特許第6644590号(P6644590)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6644590
(24)【登録日】2020年1月10日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】作物刈取機構
(51)【国際特許分類】
   A01D 34/64 20060101AFI20200130BHJP
   A01D 45/02 20060101ALI20200130BHJP
   A01D 45/04 20060101ALI20200130BHJP
   A01D 63/04 20060101ALI20200130BHJP
【FI】
   A01D34/64 L
   A01D45/02
   A01D45/04
   A01D63/04
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-50311(P2016-50311)
(22)【出願日】2016年3月14日
(65)【公開番号】特開2017-163868(P2017-163868A)
(43)【公開日】2017年9月21日
【審査請求日】2019年2月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000132909
【氏名又は名称】株式会社タカキタ
(74)【代理人】
【識別番号】100111349
【弁理士】
【氏名又は名称】久留 徹
(72)【発明者】
【氏名】北中 敬久
(72)【発明者】
【氏名】辻 森雄
【審査官】 田辺 義拓
(56)【参考文献】
【文献】 特表2005−519596(JP,A)
【文献】 実開昭54−018442(JP,U)
【文献】 特開昭51−022528(JP,A)
【文献】 実開昭57−004916(JP,U)
【文献】 米国特許第05722225(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 34/00−45/30
A01D 63/00−63/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体前方の左右に設けられるドラムと、
回転するドラムの外周部分に設けられた刈取刃と、
当該ドラムの前方に設けられ、圃場の作物を刈取刃側に導く複数のデバイダーとを備え、
当該ドラムを回転させながら圃場を走行することによって、前記デバイダーの先端側に設けられた分草部で条に沿った作物を刈取刃側に導いて作物を刈り取る作物刈取機構において、
前記左右に設けられたドラムの中央隙間位置側に、分草部を有するデバイダーを着脱可能に取り付けるとともに、
当該左右に設けられたドラムの中央隙間位置に、左右のドラムの刈取刃とオーバーラップする幅を有する分草部を取り付けるようにしたことを特徴とする作物刈取機構。
【請求項2】
当該左右に設けられたドラムの中央隙間位置に、左右のドラムの刈取刃とオーバーラップする幅を有する分草部を取り付けた場合、当該分草部の左右に隣接するデバイダーの分草部を取り外して使用するようにした請求項1に記載の作物刈取機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トウモロコシや稲、麦などの種類の異なる飼料用作物を刈り取って細断できるようにした作物細断装置の作物刈取機構に関するものであり、より詳しくは、条間の異なる作物を刈り取る際に刈取高を均一にできるようにした作物刈取機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、トウモロコシや稲、麦などの異なる種類の飼料用作物を刈り取って細断できるようにした作物細断装置がある(特許文献1など)。このような作物細断装置のうち、車体前方のドラムを回転させて作物を刈り取る装置の刈取機構について図10図11を用いて説明する。
【0003】
図10図11において、符号8は刈取機構であって、縦軸方向を中心として回転する一対のドラム81と、これら一対のドラム81の前方側に突出するように設けられたデバイダー82とを有するように構成される。このドラム81の外周部分には、回転可能に設けられた刈取刃83や、その刈取刃の上方で作物を回転方向に移動させる爪84などが設けられており、一方、デバイダー82は、ドラムの下方から前方側に向けて伸びるアーム85と、そのアームの先端部分に取り付けられた分草部86とを設けて構成される。そして、このようなドラム81を用いてトウモロコシなどの作物を刈り取る場合、圃場の条に沿って車体を走行させ、作物を分草部86で草分けした状態で刈取刃83まで導いて刈取刃83で刈り取る。そして、このように刈り取った作物を、左右のドラム81の中央部分に集めて株元から搬送部に引き込んで細断した後、シューターを介して車体後方に排出させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】意匠登録第1470510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このような刈取機構を用いて作物を細断する場合、次のような問題がある。
