特許第6644727号(P6644727)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6644727
(24)【登録日】2020年1月10日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】燃料フィルタデブリ用の光学デバイス
(51)【国際特許分類】
   F02M 37/40 20190101AFI20200130BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20200130BHJP
【FI】
   F02M37/40
   G06T1/00 300
【請求項の数】20
【外国語出願】
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2017-60622(P2017-60622)
(22)【出願日】2017年3月27日
(65)【公開番号】特開2017-194051(P2017-194051A)
(43)【公開日】2017年10月26日
【審査請求日】2019年10月11日
(31)【優先権主張番号】15/080,856
(32)【優先日】2016年3月25日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504019881
【氏名又は名称】ロッキード マーティン コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】LOCKHEED MARTIN CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】マイク アイヴァー ジョーンズ
(72)【発明者】
【氏名】カイル アルソン マギー
(72)【発明者】
【氏名】エリック ホワイト
(72)【発明者】
【氏名】リチャード パーカー マケルヴィーン ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】ジェニファー シー バーン
【審査官】 松永 謙一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−304065(JP,A)
【文献】 特表2010−516951(JP,A)
【文献】 特開2005−134140(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 37/40
G06T 1/00
G01N 15/02、15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像化デバイスと、画像プロセッサと、を備えたシステムであって、
前記画像化デバイスは、前記画像化デバイス内で燃料フィルタ試料を包囲し、前記燃料フィルタ試料の画像をキャプチャするように構成され、
前記画像プロセッサは、
グラフィカル・ユーザ・インタフェースと、
粒子サイズ閾値及び粒子計数閾値を格納するように構成されたメモリと、
前記グラフィカル・ユーザ・インタフェース及び前記メモリと通信可能に接続したプロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、
前記画像化デバイスからキャプチャ画像を受け取り、
前記キャプチャ画像を閾値処理して二値画像を生成し、
前記二値画像内に存在する複数の粒子についてサイズを判定し、
前記複数の粒子の各粒子のサイズを前記粒子サイズ閾値と比較し、
前記複数の粒子のうち前記粒子サイズ閾値より大きいサイズを有する粒子の数を定量化し、
前記複数の粒子のうち前記粒子サイズ閾値より大きいサイズを有する粒子の数を前記粒子計数閾値と比較し、
前記複数の粒子のうち前記粒子サイズ閾値より大きいサイズを有する粒子の数が前記粒子計数閾値未満の場合、前記燃料フィルタ試料が合格状態にあることを示すように前記グラフィカル・ユーザ・インタフェースを変更し、
前記複数の粒子のうち前記粒子サイズ閾値より大きいサイズを有する粒子の数が前記粒子計数閾値以上の場合、前記燃料フィルタ試料が不合格状態にあることを示すように前記グラフィカル・ユーザ・インタフェースを変更する、
ように構成されている、システム。
【請求項2】
前記グラフィカル・ユーザ・インタフェースは、前記キャプチャ画像及び前記二値画像のうち少なくとも1つを表示するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記燃料フィルタ試料の画像をキャプチャすることが、前記画像化デバイスが前記燃料フィルタ試料に対して背面照光を施すことを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記画像化デバイスは、光源と、第1の包囲部分と、第2の包囲部分と、を備え、
前記燃料フィルタ試料は、前記第2の包囲部分内に配置され、
前記光源は、前記第1の包囲部分内に配置され、前記第2の包囲部分内に配置された前記燃料フィルタ試料に対して背面照光を施す、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記燃料フィルタ試料の画像をキャプチャすることを前記画像化デバイスに指示する制御信号を前記画像化デバイスに送るように構成されており、
前記画像化デバイスは、前記制御信号に応答してキャプチャ画像を前記プロセッサに送るように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記画像化デバイスは、前記燃料フィルタ試料を支持する耐薬品性の半透明ステージを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記画像化デバイスは、前記画像化デバイス内で光を反射するように構成された複数の反射性内面を有する筐体を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記プロセッサは、出力ファイル要求に応答して出力ファイルを生成するようにさらに構成されており、
前記出力ファイルは、前記二値画像内に存在する前記複数の粒子の少なくとも1つに関連付けられた情報を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記二値画像内に存在する前記複数の粒子の少なくとも1つに関連付けられた情報を表示するように前記グラフィカル・ユーザ・インタフェースを変更するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記二値画像内に存在する複数の粒子についてサイズを判定することは、画素を計測単位にマッピングする較正マッピングを使用することを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
燃料フィルタ検査方法であって、
画像化デバイス内で燃料フィルタ試料を包囲するステップと、
前記画像化デバイスによって、前記燃料フィルタ試料の画像をキャプチャするステップと、
前記画像化デバイスによって、キャプチャ画像を画像プロセッサに送るステップと、
前記画像プロセッサによって、前記キャプチャ画像を受け取るステップと、
前記画像プロセッサによって、前記キャプチャ画像を閾値処理して二値画像を生成するステップと、
前記画像プロセッサによって、前記二値画像内に存在する複数の粒子についてサイズを判定するステップと、
前記画像プロセッサによって、前記複数の粒子の各粒子のサイズを粒子サイズ閾値と比較するステップと、
前記画像プロセッサによって、前記複数の粒子のうち前記粒子サイズ閾値より大きいサイズを有する粒子の数を定量化するステップと、
前記画像プロセッサによって、前記複数の粒子のうち前記粒子サイズ閾値より大きいサイズを有する粒子の数を、粒子計数閾値と比較するステップと、
前記画像プロセッサによって、前記比較に基づいて、前記燃料フィルタ試料の状態を示すようにグラフィカル・ユーザ・インタフェースを変更するステップと、
を含む方法。
【請求項12】
