(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
原子力発電所に用いる燃料棒の製造および再処理工程中に生じる放射性粒子を除去し周辺環境を保全する観点から粒子除去用フィルタ装置が用いられている。放射性粒子を除去した粒子除去用フィルタは捕集された放射性粒子により線量が高くなるので、フィルタそのものが汚染物となりうる。そのため、放射性粒子の除去に用いるフィルタにはセルフコンテインド型と称する密封交換型の構造の箱型フィルタ装置が用いられる。しかし、フィルタ交換作業の際には、フィルタあるいはフィルタに接続される配管から周辺に放射性汚染物が飛散する可能性がある。そこで、箱型フィルタ装置においては、フィルタを密封したままで交換できることが要求される。このようなフィルタ装置では、ビニールバッグで密封しながら、フィルタを交換することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示された発明では、フィルタ2のハウジング1の側部にフィルタ2交換用のバッグ取付口6を備え、バッグ取付口6にバッグ5を取り付けて、バッグ取付口6の開口部からフィルタ2を交換する。
【0004】
また、箱型フィルタ装置では、スライドスリーブ(以降、単に「スリーブ」という)を介して配管と接続されるタイプのものが用いられるようになってきている。スリーブはフィルタハウジングと配管との間に位置し、配管内に収納されるようにスライドする。そしてフィルタハウジングと配管との間は、スリーブを覆うビニールバッグで密封する。スリーブは、運転時に圧力境界となるビニールバッグが管内負圧において萎まないように形状を保持し、流路を確保する。フィルタ交換時は、配管内にスリーブを収納し、フィルタ両端で、フィルタハウジングと配管との間でスリーブを覆って取り付けられたビニールバッグを周方向に溶着し、溶着した箇所で切断することで、フィルタハウジングおよび配管を密閉して、汚染物の漏洩を防止する封じ込めを行い、フィルタを交換する。この封じ込めによるフィルタ交換は、放射性汚染物のほかアスベストなどのように大気への放出を防止する必要のある汚染物用フィルタにも用いられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のようなスリーブを用いる箱型フィルタ装置においては、スリーブは負圧管内でのビニールバッグの形状維持のため用いられるものであり、固着されず配管に対して自由に動く。そのために地震などの振動により配管と外れる可能性がある。そして、スリーブを配管内へ容易に移動させるために、配管内側とスリーブ外周の間に約1.5〜2.0mm程度の隙間があり、圧力境界として機能するものではない。
【0007】
そこで本発明は、地震などの振動を受けても、スリーブがスライドせず、配管と外れることのない箱型フィルタ装置を提供することを課題とする。さらに、圧力境界として機能するスリーブを有する箱型フィルタ装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る箱型フィルタ装置は、たとえば
図1〜
図3に示すように、固定設置される中空状のハウジング10であって、濾過する気体を導入または濾過した気体を排出するハウジングノズル30を有するハウジング10と、ハウジング10内に配置されるフィルタ12と、ハウジングノズル30に挿入されるスリーブ70であって、ハウジングノズル30に挿入される端部70aと反対側の端部70bに少なくとも1つのボールプランジャー72が半径方向外向きに突出するスリーブ70と、スリーブ70が挿入される配管ノズル50であって、スリーブ70の突出するボールプランジャー72が通過する溝53が、配管ノズル50の内面に周方向に向けて形成され、周方向に形成された溝53の一端53a側に溝53の深さを浅くするラッチ54が形成され、スリーブ70をボールプランジャー72がラッチ54を越えるまで配管ノズル50に対して回転させることにより、ボールプランジャー72がラッチ54と溝の一端53aとに挟まれてスリーブ70の配管ノズル50に対する周方向の回転が防止され、周方向に形成された溝53の他端53bからスリーブ70が挿入される端50aから離れる向きにボールプランジャー72が通過する溝52が形成される、配管ノズル50とを備える。
【0009】
