(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
二次元バーコードにより形成された宿泊手続所コード(b)を、上記携帯通信機の撮影読取手段を用いて入力することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の予約チェックイン方法。
コンビニエンスストア、スーパーマーケットまたはレンタカー業者の店舗が兼ねる宿泊手続所と、電子錠付きドアを備えた宿泊用部屋と、宿泊用部屋の使用の予約管理を行う予約管理サーバと、利用者端末と、利用者または他の宿泊予定者が保有する携帯通信機と、該予約管理サーバ、利用者端末および携帯通信機の相互間を結ぶ広域通信網とを含み、
上記予約管理サーバは、制御装置および記憶装置を具備し、
該制御装置は、上記利用者端末から上記宿泊用部屋の使用の予約を受け付ける手段と、予約毎に予約コードを発行して上記利用者端末または上記携帯通信機のうちの1または2以上に送信する手段とを備え、
上記記憶装置は、上記予約コード、上記予約にかかる宿泊用部屋を管轄する上記宿泊手続所の宿泊手続所コード(a)、およびチェックイン予定日を含む予約情報を保持する手段を備え、
上記携帯通信機は、上記宿泊手続所毎に備え置かれた宿泊手続所コード(b)および上記予約コードを入力する手段と、それらを上記制御装置に送信する手段を備えると共に、上記電子錠の開閉権限データを保持する手段と、該開閉権限データを用いて前記電子錠を開錠および施錠する手段とを備え、
さらに上記制御装置は、少なくとも、上記携帯通信機から受信した上記予約コードによって識別される記憶装置に保持された上記予約情報に含まれる宿泊手続所コード(a)およびチェックイン予定日が、受信した宿泊手続所コード(b)および受信日と一致している場合に、上記予約情報に基づき上記電子錠の開閉権限データを発行し、上記携帯通信機に送信する手段を備えたことを特徴とする予約チェックインシステム。
宿泊手続所コード(b)が二次元バーコードにより形成されており、該宿泊手続所コード(b)を上記携帯通信機に入力する手段が、撮影読取手段であることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の予約チェックインシステム。
【背景技術】
【0002】
近年我が国では、少子高齢化などが原因となって各地に空き部屋が多く発生しており、これらを有効に活用するための方策が望まれている。その方策の一つとして、空き部屋を宿泊施設として利用することが検討されているが、空き部屋は戸建ての住宅やマンションの住居部分など形態が様々であり、また、広域に点在している場合が多いため、一般のホテルや旅館と同じように、専用のフロントカウンターや宿泊手続所を設置して行う管理方法では、物的および人的コストの両面において採算性が合わず事業化は困難である。
【0003】
そこで、本発明者は、空き部屋への宿泊者の予約受け付けや、空き部屋の鍵の授受および管理を、空き部屋が存在する地域のコンビニエンスストア、スーパーマーケットまたはレンタカー業者の店舗などに兼務してもらうことを考え、そのために、フロント業務の労務負担と物的コストを低減できる方法を模索した。
例えば、インターネットを利用して予約の受付業務を自動化するシステムや、空き部屋に電子錠を取付けて、チェックインとチェックアウトの際の鍵の授受と管理業務を不要にするシステムなどである。
【0004】
このようなシステムの先行技術として、特許文献1には、ホテルの客室の予約をインターネットで受け付けるとともに、予約受付の際に、客室のテンキー錠を解除するための暗証番号を宿泊客に送信するシステムが記載されている。このシステムによれば、宿泊客は、客室の予約からチェックインおよびチェックアウトまで、ホテルの従業員に一度も会うことなく客室を利用することができる。
【0005】
しかし、このように宿泊客がホテルの従業員に全く会うことがないシステムでは、宿泊客がどのような状態であるかを把握することができないため、安全・衛生面において問題がある。
例えば、宿泊客が可燃物を大量に所持している場合には、火災や爆発事故が発生する恐れがあり、また、宿泊客が違法薬物を摂取している場合には、幻覚などが生じて傷害事件を起こす恐れがある。さらに、宿泊客が伝染病に罹患している場合には、他の宿泊客に伝染させる恐れがあるが、上記のように宿泊客が従業員に全く会わないシステムでは、宿泊客の状態を把握できないため、これらの安全性および衛生性を損なうようなトラブルを未然に防ぐことが難しい。
