特許第6644482号(P6644482)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6644482表面処理粉体及びその製造方法並びにそれを含有する化粧料
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6644482
(24)【登録日】2020年1月10日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】表面処理粉体及びその製造方法並びにそれを含有する化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/86 20060101AFI20200130BHJP
   A61K 8/29 20060101ALI20200130BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20200130BHJP
   A61K 8/25 20060101ALI20200130BHJP
   A61K 8/27 20060101ALI20200130BHJP
   A61Q 1/00 20060101ALI20200130BHJP
   A61Q 1/02 20060101ALI20200130BHJP
   A61Q 1/06 20060101ALI20200130BHJP
   A61Q 1/10 20060101ALI20200130BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20200130BHJP
【FI】
   A61K8/86
   A61K8/29
   A61K8/19
   A61K8/25
   A61K8/27
   A61Q1/00
   A61Q1/02
   A61Q1/06
   A61Q1/10
   A61Q17/04
【請求項の数】5
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-118784(P2015-118784)
(22)【出願日】2015年6月12日
(65)【公開番号】特開2016-47812(P2016-47812A)
(43)【公開日】2016年4月7日
【審査請求日】2018年5月1日
(31)【優先権主張番号】特願2014-170254(P2014-170254)
(32)【優先日】2014年8月25日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000226437
【氏名又は名称】日光ケミカルズ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000228729
【氏名又は名称】日本サーファクタント工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】301068114
【氏名又は名称】株式会社コスモステクニカルセンター
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 勇也
(72)【発明者】
【氏名】鎌戸 伸一郎
(72)【発明者】
【氏名】橋本 悟
【審査官】 片山 真紀
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−217989(JP,A)
【文献】 米国特許第03547995(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00−8/99
A61Q 1/00−90/00
C09C 1/00−3/12
C09D 15/00−17/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)で示される、アミノ基を有するパーフルオロポリエーテル化合物によって基材粉体の表面が処理されていることを特徴とする表面処理粉体。
【化1】

(但し、mは2を表し、nは平均値で1〜20の整数を表し、Rは炭素数2〜6のアルキレン基を表し、Rは水素原子または炭素数の合計が1〜8のアルキル基、アラルキル基、アリール基を表し、Rは水素原子または炭素数の合計が1〜8のアルキル基、アラルキル基、アリール基を表し、Xはフッ素原子、または炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基を表し、ZはNHまたはN−CHまたは酸素原子を表す。)
【請求項2】
前記一般式(1)に示すXがトリフルオロメチル基であることを特徴とする請求項1に記載の表面処理粉体。
【請求項3】
請求項1または2に記載のアミノ基を有するパーフルオロポリエーテル化合物が基材粉体量の1〜50質量%によって表面処理されていることを特徴とする表面処理粉体。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の表面処理粉体を製造する方法であって、製造工程においてアミノ基を有するパーフルオロポリエーテル化合物を酸性物質で中和して用いることを特徴とする表面処理粉体の製造方法。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の表面処理粉体含有することを特徴とする化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撥水性、撥油性に優れ、且つ使用感に優れた表面処理粉体および該粉体を含有する化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧料には、化粧料用粉体として様々な粉体が用いられており、その使用目的に合わせて、随時種々の化合物で表面処理が行なわれている。また、汗・涙・雨などによる化粧くずれや皮脂・化粧料の油分などによる化粧くずれの防止を目的として、撥水性、撥油性をもたせるための表面処理に関する研究が行われている。