このように構成すると、スリーブのボールプランジャーが配管ノズルの溝に入りラッチと溝の一端とにより挟まれてスリーブが配管ノズルに対して動かないので、スリーブを固着することができる。すなわち、地震等で振動しても、スリーブがスライドすることがなく、配管ノズル、あるいは、配管から外れることがない。また、フィルタ取り換え時には、ボールプランジャーがラッチを越えられるような力でスリーブを回転し、その後にボールプランジャーがスリーブが挿入される端から離れる向きの溝を通過するようにスリーブを配管ノズル側にスライドすることにより、スリーブを配管ノズルに収納し、フィルタを交換することができる。
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明の第2の態様に係る箱型フィルタ装置は、固定設置される中空状のハウジングであって、濾過する気体を導入または濾過した気体を排出するハウジングノズルと、前記ハウジング内に配置されるフィルタと、前記ハウジングノズルに挿入されるスリーブと、前記スリーブが挿入される配管ノズルであって、前記スリーブが挿入される端部に少なくとも1つのボールプランジャーが半径方向内向きに突出する配管ノズルとを備え、前記スリーブは、前記配管ノズルの突出するボールプランジャーが通過する溝が、該スリーブの外面に周方向に向けて形成され、周方向に形成された溝の一端側に溝の深さを浅くするラッチが形成され、該スリーブを前記配管ノズルの前記ボールプランジャーが前記ラッチを越えるまで前記配管ノズルに対して回転させることにより、前記ボールプランジャーが前記ラッチと前記溝の一端とに挟まれて該スリーブの前記配管ノズルに対する周方向の回転が防止され、前記周方向に形成された溝の他端から前記配管ノズルに挿入される端部から離れる向きに前記ボールプランジャーが通過する溝が形成される。
【0011】
このようにボールプランジャーを配管ノズルの内面に、ボールプランジャーが通過する溝をスリーブの外周に形成しても、第1の態様と同様の作用を実現することができる。
【0012】
本発明の第3の態様に係る箱型フィルタ装置は、たとえば
図1に示すように、第1または第2の態様の箱型フィルタ装置1において、ハウジング10が濾過する気体を導入する入口ハウジングノズル20と濾過した気体を排出する出口ハウジングノズル30とを有し、前記スリーブであって、入口ハウジングノズル20に挿入される入口スリーブ60と、前記スリーブであって、出口ハウジングノズル30に挿入される出口スリーブ70と、前記配管ノズルであって、入口スリーブ60が挿入される入口配管ノズル40と、前記配管ノズルであって、出口スリーブ70が挿入される出口配管ノズル50とを備える。
【0013】
このように構成すると、濾過気体の入り口側でも出口側でもフィルタ交換時にはスリーブを配管ノズルに収納でき、かつ、スリーブが固着された箱型フィルタ装置となる。
【0014】
本発明の第4の態様に係る箱型フィルタ装置は、たとえば
図2および
図3に示すように、第1または第2の態様の箱型フィルタ装置1において、スリーブ70がハウジングノズル30に挿入される端部70aと配管ノズル50に挿入される端部70bとにシール部材76、56をさらに備える。
【0015】
このように構成すると、スリーブとハウジングノズルの間およびスリーブと配管ノズルの間にシール部材を備えるので、スリーブとの間が気密になり、スリーブが圧力境界として機能する。
【0016】
本発明の第5の態様に係る箱型フィルタ装置は、たとえば
図5〜
図7に示すように スリーブ71がハウジングノズル31に挿入される端部71aと配管ノズル51に挿入される端部71bとに凸部71cを有し、ハウジングノズル31が凸部71cと嵌合する凹部31cを有し、配管ノズル51が凸部71cと嵌合する凹部51cを有し、凸部71cと凹部31c、51cとが嵌合することによりシールを形成する。
【0017】
このように構成すると、スリーブとハウジングノズルの間およびスリーブと配管ノズルの間で凸部と凹部が嵌合してシールを形成するので、スリーブとの間が気密になり、スリーブが圧力境界として機能する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、スリーブのボールプランジャーが配管ノズルの溝に入りラッチと溝の一端とにより挟まれてスリーブが配管ノズルに対して動かないので、地震などの振動を受けても、スリーブがスライドせず、配管と外れることのない箱型フィルタ装置を提供することができる。
【0019】