【0006】
すなわち、このような刈取機構8を車体前方に取り付ける場合、ドラム81を前方に傾けた状態で車体に取り付けることがある。しかしながら、このようにドラム81を前方に傾けた状態で取り付けると、例えば、稲や麦などのように条間の狭い作物を刈り取るような場合、図11の下図に示すように、ドラム81の前方部分では刈取高さが低くなってしまい、逆に、ドラム81の側方付近では刈取高さが高くなってしまう。そして、このように刈取高が高くなってしまうと、収穫に無駄を生じてしまうばかりでなく、圃場での見栄えが悪くなったり、あるいは、その後の耕運作業時に土壌を均一に耕すのに時間がかかったりするといった問題があった。
【0007】
また、このようにドラムを前方に傾斜させる場合のみならず、ドラムを水平な状態に取り付ける場合においても、分草部の先端部分が作物に当たってしまうと、そのまま倒伏して刈り残しを生じたり、あるいは、作物が左右に分かれて茎が折れ曲がった状態で刈り取られたり、さらには、そのまま起立した状態で刈り取られたりすることで、刈取高が不均一になってしまうといった問題もある。
【0008】
そこで、本発明は上記課題に着目して、条間が異なる作物を刈り取る場合においても、刈り残しがなく、また、均一な刈取高で作物を刈り取れるようにした作物刈取機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、本発明は上記課題を解決するために、車体前方の左右に設けられるドラムと、回転するドラムの外周部分に設けられた刈取刃と、当該ドラムの前方に設けられ、圃場の作物を刈取刃側に導く複数のデバイダーとを備え、当該ドラムを回転させながら圃場を走行することによって、前記デバイダーの先端側に設けられた分草部で条に沿った作物を刈取刃側に導いて作物を刈り取る作物刈取機構において、前記左右に設けられたドラムの中央隙間位置側に、分草部を有するデバイダーを着脱可能に取り付けるとともに、当該左右に設けられたドラムの中央隙間位置に、左右のドラムの刈取刃とオーバーラップする幅を有する分草部を取り付けるようにしたものである。
【0010】
また、このような発明において、当該左右に設けられたドラムの中央隙間位置に、左右のドラムの刈取刃とオーバーラップする幅を有する分草部を取り付けた場合、当該分草部の左右に隣接するデバイダーの分草部を取り外して使用するようにしたものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、条間の異なる作物を刈り取る場合に、その条間に対応した状態で分草部を取り付けて刈り取ることができるようになる。また、仮にドラムが前方に傾斜して取り付けられている場合であっても、刈取高の低い部分に作物を寄せるように分草部を配置することで、低い位置で刈り取るようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施の形態を示す作物収穫装置を示す側面概略図
図2】同形態における刈取機構の平面図
図3】同形態における刈取機構を下から見た図
図4】同形態における搬送機構を示す図
図5】同形態における細断機構を示す図
図6】同形態における車体前方左側のドラムに取り付けられる支持部とデバイダーを示す図
図7】同形態における中央デバイダーに着脱中央デバイダーを取り付ける状態図
図8】同形態における条間の広い作物を刈り取る際の刈取機構を示す図
図9】同形態における条間の狭い作物を刈り取る際の刈取機構を示す図
図10】条間の広い作物を刈り取る際の刈取高を示す図
図11】条間の狭い作物を刈り取る際の刈取高を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0014】
まず、この実施の形態における作物収穫装置1は、図1に示すように、縦軸を中心に回転する左右のドラム21を用いて作物を刈り取る刈取機構2と、この刈取機構2で刈り取られた作物を株元側から内側に引き込んで搬送させる搬送機構4(図4参照)と、この搬送機構4で搬送された作物を細断する細断機構5(図5参照)とを備え、この細断機構5で細断された作物を車体後方に排出させて飼料用作物として供給できるようにしたものであって、特徴的に、車体前方のドラム21を前傾させて車体に取り付けた場合に、そのドラム21の前方側に設けられたデバイダー3を着脱可能に取り付けることで、分草部32の取付状態を変更できるようにしたものである。そして、このように分草部32の取付状態を変更することによって、条間の狭い作物を刈り取る際には、図9に示すように、ドラム21の刈取刃22の低い位置にその作物を寄せるように分草部32の配置状態を変更し、これによって刈取高を低くした状態で刈り取れるようにしたものである。以下、第一の実施の形態における作物収穫装置1とその刈取機構2について詳細に説明する。