【0003】
従来、提案されている撥水性、撥油性に優れるフッ素化合物で処理した粉体としては、例えば、パーフルオロアルキル基を有するリン酸エステルで粉体の表面処理をした撥水撥油性粉体(特許文献1)、パーフルオロアルキルシランで粉体を処理した撥水撥油性顔料(特許文献2)、パーフルオロポリエーテルアルキルリン酸及びその塩等で基材粉体の表面を処理した化粧用粉体(特許文献3)、パーフルオロアルキル・ポリオキシアルキレン共変性シリコーンにて表面処理された改質粉体(特許文献4)、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン化合物を表面処理した撥水撥油性化粧料用粉体顔料(特許文献5)、パーフルオロアクリレート共重合体が表面に被覆された顔料粉体(特許文献6)、パーフルオロポリエーテル変性ポリウレタンウレタンを表面処理した撥水撥油性化粧料用粉体顔料(特許文献7)等が挙げられ、いずれも化粧料用の粉体として利用されている。
【0004】
しかしながら、これらのフッ素化合物を持ってしても、撥水性、撥油性と使用感触の両立について、必ずしも十分満足できるものではなかった。
【0005】
一方、本発明者らが着目した一般式(1)で表されるアミノ基を有するパーフルオロポリエーテル化合物は、パーフルオロアルキレン又はパーフルオロアルキルと結合しているエーテル酸素を2個以上有するパーフルオロアルコキシ基の繰り返し単位から誘導されるポリパーフルオロポリエーテル鎖が構造中に組み込まれ、かつ、一般式(1)の末端構造中にカチオン性のアミノ基が側鎖として存在する、その中和塩が水溶性のパーフルオロポリエーテル化合物である。一般にアミノ基を有する有機化合物は、吸着性を有するので、凝集剤、毛髪のコンディショニング剤、織物の表面改質剤、紙のサイジング剤として利用されている。
【0006】
本発明に係わる一般式(1)は、パーフルオロポリエーテル鎖が末端アミノ基に組み込まれた化合物であるが、これを原料とした各種誘導体(特許文献8〜10)が界面活性剤、消火薬剤として報告されている。しかしながら、粉体の処理剤として利用するものではなく、化粧用としても応用もなされていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平06−079163号公報
【特許文献2】特開平06−192594号公報
【特許文献3】特開平08−133928号公報
【特許文献4】特開平08−283605号公報
【特許文献5】特開2008−37813号公報
【特許文献6】特開2008−50387号公報
【特許文献7】特開2012−51844号公報
【特許文献8】米国特許第3547995号
【特許文献9】米国特許第3839425号
【特許文献10】米国特許第3555089号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、撥水性、撥油性に優れ、肌への塗布時の感触が滑らかで付着性も良好な表面処理粉体及びその製造方法、並びにこの表面処理粉体を配合した化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは鋭意研究を進めた結果、化学式(1)で表されるアミノ基を有するパーフルオロポリエーテル化合物を表面処理剤として利用することで、この表面処理粉体は撥水性、撥油性に優れるため汗や皮脂による化粧崩れを防止できること、また、肌への塗布時の感触が滑らかで付着性も良好であることを見出し、本発明を完成するに到った。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、撥水性、撥油性に優れ、肌への塗布時の感触が滑らかで付着性も良好な表面処理粉体を提供することができる。本発明の表面処理粉体は従来の撥水撥油性粉体とは異なり、化粧品で用いられる種々の粉体との混和性にも優れており、容易に感触に優れた高機能な化粧料を提供することができる。具体的には、汗や水などによる化粧崩れがおこりにくいメーキャップ化粧料や紫外線防御用化粧料、容器や衣服などに色移りしにくい口紅やファンデーションなどの化粧料を提供することができ、及びその製造方法、並びにこの表面処理粉体を配合した化粧料を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の表面処理粉体について詳述する。
本発明は、一般式(1);
【化1】

(但し、mは0〜5の整数を表し、nは平均値で0〜20の整数を表し、R1は炭素数2〜6のアルキレン基を表し、R2は水素原子または炭素数の合計が1〜8のアルキル基、アラルキル基、アリール基を表し、R3は水素原子または炭素数の合計が1〜8のアルキル基、アラルキル基、アリール基を表し、Xはフッ素原子、または炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基を表し、ZはNHまたはN−CH3または酸素原子を表す。)で示される、アミノ基を有するパーフルオロポリエーテル化合物によって基材粉体の表面が処理されていることを特徴とする表面処理粉体である。
【0012】
本発明に関わるアミノ基を有するパーフルオロポリエーテル化合物中の繰り返し構造中のXはフッ素原子、または炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基であれば上記効果を充分に呈するものであるが、Xがトリフルオロメチル基であることが特に好ましい。
