(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1及び第2のフラップ部分は、それぞれ前記流体収容層の前記第1及び第2の側縁部の周りで少なくとも70°の角度で撓むように作動できる、請求項1に記載の医療用パッド。
それぞれ別個に取外し可能な複数の剥離ライナーであって、前記流体収容層で覆われた前記流体循環層の前記部分、及び前記流体循環層の前記第1及び第2のフラップ部分のそれぞれに対応する前記接着面の異なる部分に設けられた剥離ライナーを更に備える、請求項4に記載の医療用パッド。
前記複数の凹部の下面の合計面積が、前記流体収容層で覆われた前記流体循環層の前記第2面の合計面積の少なくとも30%を構成する、請求項9に記載の医療用パッド。
前記複数の凹部の前記下面の合計面積が、前記流体収容層で覆われた前記流体循環層の前記第2面の合計面積の少なくとも50%を構成する、請求項9に記載の医療用パッド。
前記流体循環層は、前記第2面に形成された複数の凹部を更に備え、循環していない前記第2熱交換用流体は前記凹部の少なくとも一部に収容され、前記複数の室は前記複数の凹部を越えて伸び、かつ前記複数の凹部と流体連通している、請求項13に記載の医療用パッド。
前記第1ポート及び第2ポートは前記流体循環層の前記第1のフラップ部分及び前記第2のフラップ部分のそれぞれに設けられている、請求項19に記載の医療用パッド。
前記第1熱交換用流体又は前記第2熱交換用流体の少なくとも一方が0.05W/cm℃(5.0W/mK)を超える熱伝導率を有する、請求項1に記載の医療用パッド。
第1熱交換用流体又は前記第2熱交換用流体の少なくとも一方が、液体、及び前記液体の熱伝導率を少なくとも100倍上回る熱伝導率を有する材料を含んでなる、請求項25に記載の医療用パッド。
前記第1及び第2のフラップ部分は循環される前記第1熱交換用流体に接触する面積の80%を超える合計面積を有するように形成される、請求項1に記載の医療用パッド。
前記流体収容層によって覆われる前記流体循環層の前記部分は、前記流体収容層によって覆われる前記流体循環層の前記部分の総面積の30%を超える面積が前記第2熱交換用流体と接触するように設けられる、請求項28に記載の医療用パッド。
前記流体循環層は前記第2面に形成された複数の凹部を有し、前記第2熱交換用流体は前記凹部の少なくとも一部に収容され、前記複数の凹部の底面は前記流体循環層の前記第1面に接し、前記複数の凹部の底面の合計面積は前記流体収容層によって覆われる前記流体循環層の前記第2面の合計面積の少なくとも30%を有する、請求項28に記載の医療用パッド。
前記第1のフラップ部分は間に設けられたスリットによって分離されている前記流体循環層の第1の対のフラップ部分のうちの1つであり、かつ前記流体収容層の前記第1側縁部を越えて伸び、及び前記第1側縁部の回りで枢動可能であり、
前記第2のフラップ部分は間に設けられたスリットによって分離されている前記流体循環層の第2の対のフラップ部分のうちの1つであり、かつ前記流体収容層の前記第2側縁部を越えて伸び、及び前記第2側縁部の回りで枢動可能である、請求項1に記載の医療用パッド。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態は、複数の層を備える医療用パッドを提供する。医療用パッドの第1層、即ち流体循環層は、それを通じて循環可能な第1熱交換用流体(例えば、相互接続したポンプ/熱交換器を介して循環する冷却流体)を収容するためのものである。流体循環層は、第1表面と第2表面との間に配備された少なくとも1つの流体経路又は流体チャネルを含む。医療用パッドは、その第1表面に患者が接触するように選択的に配置することができ、流体循環層の第1側面又は表面及び医療用パッドの第1側面又は表面を通じて、循環可能な第1熱交換用流体と患者との間の熱交換のために使用できる。医療用パッドの第2層、即ち流体収容層は、流体循環層の第1表面に相対する流体循環層の第2表面の全体より小さい部分の上に配備される。流体収容層は、第1表面と第2表面との間に第2熱交換用流体を封入する。第2表面上で流体収容層に覆われていない流体循環層の1つ以上の部分は、流体収容層の1つ以上の側縁部を越えて延在し、フラップ部分を画定する。この点に関し、医療用パッドは、流体循環層及び流体収容層を共に有する2層部分と、流体循環層を有する1つ以上のフラップ部分とを有する。
