(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記支援装置は、(i)前記管理データ格納部を参照して、前記分離対象決定部が決定した分離対象の位置情報を取得し、(ii)前記位置情報に基づいて、作業者又は作業機械のルートを決定する作業ルート決定部をさらに備える、
請求項1から請求項3までの何れか一項に記載の情報処理装置。
前記支援装置は、前記作業画像取得部が取得した画像データの解析により、前記作業者又は前記作業機械が、前記分離対象決定部が決定した分離対象以外の農産物を株から分離する可能性が高いと判断された場合に、前記作業者又は前記作業機械に対する警告を出力する警告部をさらに備える、
請求項5に記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。なお、図面において、同一または類似の部分には同一の参照番号を付して、重複する説明を省く場合がある。
【0017】
[農作業支援システム100の概要]
図1は、農作業支援システム100のシステム構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、農作業支援システム100は、圃場10において栽培されている農産物の生育状況を管理する。農作業支援システム100は、圃場10を複数のサブエリア20に分割して、複数のサブエリア20のそれぞれにおいて栽培されている農産物の生育状況を管理してよい。例えば、農作業支援システム100は、1以上の株12の生育状態を管理する。農作業支援システム100は、株12に生育している1以上の果実14の生育状態を管理してもよい。果実14は、農産物の一例であってよい。農産物としては、穀類、野菜(根菜類を含む。)、果物、草花、枝葉(例えば、茶葉、装飾用の枝又は葉などである。)、キノコ類又は菌糸類などを例示することができる。
【0018】
農産物を生産するためには、土壌のサンプリング、土壌の分析、施肥、畝立、種蒔き又は植え付け、圃場の監視、害虫駆除、除草、間引き又は摘要、追肥、収穫時期の判断、収穫などの作業が発生する。農作業支援システム100は、株12及び果実14の少なくとも一方に関する上記の作業を管理してもよい。農作業支援システム100は、上記の作業に従事する作業者及び作業機械を支援してもよい。例えば、農作業支援システム100は、作業者又は作業機械が、株から当該株の一部(作業対象、分離対象などと称される場合がある。)を分離する作業を支援する。株から当該株の一部を分離する作業としては、除草、間引き又は摘要、収穫などを例示することができる。果実14は、作業対象又は分離対象の一例であってよい。
【0019】
例えば、特定の作業日又は作業期間において、特定の品質の果実14を、特定の数量だけ収穫する場合を例として、農作業支援システム100による支援の概要について説明する。本実施形態において、農作業支援システム100は、圃場10で栽培されている1以上の果実14のうち、収穫作業の対象(作業対象と称する場合がある。)となる果実14を決定する。その後、農作業支援システム100は、作業者又は作業機械が収穫作業を実施する時に、作業対象となる果実14の位置を、作業者又は作業機械に通知する。
【0020】
例えば、農作業支援システム100は、作業者に対して、次の作業の内容を案内したり、作業ルートを案内したりする。通知の方法は特に限定されるものではないが、農作業支援システム100は、例えば、作業対象に関する情報を、作業者の通信端末の表示装置に表示させる。農作業支援システム100は、拡張現実技術を利用して、作業対象に関する情報を、実空間の像及び画像の少なくとも一方に重畳させて表示させてもよい。農作業支援システム100は、作業者又は作業機械が、作業対象となっていない果実14を収穫しようとしたら、作業者又は作業機械に対して警告を通知してもよい。
【0021】
一実施形態において、農作業支援システム100は、現在の受注状況及び将来の需要予測の少なくとも一方に基づいて、どの果実14を収穫するかを計画する。農作業支援システム100は、現在の受注状況及び将来の需要予測の少なくとも一方に基づいて、どの時期に、どの果実14を収穫するかを計画してもよい。これにより、圃場10の収益力を増加させることができる。
【0022】
ところで、同一の株12に複数の果実14が生育している場合、1又は複数の果実14を収穫すると、糖の転流、光の照射具合の変化などにより、まだ収穫されていない果実14の生育速度が変化する。また、他の株12に分配される肥料成分の量が変化することにより、他の株12の果実14の生育速度が変化する。そこで、農作業支援システム100は、特定の果実14を収穫することにより、他の果実14の生育状況がどのように変化するかを予測し、当該予測結果に基づいて、どの果実14を収穫するかを計画してもよい。農作業支援システム100は、(i)上記の予測結果と、(ii)現在の受注状況及び将来の需要予測の少なくとも一方とに基づいて、どの果実14を収穫するかを計画してもよい。農作業支援システム100は、果実14を収穫する時期を計画してもよい。
【0023】
他の実施形態において、農作業支援システム100は、作業者又は作業機械の属性に基づいて、どの果実14を収穫するかを計画する。農作業支援システム100は、作業者又は作業機械の属性と、(ii)現在の受注状況及び将来の需要予測の少なくとも一方とに基づいて、どの果実14を収穫するかを計画してもよい。農作業支援システム100は、果実14を収穫する時期を計画してもよい。これにより、例えば、作業者の負担を軽減することができる。
【0024】
例えば、観光客を対象として、農産物の収穫体験が実施される場合がある。この場合、年齢、身長、体力、判断力、病歴、味覚、嗜好などの属性が、観光客によって、様々に異なる。なお、観光客は、需要者であると同時に、作業者でもあり得る。そこで、農作業支援システム100は、例えば、収穫体験が実施される前に、任意の入力端末を介して、観光客の属性に関する情報を取得する。そして、農作業支援システム100は、取得された観光客の属性を考慮して、収穫対象となる果実14を決定する。その後、農作業支援システム100は、入力端末を介して、収穫された果実14に関する観光客の評価を示す情報を取得する。農作業支援システム100は、上記の評価を示す情報をさらに考慮して、収穫対象となる果実14を決定してもよい。これにより、観光客の満足度を向上させることができる。
【0025】
[農作業支援システム100の各部の概要]
本実施形態において、農作業支援システム100は、例えば、管理サーバ110を備える。農作業支援システム100は、作業者端末120を備えてもよい。農作業支援システム100は、作業機械130を備えてよい。本実施形態において、作業機械130は、例えば、作業ロボット140、作業ドローン150、監視カメラ162を含む。本実施形態において、作業ロボット140及び作業ドローン150の少なくとも一方は、各種のユニット(アタッチメントと称される場合がある。)を組み替えることで、任意の機能を取得してよい。例えば、作業ロボット140は、撮像ユニット142と、センスユニット144と、指示ユニット146と、農作業ユニット148とを有する。また、作業ドローン150は、撮像ユニット152を有する。
【0026】
農作業支援システム100は、管理装置、支援装置、情報処理装置、及び、情報処理システムの一例であってよい。管理サーバ110は、管理装置、支援装置、情報処理装置、及び、情報処理システムの一例であってよい。撮像ユニット142は、画像データ取得部、及び、撮像条件取得部の一例であってよい。撮像ユニット152は、画像データ取得部、及び、撮像条件取得部の一例であってよい。監視カメラ162は、画像データ取得部、及び、撮像条件取得部の一例であってよい。センスユニット144は、品質情報取得部の一例であってよい。
【0027】