【0006】
また、特許文献2には、ホテルなどにおけるチェックイン手続を容易に済ませることができるシステムが記載されている。このシステムによれば、ホテルを利用するためのチェックイン手続が必要なので、宿泊客が従業員に全く会うことがないということはない。
しかし、特許文献2に記載されたシステムでは、ホテルのフロントにチェックイン手続を自動で行う専用装置を設置する必要があり、物的コストが上昇するという問題がある。
【0007】
以上の通り、空き部屋を宿泊施設として利用可能にできるような、空き部屋の使用についての安全性と衛生性を確保しつつ、予約の受付業務とチェックイン業務の物的コストおよび労務負担を低減できる技術は存在しなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は、宿泊用部屋の使用についての安全性と衛生性を確保しつつ、予約の受付業務とチェックイン業務の物的コストおよび労務負担を大幅に低減することができる予約チェックイン方法およびシステムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題は以下の手段により解決された。
[1]
宿泊用部屋の使用の予約管理を行う予約管理サーバが、利用者端末から
該宿泊用部屋の使用の予約を受け付けるステップと、
上記予約管理サーバが、予約毎に予約コードを発行して、利用者端末または利用者若しくは他の宿泊予定者が保有する携帯通信機のうちの1または2以上に送信するステップと、
上記予約管理サーバが、該予約コード、上記宿泊用部屋を管轄する宿泊手続所の宿泊手続所コード(a)およびチェックイン予定日を含む予約情報を保持するステップと、
上記予約管理サーバが、上記携帯通信機に入力された、宿泊手続所毎に備え置かれた宿泊手続所コード(b)および上記予約コードを、該携帯通信機から受信するステップと、
上記予約管理サーバが、少なくとも、受信した上記予約コードによって識別される上記予約情報に含まれる宿泊手続所コード(a)およびチェックイン予定日が、受信した宿泊手続所コード(b)および受信日と一致している場合に、上記予約情報に基づき上記宿泊用部屋のドアに付された電子錠の開閉権限データを発行し、上記携帯通信機に送信して保持させるステップとを含み、
上記宿泊手続所は、コンビニエンスストア、スーパーマーケットまたはレンタカー業者の店舗が兼ねるものであることを特徴とする予約チェックイン方法。
【0011】
[2] 利用者が保有する携帯通信機に利用者端末を兼ねさせることを特徴とする上記[1]に記載の予約チェックイン方法。
【0012】
[3] 二次元バーコードにより形成された宿泊手続所コード(b)を、上記携帯通信機の撮影読取手段を用いて入力することを特徴とする上記[1]または[2]に記載の予約チェックイン方法。
【0013】
[4]
コンビニエンスストア、スーパーマーケットまたはレンタカー業者の店舗が兼ねる宿泊手続所と、電子錠付きドアを備えた宿泊用部屋と、宿泊用部屋の使用の予約管理を行う予約管理サーバと、利用者端末と、利用者または他の宿泊予定者が保有する携帯通信機と、該予約管理サーバ、利用者端末および携帯通信機の相互間を結ぶ広域通信網とを含み、
上記予約管理サーバは、制御装置および記憶装置を具備し、
該制御装置は、上記利用者端末から上記宿泊用部屋の使用の予約を受け付ける手段と、予約毎に予約コードを発行して上記利用者端末または上記携帯通信機のうちの1または2以上に送信する手段とを備え、
上記記憶装置は、上記予約コード、上記予約にかかる宿泊用部屋を管轄する
上記宿泊手続所の宿泊手続所コード(a)、およびチェックイン予定日を含む予約情報を保持する手段を備え、
上記携帯通信機は、上記宿泊手続所毎に備え置かれた宿泊手続所コード(b)および上記予約コードを入力する手段と、それらを上記制御装置に送信する手段を備えると共に、上記電子錠の開閉権限データを保持する手段と、該開閉権限データを用いて前記電子錠を開錠および施錠する手段とを備え、
さらに上記制御装置は、少なくとも、上記携帯通信機から受信した上記予約コードによって識別される記憶装置に保持された上記予約情報に含まれる宿泊手続所コード(a)およびチェックイン予定日が、受信した宿泊手続所コード(b)および受信日と一致している場合に、上記予約情報に基づき上記電子錠の開閉権限データを発行し、上記携帯通信機に送信する手段を備えたことを特徴とする予約チェックインシステム。
