(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6644495
(24)【登録日】2020年1月10日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】ウインドレギュレータ及びウインドレギュレータの製造方法
(51)【国際特許分類】
B60J 1/17 20060101AFI20200130BHJP
E05F 11/48 20060101ALI20200130BHJP
【FI】
B60J1/17 A
E05F11/48 B
E05F11/48 F
B60J1/17 B
【請求項の数】13
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-162316(P2015-162316)
(22)【出願日】2015年8月19日
(65)【公開番号】特開2017-39385(P2017-39385A)
(43)【公開日】2017年2月23日
【審査請求日】2018年8月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000146434
【氏名又は名称】株式会社城南製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】特許業務法人平田国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100071526
【弁理士】
【氏名又は名称】平田 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100128211
【弁理士】
【氏名又は名称】野見山 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100145171
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 浩行
(72)【発明者】
【氏名】池田 博之
(72)【発明者】
【氏名】柏原 英夫
(72)【発明者】
【氏名】竹原 秀明
(72)【発明者】
【氏名】清水 裕規
(72)【発明者】
【氏名】下村 学
【審査官】
桐山 愛世
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2008/0005971(US,A1)
【文献】
国際公開第2015/119202(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 11/48
B60J 1/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のドアに設けられ、前記ドアの窓ガラスを昇降させるウインドレギュレータの製造方法であって、
前記ウインドレギュレータは、
前記窓ガラスの移動方向に沿って配置されるガイドレールと、
前記ガイドレールの長手方向に沿って架張されたワイヤと、
前記ガイドレールの長手方向の両端部に固定され、前記ワイヤを支持する第1及び第2のワイヤ支持部材と、
前記第1及び第2のワイヤ支持部材にそれぞれ保持され、前記ワイヤに張力を付与する弾性体と、
前記ワイヤの一部が巻き回されたドラム、及び前記ドラムを回転駆動する駆動力を発生する駆動部を有し、前記ガイドレールに案内されて前記窓ガラスと共に移動する移動体とを備え、
前記第1及び第2のワイヤ支持部材を前記ガイドレールの長手方向の一端部及び他端部にそれぞれ組み付ける組付工程を有し、
前記ガイドレールは板状の平板部を有し、
前記平板部には、前記第1のワイヤ支持部材を前記平板部の板厚方向に沿った方向の回転軸を中心として回転可能に支持する支持部が設けられ、
前記第1のワイヤ支持部材は、前記ガイドレールの前記支持部から前記ガイドレールの短手方向にずれた位置に、前記ワイヤの端部を収容する収容部を有し、
前記組付工程は、
前記第2のワイヤ支持部材を前記ガイドレールの長手方向の他端部に固定する第1工程と、
前記第1のワイヤ支持部材を前記ガイドレールの前記支持部を中心として回動可能に前記ガイドレールの一端部に軸支させる第2工程と、
前記第1のワイヤ支持部材を所定の方向に回動させることにより前記第1のワイヤ支持部材に保持された前記弾性体を圧縮し、前記弾性体が圧縮された状態で前記第1のワイヤ支持部材を前記ガイドレールに固定して前記所定の方向の反対方向への前記第1のワイヤ支持部材の回動を規制する第3工程とを有する、
ウインドレギュレータの製造方法。
【請求項2】
前記第3工程では、前記ガイドレールにおける前記平板部を板厚方向に貫通した貫通孔に前記第1のワイヤ支持部材の前記平板部と対向する対向面から突出した爪部を係止することにより、前記第1のワイヤ支持部材を前記ガイドレールの長手方向における一端部に固定する、
請求項1に記載のウインドレギュレータの製造方法。
【請求項3】
前記第3工程では、前記第1のワイヤ支持部材の前記平板部と対向する面に形成された凹部に前記ガイドレールの前記平板部から突出した爪部を係止することにより、前記第1のワイヤ支持部材を前記ガイドレールの長手方向における一端部に固定する、
請求項1に記載のウインドレギュレータの製造方法。
【請求項4】
車両のドアに設けられ、前記ドアの窓ガラスを昇降させるウインドレギュレータであって、
前記ウインドレギュレータは、
前記窓ガラスの移動方向に沿って配置されるガイドレールと、
前記ガイドレールの長手方向に沿って架張されたワイヤと、
前記ガイドレールの長手方向の両端部に固定され、前記ワイヤを支持する第1及び第2のワイヤ支持部材と、
前記第1及び第2のワイヤ支持部材にそれぞれ保持され、前記ワイヤに張力を付与する弾性体と、
前記ワイヤの一部が巻き回されたドラム、及び前記ドラムを回転駆動する駆動力を発生する駆動部を有し、前記ガイドレールに案内されて前記窓ガラスと共に移動する移動体とを備え、
前記ガイドレールは板状の平板部を有し、
