【文献】
M. Potse,Integrated electrocardiographic mapping. Combined analysis of multichannel endocardial and body surface ECG data,学位論文,デンマーク,2001年 1月 1日,45頁−68頁
【文献】
Frederick G. Evans ほか,Automatic Detection of Conduction Block Based on Time-Frequency Analysis of Unipolar Electrograms,IEEE TRANSACTIONS ON BIOMEDICAL ENGINEERING,1999年 9月,VOL. 46, No. 9,p1090-1097
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ディスプレイを更に備え、前記プロセッサは、前記伝導ブロックのラインの電気解剖学的マップを、前記ディスプレイ上に生成するよう更に構成されている、請求項1に記載の装置。
前記プロセッサは、前記一次性傾きと前記二次性傾きとが互いに結合しているかどうかを決定することと、前記電極が前記心臓に接触しているかどうかを決定することとに対応して、伝播波を特定するよう更に構成されている、請求項1に記載の装置。
前記プロセッサは、前記電位図を、それぞれの時間でフレームに分割するよう更に構成され、且つ前記フレームは、網状の電極の読取値のうちの個別の読取値を、値の行列に、それぞれ割り当てたものである、請求項1に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下の説明において、本発明の様々な原理が完全に理解されるように、多数の具体的な詳細が記載されている。しかしながら、これらのすべての詳細が本発明の実施に必ずしも必要ではないことが、当業者には理解されよう。この場合、一般的な概念を不要に曖昧にすることのないよう、周知の回路、制御論理、並びに従来のアルゴリズム及び処理に対するコンピュータプログラム命令の詳細については、詳しく示していない。
【0024】
定義
「アノテーション」又は「アノテーションポイント」は、目的のイベントを示すとみなされる電位図上のポイント又は候補を指す。本開示において、イベントは、典型的には、電極により感知される電波の伝播の開始(局所興奮到達時間)である。
【0025】
本明細書で使用される、電位図における「活動」は、電位図の信号における突発的又は起伏性の変化を明確に示す領域を指す。そのような領域は、ベースライン信号の領域の間の顕著な領域として認められる場合がある。本開示において、「活動」は、心臓を通る1つ以上の電気的伝播波の電位図上に現れる徴候を指すことが多い。
【0026】
「波」とは、心臓のマッピングされたエリア内での、連続的電気的伝播を指す。
【0027】
「ブロックのライン」とは、心臓内における電気的伝播を妨害するもの又はブロックするものを指す。そのようなラインは波を区切ることがある。波にはそれ自体に、ブロックのラインを包含することがあり、そうしたブロックのラインは、「波内ブロック」として知られている。
【0028】
電位図の「一次性傾き」とは、電極の下を通る興奮波の局所興奮到達時間に関連した傾きである。
【0029】
「二次性傾き」とは、電極の下を通らない波、すなわち、遠距離場の活性のような、先端の興奮波からの波に関連した傾きである。
【0030】
ある特定の時間窓内で相次いで1つの傾きと他の傾きの両方が発生する時、その傾きは、他の傾きと「結合」される。
【0031】
「ウェーブレット」とは、拡大により固定された関数の展開である。ウェーブレット変換は、信号の周波数成分を、マザーウェーブレットのさまざまな拡大版を用いて、時間の関数として決定する。
【0032】
「ブロック点」とは、ユーザーにより定義された値(典型的には0.2m/秒)よりも小さい伝導速度を有する点である。追加的又は代替的に、ブロック点は2つの電極の間に位置する点であって、第1の電極から出た興奮波が第2の電極に至った際に、第2の電極がユーザーにより定義された時間のインターバル(例えば100ms)以内で、波の到着直前で且つ第2の電極の不応期開始後に、既に活性化されているという点である。例えば、速度CVの波により、時間t=T0において、下にある組織の活性化を計測する電極を取り上げる。更に、距離Dにある、第2の電極を想定する。この第2の電極の下の組織は、活性化され、不応期RをT=T1で開始した。そうなると、電流の波が第2の電極下の組織を活性化する時間は、D/CVであろうということを、決定することが可能である。もし、(T+D/CV)<(T1+R)である場合には、組織はまだ不応期にあり、したがって興奮をブロックする。
【0033】
「ブロックのライン」又は「ブロックライン」とは、ブロック点の集合体である。
【0034】
「迂回点」とは、例えばUターンのような、波の方向の変化が起こる点である。
【0035】
「フレーム」とは、網状の電極の読取値のうちの個々の読取値を、値の行列に割り当てたものである。
【0036】
伝導ブロックライン及び伝導ブロック点は、本明細書では便宜上、しばしば「ブロックライン」、「ブロックのライン」又は「ブロック点」と呼ばれる。
【0037】
システム概要
ここで図面を参照し、最初に
図1を参照すると、この図は、本発明の1つの開示される実施形態により構成され動作する、電気的活動を評価し、生体被験者の心臓12に対してアブレーション手術を行うためのシステム10を描図したものである。このシステムは、患者の血管系を通じて、心臓12の心房・心室又は血管構造内に操作者16によって経皮的に挿入されるカテーテル14を備えている。通常、医師である操作者16は、カテーテルの遠位先端部18を、心臓壁、例えばアブレーション標的部位と接触させる。その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許番号第6,226,542号及び同第6,301,496号、並びに同一出願人による米国特許第6,892,091号に開示されている方法に従って、電気的活性化マップが準備され得る。システム10の要素を具現化する1つの市販の製品は、Biosense Webster,Inc.(3333 Diamond Canyon Road,Diamond Bar,CA 91765)より入手可能な、CARTO(登録商標)3システムとして入手可能である。このシステムは、本明細書に記載される本発明の原理を具現化するように、当業者によって変更することができる。
【0038】
例えば電気的活性化マップの評価によって異常と判定されたエリアは、例えば心筋に高周波エネルギーを加える遠位先端部18の1つ以上の電極に、カテーテル内のワイヤを通じて高周波電流を流すことなどにより熱エネルギーを加えることによってアブレーションすることができる。エネルギーは組織に吸収され、組織を電気的興奮性が永久に失われる点(一般的には約50℃)まで加熱する。成功裏に行われた場合、この処置によって心臓組織に非伝導性の損傷部位が形成され、この損傷部位が不整脈を引き起こす異常な電気経路を遮断する。本発明の原理を異なる心房・心室に適用することによって、多くの異なる心不整脈を診断し、治療することができる。
【0039】
カテーテル14は、通常、ハンドル20を備え、ハンドル20は、その上に好適な制御部を有し、制御部により操作者16は、アブレーションを行うために望むように、カテーテルの遠位端の方向転換、位置決め、及び方向決めを行うことが可能になる。操作者16を補助するため、カテーテル14の遠位部分には、コンソール24内に配置されたプロセッサ22に信号を供給する位置センサ(図示せず)が収容されている。プロセッサ22は、以下に記載するいくつかの処理機能を果たす。