【0015】
まず、作物収穫機の刈取機構2は、車体前方に取り付けられるものであって、ここでは、図2などに示すように、縦軸を中心に回転する左右一対のドラム21と、そのドラム21の前方側に設けられるデバイダー3などを有するように構成されている。このドラム21は、外周部分に設けられる複数の刈取刃22と、その刈取刃22の上側に設けられる複数の爪23などを設けて構成されており、これらを回転させることによって作物を刈り取りながら爪23で回転方向に移動させるようになっている。また、左右のドラム21の前方に設けられるデバイダー3は、図3などに示すように、このドラム21の下方側に設けられた支持部24から前方側に伸びるアーム31と、そのアーム31の先端側に設けられた分草部32とを有するように構成されており、この分草部32で圃場の作物を草分けして刈取刃22まで導けるようになっている。この分草部32には、作物を車体中央方向に向けて作物を寄せられるようにした傾斜部33が設けられており、これによって作物を車体中央方向に寄せながら刈取刃22まで導けるようにしている。また、左右のドラム21の中央隙間部分に設けられる中央デバイダー3cは、起立片34の上部に、中央隙間幅に相当する大きさの菱形の分草部32が設けられており、この分草部32によって作物を左右の刈取刃22側に寄せて刈り取れるようにしている。このように左右のデバイダー3の前方に設けられた分草部32で作物が草分けされた状態で刈取刃22まで導かれると、刈取刃22によって刈り取られるようになるが、この際、刈り取られなかった作物については、爪23などによって回転方向に搬送され、株元付近がアーム31に固定された状態で刈取刃22によって刈り取られるようになる。また、左右のドラム21の中央隙間部分で刈り取られる作物については、中央デバイダー3cの分草部32で左右に草分けされ、刈取刃22で刈り取られるようになる。このような分草部32で草分けられて刈り取られた作物は、全体的に車体の中央方向に集められ、ドラム21の上方側に設けられた傾倒バー25に作物の上部が当てられた状態で株元から搬送部に引き込まれる。
【0016】
一方、搬送機構4は、このような刈取機構2によって刈り取られた作物を搬送して、下流側に設けられた細断機構5で細断できるようにしたものであって、ここでは、図4に示すように、上下一対のローラで構成された第一搬送ローラ部41と、その下流側の上下一対のローラで構成された第二搬送ローラ部42とを設けることで作物を水平な状態にして細断機構5まで搬送させるようにしている。
【0017】
このうち、前方側の第一搬送ローラ部41は、下側の固定ローラ41aと上側の可変ローラ41bを設けて構成されており、これら固定ローラ41aと可変ローラ41bの隙間に作物を挟み込んで搬送させるようにしている。これらの固定ローラ41aと可変ローラ41bには、前方の刈取機構2によって刈り取られた作物を確実に取り込めるように、間欠的な突起片を外周面の軸方向に設けるようにしており、これによって確実に作物を取り込んで、可変ローラ41bで上下方向から作物を挟み込めるようにしている。
【0018】
一方、下流側の第二搬送ローラ部42は、第一搬送ローラ部41と同様に、上側の固定ローラ42aと下側の可変ローラ42bを設けて構成されており、こられ固定ローラ42aと可変ローラ42bの隙間に作物を挟み込むことで、第一搬送ローラ部41との間で挟まれた作物を茎軸方向に搬送させるようにしている。
【0019】
この細断機構5は、図5に示すように、この搬送機構4によって搬送された作物を細断できるようにしたものであって、車体左右方向の軸を中心として回転するシリンダ51と、このシリンダ51の外周部分に設けられるシリンダカッター52と、第二搬送ローラ部42における固定ローラ42aの後方側に設けられる固定刃53とを設けて構成されており、このシリンダカッター52を高速回転させることによって、固定刃53との間に作物を挟み込んで細断させるようにしている。このシリンダ51には、細断された作物を吹き上げるための複数の羽根54が取り付けられており、このシリンダ51を高速回転させることで、細断された作物をそのまま上方に吹き上げてシューター6を介して車体後方に排出させるようにしている。
【0020】
この車体後方には、ロール成形部7(図1参照)が設けられており、このロール成形部7に作物を取り込んで円柱状のロールベールを形成できるようにしている。なお、ここでは車体後方にロール成形部7を設けるようにしているが、車体後方を荷台にしておき、そこに細断された作物を積み込んで別途ロールベールを形成できるようにしてもよい。
【0021】