前記画像プロセッサによって、前記キャプチャ画像及び前記二値画像のうち少なくとも1つを表示するように前記グラフィカル・ユーザ・インタフェースを変更するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記燃料フィルタ試料の画像をキャプチャするステップは、前記画像化デバイスによって前記燃料フィルタ試料に背面照光を施すステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記画像プロセッサによって、前記燃料フィルタ試料の画像をキャプチャすることを前記画像化デバイスに指示する制御信号を前記画像化デバイスに送るステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記画像プロセッサによって、前記二値画像内に存在する前記複数の粒子の少なくとも1つに関連付けられた情報を表示するように前記グラフィカル・ユーザ・インタフェースを変更するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記二値画像内に存在する複数の粒子についてサイズを判定するステップは、前記画像プロセッサによって、画素を計測単位にマッピングする較正マッピングを用いるステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
グラフィカル・ユーザ・インタフェースと、
粒子サイズ閾値及び粒子計数閾値を格納するように構成されたメモリと、
前記グラフィカル・ユーザ・インタフェース及び前記メモリと通信可能に接続したプロセッサと、を備えた装置であって、
前記プロセッサが、
燃料フィルタ試料を包囲している画像化デバイスによって生成された前記燃料フィルタ試料のキャプチャ画像を前記画像化デバイスから受け取り、
前記キャプチャ画像を閾値処理して二値画像を生成し、
前記二値画像内に存在する複数の粒子についてサイズを判定し、
前記複数の粒子の各粒子のサイズを前記粒子サイズ閾値と比較し、
前記複数の粒子のうち前記粒子サイズ閾値より大きいサイズを有する粒子の数を定量化し、
前記複数の粒子のうち前記粒子サイズ閾値より大きいサイズを有する粒子の数を、前記粒子計数閾値と比較し、
前記複数の粒子のうち前記粒子サイズ閾値より大きいサイズを有する粒子の数が前記粒子計数閾値未満の場合、燃料フィルタ試料が合格状態にあることを示すように前記グラフィカル・ユーザ・インタフェースを変更し、
前記複数の粒子のうち前記粒子サイズ閾値より大きいサイズを有する粒子の数が前記粒子計数閾値以上の場合、燃料フィルタ試料が不合格状態にあることを示すように前記グラフィカル・ユーザ・インタフェースを変更する、
ように構成されている、装置。
【請求項18】
前記グラフィカル・ユーザ・インタフェースは、前記キャプチャ画像及び前記二値画像の少なくとも1つを表示するように構成されている、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記プロセッサは、前記燃料フィルタ試料の画像をキャプチャすることを前記画像化デバイスに指示する制御信号を前記画像化デバイスに送るようにさらに構成されている、請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記二値画像内に存在する複数の粒子についてサイズを判定することは、画素を計測単位にマッピングする較正マッピングを使用することを含む、請求項17に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、航空機燃料フィルタなどの燃料フィルタ上の粒子又はデブリの検査に関する。
【背景技術】
【0002】
航空機燃料フィルタなどの燃料フィルタの検査のための既存技術は、駐機場人員による手動検査を必要とする。手動検査は、定性的及び視覚情報のみを提供する。さらに、手動検査は、結果の主観性に起因する誤りが生じ易く、燃料フィルタを検査するため、及び/又は費用がかさむ燃料システム洗浄を行うか否かを決定するための、科学的に定量可能な又は首尾一貫した方法を提供することができない。不必要な燃料システム洗浄は、過剰洗浄につながり、燃料システム保守に関連した時間及び費用を増大させるおそれがある。
【0003】
燃料フィルタは、ガソリン又はジェット燃料のような爆発性又は有害な化学物質で浸された状態になるか又は覆われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような有害化学物質への曝露は、燃料フィルタを検査する駐機場人員にとって危険である。検査又は分析を行う人員に対する危害を回避する一方で、燃料フィルタの検査又は分析のための首尾一貫した方法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つの実施形態において、光学システムは、画像化デバイスと、画像プロセッサとを含む。画像化デバイスは、画像化デバイス内で燃料フィルタ試料を包囲し、燃料フィルタ試料の画像をキャプチャし、キャプチャ画像を処理のために画像プロセッサに送るように構成される。画像プロセッサは、グラフィカル・ユーザ・インタフェースと、メモリと、プロセッサとを含む。メモリは、粒子サイズ閾値及び粒子計数閾値を格納するように動作可能である。プロセッサは、グラフィカル・ユーザ・インタフェース及びメモリと通信可能に接続しており、画像化デバイスからキャプチャ画像を受け取り、キャプチャ画像を閾値処理して二値画像を生成するように構成される。プロセッサは、二値画像内に存在する複数の粒子についてサイズを判定し、複数の粒子の各粒子のサイズを粒子サイズ閾値と比較し、複数の粒子のうち粒子サイズ閾値以上のサイズを有する粒子の数を定量化するように、さらに構成される。プロセッサは、複数の粒子のうち粒子サイズ閾値以上のサイズを有する粒子の数を粒子計数閾値と比較し、複数の粒子のうち粒子サイズ閾値以上のサイズを有する粒子の数が粒子計数閾値未満の場合、燃料フィルタ試料が合格状態にあることを示すようにグラフィカル・ユーザ・インタフェースを変更し、複数の粒子のうち粒子サイズ閾値以上のサイズを有する粒子の数が粒子計数閾値以上の場合、燃料フィルタ試料が不合格状態にあることを示すようにグラフィカル・ユーザ・インタフェースを変更するように、さらに構成される。
【0006】
別の実施形態において、燃料フィルタ検査方法は、画像化デバイスを用いて燃料フィルタ試料の画像をキャプチャすることと、キャプチャ画像を画像プロセッサに送ることとを含む。燃料検査方法は、画像プロセッサにおいてキャプチャ画像を受け取ることと、キャプチャ画像を閾値処理して二値画像を生成することとをさらに含む。燃料検査方法は、二値画像内に存在する複数の粒子についてサイズを判定することと、複数の粒子の各粒子のサイズを粒子サイズ閾値と比較することと、複数の粒子のうち粒子サイズ閾値以上のサイズを有する粒子の数を定量化することとをさらに含む。燃料検査方法は、複数の粒子のうち粒子サイズ閾値以上のサイズを有する粒子の数を粒子計数閾値と比較することと、比較に基づいて、燃料フィルタの状態を示すようにグラフィカル・ユーザ・インタフェースを変更することとをさらに含む。
【0007】
本実施形態は、幾つかの技術的利点を提示する。本実施形態は、燃料フィルタ(例えば航空機燃料フィルタ)にトラップされた粒子の高解像度画像化を提供する光学システム、並びに、粒子サイズ、配向、及び位置を定量化するための、取得した画像の後処理を開示する。光学システムは、フィルタデブリのサイズ又は等級による粒子分布の分類を可能にする。さらに、光学システムは、測定された燃料フィルタに対する勧告(例えば、合格、再検査、又は不合格)を出すことができ、また、統計的解析又は傾向といった画像解析のドキュメンテーションを生成することができる。光学システムは、ライブ画像ビューイング、画像をキャプチャ及び解析する能力、解析データをオペレータに表示すること、オペレータが燃料フィルタを検査するための許容差及び規則を定めることを可能にすることなどの機能を提供するように構成することができる。
【0008】
さらに、光学システムは、燃料フィルタの検査又は解析中に陰影ができることを実質的に低減し又は排除するように構成することができる。光学システムはまた、燃料フィルタの検査又は解析中に存在する熱量などの危険を低減するように構成することもできる。存在する熱量を減らすことで、ガソリン又はジェット燃料などの爆発性又は有害化学物質で覆われた燃料フィルタを伴う作業の際により安全な作業環境を提供することができる。1つの実施形態において、光学システムは、小型設計で構成することができ、これは光学システムを机上又は卓上に置くことを可能にする。
【0009】
