(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6644722
(24)【登録日】2020年1月10日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】ブラケット装置
(51)【国際特許分類】
A47B 88/423 20170101AFI20200130BHJP
H05K 7/18 20060101ALI20200130BHJP
【FI】
A47B88/04 A
H05K7/18 F
【請求項の数】18
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-16388(P2017-16388)
(22)【出願日】2017年2月1日
(65)【公開番号】特開2018-8014(P2018-8014A)
(43)【公開日】2018年1月18日
【審査請求日】2017年2月1日
(31)【優先権主張番号】105122158
(32)【優先日】2016年7月13日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】504297766
【氏名又は名称】川湖科技股▲分▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】513240939
【氏名又は名称】川益科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】陳 庚金
(72)【発明者】
【氏名】楊 順和
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 建立
(72)【発明者】
【氏名】王 俊強
【審査官】
下井 功介
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2008/0087781(US,A1)
【文献】
特開2005−253948(JP,A)
【文献】
特開2000−041769(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3127644(JP,U)
【文献】
欧州特許出願公開第03005901(EP,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0363108(US,A1)
【文献】
登録実用新案第3179651(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 88/00〜88/994
H05K 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端部及び第2端部を有し、前記第1端部と前記第2端部との間に空間が画成されている、ブラケット、
前記ブラケットに付属するベースであり、当該ベースは、後部及び前部を有する、ベース、
前記ブラケットの前記第1端部に隣接して配置された取付部材であり、当該取付部材は、前記ブラケットの前記空間内に位置する取付部を有する、取付部材、及び
前記ブラケット上に配置され、係止部及び操作部を有する係止部材であり、前記係止部及び前記操作部は、一つのピースに一体的に形成されているか又は対応する構造によって互いに接続されており、当該係止部材の前記係止部は、前記ブラケットの前記空間内の係止位置に位置するように保持され、当該係止部材の前記係止部は、当該係止部材の前記操作部の操作に応じて、前記係止位置から離れるように動かされることができる、係止部材、
を有し、
前記係止部材の前記操作部は、前記ブラケットの前記空間内に位置せず、前記操作部の自由端部は、前記ベースに隣接し且つ前記ベースの前記後部と前記前部との間に位置する、
ブラケット装置。
【請求項2】
前記ブラケットは、サイドプレート及び前記サイドプレートに対して曲がったエンドプレートを有し、前記取付部材は、前記エンドプレートを貫通する、請求項1に記載のブラケット装置。
【請求項3】
弾性部材を更に有し、前記係止部材は、前記弾性部材によって与えられる弾性力に応じて前記係止位置に保持される、請求項1に記載のブラケット装置。
【請求項4】
前記ブラケットは係合機構を有し、前記係止部材が前記係止位置に位置している場合に、前記係止部は前記係合機構に当接するように構成されている、請求項1に記載のブラケット装置。
【請求項5】
前記係合機構及び前記係止部のうちの一つは、フックである、請求項4に記載のブラケット装置。
【請求項6】