【0014】
[5] 利用者が保有する携帯通信機に利用者端末を兼ねさせることを特徴とする上記[4]に記載の予約チェックインシステム。
【0015】
[6] 宿泊手続所コード(b)が二次元バーコードにより形成されており、該宿泊手続所コード(b)を上記携帯通信機に入力する手段が、撮影読取手段であることを特徴とする上記[4]または[5]に記載の予約チェックインシステム。
【発明の効果】
【0016】
本発明における上記[1]に記載の予約チェックイン方法、または上記[4]に記載の予約チェックインシステムによれば、
宿泊手続所は、コンビニエンスストア、スーパーマーケットまたはレンタカー業者の店舗が兼ねるものなので、宿泊手続所を新たに設置する場合に比べて、設備費や人件費などの物的・人的コストを低減できるだけでなく、例えば、宿泊手続所を兼ねるコンビニエンスストアにおいて、利用者は、チェックイン手続の際に宿泊に必要な物品を購入することができ、また、宿泊手続所を兼ねるレンタカー店舗において、チェックイン手続の際に観光などに利用する自動車を借りることができるなど、利用者の利便性を向上させることができる。
さらに、上記[1]に記載の予約チェックイン方法、または上記[4]に記載の予約チェックインシステムによれば、予約情報や宿泊用部屋の電子錠の開閉権限データなどを、一台の予約管理サーバで一括管理できる。したがって、各宿泊手続所において別途管理する必要がなく、物的コストおよび労務負担を低減できるとともに、会員の個人情報などの流出防止のためのセキュリティ対策を講じ易い。
【0017】
また、チェックイン手続を利用者または他の宿泊予定者が保有する携帯通信機によって行うため、宿泊手続所にチェックイン手続のための専用装置を設置する必要がない。したがって、設備費などの物的コストを低減できると共に、専用装置を設置するためのスペースを確保する必要がない。
【0018】
さらに、利用者または他の宿泊予定者が宿泊用部屋に出入りするために必要なドアの電子錠の開閉権限データを、利用者または他の宿泊予定者の携帯通信機に保持させるため、宿泊手続所に宿泊用部屋の鍵を備え置く必要がない。したがって、鍵の紛失や盗難のリスクを低減することができると共に、宿泊手続所の従業員の労務負担を低減することができる。
【0019】
また、利用者または他の宿泊予定者は、宿泊用部屋の電子錠の開閉権限データを取得するために、その宿泊用部屋を管轄する宿泊手続所に備え置かれている宿泊手続所コードを、携帯通信機に入力して予約管理サーバに送信しなければならないので、チェックイン予定日に宿泊手続所を訪れてチェックイン手続を行う必要がある。
【0020】
そのため、宿泊手続所の従業員は、チェックイン手続を行うために訪れた利用者またはその他の宿泊予定者に、面前で宿泊者票に必要事項を記入させたり、その利用者などの行動や健康状態を観察したりすることができる。したがって、必要に応じ、その利用者などへの宿泊用部屋の提供を拒否することによって、安全性および衛生性を損なうようなトラブルの発生を未然に防ぐことができる。
【0021】
以上のとおり、
上記[1]に記載の予約チェックイン方法、または上記[4]に記載の予約チェックインシステムによれば、チェックイン手続の際に、一般のホテルや旅館と同等の安全・衛生性を確保しつつも、物的コストおよび労務負担を著しく低減できるため、
コンビニエンスストア、スーパーマーケットまたはレンタカー業者の店舗のような、主として宿泊管理業務以外の業務を行う他業種の店舗であっても、宿泊手続所を兼ねさせることができる。そして、係る宿泊手続所には、チェックイン手続を行うことによる物的コストおよび労務負担の増大がほとんど無いことから、採算性が高く容易に事業参入を図ることができるものである。
【0022】
本発明における上記[2]に記載の予約チェックイン方法、または上記[5]に記載の予約チェックインシステムによれば、携帯通信機に利用者端末を兼ねさせることにより、利用者端末が不要となり、また、携帯通信機において受信した予約コードを、そのまま携帯通信機内に保持しておくことで、チェックイン手続の際に予約コードを簡単に呼び出して使用できるので便利である。
【0023】
