(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6644690
(24)【登録日】2020年1月10日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】表面電荷に対して低減された感度を有する構造及び方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/331 20060101AFI20200130BHJP
H01L 29/732 20060101ALI20200130BHJP
H01L 29/06 20060101ALI20200130BHJP
H01L 29/739 20060101ALI20200130BHJP
H01L 29/78 20060101ALI20200130BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20200130BHJP
【FI】
H01L29/72 P
H01L29/06 301F
H01L29/06 301G
H01L29/06 301V
H01L29/78 655A
H01L29/78 655Z
H01L29/78 653C
H01L29/78 655F
H01L29/78 652P
H01L29/78 658A
【請求項の数】22
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-544603(P2016-544603)
(86)(22)【出願日】2015年1月16日
(65)【公表番号】特表2017-509141(P2017-509141A)
(43)【公表日】2017年3月30日
(86)【国際出願番号】US2015011827
(87)【国際公開番号】WO2015109237
(87)【国際公開日】20150723
【審査請求日】2018年1月16日
(31)【優先権主張番号】61/928,133
(32)【優先日】2014年1月16日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/094,415
(32)【優先日】2014年12月19日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/102,357
(32)【優先日】2015年1月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515358931
【氏名又は名称】アイディール パワー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ブランチャード リチャード エー.
【審査官】
恩田 和彦
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2011/0121407(US,A1)
【文献】
特開2002−043325(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0013032(US,A1)
【文献】
特開昭61−224457(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/331
H01L 21/336
H01L 29/06
H01L 29/732
H01L 29/739
H01L 29/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイスであって、
半導体ダイの対向する第1及び第2の面上の第1及び第2の電荷キャリアエミッション構造と、
第1及び第2の半導体制御領域であって、前記第1及び第2の面上にそれぞれ位置付けられ、それぞれが、前記第1及び第2の電荷キャリアエミッション構造からの第1の極性の電荷キャリアのエミッションをそれぞれ制御するように配置された第1及び第2の半導体制御領域と、
前記第1の電荷キャリアエミッション構造を横方向に囲む、前記第1の面上の第1のフィールドリミティングリング構造と、
前記第2の電荷キャリアエミッション構造を横方向に囲む、前記第2の面上の第2のフィールドリミティングリング構造と、を備え、
前記第1の電荷キャリアエミッション構造及び前記第1の半導体制御領域は、少なくとも3つのドーピング構成要素であって、それぞれが前記第2のフィールドリミティングリング構造の対応するそれぞれのドーピング構成要素と同じプロファイルを有する、浅いp型及びn型構成要素を含む、少なくとも3つのドーピング構成要素を全体として含み、更には、前記第2のフィールドリミティングリング構造の任意の構成要素と同じプロファイルを有さない少なくとも1つの他のドーピング構成要素を含み、
前記第2の電荷キャリアエミッション構造及び前記第2の半導体制御領域は、少なくとも3つのドーピング構成要素であって、それぞれが前記第1のフィールドリミティングリング構造の対応するそれぞれのドーピング構成要素と同じプロファイルを有する、浅いp型及びn型構成要素を含む、少なくとも3つのドーピング構成要素を全体として含み、更には、前記第1のフィールドリミティングリング構造の任意の構成要素と同じプロファイルを有さない少なくとも1つの他のドーピング構成要素を含み、
それにより、前記フィールドリミティングリング構造は、組合せにおいて、前記電荷キャリアエミッション構造と前記半導体ダイのエッジとの間の横方向電圧プロファイルを平滑化し、
前記半導体ダイのバルクは、低濃度ドープのp型材料であり、前記フィールドリミティングリング構造のそれぞれは、n型ウェルを含むデバイス。
【請求項2】
半導体デバイスであって、
半導体ダイの対向する第1及び第2の面上の第1及び第2の電荷キャリアエミッション構造と、
第1及び第2の半導体制御領域であって、前記第1及び第2の面上にそれぞれ位置付けられ、それぞれが、前記第1及び第2の電荷キャリアエミッション構造からの第1の極性の電荷キャリアのエミッションをそれぞれ制御するように配置された第1及び第2の半導体制御領域と、
前記第1の電荷キャリアエミッション構造を横方向に囲む、前記第1の面上の第1のフィールドリミティングリング構造と、
前記第2の電荷キャリアエミッション構造を横方向に囲む、前記第2の面上の第2のフィールドリミティングリング構造と、を備え、
前記第1の電荷キャリアエミッション構造及び前記第1の半導体制御領域は、少なくとも3つのドーピング構成要素であって、それぞれが前記第2のフィールドリミティングリング構造の対応するそれぞれのドーピング構成要素と同じプロファイルを有する、浅いp型及びn型構成要素を含む、少なくとも3つのドーピング構成要素を全体として含み、更には、前記第2のフィールドリミティングリング構造の任意の構成要素と同じプロファイルを有さない少なくとも1つの他のドーピング構成要素を含み、
前記第2の電荷キャリアエミッション構造及び前記第2の半導体制御領域は、少なくとも3つのドーピング構成要素であって、それぞれが前記第1のフィールドリミティングリング構造の対応するそれぞれのドーピング構成要素と同じプロファイルを有する、浅いp型及びn型構成要素を含む、少なくとも3つのドーピング構成要素を全体として含み、更には、前記第1のフィールドリミティングリング構造の任意の構成要素と同じプロファイルを有さない少なくとも1つの他のドーピング構成要素を含み、
それにより、前記フィールドリミティングリング構造は、組合せにおいて、前記電荷キャリアエミッション構造と前記半導体ダイのエッジとの間の横方向電圧プロファイルを平滑化し、
前記半導体ダイのバルクは、低濃度ドープのp型材料であり、
前記フィールドリミティングリング構造のそれぞれは、n型ウェルを含み、
前記フィールドリミティングリング構造のそれぞれにおける前記浅いn型構成要素は、第2のp型構成要素がそれぞれの前記n型ウェルをカウンタドープすることによって電気的に実現されるデバイス。
【請求項3】
半導体デバイスであって、
半導体ダイの対向する第1及び第2の面上の第1及び第2の電荷キャリアエミッション構造と、
第1及び第2の半導体制御領域であって、前記第1及び第2の面上にそれぞれ位置付けられ、それぞれが、前記第1及び第2の電荷キャリアエミッション構造からの第1の極性の電荷キャリアのエミッションをそれぞれ制御するように配置された第1及び第2の半導体制御領域と、
前記第1の電荷キャリアエミッション構造を横方向に囲む、前記第1の面上の第1のフィールドリミティングリング構造と、
