(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記画像管理部は、前記静止画像が撮影された撮影時刻と前記動画像が撮影された撮影時間帯とを、それぞれ前記静止画像と前記動画像とに関連付けて前記記憶部に記憶させ、
前記提供部は、前記静止画像の撮影時刻を撮影時間帯に含む動画像を、前記情報端末に提供する、
ことを特徴とする請求項1に記載の動画像提供サーバ。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<実施の形態の概要>
図1を参照して、本発明の実施の形態の概要を述べる。
図1は、実施形態に係る動画像提供システム1の概要を模式的に示す図である。実施の形態に係る動画像提供システムは、動画像提供サーバ100、情報端末200、及び記憶部30を備える。情報端末200は、例えばインターネット等のネットワーク40を介して動画像提供サーバ100と通信可能である。煩雑となることを避けるために
図1では情報端末200を1台のみ図示しているが、動画像提供サーバ100は複数の情報端末200と相互に通信することができる。
【0019】
実施の形態に係る動画像提供サーバ100の運用者(以下、単に「運用者」と記載する。)は、ユーザ10自身又はユーザ10の家族や知人等を被写体に含む静止画像12である写真を撮影し、ユーザ10に販売するサービスを提供している。ユーザ10が運営者から購入する静止画像12の被写体は必ずしもユーザ10自身とは限らないが、以下説明の便宜上、運用者が販売のためにユーザ10に公開する写真の被写体はユーザ10自身であることを前提に説明する。
運用者はまた、静止画像12と画角を共有する動画像14(例えば、静止画像12と同一画角の動画像14)を撮影してユーザ10に販売するサービスも提供している。より具体的には、運用者がユーザ10に提供するサービスは、
図1内及び以下に示す(1)から(11)までの11のステップを含む。
【0020】
(1)運用者は、撮影機器20を用いてユーザ10を被写体に含む動画像14を撮影し、その動画像14の撮影中に少なくともいずれか1回のタイミングで静止画像12を撮影する。撮影された静止画像12と動画像14とは、互いに関連付けられて記憶部30に格納される。限定はしないが、一例として、撮影機器20は動画像も撮影できるデジタルカメラである。あるいは、撮影機器20は静止画像12も撮影できるデジタルビデオカメラであってもよい。
(2)動画像提供サーバ100は、記憶部30が記憶している静止画像12を、ネットワーク40を介して閲覧及び選択可能な態様でユーザ10が使用する情報端末200に提供する。この意味で、動画像提供サーバ100はウェブサーバとして機能する。
【0021】
(3)ユーザ10は情報端末200が実行するウェブブラウザを用いて、動画像提供サーバ100が提供する静止画像12を選択し購入する。この意味で動画像提供サーバ100は決済サーバとしても機能する。なお動画像提供サーバ100が決済サーバとして機能する代わりに、動画像提供サーバ100はネットワーク40を介して図示しない決済サーバと接続し、決済処理を実行するようにしてもよい。
(4)動画像提供サーバ100は、ユーザ10が購入した静止画像12を記憶部30から写真出力機50に出力し、写真出力機50にプリントさせる。写真出力機50は、例えば既知のデジタルミニラボ機を用いて実現できる。
【0022】
(5)運用者は、写真出力機50が印刷した写真60をユーザ10に送付する。運用者はまた、ユーザ10が購入した写真60の元データである静止画像12のそれぞれを識別するための識別情報62を含む写真プリントもユーザ10に送付する。識別情報62は、それよって特定される静止画像12に関連付けられた動画像14を試聴するために用いられるため、以下本明細書において識別情報62を含む写真プリントを「動画試聴用プリント」と記載する。識別情報62は、ユーザ10が受け取った写真を特定するための情報であり、例えばQRコード(登録商標)である。なお、動画試聴用プリントも写真出力機50でプリントされることから、写真60の一種である。
【0023】