また、スリーブとハウジングノズルの間およびスリーブと配管ノズルの間にシール部材を備えるので、あるいは、スリーブとハウジングノズルの間およびスリーブと配管ノズルの間で凸部と凹部が嵌合してシールを形成するので、圧力境界として機能するスリーブを有する箱型フィルタ装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において、互いに同一または相当する装置には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
図1は、本発明の一実施の形態としての箱型フィルタ装置1の側面図を示す。濾過される気体は矢印で示されるように、
図1において左側から右側へ流れる。
【0022】
箱型フィルタ装置1は、入口ハウジングノズル20と出口ハウジングノズル30を有するハウジング10と、ハウジング10の内部に収容されるフィルタ12と、上流側の配管に接続される入口配管ノズル40と、下流側の配管に接続される出口配管ノズル50と、入口ハウジングノズル20と入口配管ノズル40の間に設置される入口スリーブ60と、出口ハウジングノズル30と出口配管ノズル50の間に設置される出口スリーブ70とを備える。
【0023】
ハウジング10は、中空の容器であり、直方体形状を有する。なお、ハウジング10の形状は直方体には限定されず、円筒体、楕円筒台など任意である。ハウジング10の形状に関わらず、ハウジング10でフィルタ12を密封するタイプのフィルタを箱型フィルタ装置1と称する。ハウジング10は、ブラケット14を介してボルト等により架台(不図示)に固定される。ハウジング10の内部にフィルタ12が配置される。フィルタ12については、公知のフィルタでよいので、詳細な説明は省略する。
【0024】
ハウジング10は、濾過する気体をハウジング10内に導入するための入口ハウジングノズル20と濾過した気体をハウジング10内から排出するための出口ハウジングノズル30を有する。入口ハウジングノズル20と出口ハウジングノズル30は、典型的には、同一の構造を有し、ハウジング10の反対側の側面に設置される。ここでは、出口ハウジングノズル30について説明する。なお、ハウジングノズルという名称は、入口ハウジングノズル20、出口ハウジングノズル30のいずれかを意味する。
【0025】
出口ハウジングノズル30は、円筒形のノズルである。出口ハウジングノズル30の先端側(
図1の右側)の外周には、ゴムリング用の溝32が形成される。複数のゴムリング用の溝32が並んで形成されてもよい。溝32は、後述するフィルタの交換手順において、密封用の出口ビニールバッグ90を出口ハウジングノズル30に装着し、その外側からゴムリングを嵌めて、出口ハウジングノズル30と出口ビニールバッグ90との間を気密にするのに用いられる。出口ハウジングノズル30の内面は、滑らかに仕上げられ、後述の出口スリーブ70に装着されたOリング76(
図2参照)により気密を保ち易くされるのが好ましい。例えば、1000〜1500Paの加圧下または減圧下で気密が保てるようにする。
【0026】
次に、
図2を参照して、出口スリーブ70について説明する。なお、入口スリーブ60も同様の構造であるので、重複する説明は省略する。またスリーブという名称は、入口スリーブ60、出口スリーブ70のいずれかを意味する。
図2は、出口スリーブ70の側面図である。出口スリーブ70は、円筒形のスリーブである。出口スリーブ70の外径は、スライドされ易いように、出口ハウジングノズル30の内径および出口配管ノズル50の内径より小さく、たとえば0.5〜2.0mm小さく形成される。そこで、出口ハウジングノズル30に挿入される端部70aと、出口ハウジングノズル30に挿入される端部70aと反対側の、すなわち、出口配管ノズル50に挿入される端部70bでは、外径が若干大きくなされ、出口ハウジングノズル30の内面および出口配管ノズル50の内面との気密を保ち易くなされている。端部70aの外周には、シール部材としてのOリング76を装着するための溝74が形成される。端部70bの外面は、滑らかに仕上げられ、後述の出口配管ノズル50に装着されたOリング56(
図3参照)により気密を保ち易くされるのが好ましい。また、端部70bには、半径方向外向きに突出するようにボールプランジャー72が備えられる。ボールプランジャー72は、公知のボールプランジャーでよく、突出する部分が押されると引っ込み、押す力がなくなると元の高さに戻るものである。突出する部分は、丸く形成されるのが一般的であるが、形状は限定されない。ボールプランジャー72の数は、1つでも、複数でもよく、典型的には3つのボールプランジャー72を等間隔(中心角120°)で備える。
【0027】