本開示の特定の実施形態は、これらの利点の幾つか若しくは全てを含むか、又は全く含まない場合がある。これらの利点及び他の特徴は、添付の図面及び特許請求の範囲と関連して解釈される以下の詳細な説明から、より明らかに理解されるであろう
【0010】
本開示のより完全な理解のために、ここで以下の簡単な説明を参照し、これは添付の図面及び詳細な説明と共に解釈されるものであり、その中で符号は同様の部分を表す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】航空機燃料フィルタの検査のための光学システムの実施形態の略図を示す。
図2図1の光学システムの画像化デバイスの実施形態の切取縦断面を示す。
図3図1の光学システムのための燃料フィルタ検査方法の実施形態のフローチャートを示す。
図4】検査に合格した燃料フィルタ試料を表示するためのインタフェースの実施形態を示す。
図5】検査に不合格の燃料フィルタ試料を表示するためのインタフェースの実施形態を示す。
図6図1の光学システムのためのライブ画像化方法の実施形態のフローチャートを示す。
図7】ライブ画像化方法を使用した光学システムに関して画像データを表示するためのインタフェースの実施形態を示す。
図8図1の光学システムのデータ出力生成方法の実施形態のフローチャートを示す。
図9】データ出力生成方法を使用した図1の光学システムのためのインタフェースの実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書において、光学システムを用いた燃料フィルタ(例えば、航空機燃料フィルタ)の検査及び解析のための種々の実施形態が開示される。光学システムは、オペレータが、爆発性又は有害化学物質で浸された状態になっているか又は覆われている場合がある燃料フィルタを検査及び解析することを可能にする。例えば、光学システムは、オペレータが、画像のキャプチャ、キャプチャ画像の処理、燃料フィルタ上の粒子の数の定量化、並びに、燃料フィルタ上又は内の粒子数及び所定の又はユーザ定義の規則に基づく合格/不合格指標の提示などのプロセスを行うことを可能にすることができる。
【0013】
1つの実施形態において、光学システムは、画像化デバイス内で燃料フィルタを包囲するように構成することができる。画像化デバイスは、画像処理のために燃料フィルタの画像をキャプチャするように構成される。画像化デバイスは、燃料フィルタを照明する背面照光(バックライト)を使用して、燃料フィルタ上又は内の粒子を可視化して画像化デバイスによってキャプチャされるようにすることができる。画像化デバイスは、画像化デバイス内に陰影ができる影響を低減し又は排除する一方で、背面照光を施すように構成することができる。画像化デバイスはまた、燃料フィルタを画像化する間の潜在的な危険を低減するように構成することができる。例えば、画像化デバイスは、燃料フィルタの画像をキャプチャする間、低熱及び/又は換気を提供するように構成することができる。光学システムは、ライブ画像ビューイングを提供し、画像をキャプチャ及び解析し、解析データをオペレータに対して表示し、及び/又は、オペレータが燃料フィルタを検査するための許容差及び規則を定めることを可能にするように構成することができる。
【0014】
図1は、航空機燃料フィルタのための光学システム100の実施形態の略図を示す。実施形態において、光学システム100は、航空機燃料フィルタを検査のために隔離し又は包囲し、航空機燃料フィルタの画像をキャプチャし、画像化処理を行って航空機燃料フィルタを検査及び解析するように構成される。
【0015】
光学システム100は、画像プロセッサ104に通信可能に接続した画像化デバイス102を備える。図1は、画像化デバイス102と画像プロセッサ104とを別個の構成要素として示すが、当業者は、画像化デバイス102及び画像プロセッサ104を互いに統合して単一の構造体又はデバイスにすることができることを認識するであろう。画像プロセッサ104及び画像化デバイス102は、同じ又は異なる地理的位置に配置することができる。例えば、画像化デバイス102及び画像プロセッサ104を異なる地理的位置に配置して、ネットワーク接続を介して遠隔通信するように構成することができる。光学システム100は、図示したように、又は他のいずれかの適切な構成で、構成することができる。
【0016】
画像化デバイス102は、検査のために燃料フィルタ試料106を隔離し又は包囲し、燃料フィルタ試料106の画像をキャプチャし、処理のためにデータ(例えば、画像データ)を画像プロセッサ104に通信するように構成される。例えば、画像化デバイス102は、燃料フィルタ試料106が画像化デバイス102内に配置されることを可能にするように構成することができる。画像化デバイス102は、オペレータに対して安全な作業環境を提供する一方で、燃料フィルタ試料106の画像データをキャプチャすることができる。画像化デバイス102は、有線又は無線接続150を用いて画像プロセッサ104に通信可能に接続することができる。接続150は、画像化デバイス102と画像プロセッサ104との間でデータ及び/又は制御信号が通信されることを可能にするように構成される。当業者がこの開示を見れば認識するようないずれかの適切な有線又は無線接続150を使用することができる。画像化デバイス102は、画像プロセッサ104との通信のためのネットワーキング又は通信構成要素(図示せず)をさらに備えることができる。画像化デバイス102に関する付加的な詳細は、図2で論じる。
【0017】
燃料フィルタ試料106は、燃料システムから粒子を篩過する燃料フィルタである。粒子の例は、限定されないが、金属、泥、塵、及び錆を含む。実施形態において、燃料フィルタ試料106は、航空機燃料フィルタである。燃料フィルタ試料106は、光源(例えば、図2の光源208)によって照明されたときに、透過的に乱反射する場合がある。燃料フィルタ試料106は、1又は2以上の材料層を含む場合がある。燃料フィルタ試料106のための材料の例は、限定されないが、綿及びクレープ紙を含むことができる。燃料フィルタ試料106は、乾燥しているか、ガソリン若しくはジェット燃料などの爆発性若しくは有害化学物質で、部分的に浸されているか、又は浸されている場合がある。燃料フィルタ試料106は、任意の形状、サイズ、又は厚さとすることができる。
【0018】
画像プロセッサ104は、画像化デバイス102に制御信号を伝達し、画像化デバイス102からデータ(例えば、画像データ)を受け取るように構成される。画像プロセッサ104の例は、限定されないが、ノートブック型コンピュータ、タブレット型コンピュータ、デスクトップ型コンピュータ、携帯電話、又は当業者がこの開示を見れば認識するような他のいずれかの適切なデバイスを含む。幾つかの実施形態において、画像プロセッサ104は、プロセッサ108、メモリ110、入力/出力(I/O)インタフェース112、ネットワーク・インタフェース114、及びグラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)124を備える。画像プロセッサ104は、図示したように、又は他のいずれかの適切な構成で、構成することができる。
【0019】
メモリ110は、1又は2以上のディスク、テープドライブ、又は半導体ドライブを含むことができ、オーバーフロー・データストレージ・デバイスとして用いることができ、プログラムが実行のために選択されたときにそのプログラムを格納し、グログラム実行中に読み出された命令及びデータを格納する。メモリ110は、揮発性又は不揮発性とすることができ、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ターナリ・コンテントアドレス指定可能メモリ(TCAM)、動的ランダムアクセスメモリ(DRAM)、及び静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)を含むことができる。メモリ110は、粒子サイズ閾値116、粒子計数閾値118、較正マッピング120、並びに画像データ及び粒子データなどのその他のデータを格納するように動作可能である。粒子サイズ閾値116は、ユーザ定義の又は所定の閾値とすることができ、燃料フィルタ試料106上の粒子を分類するために用いることができる。粒子計数閾値118は、ユーザ定義の又は所定の閾値とすることができ、燃料フィルタ試料106が検査に合格又は不合格のどちらであるかを判定するために用いることができる。例えば、粒子計数閾値118は、燃料フィルタ試料106上で許容できる粒子の最大数を定める閾値を含むことができ、これを用いて、燃料フィルタ試料106上で測定された粒子の数が閾値を超えたときに燃料フィルタ試料106が不合格であること、及び燃料フィルタ試料106上の粒子の数が閾値未満であるときに燃料フィルタ試料106が検査に合格であることを判定することができる。較正マッピング120は、画素と、別の計測単位との間のマッピングを提供することができる。例えば、較正マッピング120は、画素から、インチ、センチメートル(cm)、ミリメートル(mm)、ミクロン若しくはマイクロメートル(μm)、又は当業者であればこの開示を見れば認識するような他のいずれかの計測単位にマッピングすることができる。