(6)ユーザ10は、所望の写真60を特定するための識別情報62を、動画試聴用プリントから情報端末200に取得させる。詳細は後述するが、情報端末200は専用のアプリケーションソフト(以下、「動画アプリ」と記載する。)を実行することにより、識別情報62を取得する。ユーザ10はこの動画アプリは、ネットワーク40を介して動画アプリをダウンロードするためのサイト(不図示)からダウンロードすることができる。
【0024】
(7)情報端末200は、取得した識別情報62を、ネットワーク40を介して動画像提供サーバ100に送信する。
(8)動画像提供サーバ100は、情報端末200から受信した識別情報62で特定される静止画像12に関連付けられている動画像14を記憶部30から読み出す。
(9)動画像提供サーバ100は、記憶部30から読み出した動画像14を、ネットワーク40を介してユーザ10の情報端末200に送信する。なおこの動画像14は、ユーザ10が正式に動画像を購入するか否かを決めるために閲覧することが想定されている試聴用の動画像である。この動画像14は、識別情報62を取得した動画アプリにおいて表示されるように構成されている。したがって、ユーザ10は識別情報62を取得した動画アプリ内においてのみ、動画像14を表示させることができる。
【0025】
(10)ユーザ10は、試聴用の動画像14のオリジナルデータの購入を希望する場合、動画像提供サーバ100に動画像の購入を指示する。
(11)動画像提供サーバ100は決済処理を実行した後、該当する動画像を、ネットワーク40を介してユーザ10の情報端末200に送信する。
【0026】
このように、実施の形態に係る動画像提供システム1によれば、ユーザ10は購入した静止画像12と同時期に撮影された動画像であって、静止画像12と画角を共有する動画像14を取得することができる。
また運用者は、ユーザ10が正式に動画像を購入するか否かを決めるために提供する試聴用の動画像14を、特定のアプリケーション内においてのみ表示できるような態様で提供するため、試聴用の動画像14が不正に入手されることを抑制できる。
以下、実施の形態に係る動画像提供システム1についてより詳細に説明する。
【0027】
<動画像提供サーバ及び情報端末の機能構成>
図2は、実施の形態に係る動画像提供サーバ100及び情報端末200の機能構成を模式的に示す図である。動画像提供サーバ100は、画像管理部110、情報受信部120、及び提供部130を備える。また情報端末200は、識別情報取得部210、撮像素子220、送信部230、表示部240、及び受信部250を備える。
【0028】
図2は、実施の形態に係る動画像提供サーバ100及び情報端末200を実現するための機能構成を示しており、その他の構成は省略している。
図2において、さまざまな処理を行う機能ブロックとして記載される各要素は、ハードウェア的には、動画像提供サーバ100又は情報端末200がそれぞれ備えるCPU(Central Processing Unit)、メインメモリ、その他のLSI(Large Scale Integration)で構成することができる。またソフトウェア的には、動画像提供サーバ100又は情報端末200のそれぞれのメインメモリにロードされたプログラム等によって実現される。したがってこれらの機能ブロックが、動画像提供サーバ100又は情報端末200の計算リソースによっていろいろな形で実現できることは当業者には理解されるところであり、いずれかに限定されるものではない。
【0029】
限定はしないが、一例として、動画像提供サーバ100は既知のメインフレームやクラウドサーバを用いて実現できる。また情報端末200は、既知のスマートフォン、タブレットPC(Personal Computer)、ファブレット、ノートPC、デスクトップPC、携帯ゲーム機、時計型やメガネ型等のウェアラブルコンピュータ等である。
【0030】
画像管理部110は、撮影機器20が撮影した静止画像12と、静止画像12と画角を共有する動画像14とを関連付けて記憶部30に記憶させる。画像管理部110はまた、静止画像12を特定する識別情報62に基づいて、識別情報62で特定される静止画像12と、その静止画像12に関連付けられている動画像14とを記憶部30から読み出す。
【0031】