本発明における上記[3]に記載の予約チェックイン方法、または上記[6]に記載の予約チェックインシステムによれば、利用者または他の宿泊予定者は、宿泊手続所コード(b)を携帯通信機に入力する際に、二次元バーコードにより形成された宿泊手続所コード(b)を、携帯通信機の撮影読取手段を用いて入力すればよいので、簡単であり入力ミスの発生を減らすことができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の宿泊用部屋の予約チェックインシステムと予約チェックイン方法の実施形態を説明する。なお、本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。
【0026】
図1は、本実施形態にかかる宿泊用部屋の予約チェックインシステムの全体説明図である。
本実施形態の宿泊用部屋の予約チェックインシステムAにおいて、利用者はパソコン、タブレット、スマートフォンまたは携帯電話機などの広域通信手段を備えた利用者端末1を使い、インターネットまたはデジタル携帯電話網などの広域通信網Wを経由して予約管理サーバ2にアクセスし、宿泊用部屋5の使用の予約申し込みを行う。
【0027】
予約管理サーバ2は、予約の受付処理やチェックイン手続処理などを行う制御装置21と、宿泊用部屋の情報や予約情報などの各種情報や各種処理を行うためのプログラムを保持する記憶装置22とを具備している。
また、宿泊用部屋5は、一般的なホテルの客室や戸建ての貸別荘のみならず、宿泊または一時的な滞在が可能であって施錠管理が可能であれば、マンション・アパートなどの集合住宅の住居部分、ビル内の空きテナント、戸建ての一般住宅・店舗などの空き不動産全般を含むものである。
【0028】
予約を希望する利用者は、利用者端末1によって、例えば、予約チェックインシステムAのウェブサイト(ホームページ)から予約管理サーバ2の制御装置21にアクセスして、利用者端末1に会員登録画面を表示させ、必要事項を入力して会員登録する。
【0029】
次に、利用者端末1に宿泊予約画面を表示させて、必要事項を入力して宿泊用部屋5の使用の予約を行う。制御装置21に接続された記憶装置22の宿泊用部屋テーブル221には、事前に登録された宿泊用部屋5のデータが保持されており、制御装置21は、利用者が入力した条件、例えば希望する部屋のタイプ、チェックイン予定日および人数などの条件にしたがって合致する宿泊用部屋5を検索し、予約可能な部屋の一覧を発行して利用者に送信する。
【0030】
利用者が利用者端末1を使って気に入った宿泊用部屋5を選択して予約すると、制御装置21によって、予約毎に文字列などで表記される予約コード11が発行され、利用者端末1、利用者が保有する携帯通信機4、または利用者以外の宿泊予定者が保有する携帯通信機4のうちの1または2以上に送信される。また、記憶装置22の予約テーブル222に、その予約コード、予約された宿泊用部屋5を識別するための文字列などで表記される宿泊用部屋コード、その宿泊用部屋を管轄する宿泊手続所3の宿泊手続所コード、およびチェックイン予定日を含む予約情報が保持される。
さらに利用者は、かかる予約申し込みの際に、宿泊料をクレジットカード決済などの方法によって支払うことができる。なお、宿泊料の支払を予約完了の必須条件としておけば、後述するチェックイン手続の際に、宿泊手続所3で宿泊料を徴収する必要がなくなるので、宿泊手続所3の業務量を低減することができるため好ましい。
【0031】
上記のおとり、制御装置21からの予約コード11の送信先は、利用者端末1または利用者若しくは他の宿泊予定者の保有する携帯通信機4のうちの1または2以上である。
予約申し込みの際に、後日のチェックイン予定日に使用する携帯通信機4が決まっていない場合には、予約コード11の送信先は利用者端末1のみにすればよいが、チェックイン予定日に使用する携帯通信機4が決まっている場合には、予約コード11の送信先を携帯通信機4に指定することにより、携帯通信機4で予約コード11を受信した後、そのまま携帯通信機4内に保持しておくことで、後述するチェックイン手続の際に予約コード11を簡単に呼び出して使用できるので便利である。
【0032】
また利用者は、予約コード11の受信先として、自己が保有する携帯通信機4のみならず、他の宿泊予定者の携帯通信機4を指定することができる。宿泊予約する利用者と、実際に宿泊する宿泊予定者とが異なる場合に対応するためである。