前記第2の電荷キャリアエミッション構造を横方向に囲む、前記第2の面上の第2のフィールドリミティングリング構造と、を備え、
前記第1の電荷キャリアエミッション構造及び前記第1の半導体制御領域は、少なくとも3つのドーピング構成要素であって、それぞれが前記第2のフィールドリミティングリング構造の対応するそれぞれのドーピング構成要素と同じプロファイルを有する、浅いp型及びn型構成要素を含む、少なくとも3つのドーピング構成要素を全体として含み、更には、前記第2のフィールドリミティングリング構造の任意の構成要素と同じプロファイルを有さない少なくとも1つの他のドーピング構成要素を含み、
前記第2の電荷キャリアエミッション構造及び前記第2の半導体制御領域は、少なくとも3つのドーピング構成要素であって、それぞれが前記第1のフィールドリミティングリング構造の対応するそれぞれのドーピング構成要素と同じプロファイルを有する、浅いp型及びn型構成要素を含む、少なくとも3つのドーピング構成要素を全体として含み、更には、前記第1のフィールドリミティングリング構造の任意の構成要素と同じプロファイルを有さない少なくとも1つの他のドーピング構成要素を含み、
それにより、前記フィールドリミティングリング構造は、組合せにおいて、前記電荷キャリアエミッション構造と前記半導体ダイのエッジとの間の横方向電圧プロファイルを平滑化し、
前記フィールドリミティングリング構造の前記浅いp型及びn型構成要素は、前記電荷キャリアエミッション構造にも前記半導体制御領域にも接続されない局所的なメタライゼーション部分を通じて電気的に接続され、前記局所的なメタライゼーションは、複数の前記フィールドリミティングリング構造における隣接するフィールドリミティングリング構造を横方向に分離する前記半導体ダイの部分の、全てではないが一部に容量結合されるデバイス。
【請求項4】
半導体デバイスであって、
半導体ダイの対向する第1及び第2の面上の第1及び第2の電荷キャリアエミッション構造と、
第1及び第2の半導体制御領域であって、前記第1及び第2の面上にそれぞれ位置付けられ、それぞれが、前記第1及び第2の電荷キャリアエミッション構造からの第1の極性の電荷キャリアのエミッションをそれぞれ制御するように配置された第1及び第2の半導体制御領域と、
前記第1の電荷キャリアエミッション構造を横方向に囲む、前記第1の面上の第1のフィールドリミティングリング構造と、
前記第2の電荷キャリアエミッション構造を横方向に囲む、前記第2の面上の第2のフィールドリミティングリング構造と、を備え、
前記第1の電荷キャリアエミッション構造及び前記第1の半導体制御領域は、少なくとも3つのドーピング構成要素であって、それぞれが前記第2のフィールドリミティングリング構造の対応するそれぞれのドーピング構成要素と同じプロファイルを有する、浅いp型及びn型構成要素並びに深いウェル構成要素を含む、少なくとも3つのドーピング構成要素を全体として含み、更には、前記第2のフィールドリミティングリング構造の任意の構成要素と同じプロファイルを有さない少なくとも1つの他のドーピング構成要素を含み、
前記第2の電荷キャリアエミッション構造及び前記第2の半導体制御領域は、少なくとも3つのドーピング構成要素であって、それぞれが前記第1のフィールドリミティングリング構造の対応するそれぞれのドーピング構成要素と同じプロファイルを有する、浅いp型及びn型構成要素並びに深いウェル構成要素を含む、少なくとも3つのドーピング構成要素を全体として含み、更には、前記第1のフィールドリミティングリング構造の任意の構成要素と同じプロファイルを有さない少なくとも1つの他のドーピング構成要素を含み、
更には、
前記第1の面上の第1のフィールドプレートであって、前記第1のフィールドリミティングリング構造の前記深いウェル構成要素に電気的に接続され、前記第1のフィールドリミティングリング構造の一部分に横方向に隣接する前記半導体ダイの部分の、全てではないが一部に、介在する誘電体層を通じて容量結合される第1のフィールドプレートと、
前記第2の面上の第2のフィールドプレートであって、前記第2のフィールドリミティングリング構造の前記深いウェル構成要素に電気的に接続され、前記第2のフィールドリミティングリング構造の一部分に横方向に隣接する前記半導体ダイの部分の、全てではないが一部に、前記介在する誘電体層を通じて容量結合される第2のフィールドプレートと、を備え、
それにより、前記フィールドリミティングリング構造は、組合せにおいて、前記電荷キャリアエミッション構造と前記半導体ダイのエッジとの間の横方向電圧プロファイルを平滑化するデバイス。
【請求項5】
請求項4記載のデバイスであって、
前記半導体ダイのバルクは、低濃度ドープのp型材料であり、前記フィールドリミティングリング構造のそれぞれは、n型ウェルを含むデバイス。
【請求項6】
請求項4記載のデバイスであって、
前記半導体ダイのバルクは、低濃度ドープのp型材料であり、
前記フィールドリミティングリング構造のそれぞれは、n型ウェルを含み、
前記フィールドリミティングリング構造のそれぞれにおける前記浅いn型構成要素は、第2のp型構成要素がそれぞれの前記n型ウェルをカウンタドープすることによって電気的に実現されるデバイス。
【請求項7】
請求項4記載のデバイスであって、
前記半導体ダイのバルクはシリコンであるデバイス。
【請求項8】
請求項4記載のデバイスであって、
前記フィールドリミティングリング構造の前記浅いp型及びn型構成要素は、メタライゼーションを通じて電気的に接続されるデバイス。
【請求項9】
請求項4記載のデバイスであって、
前記フィールドリミティングリング構造の前記浅いp型及びn型構成要素は、前記電荷キャリアエミッション構造にも前記半導体制御領域にも接続されない局所的なメタライゼーション部分を通じて電気的に接続されるデバイス。
【請求項10】
請求項4記載のデバイスであって、
前記フィールドリミティングリング構造の前記浅いp型及びn型構成要素は、前記電荷キャリアエミッション構造にも前記半導体制御領域にも接続されない局所的なメタライゼーション部分を通じて電気的に接続され、前記局所的なメタライゼーションは、複数の前記フィールドリミティングリング構造における隣接するフィールドリミティングリング構造を横方向に分離する前記半導体ダイの部分の、全てではないが一部に容量結合されるデバイス。
【請求項11】
半導体デバイスであって、
半導体ダイの対向する第1及び第2の面上の第1及び第2の電荷キャリアエミッション構造と、
第1及び第2の半導体制御領域であって、前記第1及び第2の面上にそれぞれ位置付けられ、それぞれが、前記第1及び第2の電荷キャリアエミッション構造からの第1の極性の電荷キャリアのエミッションをそれぞれ制御するように配置された第1及び第2の半導体制御領域と、
前記第1の電荷キャリアエミッション構造を横方向に囲む、前記第1の面上の第1のフィールドリミティングリング構造と、
前記第2の電荷キャリアエミッション構造を横方向に囲む、前記第2の面上の第2のフィールドリミティングリング構造と、を備え、
前記第1の電荷キャリアエミッション構造及び前記第1の半導体制御領域は、少なくとも3つのドーピング構成要素であって、それぞれが前記第2のフィールドリミティングリング構造の対応するそれぞれのドーピング構成要素と同じ空間プロファイルを有し電気的に等価である、浅いp型及びn型構成要素を含む、少なくとも3つのドーピング構成要素を全体として含み、更には、前記第2のフィールドリミティングリング構造の任意の構成要素と同じプロファイルを有さない少なくとも1つの他のドーピング構成要素を含み、
前記第2の電荷キャリアエミッション構造及び前記第2の半導体制御領域は、少なくとも3つのドーピング構成要素であって、それぞれが前記第1のフィールドリミティングリング構造の対応するそれぞれのドーピング構成要素と同じ空間プロファイルを有し電気的に等価である、浅いp型及びn型構成要素を含む、少なくとも3つのドーピング構成要素を全体として含み、更には、前記第1のフィールドリミティングリング構造の任意の構成要素と同じプロファイルを有さない少なくとも1つの他のドーピング構成要素を含み、
それにより、前記フィールドリミティングリング構造は、組合せにおいて、前記電荷キャリアエミッション構造と前記半導体ダイのエッジとの間の横方向電圧プロファイルを平滑化し、
前記半導体ダイのバルクは、低濃度ドープのp型材料であり、前記フィールドリミティングリング構造のそれぞれは、n型ウェルを含むデバイス。
【請求項12】
半導体デバイスであって、