前記平板部には、前記第1のワイヤ支持部材を前記平板部の板厚方向に沿った方向の回転軸を中心として回転可能に支持する支持部が設けられ、
前記第1のワイヤ支持部材は、前記ガイドレールの前記支持部から前記ガイドレールの短手方向にずれた位置に、前記ワイヤの端部を収容する収容部を有する、
ウインドレギュレータ。
【請求項5】
車両のドアに設けられ、前記ドアの窓ガラスを昇降させるウインドレギュレータの製造方法であって、
前記ウインドレギュレータは、
前記窓ガラスの移動方向に沿って配置されるガイドレールと、
前記ガイドレールの長手方向に沿って架張されたワイヤと、
前記ガイドレールの長手方向の両端部に固定され、前記ワイヤを支持する第1及び第2のワイヤ支持部材と、
前記第1及び第2のワイヤ支持部材にそれぞれ保持され、前記ワイヤに張力を付与する弾性体と、
前記ワイヤの一部が巻き回されたドラム、及び前記ドラムを回転駆動する駆動力を発生する駆動部を有し、前記ガイドレールに案内されて前記窓ガラスと共に移動する移動体とを備え、
前記第1及び第2のワイヤ支持部材を前記ガイドレールの長手方向の一端部及び他端部にそれぞれ組み付ける組付工程を有し、
前記第1のワイヤ支持部材は、前記ワイヤの端部及び前記弾性体が収容される本体部と、前記本体部から前記ガイドレールの長手方向に沿って延在した延在部とを有し、
前記ガイドレールは、前記長手方向に延在する平板部と、前記平板部における前記長手方向に直交する幅方向の両端部から立設された一対の側板部とを有し、前記平板部には、前記延在部に設けられた係止部に係止される貫通孔が形成され、
前記組付工程は、
前記第2のワイヤ支持部材を前記ガイドレールの長手方向の他端部に固定する第1工程と、
前記延在部の前記係止部を前記貫通孔に挿通する第2工程と、
前記係止部と前記ガイドレールの前記貫通孔との接点を支点として前記第1のワイヤ支持部材を前記本体部が前記ガイドレールの前記平板部に近づくように回動させることにより前記弾性体を圧縮し、前記弾性体が圧縮された状態で前記第1のワイヤ支持部材を前記ガイドレールの一端部に固定する第3工程とを有する、
ウインドレギュレータの製造方法。
【請求項6】
前記第3工程において、前記第1のワイヤ支持部材は、前記本体部の前記ガイドレールとの対向面から突出した突起部が前記ガイドレールの前記平板部に形成された係止孔に係止されることにより、前記ガイドレールに固定される、
請求項5に記載のウインドレギュレータの製造方法。
【請求項7】
前記第3工程において、前記第1のワイヤ支持部材は、前記ガイドレールの前記一端部における先端から前記一対の側板部と同じ方向に突出して形成されたフック部に係止されることにより、前記ガイドレールに固定される、
請求項5に記載のウインドレギュレータの製造方法。
【請求項8】
車両のドアに設けられ、前記ドアの窓ガラスを昇降させるウインドレギュレータであって、
前記ウインドレギュレータは、
前記窓ガラスの移動方向に沿って配置されるガイドレールと、
前記ガイドレールの長手方向に沿って架張されたワイヤと、
前記ガイドレールの長手方向の両端部に固定され、前記ワイヤを支持する第1及び第2のワイヤ支持部材と、
前記第1及び第2のワイヤ支持部材にそれぞれ保持され、前記ワイヤに張力を付与する弾性体と、
前記ワイヤの一部が巻き回されたドラム、及び前記ドラムを回転駆動する駆動力を発生する駆動部を有し、前記ガイドレールに案内されて前記窓ガラスと共に移動する移動体とを備え、
前記第1のワイヤ支持部材は、前記ワイヤの端部及び前記弾性体が収容された本体と、前記本体に前記ガイドレールの長手方向に沿う回転軸線を中心として回転可能に支持された回転体とを有し、
前記回転体が回転することにより、前記弾性体が圧縮されて前記ワイヤに所定の張力が付与されている、
ウインドレギュレータ。
【請求項9】
車両のドアに設けられ、前記ドアの窓ガラスを昇降させるウインドレギュレータの製造方法であって、
前記ウインドレギュレータは、
前記窓ガラスの移動方向に沿って配置されるガイドレールと、
前記ガイドレールの長手方向に沿って架張されたワイヤと、
前記ガイドレールの長手方向の両端部に固定され、前記ワイヤを支持する第1及び第2のワイヤ支持部材と、
前記第1及び第2のワイヤ支持部材にそれぞれ保持され、前記ワイヤに張力を付与する弾性体と、
前記ワイヤの一部が巻き回されたドラム、及び前記ドラムを回転駆動する駆動力を発生する駆動部を有し、前記ガイドレールに案内されて前記窓ガラスと共に移動する移動体とを備え、
前記第1及び第2のワイヤ支持部材を前記ガイドレールの長手方向の一端部及び他端部にそれぞれ組み付ける組付工程を有し、
前記第1のワイヤ支持部材は、前記ワイヤの端部及び前記弾性体が収容される収容孔が形成された本体と、前記本体に前記ガイドレールの長手方向に沿う回転軸線を中心として回転可能に支持された回転体とを有し、
前記組付工程は、
前記第1及び第2のワイヤ支持部材を前記ガイドレールの長手方向の両端部にそれぞれ固定する第1工程と、
前記第1のワイヤ支持部材の前記本体に前記ワイヤの端部及び前記弾性体を収容する第2工程と、
前記回転体を回転させることにより、前記弾性体を圧縮して前記ワイヤに所定の張力を付与する第3工程とを有する、
ウインドレギュレータの製造方法。
【請求項10】
前記回転体は、底部に前記ワイヤを挿通させる挿通孔が形成された有底円筒状であり、その外周に雄ねじを有し、
前記本体における前記収容孔の周縁部には、前記雄ねじに螺合する雌ねじが形成され、
前記第3工程では、前記回転体を回転させて前記雄ねじの前記雌ねじに対するねじ込み量を変化させることにより、前記回転体の前記底部に当接する前記弾性体を圧縮する、
請求項9に記載のウインドレギュレータの製造方法。
【請求項11】
前記第1のワイヤ支持部材は、前記本体に対して前記ワイヤの延伸方向に進退移動可能に配置された移動体をさらに有し、前記移動体は前記収容孔に収容された前記弾性体の一端に当接する当接面を有し、
前記回転体は、前記本体を前記ワイヤの延伸方向に挿通する軸状であり、その外周に雄ねじを有し、
前記移動体には、前記回転体が貫通する貫通孔が形成され、前記貫通孔の周縁部には前記雄ねじに螺合する雌ねじが形成され、