【0020】
プロセッサ108は、1又は2以上の中央処理ユニット(CPU)、チップ、論理ユニット、コア(例えば、マルチコアプロセッサとして)、フィールドプログラム可能ゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、又はデジタル信号プロセッサ(DSP)として実装することができる。プロセッサ108は、メモリ110、I/Oインタフェース112、ネットワーク・インタフェース114、及びGUI124に通信可能に接続され、これらと信号通信状態にある。プロセッサ108は、メモリ110、I/Oインタフェース112、ネットワーク・インタフェース114、GUI124の1つ又はそれ以上との間で電気信号を受信及び送信するように構成される。電気信号を用いて、データ(例えば、画像化デバイス102からの画像データ)を送受信すること、又は画像化デバイス102を制御することができる。例えば、プロセッサ108は、電気信号を伝送して、画像化デバイス102の1又は2以上の構成要素(例えば、図2のカメラ202及び/又は光源208)を作動させることができる。プロセッサ108は、1又は2以上の他のデバイス(図示せず)に通信可能に接続することができる。プロセッサ108は、データを処理するように構成され、ハードウェア又はソフトウェア内に実装されることができる。
【0021】
図1において、画像化命令122は、プロセッサ108に格納された命令(例えば、ソフトウェアコード又はファームウェア)として実装される。あるいは、画像化命令122は、メモリ110に格納された命令として実装することができる。画像化命令122を含めることで、光学システム100の機能の改善が提供され、これは、異なる状態への光学システム100の変化をもたらす。画像化命令122は、プロセッサ108によって実装され、画像化デバイス102を作動するため及び画像化デバイス102によってキャプチャされた画像を処理するための命令を実行する。画像化命令122は、図3で論じる燃料フィルタ検査方法300、図6で論じるライブ画像化方法600、及び図8で論じるデータ出力生成方法800などの種々の方法を実装するための命令を含む。画像化命令122は、当業者が本開示を見れば認識するようないずれかの適切なソフトウェア又はプログラミング言語を用いて実装することができる。
【0022】
I/Oインタフェース112は、ポート、送信機、受信機、トランシーバ、又は当業者がこの開示を見れば認識するようなデータを送信及び/又は受信するための他のいずれかのデバイスを含むことができる。例えば、I/Oインタフェース112は、画像化デバイス102と画像プロセッサ104(例えば、プロセッサ108)との間でデータを通信するように構成することができる。
【0023】
ネットワーク・インタフェース114は、有線及び/又は無線通信を可能にするように、並びに、ネットワーク、システム、及び/又はドメインを通してデータを通信するように構成することができる。例えば、ネットワーク・インタフェース114は、モデム、スイッチ、ルータ、ブリッジ、サーバ、又はクライアントを含むことができ、又はこれらと統合することができる。例えば、画像プロセッサ104は、画像化デバイス102からネットワークを介してデータを受け取るように構成することができ、このネットワークは、画像プロセッサ104がデータを遠隔で処理することを可能にすることができる。
【0024】
GUI124は、画像プロセッサ104のオペレータに現在の視覚情報を提供するように構成することができる。例えば、GUI124を使用して、図4及び図5のインタフェース400、図7のインタフェース700、図9のインタフェース900のような1又は2以上のインタフェースを提供することができる。GUI124を実装するための例示的なデバイスは、限定されないが、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、有機LED(OLED)ディスプレイ、アクティブマトリクスOLED(AMOLED)、プロジェクタディスプレイ、陰極線(CRT)モニタ、又は当業者がこの開示を見れば認識するような他のいずれかの適切な型式のディスプレイを含む。
【0025】
図2は、光学システム100の画像化デバイス102の実施形態の切取縦断面図を示す。画像化デバイス102は、画像化デバイス102内に配置された燃料フィルタ試料106を包囲し、燃料フィルタ試料106に背面照明を施し、燃料フィルタ試料106の画像データをキャプチャするように構成される。画像化デバイス102は、矩形又は円筒形の筐体を有する全方向内部ステージ照明デバイスとして構成することができる。1つの実施形態において、画像化デバイス102は、画像化デバイス102の包囲された封じ込め部分214から半透明又は透光性ステージ206によって分離された単一光源208を有する、拡散反射型封じ込めシステムとして構成することができる。このような構成において、画像化デバイス102は、積分球又はウルブリヒト(Ulbricht)球と同様の方式で動作することができる。
【0026】
幾つかの実施形態において、画像化デバイス102は、筐体210内に少なくとも部分的に包囲されたカメラ202と、レンズ204と、半透明ステージ206と、光源208とを備えることができる。画像化デバイス102は、図示したように、又は当業者がこの開示を見れば認識するような他のいずれかの適切な構成で、構成することができる。
【0027】
筐体210は、カメラ202、レンズ204、半透明ステージ206、及び光源208を支持し、かつ位置決めするように構成することができる。実施形態において、筐体210は、矩形又は円筒形の構造体とすることができる。筐体210を構築するための材料の例は、限定されないが、白色ポリカーボネートシートを含む。筐体210の側壁210Aは、任意の適切な厚さを有する不透明なものとすることができる。例えば、筐体210の側壁210Aは、1/8インチ厚とすることができる。筐体210の側壁210Aの内面210Bは、筐体210内で光250を反射して、筐体210内の陰影の存在を低減するように構成された反射面とするこができ、又はそのような反射面を備えるものとすることができる。光250は、筐体210の1又は2以上の内面(例えば側壁210A)で反射して、燃料フィルタ試料106に対して付加的な照明を施し、それにより燃料フィルタ試料106に対する陰影の影響を低減するように構成することができる。筐体210は、オペレータが燃料フィルタ試料106を筐体210内に配置し又は位置決めすることを可能にする、1又は2以上の取外し可能な壁又はドアを備えることができる。
【0028】
半透明ステージ206は、筐体210を第1の包囲部分212と第2の包囲部分214とに分割する隔壁を形成するように構成される。筐体210の包囲部分214は、包囲された封じ込め又は試験部分ということができ、積分球として動作して、包囲部分212からの背面照光を用いて燃料フィルタ試料106を照明するように構成することができる。実施形態において、半透明ステージ206は、白色半透明構造体とすることができる。半透明ステージ206は、光250が、筐体210の包囲部分212内の光源208から、半透明ステージ206を通って、筐体210の包囲部分214へ至ることを可能にするように構成される。実施形態において、半透明ステージ206は、燃料フィルタ試料106を半透明ステージ206上に位置決めするための基準マークを備える。半透明ステージ206のための材料の例は、限定されないが、プレキシガラス又はアクリルシートを含む。半透明ステージ206は、筐体210内で燃料フィルタ試料106を支持するように構成される。半透明ステージ206は、燃料フィルタ試料106を支持するための任意の適切なサイズ又は厚さとすることができる。例えば、半透明ステージ206は、厚さ1/8インチ、面積28インチ×28インチとすることができる。実施形態において、半透明ステージ206は、オーバーサイズにすることができ、燃料フィルタ試料106の表面106Aの面積より大きい面積の表面206Aを有することができる。半透明ステージ206は、耐薬品性コーティングとすることができ、又は耐薬品性コーティングを備えるように被覆することができる。例えば、半透明ステージ206は、ガソリン又はジェット燃料に対して耐薬品性とすることができる。