さらに、予約コード11の送信先として、利用者端末1と携帯通信機4の両方を指定すると、受信した2個の予約コード11が相互にバックアップの役割を果たすので、例えば、チェックイン予定日までの間に、利用者端末1または携帯通信機4のいずれかが故障するなどして、保持していた予約コード11が消滅するなどの不測の事態に備えることができる。
【0033】
なお、利用者が保有する携帯通信機4に利用者端末1を兼ねさせることができる。その場合には、利用者端末1が不要であり、携帯通信機4において受信した予約コード11を、そのまま携帯通信機4内に保持しておいて、チェックイン手続の際に呼び出して使用すればよい。
【0034】
次に、利用者または他の宿泊予定者は、予約したチェックイン予定日において、宿泊予定の宿泊用部屋5を管轄する宿泊手続所3に立ち寄りチェックイン手続を行う。宿泊手続所3は、一般のホテルなどの宿泊施設のフロントとしての業務を行うが、利用者に対して宿泊用部屋5の鍵を手渡さない点などにおいて一般の宿泊施設のフロントとは異なる。
【0035】
また宿泊手続所3は
、宿泊用部屋5の近隣にあるコンビニエンスストアまたはスーパーマーケッ
トの店舗、あるいはレンタカー業者の店
舗に宿泊管理業務を委託することで、宿泊手続所3として機能させることができる。
このように、他業種の店舗を宿泊手続所3として兼用することで、宿泊手続所3を新たに設置する場合に比べて、設備費や人件費などの物的・人的コストを低減できるだけでなく、例えば、宿泊手続所3を兼ねるコンビニエンスストアにおいて、利用者は、チェックイン手続の際に宿泊に必要な物品を購入することができ、また、宿泊手続所3を兼ねるレンタカー店舗において、チェックイン手続の際に観光などに利用する自動車を借りることができるなど、利用者の利便性を向上させることができる。
【0036】
宿泊手続所3におけるチェックイン手続としては、まず利用者または他の宿泊予定者は、自己が保有するスマートフォン、タブレット、または携帯電話機などの広域通信手段および近距離通信手段を備えた携帯通信機4に、宿泊手続所3に備え置かれている宿泊手続所コード32を入力する。
宿泊手続所コード32は、宿泊手続所3を識別することができるように宿泊手続所毎に発行されたコードであり、その態様は、一般的な英数字などの文字列でも良いが、二次元バーコードのように、利用者が携帯通信機4の撮影読取手段を用いて簡単に入力できる態様であれば、入力ミスを減らすことができるため好ましい。
なお、宿泊手続所コードが文字列からなる場合は、利用者は、携帯通信機4のキー画面を用いてタッピング入力すればよい。
【0037】
また、宿泊
手続所コード32は、小型のボード(板材)などに掲載しておいて、チェックイン手続を行う利用者などに対し、そのボードを適宜に提示すようにすればよい。そうすれば、宿泊手続所3は、利用者などのチェックイン手続のために安価なボードを一枚備え置くだけでよく、高価なチェックイン専用機器などを設置する必要はなく、設備費を低減することができる。
【0038】
かかる宿泊手続所コード32は、該当する宿泊手続所3のみに備えられており、利用者または他の宿泊予定者がその宿泊手続所3に立ち寄らない限り、携帯通信機4にその宿泊手続所コード32を入力できないようにしておく必要がある。そうすることで、宿泊手続所3では、従業員の面前で実際に利用者または他の宿泊予定者にチェックイン手続をさせることができ、その人物の行動や健康状態を目視観察して確認することができる。そのため、必要に応じて、その人物への宿泊用部屋5の提供を拒否することができるため、安全面や衛生面などにおけるトラブルの発生を未然に防ぐことが可能となる。
また、利用者または他の宿泊予定者を観察するために、宿泊手続所3に防犯カメラを設置すれば、従業者による目視観察に替えて、あるいは加えて、遠隔観察したり録画したりすることができるため好ましい。
【0039】
次に利用者は、携帯通信機4に入力した宿泊手続所コード32と、先に予約申し込みを行った際に発行された予約コード11とを、携帯通信機4の広域通信手段によって、インターネットまたはデジタル携帯電話網などの広域通信網Wを経由して、予約管理サーバ2の制御装置21に送信する。
【0040】
ここで、携帯通信機4から制御装置21への宿泊手続所コード32および予約コード11の送信方法としては、例えば、予約チェックインシステムAのウェブサイトから制御装置21にアクセスして、携帯通信機4にチェックイン手続画面を表示させ、その画面の指示に従って、宿泊手続所コード32と予約コード11を入力して送信すればよい。