前記第3工程では、前記回転体を回転させて前記雄ねじの前記雌ねじに対するねじ込み量を変化させることにより、前記移動体の前記当接面に当接する前記弾性体を圧縮する、
請求項9に記載のウインドレギュレータの製造方法。
【請求項12】
車両のドアに設けられ、前記ドアの窓ガラスを昇降させるウインドレギュレータの製造方法であって、
前記ウインドレギュレータは、
前記窓ガラスの移動方向に沿って配置されるガイドレールと、
前記ガイドレールの長手方向に沿って架張されたワイヤと、
前記ガイドレールの長手方向の両端部に固定され、前記ワイヤを支持する第1及び第2のワイヤ支持部材と、
前記第1及び第2のワイヤ支持部材にそれぞれ保持され、前記ワイヤに張力を付与する弾性体と、
前記ワイヤの一部が巻き回されたドラム、及び前記ドラムを回転駆動する駆動力を発生する駆動部を有し、前記ガイドレールに案内されて前記窓ガラスと共に移動する移動体とを備え、
前記第1及び第2のワイヤ支持部材を前記ガイドレールの長手方向の一端部及び他端部にそれぞれ組み付ける組付工程を有し、
前記ガイドレールは、前記長手方向に延在する平板部と、前記平板部における前記長手方向に直交する幅方向の両端部から立設された一対の側板部とを有し、
前記組付工程は、
前記第1のワイヤ支持部材に形成された挿通孔に前記ガイドレールの長手方向の他端部を挿通させる第1工程と、
前記第2のワイヤ支持部材を前記ガイドレールの長手方向の他端部に固定する第2工程と、
前記第1及び第2のワイヤ支持部材に前記ワイヤの端部及び前記弾性体をそれぞれ収容する第3工程と、
前記第1のワイヤ支持部材に保持された前記弾性体を圧縮しながら、前記第1のワイヤ支持部材を前記第2のワイヤ支持部材から離間する方向に移動させる第4工程と、
前記弾性体が圧縮された状態で、前記ガイドレールの前記平板部に設けられた爪部を前記第1のワイヤ支持部材に設けられた凹部に係止する第5工程とを有する、
ウインドレギュレータの製造方法。
【請求項13】
車両のドアに設けられ、前記ドアの窓ガラスを昇降させるウインドレギュレータの製造方法であって、
前記ウインドレギュレータは、
前記窓ガラスの移動方向に沿って配置されるガイドレールと、
前記ガイドレールの長手方向に沿って架張されたワイヤと、
前記ガイドレールの長手方向の両端部に固定され、前記ワイヤを支持する第1及び第2のワイヤ支持部材と、
前記第1及び第2のワイヤ支持部材にそれぞれ保持され、前記ワイヤに張力を付与する弾性体と、
前記ワイヤの一部が巻き回されたドラム、及び前記ドラムを回転駆動する駆動力を発生する駆動部を有し、前記ガイドレールに案内されて前記窓ガラスと共に移動する移動体とを備え、
前記第1及び第2のワイヤ支持部材を前記ガイドレールの長手方向の一端部及び他端部にそれぞれ組み付ける組付工程を有し、
前記ガイドレールは、前記長手方向に延在する平板部と、前記平板部における前記長手方向に直交する幅方向の両端部から立設された一対の側板部とを有し、前記一対の側板部のうち一方の側板部には、他方の側板部側とは反対側に突出した延在片が前記長手方向に沿って形成され、
前記第2のワイヤ支持部材は、前記一方の側板部の前記延在片に係合される係合部と、前記他方の側板部に係止される係止部と、前記延在片の一部が収容される収容溝とを有し、
前記組付工程は、
前記第1のワイヤ支持部材を前記ガイドレールの長手方向の一端部に固定する第1工程と、
前記第1及び第2のワイヤ支持部材に前記ワイヤの端部及び前記弾性体を収容する第2工程と、
前記第1のワイヤ支持部材に保持された前記弾性体を圧縮すると共に、前記収容溝に前記延在片を収容し、かつ前記係合部を前記延在片に係合する第3工程と、
前記第2のワイヤ支持部材の前記延在片を支持軸として前記長手方向に沿った方向の回転軸回りに前記第2のワイヤ支持部材を前記平板部に近づくように回転させる第4工程と、
前記第2のワイヤ支持部材の前記係止部を前記ガイドレールの前記他方の側板部に係止すると共に前記第2のワイヤ支持部材の前記平板部との対向面から突出した突起を前記平板部に形成された挿通孔に挿通することにより、前記第2のワイヤ支持部材を前記ガイドレールに固定する第5工程とを有する、
ウインドレギュレータの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のドアの窓ガラスを昇降させるウインドレギュレータ及びウインドレギュレータの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両のドアには、モータの駆動力により窓ガラスを昇降させるウインドレギュレータが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載のウインドレギュレータは、開閉体としての窓ガラスの移動方向に沿ってドアインナパネルに固定されたガイドレールと、ガイドレールの長手方向に沿って架張されたワイヤと、ガイドレールに案内されて窓ガラスと共に移動するキャリアと、ワイヤを介してキャリアを駆動する駆動部とを備えている。
【0004】
駆動部は、ワイヤが外周面に巻き回されたドラムと、ドラムを回転させるモータとを有している。また、ガイドレールの上端部にはワイヤを方向変換するプーリが配置され、ガイドレールの下端部には、同じくワイヤを方向変換する半円状ガイドが配置されている。ワイヤは、その両端部がキャリアに固定されると共に、プーリ及び半円状ガイドで方向変換され、プーリと半円状ガイドとの間でドラムに巻き回されている。
【0005】