情報受信部120は、静止画像12を特定するための識別情報62を、ネットワーク40を介して情報端末200から受信する。画像管理部110は、識別情報62で特定される静止画像12に関連付けられた動画像14を記憶部30から読み出す。提供部130は、画像管理部110が記憶部30から読み出した動画像14を、ネットワーク40を介して情報端末200に提供する。
【0032】
ここで、画像管理部110が記憶部30に記憶させる静止画像12は、その静止画像12に関連付けられている動画像14を撮影した撮影機器20で撮影されている。この撮影機器20は、静止画像12が撮影された時刻を、静止画像ファイルのヘッダ部分にメタデータとして格納する。撮影機器20はまた、動画像14が撮影された時間帯を、動画像ファイルのヘッダ部分にメタデータとして格納する。画像管理部110は、静止画像12が撮影された撮影時刻と、動画像14が撮影された撮影時間帯とを、それぞれ静止画像12と動画像14とに関連付けて記憶部30に記憶させる。
【0033】
図3は、実施の形態に係る撮影機器20が撮影する静止画像12の撮影時刻と動画像14の撮影時間帯との関係を模式的に示す図である。
図3において、矢印は時間の流れを示している。
図3は、撮影機器20が時刻T1において第1動画像14aの撮影を開始し、時刻T3において第1動画像14aの撮影を終了したことを示している。同様に、
図3は、時刻T4において第2動画像14bの撮影を開始し、時刻T6において第2動画像14bの撮影を終了したことを示している。
【0034】
図3はさらに、時刻T1と時刻T3との間の時間帯に含まれる時刻T2において、撮影機器20が第1静止画像12aを撮影したことを示している。同様に、時刻T4と時刻T6との間の時間帯に含まれる時刻T5において、撮影機器20が第2静止画像12bを撮影したことを示している。
図3は、時刻T2は時刻T1と時刻T3とのちょうど中間の時刻であり、時刻T5は時刻T4と時刻T6とのちょうど中間の時刻である場合の例を示している。これはすなわち、第1動画像14aは、第1静止画像12aが撮影された時刻T2を含み、その前後の時間帯の映像が撮影された動画像であることを意味する。同様に、第2動画像14bは、第2静止画像12bが撮影された時刻T2を含み、その前後の時間帯の映像が撮影された動画像である。
【0035】
限定はしないが、一例として、第1動画像14aと第2動画像14bとのそれぞれの撮影時間は共に20秒である。この場合、第1動画像14aは、第1静止画像12aの撮影時刻の前後10秒間を撮影した動画像ということになる。同様に、第2動画像14bは、第2静止画像12bの撮影時刻の前後10秒間を撮影した動画像である。画像管理部110は、第1静止画像12aと第1動画像14aとを関連付け、また第2静止画像12bと第2動画像14bとを関連付けて記憶部30に記憶させる。
【0036】
例えば第1静止画像12aの写真プリントを取得したユーザ10が、情報端末200を用いて第1静止画像12aを特定するための識別情報62を動画像提供サーバ100に送信したとする。この場合、提供部130は、第1静止画像12aに関連付けられている第1動画像14aの試聴用動画像を、ユーザ10の情報端末200に送信する。これにより、ユーザ10は第1静止画像12aが撮影された時刻T2の前後の状況を、第1動画像14aの試聴用動画像によって確認することができる。
【0037】
実施の形態に係る撮影機器20で撮影された静止画像12と動画像14とは画角を共有する。また、提供部130は、静止画像12の撮影時刻を撮影時間帯に含む動画像14を、ユーザ10の情報端末200に提供する。このため、ユーザ10は静止画像12を見た直後に動画像14を見ても両者の間で画角及び撮影の時間帯がずれていないため、違和感なく動画像14を試聴することができる。
【0038】
図4は、実施の形態に係る記憶部30が格納するデータのデータ構造を模式的に示す図である。画像管理部110は、運用者の顧客である複数のユーザ10をそれぞれ一意に特定するためのユーザ識別子を、各ユーザ10に割り当てて記憶部30に記憶させている。画像管理部110はまた、複数の静止画像12のそれぞれを一意に特定するための静止画像識別子を、各静止画像12に割り当てて記憶部30に記憶させている。同様に、画像管理部110は複数の動画像14のそれぞれを一意に特定するための動画像識別子を、各動画像14に割り当てて記憶部30に記憶させている。画像管理部110はさらに、各静止画像12を撮影した撮影者を一意に特定するための撮影者識別子を、各静止画像識別子に関連付けて記憶部30に記憶させている。