図3を参照して、出口配管ノズル50について説明する。なお、入口配管ノズル40も同様の構造であるので、重複する説明は省略する。また配管ノズルという名称は、入口配管ノズル40、出口配管ノズル50のいずれかを意味する。
図3は、出口配管ノズル50の側面図であり、ボールプランジャー72が通過する溝52、53の1つを透視して示す。出口配管ノズル50は、円筒形のノズルである。出口配管ノズル50の一端にはフランジ59が形成され、濾過した気体が流れる配管(不図示)と固着される。配管は架台等により固定されており、よって、出口配管ノズル50も不動に固定される。出口配管ノズル50の先端、すなわち出口スリーブ70が挿入される端50a側(
図3の左側)の外周には、ゴムリング用の溝58が形成される。複数のゴムリング用の溝58が並んで形成されてもよい。溝58は、後述するフィルタの交換手順において、密封用の出口ビニールバッグ90を出口配管ノズル50に装着し、その外側からゴムリングを嵌めて、出口配管ノズル50と出口ビニールバッグ90との間を気密にするのに用いられる。出口配管ノズル50の内面には、出口スリーブ70の端部70bと気密に接触するシール部材としてのOリング56が装着される。
【0028】
出口配管ノズル50の内面には、さらにボールプランジャー72が通過するための溝52、53が形成される。溝53は周方向に向けて形成される。溝53の一端53a側に溝53の深さを浅くするラッチ54が形成される。すなわち、ラッチ54は溝53の底部に形成された凸部である。ラッチ54と一端53aとの間は、ボールプランジャー72が嵌まって動きにくくなる間隔である。溝53の長手方向における位置は、出口配管ノズル50の内面に装着されるOリング56よりもフランジ59側(
図3の右側)の位置であるが、先端50a(
図3の左側)に近いことが好ましい。溝53の他端53bは溝52に接続する。溝52は、溝53の他端53bからフランジ59側に向けて形成される。溝53は、軸と平行でなくても、また、直線でなくてもよい。溝53はフランジ59側の端まで形成されるのが好ましい。ボールプランジャー72を有する出口スリーブ70を出口配管ノズル50に組み付け易くなるからである。溝52、53は、ボールプランジャー72がガタつくことなく、溝52、53から外れることなく通過できる幅と深さを有する。
【0029】
次に、出口スリーブ70を出口配管ノズル50に固着し、また、収納する方法について説明する。なお、入口スリーブ60を入口配管ノズル40に固着し、収納するのも同じ方法である。出口スリーブ70を出口配管ノズル50に固着するには、先ず出口スリーブ70を出口配管ノズル50から先端50a方向(
図3の左側)に、ボールプランジャー72が溝52を通過するように引き出す。ボールプランジャー72が溝52の端、すなわち、溝53に当たるとそれ以上出口スリーブ70を引き出せなくなる。
【0030】
図4は、ボールプランジャー72が溝53に当たった状態を示す断面図である。この状態から、出口スリーブ70を出口配管ノズル50に対して周方向に回す。
図4の例では、ボールプランジャー72が溝53を通過するように出口スリーブ70を時計方向に回す。すると、ボールプランジャー72はラッチ54を通り超えて、溝53の一端53aに当たり、それ以上出口スリーブ70を回せなくなる。この位置が、出口スリーブ70を出口配管ノズル50に固着する位置である。すなわち、ボールプランジャー72は、ラッチ54と一端53aに挟まれて周方向に回転することができず、またボールプランジャー72は、溝53からずれることが出来ないので長手方向に動くことがない。このように、出口スリーブ70を出口配管ノズル50に固着することにより、地震などのために振動が作用しても、出口スリーブ70は、架台等に固定されている配管(不図示)に固着された出口配管ノズル50に固着されるので、移動することがない。なお、ラッチ54は、溝53の深さを浅くするもので、溝53の深さよりは低く、大きな力を加えれば、ボールプランジャー72がその分だけ引っ込んで通り越えられる。また、地震等により箱型フィルタ装置1に外力が作用しても、ハウジングは架台に固定され、出口配管ノズル50は配管に固着されており、出口スリーブ70を軸方向に回すための大きな力が生ずることはない。よって、出口スリーブ70が動いてしまうことが防止される。
【0031】
次にフィルタ交換の際に出口スリーブ70を出口配管ノズル50に収納する方法を説明する。出口スリーブ70を出口配管ノズル50に収納するためには、まず出口スリーブ70を出口配管ノズル50に対して周方向に回す。