ワイヤの両端部は、弛み除去用スプリングを介してキャリアに固定されている。これにより、ワイヤに張力が付与されている。ワイヤは上昇用ワイヤと下降用ワイヤとからなる。上昇用ワイヤはドラムからプーリを経てキャリアに至って配策され、下降用ワイヤはドラムから半円状ガイドを経てキャリアに至って配策される。キャリアの上昇時にはモータが正回転して駆動部が上昇用ワイヤを巻き取ると共に下降用ワイヤを繰り出す。また、キャリアの下降時にはモータが逆回転して駆動部が下降用ワイヤを巻き取ると共に上昇用ワイヤを繰り出す。これにより、窓ガラスがキャリアと共に上下方向に移動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−285793号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載のウインドレギュレータでは、組付時においてドラムにワイヤを巻き付ける際には、先ず、ワイヤの端部をドラムの係止溝に係止した後に、ドラムを回転させることにより、ワイヤをドラムの外周に巻き付ける。特許文献1に記載のウインドレギュレータでは、上記したワイヤの巻き付け作業を上昇用ワイヤと下降用ワイヤとで別々に行う必要があり、これが組付時における作業性向上の妨げとなっていた。
【0008】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、組付作業性を向上することができるウインドレギュレータ及びウインドレギュレータの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するため、車両のドアに設けられ、前記ドアの窓ガラスを昇降させるウインドレギュレータの製造方法であって、前記ウインドレギュレータは、前記窓ガラスの移動方向に沿って配置されるガイドレールと、前記ガイドレールの長手方向に沿って架張されたワイヤと、前記ガイドレールの長手方向の両端部に固定され、前記ワイヤを支持する第1及び第2のワイヤ支持部材と、前記第1及び第2のワイヤ支持部材にそれぞれ保持され、前記ワイヤに張力を付与する弾性体と、前記ワイヤの一部が巻き回されたドラム、及び前記ドラムを回転駆動する駆動力を発生する駆動部を有し、前記ガイドレールに案内されて前記窓ガラスと共に移動する移動体とを備え、前記第1及び第2のワイヤ支持部材を前記ガイドレールの長手方向の一端部及び他端部にそれぞれ組み付ける組付工程を有
し、前記ガイドレールは板状の平板部を有し、前記平板部には、前記第1のワイヤ支持部材を前記平板部の板厚方向に沿った方向の回転軸を中心として回転可能に支持する支持部が設けられ、前記第1のワイヤ支持部材は、前記ガイドレールの前記支持部から前記ガイドレールの短手方向にずれた位置に、前記ワイヤの端部を収容する収容部を有し、
前記組付工程は、前記第2のワイヤ支持部材を前記ガイドレールの長手方向の他端部に固定する第1工程と、前記第1のワイヤ支持部材を前記ガイドレールの前記支持部を中心として回動可能に前記ガイドレールの一端部に軸支させる第2工程と、前記第1のワイヤ支持部材を所定の方向に回動させることにより前記第1のワイヤ支持部材に保持された前記弾性体を圧縮し、前記弾性体が圧縮された状態で前記第1のワイヤ支持部材を前記ガイドレールに固定して前記所定の方向の反対方向への前記第1のワイヤ支持部材の回動を規制する第3工程とを有する、ウインドレギュレータの製造方法を提供する。
【0010】
また、本発明は、上記課題を解決するため、車両のドアに設けられ、前記ドアの窓ガラスを昇降させるウインドレギュレータの製造方法であって、前記ウインドレギュレータは、
前記窓ガラスの移動方向に沿って配置されるガイドレールと、前記ガイドレールの長手方向に沿って架張されたワイヤと、前記ガイドレールの長手方向の両端部に固定され、前記ワイヤを支持する第1及び第2のワイヤ支持部材と、前記第1及び第2のワイヤ支持部材にそれぞれ保持され、前記ワイヤに張力を付与する弾性体と、前記ワイヤの一部が巻き回されたドラム、及び前記ドラムを回転駆動する駆動力を発生する駆動部を有し、前記ガイドレールに案内されて前記窓ガラスと共に移動する移動体とを備え、前記ガイドレールは板状の平板部を有し、前記平板部には、前記第2のワイヤ支持部材を前記平板部の板厚方向に沿った方向の回転軸を中心として回転可能に支持する支持部が設けられ、前記第2のワイヤ支持部材は、前記ガイドレールの前記支持部から前記ガイドレールの短手方向にずれた位置に、前記ワイヤの端部を収容する収容部を有する、ウインドレギュレータを提供する。
【0011】
またさらに、本発明は、上記課題を解決するため、車両のドアに設けられ、前記ドアの窓ガラスを昇降させるウインドレギュレータの製造方法であって、前記ウインドレギュレータは、前記窓ガラスの移動方向に沿って配置されるガイドレールと、前記ガイドレールの長手方向に沿って架張されたワイヤと、前記ガイドレールの長手方向の両端部に固定され、前記ワイヤを支持する第1及び第2のワイヤ支持部材と、前記第1及び第2のワイヤ支持部材にそれぞれ保持され、前記ワイヤに張力を付与する弾性体と、前記ワイヤの一部が巻き回されたドラム、及び前記ドラムを回転駆動する駆動力を発生する駆動部を有し、前記ガイドレールに案内されて前記窓ガラスと共に移動する移動体とを備え、前記第1のワイヤ支持部材は、前記ワイヤの端部及び前記弾性体が収容され
た本
体と、
前記本体に前記ガイドレールの長手方向に沿う回転軸線を中心として回転可能に支持された回転体とを有し、前記回転体が回転することにより、前記弾性体が圧縮されて前記ワイヤに所定の張力が付与されている、ウインドレギュレータを提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、組付作業性を向上することができるウインドレギュレータを製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に係るウインドレギュレータ、及びこのウインドレギュレータが設けられる車両のドアを示す概略図である。
【
図2】ウインドレギュレータが配置されたドアの内部を
図1のA−A線断面で示す概略図である。
【
図3】(a)はウインドレギュレータを示す全体図、(b)はガイドレールを示す正面図である。
【
図5】(a)〜(c)は、第1の実施の形態に係るウインドレギュレータの組付工程を示す模式図である。
【
図6】(a)〜(d)は、第1の実施の形態に係る第3工程におけるワイヤ支持部材及びガイドレールの要部を示す拡大図である。
【
図7】(a)〜(c)は、第2の実施の形態に係る組付工程を示す模式図である。