【0040】
アブレーションエネルギー及び電気信号を、遠位先端部18に又は遠位先端部18の付近に配置される、1つ又は複数のアブレーション電極32を通じて、コンソール24に至るケーブル34を介し、心臓12へ又は心臓12から、伝えることができる。ペーシング信号及び他の制御信号は、コンソール24から、ケーブル34及び電極32を通して、心臓12へと伝えることができる。感知電極33は、同様にコンソール24にも接続され、アブレーション電極32の間に配設されて、ケーブル34への結線を有する。
【0041】
ワイヤ接続部35はコンソール24を、身体表面の電極30と、カテーテル14の位置及び向きを表す座標を測定するための位置決定サブシステムの他の構成要素と、に連結する。プロセッサ22又は他のプロセッサ(図示せず)は、位置決定サブシステムの要素であってよい。電極32及び身体表面電極30は、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,536,218号(Govariら)に教示されるように、アブレーション部位での組織のインピーダンスを測定するために使用することができる。温度センサ(図示せず)、典型的には、熱電対又はサーミスタを、電極32の各々の上に、又は電極32の各々の付近に載置することができる。
【0042】
コンソール24には通常、1つ又は複数のアブレーション電力発生装置25が収容されている。カテーテル14は、例えば、高周波エネルギー、超音波エネルギー、及びレーザー生成光エネルギーなどの任意の周知のアブレーション技術を使用して心臓にアブレーションエネルギーを伝えるように適合させることができる。このような方法は、参照により本明細書に組み込まれる、本願と同一譲受人に譲渡された米国特許第6,814,733号、同第6,997,924号、及び同第7,156,816号に開示されている。
【0043】
1つの実施形態において、この位置決めサブシステムは、磁場生成コイル28を使用して、既定の作業体積内に磁場を生成し、カテーテルにおけるこれらの磁場を感知することによって、カテーテル14の位置及び向きを判定する、磁気位置追跡の仕組みを含む。位置決めサブシステムは、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,756,576号、及び上記の米国特許第7,536,218号に記載されている。
【0044】
上述したように、カテーテル14は、コンソール24に結合され、これにより操作者16が、カテーテル14の機能を観察及び調節できるようになっている。コンソール24は、プロセッサ、好ましくは適当な信号処理回路を有するコンピュータを含む。プロセッサは、モニタ29を駆動するように結合されている。信号処理回路は、通常、カテーテル14からの信号を、受信、増幅、フィルタリング、及びデジタル化するが、そのような信号には、カテーテル14の遠位側に設置された、電気、温度、及び接触力センサのようなセンサ、及び複数の場所感知電極(図示せず)により生成される信号が含まれる。デジタル化された信号は、コンソール24及び位置決めシステムによって受信かつ使用され、カテーテル14の位置及び向きを計算し、電極からの電気信号を分析する。
【0045】
電気解剖学的マップを生成するために、プロセッサ22は通常、電気解剖学的マップ生成器、画像登録プログラム、及び画像又はデータ分析プログラムを備え、且つモニタ29上にグラフィカル情報を提示するグラフィカルユーザーインターフェイスをも備える。
【0046】
簡略化のため図には示されていないが、通常、システム10には、他の要素も含まれる。例えば、システム10は、心電図(ECG)モニタを含み得るが、このECGモニタは、ECG同期信号をコンソール24に提供するために、1つ又は複数の身体表面電極から信号を受信するように結合される。また、上に述べたように、システム10は通常、基準位置センサをも含むが、基準位置センサは、患者の身体の外側に取り付けられた、体位外貼付式基準パッチ上、又は心臓12に挿入され、心臓12に対して固定位置に維持された、体内配置式カテーテル上のいずれかに配置される。カテーテル14にアブレーション部位を冷却するための液体を通して循環させるための従来のポンプ及びラインが設けられている。システム10は、画像データを、外部の、MRI等のような撮像様式ユニットから受信してよい。またシステム10は、画像プロセッサを含み、画像プロセッサはプロセッサ22に統合されてもよく、又はプロセッサ22により起動されて、画像を生成し表示する。
【0047】
心房細動興奮のマッピング
心房細動は、伝播の複雑なパターン、すなわち周期性も反復性もないパターンにより特徴づけられる。ブロックのラインが多数あり得るが、そうしたラインにより、さまざまな形状の、解離波が分割される。心房の興奮時間を心房の電極網に対してマッピングしようとすると、測定エラーが起こってしまう。マッピングカテーテルからの電極読取値に基づいた空間解像度は、心房細動興奮の複雑なパターンを評価するのには不適当である。
【0048】
本明細書に記載される処置は、ブロックのラインにより、以下に説明するフレームのコンテキスト内(すなわち、セグメント化)で区切られた心房波を検出する。これらの処置は、統一されたMatlab(登録商標)のフレームワークを用いて遂行されてもよい。以下の実施形態において説明される、本発明の諸原理を適用することにより、心房細動における空間−時間構造を、アブレーションの潜在的標的として特徴づけ且つ特定することができる。ここで
図2を参照すると、同図は、本発明の1つの実施形態による、心房細動興奮の評価への一般的アプローチのブロック図である。マップ生成へと至るプロセスは、ブロック37の、前処理され、心室の遠距離場電位があらかじめ取り除かれた電位図から、双極窓を特定することを含む。遠距離場効果を除去することは、参照により本発明に取り込まれる、同時係属中の、「心室の遠距離場減少」と題された、米国特許出願第14/574,578号の教示することころを用いて実現することができる。このプロセス内の更なるステップには、ブロック39のLAT検出と、ブロック41のLAT位置変更と、ブロック43のLAT処理と、ブロック45のLAT窓生成と、ブロック47のLAT傾き及び関係検出と、ブロック49のフレームのセグメント化と、ブロック51のマップ及び行列の生成と、が含まれる。
【0049】
ブロックのラインの特定には、心内電位図内のアノテーションの特定後に、波のマッピングのプロセスを用いる。これらのアノテーションは、ウェーブレットからのものであり得るが、それは、本願と同一譲受人に譲渡され、同時係属中の、参照により本発明に取り込まれる、「心房細動アノテーション用の二重双極構成」と題された米国特許出願第14/585,828号の教示するところのものを用いて算出することができる。
【0050】
(1)アノテーションを用いて、以下に説明する、領域成長のプロセスにおける、ブロックのライン検出により、波を特定する。
(2)ブロック点は、フィルタリングされ且つ処理されるが、そこにはアノテーションの見直しが伴っていてよい。
【0051】
LAT検出及び処理は、上記の米国特許出願第14/585,828号に教示されるように、ブロック37、39、41、43、及び45で行われる。
【0052】
心臓の電子解剖学的マッピングを実行する間、ブロックのライン(解剖学的なもの及び機能的なものの両方)の検出は、マップの精確性に影響を及ぼし得る。現行の三次元マップにおいては、ブロックのラインを考慮せず、任意の2点間に色が内挿される。ブロックのラインを特定することなく、非伝導性エリア上にマップ上の色を内挿することができ、そのため、マップが歪む可能性がある。