図4の例では、ボールプランジャー72が溝53を通過するように出口スリーブ70を反時計方向に回す。すると、ボールプランジャー72はラッチ54を通り超えて、溝53の他端53bに当たり、それ以上出口スリーブ70を回せなくなる。すなわち、
図4に示すような状態となる。この位置から、ボールプランジャー72が溝52を通過するように、出口スリーブ70を出口配管ノズル50に深く入れていく。出口スリーブ70と出口ハウジングノズル30との間に、フィルタ交換をするのに十分な隙間が出来たら、そこで、出口スリーブ70の移動を終える。以上説明したように、本発明の箱型フィルタ装置1では、フィルタ交換時以外は、スリーブ60、70を配管ノズル40、50に固着し、地震等の振動が作用してもスリーブ60、70が動かず、スリーブ60、70が配管ノズル40、50あるいは配管から外れることがなく、フィルタ交換時には、容易にスリーブ60、70を配管ノズル40、50に収容して、ハウジングノズル20、30との間に間隙を設けることができる。
【0032】
出口ハウジングノズル30と出口スリーブ70の間および出口スリーブ70と出口配管ノズル50の間はOリング76、56で気密にされる。そのために、出口スリーブ70が圧力境界として機能する。同様に、入口スリーブ60も圧力境界として機能する。よって、従来の箱型フィルタ装置で行われていたビニールバッグでハウジングノズルと配管ノズルとを気密に繋ぐことは不要となる。なお、後述するように、ビニールバッグはフィルタ交換用には用いるが、フィルタ交換時以外はスリーブ60、70が圧力境界として機能するので、例えば地震時に小部品等が飛来して衝突した時などでも濾過する気体が流出することが防げる。よって、圧力境界としての信頼性が格段に高くなる。
【0033】
出口スリーブ70の移動により、Oリング76、56に傷が生ずる可能性もあり、Oリング76、56の交換が必要になることも予想される。Oリング76、56を交換するには、出口スリーブ70を出口配管ノズル50に組み付ける前に溝56にOリング56を装着し、出口スリーブ70を出口配管ノズル50に組み付けて引き出した状態で、溝74にOリング76を装着する。このようにOリング76、56を装着すると、装着が容易になり好ましい。なお、Oリング76は、ハウジングノズルの内面に装着してもよく、装着法は上記の方法には限られない。また、機密を保てるシール部材であれば、Oリングではなく、金属製リング、布入りゴムリング等でよく、特に限定されるものではない。
【0034】
次に、
図5〜7を参照して、シール部材を用いずにスリーブとハウジングノズルおよび配管ノズルの間にシールを形成する構成について説明する。他の構成は
図1〜4に示す箱型フィルタ装置1と同様なので、重複する説明は省略する。なお、出口側についてのみ説明するが、入口側も同様である。
図5は、内面に円周方向の凹部31cが形成された出口ハウジングノズル31の側面図で、内面の凹部31cをも透視して示す。
図6は、内面に円周方向の凹部51cが形成された出口配管ノズル51の側面図で、内面の凹部51cをも示す。
図7は、一端部71aと他端部71bの外周面に円周方向の凸部71cが形成された出口スリーブ71の側面図である。この出口スリーブ71の凸部71cは、凹部31cおよび凹部51cとぴったりと嵌まり合う大きさまたはそれより若干大きく形成され、かつ、凸部71cは、例えば薄板で形成され、弾性的にへこむようにされる。出口スリーブ71を出口ハウジングノズル31に挿入し、凸部71cが凹部31cにぴったりと嵌まることでシールが形成される。また、出口スリーブ71を出口配管ノズル51に挿入し、凸部71cが凹部51cにぴったりと嵌まることでシールが形成される。よって、出口スリーブ71は、出口スリーブ70と同様に圧力境界として機能する。
【0035】
なお、箱型フィルタ装置1では、シール部材を用いず、従来と同様にビニールバッグを圧力境界として用いることも可能である。この場合においても、地震等の振動を受けても、スリーブが移動せず、配管から外れることがないというメリットは得られる。
【0036】
これまでの説明では、ボールプランジャーをスリーブ外周に設置し、ボールプランジャーが通過する溝を配管ノズルの内面に形成するものとして説明したが、ボールプランジャーを配管ノズルの内面に設置し、ボールプランジャーが通過する溝をスリーブ外周に形成しても、同様の作用効果を得ることができる。
【0037】