本発明に係わるアミノ基を有するパーフルオロポリエーテル化合物は例えば、米国特許2764603号、米国特許3250808号などを参考に合成できる。
【0013】
本発明は、前記表面処理成分を処理する事により、従来では得られない撥油性と感触、付着性、更には他の表面処理粉体との混和性を両立した粉体が得られることにある。表面処理量について制限するものではないが、本発明の表面処理成分は基材粉体100質量部に対して、1以上50質量部であることが好ましい。
【0014】
本発明に係わるアミノ基を有するパーフルオロポリエーテル化合物の性状は、パーフルオロポリエーテル部のXの種類、または分子量に依存して常温で液体〜固体を呈する。また、アミノ基を持つことから中和塩は水に溶解又は分散する。
本発明に係わるアミノ基を有するパーフルオロポリエーテル化合物は、前処理することなくそのまま用いても十分な効果を発揮するが、適当な酸性物質で中和した塩を用いることが好ましい。
【0015】
中和に用いられる酸性物質としては、特に制限されるものではないが、例えば、次のような酸性物質が挙げられる。またこれらの酸性物質は1種または2種以上を混合して用いても構わない。硫酸、硝酸、塩酸、リン酸、ケイ酸、炭酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、安息香酸、ケイヒ酸、サリチル酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、グルタル酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、メシル酸、トシル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ベヘン酸、ソルビン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、アスコルビン酸、エリソルビン酸などが挙げられる。
【0016】
表面処理剤を使用して基材粉体の表面を処理する方法は、一般的には湿式法、乾式法の2方法がある。湿式法は溶剤、もしくは水/溶剤溶液に基材粉体を分散し、ここに攪拌しながら、表面処理剤を添加し、均一にコート後ろ過して、乾燥し表面処理粉体を得るものである。乾式法はヘンシェルミキサー、ボールミルなどに基材粉体を加え、表面処理剤を加え、良く混合後乾燥、加熱して処理粉体を得るものである。
【0017】
本発明における表面処理の方法は特に制限するものでは無いが、乾式法、湿式法のどちらを用いても優れた撥水性、撥油性に優れ、肌への塗布時の感触を付与することができる。均質な表面処理をするには湿式法がより好ましい。
【0018】
具体的には、一般式(1)で表されるアミノ基を有するパーフルオロポリエーテル化合物は酸性下で水に溶解する。したがって、一般式(1)で表されるアミノ基を有するパーフルオロポリエーテル化合物で粉体表面を処理するためには基材粉体を水に分散し、pH3.0以下の酸性下で表面処理剤を加え、良く混合して、ろ過、乾燥して処理粉体を得ることができる。
【0019】
上述のようにして得られる本発明の表面処理粉体は撥水性、撥油性に優れ、且つ肌への塗布時の感触が滑らかで、肌との付着性にも優れる。
【0020】
更に、本発明に係わる基材粉体の表面処理にあたっては、本発明の効果を損なわない範囲で、一般式(1)以外の表面処理剤を同時又は連続的に基材粉体に表面処理することができる。本発明に使用できる表面処理剤としては、例えばパーフルオロポリエーテル変性アミノシラン、パーフルオロオクチルトリエトキシシラン、炭素数9〜15のフルオロアルコールリン酸、トリフルオロプロピルシクロペンタシロキサン、PEG8トリフルオロプロピルジメチコンコポリマー等の本発明に係わる表面処理剤以外のフッ素系化合物、ハイドロジェンシリコーン、アミノシリコーン、反応性オルガノポリシロキサン、アルキルシランなどのシリコーン化合物、有機チタネート、ポリオレフィン、レシチン及び/又はその塩、水添レシチン及び/又はその塩などのレシチン類、アシル化アミノ酸及び/又はその塩、酸性エステル油、脂肪酸及び/又はその塩類、デキストリン脂肪酸エステル、フラクトオリゴ糖脂肪酸エステル、コラーゲン、高級アルコール、エステル、ワックス、金属石鹸などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0021】
上記パーフルオロポリエーテル変性アミノシランは、特開昭58−122979号公報に準じた方法で合成できる。パーフルオロオクチルトリエトキシシランは、Gelest,Inc.製のものを利用できる。炭素数9〜15のフルオロアルコールリン酸は、特開2004−277389号公報に準じた方法で合成できる。トリフルオロプロピルシクロペンタシロキサンは、信越化学工業社のKF−5002などが利用できる。PEG8トリフルオロプロピルジメチコンは、信越化学工業社のFPD−6131などを利用できる。反応性オルガノポリシロキサンとしては、信越化学工業社のKF99(メチコン)、KF9901(ハイドロジェンジメチコン)等、KF−9908(トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)、KF−9909(トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコン)、KP−574((アクリレーツ/アクリル酸トリデシル/メタクリル酸トリエトキシシリルプロピル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー)、KF―7312(トリメチルシロキシケイ酸とシクロペンタシロキサンの混合物)、KF―9001(トリメチルシロキシケイ酸のデカメチルシクロペンタシロキサン50%溶液)等を使用できる。