【0053】
1つの実施形態においては、多電極マッピングカテーテルを用いるブロックのラインの検出は、それぞれの電極のLATを評価すること、電極間の距離、伝播の方向、及びこれらのエリアにおける伝導の生理学的蓋然性と、に基づく。採用される戦略は以下のものを含む:
1.単極電極のウェーブレットからアノテーションを得ること;
2.例えば、3×3の正方形の電極のような、電極により構成されるマッピングアレイを用意すること;
3.それぞれのマッピングアレイに対して、LAT時間窓、傾き、スイング振幅、スイング時間、を決定すること;
4.ウェーブレットのLAT品質を評価すること;伝達速度ベクトル(CV
ベクトル)を得ること;
5.遠距離場情報(一次性及び二次性傾き)を得ること;
6.それぞれの電極に対して、心内ECG(IC−ECG)品質を、1秒の窓解像度で評価すること。
【0054】
ここで
図3を参照すると、同図は、本発明の1つの実施形態による、波のマッピングとブロックのラインの検出とを示すデータ流れ
図53、55である。データ流れ
図53において、多くの電極からの一連のLATアノテーションが、信号57として表されているが、同アノテーションはブロック59への入力を形成し、ブロック59は、最も早いLATアノテーションを決定する。最も早いアノテーションは、信号61として出力され、ブロック63に受容される。ブロック63では、領域成長のプロセスが実行される。領域成長については、後ほど、
図22の議論において更に詳しく説明をする。最も早いアノテーションは、マッピングアレイ内において並みの要素を形成する。信号61を生成した電極に対応する現行の電極の位置(EPOS)と、LAT信号57が信号65として入力される。ブロック63において波が特徴づけられると、フィードバック信号67がブロック59に戻される。フィードバック信号67を受信すると、ブロック59は次に受信したLATアノテーションを処理する。
【0055】
ブロック63により定義された波は、入力信号69としてブロック71に送られ、ブロック71は、波の後処理を実行する。ブロック71への他の入力は、品質評価信号73と、LAT傾き信号75と、遠距離場傾き信号77と、位置信号79と、であり、波の品質に関するものである。ブロック71から出力されるのは、波信号81と、波内(iaW)ブロック信号83と、波間(irW)ブロック信号85と、である。後処理は、後で詳しく説明する。
【0056】
ここで
図4を参照すると、同図は、本発明の1つの実施形態による、心房細動間におけるブロックのラインのマッピングを示す、例示的な図である。局所興奮到達時間が、正方形87に示されている。電極位置89のうち、いくつかは正方形87により隠されているが、格子を形成する。質の低い電極信号は、アスタリスク91で示されている。これらの信号は、LAT決定用には信頼性が足りないものである。ブロック点93は、関心対象時間窓の外側にある局所興奮到達時間を有する。ブロックのラインは、ブロック点94の集合体により示されている。
【0057】
LAT傾き関係
LAT傾き関係は、ブロック47(
図2)で評価される。従来、心房細動においては、接触電極から、それ自体によりLATを検出するため、空間解像度が低くなるという結果になっている。本発明の諸実施形態によると、電極からより多くの情報を抽出できるが、それは:(1)電極の接触と非接触とを区別すること;(2)一次性傾き(接触点における活性化)と二次性傾き(遠方の効果により引き起こされる)とを区別すること;及び(3)1つの電極とその隣接する電極との間の時間的関係を考慮すること、により実現される。これらのファクターのすべてが、組み合わせて評価される。特に、傾き関係の考慮により提供される追加的情報は、個々による空間的サンプリング不足を補い、カテーテル電極又は解剖学的網における興奮時間を精確に投射することを可能にする。アルゴリズムは以下の通りである:
(1)すべての電極内のすべての傾きを検出する。
(2)(LATに関係する)一次性傾きを二次性傾きから区別する。
(3)時間の経過に伴う、接触状態をすべての電極について決定する。1つの接触電極は通常、適切な数の一次性傾きを有し、それは時間の経過に伴って反復される。一次性傾きの最小数は患者毎に、分析されている心房細動のパターンの複雑さにしたがって異なる。50%程度の一次性傾きが典型的である。
(4)二次性傾きを一次性傾きに関連付ける。
(5)隣接する電極において、結合された二次性傾き、すなわち、一次性傾きと二次性傾きが重なる窓内において、−dv/dtが最大となる整列点、を見出す。隣接する電極が心臓の壁に接触している場合には、結合された二次性傾きは、解離波から生じ得る。隣接する電極が心臓の壁に接触していない場合には、結合された二次性傾きは、同じ波の遠距離場のビューから生じる。
(6)上記のステップを実行した後、1組の関連していない二次性傾きが残る。これらの傾きは、電極間で起こる活性化から生じ得る。このような傾きを特定することは、マッピングに有用である。
【0058】
ここで
図5を参照すると、同図は、本発明の1つの実施形態による、LAT−傾き関係の決定の態様を示す模式的フロー図である。心内電位図信号95がブロック97に入力され、その極大、極小、及び傾きが決定される。心房細動においては、断絶(ノッチ)が起こるのは普通のことである。ブロック99においてはデノッチングが行われる。ブロック99からの出力と、IC−ECGのLAT信号101と、Matlabの入力103と、がブロック105に入力され、ブロック105で、空間的時間的傾き分析が行われる。出力されるのは、傾き信号107及び仮想LAT信号109である。仮想的LATは、一次性傾きと結合され得ない二次性傾きの検出に由来する。換言すれば、二次性傾きに対応する興奮を記録した電極は存在しないということである。2つの電極間を伝播する波が二次性傾きを生み出すが、一次性傾きを生み出さない場合に、その二次性傾きを仮想的LATと呼ぶ。
【0059】
ここで
図6を参照すると、同図は、本発明の1つの実施形態による、LAT−傾き関係の決定の追加的態様を示す模式的フロー図である。傾き信号107及びLAT信号101がブロック111に入力され、ブロック111で、一次性傾きが決定される。出力信号113は、ブロック115において電極の接触を決定するのに用いられる傾き行列を含む。出力信号113、傾き信号107、及びMatlab入力103(ELECADIST、ELEDIST、ELEMESH、CATHMESH)が、ブロック117にフィードされ、ブロック117で、一次性傾きと二次性傾きとのマッチング、及び二次性傾きと他の二次性傾きとのマッチングが行われる。入力ELEMESH及びCATHMESHは、構成された複合変数であり、それぞれ、電極網の幾何学的配置と、カテーテル網の幾何学的は位置とを記述している。それらは、Matlabにおいては、1つの構造体の複数のフィールドとして実装される。本用途においては、網とは、1組の接続されたノード及びトライアングルが配列されたものである。それぞれのノードは、トライアングルの頂点である。トライアングルは、頂点により他のトライアングルと結合され、網を形成する。それぞれの網は、ノードの数と位置(x,y,z)を含む。それぞれのトライアングルに対して、3つの頂点のノードが記述される。
【0060】
電極の網ELEMESHにおいては、頂点の数は、マッピングカテーテル上の電極の数と等しい。64個の電極がある場合には、64個の網の頂点と、112個のトライアングルが存在する。カテーテルの網CATHMESHは、電極の網を内挿補間するものである。このようにして、網により記述されるより滑らかな表面が、より多くの(内挿補間された)頂点と、その結果としてより多くのトライアングルとを提供することにより得られる。ELEDIST及びELECATDISTは、それぞれ、電極の網とカテーテルの網における、それぞれの頂点と他の頂点との間の距離を含む行列である。