【0039】
図4は、ユーザ識別子がUID00001であるユーザ10に紐付けられているデータのデータ構造を示している。例えばユーザ識別子がUID00001であるユーザ10には、静止画像識別子がSID00001で特定される静止画像12が関連付けられている。静止画像識別子がSID00001で特定される静止画像12には、動画像識別子がMID00001で特定される動画像14が関連付けられている。また、静止画像識別子がSID00001で特定される静止画像12を撮影した撮影者は、撮影者識別子がCID00003で特定される。
【0040】
画像管理部110は、
図4に示すように、静止画像12の撮影時刻と動画像14の撮影時間帯とも、それぞれ静止画像12に関連付けて記憶部30に記憶させている。例えば
図4に示す例では、静止画像識別子がSID00001で特定される静止画像12の撮影時刻が2015年1月23日午後4時56分07秒であることを示している。またその静止画像12に関連付けられている動画像14の撮影時間帯が、静止画像12の撮影時刻の前後10秒である同日午後4時55分57秒から午後4時56分17秒までであることを示している。このように、静止画像12の撮影時刻は、その静止画像12に関連付けられている動画像14の撮影時間帯に含まれる。
なお、
図5に示すデータ構造における広告動画識別子については後述する。
【0041】
図2の説明に戻り、情報端末200の機能構成について説明する。
情報端末200の撮像素子220は、静止画像及び動画像を撮影することができる。撮像素子220は、例えばCCD(Charge-Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の既知の固体撮像素子である。
【0042】
識別情報取得部210は、撮像素子220を用いて動画試聴用プリントを被写体に含む画像を撮影する。上述したように、動画試聴用プリントはユーザ10が運用者から静止画像12を購入したときに取得したプリントであり、その静止画像12を特定するための識別情報62が含まれるプリントである。
【0043】
表示部240は、撮像素子220が撮影した画像を表示する。表示部240は、情報端末200に備えられているか、あるいは情報端末200に接続されている表示画面である。表示部240は、例えば液晶パネルや有機EL(Electro-Luminescence)パネル等の既知の表示装置である。
【0044】
識別情報取得部210は、撮像素子220が撮影した画像から、その画像に被写体として含まれる静止画像12を特定するための識別情報62を取得する。例えば識別情報62がQRコードを用いて実現されている場合には、識別情報取得部210は撮像素子220が撮影した画像からQRコードを検出して識別情報62を取得する。
【0045】
送信部230は、識別情報取得部210が取得した識別情報62を、ネットワーク40を介して動画像提供サーバ100に送信する。動画像提供サーバ100の情報受信部120は、撮像素子220が撮影した画像から動画アプリが取得した識別情報62を受信する。提供部130は、動画アプリの表示画面において表示されるように構成された動画像14を情報端末200に提供する。受信部250は、ネットワーク40を介して動画像提供サーバ100から動画像14を受信する。送信部230及び受信部250は、例えば既知の無線LAN(Local Area Network)モジュールを用いて実現できる。
【0046】
表示部240は、表示画面に表示された画像において静止画像12が表示されている領域に、受信部250が動画像提供サーバ100から受信した動画像14を重ねて表示する。
図5は、実施の形態に係る表示部240が表示する動画アプリの表示画面の一例を示す図である。より具体的には、
図5は、情報端末200のユーザ10が情報端末200で動画アプリを起動して動画試聴用プリントである写真60を撮影した場合における表示部240の表示画面を示している。受信部250が識別情報62で特定される静止画像12に関連付けられた動画像14を受信すると、表示部240は動画再生用の操作パネル242を表示画面に表示する。