アルキルシランとしては、ダウコーニング社のZ−6341(オクチルトリエトキシシラン)やデグサ社のF−8261(トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン)等を使用できる。有機チタネートとしては、味の素社のプレンアクトKR−TTS(イソプロピルトリイソステアロイルチタネート)等が使用できる。ポリオレフィンとしては、例えば、特開昭63−179972号公報に記載の公知の化合物や、ポリプロピレンを酸化して得られる酸化ポリエチレン、マレイン化ポリエチレン、酸化ポリプロピレン等を使用できる。水添レシチン及び/又はその塩類としては、例えば、日光ケミカルズ社のレシノールS−10(水素添加大豆リン脂質)、キユーピー社の卵黄レシチンPL−100P(水素添加卵黄リン脂質)等を使用できる。アシル化アミノ酸及び/又はその塩としては、日光ケミカル社のサルコシネートMN(ミリストイルメチルアミノ酢酸ナトリウム)、アラニネートLN−30(ラウロイルメチルアラニンナトリウム)、サルコシネートCN−30(ココイルサルコシンナトリウム)、サルコシネートOH(オレオイルサルコシン)等、味の素社のアミソフトHS−21(N−ステアロイル−L−グルタミン酸ニナトリウム)等、SEPPIC社のSEPILIFT DPHP(ジパルミトイルヒドロキシプロリン)等を使用できる。
【0022】
これら表面処理剤の使用量を限定するものではないが、本発明の表面処理剤の特性を損なわない程度に使用することが好ましい。好ましくは0.1から20質量%程度である。
本発明に用いられる基材粉体としては、従来化粧料用粉体として用いられている粉体であれば特に制限されず、例えば、次のような基材粉体が挙げられる。またこれらの基材粉体は1種または2種以上を混合して用いても構わない。
【0023】
酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、酸化クロム、群青、ベンガラ、炭酸マグネシウム、炭酸カルシュウム、マイカ、セリサイト、タルク、シリカ、カオリン、水酸化クロム、亜鉛華、カーボンブラック、アルミナ、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、窒化ホウ素、シリカ−アルミナ粉末、ベントナイト、スメクタイトなどの無機顔料、ナイロンパウダー、ポリウレタンパウダー、ポリメチルメタクリレート、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリエチレン粉体、シリコーン樹脂、テフロン(登録商標)パウダー、シリコーンガム、シルクパウダー、カルナバワックス、ライスワックス、デンプン、微結晶セルロースなどの有機粉体、ローダミンB等の有機色素、赤色201号、黒色401号、黄色4号、青色1号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機着色料、雲母チタン、酸化鉄コーティング雲母などの複合粉体、表面処理がなされている粉体などが挙げられ、形状としては、球状、板状、針状、繊維状など通常化粧料に用いられる形状、粒径であれば構わない。
【0024】
次に本発明の化粧料について詳述する。
本発明の化粧料は、上述の本発明の表面処理粉体を含有するもので、その剤型は任意であり、一般に従来の化粧料用粉体を含有する化粧料はすべて含まれる。このような化粧料としては、例えば、ファンデーション、コンシーラー、白粉、ほほ紅などのフェイシャル化粧料、アイシャドウ、マスカラ、アイライナー、眉墨、口紅、ネイルエナメルなどといったメークアップ化粧料及び日焼け止め化粧品、乳液、ローションなどの基礎化粧料等が挙げられる。また、化粧料の他、皮膚外用剤、医薬用軟膏等にも好適に使用できる。
【0025】
本発明の表面処理粉体の配合量は、通常0.01〜99.9質量%であり、化粧料の形態や目的用途に応じて変動する。化粧料として香料等の他の成分を配合させること、十分な撥水性、撥油効果及び好ましい感触を得るためには、表面処理粉体の配合量が0.1〜99質量%の範囲であることが好ましい。より具体的には、化粧料の種類により、例えば固形粉体化粧料には20〜80質量%、クリーム状化粧料には5〜50質量%、乳液状化粧料には2〜30質量%、ローション類には2〜20質量%を配合するのがさらに好ましい。
【0026】
本発明の化粧料に配合できる、本発明に係わる表面処理粉体以外の成分としては、目的とする化粧料の種類に応じて、通常の化粧料に配合される成分から適宜選択して使用することができる。これらの成分としては、例えば、流動パラフィン、ワセリンなどの炭化水素、植物油脂、ロウ類、合成エステル油、シリコーン系の油相成分、フッ素系の油相成分、高級アルコール類、低級アルコール、脂肪酸類、増粘剤、紫外線吸収剤、粉体、無機・有機顔料、色材、各種界面活性剤、多価アルコール、糖、高分子化合物、生理活性成分、経皮吸収促進剤、溶媒、酸化防止剤、香料、防腐剤、各種添加剤等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0027】
本発明の化粧料は、通常の方法に従って製造することができる。本発明の化粧料用粉体を配合した化粧料は、耐水性・耐皮脂性に優れ、汗及び皮脂等による化粧崩れを防止し、且つ肌上への化粧料の塗布時の感触が滑らかで、付着性に優れ、しっとりした使用感を与えることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらに限定されるものではない。
【実施例1】
【0028】
1.製造方法
(表面処理剤の製造法1)