【0061】
結合された信号の情報を含む信号がブロック117から出力される。一次性傾きと二次性傾きとの間の関係は、後で説明するように、電極の接触状態又は非接触状態にしたがって解釈される。
【0062】
ここで
図7を参照すると、同図は、本発明の実施形態による、LAT傾き関係検出方法のフローチャートである。最初のステップ119において、心内電位図内のすべての傾きが検出され、デノッチングされる。次に、ステップ121において、検出された傾きが、既に検出済みのLATと一致していないかどうかのチェックが行われる。一致が見つかった場合、現在の検出された傾きは、一次性傾きであると結論される。一致が見つからない場合には、現在の検出された傾きが二次性傾きであることが暗示されている。
【0063】
ステップ123では、一次性傾きの開始時点及び終了時点が決定される。この決定は、傾きの画定がうまくできていないこともあるため、しばしば精確性を欠いている。そのような傾きは、最後のステップ125において、「曖昧な一次性傾き」として特記される。
【0064】
ステップ121において分類された一次性傾きと二次性傾きとの間の時間関係は、ステップ127において評価される。一般的には、関心対象窓の30m秒以内で、二次性傾きが一次性傾きに先行するか又は後続するかが記録され、且つ、ステップ129において、二次性傾きと、それらの互いの関係との妥当性を確認するためのチェックが行われる。妥当性の規準となるものは:
傾きの振幅>一次性傾きの振幅/2;及び
傾きの時間<一次性傾きの時間
*2。
【0065】
最後のステップ131においては、二次性傾きが、一次性傾きに代替するものとして注釈をつけられる。これが起こるのは、二次性傾きが、一次性傾きと結合されており、且つ二次性傾きが妥当である場合、すなわち、その傾きがあらかじめ決められた閾値よりも大きい場合である。
【0066】
ここで
図8を参照すると、同図は、本発明の1つの実施形態による、LAT傾き関係検出方法の詳細なフローチャートである。最初のステップ119は、
図7におけるものと同様に実行される。ステップ133においては、すぐに特定されるLATアノテーションを見ることによって、一次性傾きが特定される。そのような一次性傾きには、例えば、3×3格子内の他の二次性傾き又は、一次性傾きを生み出している電極からあらかじめ決められた距離以内にある他の二次性傾きのような、隣接する二次性傾きが存在する。隣接する一次性傾きのない二次性傾きは、LATアノテーションとの近い関係がないことによって特定される。ステップ135、137において、傾きは、結合された一次性−二次性傾きペア、及び結合されていない傾きにそれぞれ区分けされる。後者のカテゴリには、一次性傾き及び二次性傾きの両方が含まれる。
【0067】
ステップ135に続いて、ステップ139、141においては、結合された一次性−二次性傾きペアが、それぞれその電極が、心内膜に接触しているグループと、接触していないグループとに更に分けられる。結合された一次性−二次性傾きの組み合わせは、二次性傾きが読み取られる電極が、心内膜に接触している場合に存在する。これは、伝導ブロックを暗示する。
【0068】
ステップ137に続いて、ステップ143、145それぞれにおいて、結合されていない一次性傾き及び二次性傾きは、孤立性の二次性傾きと、グループ化された(結合された)二次性傾きとに、更に分けられる。
【0069】
ステップ143に続いて、ステップ147、149それぞれにおいて、結合されていない二次性傾きは、その二次性傾きが関連している遠方の電極が心内膜に接触している1つのグループと、そのような接触が存在しない他のグループとに区分けされる。ステップ147においては、接触している電極が示すのは、捕捉し損なった興奮、すなわち、一次性傾きが検出されなかった興奮である。ステップ149の場合には、何の情報も得られない。検出されていない興奮波以外のソース、例えば遠距離場干渉のようなソースが、その原因である場合がある。
【0070】
ステップ145に続いて、ステップ151、153それぞれにおいて、結合された二次性傾きは、その二次性傾きが関連している遠方の電極が心内膜に接触している1つのグループと、そのような接触が存在しない他のグループとに区分けされる。ステップ151における、「=1,>1 contact」という表記の意味は、
図9において与えられる。ステップ151、153の両方において、恐らくは、捕捉し損なった興奮が存在している。仮想的興奮の位置の特定は、ステップ151のケースと、ステップ153のケースで異なっている場合がある。
【0071】
ここで
図9を参照すると、同図は、本発明の1つの実施形態による、
図8において特定された二次性傾きのカテゴリと波の伝播構成との間の関係を図示したものである。
図9のブロック内の識別用文字(A〜D)は、ステップ147、149、151、153(
図8)内の識別用文字と相互に関連している。
図9に示された個々のケースは以下の通りである:
ここで
図10を参照すると、同図は、本発明の1つの実施形態による、異なる条件下の電極により検出された、結合された一次性傾きと二次性傾きとの間の詳細な関係を示す図である。一次性傾き157と結合された二次性傾き155を有する心内電位図を記録した電極は、心内膜と接触していない。この状況は、一次性傾き及び二次性傾きは、恐らく同じ伝播波から発生したということを示唆している。
【0072】
ここで
図11を参照すると、同図は、本発明の1つの実施形態による
図10と類似の図であるが、
図11では、一次性傾き161と結合された二次性傾き159を有する心内電位図を記録した電極が、心内膜と接触している。この状況は、傾きの時間窓内で、2つの電極の間にあるブロックのライン163を示す。
【0073】
ここで
図12を参照すると、同図は、本発明の1つの実施形態による
図10と類似の図である。二次性傾きを示す、2つの孤立性の結合されていない電極のケースにおける波のパターンが記述されている。両方の電極は心内膜と接触している。パターンは、電極の近くで起こる波が、捕捉し損なわれたかもしれないということを示している。
【0074】
ここで
図13を参照すると、同図は、本発明の1つの実施形態による
図10と類似の図である。二次性傾きを示す、2つの孤立性の結合されていない電極のケースにおける波のパターンが記述されている。いずれの電極も心内膜と接触していない。示されているパターンは、例えば、心室の遠距離場効果又はノイズといった乱れを示す場合がある。
【0075】
ここで
図14を参照すると、同図は、本発明の1つの実施形態による
図10と類似の図である。これは、少なくとも2つの記録中の電極が、結合された二次性傾きを有しているが、一次性傾きとは結合されていないケースである。2つの電極の間を伝播している狭い波165の一次性傾きが、電極からの信号において検出され損なっていた。
【0076】
ここで
図15を参照すると、同図は、本発明の1つの実施形態による
図10と類似の図である。2つの記録中の電極は、結合された二次性傾きを有する。1つの電極のみが心内膜と接触している。いずれの電極も一次性傾きと結合されていない。これは、比較的広い波167、すなわち波165(
図14)よりも広い波と一致しており、そのような波167は、遠位側は接触している電極へ伝播しており、且つその電極により検出され損なっていた。
【0077】
ここで
図16を参照すると、同図は、本発明の1つの実施形態による