半導体ダイの対向する第1及び第2の面上の第1及び第2の電荷キャリアエミッション構造と、
第1及び第2の半導体制御領域であって、前記第1及び第2の面上にそれぞれ位置付けられ、それぞれが、前記第1及び第2の電荷キャリアエミッション構造からの第1の極性の電荷キャリアのエミッションをそれぞれ制御するように配置された第1及び第2の半導体制御領域と、
前記第1の電荷キャリアエミッション構造を横方向に囲む、前記第1の面上の第1のフィールドリミティングリング構造と、
前記第2の電荷キャリアエミッション構造を横方向に囲む、前記第2の面上の第2のフィールドリミティングリング構造と、を備え、
前記第1の電荷キャリアエミッション構造及び前記第1の半導体制御領域は、少なくとも3つのドーピング構成要素であって、それぞれが前記第2のフィールドリミティングリング構造の対応するそれぞれのドーピング構成要素と同じ空間プロファイルを有し電気的に等価である、浅いp型及びn型構成要素を含む、少なくとも3つのドーピング構成要素を全体として含み、更には、前記第2のフィールドリミティングリング構造の任意の構成要素と同じプロファイルを有さない少なくとも1つの他のドーピング構成要素を含み、
前記第2の電荷キャリアエミッション構造及び前記第2の半導体制御領域は、少なくとも3つのドーピング構成要素であって、それぞれが前記第1のフィールドリミティングリング構造の対応するそれぞれのドーピング構成要素と同じ空間プロファイルを有し電気的に等価である、浅いp型及びn型構成要素を含む、少なくとも3つのドーピング構成要素を全体として含み、更には、前記第1のフィールドリミティングリング構造の任意の構成要素と同じプロファイルを有さない少なくとも1つの他のドーピング構成要素を含み、
それにより、前記フィールドリミティングリング構造は、組合せにおいて、前記電荷キャリアエミッション構造と前記半導体ダイのエッジとの間の横方向電圧プロファイルを平滑化し、
前記半導体ダイのバルクは、低濃度ドープのp型材料であり、
前記フィールドリミティングリング構造のそれぞれは、n型ウェルを含み、
前記フィールドリミティングリング構造のそれぞれにおける前記浅いn型構成要素は、第2のp型構成要素がそれぞれの前記n型ウェルをカウンタドープすることによって電気的に実現されるデバイス。
【請求項13】
半導体デバイスであって、
半導体ダイの対向する第1及び第2の面上の第1及び第2の電荷キャリアエミッション構造と、
第1及び第2の半導体制御領域であって、前記第1及び第2の面上にそれぞれ位置付けられ、それぞれが、前記第1及び第2の電荷キャリアエミッション構造からの第1の極性の電荷キャリアのエミッションをそれぞれ制御するように配置された第1及び第2の半導体制御領域と、
前記第1の電荷キャリアエミッション構造を横方向に囲む、前記第1の面上の第1のフィールドリミティングリング構造と、
前記第2の電荷キャリアエミッション構造を横方向に囲む、前記第2の面上の第2のフィールドリミティングリング構造と、を備え、
前記第1の電荷キャリアエミッション構造及び前記第1の半導体制御領域は、少なくとも3つのドーピング構成要素であって、それぞれが前記第2のフィールドリミティングリング構造の対応するそれぞれのドーピング構成要素と同じ空間プロファイルを有し電気的に等価である、浅いp型及びn型構成要素を含む、少なくとも3つのドーピング構成要素を全体として含み、更には、前記第2のフィールドリミティングリング構造の任意の構成要素と同じプロファイルを有さない少なくとも1つの他のドーピング構成要素を含み、
前記第2の電荷キャリアエミッション構造及び前記第2の半導体制御領域は、少なくとも3つのドーピング構成要素であって、それぞれが前記第1のフィールドリミティングリング構造の対応するそれぞれのドーピング構成要素と同じ空間プロファイルを有し電気的に等価である、浅いp型及びn型構成要素を含む、少なくとも3つのドーピング構成要素を全体として含み、更には、前記第1のフィールドリミティングリング構造の任意の構成要素と同じプロファイルを有さない少なくとも1つの他のドーピング構成要素を含み、
それにより、前記フィールドリミティングリング構造は、組合せにおいて、前記電荷キャリアエミッション構造と前記半導体ダイのエッジとの間の横方向電圧プロファイルを平滑化し、
前記フィールドリミティングリング構造の前記浅いp型及びn型構成要素は、前記電荷キャリアエミッション構造にも前記半導体制御領域にも接続されない局所的なメタライゼーション部分を通じて電気的に接続され、前記局所的なメタライゼーションは、複数の前記フィールドリミティングリング構造における隣接するフィールドリミティングリング構造を横方向に分離する前記半導体ダイの部分の、全てではないが一部に容量結合されるデバイス。
【請求項14】
半導体デバイスであって、
半導体ダイの第1の面上の電荷キャリアエミッション構造と、
前記電荷キャリアエミッション構造からの第1の極性の電荷キャリアのエミッションを制御するように配置された半導体制御領域と、
前記電荷キャリアエミッション構造を横方向に囲む1以上のフィールドリミティングリング構造と、を備え、
前記電荷キャリアエミッション構造及び前記半導体制御領域は、少なくとも3つのドーピング構成要素であって、それぞれが前記フィールドリミティングリング構造の対応するそれぞれのドーピング構成要素と同じプロファイルを有する、浅いp型及びn型構成要素を含む、少なくとも3つのドーピング構成要素を全体として含み、更には、前記フィールドリミティングリング構造の任意の構成要素と同じプロファイルを有さない少なくとも1つの他のドーピング構成要素を含み、
それにより、前記フィールドリミティングリング構造は、前記電荷キャリアエミッション構造と前記半導体ダイのエッジとの間の横方向電圧プロファイルを平滑化し、
前記半導体ダイのバルクは、低濃度ドープのp型材料であり、前記フィールドリミティングリング構造のそれぞれは、n型ウェルを含むデバイス。
【請求項15】
半導体デバイスであって、
半導体ダイの第1の面上の電荷キャリアエミッション構造と、
前記電荷キャリアエミッション構造からの第1の極性の電荷キャリアのエミッションを制御するように配置された半導体制御領域と、
前記電荷キャリアエミッション構造を横方向に囲む1以上のフィールドリミティングリング構造と、を備え、
前記電荷キャリアエミッション構造及び前記半導体制御領域は、少なくとも3つのドーピング構成要素であって、それぞれが前記フィールドリミティングリング構造の対応するそれぞれのドーピング構成要素と同じプロファイルを有する、浅いp型及びn型構成要素を含む、少なくとも3つのドーピング構成要素を全体として含み、更には、前記フィールドリミティングリング構造の任意の構成要素と同じプロファイルを有さない少なくとも1つの他のドーピング構成要素を含み、
それにより、前記フィールドリミティングリング構造は、前記電荷キャリアエミッション構造と前記半導体ダイのエッジとの間の横方向電圧プロファイルを平滑化し、
前記半導体ダイのバルクは、低濃度ドープのp型材料であり、
前記フィールドリミティングリング構造のそれぞれは、n型ウェルを含み、
前記フィールドリミティングリング構造のそれぞれにおける前記浅いn型構成要素は、第2のp型構成要素が前記それぞれのn型ウェルをカウンタドープすることによって電気的に実現されるデバイス。
【請求項16】
半導体デバイスであって、
半導体ダイの第1の面上の電荷キャリアエミッション構造と、
前記電荷キャリアエミッション構造からの第1の極性の電荷キャリアのエミッションを制御するように配置された半導体制御領域と、
前記電荷キャリアエミッション構造を横方向に囲む1以上のフィールドリミティングリング構造と、を備え、
前記電荷キャリアエミッション構造及び前記半導体制御領域は、少なくとも3つのドーピング構成要素であって、それぞれが前記フィールドリミティングリング構造の対応するそれぞれのドーピング構成要素と同じプロファイルを有する、浅いp型及びn型構成要素を含む、少なくとも3つのドーピング構成要素を全体として含み、更には、前記フィールドリミティングリング構造の任意の構成要素と同じプロファイルを有さない少なくとも1つの他のドーピング構成要素を含み、
それにより、前記フィールドリミティングリング構造は、前記電荷キャリアエミッション構造と前記半導体ダイのエッジとの間の横方向電圧プロファイルを平滑化し、