図5に示すように操作パネル242は、動画像14の再生、停止、スキップ等の操作をするためのアイコンや、動画像14の進捗状況を示すバー等が表示されている。
【0047】
表示部240は、撮像素子220が動画試聴用プリントの撮影を開始してから受信部250が動画像14を受信するまでの間は、撮像素子220が撮影している画像を表示画面に表示する。受信部250が動画像提供サーバ100から動画像14を受信した後、ユーザ10が操作パネル242を操作して動画像14の再生を指示すると、表示部240は撮像素子220が撮影している画像をフェードアウトさせるとともに、動画像14をフェードインして再生する。ユーザ10には、静止画像12が表示されていた領域に重ねて、それと関連する動画像14が表示されるように観察される。表示部240はまた、動画像14の再生が終了した場合、動画像14を再生した領域に再び静止画像12を表示させてもよい。表示部240によるこれらの演出は、例えば動画アプリが既知のAR(Augumented Reality)技術を実行することにより実現できる。
【0048】
<広告動画の表示>
以上、実施の形態に係る情報端末200において、静止画像12と画角を共有し、静止画像12の撮影時刻を撮影時間帯に含む動画像14を再生する場合について説明した。ここで、ユーザ10が動画像14を正式に購入する前に動画像提供サーバ100から提供される動画像14は、ユーザ10が動画像14を購入するか否かを決定するために提供される試聴用のサンプル動画であり、運用者がユーザ10にサービスとして無料で提供するものである。そこで運用者は、ユーザ10にサンプル動画を無料で提供することの条件として、ユーザ10の情報端末200に広告動画を表示させてもよい。
【0049】
このため
図4に示すように、画像管理部110は、ユーザ10毎に紐付けている各静止画像識別子に、広告動画を特定するための広告動画識別子を関連付けて記憶部30に記憶させている。情報受信部120が情報端末200から識別情報62を受信した場合、提供部130は動画像14に加えて広告動画を情報端末200に提供する。
ここで静止画像12に関連付けられている広告動画の内容はどのようなものであってもよい。例えば運用者が提供する商品やサービスを示す動画であってもよいし、運用者とは異なる第三者が提供する商品やサービスを示す動画であってもよい。
【0050】
なお、上述した情報端末200の各機能は、情報端末200のCPUがメインメモリにロードした動画アプリを実行することによって実現される。
【0051】
<動画像提供システム1における動画像提供サービスのシーケンス図>
図6は、実施の形態に係る動画像提供システム1における動画像提供サービスの流れを説明するためのシーケンス図である。
動画像提供サーバ100の画像管理部110は、撮影機器20が撮影した静止画像12に動画像14を関連付けて記憶部30に記憶させる(S2)。動画像提供サーバ100の提供部130は、記憶部30に記憶されている静止画像12の一覧を、ネットワーク40を介してユーザ10の情報端末200に公開する(S4)。
【0052】
ユーザ10は、動画像提供サーバ100の提供部130が公開した静止画像12の一覧を、情報端末200を用いて閲覧する(S6)。ユーザ10は、静止画像12の一覧の中から、購入する静止画像12を決めて購入を申し込む(S8)。
【0053】
動画像提供サーバ100の決済処理部(不図示)は、ユーザ10から静止画像12の購入の申し込みを受け付けて決済処理をする(S10)。提供部130は、ユーザ10から購入の申し込みのあった静止画像12を記憶部30から読み出して、写真出力機50に出力しプリントさせる(S12)。提供部130はまた、ユーザ10が購入した静止画像12を特定する識別情報62を含む動画試聴用プリントをプリントする(S14)。運用者は、写真出力機50が出力したプリントをユーザ10に送付する(S16)。
【0054】
ユーザ10は、運用者から送付されたプリントを受け取る(S18)。ユーザ10は、情報端末200で動画アプリを実行し、情報端末200の撮像素子220で動画試聴用プリントを撮影する(S20)。情報端末200の送信部230は、識別情報取得部210が動画試聴用プリントから取得した識別情報62を、ネットワーク40を介して動画像提供サーバ100に送信する(S22)。