また、予め携帯通信機4で予約コード11を受信している場合には、例えば、その受信メールに付された予約チェックインシステムAのウェブサイトへのリンク用の表示をタップすることで、上記チェックイン手続画面を表示させると共に、予約コード11が自動的に入力されるようにしておくことが望ましい。そうすれば、利用者などが携帯通信機4に予約コード11を入力する手間を省くことができるので便利である。
【0041】
次に、制御装置21は、利用者または他の宿泊予定者の携帯通信機4から送信された宿泊手続所コード32と予約コード11を受信すると、記憶装置22の予約テーブル222に保持されている予約情報との整合性を確認する。
確認する事項としては、少なくとも、予約テーブル222に保持されている予約情報の中の、受信した予約コード11によって識別される予約情報に含まれる宿泊手続所コードおよびチェックイン予定日が、受信した宿泊手続所コード32および受信日と一致していることが必要である。これらの事項が一致する場合には、予約コード11を保有する利用者または他の宿泊予定者が、チェックイン予定日に、宿泊予定の宿泊用部屋5を管轄する宿泊施設3に立ち寄って、その場でチェックイン手続を行っていることが明らかだからである。
【0042】
そして、整合性が確認できた場合、制御装置21は、宿泊用部屋5のドア51に設置された電子錠52の開閉権限データを発行し、利用者または他の宿泊予定者の携帯通信機4に送信して保持させる。
かかる電子錠52の開閉権限データは、利用者などが宿泊用部屋5に出入りする際に開錠および施錠するために必要な電子的な鍵情報であり、予約管理サーバ2の制御装置21により、予約情報に基づいてチェックイン手続毎に有効期限を定めて発行されるものである。
【0043】
また、制御装置21からの電子錠52の開閉権限データの送信先は、利用者または他の宿泊予定者の保有する携帯通信機4のうちの1台に限られず、複数台であってもよい。そうすれば、宿泊用部屋を複数人で使用することが可能となる。
【0044】
利用者などは、携帯通信機4が電子錠52の開閉権限データを受信したことを確認した後、必要に応じて、宿泊者票に必要事項を記入し、宿泊手続所3の従業員から宿泊用部屋5の使用方法に関する説明を受け、チェックイン手続きを完了する。
なお、利用者が、宿泊予約の申し込みの際に宿泊料を支払っていない場合は、宿泊手続所3でのチェックイン手続きの際に支払うことができるようにしてもよい。
【0045】
また、宿泊手続所3には、パソコンまたは電子レジスターなどの広域通信手段を備えた管理用端末31が備えられており、インターネット、電話回線などの広域通信網Wを経由して、随時に予約管理サーバ2の制御装置21にアクセスできるようになっている。これにより、宿泊手続所3の従業員は、その宿泊手続所3が管轄する宿泊用部屋5の予約状況などを適宜確認することができ、さらに、宿泊予約した利用者の属性に関する情報や、予約申し込みの際の宿泊料の支払いの有無なども確認することができる。
また、利用者などからチェックイン手続きの際に宿泊料を受領する場合には、この宿泊料の受領情報を管理用端末31から制御装置21に送信して、制御装置21が受信した後でなければ、上記の電子錠52の開閉権限データが携帯通信機4に送信されないようにしてもよい。
【0046】
利用者または他の宿泊予定者は、宿泊手続所3におけるチェックイン手続を済ませた後、宿泊用部屋5のドア51に所定距離まで近づいた場所で携帯通信機4を操作して、その近距離通信手段によりドア51の電子錠52に対し開閉権限データに基づく開錠指示を送信することで開錠することができる。また、利用者などが宿泊期間中に外出する際には、同じく携帯通信機4を操作して施錠指示をドア51の電子錠52に送信することで施錠することができる。
そして、予約した滞在期間が経過した場合には、利用者または他の宿泊予定者に発行されていた開閉権限データは自動的に無効となり、その後の電子錠52の開錠・施錠はできないようになる。
【0047】
ここで、携帯通信機4と電子錠52の間の近距離通信としては、数メートルから十数メートル程度の距離間での無線通信が可能な、Bluetooth(登録商標)またはWi-Fi(登録商標)などを使用することができる。
また、電子錠は、錠の開閉機構と、その開閉機構を駆動させる機構とが予め一体となっているものに限られず、開閉機構を駆動させる機構を後付けで設置するものであってもよい。
【0048】