前記フィールドリミティングリング構造の前記浅いp型及びn型構成要素は、前記電荷キャリアエミッション構造にも前記半導体制御領域にも接続されない局所的なメタライゼーション部分を通じて電気的に接続され、前記局所的なメタライゼーションは、複数の前記フィールドリミティングリング構造における隣接するフィールドリミティングリング構造を横方向に分離する前記半導体ダイの部分の、全てではないが一部に容量結合されるデバイス。
【請求項17】
半導体デバイスであって、
半導体ダイの対向する第1及び第2の面上の第1及び第2の電荷キャリアエミッション構造と、
第1及び第2のゲート制御構造であって、前記第1及び第2の面上にそれぞれ位置付けられ、それぞれが、前記第1及び第2の電荷キャリアエミッション構造からの第1の極性の電荷キャリアのエミッションをそれぞれ制御するように配置された第1及び第2のゲート制御構造と、
前記第1の電荷キャリアエミッション構造を横方向に囲む、前記第1の面上の第1のフィールドリミティングリング構造と、
前記第2の電荷キャリアエミッション構造を横方向に囲む、前記第2の面上の第2のフィールドリミティングリング構造と、を備え、
前記第1の電荷キャリアエミッション構造及び前記第1のゲート制御構造は、少なくとも3つのドーピング構成要素であって、それぞれが前記第2のフィールドリミティングリング構造の対応するそれぞれのドーピング構成要素と同じプロファイルを有する、浅いp型及びn型構成要素を含む、少なくとも3つのドーピング構成要素を含み、更には、前記第2のフィールドリミティングリング構造の任意の構成要素と同じプロファイルを有さない少なくとも1つの構成要素であって、前記第2のフィールドリミティングリング構造の対応するそれぞれのドーピング構成要素と同じプロファイルを有するドーピング構成要素の少なくとも1つに容量結合される少なくとも1つの構成要素を含み、
前記第2の電荷キャリアエミッション構造及び前記第2のゲート制御構造は、少なくとも3つのドーピング構成要素であって、それぞれが前記第1のフィールドリミティングリング構造の対応するそれぞれのドーピング構成要素と同じプロファイルを有する、浅いp型及びn型構成要素を含む、少なくとも3つのドーピング構成要素を含み、更には、前記第1のフィールドリミティングリング構造の任意の構成要素と同じプロファイルを有さない少なくとも1つの構成要素であって、前記第1のフィールドリミティングリング構造の対応するそれぞれのドーピング構成要素と同じプロファイルを有するドーピング構成要素の少なくとも1つに容量結合される少なくとも1つの構成要素を含み、
それにより、前記フィールドリミティングリング構造は、組合せにおいて、前記電荷キャリアエミッション構造と前記半導体ダイのエッジとの間の横方向電圧プロファイルを平滑化するデバイス。
【請求項18】
請求項17記載のデバイスであって、
前記半導体ダイのバルクは、低濃度ドープのp型材料であり、前記フィールドリミティングリング構造のそれぞれは、n型ウェルを含むデバイス。
【請求項19】
請求項17記載のデバイスであって、
前記半導体ダイのバルクは、低濃度ドープのp型材料であり、
前記フィールドリミティングリング構造のそれぞれは、n型ウェルを含み、
前記フィールドリミティングリング構造のそれぞれにおける前記浅いn型構成要素は、第2のp型構成要素が前記それぞれの前記n型ウェルをカウンタドープすることによって電気的に実現されるデバイス。
【請求項20】
請求項17記載のデバイスであって、
前記半導体ダイのバルクはシリコンであるデバイス。
【請求項21】
請求項17記載のデバイスであって、
前記電荷キャリアエミッション構造にも前記ゲート制御構造にも接続されない少なくとも1つの局所的なメタライゼーション部分を更に備え、前記局所的なメタライゼーションは、複数の前記フィールドリミティングリング構造における隣接するフィールドリミティングリング構造を横方向に分離する前記半導体ダイの部分の、全てではないが一部に容量結合されるデバイス。
【請求項22】
パワー半導体デバイスを動作させる方法であって、
選択的に、半導体ダイの第1の面上で第1の制御端子を駆動することに応答して、第1の電荷キャリアエミッション構造から第1の極性の電荷キャリアを放出する又は放出しないことであって、それにより第1の方向への電流のバイポーラ導電を開始する、前記放出する又は放出しないことと、
選択的に、半導体ダイの第2の面上で第2の制御端子を駆動することに応答して、前記第2の面上の第2の電荷キャリアエミッション構造から第1の極性の電荷キャリアを放出する又は放出しないことであって、それにより、第1の方向と反対方向への電流のバイポーラ導電を開始する、前記放出する又は放出しないことと、
前記第1の電荷キャリアエミッション構造を横方向に囲む複数の第1のフィールドリミティングリング構造を横断するように前記第1の電荷キャリアエミッション構造の電圧を横方向に分布させることと、
前記第2の電荷キャリアエミッション構造を横方向に囲む複数の第2のフィールドリミティングリング構造を横断するように前記第2の電荷キャリアエミッション構造の電圧を横方向に分布させることと、を含み、
前記第1のフィールドリミティングリング構造のそれぞれは、少なくとも3つのドーピング構成要素であって、それぞれが前記第2の電荷キャリアエミッション構造のそれぞれのドーピング構成要素と同じプロファイルを有する少なくとも3つのドーピング構成要素を含み、
前記第2のフィールドリミティングリング構造のそれぞれは、少なくとも3つのドーピング構成要素であって、それぞれが前記第1の電荷キャリアエミッション構造のそれぞれのドーピング構成要素と同じプロファイルを有する少なくとも3つのドーピング構成要素を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
[相互参照]
2014年1月16日に出願された61/928,133からの優先権を主張し、これは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
また、2014年12月19日に出願された62/094,415からの優先権を主張し、これは、参照により本明細書に組み込まれる。
また、2015年1月12日に出願された62/102,357からの優先権を主張し、これは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
[背景]
本願は、高電圧半導体デバイスに関し、より具体的には、高電圧半導体デバイスのための終端領域に関する。
【0004】
以下で説明される点が、開示発明から得られた後知恵を反映している可能性があり、必ずしも先行技術であるとは認められないことに留意されたい。
【0005】
高電圧半導体デバイスのエッジ終端構造の設計は、その長寿命動作にとって重要である。所与の条件の組合せで動作するように設計された終端構造は、終端構造の表面にある、又は、その近くにある、好ましくない正又は負電荷の存在下で、電圧ハンドリング能力の顕著な低下を示す場合がある。
【0006】
Trajkovic等は、この影響を、参照により組み込まれる「高電圧デバイスの終端領域における静的及び動的な寄生電荷の影響と、可能な解決策(The effect of static and dynamic parasitic charge in the termination region of high voltage devices and possible solutions)」、パワー半導体デバイス及びICに関する第12回国際シンポジウム(The 12th international Symposium on Power Semiconductor Devices and ICs),予稿集(Proceedings),第263−266頁,2000年5月22−25日、IEEEにおいて調査した。
図9A、9B、及び9Cとして本明細書で再現されるTrajkovicのシミュレーションにおいて、
図9Aの場合のように、デバイスの上の酸化物層内に電荷が存在しないとき、デバイスの絶縁破壊電圧は、V
br=1600Vであった。
図9Bの場合のように、酸化物層内に正電荷が存在したとき、デバイスの絶縁破壊電圧は、V
br=870Vであった。
図9Cの場合のように、酸化物層内に負電荷が存在したとき、デバイスの絶縁破壊電圧は、V
br=980Vであった。
【0007】
参照により組み込まれる、所有者が共通しかつ同時係属中の出願14/313,960は、B−TRANとして知られる新規な2方向バイポーラトランジスタを教示した。B−TRANは、各表面上に少なくとも2つの導線を有する3層4端子垂直対称性2方向バイポーラトランジスタである。B−TRANの各表面上の1つの接合部はエミッタとして働き、対向する表面上の対応する接合部はコレクタとして働き、どちらの側がエミッタであるかは、印加電圧の極性に依存する。