図10と類似の図である。少なくとも2つの結合されていない電極が、二次性傾きを検出していた。電極のうちのいずれも心内膜と接触しておらず、いずれも一次性傾きと結合されていない。しかしながら、時間シフトされた一次性傾きが利用可能である。このパターンは、そのうちのいくつかは以前心内膜と接触していた1組の電極間で、より広いエリアで現在非接触状態があることを示唆している。
【0078】
1つの接触電極と、二次性傾きを検出している他の電極とが存在するケースにおいて、結合された一次性傾きと二次性傾きとが検出されることは、電極間にあるブロックを示唆している。二次性傾きを検出する電極が心内膜に接触していない場合には、一次性傾きと二次性傾きとの両方が、恐らく同じ波から生成されたものである。
【0079】
結合されていない電極が一次性傾き及び二次性傾きを検出するケースにおいて、二次性傾きを検出する電極が心内膜に接触する場合には、電極の近くで起こる波は、捕捉され損なうことがあり得る。二次性傾きを検出する電極が心内膜に接触しない場合には、乱れがその一因であり得る。
【0080】
複数の電極が二次性傾きを検出するケースにおいて、それらの電極のうちの少なくとも1つが心内膜に接触する場合には、接触している電極により記録された二次性傾き間を伝播する波が、捕捉され損なうことがあり得る。
【0081】
多くの電極のうちのちょうど1つの電極が心内膜に接触する場合には、遠位側が接触している電極に伝播している波が、捕捉され損なっていたことがあり得る。
【0082】
多くの電極のうちの1つの電極も心内膜に接触しない場合には、現在の3×3格子よりも大きなエリア内で、隣接する電極が心内膜に接触していないために、波が捕捉され損なっていたことがあり得る。
【0083】
波のブロックの確認は、一次性傾き又は二次性傾きの情報が入手可能であるかによっては、遠距離場情報に基づいていてよい。二次性の(FF)傾きを、検出された一次性、(NF)傾き窓内に見出したならば、それは、波のブロックの存在可能性が高くなるということである。ブロックライン処理の手術には、次のステップが伴う。ただし以下のステップは更に詳しく後で説明する。なお、ステップは、記載される順に、必ずしも実行されない:
分離されたブロック点を判別する。これは、すべての「ブロック点」を再訪し、分離されていること、すなわち、周囲の電極にブロックが存在しないことを確認すること、によりなされる。
【0084】
1つ以上の電極のまわりの、閉じられた、ブロック点エリアを判別する。これは、隣接する電極におけるアノテーションを特定すること、又は特定し損なうことによりなされる。
【0085】
ブロック点をブロックラインに内挿補間する。
【0086】
活性化ブロックの検出
活性化ブロックは、伝導速度ベクトルを評価することにより明らかとなる。ここで
図17を参照すると、同図は、本発明の1つの実施形態による、伝導速度ベクトルの決定を示すデータフローチャートである。ブロック169において、トライアングルが電極位置の格子内に画定される。格子の構成は、信号171(ECONF)として入力され、トライアングルを表す信号173が出力される。信号173並びに、それぞれLAT及びLAT品質(LATQ)を表す信号175及び信号177が、ブロック179への入力を形成し、ブロック179では、トライアングルの電極からのLATの値が決定される。ブロック179からの出力信号181はブロック183に受信され、ブロック183では、時間により変化する伝導速度ベクトルが、トライアングル内で計算される。ブロック183は、2つのベクトル、
早期CV(CV
earlier)と
後期CV(CV
later)とを含む出力信号185、187を生成する。2つのベクトルはブロック189で分析され、1つの伝導速度ベクトルが、品質の尺度(CVQ)、φ(活動面に直交するベクトル)、及び、パラメータΨ(三次元空間における伝導速度ベクトル)とともに、出力信号191内に生成される。伝導速度ベクトルの計算の詳細は、後で、
図22の議論において更に詳しく説明する。
【0087】
ここで
図18を参照すると、同図は、本発明の1つの実施形態による、
図4の仕組みにより生成された伝導速度ベクトルを図示する、心臓の機能的電気解剖学的マップである。1組の番号付けされた電極が、トライアングル193を画定する。局所興奮到達時間は、図中に色調により示されている。3つの伝導速度ベクトル195、197、199が示されている。
【0088】
ここで
図19を参照すると、同図は、本発明の1つの実施形態により処理される、9つの電極の正方格子である。
図19を見ると、12個のトライアングルが、1つのピボット電極201を共有しているということがわかる。例えば、1つのトライアングルは、ピボット電極201と、頂点電極203、205と、で画定される。他のトライアングルが、ピボット電極201と、頂点電極205、207と、で画定される。12個のトライアングルのそれぞれは、隣接するトライアングルと共有する2つの頂点電極を有する。
【0089】
ここで
図20を参照すると、同図は、本発明の1つの実施形態による、
図19の格子内に1つのトライアングルを画定する電極から得られる3つの電位
図209、211、213の、代表的シリーズである。トライアングルは、
図19に示されているトライアングルの任意のものであってよい。電位
図211は、ピボット電極201からのものである。活性化ブロックの検出は、ピボット電極及び頂点電極用のLATを決定することと、トライアングルの頂点間の三次元距離を決定することと、を含む。信号191(
図17)における伝導速度ベクトルは、ブロック検出用のパラメータとして用いられる。
【0090】
ここで
図21を参照すると、同図は、本発明の1つの実施形態による、伝導速度ベクトルを示す、
図19のものと類似の9つの電極の正方格子である。4つの伝導速度ベクトルが、トライアングルのそれぞれに対して計算され得る。単一のトライアングルのケースでは、格子内の隣接する電極から、3×2=6つの興奮時間が利用可能である。隣接する興奮時間の2×2=4通りの異なる組み合わせと、トライアングルの1つの角からの選択されたLATが、1組の、4つの伝導速度ベクトルを提供する。4つの伝導速度ベクトルのうちの1つが選ばれる。伝導ブロックの境界の外側の伝導速度ベクトル(<0.2m/秒)及び非生理学的同時興奮の外側の伝導速度ベクトル(>2m/秒)は廃棄して、境界内の伝導速度ベクトルを選ぶようにする。後者の中から、もっとも大きな伝導速度ベクトルが選ばれる。選ばれた伝導速度ベクトルは、トライアングルの重心を起点とするようにして示されて、直交座標系上に、x
c,y
cとして表される。
【0091】
ここで
図22を参照すると、同図は、本発明の1つの実施形態による、3×3の格子の中央に位置する電極と、その格子内でそれに隣接する電極からのアノテーションの結果を示す一例である。実線の矢印215、217、219、220は、一次性興奮に基づくアノテーションを示す。破線で示された矢印221、223は、二次性傾きに関連した興奮を示す。一次性アノテーション間に、時間関係が、例えば、矢印215、219間に(破線225による結線で示される)時間関係が、存在しており、2つの電極間の伝播を示し、且つ一次性アノテーションを画定する2つの一次性傾きが結合されていることを示す。
【0092】
矢印223、227により表されるアノテーションのケースでは、2つの伝導速度ベクトルが分離することが、伝導ブロック227を示す。
【0093】
領域成長
電極網による心房細動波の検出は、領域成長のアルゴリズムと、フレーム生成及びセグメント化のアルゴリズムとを要する。ここで
図23を参照すると、同図は、本発明の1つの実施形態による、領域成長のプロセスを説明する図である。このプロセスは反復的である。3×3格子の中心の周りに隣接している電極を、例えば、番号によって識別すると便利である。領域成長のために、正規化された伝導速度が、3×3格子内の中央の電極と、8つの隣接電極とのLATを用いて計算される。