また、これまでの説明では、箱型フィルタ装置1の入口側および出口側に、本発明によるハウジングノズル、配管ノズルおよびスリーブを用いるものとしたが、入口側または出口側の一方にのみ本発明によるハウジングノズル、配管ノズルおよびスリーブを用いても良い。すなわち、他方はスリーブを用いずに、ハウジングノズルと配管とがフランジで直接連結されても良い。
【0038】
次に
図8a〜
図8cを参照して、箱型フィルタ装置1のフィルタ12を交換する手順の一例について説明する。ここでは、出口側のハウジングノズル30、配管ノズル50およびスリーブ70を用いて説明するが、ハウジングノズル31、配管ノズル51およびスリーブ71でも同様であり、また入口側も同様である。
図8aに示すように、出口ビニールバッグ90は、出口ハウジングノズル30に被せられる。出口ビニールバッグ90を挟んでゴムリング用の溝32(
図1参照)にゴムリング93を嵌めることで、出口ハウジングノズル30との間を密封する。同様に、出口ビニールバッグ90は、出口配管ノズル50に被せられ、出口ビニールバッグ90を挟んでゴムリング用の溝58(
図3参照)にゴムリング95を嵌めることで、出口配管ノズル50との間を密封する。ここで、箱型フィルタ装置1では、フィルタ交換時にのみビニールバッグ90が必要となるので、出口ビニールバッグ90は、たとえばビニールシートを出口ハウジングノズル30、出口配管ノズル50および出口スリーブ70の回りを囲むように管状に成形して長手方向を溶着することにより形成してもよい。出口ビニールバッグ90には、出口スリーブ70を手で移動するのに便利な手袋90aが形成されるのが好ましい。なお、ゴムリング93、95は、ゴム製に限定されず、ポリ塩化ビニル等の弾性を有する高分子材料や、他の弾性を示す材料で形成されてもよい。
【0039】
手袋90aに手を入れて、出口スリーブ70を軸回りに回転させる。ボールプランジャー72(
図2参照)が溝53(
図3参照)を通過し、ラッチ54(
図3参照)を越えて溝の端53b(
図3参照)に当るところで、回転が止まる。ボールプランジャー72が通過する溝52(
図3参照)が溝の端53bから形成されている。ボールプランジャー72が溝52を通過するように出口スリーブ70を出口配管ノズル50内へと移動させる。これにより、出口ハウジングノズル30と出口スリーブ70との間に間隙が形成される。
【0040】
図8bに示すように、出口配管ノズル30と出口スリーブ70との間の間隙の位置で、ビニールバッグ90を3か所で溶着し、出口ハウジングノズル30側空間と出口配管ノズル50(出口スリーブ70)側空間とを遮断する。
図8bでは、斜線部で溶着部分を示す。3か所溶着された内の中央の溶着部でビニールバッグ90を切断する。よって、出口ハウジングノズル30側、すなわちフィルタ12側、および出口配管ノズル50側がそれぞれ密封された上で分離される。なお、溶着するのは3か所に限られず、2か所を溶着してその間を切断してもよく、1か所の幅を広く溶着してもよく、フィルタ12側および出口配管ノズル50側がそれぞれ密封された上で分離されればよい。
【0041】
図8cに示すように、入口ビニールバッグ80も同様にフィルタ12側および入口配管ノズル40側がそれぞれ密封された上で分離される。よって、ハウジング10およびフィルタ12が密閉される。そこで、ハウジング10をブラケット14(
図1参照)を介して架台に固定するボルトを外し、密閉されたハウジング10およびフィルタ12を取り外す。そして、入口ハウジングノズル20および出口ハウジングノズル30をビニールバッグ81、91で覆われた新しいハウジング10−1およびフィルタ12−1を架台に取り付ける。入口配管ノズル40内および出口配管ノズル50内のガスを大気に放出することなく、新しいハウジング10−1の入口ハウジングノズル20および出口ハウジングノズル30に、入口スリーブ60および出口スリーブ70を挿入して、入口配管ノズル40および出口配管ノズル50とハウジング10とをつなぐ手順は公知であるので、その説明は省略する。
【0042】
なお、フィルタの交換方法は上記の方法に限られない。箱型フィルタ装置1を室内空気の集塵に用いる場合には、ビニールバッグ等で密封することなく、スリーブ60、70をスライドさせて、ハウジング10およびフィルタ12を交換しても良い。
【0043】
本発明による箱型フィルタ装置によれば、ボールプランジャーが溝を通過し、そのためにスリーブを所定の長さだけハウジングノズルに挿入させることを容易にできる。また、ボールプランジャーを所定の動きにくい位置(ラッチ54と溝の端53aの間)に、容易に位置させることができる。