリオの例によると、市内の傾向が、駐車監視員、市民、および警察からの入力を含むワークフローデータからオペレーティングシステムによって生成される。図14は、傾向を表示するウェブページ190を例として示すスクリーンショットである。傾向191は、事故および二重駐車違反193を含む3つの傾向192を示す。事故および二重駐車違反193の傾向を選択することによって、詳細な要約194が注195とともに示される。各々の注196は、注196の作成者からのコメントを含み得、自動タグが日付、時間、および場所の情報を指定し得る。図15は、注を有する事故および二重駐車の傾向を表示するための地図および時系列アナリティクスのウェブページ200を例として示すスクリーンショットである。地図インターフェースは、時系列ビュー201および地図ビュー202を示し、時系列ビュー201および地図ビュー202において、増加した事件の傾向203、204を示す。円204の中の各点は、1つの事故を表し、バブル205の中の数字は、近くのエリアの召喚状の数を表す。マネージャーのMandyは、火曜日と木曜日209の午前9時30分から午前10時30分208に二重駐車規制を取り締まることに対する高い優先順位207を設定するために、注206を作成し得る。優先順位、日付、時間、および場所の情報がタグ付けされ207−209、マネージャーのMandyが属するグループ、優先順位のレベルによって指定されたグループ、および各々のタグが指定するグループ、といったグループ内の個人に注を自動で回送し得る。他のタイプの自動回送が可能である。
【0036】
注が回送された特定の個人は、注にさらなる情報およびタグを追加することができる。図16は、図15の注に応答する注を有する事故および二重駐車の傾向を表示するための地図のアナリティクスのウェブページ210を例として示すスクリーンショットである。注211は、注211と新たなタグ213、214とをレビューしている人物による追加コメントのフィールドを提供する。この例示的なシナリオにおいて、スーパーバイザーのSwansonは、マネージャーのMandyによって作成された注をレビューし、二重駐車の取締りの増加の要求に応答する。スーパーバイザーのSwansonは、タグ213、214およびコメント212により、巡回区域5で勤務しているOliver巡査に命令する。図17は、図16の注に応答する注を有する事故および二重駐車の傾向を表示するための地図のアナリティクスのウェブページ220を例として示すスクリーンショットである。この例においてもまた、Oliver巡査が、スーパーバイザーのSwansonから特別な任務を行うよう促されており、フィールド222において彼の任務が完了したことを示すために、スーパーバイザーのSwansonとマネージャーのMandyからのコメントを含む注のスレッドに応答する注221を追加する。Oliver巡査もまた、より広い乗降専用ゾーンの必要性を推論する注を起動し得る。
【0037】
最初の注の作成者は、彼女が注を発行した後の任意の時間に注とアナリティクスを追跡およびレビューし得る。図18は、事故および二重駐車の傾向をレビューするための地図のアナリティクスのウェブページ230を例として示すスクリーンショットである。時系列アナリティクス231は、召喚状の数の増加および事故件数の減少232を表示する。同様に、地図のアナリティクス233は、召喚状の増加および自己の減少を示すことにより、エリア234における事故の減少を表示する。この例示的なシナリオは、組織が組織内のマネージャーのようなトップレベルの個人によってどのように誘導され得るかを示し、組織内のスーパーバイザーおよびエージェントによって行われた誘導に応答する活動が、マネージャーによるレビューのために追跡および表示され得る。
【0038】