【
図8】(a)〜(c)は、第2の実施の形態に係る第3工程におけるワイヤ支持部材及びガイドレールの要部を示す拡大図である。
【
図9】(a)及び(b)は、第2の実施の形態の変形例に係るウインドレギュレータの第3工程におけるワイヤ支持部材及びガイドレールの要部を示す拡大図である。
【
図10】(a)〜(c)は、第3の実施の形態に係る組付工程を示す模式図である。
【
図11】(a)〜(c)は、第3の実施の形態に係る組付工程の第3工程におけるワイヤ支持部材及びガイドレールの要部を示す拡大図である。第3工程における。
【
図12】(a)〜(c)は、第3の実施の形態の変形例に係る組付工程の第3工程におけるワイヤ支持部材及びガイドレールの要部を示す拡大図である。
【
図13】(a)〜(d)は、第4の実施の形態に係る組付工程を示す模式図である。
【
図14】(a)〜(c)は、第4の実施の形態に係るガイドレールの構成例を示す平面図である。
【
図15】(a)及び(b)は、第4の実施の形態に係るワイヤ支持部材の構成例を示す斜視図であり、(c)は、(b)のC−C線断面図であり、(d)は、D−D線断面図である。
【
図16】(a)〜(f)は、第5の実施の形態に係る第2乃至第4工程におけるワイヤ支持部材及びガイドレールの要部を示す拡大図である。
【
図17】(a)〜(c)は、第6の実施の形態に係る第3乃至第5工程におけるワイヤ支持部材及びガイドレールの要部を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[第1の実施の形態]
本発明の実施の形態について、
図1から
図6を参照して説明する。
【0015】
図1は、本実施の形態に係るウインドレギュレータ、及びこのウインドレギュレータが設けられる車両のドアを示す概略図である。
図1では、右後席のドアを車両の外側から見た状態を図示している。また、
図1では、ドアの輪郭及び窓枠を仮想線(二点鎖線)で示し、かつウインドレギュレータの窓ガラスの内側(車室側)に配置される部分を破線で示している。
【0016】
このウインドレギュレータ1は、車両のドア9に設けられ、ドア9の窓ガラス90を昇降させる。窓ガラス90は、図略のガラスガイドに案内され、上下方向に移動する。なお、
図1では、一例としてウインドレギュレータ1を車両の右後席のドアに用いた場合を図示しているが、車両における他のドアにウインドレギュレータ1を設けることも可能である。
【0017】
ウインドレギュレータ1は、窓ガラス90の移動方向に沿って配置されるガイドレール20と、ガイドレール20の長手方向に沿って架張されたワイヤ3と、ガイドレール20に案内されて窓ガラス90と共に移動する移動体4とを備えている。移動体4は、ワイヤ3の一部が巻き回されたドラム40(後述する
図4に示す)と、ドラム40を回転駆動する駆動力を発生するモータ5と、ドラム40及びモータ5を保持するハウジング6と、ハウジング6に窓ガラス90を結合する結合部材71,72とを有している。移動体4の構成の詳細については後述する。
【0018】
ガイドレール20の上端部には第1のワイヤ支持部材21が配置され、ガイドレール20の下端部には第2のワイヤ支持部材22が配置されている。第1のワイヤ支持部材21及び第2のワイヤ支持部材22は、ワイヤ3の両端部を支持する一対のワイヤ支持部として機能する。
【0019】
モータ5は、ウインドレギュレータ1を車幅方向から見た場合に、結合部材71,72と重ならない位置に配置されている。
【0020】
図2は、ウインドレギュレータ1が配置されたドア9の内部を
図1のA−A線断面で示す概略図である。
【0021】
ウインドレギュレータ1は、ドア9の外壁91と内壁92との間に配置されている。内壁92における車室側(外壁91とは反対側)の面は、例えば樹脂からなる図略の内張りによって覆われる。外壁91は、高さ方向の中央部が車幅方向の外側に膨らむように湾曲している。また、窓ガラス90も、外壁91と同様に、高さ方向の中央部が車幅方向の外側に膨らむように湾曲している。ガイドレール20は、この窓ガラス90に沿うように、弓状に湾曲している。
【0022】
ウインドレギュレータ1は、第1のワイヤ支持部材21及び第2のワイヤ支持部材22が内壁92に固定されている。第1のワイヤ支持部材21は、第1のワイヤ支持部材21を挿通するピン26によって内壁92に取り付けられる。第2のワイヤ支持部材22は、第2のワイヤ支持部材22を挿通するボルト27(
図1に示す)によって内壁92に取り付けられる。ボルト27の先端部は、内壁92を貫通して内壁92の車室側に配置されるナット93に螺合する。
【0023】
モータ5は、ドア9内において、ガイドレール20よりも車幅方向の外側に配置されている。ガイドレール20と外壁91との間には、移動体4の移動を妨げない幅の空間が形成されている。
【0024】
次に、ウインドレギュレータ1の各部の構成について、
図3乃至
図7を参照して詳細に説明する。
図3(a)はウインドレギュレータ1を示す全体図、
図3(b)はガイドレール20を示す正面図である。
図4は、ウインドレギュレータ1の分解斜視図である。
図5は、
図3(a)のB−B線断面図である。
図6は、ガイドレール20の下端部における第2のワイヤ支持部材22及びその周辺を示し、(a)は側面図、(b)は正面図、(c)は(a)のC−C線断面図、(d)は(b)のD−D線断面図、(e)は(b)のE−E線断面図、(f)は(b)のF−F線断面図である。
図7は、第1のワイヤ支持部材21を示し、(a)〜(g)は、それぞれ上面図、左側面図、正面図、右側面図、背面図、下面図、及び斜視図である。なお、以下の説明において、「上」又は「下」とは、ウインドレギュレータ1がドア9に取り付けられた状態における「上」又は「下」をいうものとする。
【0025】
図3(b)に示すように、ガイドレール20には、板状の平板部201を有し、上端部における平板部201には貫通孔20aが形成され、下端部における平板部201には貫通孔20bが形成されている。また、
図3(a)及び