【0008】
[表面電荷に対して低減された感度を有する構造及び方法]
本願は、イノベーションの中でもとりわけ、表面電荷に対して低減された感度を有するパワー半導体デバイスを教示する。
【0009】
本願はまた、イノベーションの中でもとりわけ、表面電荷に対する感度を低減するようにパワー半導体デバイスを動作させる方法を教示する。
上記イノベーションは、1以上のフィールドリミティングリング内でデバイスのアクティブエリア(複数可)からキャリアエミッション構造の部分を複製することによって、開示される種々の実施形態において実現される。フィールドリミティングリングはまた、隣接する誘電体の環を覆って延在しかつそれに容量結合されるフィールドプレートを含み得る。好ましくかつ特に有利なクラスの実施形態において、アクティブデバイスは、垂直対称性4端子2表面バイポーラトランジスタであり、そこにおいて、電流は、キャリアエミッション構造の近くのゲート端子を駆動することによって一方向にターンオンされ、キャリアエミッション構造は、その電流の方向に、エミッタとして動作する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
開示される発明は、添付図面を参照して述べられ、添付図面は、重要なサンプル実施形態を示し、参照により本明細書に組み込まれる。
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の1つのサンプル実施形態を示す。
【
図2A-2B】
図2A及び
図2Bは、それぞれ、本発明の1つのサンプル実施形態の俯瞰図(overhead view)及び断面図である。
【
図3】
図3は、本発明の別のサンプル実施形態を示す。
【
図4】
図4は、本発明の革新的な教示の別のサンプル実施形態を示す。
【
図5-6】
図5及び
図6は、2つの従来技術の終端構造を示す。
【
図7】
図7は、本発明の別のサンプル実施形態を示す。
【
図8】
図8は、本発明の別のサンプル実施形態を示す。
【
図9A-9C】
図9A、9B、及び9Cは、絶縁破壊電圧の従来技術のシミュレーションを示す。
【
図10A-10B】
図10A及び10Bは、電界分布の従来技術のシミュレーションを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[サンプル実施形態の詳細な説明]
本願の多数の革新的な教示は、現在のところ好ましい実施形態を特に参照して(限定としてではなく例として)述べられる。本願は、いくつかの発明を説明するが、以下の記述のいずれも、特許請求の範囲を総じて限定するものと解釈されるべきではない。
【0013】
本願は、パワー半導体デバイスのアクティブエリアを囲むフィールドリミティング周辺構造に対する新しいアプローチを述べる。半導体材料(例えば、シリコン)と、上を覆う誘電体(例えば、二酸化シリコン)との間の界面の、あるいは更に、上を覆う誘電体内又はその上の、静電荷は、プロセス依存性があり、したがって、ほぼ予測不能である。特に、この静電荷の極性は、ほぼ予測不能であり、いずれの極性の非ゼロ電荷密度も、絶縁破壊特性を低下させる可能性がある。
【0014】
本願は、バイポーラ導電を使用する両面パワー半導体デバイスに特に適用可能である改良を(より広く適用可能な発明に加えて)提供する。このクラスのデバイスにおいて、両面パワーデバイスのアクティブデバイス(アレイ)部分内にキャリアエミッション構造及び制御構造を形成する4つ(又は4つより多い数)の半導体ドーピング構成要素のうちの3つの半導体ドーピング構成要素をまた、驚くほどに有利に使用して、両方の表面上でアクティブアレイの周りにフィールドリミティングリングを形成し得ることを本発明者は認識した。
【0015】
最も好ましいことは、必ずしも全てではないが一部の実施形態において、1つの導電型の浅いインプラントを使用して、他の導電型を有するウェルの表面をカウンタドープすることであり、それにより、他の導電型の浅いインプラントをシミュレートし、フィールドリミティングリング内で必要とされるインプラントの数を減少させる。
【0016】
フィールドリミティングリング内でキャリアエミッション構造を実装するため、プライマリキャリアエミッション構造に対応する(例えば、n+エミッタコンタクト領域及び/又はn型エミッタ領域に対応する)第1の半導体ドーピング構成要素、及び、プライマリ制御領域に対するコンタクトに対応する(例えば、p型ベースコンタクト領域に対応する)反対の型の第2の半導体ドーピング構成要素は共に、一連の入れ子式リングのそれぞれにおいて複製される。更に、それら反対の型の浅いドーピング構成要素は、フィールドリミティングリング構造内で金属ジャンパによって結び付けられ得る。これらの金属ジャンパに加えて又はその代わりに、金属層(複数可)の伸長部が、同様に使用されて、各リングの外又は内にフィールドプレートを形成し得て、フィールドプレートは、電位の勾配を平滑化するのに更に役立つ。
【0017】
この特徴の組合せは、2つの利点、すなわち、第1に、低い正味のドーパント密度が、更なるドーピングステップを使用することなく、センシティブな表面ロケーションにおいて達成されること、第2に、両方の導電型の表面リングの存在が、異なる極性及び量の静電荷によって生じる、絶縁破壊電圧を減少させる電界の変化を防止するのに役立つこと、の相乗的な組合せをもたらす。
【0018】
p型基板において、酸化物−半導体界面の正電荷は、デバイスの表面に電子チャネルを誘起し得る。一方、負の界面電荷は、パンチスルー及びデバイス故障を引き起すのに十分に終端領域表面を使い尽くす可能性がある。浅いp型リング及び浅いn型リングが共に終端構造において使用されるとき、特に、互いに電気的に接続されるとき、これは、これらの故障モードのいずれかの影響から、より深いフィールドリミティングリングをシールドし得る。
【0019】
作製は、幾つかのサンプル実施形態において、1つの導電型を使用して、反対の導電型のより深い領域をカウンタドープし、それにより、これらの浅い領域のうちの1つの領域をシミュレートし、終端構造を作製するために必要とされる処理ステップの数を減少させることによって簡略化し得る。NPN B−TRANの、深いn型エミッタ領域、浅いn型エミッタコンタクト領域、及び浅いp型ベースコンタクト領域を、その終端構造内で使用する代わりに、現在のところ最も好ましいサンプル実施形態は、終端構造内の浅いn型エミッタコンタクト領域を削除し得る。浅いp型ベースコンタクトの拡散(ディフュージョン)を代わりに使用して、深いn型エミッタ類似領域の一部分を低濃度カウンタドープし、それにより、その中に浅いn型領域をシミュレートし得る。
【0020】
本図は、各図の右側がそれぞれのダイの中心に最も近く、各図の左側がそれぞれのダイのエッジに最も近くなるように方向付けられる。
図1のサンプル実施形態において、B−TRAN 100の両側のアクティブ領域102は、N−エミッタ領域108及びN+エミッタコンタクト領域110を含む。P−−バルクベース領域106に対するコンタクトは、ベース領域112及び対応するベースコンタクト領域114を通じてとられ、ベース領域112及び対応するベースコンタクト領域114は共に、好ましくは、それぞれ、エミッタ領域108及びエミッタコンタクト領域110より浅い。N型エミッタ領域108及び110は、最も好ましくは、ポリフィルドトレンチ116によって、p型ベース領域112及び114から分離される。ポリフィルドトレンチ116は、最も好ましくは、n型ソース領域110に電気的に接続される。
【0021】
B−TRANは、完全に2方向性でかつ垂直対称性である。すなわち、所与の導電方向について、B−TRAN 100の一方の側のn型領域108はエミッタ領域として働き、一方、反対の側のn型領域108はコレクタ領域として働き、また、反対の導電方向について、逆もまた同様である。
【0022】
P型ベースコンタクト領域114は、P−ベース領域112に対して低抵抗オーミックコンタクトを可能にする。同様に、n型エミッタコンタクト領域110は、N−エミッタ領域108に対して低抵抗オーミックコンタクトを可能にする。
【0023】
好ましくはP−ベース領域112と同じ拡散によって形成されるP−領域120は、アクティブ領域102と終端領域104との間の遷移を示す。終端領域104内の終端構造128は、深いN+フィールドリミティングリング122並びに浅いP−リング124及び126を含む。