【0055】
動画像提供サーバ100の情報受信部120は、情報端末200から識別情報62を受信する(S24)。提供部130は、識別情報62で特定される静止画像12に関連付けられている試聴用の動画像14を、ネットワーク40を介して情報端末200に提供する(S26)。情報端末200の表示部240は、受信部250が受信した試聴用の動画像14を表示する(S28)。ユーザ10は、動画像14を試聴し、その動画像14のオリジナル動画像の購入を申し込む(S30)。
【0056】
動画像提供サーバ100の決済処理部は、ユーザ10から動画像14の購入の申し込みを受け付けて決済処理をする(S32)。提供部130は、ユーザ10から購入の申し込みのあった動画像14のファイルを記憶部30から読み出して、ネットワーク40を介して情報端末200に提供する(S34)。ユーザ10は、ネットワーク40を介して動画像提供サーバ100から動画ファイルを情報端末200にダウンロードすることにより、購入の申し込みをした動画像14を入手する(S36)。
【0057】
以上説明したように、実施の形態に係る動画像提供システム1によれば、静止画像に関連する動画像を簡便に提供する技術を提供できる。
特に、画像管理部110が静止画像12に関連付けて記憶部30に記憶させる動画像14は、その画角を静止画像12と共有している。また画像管理部110が静止画像12に関連付けて記憶部30に記憶させる動画像14は、その撮影時間帯が静止画像12の撮影時刻を含んでいる。このため、静止画像12を観察したユーザ10が直後に動画像14を閲覧しても、静止画像12と画角がずれることでユーザ10に与える違和感を抑制することができる。
【0058】
さらに、動画像提供サーバ100の提供部130がユーザ10の情報端末200に提供する動画像14は、その動画像14が関連付けられている静止画像12を特定するための識別情報62を抽出するための動画アプリにおいて表示されるように構成されている。このため、ユーザ10は情報端末200で動画アプリを実行させて動画試聴用プリントを撮影すれば、そのままその動画アプリ上で動画像14を閲覧することができる。動画を閲覧するために情報端末200に実行させるアプリを切り替える等の手間が省略できるため、動画像14の閲覧のためのユーザビリティを向上することができる。動画像14の提供者である運用者にとっては、動画像14の閲覧が動画アプリに限定できるので、試聴用の動画像14が不正に入手されることを抑制できる。
【0059】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。以下そのような変形例を説明する。
【0060】
<第1の変形例>
上記では、静止画像12を撮影する撮影機器20と、動画像14を撮影する撮影機器20とが同一の場合について説明した。しかしながら、静止画像12と動画像14との画角が共有されていれば、静止画像12と動画像14とはそれぞれ異なる機材で撮影されてもよい。
図7(a)−(b)は、実施の形態の第1の変形例に係る撮影機器20を示す図である。より具体的には、
図7(a)は第1の変形例に係る撮影機器20の外観を模式的に示す図であり、
図7(b)は第1の変形例に係る撮影機器20の使用例を示す図である。
【0061】
図7(a)に示すように、第1の変形例に係る撮影機器20は、スチルカメラ21と、動画カメラ23と、スチルカメラ21と動画カメラ23とを連結する連結部材22とを備える。連結部材22は、動画カメラ23の画角を調製するために、動画カメラ23を取り付けた状態で動画カメラ23の向きが調整可能な調整部(不図示)を備える。
【0062】
図7(b)に示すように、第1の変形例に係る撮影機器20を用いて実際にテスト撮影することにより、第1の変形例に係る撮影機器20の使用者は、スチルカメラ21の画角と動画カメラ23の画角とをあらかじめ一致させておくことができる。使用者は、自身が使い慣れた既存のスチルカメラ21と動画カメラ23を用いて画角を共有する静止画像12及び動画像14を撮影することができる点で効果がある。
【0063】
<第2の変形例>