前記係止部材は、前記ブラケットの前記サイドプレートに移動可能に取り付けられており、前記係止部材の阻止部は、前記係止部材が前記係止位置に位置している場合に前記ブラケットの前記エンドプレートに面しており、前記係止部材の前記阻止部は、前記係止部材が前記係止位置から離れている場合に前記ブラケットの前記エンドプレートに面していない、請求項2に記載のブラケット装置。
【請求項7】
スライドレールのためのブラケット装置であり、
ブラケット、
前記ブラケットに付属するベースであり、当該ベースは、後部及び前部を有する、ベース、
前記ベースの前記後部に隣接する、取付部材、及び
操作部を有する係止部材であり、前記操作部は、当該係止部材を第1位置から第2位置に動かすために操作されるように構成されており、前記係止部材及び前記操作部は、一つのピースに一体的に形成されているか又は対応する構造によって互いに接続されており、前記操作部の自由端部は、前記ベースに隣接し且つ前記ベースの前記後部と前記前部との間に位置しており、当該係止部材は、当該係止部材が前記第1位置に位置している場合に当該ブラケット装置をポストに係止するように構成されている、係止部材、
を有する、ブラケット装置。
【請求項8】
前記ブラケットは、サイドプレート及び前記サイドプレートに対して曲がったエンドプレートを有し、前記取付部材は、前記エンドプレートを貫通する、請求項7に記載のブラケット装置。
【請求項9】
弾性部材を更に有し、前記係止部材は、前記弾性部材によって与えられる弾性力に応じて前記第1位置に保持される、請求項7に記載のブラケット装置。
【請求項10】
前記ブラケットは係合機構を有し、前記係止部材は係止部を更に有し、前記係止部材が前記第1位置に位置している場合に、前記係止部は前記係合機構に当接するように構成されている、請求項7に記載のブラケット装置。
【請求項11】
前記係合機構及び前記係止部のうちの一つは、フックである、請求項10に記載のブラケット装置。
【請求項12】
前記係止部材は、前記ブラケットの前記サイドプレートに移動可能に取り付けられており、前記係止部材の阻止部は、前記係止部材が前記第1位置に位置している場合に前記ブラケットの前記エンドプレートに面しており、前記係止部材の前記阻止部は、前記係止部材が前記第1位置から離れている場合に前記ブラケットの前記エンドプレートに面していない、請求項8に記載のブラケット装置。
【請求項13】
スライドレールをポストに取り付けるように構成されたブラケット装置であって、前記ポストは穴を有し、当該ブラケット装置は、
ブラケット、
前記ブラケットに付属するベースであり、当該ベースは、後部及び前部を有する、ベース、
前記ベースの前記後部に隣接する取付部材であり、当該取付部材は、前記ポストの後ろにあるように、前記ポストの前記穴を貫通するように構成されている、取付部材、及び
操作部及び阻止部を有する係止部材であり、前記操作部は、当該係止部材を前記ブラケットに対して第1位置から第2位置に動かすために操作されるように構成されており、前記操作部及び前記阻止部は、一つのピースに一体的に形成されているか又は対応する構造によって互いに接続されており、前記操作部の自由端部は、前記ベースに隣接し且つ前記ベースの前記後部と前記前部との間に位置しており、当該係止部材の前記阻止部は、前記係止部材が前記第1位置に位置している場合に前記ポストに面しており、前記係止部材の前記阻止部は、前記係止部材が前記第2位置に位置している場合に前記ポストに面していない、係止部材、
を有し、
前記操作部の前端は、前記ポストの前にあるように、前記ベースの前記後部から離れている、
ブラケット装置。
【請求項14】
前記ブラケットは、サイドプレート及び前記サイドプレートに対して曲がったエンドプレートを有し、前記取付部材は、前記エンドプレートを貫通する、請求項13に記載のブラケット装置。
【請求項15】
弾性部材を更に有し、前記係止部材は、前記弾性部材によって与えられる弾性力に応じて前記第1位置に保持される、請求項13に記載のブラケット装置。
【請求項16】
前記係止部材は係止部を更に有し、前記ブラケットは係合機構を有し、前記係止部材が前記第1位置に位置している場合に、前記係止部は前記係合機構に当接するように構成されている、請求項13に記載のブラケット装置。
【請求項17】
前記係合機構及び前記係止部のうちの一つは、フックである、請求項16に記載のブラケット装置。
【請求項18】