ヘキサフルオロプロピレン1.5gとヘキサフルオロプロピレンオキシド13.28gを混合し、m−キシレンヘキサフルオライド60gに溶解した。フッ化セシウム0.1gと塩化リチウム0.1g触媒存在下、80℃で加熱重合したポリマーに対し、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン1.5gを水酸化ナトリウム0.1g存在下120℃で反応、蒸留精製して平均重合度n=8である下記化学式(2)に示す目的の表面処理剤を15.2g得た。
【化2】
【0029】
(表面処理剤の製造法2)
任意の鎖長を有するパーフルオロアルキレン化合物に対し、パーフルオロフアルキルオキシド化合物をm−キシレンヘキサフルオライド溶媒中、0.1質量%のフッ化セシウムと0.1質量%の塩化リチウム存在下加熱重合したポリマーに対し、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミンを水酸化ナトリウム触媒中反応させて、蒸留精製することで下記化学式(3)に示す目的とする表面処理剤を得た。得られた表面処理剤のm、n、Xは下記表1に示す通りである。
【化3】
【0030】
(表面処理剤の製造方法3)
任意の鎖長を有するパーフルオロアルキレン化合物に対し、パーフルオロフアルキルオキシド化合物をm−キシレンヘキサフルオライド溶媒中、0.1質量%のフッ化セシウムと0.1質量%の塩化リチウム存在下加熱重合したポリマーに対し、N,N−ジメチル−3−アミノ−1−エタノールを水酸化ナトリウム触媒中反応させて、蒸留精製することで下記化学式(4)に示す目的とする各種表面処理剤を得た。得られた表面処理剤のm、n、Xは下記表1に示す通りである。
【化4】
【0031】
(表面処理粉体の製造方法1)
ヘンシェルミキサーに顔料酸化チタン950gを入れ、表面処理剤の製造法1で合成した前記化学式(2)に示す表面処理剤50gを3重量%リン酸水溶液中450gに溶解したものを加えて攪拌した。攪拌後、110℃で4時間乾燥し、アトマイザー粉砕した表面処理粉体を本発明品1とした。
【0032】
(表面処理粉体の製造方法2)
ビーカーに顔料酸化チタン95.0gを秤り取り、精製水100gを加えてよく攪拌した。ここにリン酸を加えてpH3として、表面処理剤の製造法1で合成した前記化学式(2)に示す表面処理剤5.0g加え、30分間混合後ろ過した。これを取り出し乾燥機にて110℃で4時間乾燥し、アトマイザー粉砕した表面処理粉体を本発明品2とした。
【0033】
(表面処理粉体の製造方法3)
ヘンシェルミキサーに顔料酸化チタン950gを入れ、表面処理剤の製造法2で合成した前記化学式(3)に示す表面処理剤50gを3重量%リン酸水溶液中450gに溶解したものを加えて攪拌した。攪拌後、110℃で4時間乾燥し、アトマイザー粉砕した表面処理粉体を本発明品3〜10および比較品1〜4とした。用いた表面処理剤の種類は下記表1に示すm、n、Xの通りである。
【0034】
(表面処理粉体の製造方法4)
ビーカーに顔料酸化チタン95.0gを秤り取り、精製水100gを加えてよく攪拌した。ここにリン酸を加えてpH3として、表面処理剤の製造法2で合成した前記化学式(3)に示す表面処理剤または表面処理剤の製造法3で合成した前記化学式(4)に示す表面処理剤を5.0g加え、30分間混合後ろ過した。これを取り出し乾燥機にて110℃で4時間乾燥し、アトマイザー粉砕した表面処理粉体を本発明品11〜16および比較品5〜8とした。用いた表面処理剤の種類は下記表1に示すm、n、Xの通りである。
【0035】
2.評価方法
(撥水性、撥油性)
試料を平板な容器に入れ、100kg/cmの力で平坦な表面を作り、ここに水滴、スクワラン滴を静かに落として、接触角を測定した。
【0036】
(付着性)
上腕内側部に試料を均質に擦り付け、これを刷毛ではき取った時に付着して
いる様子を肉眼観察し、以下の5点のスコアで評価し、その平均を求めた。
5: 未処理粉体よりも付着性に優れる
4: 未処理粉体よりも比較的付着性に優れる
3: 未処理粉体と同程度
2: 未処理粉体よりも比較的崩れやすい
1: 未処理粉体よりもかなり崩れやすい
【0037】
(感触)モニター5名で、塗布時の滑らかさを以下の5点のスコアで評価し、その平均
を求めた。
5: 未処理粉体よりもかなり良い
4: 未処理粉体より良い
3: 未処理粉体と同程度
2: 未処理粉体よりも比較的劣る
1: 未処理粉体よりもかなり劣る
【0038】
3.評価結果
評価結果を表1に示す。乾式表面処理、湿式表面処理のどちらの表面処理方法を用いても撥水、撥油性、感触に優れた良好な粉体が得られた。感触に関しては乾式処理を用いた方が良く、撥水性、撥油性に関しては湿式処理を用いた方が良好という結果が得られた。
比較品1〜に示すように、重合度nが大きい場合や、パーフルオロアルキル基m、Xが長すぎると付着性、感触が極端に劣り、また、側鎖にパーフルオロアルキル基がなく、水素原子の場合には撥水、撥油性が著しく劣るという結果が得られた。
【表1】












【実施例2】
【0039】
1.製造方法
(表面処理剤の製造法4)
ヘキサフルオロプロピレン1.5gとヘキサフルオロプロピレンオキシド13.28gを混合し、m−キシレンヘキサフルオライド60gに溶解した。フッ化セシウム0.1gと塩化リチウム0.1g触媒存在下、80℃で加熱重合して得られた平均重合度が8であるポリマー酸フッ化物に対し、各種アミン化合物1.5モル等量を水酸化ナトリウム0.1g存在下120℃で反応させ、蒸留精製することで下記化学式(5)に示す目的とする各種表面処理剤を得た。得られた表面処理剤のZ、R、R、Rは下記表2に示す通りである。
【化5】
【0040】