本実施形態において、農作業支援システム100の各部は、通信ネットワーク30を介して、互いに情報を送受してよい。通信ネットワーク30は、有線通信の伝送路であってもよく、無線通信の伝送路であってもよく、無線通信の伝送路及び有線通信の伝送路の組み合わせであってもよい。通信ネットワーク30は、無線パケット通信網、インターネット、P2Pネットワーク、専用回線、VPN、電力線通信回線などを含んでもよい。通信ネットワーク30は、(i)携帯電話回線網などの移動体通信網を含んでもよく、(ii)無線MAN(例えば、WiMAX(登録商標)である。)、無線LAN(例えば、WiFi(登録商標)である。)、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、NFC(Near Field Communication)などの無線通信網を含んでもよい。
【0028】
本実施形態において、管理サーバ110は、圃場10において栽培されている1以上の農産物を管理する。例えば、当該農産物の生育状況を管理する。管理サーバ110は、複数のサブエリア20のそれぞれについて、当該サブエリアにおいて栽培されている農産物の生育状況を管理してよい。管理サーバ110は、1以上の株12の生育状態を管理してよい。管理サーバ110は、株12に生育している1以上の果実14の生育状態を管理してもよい。本実施形態において、管理サーバ110は、圃場10において栽培されている1以上の農産物に対する作業を支援してもよい。
【0029】
本実施形態において、作業者端末120は、作業者が利用する通信端末であってよい。作業者端末120は、通信ネットワーク30を介して、管理サーバ110と情報を送受することができる機器であればよく、その詳細については特に限定されない。作業者端末120としては、パーソナルコンピュータ、携帯端末などを例示することができる。携帯端末としては、携帯電話、スマートフォン、PDA、タブレット、ノートブック・コンピュータ又はラップトップ・コンピュータ、ウエアラブル・コンピュータなどを例示することができる。
【0030】
本実施形態において、作業機械130は、任意の作業を実行する機械であってよい。作業機械130は、例えば、各種の農作業、監視作業などを実行する。作業機械130は、固定式であってもよく、移動式であってもよい。作業機械130は、自律走行機能又は自律航行機能を有してもよく、遠隔操作により操縦されてもよく、作業機械130に乗り込んだ作業者により操縦されてもよい。
【0031】
例えば、本実施形態において、作業ロボット140は、作業用の自律走行ロボットであってよい。作業ドローン150は、遠隔操作によって操縦される作業用のドローンであってよい。監視カメラ162は、固定式であってもよく、圃場10に設置されたレールの上を移動する台車の上に設置されていてもよい。
【0032】
本実施形態において、撮像ユニット142、撮像ユニット152、及び、監視カメラ162は、圃場10の内部又は圃場10の周辺を撮像する。撮像ユニット142、撮像ユニット152、及び、監視カメラ162は、例えば、1以上の株12、1以上の果実14、1以上の作業員、1以上の作業機械などを撮像する。撮像ユニット142、撮像ユニット152、及び、監視カメラ162は、撮像して得られた画像データを、管理サーバ110に送信してよい。
【0033】
本実施形態において、センスユニット144は、株12又は果実14の生育に関する物理量を測定する。例えば、センスユニット144は、1以上の果実14の品質に関する物理量を測定する。これにより、センスユニット144は、1以上の果実14の品質に関する情報(品質情報と称する場合がある。)を取得する。センスユニット144は、測定結果を示す情報を、管理サーバ110に送信してよい。
【0034】
センスユニット144は、1以上の果実14のそれぞれの識別情報(識別情報をIDと略記する場合がある。)を取得してよい。センスユニット144は、各果実又は各果実の近傍に付されたタグの情報を読み取ることにより、各果実のIDを取得してよい。一実施形態において、センスユニット144は、撮像ユニット142が撮像した画像の解析結果に基づいて、各果実のIDを取得する。画像解析は、作業ロボット140のコンピュータにおいて実施されてもよく、管理サーバ110のコンピュータにより実施されてもよい。他の実施形態において、センスユニット144は、RFID(radio frequency identifier)などの近距離無線通信を介してIDをやり取りするための技術を利用して、各果実又は各果実の近傍に付されたタグに埋め込まれたIDを取得する。センスユニット144は、1以上の果実14のそれぞれの識別情報と、品質情報と対応付けて、管理サーバ110に送信してよい。
【0035】
本実施形態において、指示ユニット146は、圃場10で作業を実施する作業員又は作業機械に対して、当該作業に関する指示を出力する。上記の指示の出力の態様は、特に限定されない。例えば、指示ユニット146は、指示の内容を表示画面に表示する。指示ユニット146は、指示の内容を音声として出力してもよい。指示ユニット146は、当該指示の対象となる株12又は果実14を、物理的に指し示してもよい。指示ユニット146は、当該指示の対象となる株12又は果実14に対して、電磁波(例えば光である。)を照射することにより、当該指示の対象となる株12又は果実14を指し示してもよい。
【0036】
本実施形態において、農作業ユニット148は、農作業用のアタッチメントであってよい。例えば、用途に応じた農作業ユニット148が、作業ロボット140に取り付けられ、農作業を実施する。これにより、作業ロボット140は、複数の異なる種類の農作業に対応することができる。そのため、農作業ごとに専用の作業機械130を導入する場合と比較して、作業機械130の導入コストを抑制することができる。また、農作業ごとに専用の作業機械130を導入する場合と同等のコストで、より多くの作業機械130を導入することができる。その結果、複数台の作業ロボット140により、農作業を実施することが容易となる。複数台の作業ロボット140を利用することにより、農作業の一連のサイクルの中で、必要な時期に必要な量のリソースを提供することが可能になる。その結果、農作業の生産性を大幅に向上させることができる。
【0037】
農作業ユニット148のそれぞれは、1又は複数の農作業に特化したユニットであってよい。農作業ユニット148としては、害虫駆除用の薬液散布装置、肥料を散布する肥料散布装置、ガスを散布するガス散布装置、畝立て装置、苗投下装置、種蒔き装置、耕うん装置、不要な枝葉を摘要するための治具を有するマニピュレータ、農産物を摘果するための治具を有するマニピュレータ、草刈り装置(例えば、放置された田畑用の草刈り装置である。)、散水装置、鳥獣威嚇装置(例えば、音声、光により鳥獣を威嚇する装置である。)、間引き装置、摘花装置、果樹摘果装置、袋掛け装置(例えば、果樹用の袋掛け装置である。)などを例示することができる。
【0038】
[農作業支援システム100の各部の具体的な構成]
農作業支援システム100の各部は、ハードウェアにより実現されてもよく、ソフトウエアにより実現されてもよく、ハードウェア及びソフトウエアにより実現されてもよい。農作業支援システム100の各部は、その少なくとも一部が、単一のサーバによって実現されてもよく、複数のサーバによって実現されてもよい。農作業支援システム100の各部は、その少なくとも一部が、仮想サーバ上又はクラウドシステム上で実現されてもよい。農作業支援システム100の各部は、その少なくとも一部が、パーソナルコンピュータ又は携帯端末によって実現されてもよい。携帯端末としては、携帯電話、スマートフォン、PDA、タブレット、ノートブック・コンピュータ又はラップトップ・コンピュータ、ウエアラブル・コンピュータなどを例示することができる。農作業支援システム100の各部は、ブロックチェーンなどの分散型台帳技術又は分散型ネットワークを利用して、情報を格納してもよい。
【0039】