【0024】
終端構造128の隣接する対のそれぞれは、窪んだ厚いフィールド酸化物領域118によって分離される。金属フィールドプレート130は、深いN+終端リング122に電気接続され、ダイのエッジに向かって厚いフィールド酸化物118の一部を覆って外側に延在する。フィールドプレート130は、厚い酸化物領域118の上で一定電位を提供する。フィールド酸化物118の厚さ及びフィールドプレート130がフィールド酸化物118を覆って延在する距離を、終端領域の絶縁破壊電圧を更に増加させるために、デバイスパラメータに対して調整し得る。
【0025】
最も好ましいことには、深いn型リング122が、n型エミッタ領域108と同じ拡散で形成される。同様に、浅いp型リング124及び126は、最も好ましくは、浅いp型ベースコンタクト領域114と同じ拡散で形成される。
【0026】
1つのサンプル実施形態において、深いn型リング122及びn型エミッタ領域108は、例えば10
17〜10
19/cm
3の範囲のピークドーピング濃度を有し得て、例えば2〜10μmの深さであり得る。1つのサンプル実施形態において、深いn型リング122及びn型エミッタ領域108は、例えば5μmの深さである。
【0027】
1つのサンプル実施形態において、p型ベース領域112は、例えば2〜6μmの深さであり得て、例えば10
16〜10
18/cm
3の範囲のピークドーピング濃度を有し得る。
【0028】
1つのサンプル実施形態において、n型エミッタコンタクト領域110は、例えば0.5〜1.5μm深さであり得て、例えば2×10
19/cm
3より大きいピークドーピング濃度を有し得る。
【0029】
1つのサンプル実施形態において、p型ベースコンタクト領域114は、例えば10
19/cm
3より大きいピークドーピング濃度を有し得て、例えば0.2〜1.0μm深さであり得る。P型ベースコンタクト領域114は、好ましくは、n型エミッタコンタクト領域110より浅い。
【0030】
図3のサンプル実施形態において見られるように、浅いP−領域124は、深いN+領域122の一部分をカウンタドープして、終端構造328内で電気的に等価な浅いn型領域をシミュレートする。浅いシミュレートされたn型領域124は、最も好ましくは、深いフィールドリミティングリング122の外側エッジの近くに配置される。
【0031】
図4の場合のように、この浅いシミュレートされたn型領域124が浅いp型領域126と組み合わされると、これらの2つの浅い領域124及び126は、より深いフィールドリミティングリング122上での正と負の両方の界面電荷の影響をよりよく軽減し得る。対応する浅いp型ベースコンタクト領域のドーパントプロファイルは、必要に応じて調整されて、浅い領域124及び126に対して必要とされる正味の電荷を提供し、それにより、終端構造の絶縁破壊電圧を最適に増加し得る。
【0032】
図2Aに示すサンプル実施形態の俯瞰図において、アクティブエリア202におけるN型エミッタ領域110のストライプはそれぞれ、ポリフィルドトレンチリング116によって囲まれ、ベースコンタクト領域114によって分離される。終端領域204は、複数の終端リング228を含む。ラインA−A’に沿う
図2Bの断面図において、終端リング228は、部分的にのみ詳細に示されるが、本明細書で教示される任意の終端リング構造であり得る。
【0033】
現在のところ好ましい実施形態において、各終端リング及びその関連するデプレッション領域は、例えば約100〜150V低下し得る。
図5は、Trajkovicによって提案されるフィールドリミティングリング構造を示し、
図6は、p型基板についての類似の構造を示す。
図10A及び10Bは、それぞれ、Trajkovicによって提案される修正がない状態及び修正がある状態での、2つの隣接する終端リング間の絶縁破壊時の電界分布のTrajkovicのシミュレーションを示す。
図10A及び10Bは共に、酸化物において正電荷の場合、負電荷の場合、無電荷の場合の電界分布を示す。
【0034】
図7において、終端構造728は、本発明の別のサンプル実施形態を示す。ここで、深いN領域122をカウンタドープしてn型領域をシミュレートする低濃度ドープのp型領域の代わりに、浅いN+領域724Aが、好ましくは、浅いn型エミッタコンタクト領域(図示せず)と同じ拡散で形成される。浅いn型領域724A及び浅いp型領域726は共に、深いN領域122の表面上に形成され、最も好ましくは、メタライゼーション730Aによって共に電気接続され、これは、フィールド低下を空間的に広げるのに役立つ。メタライゼーション730Aはまた、N領域122の外側エッジを超えて延在して、
図1のフィールドプレートと同様のフィールドプレート(図示せず)を形成し得る。
【0035】
図8は、本発明の現在のところあまり好ましくないサンプル実施形態を示す。終端構造828Bは、n型基板806上に形成され、IGBTのソース−本体構成に類似する。深いP+領域832は、n−チャネルIGBTの本体コンタクト領域に類似する。より浅く、より低濃度ドープのp型領域834は、n−チャネルIGBTの本体領域に類似して、深いP+領域832に両側で隣接する。本体−類似領域834のそれぞれの内部には、浅いN+拡散836が存在し、それは、n−チャネルIGBTのソース領域に類似する。フィールドプレート838は、アクティブ領域と終端領域との間の境界を示し、一方、フィールドプレート840は、終端領域とダイのエッジとの間の境界を示す。フィールドプレート838とフィールドプレート840の両方の一部分は、厚いフィールド酸化物842の一部分の上を覆う。
図11のサンプル実施形態は、2方向IGBTと一体化された終端構造828Bを示し、やはり、2方向IGBTのソース−本体構成を模倣する。
【0036】
[利点]
開示されるイノベーションは、種々の実施形態において、少なくとも以下の利点のうちの1以上を提供する。しかし、これらの利点の全てが、開示されるイノベーションのどれからも得られるわけではなく、この利点のリストは、クレームされる種々の発明を限定しない。
【0037】
・界面酸化物電荷からの改善された保護;
・既存の作製プロセスとの簡単な統合;
・更なるドーピングステップの使用なしに、センシティブな表面ロケーションにおいて低い正味ドーパント密度が達成される;
・両導電型の表面リングが、異なる複数極性の静電荷から生じ得る絶縁破壊エンハンスメントの両方を阻止するのに役立つ。
【0038】
必ずしも全てではないが一部の実施形態によれば、以下が提供される:本願は、バイポーラ導電を使用する両面パワー半導体デバイスに特に適用可能である改良を(より広く適用可能な発明に加えて)提供する。このクラスのデバイスにおいて、両面パワーデバイスのアクティブデバイス(アレイ)部内のキャリアエミッション構造及び制御構造を形成する4つ(又は4つより多い数)の半導体ドーピング構成要素のうちの2つ又は3つの半導体ドーピング構成要素をまた、驚くほどに有利に、両方の表面上でアクティブアレイの周りにフィールドリミティングリングを形成するのに使用し得ることを本発明者は認識した。最も好ましくは、必ずしも全てではないが一部の実施形態において、1つの導電型の浅いインプラントが、他の導電型を有するウェルの表面をカウンタドープするのに用いられる。この浅いインプラントは、単独で、又は、同じ導電型の別の浅いインプラントと組み合わされて、半導体材料の表面において又は表面上で過剰な電荷の影響からウェルをシールドするように働く。
【0039】