【0094】
ブロック231において、電極の3×3正方格子229が特定され、破線により区切られた正方形で示される。
【0095】
次にブロック233において、正方格子229内、ステージ235で、伝導が評価される。このプロセスは以下を必要とする:
(1)正方格子229内の中央電極237と隣接電極との間の三次元距離を計算すること;
(2)中央電極237と隣接電極との間の局所興奮到達時間インターバルを決定すること。
【0096】
追加的情報が、領域の拡張のために利用可能である:
(1)LAT時間窓。これらは、LATの不精確さの指標を提供する。
(2)3×3格子内の、4つの2×2正方形の伝導速度ベクトル。
(3)一次性アノテーション及び、隣接IC−ECGに対するFF傾き(二次性アノテーション)。
(4)IC−ECGの品質及びLAT品質。
【0097】
ここで、伝導の完全性、又は伝導ブロックが、以下に基づいて決定され得る:
CV
norm=d(LAT)/d(LOC)、式中LOCは、心内電極の位置を指す;
CV
norm≧CV。
【0098】
ブロックが示されるのは、CV
norm≦CV
norm_minの場合であり、その場合、
CV≦CV
norm_minである。
【0099】
代替的な伝導検出戦略は、伝導速度ベクトルの大きさを、高品質のIC−ECGとLATに対してのみ決定することを含む。本方法は、LATの不精確さに対して影響されやすいという問題がある。
【0100】
他の代替的伝導検出戦略は、標準的な方法を用いて、四次表面の3×3フィットをLAT上に適合させることを要する。これは、過剰決定のソリューションとなるが、LATの不精確さに対してはより強いものとなる。
【0101】
フレーム
ここで
図24を参照すると、同図は、ブロック49(
図2)の詳細を示す流れ図である。同図は、本発明の1つの実施形態による、フレーム分割を示すフロー図である。フレームは、最も論理的に互いに関連している複数のLATにより満たされている。本プロセス内で、伝導速度が計算される。伝導ブロックが、後続のフレーム内の対応するLATを参照して決定される。
【0102】
アルゴリズムが実行される過程中、ソースのリストが維持される。ソースのリストは、電極の番号と、関連付けられたLATを含み、これらは、隣接するLATに対してチェックされて、ブロック又は伝導が決定される。伝導性であると判明した電極の番号が、ソースリストに追加され、次回アルゴリズムが実行される時にチェックをされる。このようにして、アルゴリズムは同じ並みに属する電極番号の領域を成長させる。
【0103】
ブロック239においては、ソースフレームが決定される。このブロックへの入力は、フレームの構造体と、距離行列と、ソース電極から得られたLATと、である。ブロック239からの出力は、ソース電極のためのフレーム番号である。フレーム番号の割り当ては、ソース電極のLATでの、フレームの空白に基づく。割り当ての決定を支援するために、すべての空白フレームに対して、表2に示されるようなMatlabのルーティーンを用いて以下の特性が計算される。
【0105】
それぞれの空白フレームに対する特性に基づいて、決定のルールがリスト1の擬似コードに与えられる。
【0106】
リスト1
もし利用可能な空白フレームがない場合、
ソース{ele/LAT}が次のフレームに割り当てられる。
あるいはもし、1つ以上の伝導性第1次隣接活性化を伴うフレームが利用可能である場合、
ソース{ele/LAT}が、最も近いLATを有するフレームに割り当てられる。
あるいはもし、伝導性隣接活性化を伴うフレームが1つも利用可能でない場合、
もし、最も近いLAT<100m秒(AFサイクル)である場合、
ソース{ele/LAT}が、最も近いLATを有するフレームに割り当てられる。
あるいは、
ソース{ele/LAT}が次のフレームに割り当てられる。
終了
終了
【0107】
ここで
図25を参照すると、同図は、本発明の1つの実施形態による、上記のアルゴリズム及びMatlabルーティーンによって生成される、例示的なフレーム分割マップである。フレーム内の空白エリアは、電極が検出され損なうことの一因とされうるか、又はフレーム分割のプロセス中に検出される波間のブロックが存在する場合、値の再割り当ての結果として、次のフレームに存在する波の一因とされ得る。
【0108】
ブロック51(
図2)の議論において、上記のように注記されているように、区分けされたフレームから、さまざまな機能性の電気解剖学的マップ及び行列(伝導マップ及び行列;活性化マップ及び行列;ブロックマップ、波マップ、及び伝導速度マップ)を、生成することは可能である。ここで
図26を参照すると、同図は、本発明の1つの実施形態により、例示的フレーム分割行列241、及び上記のアルゴリズムとMatlabルーティーンとにより生成された電気解剖学的マップを示す複合図である。ブロックのラインが、点により示されている。例えば行列241上の点243、及びマップ247、249上の点245が示されている。
【0109】
波マッピング後処理
後処理は、以下の形像を判別することを要する:隔離されたアノテーション波;少数のアノテーション;及びいくつかの電極内の波の内部のアノテーションをつけられていないエリアの小島。その手順は、波間ブロック、すなわち波面に沿ったブロックを検出することと、例えば、伝播中の「Uターン」のような波内ブロックを検出することと、を含む。ブロックラインの内挿補間が次に実行される。内挿補間は、ブロック点を内挿補間することによるブロックラインの作成を伴う場合があるが、電位図のデータを用いて、任意のギャップを内挿補間し得る。ブロックラインのパターン分析は、典型的には以下に説明するように内挿補間の結果に対して行われる。
【0110】
後処理は、それぞれのIC−ECGの評価を伴う。これが伴うのは、品質評価(挿入部数/秒)、アノテーション数(NoAe)、及びNoAe閾値である:LOWACTELE
*波の数。NoAe>NoAe閾値の場合に、IC−ECGは許容可能である。
【0111】
また、後処理は、アノテーションごとに実行され、アノテーションの品質(QoA)の評価と、QoA閾値とが設定される:LOWAUATHR
*平均(QoA)。もしQoA>QoA閾値ならば、アノテーションが許容可能となる。
【0112】
後処理は、それぞれの波に対して実行され、波当たりのアノテーションの数(NoAW)が決定される。NoAw閾値が設定される:(LOWACTWAVE
*許容されたIC−ECGの数)。もしNoAw>NoAw閾値ならば、波は許容される。
【0113】
波の活性化の品質(QoW)が評価される。QoW閾値が設定される:LOWWAVEQUALITY
*平均(QoWが許容された波)。もしQoW>QoW閾値ならば、波の活性化は許容される。
【0114】
アノテーション波を判別することは、許容されていない波、すなわちNoAW≦NoAW閾値である波、のすべてを再訪することを要する。許容されていない波内にあるアノテーションに対処するための選択肢が3つある:
(1)アノテーションを、重なり合う、許容された波とマージする。
(2)アノテーションを、重なり合う、許容された波のアノテーションと交換する(2つのアノテーションのうちの一方を廃棄する)。
(3)アノテーションを廃棄する。
【0115】
ブロック処理
波と活性化マップとのブロックラインフィルタリングは、フィルタリングされていない対応物に比べて、比較的強固なブロックライン及び波のマップを生成する。このプロセスは、典型的には隔離されたブロック点又はブロック点の小グループである、偽性のブロックライン点の検出を含む。こうした偽性ブロック点の例が
図40に示される。