農作業支援システム100を構成する構成要素の少なくとも一部がソフトウエアにより実現される場合、当該ソフトウエアにより実現される構成要素は、一般的な構成の情報処理装置において、当該構成要素に関する動作を規定したソフトウエア又はプログラムを起動することにより実現されてよい。上記の一般的な構成の情報処理装置は、(i)CPU、GPUなどのプロセッサ、ROM、RAM、通信インタフェースなどを有するデータ処理装置と、(ii)キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、カメラ、音声入力装置、ジェスチャ入力装置、各種センサ、GPS受信機などの入力装置と、(iii)表示装置、音声出力装置、振動装置などの出力装置と、(iv)メモリ、HDD、SSDなどの記憶装置(外部記憶装置を含む。)とを備えてよい。
【0040】
上記の一般的な構成の情報処理装置において、上記のデータ処理装置又は記憶装置は、上記のソフトウエア又はプログラムを記憶してよい。上記のソフトウエア又はプログラムは、プロセッサによって実行されることにより、上記の情報処理装置に、当該ソフトウエア又はプログラムによって規定された動作を実行させる。上記のソフトウエア又はプログラムは、非一時的なコンピュータ可読記録媒体に格納されていてもよい。上記のソフトウエア又はプログラムは、コンピュータを、農作業支援システム100又はその一部として機能させるためのプログラムであってよい。上記のソフトウエア又はプログラムは、コンピュータに、農作業支援システム100又はその一部における情報処理を実行させるためのプログラムであってよい。
【0041】
図2は、管理サーバ110の内部構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、管理サーバ110は、要求処理部210と、生育管理部220と、作業管理部230と、格納部240とを備える。本実施形態において、格納部240は、生育情報格納部242と、基準位置格納部244と、属性情報格納部246と、受注情報格納部248と、履歴情報格納部250と、予測モデル格納部252とを有する。
【0042】
生育管理部220は、管理装置の一例であってよい。作業管理部230は、支援装置の一例であってよい。格納部240は、管理データ格納部の一例であってよい。生育情報格納部242は、管理データ格納部の一例であってよい。
【0043】
本実施形態において、要求処理部210は、各種の要求を受け付ける。例えば、要求処理部210は、需要者端末40から、果実14を注文するための要求を受け付ける。要求処理部210は、受け付けた要求を処理する。
【0044】
本実施形態において、生育管理部220は、1以上の果実14のそれぞれの生育状況を管理する。例えば、生育管理部220は、1以上の果実14のそれぞれの位置を管理する。生育管理部220は、1以上の果実14のそれぞれの品質を管理してもよい。生育管理部220の詳細は後述する。
【0045】
本実施形態において、作業管理部230は、1以上の果実14のそれぞれに関する作業を管理する。作業管理部230は、作業計画を作成してよい。例えば、作業管理部230は、特定の作業日又は作業期間において、作業対象となる果実14を決定する。作業管理部230は、作業の進捗を管理してよい。作業管理部230は、作業を支援するための情報を生成してよい。作業管理部230の詳細は後述する。
【0046】
本実施形態において、格納部240は、各種の情報を格納する。本実施形態において、生育情報格納部242は、例えば、1以上の株12のそれぞれの生育状況に関する情報を格納する。生育情報格納部242は、1以上の果実14のそれぞれの生育状況に関する情報を格納してもよい。
【0047】
本実施形態において、基準位置格納部244は、各種の基準位置の位置情報を格納する。位置情報は、(i)緯度情報及び経度情報であってもよく、(ii)緯度情報、経度情報及び高度情報であってもよい。例えば、基準位置格納部244は、複数のサブエリア20のそれぞれを代表する点の位置(基準位置と称する場合がある。)の位置情報を格納する。基準位置格納部244は、1以上の株12のそれぞれの基準位置の位置情報を格納してもよい。
【0048】
本実施形態において、属性情報格納部246は、作業者の属性を示す情報を格納する。属性情報格納部246は、作業機械の属性を示す情報を格納してもよい。作業者の属性としては、年齢、性別、身体的特徴、嗜好、作業に対する要求事項又は作業に関する制限事項などを例示することができる。身体的特徴としては、身長、体重、体力の有無又は程度、持病の有無又は程度、病歴などを例示することができる。嗜好としては、作業に関する嗜好、味覚に関する嗜好などを例示することができる。作業に対する要求事項又は作業に関する制限事項としては、作業台又は梯子の使用の可否、汚れを伴う作業の可否などを例示することができる。作業機械の属性としては、作業機械の仕様又は性質、実装されているアタッチメントの仕様又は性質などを例示することができる。
【0049】
本実施形態において、受注情報格納部248は、受け付けた注文の内容を示す情報を格納する。注文の内容としては、納期、品質、数量、価格などを例示することができる。本実施形態において、履歴情報格納部250は、農産物に関する各種の履歴に関する情報を格納する。履歴としては、農産物に対する作業の履歴、農産物の生育状況の履歴、農産物の需要の履歴、農産物の市場価格の履歴などを例示することができる。本実施形態において、予測モデル格納部252は、例えば、各種の予測又はシミュレーションに利用されるモデル及び当該モデルのパラメータを格納する。
【0050】
図3は、生育管理部220の内部構成の一例を概略的に示す。また、
図3は、作業ロボット140の内部構成の一例を概略的に示す。
【0051】
[作業ロボット140の概要]
本実施形態において、作業ロボット140は、ベースユニット310と、走行ユニット320と、支援ユニット330と、農作業ユニット148とを備える。本実施形態において、ベースユニット310は、制御部312と、電源部314とを有する。本実施形態において、支援ユニット330は、撮像ユニット142と、センスユニット144と、指示ユニット146とを有する。
【0052】
本実施形態において、ベースユニット310には、1又は複数のアタッチメントを取り付けられる。ベースユニット310は、アタッチメントをベースユニット310に装着するための装着部を有してよい。
【0053】
本実施形態において、制御部312は、作業ロボット140を制御する。例えば、作業ロボット140は、GPS信号、ビーコン信号などを受信して、作業ロボット140の現在位置を示す情報を取得する。作業ロボット140は、(i)作業ロボット140の現在位置を示す情報と、(ii)目的地を示す情報及び走行ルートを示す情報の少なくとも一方とに基づいて、作業ロボット140の自律走行を制御してもよい。なお、作業ロボット140は、撮像ユニット142が取得した画像データを解析して、作業ロボット140の現在位置を示す情報を取得してもよい。
【0054】
本実施形態において、電源部314は、作業ロボット140の各部に電力を供給する。走行ユニット320は、走行用のアタッチメントであってよい。走行ユニット320は、電源部314から供給された電力を利用して、作業ロボット140を移動させるための動力を発生させてよい。支援ユニット330は、支援作業用のアタッチメントであってよい。支援ユニット330は、圃場10において栽培されている1以上の農産物に対する各種作業を支援する。
【0055】
[生育管理部220の概要]
本実施形態において、生育管理部220は、位置監視部352と、品質監視部354と、データ更新部356とを備える。位置監視部352は、位置情報取得部の一例であってよい。品質監視部354は、品質情報取得部の一例であってよい。データ更新部356は、情報処理装置、管理装置、及び、管理データ生成部の一例であってよい。
【0056】
本実施形態において、位置監視部352は、圃場10において栽培されている1以上の果実14のそれぞれの位置情報を取得する。なお、位置監視部352の具体的な構成は、後述する。