(表面処理粉体の製造方法5)
ビーカーに顔料酸化チタン95.0gを秤り取り、精製水100gを加えてよく攪拌した。ここにリン酸を加えてpH3として、表面処理剤の製造法3で合成した前記化学式(5)に示す表面処理剤5.0g加え、30分間混合後ろ過した。これを取り出し乾燥機にて110℃で4時間乾燥し、アトマイザー粉砕した表面処理粉体を本発明品17〜32および比較品9〜12とした。
【0041】
2.評価方法
(撥水性、撥油性)
試料を平板な容器に入れ、100kg/cmの力で平坦な表面を作り、ここに水滴、スクワラン滴を静かに落として、接触角を測定した。
【0042】
(感触)
モニター5名で、塗布時の滑らかさを以下の5点のスコアで評価し、その平均
を求めた。
5: 未処理粉体よりもかなり良い
4: 未処理粉体より良い
3: 未処理粉体と同程度
2: 未処理粉体よりも比較的劣る
1: 未処理粉体よりもかなり劣る
【0043】
3.評価結果
評価結果を表2に示す。アミド体、エステル体のどちらの表面処理剤を用いても良好な撥水、撥油性、感触の粉体が得られた。表面処理剤としてN−エチルアミド化合物では感触が優れず、R1、R2、R3が長鎖脂肪酸である場合は撥油性に著しい低下が見られた。

【表2】

【実施例3】
【0044】
1.製造方法
(表面処理粉体の製造方法6)
ビーカーに顔料酸化チタン100.0gを秤り取り、精製水100gを加えてよく攪拌した。ここに下記表3に示す酸を加えてPH3として、表面処理剤の製造法1で合成した前記化学式(2)に示す表面処理剤を加え、30分間混合後ろ過した。これを取り出し乾燥機にて110℃で4時間乾燥し、アトマイザー粉砕した表面処理粉体を本発明品33〜43とした。
【0045】
2.評価方法
(撥水性、撥油性)
試料を平板な容器に入れ、100kg/cmの力で平坦な表面を作り、ここに水滴、スクワラン滴を静かに落として、接触角を測定した。
【0046】
(感触)
モニター5名で、塗布時の滑らかさを以下の5点のスコアで評価し、その平均を求めた。
5: 未処理粉体よりもかなり良い
4: 未処理粉体より良い
3: 未処理粉体と同程度
2: 未処理粉体よりも比較的劣る
1: 未処理粉体よりもかなり劣る
【0047】
3.評価結果
評価結果を表3に示す。酸性物質の種類を問わず、良好な撥水性、撥油性、感触の粉体が得られた。中和を行う際の酸の種類による撥水性、撥油性、感触の違いに大きな影響は見られなかったが、未中和よりも中和した表面処理剤を用いた方が高い効果が得られた。

【表3】
【実施例4】
【0048】
1.製造方法
(表面処理粉体の製造方法6)
ヘンシェルミキサーに顔料酸化チタン94gを入れ、表面処理剤の製造法1で合成した前記化学式(2)に示す表面処理剤5gを3重量%リン酸水溶液中45gに溶解したものを加えて攪拌した。次いでさらに本発明でいう一般式(1)以外の表面処理剤1gを別途添加し、再度攪拌した。攪拌後、110℃で4時間乾燥し、アトマイザー粉砕した表面処理粉体を本発明品44〜49とした。
【0049】
2.評価方法
(撥水性、撥油性)
試料を平板な容器に入れ、100kg/cmの力で平坦な表面を作り、ここに水滴、スクワラン滴を静かに落として、接触角を測定した。
【0050】
(感触)
モニター5名で、塗布時の滑らかさを以下の5点のスコアで評価し、その平均を求めた。
5: 未処理粉体よりもかなり良い
4: 未処理粉体より良い
3: 未処理粉体と同程度
2: 未処理粉体よりも比較的劣る
1: 未処理粉体よりもかなり劣る
【0051】
3.評価結果
評価結果を表4に示す。多くの組み合わせで、パーフルオロポリエーテル化合物単独と同程度の撥水性、撥油性と感触が得られた。本実験においてもアミノ基を有するパーフルオロポリエーテル化合物との併用により、相乗的に機能の改善が認められた。

【表4】
【実施例5】
【0052】
1.製造方法
(表面処理粉体の製造方法6)
ヘンシェルミキサーに化粧用顔料95gを入れ、表面処理剤の製造法1で合成した前記化学式(2)に示す表面処理剤5gを3重量%リン酸水溶液中45gに溶解したものを加えて攪拌した。攪拌後、110℃で4時間乾燥し、アトマイザー粉砕した表面処理粉体を本発明品50〜63とした。
【0053】
2.評価方法
(撥水性、撥油性)
試料を平板な容器に入れ、100kg/cmの力で平坦な表面を作り、ここに水滴、スクワラン滴を静かに落として、接触角を測定した。
【0054】
(感触)
モニター5名で、塗布時の滑らかさを以下の5点のスコアで評価し、その平均
を求めた。
5: 未処理粉体よりもかなり良い
4: 未処理粉体より良い
3: 未処理粉体と同程度
2: 未処理粉体よりも比較的劣る
1: 未処理粉体よりもかなり劣る
【0055】
3.評価結果
評価結果を表5に示す。多くの無機顔料、有機顔料において、良好な撥水性、撥油性と感触が得られた。

【表5】
【実施例6】
【0056】
化粧下地
(処方) (質量%)
A 水 残部
グリセリン 5.0
ステアロキシPGヒドロキシPGヒドロキシエチル
スルフォン酸ナトリウム 2.0
B パーフルオロアルキル(C4−14)エトキシジメチコン 13.0
シクロメチコン 10.0
ジメチコン 6.0
メトキシケイヒ酸オクチル 4.0
エタノール 3.0
イソステアリルグリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
カーボマー(4%水溶液) 2.0
ナイロン12 2.0
表面処理12−ナイロンパウダー(本発明品62) 2.0
表面処理酸化チタン(本発明品2) 2.0
表面処理ベンガラ(本発明品55) 0.5
表面処理酸化鉄(本発明品56) 0.5
表面処理酸化鉄(本発明品57) 0.1