【0116】
ブロックラインフィルタリングから得られる信号は、ブロックラインの時間分析に有用である。それゆえ、ブロック点及びブロックラインの密度は、単位時間当たりのブロックの発生数と関連する。ブロック点の安定性は、以降のブロックの発生の一貫性と関連する。ブロック点の反復は、ブロックラインが反復的に発生することの周期性の尺度である。
【0117】
加えて、ブロックラインのフィルタリングは、ブロックラインパターン分析の有用性を増やす。特に、解離波、波の衝突及び融合、並びに心外膜ブレークスルー及びフォーカスのような、具体的な平面的活性化。非平面パターン、すなわちUターン及びローターパターンもまた分析される。フィルタリングは、1つ又はそれより多くの電極の周りの隔離されたブロック点及びブロック点エリアを再訪し判別する能力を高める。例えば、LATは、ブロックを判別しようと試みるために、時間窓内で再配置してよい。ブロック点を容易に視覚化できるブロックラインに内挿補間することは、失われているブロックセグメントに対処することができる。
【0118】
ブロックラインフィルタリングを用いて生成し得る1つの表示は、電極/ブロックライン行列である。ここで
図27を参照すると、同図は、テンプレートマッチングを用いて、本発明の1つの実施形態により処理される、例示的8×8電極ブロック/ライン行列251を示す。行列251は、平滑化及びノイズ削減のために追加的なフィルタリングを使用し得る画像処理のアルゴリズム、テンプレートマッチング、及び他のタイプの特徴認識技術、により処理され得る。
【0119】
1つの配置(N=8,M=8)が、行列251内で接続される。より一般的には、N×Mの電極が、ブロック行列を提供するが、ブロック行列は、そのサイズが:
(2N−1+O
N)×(2M−1+O
M)であるが、
式中、O
N及びO
Mは、0又は1であり、それぞれ、結線なしと、結線1本を示す。4つのテンプレート253、255、257、259が示される。図の下部にあるキーは、結線の意味を説明している。テンプレート253及びテンプレート257とのマッチは、丸く囲ったエリア261内に示されている。
【0120】
ここで
図28を参照すると、同図は、本発明の1つの実施形態による、行列251(
図27)の反復的な処理を示すフロー図である。第1のフェーズにおいては、行列は信号263として入力される。ステップ265では、特定のブロック伝播カテゴリに関連する電極が特定され、ブロック伝播カテゴリはステップ267で決定される。ステップ269では、そのカテゴリに対するテンプレートマッチングが実行されて、テンプレートライブラリが参照され、そしてステップ271では、ライブラリからのテンプレートがマッチングされる。ブロックと電極との特徴が信号273として出力される。
【0121】
ここで
図29を参照すると、同図は、本発明の1つの実施形態による、テンプレートマッチングにかけられたブロック−ライン行列275を示す。本例においては、テンプレート277、279、281に基づいて、二次元コンボリューションが適用された。
【0122】
ここで
図30を参照すると、同図は、本発明の1つの実施形態による、電位
図283、285と、電極ブロックライン行列287における伝播との分析を示す複合図である。電極11及び12を含む行列のセグメント289がバルーン内で拡大されて、隔離されたブロック点291を示す。アノテーション293、295の位置を変えることは、問題を解消し、且つ上述の反復的手順により、ブロック点291は、ブロック点のリストから取り除かれ(廃棄され)得る。これにより、ブロックラインをきれいにすることができる。
【0123】
ここで
図31を参照すると、同図は、本発明の1つの実施形態による、ブロックライン行列299からとられた電位
図297を含む、一連の電位図を示す複合図である。
図31は、後に続く行列299の分析のための参照用である:
ここで
図32を参照するが、同図は、本発明の1つの実施形態により分析される、電位
図297(
図31)の拡大版である。上側区画内の軌跡301は、双極信号であり、下側区画内の単極軌跡303、305間の差である。双極窓は、矢印307、309により定義されている。EGM品質が低い場合、EGM窓を取り除くことにより、偽性ブロック点を除去することになる。EGM品質は、傾き、ノイズ、遠距離場効果等を考慮した点数化アルゴリズムにより決定される、複合パラメータである。行列セグメント311内の、マッチングされたテンプレートエントリの中心は、処理に先立って、見直された行列セグメント313に示されるように、ゼロに設定され得る(それが示すのは、伝導ブロックがないことである)。
【0124】
ここで
図33を参照すると、同図は、本発明の1つの実施形態による、行列セグメント315によるテンプレートマッチングを示す複合図である。行列セグメント315及びテンプレート317間にマッチングが成立している。この例は、迂回ブロックラインを示す。
【0125】
時間分析
ここで
図34を参照すると、同図は、本発明の1つの実施形態による、ブロック/ライン電極格子319の時間分析を示す図である。時間の進行は、矢印321により示されている。一般的には、上述のフィルタリング術を実行した後に、電気的伝播の進展が、伝播の継続的事例を比較することで評価される。格子319は、ブロック密度及びブロック安定度マップを生成するために有用である。
【0126】
ここで
図35を参照すると、同図は、本発明の1つの実施形態による、時間分析後の電極格子の1組の図である。ブロック−ラインフィルタリングが、上述のように実行されていた。格子323の円で囲まれたエリアは、波間ブロックを示す。図の右側の格子325上に、波内ブロックが円で囲まれている。格子は、50の連続する波の分析を表している。
【0127】
シミュレータ
本発明の1つの実施形態によると、上述の手順は、波マッピングシミュレータを用いて実行される。これは、上記の動作のパラメータを最適化するために有用である。この目的のために開発されたツールは、入力として、電極位置のアレイの二次元又は三次元マッピングを受け入れる。電極位置は、x、y、z方向について指定される。アノテーション時間は、伝導速度ベクトルにより表現される。
【0128】
シミュレータは、マッピングアレイに対してさまざまな角度の平面波を生成し、ブロックラインと共に解離波を生成する。波の融合及び衝突もまたシミュレーションされる。フレームワークは、ブレークスルー及びローター、並びにLAT窓を含むように拡張可能である。
【0129】
ここで
図36を参照すると、同図は、本発明の1つの実施形態による、シミュレータにより作成された、波活性化形像を示す一連の図である。これらの形像は、先の実施形態により、上述のようにブロックのラインを特定するために処理され得る。
【0130】
ここで
図37を参照すると、同図は、本発明の1つの実施形態による、シミュレータにより波前面から展開された、一連の伝導速度ベクトルである。値nx、nyは、それぞれx方向、y方向の電極の数である。波前面は、図の左側、グループ327内に示されている。対応する電極の格子上に重ねられた伝導速度ベクトルは、図の右側、グループ329に提示されている。
【0131】
ここで
図38を参照すると、同図は、本発明の1つの実施形態による、電極格子333上に重ねられた電極アレイのy方向に平行な、シミュレーションされた平面伝導速度ベクトル331と、対応する波前面活性化マップ335と、を示す複合図である。
【0132】
ここで
図39を参照すると、同図は、本発明の1つの実施形態による、電極格子333上に重ねられた、シミュレーションされた平面平行伝導速度ベクトル331(
図38)を、対応する活性化マップ337とともに示す、複合図である。
【0133】
ここで