【0057】
位置情報は、圃場10における位置を示す情報であればよく、具体的な形式については特に限定されない。位置情報は、緯度情報及び経度情報を含んでよい。位置情報は、緯度情報、経度情報及び高度情報を含んでもよい。位置情報は、圃場10における略水平方向の位置を示す情報と、高度を示す情報とを含んでよい。圃場10における略水平方向の位置は、圃場10の地面を代表する平面上の直交する2つの軸を用いて表されてよい。圃場10における略水平方向の位置は、方位及び距離を用いて表されてもよい。圃場10における略水平方向の位置は、圃場10における特定の地点の識別情報を用いて表されてもよい。位置情報は、圃場10における基準位置の識別情報と、当該基準位置との相対関係を示す情報とを含んでもよい。圃場10における略水平方向の位置は、特定の地点の識別情報と、当該地点からの方位及び距離を用いて表されてもよい。
【0058】
一実施形態において、位置監視部352は、撮像ユニット142が撮像した画像の画像データを取得する。位置監視部352は、上記の画像を解析して、当該画像に含まれる1又は複数の果実14の位置情報を取得してよい。
【0059】
他の実施形態において、位置監視部352は、上記の画像が撮像されたときの条件(撮像条件と称する場合がある。)を示す情報を取得する。位置監視部352は、画像の撮像条件を示す情報と、当該画像の画像データとを取得してもよい。位置監視部352は、撮像条件を解析して、当該画像に含まれる1又は複数の果実14の位置情報を取得してよい。画像の撮像条件を示す情報としては、(i)当該画像を撮像した撮像装置の緯度及び経度を示す情報、(ii)当該撮像装置の圃場における略水平方向の位置及び高さを示す情報、(iii)当該撮像装置と、当該画像の被写体との距離を示す情報、(iv)当該撮像装置の光軸の方位を示す情報、(v)当該撮像装置の光軸の鉛直方向に対する角度を示す情報、(vi)撮像倍率、(vii)画角、(viii)当該撮像装置の仕様の少なくとも1つを例示することができる。
【0060】
本実施形態において、品質監視部354は、圃場10において栽培されている1以上の果実14のそれぞれの品質情報を取得する。一実施形態において、品質監視部354は、撮像ユニット142が撮像した果実14の画像の画像データを取得する。品質監視部354は、画像データを解析して、果実14の品質を示す情報を生成してよい。他の実施形態において、品質監視部354は、センスユニット144の測定結果を示す情報を取得する。品質監視部354は、得られた測定結果を解析して、果実14の品質を示す情報を生成してよい。
【0061】
品質情報は、(i)果実14の外観に関する情報、及び、(ii)果実14に含まれる成分に関する情報の少なくとも一方を含んでよい。品質情報は、(i)形状、色彩、模様及び大きさの少なくとも1つ、(ii)外観上の異常の有無、当該異常の位置、及び、当該異常の大きさの少なくとも1つ、(iii)硬さ及び耐荷重の少なくとも一方(iv)密度及び比重の少なくとも一方、(v)空洞の有無、当該空洞の位置、及び、当該空洞の大きさの少なくとも1つ、並びに、(vi)糖度、酸度、含水率、タンパク質の含有量、香り成分の含有量、カルシウムの含有量、及び、マグネシウムの含有量の少なくとも1つからなる群から選択される少なくとも1つを示す情報であってよい。なお、外観上の異常は、色彩又は模様として扱われてもよい。
【0062】
本実施形態において、データ更新部356は、位置監視部352から果実14の位置情報を受信し、品質監視部354から果実14の品質情報を受信する。データ更新部356は、1以上の果実14のそれぞれについて、位置情報及び品質情報を対応付けて、生育情報格納部242に格納する。生育情報格納部242に格納されたデータは、管理データの一例であってよい。データ更新部356は、果実14の位置又は品質に変更があった場合には、生育情報格納部242に格納されたデータを更新してよい。
【0063】
図4は、位置監視部352の内部構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、位置監視部352は、画像認識部410と、基準位置特定部420と、相対位置算出部430と、位置特定部440とを備える。
【0064】
画像認識部410は、画像データ取得部、株特定部及びエリア特定部の一例であってよい。基準位置特定部420は、撮像条件取得部の一例であってよい。相対位置算出部430は、相対関係取得部の一例であってよい。位置特定部440は、位置解析部の一例であってよい。
【0065】
[果実14の認識処理]
本実施形態において、画像認識部410は、1以上の果実14のそれぞれの画像の画像データを取得する。例えば、画像認識部410は、撮像ユニット142、撮像ユニット152及び監視カメラ162の何れかが撮像した画像の画像データを取得する。画像認識部410は、複数の果実14が含まれる画像の画像データを取得してもよい。
【0066】
画像認識部410は、画像に含まれる1又は複数の果実14のそれぞれを認識する。画像認識部410は、例えば、顔認識処理などで用いられる任意の画像認識技術を利用して、画像に含まれる1又は複数の果実14のそれぞれを認識する。画像認識部410は、同時期に撮像された複数の画像に基づいて、1又は複数の果実14のそれぞれを認識してもよい。例えば、複数の画像の撮像時間の差が1時間以内である場合(好ましくは30分以内、より好ましくは10分以内、さらに好ましくは5分以内である。)、当該複数の画像は、同時期に撮像されたと見做されてよい。画像認識部410は、異なる時期に撮像された複数の画像に基づいて、1又は複数の果実14のそれぞれを認識してもよい。画像認識部410は、認識結果に基づいて、1又は複数の果実14のそれぞれのIDを決定してよい。
【0067】
一実施形態において、画像認識部410は、個々の果実14の外観の特徴を認証パターンとして利用して、画像に含まれる1又は複数の果実14のそれぞれを認識する。例えば、個々の果実14にIDを付与するときに、当該果実の外観の特徴が、当該果実の認証パターンとして登録される。これにより、画像を解析することで、当該画像に含まれる果実14のIDを決定することができる。
【0068】
他の実施形態において、画像認識部410は、(i)複数の果実14の位置関係、(ii)複数の果実14、及び、当該果実が生育している株12の1又は複数の特徴点の位置関係、又は、(iii)複数の果実14が生育している株12の複数の特徴点の位置関係を認証パターンとして利用して、画像に含まれる複数の果実14を認識する。例えば、複数の果実14のそれぞれにIDを付与するときに、複数の果実14の位置関係などが、当該複数の果実14の認証パターンとして登録される。これにより、画像を解析することで、当該画像に含まれる果実14のIDを決定することができる。
【0069】
さらに他の実施形態において、画像認識部410は、グローバルアライメント、又は、グローバルマッピングと呼ばれる手法と同様の手順により、複数の果実14を認識してもよい。具体的には、画像認識部410は、まず、複数の果実14を含む第1の画像と、複数の果実14を含む第2の画像とを比較して、第1の画像に含まれる複数の果実14のそれぞれを、第2の画像に含まれる複数の果実14のいずれかと対応付ける。例えば、(i)画像認識部410は、次に、対応する果実14同士の位置の誤差の合計を算出し、(ii)上記の誤差が予め定められた条件を満足するように、第1の画像に含まれる複数の果実14と、第2の画像に含まれる複数の果実14とを対応づける。第2の画像に含まれる複数の果実14のそれぞれが既に認識済みである場合、上記の処理により、第1の画像に含まれる複数の果実14のそれぞれのIDを決定することができる。
【0070】
[認識処理における例外処理]