ところで、このように刈り取った作物を細断する際、シリンダカッター52で作物を細断する構成を用いると、図5に示すように、固定刃53をシリンダ51の中心位置の前方側という高い位置に設ける必要があるため、どうしても作物を高い位置で細断しなければならない。一方、作物の刈取位置は地面の低い部分にあるため、刈取機構2や搬送機構4などを傾斜させて作物を斜め上方に搬送させる必要がある。しかしながら、このように刈取機構2などを傾斜させると、条間の狭い作物を刈り取る場合、ドラム21の前方側では刈り取高が低くなってしまい、一方、ドラム21の側方部分での刈取高が高くなってしまうことになる。このため、この実施の形態では、こられの刈取高の差をできるだけ小さくできるように分草部32の取付状態を変更できるようにしている。
【0022】
このような分草部32の取付状態を変更する場合の状態を、トウモロコシなどのような条間の広い作物を刈り取る場合や、稲や麦などのような条間の狭い作物を刈り取る場合について説明する。
【0023】
<条間の広い作物を刈り取る場合>
【0024】
まず、トウモロコシなどのような条間が75cm前後の作物を刈り取る場合、図8に示すように、各ドラム21の支持部24に左右四本ずつのデバイダー3を取り付けておく。そして、圃場を走行することによって、各ドラム21で一条ずつ作物を刈り取るようにするが、この際、左右四本ずつ設けられたデバイダー3の中央部分(すなわち、二本目と三本目のデバイダー3の間)に作物を取り込んで刈り取るようにする。そして、分草部32の傾斜部33に作物を当てて、作物を車体中央側に寄せて刈り取れるようにする。
【0025】
<条間の狭い作物を刈り取る場合>
【0026】
一方、稲や麦などのような条間が30cmという狭い作物を刈り取る場合、図9に示すように、左右のドラム21で三条ずつの作物を刈り取るようにするが、このとき各ドラム21の真中の一条については刈取刃22の低い位置で刈り取られ、また、車体外側の一条は外側の分草部32の傾斜部33で車体中央方向に寄せられて刈り取られることになる。すなわち、真中の一条と車体外側の一条は、刈取高がある程度低い状態で刈り取られることになる。これに対して、車体中央付近の一条については、仮に、四本のデバイダー3、3aを設けた状態(図8の状態)で刈り取った場合は、車体中央付近のデバイダー3aの分草部32でさらに車体中央方向に作物が寄せられることになり、左右のドラム21の隙間近傍で刈り取られて、刈取高が高くなってしまう(図11のような状態)。そこで、この実施の形態では、図9に示すように、車体中央部分に一番近い側のデバイダー3aを支持部24から取り外してその条の作物をそのまま刈取刃22に当てられるようにするとともに、左右のドラム21の中央隙間部分に位置する中央デバイダー3cに、左右幅のより大きな分草部32を有する着脱中央デバイダー3bを取り付けるようにする。そして、このように左右幅の大きな分草部32を取り付けることによって、その中央付近に位置する条の作物を可能な限り刈取刃22の低い位置に寄せて刈り取れるようにしている。ここで、着脱中央デバイダー3bの分草部32の幅については、左右のドラム21の刈取刃22にオーバーラップする大きさにしておき、これによって、その分草部32に当たった作物を刈取刃22の前方に寄せられるようにしておく。
【0027】
このドラム21の前方側の車体中央部分に一番近い側のデバイダー3(以下、「着脱デバイダー3a」と称する)を着脱する場合、図6に示すように、ドラム21の下方に設けられた支持部24に、着脱デバイダー3aのアーム31を挿入するための挿入穴36を設け、ここに着脱デバイダー3aのアーム31を挿入できるようにする。この挿入穴36の近傍には、アーム31の挿入状態を固定するためのフランジ部37aが設けられており、ここにアーム31に設けられたフランジ部37bを面接触させてボルトで着脱可能に固定できるようにしている。
【0028】
一方、左右のドラム21の中央隙間部分に設けられる着脱中央デバイダー3bを取り付ける場合は、図7に示すように、着脱中央デバイダー3bの分草部32の上面に設けられた起立溝35を中央デバイダー3cの起立片34に差し込み、側方からボルトを挿入して固定できるようにしている。
【0029】
このような構成において、稲や麦などの条間の狭い作物を刈り取る場合、図9に示すように、ドラム21の車体中央部分に一番近い側の着脱デバイダー3aを支持部24から取り外すとともに、中央デバイダー3cに左右幅の大きい分草部32を有する着脱中央デバイダー3bを取り付けるようにする。
【0030】
そして、このような状態に分草部32を配置して、ドラム21を回転させながら車両を条に沿って走行させる。すると、各ドラム21の中央前方位置に存在する作物は、デバイダー3の分草部32によって車体中央方向に寄せられながら低い位置で刈り取られ、また、車体外側に位置する条の作物は、デバイダー3の分草部32の傾斜部33によって車体中央方向に寄せられて刈取刃22の比較的低い位置で刈り取られる。
【0031】
一方、車体中央側に位置する条の作物については、着脱デバイダー3aが存在しないために、そのまま刈取刃22に当たり、その位置で刈り取られるか、あるいは、ドラム21の回転方向に移動して、着脱中央デバイダー3bの左右広い分草部32に当たって刈取刃22の前方側で刈り取られるようになる。これにより、その作物を低い位置で刈り取れるようになる。