(調製方法)A相を常温にてホモミキサーにて攪拌しなら、B相を加えて乳化した。
(結果)SPF30/PA++で、撥水性、撥油性に優れ、感触の良い化粧下地を得た。
【実施例7】
【0057】
パウダーファンデーション
(処方) (質量%)
A 表面処理マイカ(本発明品52) 残部
表面処理タルク(本発明品51) 15.0
表面処理セリサイト(本発明品53) 10.0
ナイロン12 10.0
B ジメチコン 7.0
ミリスチン酸イソセチル 5.0
メトキシケイヒ酸オクチル 5.0
(ジフェニルジメチコン/ビニルフェニルジメチコン/
シルセスキオキサン)クロスポリマー 3.0
トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル 3.0
水添ポリイソブテン 3.0
(調製方法)B成分をよく混和し、A成分を加えて均一になるまでさらに混和し、容器に充填して製品とした。
(結果)SPF25/PA++で、撥水撥油性に優れ、感触の良いファンデーションを得た。
【実施例8】
【0058】
リキッドファンデーション
(処方) (質量%)
A 精製水 残部
ブチレングリコール 5.0
グリセリン 2.0
カルボマー 0.1
フェノキシエタノール 3.0
B シクロペンタシロキサン 20.0
表面処理酸化チタン(本発明品1) 5.0
表面処理酸化亜鉛(本発明品50) 6.0
PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 2.0
(アクリルサンアルキル/ジメチコン)コポリマー 2.0
(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー 2.0
フィトステロールイソステアレート 1.0
色材 適量
(調製方法)B相をディスパーで良く混合後、均一溶液としたA相にホモミキサー攪拌しながら、加えて乳化した。
(結果)撥水性、撥油性に優れた乳液状ファンデーションを得た。紫外線防御能もSPF20、PA++と高い値を示した。
【実施例9】
【0059】
W/O紫外線防御化粧品
(表面処理粉体の製造方法7)
ヘンシェルミキサーに微粒子酸化亜鉛95gを入れ、表面処理剤の製造法1で合成した前記化学式(2)に示す表面処理剤5gを3重量%リン酸メタノール溶液15gに分散したものを加えて攪拌した。攪拌後、110℃で4時間乾燥したものを本発明品64とした。
【0060】
(表面処理粉体の製造方法8)
ヘンシェルミキサーに微粒子酸化チタン95gを入れ、表面処理剤の製造法1で合成した前記化学式(2)に示す表面処理剤5gを3重量%リン酸メタノール溶液15gに分散したものを加えて攪拌した。攪拌後、110℃で4時間乾燥したものを本発明品65とした。
【0061】
(処方) (質量%)
A ジメチコン 10.0
ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン 5.0
(ジメチコン/メチコン)・コポリマー 6.0
セレシン 5.0
トリオクタン酸トリメチロールプロパン 5.0
セスキイソステアリン酸ソルビタン 4.0
カルナウバロウ 1.0
表面処理微粒子酸化亜鉛(本発明品64) 10.0
表面処理微粒子酸化チタン(本発明品65) 2.0
表面処理タルク(本発明品51) 2.0
表面処理セリサイト(本発明品53) 2.0
シクロメチコン 3.0
メトキシケイヒ酸オクチル 5.0
ミネラルオイル 1.0
ワセリン 1.0
B ジプロピレングリコール 2.0
ヒアルロン酸ナトリウム 0.2
水 残部
(調製方法)A成分を70℃に加熱し、本発明粉体以外を均一に溶解させた後、ホモミキサーまたはディスパーミキサーでゆっくりと攪拌しながらAにBを徐々に加えた後、強く攪拌して乳化を行う。
(結果)撥水性、撥油性に優れ、使用感の良いW/O型の紫外線防御化粧品が得られた。また本発明処理粉体の分散性は高く、高い紫外線防御能を示した。SPF35、PA+++
【実施例10】
【0062】
紫外線防御機能を有するファンデーション
(表面処理粉体の製造方法9)
ヘンシェルミキサーに合成金雲母94gを入れ、表面処理剤の製造法1で合成した前記化学式(2)に示す表面処理剤5gを3重量%リン酸メタノール溶液45gに分散したものを加えて攪拌した。攪拌後、アミノ変性シリコーンを1g加えてさらに攪拌した。攪拌後、110℃で4時間乾燥したものを本発明品66とした。
【0063】
(処方) (質量%)
表面処理タルク(本発明品51) 残部
表面処理合成金雲母(本発明品66) 10.0
表面処理微粒子酸化亜鉛(本発明品64) 5.0
メトキシケイヒ酸オクチル 6.0
ミネラルオイル 5.0
微粒子シリカ 3.0
フィトステリルイソステレート 3.0
ジメチコン 3.0
ナイロン粉末 3.0
トリエチルヘキサノイン 3.0
水 3.0
トリイソステアリン酸ポリグリセリル−2 1.0
色材 1.0
(調製方法)全ての成分をヘンシェルミキサーにて均一になるまで混合し、容器に充填して製品とした。
(結果)肌に対する伸び、滑らかさ、付着性に優れ、オイルへの分散性に優れ、色むらの無いファンデーションが得られた。SPF25、PA++
【実施例11】
【0064】
口紅
(表面処理粉体の製造方法10)
ビーカーにベンガラ95.0gを秤り取り、精製水100gを加えてよく攪拌した。ここに下記表3に示す酸を加えてpH3として、表面処理剤の製造法1で合成した前記化学式(2)に示す表面処理剤を5.0g加え、30分間混合後ろ過した。これを取り出し乾燥機にて110℃で4時間乾燥し、アトマイザー粉砕した表面処理粉体を本発明品67とした。
【0065】
(処方) (質量%)
ポリブテン 60.0
リンゴ酸イソステアリル 10.0
トリオクタノイン 10.0