画像認識部410が画像を認識する場合において、認識処理の対象となる画像中に、果実としては認識されるものの、IDを特定することのできないパターンが抽出されることがあり得る。このとき、画像認識部410は、例えば、その旨をユーザに通知して、ユーザに指示を促す。画像認識部410は、ユーザからの指示を受け付けると、当該指示に従って、上記のパターンに新しいIDを付与したり、IDを特定したりする。
【0071】
画像認識部410は、画像認識処理の結果が正常であるか否かを判定してもよい。画像認識部410は、特定の株に関する画像認識処理の結果が正常でないと判定された場合、異なる条件の下で、画像認識処理を実行してよい。例えば、画像認識部410は、上記の特定の株を異なる角度から撮像して得られた画像データに基づいて、画像認識処理を実行する。
【0072】
画像認識部410は、例えば、下記の手順にしたがって、画像認識処理の結果が正常であるか否かを判定する。本実施形態によれば、画像認識部410は、まず、画像認識処理により認識された1又は複数の果実14の収量の合計を算出する。果実14の収量としては、(i)個数、(ii)画像の大きさから推測される質量などを例示することができる。画像認識部410は、基準単位あたりの収量を算出してもよい。画像認識部410は、生育具合を考慮した基準単位あたりの収量を算出してもよい。基準単位としては、(i)圃場の単位面積、(ii)単位株数、(iii)果実14を収穫可能な空間の単位体積などを例示することができる。
【0073】
果実14を収穫可能な空間は、その内部に株又は株の一部を収容できる仮想的な空間であってよい。例えば、その内部に株全体を収容するような仮想空間を考える場合、上記の仮想的な空間は、(i)直方体の形状を有し、(ii)その高さが、当該空間の内部に収容された株の高さの最大値であり、(iii)その幅は、当該空間の内部に収容された株の幅の最大値であってよく、(iv)その奥行は、当該空間の内部に収容された株の奥行の最大値であってよい。上記の仮想的な空間の形状は、直方体に限定されない。上記の仮想的な空間は、円柱形状、多角柱形状、円錐形状、多角錐形状、又は、それらの組み合わせであってよい。
【0074】
次に、画像認識部410は、算出された収量の合計値、又は、基準単位当たりの収量に基づいて、画像認識処理の結果が正常であるか否かを判定する。一実施形態において、画像認識部410は、算出された収量の合計値又は基準単位当たりの収量が、予め定められた条件を満足するか否かに基づいて、画像認識処理の結果が正常であるか否かを判定する。例えば、画像認識部410は、算出された収量の合計値又は基準単位当たりの収量と、(i)平年の同時期における実績値若しくは(ii)同程度の生育状態における実績値、又は、(iii)上記の実績値に基づく予測値とを比較する。画像認識部410は、例えば、(i)両者の差が予め定められた範囲に収まらない場合、又は、(ii)両者の差が統計的に有意である場合に、画像認識処理の結果が正常であると判定する。
【0075】
他の実施形態において、画像認識部410は、(i)複数の株について、各株の収量の合計値又は基準単位当たりの収量を算出し、(ii)各株の画像認識処理の結果が正常であるか否かを統計的に判断してもよい。例えば、画像認識部410は、特定の株の収量の合計値又は基準単位当たりの収量と、全体の収量の合計値又は基準単位当たりの収量とを比較して、(i)両者の差が予め定められた範囲内に収まらない場合、又は、(ii)両者の差が統計的に有意である場合に、画像認識処理の結果が正常であると判定する。
【0076】
[株12の特定処理]
本実施形態において、画像認識部410は、1以上の果実14のそれぞれの画像の画像データに基づいて、各果実が生育している株12を特定する。株12の特定処理は、果実14の認識処理と同様の手順により実行されてよい。
【0077】
[サブエリア20の特定処理]
本実施形態において、画像認識部410は、1以上の果実14のそれぞれの画像の画像データに基づいて、各果実が生育しているサブエリア20を特定する。サブエリア20の特定処理は、果実14の認識処理と同様の手順により実行されてよい。
【0078】
本実施形態において、基準位置特定部420は、1以上の果実14の少なくとも一部について、当該果実の位置を特定するために利用できる基準位置を特定する。基準位置は、例えば、位置が既知の地点、物体又は物体の部分であって、各果実の位置を算出するために利用し得るものの位置を示す。
【0079】
一実施形態において、基準位置特定部420は、果実14が生育している株12の位置を、当該果実の基準位置として特定してよい。株12の代表点の位置が、上記の株12の位置として利用されてよい。他の実施形態において、基準位置特定部420は、果実14が生育しているサブエリア20の位置を、当該果実の基準位置として特定してよい。サブエリア20の代表点の位置が、上記のサブエリア20の位置として利用されてよい。
【0080】
さらに他の実施形態において、基準位置特定部420は、果実14を被写体として含む画像の撮像条件を示す情報(撮像条件情報と称する場合がある。)を取得する。撮像条件の中に、(i)当該画像を撮像した撮像装置の緯度及び経度を示す情報、及び、(ii)当該撮像装置の圃場10における略水平方向の位置及び高さを示す情報の少なくとも一方が含まれている場合、基準位置特定部420は、撮像条件により示される位置を、当該果実の基準位置として特定してよい。
【0081】
本実施形態において、相対位置算出部430は、1以上の果実14の少なくとも一部について、各果実の代表位置と、各果実の基準位置との相対関係を示す情報を取得又は算出する。一実施形態において、相対位置算出部430は、各果実及び各基準位置が含まれる画像を解析して、両者の相対関係を決定する。相対位置算出部430は、撮像条件を考慮して、両者の相対関係を決定してよい。他の実施形態において、撮像条件の中に、画像を撮像した撮像装置と、被写体との距離を示す測距情報が含まれている場、相対位置算出部430は、当該測距情報を利用して、両者の相対関係を決定してよい。相対位置算出部430は、上記の実施形態の組み合わせにより、各果実の代表位置と、各果実の基準位置との相対関係を決定してもよい。
【0082】
本実施形態において、位置特定部440は、(i)基準位置特定部420が特定した各果実の基準位置、並びに、(ii)相対位置算出部430が取得又は算出した、各果実の代表位置及び各果実の基準位置の相対関係に基づいて、各果実の位置を特定する。これにより、一実施形態によれば、位置監視部352は、各果実を被写体として含む画像の画像データに基づいて、各果実の位置情報を取得することができる。他の実施形態によれば、位置監視部352は、各果実を被写体として含む画像の画像データと、当該画像の撮像条件情報とに基づいて、各果実の位置情報を取得することができる。
【0083】
図5は、作業管理部230の内部構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、作業管理部230は、注文管理部510と、需要予測部520と、作業計画部530と、作業監視部540とを備える。作業計画部530は、情報処理装置、及び、支援装置の一例であってよい。
【0084】
本実施形態において、注文管理部510は、果実14に関する注文を受け付ける。注文管理部510は、例えば、需要者端末40からの要求に応じて、注文を受け付けるための入力画面のデータを、需要者端末40に送信する。注文管理部510は、需要者が需要者端末40に入力した情報を、注文情報として取得する。注文管理部510は、受け付けた注文の進捗を管理してもよい。注文管理部510は、受け付けた注文の内容を示す情報を、受注情報格納部248に格納してよい。
【0085】
本実施形態において、需要予測部520は、果実14の需要を予測する。需要予測用のアルゴリズムは特に限定されるものではない。例えば、需要予測部520は、予測モデル格納部252に格納されている需要予測用のモデルを利用して、特定の日時又は期間における果実14の需要を予測する。需要予測部520は、履歴情報格納部250に格納されている過去の需要に関するデータを解析して、特定の日時又は期間における果実14の需要を予測してもよい。