前記係止部材は、前記ブラケットの前記サイドプレートに移動可能に取り付けられている、請求項14に記載のブラケット装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はブラケット装置に関し、より具体的には、スライドレールをラックに取り付けるように構成されたブラケット装置に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第7,552,899B2号明細書は、支持部(5)の複数の穴に、支持部(5)の前から後ろに向かって挿入されるように構成された複数のサスペンションブロック(2)を有し、支持部(5)が固定部材(3)によって係止されることができるスライドブラケットを開示する。そのようにして、スライドブラケットは、支持部(5)に取り付けられることができる。ここで、使用者は、係止解除状態になるように固定部材(3)を動作可能に動かすために、解放部材(4)が支持部(5)の後ろに延びることを可能にするように、支持部(5)の前から穴(51)を貫通するように解放部材(4)を保持することができる。したがって、スライドブラケットは、支持部(5)から取り外されることができる。
【0003】
米国特許第7,694,926B2号明細書は、取付ブラケット(mounting bracket)を開示する。本事例の
図4A乃至
図4Cに示されるように、取付ブラケット(200,202)は、サイドプレート(204)及びエンドプレート(210)を有する。エンドプレート(210)は、ピン(210)を有する。据え付けの間に、使用者は、ピン(210)を支柱(104)の穴(106)に挿入するために、支柱(104)の前から後ろに向かう方向に沿って、力を加えることができる。支柱(104)の一端が板バネ(214)を過ぎて延びる場合に、板バネ(214)は、付勢されていない位置に戻り、支柱(104)に当たる。そのうえに、本事例の
図4D乃至
図4Eに示されるように、取付ブラケット(200,202)が支柱(104)から取り外されることができるように、操作部(228)に板バネ(214)をサイドプレート(204)に向かって付勢させるために、手動端(226)が支柱(104)の後ろで操作されることができる。
【0004】
米国特許第8,328,300B2号明細書は、スライドレールのための取付器具を開示する。取付器具は、取付ブラケット(10)及びクリップ部材(30)を有する。取付ブラケット(10)は、スライドレール(100)に取り付けられ、長いスライド部分(12)及びエンドプレート(14)を有する。エンドプレート(14)には、取付ブラケット(10)の後ろに向かって、二本の挿入ピン(142)が配置されている。ここで、クリップ部材(30)は、ポスト(80)を係止するように構成された阻止(stopping)区分(33)を有する。クリップ部材(30)は、阻止区分(33)を操作して動かすように構成された接触部分(315)又は操作部分を有し、接触部分(315)又は操作部分は、ポスト(80)の後ろにある。
【0005】
米国特許出願公開第2015/0069196A1号明細書は、スライドアセンブリのための取付ブラケットを開示する。取付ブラケットは、取付ブラケット(34)及び阻止具(46)を有する。ここで、取付ブラケット(34)は、側壁(42)及び端壁(44)を有する。端壁(44)には、ブラケット(34)の後ろに向かって、二本の据付部材(50)が配置されている。ここで、阻止具(46)は、ポスト(22)を係止又はブロックするように構成された端部分(84)を有する。ここで、端部分(84)は、阻止具(46)の中央部分(74)又は操作部分の操作に応じて、開放されてポスト(22)を係止解除することができる。阻止具(46)の中央部分(74)又は操作部分は、ポスト(22)の後ろにある。
【0006】
以上の説明に照らして、事例のそれぞれにおいて開示されるブラケットは、サスペンションフック又はピンのような、ポストの前から後ろに向かう方向に沿ってポストの穴に挿入されるように構成された取付部材を有し、ブラケット上の係止部材(又はブロック部材)は、ポストを係止(又はポストに当たる)することができる。しかしながら、ポストを係止するための係止部材(又はブロック部材)及びポストを係止解除するための操作部分を、ポストの後ろに配することが、共通の設計となった。それにより、限られた空間にある場合に、そのような種類のポストの後ろにあるブラケットからポストを係止解除することが難しい。したがって、工具を使用することなく、ポストの前にあるブラケットから、使用者がポストを直接的に係止解除することを可能にするブラケットを提供することが重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第7,552,899B2号明細書
【特許文献2】米国特許第7,694,926B2号明細書
【特許文献3】米国特許第8,328,300B2号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2015/0069196A1号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、係止部材を簡便に操作するための操作部を有するブラケット装置に関する。