【0032】
<刈り取り後の処理>
【0033】
そして、この刈取機構2で刈り取られた作物については、ドラム21の爪23によって車体中央方向に集められ、傾倒バー25に上方部分が当てられた状態で株元側から搬送機構4に取り込まれていく。
【0034】
このように作物が搬送機構4に作物が取り込まれると、第一搬送ローラ部41と第二搬送ローラ部42の前後位置で作物が上下方向から挟み込まれ、前後方向に作物を固定した状態で下流側の細断機構5まで搬送されるようになる。
【0035】
そして、このように作物が細断機構5まで搬送されると、第二搬送ローラ部42の固定ローラ42aで上下方向の動きが抑えられた状態で固定刃53に作物が導かれ、下方から回転してくるシリンダカッター52で作物が細断される。そして、この細断された作物を、羽根54による風圧で上方に吹き上げ、シューター6を介して車体後方に排出され、車体後方のロール成形部7で飼料用のロールベールを成形する。
【0036】
このように上記実施の形態によれば、車体前方の左右に設けられるドラム21と、回転するドラム21の外周部分に設けられた刈取刃22と、当該ドラム21の前方に設けられ、圃場の作物を刈取刃22側に導く複数の分草部32を有するデバイダー3、3a、3b、3cとを備え、当該ドラム21を回転させながら圃場を走行させることによって前記デバイダー3、3a、3b、3cの分草部32を用いて作物を刈取刃22側に導き、刈取刃22で作物を刈り取れるようにした刈取機構2において、前記左右に設けられたドラム21の中央隙間位置側に、分草部32を有するデバイダー3aを着脱可能に取り付けるとともに、当該左右に設けられたドラム21の中央隙間位置に、左右のドラム21の刈取刃22とオーバーラップする幅を有する分草部32を取り付けるようにしたので、条間の異なる作物を刈り取る場合に、その条間に対応した状態で分草部32を取り付けて刈り取ることができるようになる。これにより、ドラム21を前方に傾斜させている場合であっても、図9などに示すように、刈取高の低い部分に作物を寄せるように分草部32を配置することで、低い位置で刈り取るようにすることができる。また、その分草部32で作物を左右に振り分けてドラム21の前方側で刈り取ることができ、刈取刃22の低い位置で刈り取ることができるようになる。
【0037】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。
【0038】
例えば、上記実施の形態では、着脱デバイダー3aを支持部24に着脱できるようにすることで分草部32の取付状態を変更できるようにしたが、これ以外の方法として、ドラム21の下方に設けられた支持部24に車体左右方向のスライド溝を設けておき、そのスライド溝に沿って左右方向の任意な位置にアーム31の基端部をスライドさせて固定できるようにしてもよい。
【0039】
あるいは、このようなスライド溝を設けるのではなく、複数の挿入穴を設けておき、それらの挿入穴のいずれかを選択してアームを挿入することでデバイダー3の取付位置を変更できるようにしてもよい。
【0040】
また、このようにデバイダー3ごと取付位置を変更する場合のみならず、分草部32をアーム31の軸を中心に180度回転させることによって傾斜部33を反転させ、これによって車体中央付近の分草部32で作物を車体外側に導き、これによって作物を刈取刃22の前方側に導いて低い位置で刈り取れるようにしてもよい。このような分草部32を反転させて取り付ける場合、アーム31に対して分草部32を挿入可能に取り付けておき、その分草部32を反転させてアーム31の先端に挿入させて固定させることで分草部32の取付状態を変更させるようにするとよい。
【0041】
さらに、上記実施の形態では、中央デバイダー3cを取り付けた状態で、さらに着脱中央デバイダー3bを取り付けるようにしたが、この中央デバイダー3cを取り外してから着脱中央デバイダー3bを取り付けるようにしてもよい。
【0042】
また、上記実施の形態では、ドラム21を傾斜させた際の分草部32の取付状態を変更する場合について説明したが、ドラム21が水平な状態の構造においても、分草部32の位置や角度などを変更できるようにして、条間の異なる作物に対応できるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0043】
1・・・作物収穫装置
2(8)・・・刈取機構
21(81)・・・ドラム
22・・・刈取刃
23・・・爪
24・・・支持部
3、3a、3b、3c・・・デバイダー
31・・・アーム
32・・・分草部
33・・・傾斜部
34・・・起立片
35・・・起立溝
36・・・挿入穴
37a、b・・・フランジ部
4・・・搬送機構
5・・・細断機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11