【0086】
本実施形態において、作業計画部530は、果実14に関する作業計画を作成する。例えば、作業計画部530は、特定の作業日又は作業期間に、株12から分離されるべき果実14を決定する。作業計画部530は、複数の農産物に関する作業計画を作成してもよい。作業計画部530の詳細は後述する。
【0087】
本実施形態において、作業監視部540は、作業者及び作業機械130の少なくとも一方による作業を監視する。例えば、作業監視部540は、作業計画部530が作成した作業計画のとおりに作業が進捗しているか否かを監視する。作業監視部540は、作業計画に基づいて、作業者及び作業機械130の少なくとも一方を支援するための支援情報を作成してよい。作業監視部540は、作業者及び作業機械130の少なくとも一方が作業計画を逸脱する可能性があるか否かを判断してよい。作業監視部540は、作業者及び作業機械130の少なくとも一方が作業計画を逸脱する可能性があると判断した場合、警告を発するための警告情報を生成してよい。作業監視部540の詳細は後述する。
【0088】
図6は、作業計画部530及び作業監視部540の内部構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、作業計画部530は、抽出条件決定部632と、品質予測部634と、作業対象決定部636とを備える。本実施形態において、作業監視部540は、画像認識部642と、支援情報生成部644と、属性調整部646とを備える。
【0089】
抽出条件決定部632は、需要情報取得部及び属性情報取得部の一例であってよい。品質予測部634は、品質予測部の一例であってよい。作業対象決定部636は、抽出部、及び、分離対象決定部の一例であってよい。画像認識部642は、作業画像取得部、及び、分離対象認識部の一例であってよい。支援情報生成部644は、作業ルート決定部、及び、警告部の一例であってよい。
【0090】
本実施形態において、抽出条件決定部632は、作業対象決定部636が、圃場10において栽培されている1以上の果実14の中から、特定の作業日又は作業期間に、株12から分離されるべき果実14を抽出するための条件(抽出条件と称する場合がある。)を決定する。抽出条件決定部632は、例えば、(i)果実14の需要に関する情報(需要情報と称する場合がある)、(ii)作業者又は作業機械130の属性を示す情報(属性情報と称する場合がある。)、及び、(iii)将来の特定の日時又は期間における果実14の品質に関する予測結果の少なくとも1つに基づいて、抽出条件を決定する。
【0091】
一実施形態において、抽出条件決定部632は、果実14の需要に関する情報(需要情報と称する場合がある)を取得する。例えば、抽出条件決定部632は、注文管理部510が受け付けた注文の内容を示す情報を取得する。抽出条件決定部632は、受注情報格納部248にアクセスして、上記の情報を取得してもよく、注文管理部510に上記の情報を要求して、当該情報を受け取ってもよい。抽出条件決定部632は、需要予測部520が予測した将来の需要動向を示す情報を取得する。例えば、抽出条件決定部632は、需要予測部520に上記の情報を要求して、当該情報を受け取る。
【0092】
需要情報は、例えば、(i)需要者が農産物に対して要求する品質に関する品質条件、(ii)需要者が要求する農産物の数量に関する数量条件、及び、(iii)需要者が農産物を要求する時期に関する時期条件の少なくとも1つを含む。抽出条件決定部632は、需要情報に基づいて、抽出条件を決定してよい。
【0093】
例えば、抽出条件決定部632は、抽出結果が品質条件及び数量条件を満足するように、抽出条件を決定する。より具体的には、抽出条件決定部632は、品質条件を満足する1以上の果実14の中から、数量条件を満足する個数の果実14を抽出するという条件を、抽出条件として決定してよい。
【0094】
抽出条件決定部632は、抽出結果が品質条件、数量条件及び時期条件を満足するように、抽出条件を決定してよい。より具体的には、抽出条件決定部632は、時期条件により示された時期に、品質条件を満足する果実14の個数が、当該時期における数量条件を満足するという条件を、抽出条件として決定してよい。
【0095】
抽出条件決定部632は、時期条件により示された時期に、品質条件を満足する果実14の個数が、当該時期における数量条件を満足し、圃場10において栽培されている1以上の果実14により得られる収益の見込み額が予め定められた条件を満足するという条件を、抽出条件として決定してよい。上記の予め定められた条件としては、(i)上記の見込み額が閾値よりも大きいという条件、(ii)上記の見込み額の試算処理を複数回実行し、当該試算のうち、見込み額が最も大きいという条件、(iii)上記の見込み額を表す関数又は上記の見込み額を近似する関数が、少なくとも特定の領域において最大となるという条件などを例示することができる。
【0096】
他の実施形態において、抽出条件決定部632は、作業者又は作業機械130の属性情報を取得する。例えば、抽出条件決定部632は、属性情報格納部246にアクセスして、上記の情報を取得する。抽出条件決定部632は、属性情報に基づいて、抽出条件を決定してよい。例えば、抽出条件決定部632は、作業者の身長に応じた位置に存在する果実14を抽出するという条件を、抽出条件として決定する。抽出条件決定部632は、作業者の味覚的な嗜好に合致し、且つ、作業者の身長に応じた位置に存在する果実14を抽出するという条件を、抽出条件として決定してもよい。
【0097】
抽出条件決定部632は、作業者の年齢、ハンディキャップ及び病歴の少なくとも1つに応じた位置に存在する果実14を抽出するという条件を、抽出条件として決定してもよい。抽出条件決定部632は、作業者の現在の体調、現在の病状、及び、アレルギーの有無の少なくとも1つに応じた成分を含む果実14を抽出するという条件を、抽出条件として決定してもよい。
【0098】
抽出条件決定部632は、作業者の服装及び履物の少なくとも一方に応じた位置に存在する果実14を抽出するという条件を、抽出条件として決定してもよい。抽出条件決定部632は、作業者の希望収穫量に応じた位置に存在する果実14を抽出するという条件を、抽出条件として決定してもよい。抽出条件決定部632は、作業者の同行者の数又は属性に応じた位置に存在する果実14を抽出するという条件を、抽出条件として決定してもよい。抽出条件決定部632は、作業者の同行者の数又は属性に応じた品質を有する果実14を抽出するという条件を、抽出条件として決定してもよい。
【0099】
抽出条件決定部632は、作業者が既に収穫した果実14の個数及び品質の少なくとも一方に基づいて、当該作業者が次に収穫すべき果実14の位置及び品質の少なくとも一方を決定してよい。例えば、抽出条件決定部632は、作業者が既に収穫した果実14の個数に応じて、次に収穫すべき果実14の収穫の難易度を調整する。抽出条件決定部632は、作業者が既に収穫した果実14の成分又は味に応じて、次に収穫すべき果実14の成分又は味を決定する。抽出条件決定部632は、次に収穫すべき果実14の位置及び品質の少なくとも一方に応じた果実14を抽出するという条件を、抽出条件として決定してよい。
【0100】
抽出条件決定部632は、作業者が果実14を収穫するときの反応又は作業者が果実14を食べたときの反応に関するデータを取得してよい。例えば、抽出条件決定部632は、作業者が果実14を収穫するとき又は作業者が果実14を食べたときの音声データ又は画像データを収集する。抽出条件決定部632は、収集されたデータを解析して、当該作業者が次に収穫すべき果実14の位置及び品質の少なくとも一方を決定してよい。例えば、作業者が好ましくない反応を示した場合、次に収穫すべき果実14の品質として、以前に収穫した果実14とは異なる品質を設定する。一方、作業者が好ましい反応を示した場合、次に収穫すべき果実14の品質として、以前に収穫した果実14と同じ品質を設定する。抽出条件決定部632は、次に収穫すべき果実14の位置及び品質の少なくとも一方に応じた果実14を抽出するという条件を、抽出条件として決定してよい。