【0009】
本発明の一つの実施形態によれば、ブラケット装置は、第1端部及び第2端部を有し、第1端部と第2端部との間に空間が画成されている、ブラケット;ブラケットの第1端部に隣接して配置された取付部材であり、取付部材は、ブラケットの空間内に位置する取付部を有する、取付部材;及び、ブラケット上に配置され、係止部及び操作部を有する係止部材(locking member)であり、係止部材の係止部は、ブラケットの空間内の係止位置に位置するように保持され、係止部材の係止部は、係止部材の操作部の操作に応じて、係止位置から離れるように動かされることができる、係止部材;を有し、係止部材の操作部は、ブラケットの空間内に位置しない。
【0010】
本発明の他の実施形態によれば、スライドレールのためのブラケット装置は、ブラケット、ベース、取付部材、及び係止部材を有する。ベースは、ブラケットに付属している(attached)。ベースは、後部及び前部を有する。取付部材は、ベースの後部に隣接する。係止部材は、係止部材を第1位置から第2位置に動かすために操作されるように構成された操作部を有する。ここで、操作部の一部分は、ベースに隣接し且つベースの後部と前部との間に位置している。係止部材は、係止部材が第1位置に位置している場合にブラケット装置をポストに係止するように構成されている。
【0011】
本発明の更に他の実施形態によれば、スライドレールをポストに取り付けるように構成されたブラケット装置が開示される。ポストは、穴を有する。ブラケット装置は、ブラケット、ベース、取付部材及び係止部材を有する。ベースは、ブラケットに付属している。ベースは、後部及び前部を有する。取付部材は、ベースの後部に隣接する。取付部材は、ポストの後ろにあるように、ポストの穴を貫通するように構成されている。係止部材は、操作部及び阻止部を有する。操作部は、係止部材をブラケットに対して第1位置から第2位置に動かすために操作されるように構成されている。ここで、係止部材の阻止部は、係止部材が第1位置に位置している場合にポストに面しており;係止部材の阻止部は、係止部材が第2位置に位置している場合にポストに面していない。ここで、操作部の前端は、ポストの前にあるように、ベースの後部から離れている。
【0012】
好ましくは、ブラケットは、サイドプレート及びサイドプレートに対して曲がったエンドプレートを有し、取付部材は、エンドプレートを貫通する。
【0013】
好ましくは、係止部材及び操作部は、一つのピースに一体的に形成されている。
【0014】
好ましくは、係止部材及び操作部は、一つのピースに一体的に形成されていない。
【0015】
好ましくは、ブラケット装置は、弾性部材を更に有し、係止部材は、弾性部材によって与えられる弾性力に応じて第1位置に保持される。
【0016】
好ましくは、ブラケットは係合機構を有し、係止部材は係止部を更に有し、係止部材が係止位置に位置している場合に、係止部は係合機構に当接するように構成されている。
【0017】
好ましくは、係合機構及び係止部のうちの一つは、フックである。
【0018】
好ましくは、係止部材は、ブラケットのサイドプレートに移動可能に取り付けられており、係止部材の阻止部は、係止部材が第1位置に位置している場合にブラケットのエンドプレートに面しており(faces toward);係止部材の阻止部は、係止部材が第1位置から離れている場合にブラケットのエンドプレートに面していない。
【0019】
これら及び他の本発明の対象は、間違いなく、以下に続く、様々な図面に示される好ましい実施形態の詳細な説明を読んだ後に、当業者にとって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】それぞれ本発明の一つの実施形態による、3つの筐体を支えるための、ラックに取り付けられた3対のスライドレールアセンブリを示す図である。
【0021】
【
図2】本発明の一つの実施形態によるブラケット装置の分解図である。
【0022】
【
図3】第1の視る角度から
図2のブラケット装置を示す図である。
【0023】
【
図4】第2の視る角度から
図2のブラケット装置を示す図である。
【0024】
【
図5】本発明の一つの実施形態によるブラケット装置を介してラックのポストに取り付けられたスライドレールを示す図である。
【0025】
【
図6】本発明の一つの実施形態によるブラケット装置を介してラックのポストに取り付けられたスライドレールを示す図であり、ブラケット装置の係止部材が第1位置に位置している。
【0026】
【
図7】操作部の操作に応じて第2位置に位置している、