【0029】
カメラ202は、燃料フィルタ試料106の画像データをキャプチャし、処理又ビューイングのために画像プロセッサ204に送るように構成される。カメラ202は、画像データを、連続的に、所定の時間間隔で、又はオンデマンドで、キャプチャするように構成することができる。例えば、カメラ202は、接続150を介して画像プロセッサ104から制御信号を受け取り、接続150を介して画像プロセッサ104へ画像データを送るように構成することができる。カメラ202の例は、限定されないが、電荷結合素子(CCD)カメラ及び相補型金属酸化膜半導体(CMOS)カメラを含む。カメラ202は、瞬間視野(IFOV)260にわたって適切な解像度を与えるように構成される。例えば、カメラ202は、解像度3384×2704画素のCCDカメラとすることができ、燃料フィルタ試料106のIFOV260平方画素当たり220μmの解像度を与える。この例において、カメラ202は、画素ピッチ3.69μmで構成することができ、12.49mm×9.98mmの焦点面及び約16mmの対角線を与える。カメラ202の焦点面は、燃料フィルタ試料106の中心部分に合焦することができる。レンズのひずみがゼロであると仮定すると、焦点面のサイズを低減することで、カメラ202に対して倍率効果を与えることができる。レンズの収差がない場合、3.69μm平方のカメラ画素は、燃料フィルタ試料106のIFOV260の179.48μmに対応することができる。あるいは、カメラ202は、当業者がこの開示を見れば認識するような、燃料フィルタ試料106上又は内の粒子を検出するのに適したあらゆる適切な解像度を有するいずれかの適切なカメラとすることができる。
【0030】
レンズ204は、カメラ202と通信可能に接続しており、カメラ202と連携して燃料フィルタ試料106上又は内の粒子を検出するように構成される。実施形態において、カメラ202及びレンズ204は、燃料フィルタ試料106の画像データをキャプチャするときに、カメラ202及びレンズ204の露出を最適化してコントラストを強めるように構成することができる。カメラ202及びレンズ204は、筐体210の包囲部分214内で、燃料フィルタ試料106及び半透明ステージ206の垂直方向上方に位置決めすることができる。レンズ204は、燃料フィルタ試料106上又は内の特徴及び粒子を解像するあらゆる焦点距離及び解像度で構成することができる。例えば、レンズ204は、焦点距離16mm及びF値1.8で構成することができる。あるいは、当業者がこの開示を見れば認識するようないずれかの焦点距離及び/又は解像度を使用することができる。レンズ204の例は、限定しないが、Schneider Cinegon1.8/16レンズを含む。当業者がこの開示を見れば認識するようないずれかのレンズを使用することができる。レンズ204は、燃料フィルタ試料106の上方に任意の適切な高さで位置決めすることができる。例えば、レンズのひずみがゼロであり、焦点距離f及び倍率Mであると仮定すると、レンズ204と燃料フィルタ試料106との間の距離は、以下の式で表すことができる。
【数1】
【0031】
光源208は、筐体210の包囲部分212内に位置決めされ、燃料フィルタ試料106を背面照光するための光250(例えば、白色光)をもたらすように構成される。光源208は、比較的低い熱出力で安定な光をもたらすように構成される。低い熱を与えることで、燃料フィルタ試料106を検査する際の潜在的な発火又は爆発の危険を低減することができる。光源208の例は、制限されないが、LEDを含む。光源208は、1又は2以上の電球(例えば、LED電球)を備えることができる。例えば、光源208は、電球の列を備えることができる。光源208は、当業者がこの開示を見れば認識するようないずれかの適切な光出力を有するいずれかの構成で構成することができる。幾つかの実施形態において、光源208は、画像プロセッサ104によって制御することができる。例えば、光源208は、画像プロセッサ104から、光源208をオンにする、オフにする又は調節する制御信号を受け取るように構成することができる。
【0032】
幾つかの実施形態において、画像化デバイス102は、ガス又は煙を換気するように構成された1又は2以上の換気構成要素(図示せず)を備えることができる。画像化デバイス102は、排気ファン、ベント、又は当業者がこの開示を見れば認識するような他のいずれかの適切な構成要素を備えることができる。換気を可能にすることで、燃料フィルタ試料106を検査する際の潜在的な発火又は爆発の危険を低減することができる。
【0033】
図3は、光学システム100のための燃料フィルタ検査方法300の実施形態のフローチャートを示す。方法300を用いて、オペレータは、燃料フィルタ試料106(例えば、航空機燃料フィルタ)を検査することができる。オペレータは、方法300を使用して、燃料フィルタ試料106上の粒子の数に基づいて、燃料フィルタ試料106が検査要件に合格か否かを判定することができる。オペレータは、画像プロセッサ104を用いた検査のために、燃料フィルタ試料106を画像化デバイス102内に配置することができる。
【0034】
ステップ302において、画像化デバイス102と画像プロセッサ104との間の接続が確立される。例えば、画像化デバイス102及び画像プロセッサ104は、制御信号及び/又はデータ信号を通信して、画像化デバイス102と画像プロセッサ104との間にセッションを確立することができる。実施形態において、ステップ302は、随意とすることができ、又は画像化デバイス102及び画像プロセッサ104の電源が投入されたときに自動的に行われるものとすることができる。
【0035】
ステップ304において、画像化デバイス102は、燃料フィルタ試料106の画像をキャプチャする。例えば、画像プロセッサ104は、燃料フィルタ試料106の画像を画像データとしてキャプチャするよう画像化デバイス102に指示する制御信号を、画像化デバイス102に送ることができる。画像化デバイス102は、画像プロセッサ104から制御信号を受信したことに応答して、燃料フィルタ試料106の1又は2以上の画像をキャプチャすることができ、この画像を画像データとして画像プロセッサ104に送信することができる。実施形態において、オペレータは、図4及び図5に示すキャプチャ及び解析コマンドボタン408を用いて、接続を確立し及び/又は制御信号を送ることができる。
【0036】
ステップ306において、画像プロセッサ104は、キャプチャ画像を画像データとして画像化デバイス102から受け取る。実施形態において、画像プロセッサ104は、例えば図4及び図5に示すキャプチャ画像ウインドウ402内で、キャプチャ画像をオペレータに対して表示することができる。画像プロセッサ104は、注目領域に基づいて、キャプチャ画像の一部分をマスキングすることができる。実施形態において、画像プロセッサ104は、キャプチャ画像上で光条件補正を行うことができる。例えば、オペレータは、画像プロセッサ104を使用して、輝度、ガンマ値、及び/又はコントラストの調整を行うことができる。
【0037】
ステップ308において、画像プロセッサ104は、キャプチャ画像を閾値処理して二値画像を生成する。例えば、画像プロセッサ104は、キャプチャ画像内に存在する強度レベルの数を制限することによって、キャプチャ画像を処理することができる。当業者がこの開示を見れば認識するようなあらゆる適切な閾値処理技術を使用することができる。実施形態において、得られる処理画像は、2つの強度レベル、例えば、粒子についての第1の強度と、背景(すなわち、燃料フィルタ試料106の材料)についての第2の強度とを有するように生成することができる。画像プロセッサ104は、二値画像を、例えば図4及び図5に示す処理画像ウインドウ404内で、オペレータに表示することができる。実施形態において、画像プロセッサ104は、処理画像内の粒子の位置及びサイズを強調するために特徴を付加することができる。画像プロセッサ104はまた、処理画像からボーダーを除去するなどのノイズ補正プロセスを行うように構成することもできる。当業者がこの開示を見れば認識するようなあらゆる適切なノイズキャンセル技術を使用することができる。