【0101】
本実施形態において、品質予測部634は、圃場10において栽培されている1以上の果実14の少なくとも一部について、(i)将来の品質、及び、(ii)当該果実を株から分離することによる他の果実の品質に与える影響の少なくとも一方を予測してもよい。品質予測部634は、抽出条件決定部632が決定した抽出条件を満足する果実14の少なくとも一部について、(i)将来の品質、及び、(ii)当該果実を株から分離することによる他の果実の品質に与える影響の少なくとも一方を予測してもよい。品質予測部634は、特定の果実14(単一の果実14であってもよく、複数の果実14であってもよい。)を、特定の作業日又は作業期間に、株12から分離した場合に、他の果実14の品質に与える影響を、少なくとも、(i)特定の果実14の位置、及び、(ii)他の果実14の位置の少なくとも一方に基づいて予測してよい。
【0102】
予測は、定量的な予測であってもよく、定性的な予測であってもよい。また、品質予測用のアルゴリズムは、特に限定されるものではない。例えば、品質予測部634は、予測モデル格納部252に格納されている品質予測用のモデルを利用して、特定の日時又は期間における果実14の品質を予測する。品質予測部634は、予測モデル格納部252に格納されている品質予測用のモデルを利用して、特定の日時又は期間に特定の果実14を株12から分離した場合において、他の日時又は期間における他の果実14を予測してもよい。品質予測部634は、履歴情報格納部250に格納されている過去の果実14の生育に関するデータを解析して、上記の品質を予測してもよい。
【0103】
品質予測部634は、予測結果に基づいて、上記の抽出条件を決定してもよい。品質予測部634は、予測結果に基づいて、抽出条件決定部632が決定した抽出条件を修正してもよい。
【0104】
本実施形態において、作業対象決定部636は、圃場10において栽培されている1以上の果実14の中から、特定の作業の対象(作業対象と称する場合がある。)となる果実14を決定する。作業対象決定部636は、抽出条件決定部632及び品質予測部634の少なくとも一方が決定した抽出条件に合致する果実14を、作業対象として抽出してよい。なお、果実14を株12から分離する作業の対象となる果実14は、分離対象の一例であってよい。
【0105】
一実施形態において、作業対象決定部636は、まず、生育情報格納部242を参照して、1以上の果実14の中から、抽出条件に含まれる品質条件を満足する果実14を抽出する。作業対象決定部636は、次に、生育情報格納部242を参照して、抽出された果実14の位置情報を取得する。作業対象決定部636は、次に、取得された位置情報に基づいて、抽出された果実14の中から、作業対象となる果実14を決定してよい。例えば、作業対象決定部636は、果実14の密度が予め定められた閾値を超える領域に存在する果実14を、優先的に作業対象として決定する。作業対象決定部636は、果実14の密度が予め定められた閾値を下回る領域に存在する果実14を、優先的に作業対象として決定してもよい。作業対象決定部636は、抽出された果実14の個数が、抽出条件に含まれる数量条件を満足する場合に、上記の処理を実行してもよい。
【0106】
抽出された果実14の個数が、抽出条件に含まれる数量条件を満足しない場合、例えば、作業対象決定部636は、作業者端末120を介して、数量が不足すること、不足する数量、現在の品質条件に近い品質を有する果実14などに関する情報を、作業者に通知する。作業対象決定部636は、上記の通知に対する作業者の指示にしたがって、処理を続行する。
【0107】
一実施形態において、作業対象決定部636は、現在の注文をキャンセルし、現在、品質条件を満たしていない果実14を、将来の他の注文に割り当てる。他の実施形態において、特定の品質を有する果実14の需要に対して供給が追い付かないことが予想できる場合、作業対象決定部636は、オークション方式により果実14の購入希望者及び購入希望金額を決定してよい。同様に、特定の品質を有する果実14の価格の変動具合が予め定められた閾値を超えることが予想できる場合、作業対象決定部636は、オークション方式により果実14の購入希望者及び購入希望金額を決定してよい。
【0108】
他の実施形態において、抽出条件に作業者又は作業機械130の属性に関する条件が含まれている場合、作業対象決定部636は、(i)位置情報、及び、(ii)作業者又は作業機械130の属性に関する条件に基づいて、作業対象となる果実14を決定してよい。例えば、作業対象決定部636は、作業者の身長に応じた位置に存在する果実14を、作業対象として抽出する。作業対象決定部636は、品質条件を満足する果実14のうち、作業者の身長に応じた位置に存在する果実14を、優先的に作業対象として決定してよい。
【0109】
さらに他の実施形態において、作業対象決定部636は、品質予測部634の予測結果を利用して、時期条件により示される時期に、品質条件を満足する果実14の個数が、当該時期における数量条件を満足するように、作業対象となる果実14を決定する。さらに他の実施形態において、作業対象決定部636は、(i)品質予測部634の予測結果、並びに、(ii)抽出条件に含まれる品質条件、数量条件及び時期条件に基づいて、1以上の果実14により得られる収益の見込み額が予め定められた条件を満足するように、作業対象を決定する。
【0110】
例えば、作業対象決定部636は、まず、第1の日時又は期間における仮の作業対象を決定する。具体的には、第1の日時又は期間における品質条件及び数量条件を満足するように、特定の果実14(単一の果実14であってもよく、複数の果実14であってもよい。)を仮の作業対象として決定する。次に、作業対象決定部636は、品質予測部634の予測結果を利用して、時期条件により示される第2の日時又は時期における仮の作業対象を決定する。同様にして、作業対象決定部636は、時期条件に含まれる日時又は時期の全てについて仮の作業対象を決定する。次に、作業対象決定部636は、一連の作業により得られる収益の合計値を算出する。作業対象決定部636は、作業対象となる果実14の組み合わせを変更しながら、上記の処理を複数回実行する。作業対象決定部636は、複数回の試行のうち、収益の合計値が最大となった試行における仮の作業対象を、今回の作業対象として決定する。
【0111】
本実施形態において、画像認識部642は、圃場10において、果実14の分離作業又は分離作業の準備を実施している作業者の撮像装置又は作業機械130の撮像装置から、当該撮像装置が撮像した画像の画像データを取得する。例えば、画像認識部410は、撮像ユニット142、撮像ユニット152及び監視カメラ162の何れかが撮像した画像の画像データを取得する。画像認識部410は、作業者端末120に搭載された撮像装置が撮像した画像の画像データを取得してもよい。画像認識部410は、複数の果実14が含まれる画像の画像データを取得してもよい。
【0112】
本実施形態において、画像認識部642は、画像に含まれる1又は複数の果実14のそれぞれを認識する。画像認識部642は、例えば、顔認識処理などで用いられる任意の画像認識技術を利用して、画像に含まれる1又は複数の果実14のそれぞれを認識する。画像認識部642は、画像に含まれる1又は複数の果実14の中から、作業対象決定部636が作業対象として決定した果実14を認識してよい。画像認識部642は、画像認識部410と同様の手順により、果実14を認識したり、果実14のIDを決定したりしてよい。
【0113】