図4に示すように、ハウジング6は、ドラム40を収容するドラムハウジング61と、図略のウォームギヤ機構を収容するギヤハウジング62とからなる。ドラムハウジング61とギヤハウジング62とは、複数のボルト63及びナット64によって相互に締結されている。ドラムハウジング61及びギヤハウジング62は、共に樹脂からなる。より具体的には、ドラムハウジング61は例えばポリアセタール(POM)からなり、ギヤハウジング62は例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)からなる。
【0026】
図4に示すように、ドラムハウジング61には、ドラム40を収容する収容空間61aが形成されている。また、ドラムハウジング61には、ワイヤ3を収容空間61aに導く第1ガイド溝611及び第2ガイド溝612が形成されている。第1ガイド溝611は、収容空間61aの上方に形成され、第1のワイヤ支持部材21に向かって開口している。第2ガイド溝612は、収容空間61aの下方に形成され、第2のワイヤ支持部材22に向かって開口している。第1ガイド溝611及び第2ガイド溝612は、収容空間61aの中心部よりもガイドレール20側に片寄った位置に形成されている。
【0027】
また、ドラムハウジング61には、車両の前後方向の両端部に貫通孔613,614が形成されている。この貫通孔613,614をそれぞれ挿通するボルト711,712(
図1に示す)によって、ドラムハウジング61に結合部材71,72が固定される。
【0028】
ドラム40は円筒状であり、その外周面には螺旋状の溝41が形成されている。また、ドラム40の中心孔42の内周面には、ドラム40の軸方向に延びる内周スプライン42aが形成されている。
【0029】
ワイヤ3は、第1のワイヤ支持部材21及び第2のワイヤ支持部材22に保持された弾性体としてのバネ23,24(
図3(a)に示す)により張力を付与されている。これにより、ワイヤ3は、第1のワイヤ支持部材21と第2のワイヤ支持部材22との間において弛むことなく架張されている。
【0030】
ワイヤ3の配策経路を、第1のワイヤ支持部材21側の端部を始点とし、第2のワイヤ支持部材22側の端部を終点として説明すると、第1のワイヤ支持部材21から導出されたワイヤ3は、ガイドレール20に沿って下方に延び、ドラムハウジング61の第1ガイド溝611を経由して収容空間61a内に導かれる。収容空間61a内に導かれたワイヤ3は、ドラム40の溝41に収容されてドラム40の外周面を複数回にわたって周回し、第2ガイド溝612を経由してドラムハウジング61の外部に導出される。第2ガイド溝612から導出されたワイヤ3は、ガイドレール20に沿って下方に延びて第2のワイヤ支持部材22に支持される。
【0031】
第1のワイヤ支持部材21とドラムハウジング61との間におけるワイヤ3を上部ワイヤ3aとし、第2のワイヤ支持部材22とドラムハウジング61との間におけるワイヤ3を下部ワイヤ3bとすると、ドラム40の回転により、上部ワイヤ3a及び下部ワイヤ3bの長さが変化する。つまり、移動体4の上昇時におけるドラム40の回転方向を正方向とし、移動体4の下降時におけるドラム40の回転方向を逆方向とすると、ドラム40が正方向に回転することにより、上部ワイヤ3aの長さが短くなると共に下部ワイヤ3bの長さが長くなる。また、ドラム40が逆方向に回転することにより、上部ワイヤ3aの長さが長くなると共に下部ワイヤ3bの長さが短くなる。この上部ワイヤ3a及び下部ワイヤ3bの長さの変化に応じて、移動体4がガイドレール20に対して上下方向に移動する。
【0032】
モータ5は、コネクタ部5aから供給される電流によって回転駆動力を発生する直流モータである。モータ5の回転子には、ギヤハウジング62の筒部620に収容された図略のウォームが一体に回転するように連結されている。モータ5の回転は、ギヤハウジング62に収容されたウォームギヤ機構によって減速され、ウォームギヤ機構の出力軸を介してドラム40に伝達される。
【0033】
次に、ウインドレギュレータ1の製造方法(組み付け手順)について
図5及び
図6を参照して説明する。ここでは、第1のワイヤ支持部材21及び第2のワイヤ支持部材22をガイドレール20の長手方向の両端部に固定する組付工程の手順について説明する。
【0034】
図6(a)に示すように、ガイドレール20の平板部201には、第1のワイヤ支持部材21を平板部201の板厚方向に沿った方向の回転軸を中心として回転可能に支持する支持部202が設けられている。また、第1のワイヤ支持部材21は、ガイドレール20の支持部202からガイドレール20の短手方向にずれた位置に、ワイヤ3の端部を収容する収容部210を有している。
【0035】
本実施の形態に係る組付工程は、第2のワイヤ支持部材
22をガイドレールの長手方向の他端部に固定する第
1工程と(
図5(a)参照)、第1のワイヤ支持部材21をガイドレールの支持部202を中心として回動可能にガイドレール20の一端部に軸支させる第2工程(
図5(a)参照)と、
図6(a)に示すように、第1のワイヤ支持部材21を所定の方向に回動させることにより第1のワイヤ支持部材21に保持された弾性体としてのバネ23を圧縮し、バネ23が圧縮された状態で第1のワイヤ支持部材21をガイドレールに固定して所定の方向の反対方向への第1のワイヤ支持部材21の回動を規制する第3工程(
図5(c))とを有する。なお、第1のワイヤ支持部材21をガイドレール20に対して軸支する手段としては、例えば、ボルト又はリベットを適用してもよい。また、さらにピンを用いてもよく、この場合には、ピンの先端を加締めることにより、ガイドレール20に対する固定が可能である。
【0036】
また、第3工程では、
図6(c)に示すように、ガイドレール20における平板部201を板厚方向に貫通した貫通孔201aに第1のワイヤ支持部材21の平板部201と対向する対向面から突出した爪部21hを係止することにより、第1のワイヤ支持部材21をガイドレール20の長手方向における一端部に固定する。
【0037】
なお、第3工程では、