パルミチン酸デキストリン 3.0
トリイソステアリン酸ジグリセリン 3.0
テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル 3.0
(ジメチコン/メチコン)コポリマー 2.0
ジメチコン 2.0
炭酸カルシウム 1.0
ミリスチン酸デキストリン 1.0
表面処理酸化チタン(本発明品48) 1.0
表面処理ベンガラ(本発明品67) 1.0
表面処理マイカ(本発明品52) 1.0
その他色材、香料 残部
(調製方法)全ての成分をはかりとり、ロールミルを使用して均一に混和して作成した。
(結果)顔料の分散性に優れ鮮やかな色調の口紅が得られた。付着性に優れ、容器などへの色移りし難いものが得られた。
【実施例12】
【0066】
皮膜形アイライナー
(処方) (質量%)
A 表面処理酸化鉄(黒)(本発明品57) 14.0
グリセリン 5.0
ポリオキシエチレンソルビタンモノオレイン酸エステル 1.0
防腐剤 適量
水 19.0
B 酢酸ビニル樹脂エマルション 45.0
カルボキシメチルセルロース(10%水溶液) 15.0
クエン酸アセチルトリブチル 5.0
香料 適量
(調製方法)精製水にグリセリン、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレイン酸エステルを加え、加熱融解した後、表面処理酸化鉄(黒)を加えてコロイドミルでAを調製する。70℃に加温したBをAに混合し、ホモミキサーで均一に分散し、容器に充填して製品とした。
(結果)化粧持ちの良い、撥水・撥油性を示す付着性に優れたアイライナーが得られた。
【実施例13】
【0067】
フェルトペンタイプアイライナー
(処方) (質量%)
A 表面処理カーボンブラック(本発明品63) 5.0
ポリオキシエチレン(10)ドデシルエーテル 2.0
精製水 80.0
B グリセリン 10.0
防腐剤 適量
香料 適量
水 残部
(調製方法)水にポリオキシエチレン(10)ドデシルエーテルを溶解した後、表面処理カーボンブラックを加えボールミルで均一に粉砕し、Aを調製した。AにBを加え、均一に分散した後、容器に充填して製品とした。
(結果)化粧くすみがなく、撥水・撥油性を示す発色に優れたペンタイプのアイライナーが得られた。
【実施例14】
【0068】
ウォータープルーフマスカラ
(処方) (質量%)
A 表面処理酸化鉄(黒)(本発明品57) 5.0
アクリル酸アルキルコポリマーアンモニウム 30.0
防腐剤 適量
水 10.0
B 軽質イソパラフィン 30.0
固形パラフィン 8.0
ラノリンワックス 8.0
セスキオレイン酸ソルビタン 4.0
香料 適量
(調製方法)水に表面処理酸化鉄(黒)を加えてホモミキサーで分散したのち、アクリル酸アルキルコポリマーアンモニウムを加えて加熱して、Aを調製した。Bを加え、ホモミキサーで均一に乳化分散した後、容器に充填して製品とした。
(結果)優れた撥水・撥油性を示し、化粧持ちの良いマスカラが得られた。
【実施例15】
【0069】
ルースタイプアイシャドー
(処方) (質量%)
表面処理マイカ(本発明品52) 28.0
オキシ塩化ビスマス 40.0
シリカ 10.0
表面処理酸化チタン(本発明品1) 5.0
表面処理ベンガラ(本発明品55) 6.0
表面処理酸化鉄(黄)(本発明品56) 5.0
表面処理カーボンブラック(本発明品63) 1.0
表面処理微粒子酸化チタン(本発明品65) 5.0
(調製方法)すべての原料を量り入れ、ミキサーで均一に分散し、容器に充填して製品とした。
(結果)肌触りが良好で、密着感に優れた、化粧くすみしない、撥水・撥油性を有する優れたアイシャドーが得られた。
【実施例16】
【0070】
乳化タイプアイシャドー
(処方) (質量%)
A 表面処理タルク(本発明品51) 10.0
表面処理カオリン(本発明品54) 2.0
表面処理ウルトラマリン(本発明品58) 4.0
表面処理クロムグリーン(本発明品59) 1.0
B ミリスチン酸イソプロピル 8.0
流動パラフィン 5.0
ステアリン酸 3.0
モノラウリン酸プロピレングリコール 3.0
C ブチレングリコール 5.0
グリセリン 1.0
トリエタノールアミン 1.2
防腐剤 適量
水 残部
(調製方法)Aをブレンダーで均一に混合した。Cを加熱溶解した後、Aを加え、攪拌混合した。Bを加熱融解し、混合したAとCに攪拌しながら加え、ホモミキサーにより乳化分散した。室温まで攪拌冷却し、容器に充填して製品とした。
(結果)表面処理により金属イオンの溶出が抑えられた、発色の優れた、耐水性、耐油性の良いリキッドアイシャドーが得られた。
【実施例17】
【0071】
鉛筆タイプ眉墨
(処方) (質量%)
A 表面処理酸化鉄(黒)(本発明品57) 20.0
表面処理酸化カオリン(本発明品54) 15.0
表面処理タルク(本発明品51) 10.0
表面処理酸化チタン(本発明品1) 5.0
B (ミリスチン酸/パルミチン酸/ステアリン酸/
リシノレイン酸/エイコサン二酸)グリセリズ 20.0
ステアリン酸 10.0
ミツロウ 5.0
硬化ヒマシ油 5.0
ワセリン 4.0
ラノリン 3.0
流動パラフィン 3.0
(調製方法)Aをブレンダーで均一に混合した。Bを加熱融解し、Aを加え、混練した。芯に成型し、木にはさんで鉛筆形状とした。
(結果)肌への感触が滑らかで良好な、撥水・撥油性を有した優れた眉墨が得られた。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明の表面処理粉体は、従来兼ね備えることが困難だった撥水性、撥油性、感触、付着性を有しているため、これを用いて化粧の乗りや感触が良く、化粧持ちの良い化粧料を提供する。