【0038】
ステップ310において、画像プロセッサ104は、二値画像内の検出粒子の総数を定量化することができる。例えば、二値画像内で、各粒子を第1の強度を有するオブジェクトに関連付けることができ、画像プロセッサ104は、二値画像内に存在する粒子の数を計数することができる。実施形態において、画像プロセッサ104は、二値画像内の検出粒子の総数を表示又は格納することができる。
【0039】
ステップ312において、画像プロセッサ104は、較正マッピング120に基づいて検出粒子の各々のサイズを判定する。例えば、画像プロセッサ104は、1つの粒子を表すのに用いられる画素の数を判定することができ、較正マッピング120を用いて、判定された画素数をmm又はμmなどの計測単位に変換することができる。実施形態において、画像プロセッサ104はまた、各粒子の位置を二値画像に対して判定することもでき、判定された位置を、判定された粒子サイズと関連付けることができる。換言すれば、画像プロセッサ104はまた、粒子の位置又は座標を、それぞれの粒子サイズデータと共に判定し、格納することができる。
【0040】
ステップ314において、画像プロセッサ104は、粒子サイズ閾値116を決定する。実施形態において、粒子サイズ閾値116は、オペレータが提供することができる。例えば、粒子サイズ閾値116は、図4及び図5に示す許容差入力フィールド414を用いて入力することができる。別の実施形態において、粒子サイズ閾値116は、予め決定され、又はメモリ110内に格納された検査要件によって定めることができる。
【0041】
ステップ316において、画像プロセッサ104は、各々の検出粒子のサイズを粒子サイズ閾値116と比較する。例えば、画像プロセッサ104は、各検出粒子が粒子サイズ閾値116より大きいか又は小さいかを判定するために、各々の検出粒子のサイズと粒子サイズ閾値116との比較を検出粒子の各々にわたって繰り返すことができる。
【0042】
ステップ318において、画像プロセッサ104は、粒子サイズ閾値116を超えた検出粒子の数を定量化する。実施形態において、画像プロセッサ104は、粒子サイズ閾値116を超えた検出粒子の数を表示し又は格納することができる。例えば、粒子サイズ閾値116を超えた検出粒子の数は、図4及び図5に示す粒子数インジケータ416を用いて表示することができる。
【0043】
ステップ320において、画像プロセッサ104は、粒子サイズ閾値116を超えた検出粒子の数を粒子計数閾値118と比較する。画像プロセッサ104は、粒子サイズ閾値116を超えた検出粒子の数を粒子計数閾値118と比較して、粒子サイズ閾値116を超えた検出粒子の量が、検査に合格するための許容できる粒子数の範囲内であるか否かを判定する。
【0044】
ステップ322において、画像プロセッサ104は、粒子サイズ閾値116を超えた検出粒子の数が粒子計数閾値118を超えるか否かを判定する。画像プロセッサ104は、粒子サイズ閾値116を超えた検出粒子の数が粒子計数閾値118を超えた場合、ステップ324へ進む。そうではなく、粒子サイズ閾値116を超えた検出粒子の数が粒子計数閾値118を超えない場合、画像プロセッサ104は、ステップ326へ進む。
【0045】
ステップ324において、画像プロセッサ104は、粒子サイズ閾値116を超えた検出粒子の数が粒子計数閾値118を超えたことに応答して、燃料フィルタ試料106が不合格状態にある(すなわち、燃料フィルタ試料106は検査に不合格であった)ことを示す。換言すれば、画像プロセッサ104は、粒子サイズ閾値116を超えた検出粒子の数が、検査に合格する許容された粒子の最大数を超えたことを示す。画像プロセッサ104は、図4及び図5に示す検査結果インジケータ418を用いて、燃料フィルタ試料106が不合格状態にあることを示すことができる。燃料フィルタ試料106が検査に不合格であった結果を表示するインタフェースの例を図5に示す。
【0046】
ステップ322に戻ると、画像プロセッサ104は、粒子サイズ閾値116を超えた検出粒子の数が粒子計数閾値118を超えない場合、ステップ326に進む。ステップ326において、画像プロセッサ104は、粒子サイズ閾値116を超えた検出粒子の数が粒子計数閾値118を超えなかったことに応答して、燃料フィルタ試料106が合格状態にあること(すなわち、燃料フィルタ試料106は検査に合格した)を示す。換言すれば、画像プロセッサ104は、粒子サイズ閾値116を超えた検出粒子の数が、検査に合格する許容された粒子の最大数未満であることを示す。画像プロセッサ104は、図4及び図5に示す検査結果インジケータ418を用いて、燃料フィルタ試料106が合格状態にあることを示すことができる。燃料フィルタ試料106が検査に合格した結果を表示するインタフェースの例を図4に示す。
【0047】
随意的なステップであるステップ328において、オペレータは、画像化デバイス102と画像プロセッサ104との間の接続又はセッションを閉じる。例えば、オペレータは、図4及び図5に示す終了コマンドボタン412を用いて、接続又はセッションを閉じるように指示することができる。
【0048】
図4は、検査に合格した燃料フィルタ試料106を表示するためのインタフェース400の実施形態を示す。インタフェース400は、GUI124によって実装することができ、オペレータから入力を受け取り、画像データを表示し、及び/又は解析データ出力をオペレータに提供するように構成することができる。インタフェース400は、キャプチャ画像ウインドウ402、処理画像ウインドウ404、ライブ画像表示コマンドボタン406、キャプチャ及び解析コマンドボタン408、データ表示及び保存コマンドボタン410、終了コマンドボタン412、許容差入力フィールド414、粒子数インジケータ416、及び検査結果インジケータ418を備える。インタフェース400は、図示したように、又は他のいずれかの適切な構成で、構成することができる。
【0049】
キャプチャ画像ウインドウ402は、画像化デバイス102からのキャプチャ画像に関する画像データを表示するように構成することができる。キャプチャ画像ウインドウ402を用いて、オペレータは、燃料フィルタ試料106上又は内の粒子450を見ることができる。実施形態において、画像プロセッサ104は、キャプチャ画像ウインドウ402内の粒子450の位置及びサイズを強調するために、特徴(例えば、形又は色)を付加することができる。
【0050】
処理画像ウインドウ404は、画像化デバイス102からのキャプチャ画像に対して処理画像データを表示するように構成することができる。例えば、処理画像ウインドウ404は、キャプチャ画像の閾値処理によって生成された二値画像を表示することができる。実施形態において、画像プロセッサ104は、処理画像ウインドウ404内の粒子450の位置及びサイズを強調するために、特徴(例えば、形又は色)を付加することができる。例えば、画像プロセッサ104は、粒子サイズ閾値116を超えた粒子450を示す特徴を付加することができる。
【0051】
ライブ画像表示コマンドボタン406は、オペレータが、画像プロセッサ104による画像処理のための連続画像データを提供するよう画像化デバイス102に指示する制御信号を、画像化デバイス102に送ることを可能にするように構成することができる。例えば、画像化デバイス102は、制御信号の受信に応答して、画像データを連続的にキャプチャして画像プロセッサ104に送ることができる。処理のための画像データを連続的にキャプチャするための方法の一例は、図6のライブ画像化方法600である。幾つかの実施形態において、画像化デバイス102と画像プロセッサ104との間の接続又はセッションは、オペレータが、画像プロセッサ104による画像処理のための連続画像データを提供するよう画像化デバイス102に指示する制御信号を送った時に確立することができる。
【0052】