図6(d)に示すように、第1のワイヤ支持部材21の平板部201と対向する面に形成された凹部21bにガイドレール20の平板部201から突出した爪部201bを係止することにより、第1のワイヤ支持部材21をガイドレール20の長手方向における一端部に固定してもよい。
【0038】
次に、第2の実施の形態に係る組付工程について、
図7乃至
図9を参照して説明する。
【0039】
図8(b)及び(c)に示すように、第2の実施の形態に係る第1のワイヤ支持部材21Aは、ワイヤ3の端部及び弾性体としてのバネ23が収容される本体部211と、本体部211からガイドレール20の長手方向に沿って延在した延在部212とを有する。
【0040】
図8(a)に示すように、第2の実施の形態に係るガイドレール20Aは、長手方向に延在する平板部201と、平板部201における長手方向に直交する幅方向の両端部から立設された一対の側板部202,203とを有している。ガイドレール20Aの平板部201には、第1のワイヤ支持部材21Aの延在部212の先端に設けられた係止部212aに係止される貫通孔201cが形成されている。
【0041】
第2の実施の形態に係る組付工程は、第1のワイヤ支持部材21Aをガイドレール20Aの長手方向の他端部に固定する第1工程と、第1のワイヤ支持部材21Aの延在部212の係止部212aをガイドレール20Aの貫通孔201cに挿通する第2工程(
図7(b)参照)と、係
止部212aとガイドレール20Aの貫通孔201cとの接点を支点として、
図8(b)に示すように、第1のワイヤ支持部材21Aを本体部211がガイドレール20Aの平板部201に近づくように回動させることによりバネ23を圧縮し、
図8(c)に示すように、バネ23が圧縮された状態で第1のワイヤ支持部材21Aをガイドレール20Aの一端部に固定する第3工程(
図7(c)参照)とを有している。
【0042】
第3工程では、第1のワイヤ支持部材21Aは、ガイドレール20Aの一端部における先端から一対の側板部202,203と同じ方向に突出して形成されたフック部203aに係止されることにより、ガイドレール20Aの一端部に固定される。
【0043】
なお、第2の実施の形態の変形例として、第3工程において、
図8(b)に示すように、第1のワイヤ支持部材21Aは、本体部211のガイドレール20Aとの対向面から突出した突起部211aがガイドレールの平板部に形成された係止孔201dに係止されることにより、ガイドレールに固定される。
【0044】
次に、第3の実施の形態に係る組付工程について、
図10及び
図12を参照して説明する。
【0045】
第3の実施の形態に係る第1のワイヤ支持部材21Bは、ワイヤ3の端部及び弾性体としてのバネ23が収容される収容孔210aが形成された本体213と、本体213にガイドレール20の長手方向に沿う回転軸線を中心として回転可能に支持された回転体214とを有している。
【0046】
図11(b)に示すように、回転体214は、底部214aにワイヤ3を挿通させる挿通孔214bが形成された有底円筒状であり、その外周に雄ねじ214cを有している。本体213における収容孔213aの周縁部には、回転体214の雄ねじ214cに螺合する雌ねじ213bが形成されている。
【0047】
第3の実施の形態に係る組付工程は、第1及び第2のワイヤ支持部材21B,22をガイドレールの長手方向の両端部にそれぞれ固定する第1工程(
図10a参照)と、第1のワイヤ支持部材21Bの本体213の収容孔213aにワイヤ3の端部及びバネ23を収容する第2工程(
図10(b))と、
図11(b)に示すように、回転体214を回転軸線O
1を中心として矢印X方向に回転させることにより、バネ23を圧縮してワイヤ3に所定の張力を付与する第3工程(
図10(c)参照)とを有する。
【0048】
図11(b)に示すように、第3工程では、回転体を回転させて雄ねじの雌ねじに対するねじ込み量を変化させることにより、回転体の底部に当接する弾性体を圧縮して、ワイヤ3に張力を付与する。
【0049】
次に、第3の実施の形態の変形例について
図12を参照して説明する。第3の実施の形態の変形例に係る第1のワイヤ支持部材21Bは、本体213に対してワイヤ3の延伸方向に進退移動可能に配置された移動体215をさらに有し、移動体215は収容孔213aに収容されたバネ23の一端に当接する当接面215aを有する。また、回転体214Aは、本体213をワイヤの延伸方向に挿通する軸状であり、その外周に雄ねじ214dを有している。移動体215には、回転体214が貫通する貫通孔215bが形成され、貫通孔215bの周縁部には雄ねじ214dに螺合する雌ねじ215cが形成されている。
【0050】
本変形例における第3工程では、回転体を回転軸線O
2を中心として回転させて雄ねじ214dの雌ねじ215cに対するねじ込み量を変化させることにより、移動体215の当接面215aに当接するバネ23を圧縮して、ワイヤ3に張力を付与する。
【0051】
次に、第4の実施の形態に係る組付工程について、
図13乃至
図15を参照して説明する。
【0052】
図14(a)及び(b)に示すように、第4の実施の形態に係るガイドレール20Bは、長手方向に延在する平板部204と、平板部204における長手方向に直交する幅方向の両端部から立設された一対の側板部205,206とを有している。
【0053】
図15(a)及び(b)に示すように、第1のワイヤ支持部材21Cには、ワイヤ3の端部及びバネ23が収容される収容孔21aと、ガイドレール20Bが嵌合する嵌合溝21bと、嵌合溝21bと連通してガイドレール20Bに連結されたブラケット28,29との干渉を回避するための肉盗み部21cとが形成されている。また、嵌合溝21bにおけるガイドレール20Bの平板部204と対向する面には、凹部21dが形成されている。
【0054】
第4の実施の形態に係る組付工程は、第1のワイヤ支持部材21Cに形成された挿通孔にガイドレールの長手方向の他端部を挿通させる第1工程(
図13(a)参照)と、第2のワイヤ支持部材22をガイドレール20Bの長手方向の他端部に固定する第2工程(