概要として、人間の観察結果に基づいた注をアナリティクスのためのデータに統合することは、典型的にはデータベース外であり、かつデータとして組み込まれるには無理のある日常活動に関する、組織内におけるより良好に通知された意思決定をサポートする。この反映的なアナリティクスシステムの能力は、組織のための企業ソフトウェアのさらなる発展であり、「スマートシティ」としての地方自治体、「スマートホスピタル」としての病院、等といった、広範な応用可能性を示すであろう。反映的なアナリティクスシステムが適用される環境の他の例が可能である。具体的には、交通および駐車取締りシステムにおいて、反映的なアナリティクスシステムは、疑わしいまたは偽の免許証の増加する数、故障したまたは破損したメーター、色あせた、読みづらくなった、または損傷した標識、道路の危険要因、近日中の工事計画、近隣および会社の変化、巡回区域の大きさに関するフィードバック、エリア内の危険度に関する観察結果、エリア内で使用中のハンディキャップステッカーの数、および路外駐車の価格の改定を含む、人間の観察結果を統合するために、多くのシチュエーションにおいて力強い価値を証明するであろう。他のタイプの人間の観察結果が可能である。
【0039】
反映的なアナリティクスシステムに統合された注はタグを利用して編成および管理されるので、注は、容易に探索およびアクセスされ得る。図19は、データベースから注を探索するためのウェブページ240を例として示すスクリーンショットである。組織内のいずれの個人も、データベースに格納された注を検索するために探索インターフェース240を使用することができる。探索は、フィールド241にテキストを入力し、そのテキストを含む探索クエリを実行することによって行われ得る。探索クエリの実行は、テキストをタグまたはタグのカテゴリーとマッチすることによって行われ得る。注を検索する他の方法が可能である。基本的な探索機能に加えて、探索の結果242は、フィルタ243によってフィルタにかけられ得る。フィルタ243は、探索の時間範囲、組織内の作成者の地位またはレベル、シフトの時間、領域、班またはグループ、または注の本体、注のタグ、注の作者、および注のコメンテータといった探索エリアの限定に基づいて、探索結果242を限定し得る。他のタイプのフィルタが可能である。探索結果242は、注の要約、作成の時刻および日付、注に関連づけられたタグ、ならびに他の情報を示し得る。
【0040】
タグは一般的に、反映的なアナリティクスシステムによって管理される。経時的に、反映的なアナリティクスシステムは、各々のタグの使用をレビューし、タグを追加および削除し、図7において上述されたタグの分類を変更し得る。図20は、スーパータグを作成する方法を示す流れ図250である。スーパータグまたはカテゴリーは、新たな種類のイベントまたは観察結果が見出された場合に経時的に作成され得る。例示的なシナリオは、オントロジにおける新たなタグを作成することを示す。
【表5】
【表6】
各々のワークフローデータは注を検索するための基準を含み、基準はそれほど多く更新されないので、スーパータグまたはカテゴリーは、新たなタグとワークフローデータとを関連づけるのに役立つであろう。たとえば、Jackson巡査の駐車違反の召喚状の業績といったワークフローデータが注の検索基準として「#大雪」および「#高温」を含むと、「#洪水」および「#大雨」タグは、そのワークフローデータには関連づけられないであろう。「異常気象」のようなすべての4つのタグのためのスーパーカテゴリーが作成された場合、基準をタグのカテゴリーとマッチする際、ワークフローデータは「#洪水」および「#大雨」に関連づけられ得る。スーパータグまたはカテゴリーを作成するために、まず、新たなタグを作成する必要性が識別される(ステップ251)。必要性を示す条件が、数値的なしきい値に基づいて自動で決定され得る。たとえば、1つのカテゴリーにおける4つの同様のタグが識別される場合、4つのタグの数は、スーパータグの作成をトリガし得る。必要性を自動で識別するための他の手法が可能である。あるいは、スーパータグは、そのような追加を行う権限を有する組織内の任意の個人または組織内の個人のグループによって手動で作成され得る。新たなスーパータグが作成されることができ、タグの分類が分類し直される(ステップ252)。スーパーカテゴリーまたはタグを作成するための他の状況が可能である。
【0041】
本発明はその実施形態を参照して具体的に示され説明されているが、当業者は、形式と詳細における上記のおよび他の変更が本発明の精神および範囲から逸脱せずに実施形態において行われ得ることを理解するであろう。
図1
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