キャプチャ及び解析コマンドボタン408は、オペレータが、画像プロセッサ104による処理のための画像データとして単一画像を提供するよう画像化デバイス102に指示する制御信号を、画像化デバイス102に送ることを可能にするように構成することができる。例えば、画像化デバイス102は、制御信号の受信に応答して、単一画像のための画像データをキャプチャして画像プロセッサ104に送ることができる。画像データを処理するための方法の一例は、図3の燃料フィルタ検査方法300である。幾つかの実施形態において、画像化デバイス102と画像プロセッサ104との間の接続又はセッションは、オペレータが、画像プロセッサ104による処理のための画像データとして単一画像を提供するよう画像化デバイス102に指示する制御信号を送った時に確立することができる。
【0053】
データ表示及び保存コマンドボタン410は、画像データを、若しくは粒子、キャプチャ画像、及び/又は処理画像に関連付けられたデータを保存することを指示する制御信号を、画像化デバイス102に送るように構成することができる。例えば、画像プロセッサ104は、キャプチャ画像、処理画像、粒子データ(例えば、粒子サイズ)、粒子計数、及び/又は他のいずれかのデータを、メモリ110内に格納することができる。データの保存及び表示のための方法の一例は、図8のデータ出力生成方法800である。
【0054】
終了コマンドボタン412は、画像化デバイス102と画像プロセッサ104との間の接続、セッション、又は連続画像データのストリームを停止することを指示する制御信号を、画像化デバイス102に送るように構成することができる。
【0055】
許容差入力フィールド414は、オペレータが粒子サイズ閾値116を設定することを可能にする、調整可能な入力フィールドとすることができる。粒子数インジケータ416は、検出粒子450の数、又は粒子計数閾値118を超えた検出粒子450の数を表示するように構成されたインジケータとすることができる。検査結果インジケータ418は、粒子サイズ閾値116及び粒子計数閾値118に基づいて、燃料フィルタ試料106が検査に合格又は不合格のどちらであるかを表示するように構成されたインジケータとすることができる。例えば、検査結果インジケータ418は、燃料フィルタ試料106が検査に合格の場合は第1の色(例えば緑)を示し、燃料フィルタ試料106が検査に不合格の場合は第2の色(例えば赤)を示すことができる。あるいは、検査結果インジケータ418は、他のいずれかの色又はインジケータ、例えば文字数字テキストなどを用いて、燃料フィルタ試料106が検査に合格又は不合格のどちらであるかを示すことができる。
【0056】
図4において、粒子数インジケータ416は、燃料フィルタ試料106からのキャプチャ画像データ内に、粒子サイズ閾値116を超えるサイズの粒子450が4個あることを示す。この例において、検査結果インジケータ418は、粒子サイズ閾値116を超えるサイズの粒子450の数が粒子計数閾値118未満であること、及び燃料フィルタ試料106は検査に合格であることを示す。
【0057】
図5は、検査に不合格の燃料フィルタ試料106を表示するためのインタフェース400の実施形態を示す。図5において、粒子数インジケータ416は、燃料フィルタ試料106からのキャプチャ画像データ内に、粒子サイズ閾値116を超えるサイズの粒子450が14個あることを示す。この例において、検査結果インジケータ418は、粒子サイズ閾値116を超えるサイズの粒子450の数が粒子計数閾値118未満であること、及び燃料フィルタ試料106は検査に不合格であることを示す。
【0058】
図6は、光学システム100のためのライブ画像化方法600の実施形態のフローチャートを示す。方法600は、オペレータが、画像又は画像データの連続ストリームを用いて燃料フィルタ試料106を検査するために使用することができる。オペレータは、画像プロセッサ104を用いた検査のために、燃料フィルタ試料106を画像化デバイス102内に配置する。
【0059】
ステップ602において、画像化デバイス102と画像プロセッサ104との間に接続が確立される。例えば、画像化デバイス102及び画像プロセッサ104は、制御信号及び/又はデータ信号を通信して、画像化デバイス102と画像プロセッサ104との間にセッションを確立することができる。幾つかの実施形態において、ステップ602は、随意とすることができ、又は画像化デバイス102及び画像プロセッサ104の電源が投入されたときに自動的に行われるものとすることができる。
【0060】
ステップ604において、画像プロセッサ104は、画像化デバイス102から画像データを受け取る。実施形態において、画像プロセッサ104は、燃料フィルタ試料106の画像を画像データとしてキャプチャするよう画像化デバイス102に指示する制御信号を送ることができる。例えば、オペレータは、図4及び図5に示すライブ画像表示コマンドボタン406を用いて、接続を確立すること、及び/又は、画像化デバイス102が燃料フィルタ試料106の画像をキャプチャすることを指示する制御信号を、画像化デバイス102に送ることができる。画像化デバイス102は、画像プロセッサ104から制御信号を受け取ったことに応答して、燃料フィルタ試料106の画像をキャプチャすることができ、画像を画像データとして画像プロセッサ104に送ることができる。実施形態において、画像化デバイス102は、画像データを連続的にキャプチャし、画像データを送るように構成することができる。
【0061】
ステップ606において、画像プロセッサ104は、画像化デバイス102からの画像データを表示する。実施形態において、画像プロセッサ104は、キャプチャ画像を、例えば図4及び図5に示すキャプチャ画像ウインドウ402又は図7に示すキャプチャ画像ウインドウ702内で、オペレータに対して表示することができる。
【0062】
ステップ608において、画像プロセッサ104は、接続閉要求を受けたか否か判定する。例えば、画像プロセッサ104は、オペレータが図4及び図5の終了コマンドボタン412又は図7の終了コマンドボタン704を用いて接続を閉じるよう要求したか否かを判定することができる。画像プロセッサ104は、接続閉要求を受け取った場合、ステップ610に進む。そうではなく、接続閉要求を受け取っていない場合、画像プロセッサ104は、ステップ604に戻って画像データを受け取り続ける。
【0063】
随意的なステップであるステップ610において、オペレータは、画像化デバイス102と画像プロセッサ104との間の接続を閉じる。例えば、オペレータは、図4及び図5に示す終了コマンドボタン412又は図7に示す終了コマンドボタン704を用いて、接続又はセッションを閉じるように指示することができる。
【0064】
図7は、ライブ画像化方法600を使用する光学システム100のための、画像データを表示するためのインタフェース700の実施形態を示す。インタフェース700は、GUI124を用いて実装することができ、オペレータから入力を受け取り、画像データを表示し、及び/又は解析データ出力をオペレータに提供するように構成することができる。インタフェース700は、キャプチャ画像ウインドウ702及び終了コマンドボタン704を備える。インタフェース700は、図示したように、又は他のいずれかの適切な構成で、構成することができる。
【0065】
キャプチャ画像ウインドウ702は、画像化デバイス102からの画像データ、又はキャプチャ画像の画像データを表示するように構成することができる。キャプチャ画像ウインドウ702を用いて、オペレータは、燃料フィルタ試料106上又は内の粒子450を見ることができる。画像プロセッサ104は、キャプチャ画像ウインドウ702内の粒子450の位置及びサイズを強調するために特徴を付加することができる。終了コマンドボタン704は、画像化デバイス102と画像プロセッサ104との間の接続、セッション、又は連続画像データのストリームを停止することを指示する又は要求する制御信号を、画像化デバイス102に送るように構成することができる。
【0066】
図8は、光学システム100のためのデータ出力生成方法800の実施形態のフローチャートを示す。方法800は、オペレータが、燃料フィルタ試料106からデータ出力を生成するために使用することができる。例えば、オペレータは、画像プロセッサ104を用いて、データ出力ファイルを生成し、又は燃料フィルタ試料106に関連付けられたデータを表示することができる。
【0067】