本実施形態において、支援情報生成部644は、作業者又は作業機械130の作業を支援するための情報を生成する。支援情報生成部644は、生成された情報を、作業者端末120又は作業機械130に送信してよい。一実施形態において、支援情報生成部644は、作業対象に関する情報を、作業者端末120の表示装置に表示させるための命令を生成する。上記の命令は、拡張現実技術を利用して、作業対象に関する情報を、実空間の像及び画像の少なくとも一方に重畳させて表示させるための命令であってもよい。
【0114】
他の実施形態において、支援情報生成部644は、まず、生育情報格納部242を参照して、作業対象決定部636が作業対象として決定した複数の果実14の位置情報を取得する。支援情報生成部644は、次に、複数の果実14の位置に基づいて、作業者又は作業機械130のルートを決定する。支援情報生成部644は、上記のルートを示す情報を、作業者端末120の表示装置に表示させるための命令を生成してもよい。上記の命令は、拡張現実技術を利用して、上記のルートを示す情報を、実空間の像及び画像の少なくとも一方に重畳させて表示させるための命令であってもよい。
【0115】
さらに他の実施形態において、支援情報生成部644は、作業者又は作業機械130が、作業対象となっていない果実14を収穫しようとしたら、作業者又は作業機械に対して警告を通知してもよい。例えば、まず、画像認識部642が、作業現場の画像データを解析して、作業者又は作業機械130が作業対象以外の果実14を株12から分離する可能性が高いか否かを判断する。画像認識部642が上記の可能性が高いと判断した場合、支援情報生成部644が、作業者又は作業機械130に対する警告を生成する。支援情報生成部644は、上記の警告を、作業者端末120又は作業機械130に出力する。例えば、支援情報生成部644は、上記の警告を、作業者端末120又は作業機械130に送信する。
【0116】
本実施形態において、属性調整部646は、作業者又は需要者からの入力に基づいて、作業者又は需要者の属性を調整する。例えば、属性調整部646は、任意の入力装置を介して、特定の果実14を試食した需要者から、当該果実の味に対する評価を示す情報を取得する。属性調整部646は、上記の評価結果に基づいて、味覚に関する嗜好に関して、農作業支援システム100側の基準と、需要者の基準とのズレを微調整する。属性調整部646は、属性を調整した場合、作業対象決定部636に、属性が調整されたことを示す情報を送信してよい。作業対象決定部636は、属性が調整されたことを示す情報を受信すると、作業対象の決定処理を再度実行してよい。これにより、需要者の満足度が向上する。
【0117】
図7は、画面700の一例を概略的に示す。本実施形態において、画面700は、1以上の果実14のそれぞれに関する情報を示すアイコン710と、収穫作業の対象となる果実14を示すアイコン722と、間引き作業の対象となる果実14を示すアイコン724と、作業の順番を示すアイコン730と、作業ルートを示すアイコン740とを含む。本実施形態において、株12及び果実14の像は、実空間の像であってもよく、画像であってもよい。つまり、画面700は、株12及び果実14の実空間の像に重畳させるための画面であってもよく、画面700は、株12及び果実14の画像を含む画面であってもよい。
【0118】
本実施形態において、株12の近傍には、株12又はサブエリア20を特定するためのタグ702が配されている。タグ702には、基準位置を示す情報が付されていてもよい。タグ702には、基準位置を示す情報が埋め込まれていてもよい。タグ702には、基準位置を示す情報が記憶されていてもよい。基準位置を示す情報は、符号化又は暗号化されていてもよい。タグ702は、株12又はサブエリア20のIDが付されていてもよく、株12又はサブエリア20のIDが埋め込まれていてもよい。株12又はサブエリア20のIDは、符号化又は暗号化されていてもよい。
【0119】
本実施形態において、株12には、株12を特定するためのタグ704が配されている。タグ704には、基準位置を示す情報が付されていてもよい。タグ704には、基準位置を示す情報が埋め込まれていてもよい。タグ704には、基準位置を示す情報が記憶されていてもよい。基準位置を示す情報は、符号化又は暗号化されていてもよい。タグ704は、株12のIDが付されていてもよく、株12のIDが埋め込まれていてもよい。株12のIDは、符号化又は暗号化されていてもよい。
【0120】
図8は、農作業支援システム100による支援の一例を概略的に示す。本実施形態において、果実14の近傍には、タグ802が配されている。タグ802には、果実14のIDが、RFIDとして埋め込まれている。本実施形態において、作業者は、作業者端末120と、ウェアラブルディスプレイ820と、ハサミ822及び手袋824とを装着して、作業を実施する。本実施形態において、ウェアラブルディスプレイ820は、画面700のような支援画面を表示する。ウェアラブルディスプレイ820は、支援画面を、実空間の像と重畳させて表示してもよい。本実施形態において、ハサミ822及び手袋824には、RFIDの受信機能と、近距離無線通信機能とを有する通信チップ826が配されている。ハサミ822及び手袋824は、作業用具の一例であってよい。
【0121】
本実施形態において、作業ロボット140が、指示ユニット146を用いて、作業対象となる果実14の位置を、作業者に指し示す。そして、作業者が果実14を収穫又は間引きするために、ハサミ822及び手袋824を果実14に近接させると、ハサミ822又は手袋824に配された通信チップ826が、タグ802に埋め込まれたIDを受信する。通信チップ826は、タグ802に埋め込まれていたIDを、作業者端末120又は管理サーバ110に送信する。作業者端末120又は管理サーバ110のコンピュータは、タグ802に埋め込まれていたIDと、作業対象となる果実14のIDとを比較して、タグ802に埋め込まれていたIDが、作業対象となる果実14のIDに含まれているか否かを判定する。
【0122】
タグ802に埋め込まれていたIDが、作業対象となる果実14のIDに含まれていた場合、作業者端末120又は管理サーバ110は、果実14が作業対象であることを作業者に通知してもよく、通知しなくてもよい。一方、タグ802に埋め込まれていたIDが、作業対象となる果実14のIDに含まれていなかった場合、作業者端末120又は管理サーバ110は、果実14が作業対象であることを作業者に通知する。これにより、農作業支援システム100は、作業を支援することができる。
【0123】
図9は、データテーブル900の一例を概略的に示す。データテーブル900は、生育情報格納部242に格納される生育情報の一例であってよい。データテーブル900は、データ構造の一例であってよい。本実施形態において、データテーブル900は、例えば、果実14を識別するための果実ID910と、果実14の種類920と、果実14の位置を示す位置特定情報930と、果実14の品質に関する品質情報940とを対応付けて格納する。位置特定情報930は、例えば、(i)基準位置932及び相対位置934を示す情報、及び、(ii)絶対位置936を示す情報の少なくとも一方を含む。基準位置932は、例えば、各果実が栽培されているサブエリアのIDと、各果実が生育している株のIDと、当該株の特徴点のIDとを含む。品質情報940は、例えば、(i)外観942に関する情報、及び、(ii)成分944に関する情報の少なくとも一方を含む。
【0124】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、技術的に矛盾しない範囲において、特定の実施形態について説明した事項を、他の実施形態に適用することができる。また、各構成要素は、名称が同一で、参照符号が異なる他の構成要素と同様の特徴を有してもよい。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0125】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。