図6のブラケット装置の係止部材を示す図である。
【0027】
【
図8】ポストを取り外し可能な形態の、
図7のブラケット装置を示す図である。
【0028】
【
図9】本発明の一つの実施形態による操作部及び係止部材の分解図である。
【0029】
【
図10】
図9の操作部及び係止部材のアセンブリを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、ラック22に取り付けられている3対のスライドレールアセンブリ20を示す図である。具体的には、ラック22は、一対の第1ポスト24a及び一対の第2ポスト24bを有する。スライドレールアセンブリ20のそれぞれは、第1レール26及び第1レール26に対して移動可能な第2レール27を有する。ここで、第1レール26の二つの部分が、それぞれ第1ブラケット装置28及び第2ブラケット装置30を介して、第1ポスト24a及び第2ポスト24bに取り付けられる。支えられる物体32は、第2レール27に取り付けられることができる。支えられる物体32は、電子機器の筐体又は引き出しであってもよい。支えられる物体32は、(
図1に示される状態のように)ラック22の内側に位置してもよく、或いは、支えられる物体32は、第1レール26に対して第2レール27を動かすことによってラック22から引き出されてもよい。
【0031】
図2及び
図3に示されるように、第1ブラケット装置28(以下、ブラケット装置28と呼ばれる)は、ブラケット34、少なくとも一つの取付部材36、及び係止部材38を有する。
【0032】
ブラケット34は、サイドプレート42を有する。好ましくは、ブラケット34は、サイドプレート42に対して曲がったエンドプレート44を更に有する。本実施形態において、サイドプレート42は、エンドプレート44に対して実質的に垂直に接続されている。ブラケット34は、第1端部43a、及び第1端部43aの反対側の第2端部43bを有する。第1端部43aと第2端部43bとの間に、空間45が画成されている。加えて、サイドプレート42には、開口46、開口46に隣接する少なくとも一つの耳状部48、及び接続部50が形成されている。本実施形態において、サイドプレート42には、二つの耳状部48が形成されている。二つの耳状部48は、開口46の二辺に位置している。耳状部48のそれぞれは、サイドプレート42に対して曲がっている。本実施形態において、耳状部48は、サイドプレート42に対して実質的に垂直に接続されている。
【0033】
取付部材36は、ブラケット34の第1端部43aに隣接して配置されている。取付部材36は、ブラケット34の空間45内に位置する取付部37を有する。好ましくは、ブラケット装置28は、ブラケット34に付属するベース35を更に有する。例えば、ベース35は、ブラケット34のエンドプレート44に付属してもよい。取付部材36は、ベース35の後部52aに隣接する。好ましくは、取付部材36はエンドプレート44を貫通し、エンドプレート44はベース35の後部52aの側に位置する。本実施形態において、ブラケット装置28は二つの取付部材36を有し、二つの取付部材36は互いに離間している。好ましくは、ブラケット34は、係合機構54を更に有する。本実施形態において、係合機構54はフックであってもよく、係合機構54は二つの取付部材36の間に位置する。そのうえに、ベース35は、
図2及び
図3に示される配置に限られない。本発明の他の実施形態において、ベース35は、プレート形状又は他の形状であってもよい。
【0034】
係止部材38は、ブラケット34上に配置されている。具体的には、係止部材38は、係止部39及び操作部40を有する。ここで、係止部材38の係止部39は、ブラケット34の空間45内の係止位置P1に位置するように保持されている。係止部材38の係止部39は、係止部材38の操作部40の操作に応じて、係止位置P1から離れるように動かされることができる。係止部材38は、ブラケット34のサイドプレート42に移動可能に取り付けられている。例えば、係止部材38は、回動部材56によって二つの耳状部48に回動可能に取り付けられている。好ましくは、ブラケット装置28は、弾性部材58を更に有する。弾性部材58は、接続部50と係止部材38との間に配置される。弾性部材58は、弾性片又はバネであってもよい。係止部材38は、弾性部材58によって与えられる弾性力に応じて、(係止位置P1のような)第1位置P1に保持される。好ましくは、係止部材38の係止部39には、ブラケット34の係合機構54に対応する穴又はスロットが形成されている。他方では、本発明の他の実施形態において、係合機構54は穴又はスロットであってもよく、係止部39は、係合機構54に対応するフックであってもよいが、本発明はそれらに限定されない。係止部材38が第1位置P1に位置している場合に、係止部材38の係止部39は、ブラケット34の係合機構54に当接するか又は係合するように構成されている。