ステップ802において、画像プロセッサ104は、燃料フィルタ試料106上の粒子のサイズを示すデータを得る。粒子のサイズは、較正マッピング120に基づいて判定される計測単位とすることができる。画像プロセッサ104は、データを、オペレータ、メモリ110から、又は図3の燃料フィルタ検査方法300のような燃料フィルタ検査方法から得ることができる。
【0068】
ステップ804において、画像プロセッサ104は、粒子サイズ閾値116を決定する。実施形態において、粒子サイズ閾値116は、オペレータが、例えば図4及び図5に示す許容差入力フィールド414を用いて提供することができる。別の実施形態において、粒子サイズ閾値116は、予め決定され、又はメモリ110内に格納された検査要件によって定めることができる。
【0069】
ステップ806において、画像プロセッサ104は、各々の検出粒子のサイズを粒子サイズ閾値116と比較する。例えば、画像プロセッサ104は、各々の粒子の各々のサイズと粒子サイズ閾値116との比較を各々の粒子にわたって繰り返し、粒子が粒子サイズ閾値116より大きいか又は小さいかを判定することができる。
【0070】
ステップ808において、画像プロセッサ104は、粒子サイズ閾値116を超えない粒子に関連付けられた情報を、例えばGUI124を用いて表示する。画像プロセッサ104は、粒子サイズ閾値116を超えない粒子の数、粒子サイズ、粒子位置、及び/又は、粒子サイズ閾値116を超えない粒子に関連付けられた他のいずれかの情報を表示することができる。別の実施形態において、画像プロセッサ104は、粒子サイズ閾値116を超えた粒子に関連付けられた情報を表示することができる。粒子サイズ閾値116を超えた粒子に関連付けられた情報は、粒子サイズ閾値116を超えない粒子に関連付けられた情報に加えて、又はその代わりに表示されるものとすることができる。
【0071】
ステップ810において、画像プロセッサ104は、出力ファイル要求を受けたか否かを判定する。例えば、オペレータは、出力ファイル要求を作成することによって、データを格納及び/又は表示することを要求することができる。オペレータは、図9に示すファイル出力コマンドボタン908を用いて、出力ファイル要求を作成するよう、又はファイル出力を生成するよう指示することができる。画像プロセッサ104は、出力ファイル要求を受け取った場合、ステップ812に進む。そうでなく、出力ファイル要求を受け取っていない場合、画像プロセッサ104は、方法800を停止することができる。
【0072】
ステップ812において、画像プロセッサ104は、出力ファイル要求を受け取ったことに応答して、出力ファイルを生成する。出力ファイルは、粒子サイズ、又は粒子サイズ閾値116を超えた若しくは超えない粒子の数などの粒子に関連付けられたデータを含むことができる。出力ファイルは、限定されないが、日付、時間、オペレータ識別子、及び車両型式を含むその他の情報を含むことができる。出力ファイルは、当業者がこの開示を見れば認識するようなあらゆる適切な形式で生成及び/又は保存することができる。出力ファイルのための出力形式の例は、限定されないが、カンマ区切り値(csv)ファイルを含む。
【0073】
図9は、データ出力生成方法800を使用する光学システム100のためのインタフェース900の実施形態を示す。インタフェース900は、GUI124によって実装することができ、オペレータから入力を受け取り、画像データを表示し、及び/又は解析データ出力をオペレータに提供するように構成することができる。幾つかの実施形態において、インタフェース900は、粒子サイズ表示チャート902、車両型式入力フィールド904、ファイルパス入力フィールド906、ファイル出力コマンドボタン908、及び終了コマンドボタン910を備える。インタフェース900は、図示したように、又は他のいずれかの適切な構成で、構成することができる。
【0074】
粒子表示チャート902は、燃料フィルタ試料106上又は内の粒子に関連付けられた情報、例えば、粒子サイズ閾値116を超えた粒子に関する情報及び/又は粒子サイズ閾値116を超えない粒子に関連付けられた情報を表示するように構成することができる。
【0075】
車両型式入力フィールド904は、燃料フィルタ試料106に関連付けられた車両(例えば航空機)を識別する情報を受け取るように構成することができる。例えば、車両型式入力フィールド904を用いて、燃料フィルタ試料106に関連付けられた車両を追跡するためのデータを入力することができる。ファイルパス入力フィールド906は、粒子、例えば粒子サイズ閾値116を超えた粒子に関連付けられた情報、及び/又は粒子サイズ閾値116を超えない粒子に関連付けられた情報をメモリ110内に格納するためのファイルパスを受け取るように構成することができる。
【0076】
ファイル出力コマンドボタン908は、オペレータが、粒子データ、車両型式入力フィールド904データ、及び/又は他のいずれかのデータをファイルパス入力フィールド906によって指定された場所に保存することを指示又は要求することを可能にする。終了コマンドボタン910は、画像化デバイス102と画像プロセッサ104との間の接続、セッション、又はプロセスを停止することを指示又は要求する制御信号を、画像化デバイス102に送るように構成することができる。
【0077】
本開示において幾つかの実施形態を提供したが、開示されたシステム及び方法は、本開示の思想又は範囲から逸脱することなく、他の多くの特定の形態で具体化することができることを理解されたい。本例は、限定ではなく例証とみなすべきであり、本発明は、本明細書で提供した詳細に限定されない。例えば、種々の要素又は構成要素を組み合わせること、又は別のシステムに統合することができ、又は特定の特徴を省略すること、若しくは実装しないことができる。
【0078】
別の例として、特定の実施形態を航空機燃料フィルタに関連して開示したが、本明細書で説明した実施形態は、あらゆる適切なフィルタの検査に用いることができる。
【0079】
加えて、種々の実施形態において別個の又は分離したものとして説明され、図示された技術、システム、サブシステム、及び方法を、本開示の範囲から逸脱することなく組み合わせること、又は他のシステム、モジュール、技術、若しくは方法に統合することができる。互いに結合し、又は直接的に結合し若しくは通信するものとして示され論じられたその他のものは、電気的、機械的、又はそれ以外の方式のいずれであれ、何らかのインタフェース、デバイス、又は中間構成要素を通じて間接的に結合し又は通信することができる。変化、置換及び変更のその他の例は、当業者によって確認可能であり、本明細書で開示される思想及び範囲から逸脱することなく、行うことができる。
【0080】
特許庁、並びに、本出願に基づいて発行されるあらゆる特許のあらゆる読者を、本明細書に添付した特許請求の範囲の解釈において助けるために、出願人は、その出願日に存在する添付の特許請求のいずれの請求項も、「ための手段(means for)」又は「ためのステップ(step for)」という文言が特定の請求項において明示的に用いられていない限り、米国特許法112条(f)を発動する意図がないことに言及する。
【符号の説明】
【0081】
100:光学システム
102:画像化デバイス
104:画像プロセッサ
106:燃料フィルタ試料
124:グラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)
150:接続
206:半透明ステージ
210:筐体
210A:側壁
210B:内面
212:第1の包囲部分
214:第2の包囲部分
250:光
260:瞬間視野(IFOV)
300:燃料フィルタ検査方法
400、700、900:インタフェース
402、702:キャプチャ画像ウインドウ
404:処理画像ウインドウ
406:ライブ画像表示コマンドボタン
408:キャプチャ及び解析コマンドボタン
410:データ表示及び保存コマンドボタン
412、704、910:終了コマンドボタン
414:許容差入力フィールド
416:粒子数インジケータ
418:検査結果インジケータ
450:粒子
600:ライブ画像化方法
800:データ出力生成方法
902:粒子サイズ表示チャート
904:車両型式入力フィールド
906:ファイルパス入力フィールド
908:ファイル出力コマンドボタン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9