必ずしも全てではないが一部の実施形態によれば、以下が提供される:半導体デバイスであって、半導体ダイの第1及び第2の対向する面上の第1及び第2の電荷キャリアエミッション構造と、第1及び第2の半導体制御領域であって、前記第1及び第2の面上にそれぞれ位置付けられ、それぞれが、前記第1及び第2のエミッション構造からの第1の極性の電荷キャリアのエミッションをそれぞれ制御するように配置される第1及び第2の半導体制御領域と、前記第1のエミッション構造を横方向に囲む、前記第1の面上の第1のフィールドリミティングリング構造と、前記第2のエミッション構造を横方向に囲む、前記第2の面上の第2のフィールドリミティングリング構造と、を備え、前記第1のエミッション構造及び前記第1の制御構造は、少なくとも3つのドーピング構成要素であって、それぞれが前記第2のフィールドリミティングリングの対応するそれぞれのドーピング構成要素と同じプロファイルを有する、浅いp型及びn型構成要素を含む、少なくとも3つのドーピング構成要素を全体として含み、更には、第2のフィールドリミティングリングの任意の構成要素と同じプロファイルを有さない少なくとも1つの他のドーピング構成要素を含み、前記第2のエミッション構造及び前記第2の制御構造は、少なくとも3つのドーピング構成要素であって、それぞれが前記第1のフィールドリミティングリングの対応するそれぞれのドーピング構成要素と同じプロファイルを有する、浅いp型及びn型構成要素を含む、少なくとも3つのドーピング構成要素を全体として含み、更には、前記第1のフィールドリミティングリングの任意の構成要素と同じプロファイルを有さない少なくとも1つの他のドーピング構成要素を含み、それにより、前記フィールドリミティングリングが、組合せにおいて、前記エミッション構造と前記ダイのエッジとの間の横方向電圧プロファイルを平滑化するデバイス。
【0040】
必ずしも全てではないが一部の実施形態によれば、以下が提供される:半導体デバイスであって、半導体ダイの第1及び第2の対向する面上の第1及び第2の電荷キャリアエミッション構造と、第1及び第2の半導体制御領域であって、前記第1及び第2の面上にそれぞれ位置付けられ、それぞれが、前記第1及び第2のエミッション構造からの第1の極性の電荷キャリアのエミッションをそれぞれ制御するように配置される第1及び第2の半導体制御領域と、前記第1のエミッション構造を横方向に囲む、前記第1の面上の第1のフィールドリミティングリング構造と、前記第2のエミッション構造を横方向に囲む、前記第2の面上の第2のフィールドリミティングリング構造と、を備え、前記第1のエミッション構造及び前記第1の制御構造は、少なくとも3つのドーピング構成要素であって、それぞれが前記第2のフィールドリミティングリングの対応するそれぞれのドーピング構成要素と同じプロファイルを有する、浅いp型及びn型構成要素並びに深いウェル構成要素を含む、少なくとも3つのドーピング構成要素を全体として含み、更には、前記第2のフィールドリミティングリングの任意の構成要素と同じプロファイルを有さない少なくとも1つの他のドーピング構成要素を含み、前記第2のエミッション構造及び前記第2の制御構造は、少なくとも3つのドーピング構成要素であって、それぞれが前記第1のフィールドリミティングリングの対応するそれぞれのドーピング構成要素と同じプロファイルを有する、浅いp型及びn型構成要素並びに深いウェル構成要素を含む、少なくとも3つのドーピング構成要素を全体として含み、更には、前記第1のフィールドリミティングリングの任意の構成要素と同じプロファイルを有さない少なくとも1つの他のドーピング構成要素を含み、更には、前記第1の面上の第1のフィールドプレートであって、前記第1のフィールドリミティングリングの深いウェル構成要素に電気的に接続され、前記第1のフィールドリミティングリングの一部分に横方向に隣接する半導体ダイの部分の、全てではないが一部に、介在する誘電体層を通じて容量結合される第1のフィールドプレートと、前記第2の面上の第2のフィールドプレートであって、前記第2のフィールドリミティングリングの深いウェル構成要素に電気的に接続され、前記第2のフィールドリミティングリングの一部分に横方向に隣接する半導体ダイの部分の、全てではないが一部に、介在する誘電体層を通じて容量結合される、第2のフィールドプレートと、を備え、それにより、前記フィールドリミティングリングは、組合せにおいて、前記エミッション構造と前記ダイのエッジとの間の横方向電圧プロファイルを平滑化するデバイス。
【0041】
必ずしも全てではないが一部の実施形態によれば、以下が提供される:半導体デバイスであって、半導体ダイの第1及び第2の対向する面上の第1及び第2の電荷キャリアエミッション構造と、第1及び第2の半導体制御領域であって、前記第1及び第2の面上にそれぞれ位置付けられ、それぞれが、前記第1及び第2のエミッション構造からの第1の極性の電荷キャリアのエミッションをそれぞれ制御するように配置された第1及び第2の半導体制御領域と、前記第1のエミッション構造を横方向に囲む、前記第1の面上の第1のフィールドリミティングリング構造と、前記第2のエミッション構造を横方向に囲む、前記第2の面上の第2のフィールドリミティングリング構造と、を備え、前記第1のエミッション構造及び前記第1の制御構造は、少なくとも3つのドーピング構成要素であって、それぞれが前記第2のフィールドリミティングリングの対応するそれぞれのドーピング構成要素と同じ空間プロファイルを有し電気的に等価である、浅いp型及びn型構成要素を含む、少なくとも3つのドーピング構成要素を全体として含み、更には、前記第2のフィールドリミティングリングの任意の構成要素と同じプロファイルを有さない少なくとも1つの他のドーピング構成要素を含み、前記第2のエミッション構造及び前記第2の制御構造は、少なくとも3つのドーピング構成要素であって、それぞれが前記第1のフィールドリミティングリングの対応するそれぞれのドーピング構成要素と同じ空間プロファイルを有し電気的に等価である、浅いp型及びn型構成要素を含む、少なくとも3つのドーピング構成要素を全体として含み、更には、前記第1のフィールドリミティングリングの任意の構成要素と同じプロファイルを有さない少なくとも1つの他のドーピング構成要素を含み、それにより、前記フィールドリミティングリングが、組合せにおいて、前記エミッション構造と前記ダイのエッジとの間の横方向電圧プロファイルを平滑化するデバイス。
【0042】
必ずしも全てではないが一部の実施形態によれば、以下が提供される:半導体デバイスであって、半導体ダイの第1の面上の電荷キャリアエミッション構造と、前記エミッション構造からの第1の極性の電荷キャリアのエミッションを制御するように配置された半導体制御領域と、前記エミッション構造を横方向に囲む1以上のフィールドリミティングリング構造と、を備え、前記エミッション構造及び前記制御構造は、少なくとも3つのドーピング構成要素であって、それぞれが前記フィールドリミティングリングの対応するそれぞれのドーピング構成要素と同じプロファイルを有する、浅いp型及びn型構成要素を含む、少なくとも3つのドーピング構成要素を全体として含み、更には、前記フィールドリミティングリングの任意の構成要素と同じプロファイルを有さない少なくとも1つの他のドーピング構成要素を含み、それにより、前記フィールドリミティングリングが、前記エミッション構造と前記ダイのエッジとの間の横方向電圧プロファイルを平滑化するデバイス。
【0043】
必ずしも全てではないが一部の実施形態によれば、以下が提供される:半導体デバイスであって、半導体ダイの第1及び第2の対向する面上の第1及び第2の電荷キャリアエミッション構造と、第1及び第2のゲート制御構造であって、前記第1及び第2の面上にそれぞれ位置付けられ、それぞれが、前記第1及び第2のエミッション構造からの第1の極性の電荷キャリアのエミッションをそれぞれ制御するように配置される第1及び第2のゲート制御構造と、前記第1のエミッション構造を横方向に囲む、前記第1の面上の第1のフィールドリミティングリング構造と、前記第2のエミッション構造を横方向に囲む、前記第2の面上の第2のフィールドリミティングリング構造と、を備え、前記第1のエミッション構造及び前記第1のゲート制御構造は、少なくとも3つのドーピング構成要素であって、それぞれが前記第2のフィールドリミティングリングの対応するそれぞれのドーピング構成要素と同じプロファイルを有する、浅いp型及びn型構成要素を含む、少なくとも3つのドーピング構成要素を含み、更には、前記第2のフィールドリミティングリングの任意の構成要素と同じプロファイルを有さない少なくとも1つの構成要素であって、前記第2のフィールドリミティングリングの対応するそれぞれのドーピング構成要素と同じプロファイルを有するドーピング構成要素の少なくとも1つに容量結合される少なくとも1つの構成要素を含み、前記第2のエミッション構造及び前記第2のゲート制御構造は、少なくとも3つのドーピング構成要素であって、それぞれが前記第1のフィールドリミティングリングの対応するそれぞれのドーピング構成要素と同じプロファイルを有する、浅いp型及びn型構成要素を含む、少なくとも3つのドーピング構成要素を含み、更には、前記第1のフィールドリミティングリングの任意の構成要素と同じプロファイルを有さない少なくとも1つの構成要素であって、前記第1のフィールドリミティングリングの対応するそれぞれのドーピング構成要素と同じプロファイルを有するドーピング構成要素の少なくとも1つに容量結合される少なくとも1つの構成要素を含み、それにより、前記フィールドリミティングリングは、組合せにおいて、前記エミッション構造と前記ダイのエッジとの間の横方向電圧プロファイルを平滑化するデバイス。