図40を参照すると、同図は、本発明の1つの実施形態による、シミュレーションされた伝導速度ベクトル331(
図38)に加えられた、LATジッターを示すグラフ339と、ジッターが活性化マップ341に及ぼす効果と、を示す複合図である。そのうちのいくつかが点343により示されるいくつかの偽性ブロックが、活性化マップ341上に現れていた。
【0134】
ここで
図41を参照すると、同図は、本発明の1つの実施形態による、シミュレートされた、平面的解離波パターンを示す複合図である。8×8格子が示されている。2つの波が、図の上側部分に伝導速度ベクトル345、347で示されるLATで現れる。波の反復性の進行が、図の下側部分に見られる。
【0135】
ここで
図42を参照すると、同図は、本発明の1つの実施形態による、
図41の、平面的解離波パターンの活性化マップ348を示す複合図である。波ブロックが、点の行349により表示されている。
【0136】
ここで
図43を参照すると、同図は、本発明の1つの実施形態による、シミュレートされた、平面的融合波パターンを示す複合図である。フォーマットは、
図43では伝導速度ベクトル351、353が収束するという点を除いて、
図41と同じである。対応する活性化マップ355が、図の下側部分に示されている。
【0137】
ここで
図44を参照すると、同図は、本発明の1つの実施形態による、シミュレートされた、平面的反転(Uターン)パターンを示す複合図である。フォーマットは、
図41と同じである。伝導速度ベクトル357、359、361の反転が示されている。対応する活性化マップ363が、図の下側部分に示されている。
【0138】
当業者であれば、本発明は、以上で具体的に示し、説明したものに限定されない点は、理解するところであろう。むしろ、本発明の範囲は、以上で述べた様々な特徴の組み合わせ及び一部の組み合わせ、並びに上記の説明を読むことで当業者が想到するであろう、従来技術にはない特徴の変形及び改変をも含むものである。
【0139】
〔実施の態様〕
(1) 複数の電極を有するプローブを、生体被験者の心臓内に挿入する工程と、
前記心臓内のそれぞれの位置の前記電極から、電位図を記録する工程と、
時間窓内の前記電位図内で、傾きとアノテーションを決定する工程と、
前記電位図のうちの異なるものから前記傾きと前記アノテーションとの間の関係を設定する工程と、
前記関係から、前記心臓内の伝導ブロックのラインを決定する工程と、を含む方法。
(2) 前記伝導ブロックのラインの電気解剖学的マップを生成する工程を更に含む、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記傾きとアノテーションを決定する工程が、
前記電位図内の双極窓(bipolar windows)を決定する工程と、
前記双極窓内で、局所興奮時間にアノテーションをつける工程と、
1組の電極の読取値から、ブロック点が前記1組の電極の領域内に存在することを決定する工程と、
前記ブロック点に対応して、前記局所興奮時間の位置を変える工程と、
それぞれの局所興奮時間を含む、見直された窓を決定する工程と、を含む、実施態様1に記載の方法。
(4) 前記傾きとアノテーションとの間の関係を設定する工程が、
前記電位図内の一次性傾きと、二次性傾きとを特定する工程と、
前記電極が、前記心臓に接触しているかどうかを決定する工程と、
前記一次性傾きと前記二次性傾きとが互いに結合しているかどうかを決定する工程と、を含む、実施態様1に記載の方法。
(5) 前記一次性傾きと前記二次性傾きとが互いに結合しているかどうかを決定する工程と、前記電極が前記心臓に接触しているかどうかを決定する工程とに対応して、伝播波を特定する工程を更に含む、実施態様4に記載の方法。
【0140】
(6) 前記電位図から、前記電極における伝導速度ベクトルを算出する工程と、
第1の電極における活性化は、第2の電極における活性化と分離されているという決定をする工程と、
前記決定に対応して、前記第1の電極と前記第2の電極との間に伝導ブロックが存在すると結論する工程と、を更に含む、実施態様4に記載の方法。
(7) 前記電位図を、それぞれの時間でフレームに分割する工程を更に含み、前記フレームは、網状の電極の読取値のうちの個別の読取値を、値の行列に、それぞれ割り当てたものである、実施態様1に記載の方法。
(8) 前記フレームは、前記電極の読取値に割り当てられていない空白位置を含む、実施態様7に記載の方法。
(9) 前記フレームが空白位置を含み、波間のブロックであると特定された前記電極の読取値を、前記空白位置に再度割り当てる工程を更に含む、実施態様7に記載の方法。
(10) 前記フレームから、前記心臓の電気解剖学的マップを生成する工程を更に含む、実施態様7に記載の方法。
【0141】
(11) 複数の電極を有し、且つ生体被験者の心臓内への挿入に適合されたプローブと、
前記電極から電気信号を受信するよう構成されたプロセッサであって、
前記心臓内のそれぞれの位置の前記電極から、電位図を記録する工程と、
時間窓内の前記電位図内で、傾きとアノテーションを決定する工程と、
前記電位図のうちの異なるものから前記傾きと前記アノテーションとの間の関係を設定する工程と、
前記関係から、前記心臓内の伝導ブロックのラインを決定する工程と、を実行するよう構成された、プロセッサと、を備える装置。
(12) ディスプレイを更に備え、前記プロセッサは、前記伝導ブロックのラインの電気解剖学的マップを、前記ディスプレイ上に生成するよう更に構成されている、実施態様11に記載の装置。
(13) 前記傾きとアノテーションを決定する工程は、
前記電位図内の双極窓を決定する工程と、
前記双極窓内で、局所興奮時間にアノテーションをつける工程と、
1組の電極の読取値から、ブロック点が前記1組の電極の領域内に存在することを決定する工程と、
前記ブロック点に対応して、前記局所興奮時間の位置を変える工程と、
それぞれの局所興奮時間を含む、見直された窓を決定する工程と、を含む、実施態様11に記載の装置。
(14) 前記傾きとアノテーションとの間の関係を設定することは、
前記電位図内の一次性傾きと、二次性傾きとを特定することと、
前記電極が、前記心臓に接触しているかどうかを決定することと、
前記一次性傾きと前記二次性傾きとが互いに結合しているかどうかを決定することと、を含む、実施態様11に記載の装置。
(15) 前記プロセッサは、前記一次性傾きと前記二次性傾きとが互いに結合しているかどうかを決定することと、前記電極が前記心臓に接触しているかどうかを決定することとに対応して、伝播波を特定するよう更に構成されている、実施態様14に記載の装置。
【0142】
(16) 前記プロセッサは、
前記電位図から、前記電極における伝導速度ベクトルを算出し、
第1の電極における活性化は、第2の電極における活性化と分離されているという決定をし、且つ
前記決定に対応して、前記第1の電極と前記第2の電極との間に伝導ブロックが存在すると結論するように更に構成されている、実施態様14に記載の装置。
(17) 前記プロセッサは、前記電位図を、それぞれの時間でフレームに分割するよう更に構成され、且つ前記フレームは、網状の電極の読取値のうちの個別の読取値を、値の行列に、それぞれ割り当てたものである、実施態様11に記載の装置。
(18) 前記フレームは、前記電極の読取値に割り当てられていない空白位置を含む、実施態様17に記載の装置。
(19) 前記フレームが空白位置を含み、波間のブロックであると特定された前記電極の読取値を、前記空白位置に再度割り当てる工程を更に含む、実施態様17に記載の装置。
(20) 前記プロセッサは、前記フレームから、前記心臓の電気解剖学的マップを生成するよう更に構成されている、実施態様17に記載の装置。