本実施形態の予約チェックインシステムAでは、システムの運用に必要な情報が予約管理サーバ2の記憶装置22に保持されて一括管理されている。
記憶装置22には、各種の情報が、それぞれの使用場面に応じたテーブル毎に保持される。例えば、宿泊用部屋テーブル221には、宿泊用部屋の所在地域、宿泊用部屋を管轄する宿泊手続所のコード、宿泊用部屋コード、宿泊可能人数、和風または洋風といった部屋の種別、宿泊用部屋の宿泊料などの情報が保持される。
【0049】
また、予約テーブル222には、受け付けた宿泊予約毎に発行する予約コード、会員毎に発行された会員コード、チェックインの予定を表すチェックイン予定日、チェックアウトの予定を表すチェックアウト予定日、宿泊手続所コードおよび宿泊用部屋コードなどの予約情報が保持される。
【0050】
さらに、会員テーブル223には、会員のコード、氏名、住所、電話番号、利用者端末および携帯通信機のメールアドレスと共に、必要に応じて、会員のクレジットカード番号およびクレジットカードの有効期限など情報が保持される。
また、開閉権限管理テーブル224には、チェックイン手続毎に発行した電子錠の開閉権限データ、開閉権限が有効になる利用開始日時、開閉権限の有効期間などの情報が保持される。
【0051】
このように、本実施形態の予約チェックインシステムAでは、各種の情報を一台の予約管理サーバ2で一括管理できるため、各宿泊手続所において情報管理する必要がなく、各宿泊手続所の物的および人的負担を低減できるとともに、会員の個人情報などの流出防止のためのセキュリティ対策を講じ易いという利点がある。
【0052】
予約チェックインシステムAは、その予約管理サーバ2を、宿泊用部屋5を管理する宿泊施設事業者または不動産管理事業者の本社または本部の事務所などに設置すれば良い。また、多店舗展開しているコンビニエンスストアチェーンやレンタカーチェーンなどが導入する場合には、これらのチェーンの本社または本部の事務所に予約管理サーバ2を設置してもよい。この場合には、チェーンの各店舗を宿泊手続所3とし、管理用端末31としては、各店舗に既設のパソコンや電子レジスターを利用することができるので、予約システムAを導入するための設備費を低廉に抑えることができる。
【0053】
また、宿泊用部屋5とそれを管轄する宿泊手続所3とは、一対一の対応関係にある必要はなく、一つの宿泊用部屋5を近隣にある複数の宿泊手続所3が重複して管轄するようにしてもよい。このようにすれば、宿泊用部屋5の利用者などは、複数の宿泊手続所3から自己にとって最も利便性の高い宿泊手続所3を選んでチェックイン手続を行うことができるので便利である。例えば、宿泊用部屋5まで電車で移動する利用者などにとっては、宿泊手続所3が駅前にあれば利便性が高く、自動車で移動する利用者などにとっては、宿泊手続所3に駐車場があれば利便性が高いからである。
【0054】
図2は、利用者が使用する携帯通信機4の構造説明図である。
携帯通信機4は、一般に販売されている「スマートフォン」であり、表示部41は送信されたメニュー画面や検索結果などの情報を表示する部分であり、さらに、利用者が会員登録や宿泊予約に必要な情報を入力するためのキー画面を表示する部分である。
制御部42は、プログラムの実行や通信処理などの携帯通信機4の各装置全体を制御する装置であり、記憶部43は、宿泊用部屋5を利用するための開閉権限データ32、および電子錠に開錠・施錠指示を送信するためのソフトウエアなどを保持している。
【0055】
撮影部44は、宿泊手続所コード32を撮影により読み取って入力するためのカメラである。
広域無線通信部45は、電波の送受信を行って、インターネットやデジタル携帯電話網などの広域通信網Wとの接続を行うための装置であり、近距離無線通信部46は、電波や赤外線を送受信して、宿泊用部屋5のドア51についている電子錠52との通信を行うための装置である。
かかる機能を備える携帯通信機4は、利用者端末1を兼ねて使用することができる。
【0056】
図3は、最初に予約チェックインシステムAを利用する際に行う会員登録処理のフローチャートである。
まず、利用者が、利用者端末1から制御装置21に接続して会員登録画面を表示する(ステップ301)。次に、利用者はその画面に必要な情報を入力して送信する(ステップ302)。そして、利用者が利用者端末1に表示された登録確認内容を承認すると(ステップ303)、制御装置21によって会員コードが発行されて利用者端末1に送信されると共に、会員情報を記憶装置22内の会員テーブル223に追加して(ステップ304)処理を終了する。