図13(b)参照)と、第1及び第2のワイヤ支持部材21C,22にワイヤ3の端部及び弾性体としてのバネ23をそれぞれ収容する第3工程(
図13(c)参照)と、第1のワイヤ支持部材21Cに保持されたバネ23を圧縮しながら、第1のワイヤ支持部材21Cを第2のワイヤ支持部材22から離間する方向(
図13(c)に示す矢印方向)に移動させる第4工程)と、バネ23が圧縮された状態で、ガイドレール20Bの平板部204に設けられた爪部204aを第1のワイヤ支持部材21Cに設けられた凹部21dに係止する第5工程(
図13(d)参照)とを有する。
【0055】
次に、第5の実施の形態に係る組付工程について
図16を参照して説明する。
【0056】
図16(a)に示すように、第5の実施の形態に係るガイドレール20Cは、長手方向に延在する平板部207と、平板部207における長手方向に直交する幅方向の両端部から立設された一対の側板部208,209とを有し、平板部207の長手方向における一端側には、板厚方向に貫通した嵌合穴207aが形成されている。第5の実施の形態に係る第1のワイヤ支持部材21Dは、ワイヤ3の端部及びバネ23を収容する収容孔216bが形成された本体部216と、本体部216がガイドレール20Cの平板部207に対向する対向面216aから突出して嵌合穴207aに嵌合する嵌合部217を有している。
【0057】
第5の実施の形態に係る組付工程は、第2のワイヤ支持部材22をガイドレール20Cの長手方向の他端部に固定する第1工程と、第1のワイヤ支持部材21Dを、第1のワイヤ支持部材21Cに保持されたバネ23を圧縮しながら、第2のワイヤ支持部材22から離間する方向に移動させる第2工程(
図16(a)参照)と、第1のワイヤ支持部材21Dの嵌合部217をガイドレール20Cの嵌合穴207aに挿通する第3工程(
図16(b)参照)と、
図16(c)及び(e)に示すように、第1のワイヤ支持部材21Dをガイドレール20Cの平板部207上でガイドレールの短手方向(
図16(c)に示す矢印方向)に沿ってスライドさせることにより、第1のワイヤ支持部材21Dがガイドレールの一端部に固定される第4工程(
図16(d)参照)とを有する。
【0058】
次に、第6の実施の形態に係る組付工程について
図17を参照して説明する。
【0059】
第6の実施の形態に係るガイドレール20Cは、長手方向に延在する平板部207と、平板部207における長手方向に直交する幅方向の両端部から立設された一対の側板部208,209とを有している。一対の側板部208,209のうち一方の側板部208には、他方の側板部209側とは反対側に突出した延在片208aが長手方向に沿って形成されている。
【0060】
第1のワイヤ支持部材21Eは、一方の側板部208の延在片208aに係合される係合部217と、他方の側板部209に係止される係止部218と、ガイドレール20Cの延在片208aの一部が収容される収容溝21eとを有している。
【0061】
組付工程は、第1のワイヤ支持部材21Eをガイドレール20Cの長手方向の他端部に固定する第1工程と、第1及び第2のワイヤ支持部材21E,22にワイヤ3の端部及びバネ23を収容する第2工程と、第1のワイヤ支持部材21Eに保持されたバネ23を圧縮すると共に、収容溝21eにガイドレール20Cの延在片208aを収容し、かつ係合部217を延在片208aに係合する第3工程(
図17(b)参照)と、第1のワイヤ支持部材21Eの延在片208aを支持軸として長手方向に沿った方向の回転軸回りに第1のワイヤ支持部材21Eを平板部207に近づくように回転させる第4工程と、第1のワイヤ支持部材21Eの係止部218をガイドレール20Cの平板部207に係止すると共に第2のワイヤ支持部材21Eの平板部207との対向面21fから突出した突起21gを平板部207に形成された挿通孔207bに挿通することにより、第1のワイヤ支持部材21Eをガイドレール20Cに固定する第5工程とを有している。
【0062】
以上、本発明を実施の形態及び変形例に基づいて説明したが、上記に記載した実施の形態及び変形例は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態や変形例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0063】
1…ウインドレギュレータ、3…ワイヤ、3a…上部ワイヤ、3b…下部ワイヤ、4…移動体、5…モータ、5a…コネクタ部、6…ハウジング、9…ドア、20,20A,20B,20C…ガイドレール、21,21A,21B ,21C,21D,21E…第2のワイヤ支持部材、21a…収容孔、21b…凹部、21b…嵌合溝、21c…肉盗み部、21d…凹部、21e…収容溝、21f…対向面、21g…突起、21h…爪部、22…第2のワイヤ支持部材、23,24…バネ、26…ピン、27…ボルト、28,29…ブラケット、40…ドラム、41…溝、42…中心孔、42a…内周スプライン、61 ドラムハウジング、61a…収容空間、62…ギヤハウジング、63…ボルト、64…ナット、71…第1結合部材、72…第2結合部材、90…窓ガラス、91…外壁、92…内壁、93…ナット、201…平板部、201a…貫通孔、201b…爪部、201c…貫通孔、201d…係止孔、202…支持部、202,203…側板部、203a…フック部、204…平板部、204a…爪部、205,206…側板部、207…平板部、207a…嵌合穴、207b…挿通孔、208…側板部、208a…延在片、209…側板部、210…収容部、210a…収容孔、211…本体部、211a…突起部、212…延在部、212a…係止部、212a…係合部、213…本体、213a…収容孔、214 ,214A…回転体、214a…底部、214b…挿通孔、215…移動体、215a…当接面、215b…貫通孔、216…本体部、216a…対向面、216b…収容孔、217…嵌合部、217…係合部、218…係止部、611…第1ガイド溝、612…第2ガイド溝、613,614…貫通孔、620…筒部、711,712…ボルト