上記では、運用者は動画試聴用プリントを写真出力機50で出力してユーザ10に送付する場合について説明した。これに代えて、あるいはこれに加えて、運用者は動画試聴用の電子画像を、ネットワーク40を介してユーザ10に送付してもよい。これは例えば提供部130が、ユーザ10が購入の申し込みをした静止画像12を特定するための識別情報62を含む動画試聴用の電子画像を、ユーザ10のみがログインできるウェブサイト上に公開してもよい。この場合、ユーザ10は写真60である動画試聴用プリントに代えて、PCのモニタ等に表示された動画試聴用の電子画像を情報端末200で撮影することにより、動画像14を取得できる。動画試聴用プリントを郵送する場合と比較して、ユーザ10が画試聴用の電子画像を短期間で入手できる点で効果がある。
【0064】
<第3の変形例>
上記では、動画試聴用プリントに含まれる識別情報62がQRコード等の識別子である場合について主に説明した。しかしながら、識別情報62はユーザ10によって認識できる態様でなくてもよい。例えば静止画像12を特定する静止画像識別子を既知の電子透かし技術によって静止画像12に埋め込むことにより、識別情報62を実現してもよい。あるいは、識別情報取得部210が、例えば既知のパターンマッチング等の画像認識技術を用いて同一物判定をすることにより静止画像12を特定してもよい。この場合、識別情報取得部210が実行するパターンマッチング技術の出力結果が、識別情報62となる。識別情報取得部210がパターンマッチング技術を用いて静止画像12を特定する場合、動画試聴用プリントを省略できる点で効果がある。
【0065】
さらに、パターンマッチング技術とQRコード等の識別子とを併用してもよい。例えば動画像提供サーバ100の提供部130は、ユーザ10から取得した静止画像12の購入の申し込みを単位としてQRコードを発行してもよい。例えば、ユーザ10から1度に10枚の静止画像12の購入の申し込みがあった場合、各静止画像12に関する動画試聴用プリントには、同一のQRコードを付す。情報端末200は、動画試聴用プリントに付されたQRコードが示す情報と、動画試聴用プリントにパターンマッチング技術を施して得られた出力結果とを合わせた情報を識別情報62として動画像提供サーバ100に送信する。これにより、パターンマッチング技術による分類ないし同一物判定の対象が限定されるため、パターンマッチングの精度を向上することができる点で効果がある。
【0066】
<第4の変形例>
上記では、静止画像12の撮影時刻は、その静止画像12に関連付けられている動画像14の撮影時間帯の中間の時刻である場合について主に説明した。しかしながら、静止画像12の撮影時刻は、その静止画像12に関連付けられている動画像14の撮影時間帯に含まれていればよく、その中間の時刻には限定されない。
例えば静止画像12が徒競走のゴールシーンを撮影した画像である場合は、静止画像12の撮影時刻は、その静止画像12に関連付けられている動画像14の撮影時間帯の末尾であってもよい。この場合、動画像14は静止画像12の撮影時刻に対して過去の動画像となる。ユーザ10は、徒競走のゴールシーンに至る過程を動画像14で確認することができる。
【0067】
別の例としては、例えば静止画像12が走り幅跳びの踏切の瞬間を撮影した画像である場合には、静止画像12の撮影時刻は、その静止画像12に関連付けられている動画像14の撮影時間帯の先頭であってもよい。この場合、動画像14は静止画像12の撮影時刻に対して未来の動画像となる。ユーザ10は、走り幅跳びの踏切後に被写体がどれくらい飛ぶことができたのかを動画像14で確認することができる。
【0068】
ここで例えば静止画像12が50m走のゴールシーンである場合には、動画像14の長さを10秒とすれば、50m走のスタートからゴールまでをカバーできると考えられる。また、静止画像12が走り幅跳びの踏切の瞬間を撮影した画像である場合には、踏切から着地までをカバーするために動画像14の長さを5秒程度とすれば足りると考えられる。このように、静止画像12の撮影時刻が、その静止画像12に関連付けられている動画像14の撮影時間帯の中でどの時刻にするかは、静止画像12の被写体や撮影シーンを考慮して定めればよい。また、動画像14をどのような長さにするかも、静止画像12の被写体や撮影シーンを考慮して定めればよい。