【0057】
図4は、宿泊予約の受付処理のフローチャートである。
まず、会員認証を行った後、利用者端末1に予約画面を表示する(ステップ401)。そして利用者は、宿泊用部屋検索のための条件(地域、チェックイン予定日、チェックアウト予定日、予算、人数など)を入力し、制御装置21に送信する(ステップ402)。すると、制御装置21は記憶装置22にアクセスし、受信した条件に合致する宿泊用部屋5を検索する(ステップ403)。
【0058】
条件に合致する宿泊用部屋が存在するかどうかを判定し(ステップ404)、無ければステップ405に移行して、利用者端末1に「お探しの物件は見つかりません。」のメッセージを表示して処理を終了する。反対にステップ404で条件に合致する部屋が存在すれば、ステップ406に移行して、利用者端末1に空き部屋の一覧を表示する。
【0059】
利用者は気に入った空き部屋があれば選択し、制御装置21に送信する(ステップ407)。これにより、利用者端末1に予約内容の確認画面が表示され、利用者が予約を承認すると(ステップ408)、制御装置21によって予約コード11が発行され、さらに利用者の指定に応じて利用者端末1または携帯通信機4のいずれか一方または両方に送信される。また、予約情報が、記憶装置22の予約テーブル222に保持されると共に、必要に応じて、予約された宿泊用部屋5を管轄する宿泊手続所3の管理用端末31に送信されて(ステップ409)処理が終了する。
【0060】
なお、利用者が、宿泊料を予約申し込みの際に支払うことを希望する場合には、上記の宿泊予約を済ませた後に、利用者端末1に宿泊料の支払手続画面を表示させ、クレジットカード決済などの方法によって支払えばよい。
【0061】
図5は、チェックイン手続処理のフローチャートである。
利用者または他の宿泊予定者は、予約したチェックイン予定日に、まず宿泊手続所3に立ち寄り、自己が保有する携帯通信機4によって制御装置21にアクセスして、チェックイン手続画面を表示させる(ステップ501)。
【0062】
次に利用者は、携帯通信機4の撮影読取手段を用いて、宿泊手続所3に備え置かれている宿泊手続所コード(二次元バーコード)32を撮影して読み取り、上記チェックイン手続画面の指定箇所に入力する。
また、予約申し込みを行った際に発行された予約コード11を、チェックイン手続画面の指定箇所に入力する。この予約コード11は、予約申し込みの際に、制御装置21から利用者端末1または携帯通信機4に送信された文字列などである。
利用者または他の宿泊予定者は、予約コード11を携帯通信機4で受信し保持していた場合には、その受信メールに付された予約チェックインシステムAのウェブサイトへのリンク用の表示をタップすることで、上記チェックイン手続画面を表示させると共に、予約コード11が自動的に入力されるようになっている。また、利用者などが、予約コード11を上記チェックイン手続画面の指定箇所に貼り付けるなどの方法によって入力してもよい。あるいは、予約コード11を利用者端末1で受信し保持してある場合には、利用者などは、上記チェックイン手続画面の指定箇所に、キー画面を使ってタッピング入力すればよい(ステップ502)。
【0063】
次に、利用者または他の宿泊予定者は、携帯通信機4に入力した宿泊手続所コード32と予約コード11とを、携帯通信機4の広域通信手段によって制御装置21に送信する(ステップ503)。
制御装置21は、携帯通信機4から宿泊手続所コード32と予約コード11を受信すると、記憶装置22の予約テーブル222に保持されている予約情報との整合性を確認する(ステップ504)。
【0064】
制御装置21は、少なくとも、予約テーブル222に保持されている予約情報の中の、受信した予約コード11によって識別される予約情報に含まれる宿泊手続所コードおよびチェックイン予定日が、受信した宿泊手続所コード32および受信日と一致しているかどうかを判定し(ステップ505)、一致していない場合は、ステップ506に移行して、携帯通信機4にエラー表示をして処理を終了する。
【0065】
反対に、一致している場合には、制御装置21は、予約情報に基づいて、宿泊用部屋5のドア51に付された電子錠52を開錠・施錠するために必要な開閉権限データを発行し、利用者または他の宿泊予定者の指定する携帯通信機4に送信して保持させて(ステップ507)処理を終了する。