【0035】
図2、
図3及び
図4に示されるように、操作部40は、直接的又は間接的に係止部39に接続されてもよい。本実施形態において、操作部40及び係止部39は、一つのピースに一体的に形成されている。好ましくは、ブラケット装置28は、操作部40にはめられたスリーブ41を更に有する。
【0036】
図5に示されるように、ブラケット装置28は、第1レール26に付属している。例えば、ブラケット装置28は、リベット止め、ネジ止め、溶接又は係合によって第1レール26に付属してもよい。第1レール26は、ブラケット装置28を介して第1ポスト24aに取り付けられてもよい。具体的には、第1ポスト24aは、複数の穴を有する。本実施形態において、第1ポスト24aは、第1の穴62a、第2の穴62b、及び第3の穴62cを有する。ここで、二つの取付部材36は、それぞれ、第1ポスト24aの第1の穴62a及び第2の穴62bを貫通するように構成されており、係合機構54は、第3の穴62cを貫通するように構成されている。他方では、係止部材38が第1位置P1(又は係止位置)に位置している場合に、係止部材38の阻止部64は、第1ポスト24aを係止するために、第1ポスト24aに面している。そのような配置によれば、ブラケット装置28は、第1ポスト24aに取り付けられ、係止されることができる。
【0037】
図6に示されるように、係止部材38は、開口46に対応する。操作部40の前端は、距離Lだけベース35の後部52aから離れている。本実施形態において、操作部40の前端は、第1ポスト24aの前にあるように、ベース35の前部52bに向かって距離Lだけ延ばされている。例えば、操作部40の前端は、ベース35に隣接し且つベース35の後部52aとベース35の前部52bとの間に位置している。
【0038】
取付部材36及び係合機構54のそれぞれが、第1ポスト24aの後ろにあるように、第1ポスト24aの対応する穴62a,62b及び62c(穴62aのみが
図6に示されている)を貫通し、且つ係止部材38が、弾性部材58によって提供される弾性力に応じて第1位置P1(又は係止位置)に保持されている場合に、係止部材38の阻止部64は、第1ポスト24aを係止するために、第1ポスト24a又はブラケット34のエンドプレート44に面している。そのうえに、係止部材38が第1位置P1(又は係止位置)に位置している場合に、係合機構54は、係止部39に当接するか又は係合するように構成されている。
【0039】
図7に示されるように、使用者が第1ポスト24aの前に立つ場合に(
図1も参照されたい。使用者は第1ポスト24a又は支えられる物体32の前に立ってもよい)、使用者は、係止部材38をブラケット34のサイドプレート42に対して第1位置P1から(係止解除位置のような)第2位置P2に動かすために、例えば操作部40又はスリーブ41に力Fを加えて、簡便に操作をすることができる。換言すれば、係止部材38の操作部40は、ブラケット34の空間45内に位置しない。ここで、係止部材38が第2位置P2に位置している場合に、係止部材38の阻止部64は、第1ポスト24a、又はブラケット34のエンドプレート44に面しない。すなわち、ブラケット装置28は、第1ポスト24aに対して係止解除状態にある。
【0040】
図8に示されるように、ブラケット装置28が係止解除状態にある場合に、使用者は、更に第1ポスト24aから第1レール26を取り外すために、方向Dに沿った力を加えて、第1ポスト24aの対応する穴62a,62b,62c(穴62aのみが
図8に示されている)から離れるように取付部材36及び係合機構54を動かすことができる。
【0041】
図9及び
図10は、本発明の他の実施形態による、操作部200及び係止部202の配置を示す図である。ここで、操作部200及び係止部202は、一つのピースに一体的に形成されていない。具体的には、操作部200及び係止部202は、第1構造204及び第2構造206のような対応する構造によって互いに接続されている。ここで、第1構造204及び第2構造206は、突き出た構造と窪んだ構造との組み合わせ又はフックと穴(スロット)との組み合わせであってもよい。あるいは、操作部200及び係止部202は、溶接、ネジ止め又は接着によって互いに接続されてもよい。
【0042】
当業者は、本発明の教示を保ちながら、装置及び方法の多数の変更及び代替が成され得ることを、容易に観察するであろう。したがって、以上の開示は、添付の特許請求の範囲の境界によってのみ限定されると解釈されるべきである。