【0044】
必ずしも全てではないが一部の実施形態によれば、以下が提供される:パワー半導体デバイスを動作させる方法であって、選択的に、半導体ダイの第1の面上で第1の制御端子を駆動(drive on)することに応答して、第1のエミッション構造から第1の極性の電荷キャリアを放出する又は放出しないことであって、それにより第1の方向への電流のバイポーラ導電を開始する、前記放出する又は放出しないことと、選択的に、半導体ダイの第2の面上で第2の制御端子を駆動することに応答して、前記第2の面上の第2のエミッション構造から第1の極性の電荷キャリアを放出する又は放出しないことであって、それにより前記第1の方向と反対方向への電流のバイポーラ導電を開始する、前記放出する又は放出しないことと、前記第1のエミッション構造を横方向に囲む複数の第1のフィールドリミティングリングを横断するように前記第1のエミッション構造の電圧を横方向に分布させることと、前記第2のエミッション構造を横方向に囲む複数の第2のフィールドリミティングリングを横断するように前記第2のエミッション構造の電圧を横方向に分布させることと、を含み、前記第1のフィールドリミティングリングのそれぞれは、少なくとも3つの半導体ドーピング構成要素であって、それぞれが前記第2のエミッション構造のそれぞれのドーピング構成要素と同じプロファイルを有する少なくとも3つの半導体ドーピング構成要素を含み、前記第2のフィールドリミティングリングのそれぞれは、少なくとも3つの半導体ドーピング構成要素であって、それぞれが前記第1のエミッション構造のそれぞれのドーピング構成要素と同じプロファイルを有する少なくとも3つの半導体ドーピング構成要素を含む方法。
【0045】
[修正及び変形]
当業者によって認識されるように、本願で説明される革新的概念は、非常に広い範囲の用途にわたって修正され変更される可能性があり、したがって、特許で保護される主題の範囲は、示される特定の例示的な教示のいずれによっても限定されない。添付する特許請求の範囲の精神及び広い範囲内に入る全てのこうした代替、修正、及び変形を包含することが意図される。
【0046】
幾つかの代替実施形態において、終端領域は、1以上の従来のフィールドリミティングリングを含む2以上のタイプのフィールドリミティングリング、又は、他の従来の終端構造を含み得る。
【0047】
幾つかの代替実施形態において、両面デバイスは、垂直非対称性終端構造を有し得る。
幾つかの代替実施形態において、本願の革新的な終端構造は、そのキャリアエミッション構造及び制御構造の複数部分を模倣することによって、他の両面デバイス又は片面デバイスと共に使用され得る。
【0048】
幾つかの代替実施形態において、1以上のフィールドプレートは、各アクティブ領域と各終端領域との間に配置され得る。
幾つかの代替実施形態において、1以上のフィールドプレートは、終端領域の端部とダイのエッジとの間に配置され得る。
【0049】
図8の実施形態のような1つの代替実施形態において、p型領域834及びN+領域836は、P+領域832の外周上にだけ存在する。
幾つかの実施形態において、フィールドプレートは金属である。他の実施形態において、フィールドプレートはポリシリコンである。更に他の実施形態では、他の導電性又は半導体材料が使用され得る。
【0050】
幾つかの企図される実施形態において、2以上のフィールドプレートが、隣接する終端リング間に設置され得る。他の企図される実施形態において、フィールドプレートは、終端領域の一部又は全ての間で省略され得る。
【0051】
幾つかの実施形態において、フィールドプレートは、ダイのエッジに向かって各終端構造から外側に延在し得る。他の実施形態において、フィールドプレートは、ダイの中心に向かって各終端構造から内側に延在し得る。更に他の実施形態において、これは異なり得る。
【0052】
幾つかの代替するカウンタドーピングの実施形態では、任意のフィールドプレートからフィールドリミティングリングの深い部分へのコンタクトをとるために、シミュレートされる導電型の浅い拡散が依然として使用され得る。
【0053】
図1の実施形態のような1つの代替実施形態において、深い終端リングから外側に延在するフィールトプレートは、関連する2つの浅い拡散を電気的に接続するメタライゼーションと共にリングの周りに散在する。
【0054】
本イノベーションは、p型基板に関して本明細書で主に論じられるが、n型基板に対する適合が、ドーパント極性を交換することによって実現され得ることは、もちろん理解されるだろう。
【0055】
変形及び実装を示すのに役立つ更なる一般的な背景は、以下の出版物において見つけることができ、これら出版物の全ては、参照により組み込まれる:Trajkovic,T.等「高電圧デバイスの終端領域における静的及び動的な寄生電荷の影響と、可能な解決策(The effect of static and dynamic parasitic charge in the termination area of high voltage devices and possible solutions)」、パワー半導体デバイス及びICに関する第12回国際シンポジウム(The 12th international Symposium on Power Semiconductor Devices and ICs),予稿集(Proceedings),第263−266頁,2000年5月22−25日、IEEE。
【0056】
変形及び実装を示すのに役立つ更なる一般的な背景、並びに、以下にクレームされる本発明と共に相乗的に実現され得る幾つかの特徴は、以下の米国特許出願において見つけることができる。これらの出願の全ては、本願との少なくとも何らかの共同所有、同時係属、及び発明者の要件を有し、これらの出願の全て、並びに、これらの出願に直接的に又は間接的に組み込まれる任意の情報は、参照により組み込まれる。これらの出願は、US 8,406,265、US 8,400,800、US 8,395,910、US 8,391,033、US 8,345,452、US 8,300,426、US 8,295,069、US 7,778,045、US 7,599,196;US 2012−0279567 A1、US 2012−0268975 A1、US 2012−0274138 A1、US 2013― 0038129 A1、US 2012−0051100 A1;PCT/US14/16740、PCT/US14/26822、PCT/US14/35954、PCT/US14/35960;14/182,243、14/182,236、14/182,245、14/182,246、14/183,403、14/182,249、14/182,250、14/182,251、14/182,256、14/182,268、14/183,259、14/182,265、14/183,415、14/182,280、14/183,422、14/182,252、14/183,245、14/183,274、14/183,289、14/183,309、14/183,335、14/183,371、14/182,270、14/182,277、14/207,039、14/209,885、14/260,120、14/265,300、14/265,312、14/265,315、14/313,960、14/479,857、14/514,878、14/514,988、14/515,348、及び、上記出願のうちの任意の出願の全ての優先権出願であり、それらの出願のそれぞれ、及び、全てが参照により組み込まれる。
【0057】
本願における説明はいずれも、任意の特定の要素、ステップ、又は機能が、特許請求の範囲に含まれなければならない本質的な要素であることを示唆するとして読まれるべきでない。すなわち、特許で保護される主題の範囲は、許可クレームによって規定されるだけである。更に、これらのクレームはいずれも、厳密な語「ミーンズ・フォー(means for)」に分詞が続かなければ、米国特許法第112条第6パラグラフを発動させることを意図しない。
【0058】
出願時の特許請求の範囲は、可能な限り包括的であることが意図されており、主題は、意図的に放棄(relinquished,dedicated,abandoned)されない。