【0007】
ある構成では、1つ以上のフラップ部分は、流体収容層に覆われた流体循環層の部分の面積と少なくとも等しい面積又は総面積を有することができる。更なる構成では、フラップ部分は、医療用パッドの2層部分の面積より大きい面積を有することができる。更なる構成では、フラップ部分は、医療用パッドの2層部分の面積の120%、140%、160%、180%、200%、又はそれを上回る面積を有することができる。
【0008】
流体循環層の第1表面上に接着面を配備し、患者の皮膚に取り外し可能に接着接触するようにしてもよい。特定の実施形態では、接着面は流体循環層の横方向の範囲の少なくとも大部分に延在する。接着面の上に1つ以上の剥離ライナーを配備することができる。例えば、流体収容層に覆われた流体循環層の第2表面に相対する流体循環層の第1表面の上に1つの剥離ライナーを配備してもよい。同様に、流体収容層を越えて延在する流体循環層の各フラップ部分は、別の剥離ライナーを有することができる。
【0009】
医療用パッドは、医療用パッドの第1表面を通じて、第2熱交換用流体と患者との間の熱交換のために使用できる。いくつかのアプローチにおいて、第2熱交換用流体は0℃以下の凝固点を有する液体を含むことができる。即ち、当該アプローチにおいては、流体収容層に収容される第2熱交換用流体を、使用前に、例えば少なくとも半凍結状態まで冷却することができる。更に、当該アプローチでは、第2熱交換用流体はゲル状の液体を含むことができる。例えば、水/ポリマーマトリックスを含むゲル材料を利用することができる。いくつかの実施態様では、保形性ゲルを利用することができる。
【0010】
医療用パッドは、様々な実施形態において第1及び第2の熱交換用流体との様々なレベルの熱連通のために構成することができる。いくつかの実施形態では、例えば、患者と接触する医療用パッドの2層部分の30%超が(例えば、それに隣接して配置される)第1熱交換用流体と熱連通しており、特定の実施形態では、患者と接触する医療用パッドの2層部分の面積の約50%が(例えば、それに隣接して配置される)第1熱交換用流体と熱連通している。同様に、他の実施形態では、患者と接触する医療用パッドの2層部分の面積の30%超が(例えば、それに隣接して配置される)第2熱交換用流体と熱連通しており、特定の実施形態では、患者と接触する医療用パッドの2層部分の面積の約50%が(例えば、それに隣接して配置される)第2熱交換用流体と熱連通している。ある実施形態では、患者と接触する医療用パッドの2層部分の面積の約50%が(例えば、それに隣接して配置される)第1熱交換用流体と熱連通していると共に、患者と接触する医療用パッドの面積の約50%が(例えば、それに隣接して配置される)第2熱交換用流体と熱連通している。
【0011】
医療用パッドのフラップ部分は、医療用パッドの2層部分に対して第1熱交換用流体と様々なレベルの熱連通を有するように構成することができる。例えば、フラップ部分は、それらの面積の80%超が第1熱交換用流体と接触することができるのに対し、2層部分は、その面積の約50%が第1熱交換用流体と接触する。多数の他の組み合わせが実現可能であり、本発明の範囲内である。
【0012】
流体循環層は、一般的には少なくとも第1の複数の流体チャネルを含む。ある構成では、第1の複数の流体チャネルは隣接しており、第1の一致した構成を有する。一致した構成の複数のチャネルを提供することにより、例えば、流体収容層内のいずれの患者圧力閉塞(patient pressure occlusion)も局所化でき、流体の流れの分流を最小限に抑えることができるため、パッドと患者との接合面にわたって所望の温度勾配の維持を促すことができる。
【0013】
ある構成では、第1の複数の流体チャネルは、一致した蛇行構成を有することができる。更に、パッドは流体循環層内に第2の複数の隣接した流体チャネルを含むことができる
。当該第2の複数の流体チャネルは、第1の複数の流体チャネルの一致した蛇行構成とは異なる第2の一致した構成を有することができる。様々な対応する一致した構成を有する流体チャネルの少なくとも2つの異なる群を提供することにより、パッドを異なる複雑な構造の身体部分に合うように適応させる能力を高め、同時に信頼性が高く効率的な患者との熱交換も提供する。
【0014】
ある構成において、第1の複数の流体チャネルは医療用パッドの2層部分に配備され、第2の複数の流体チャネルは医療用パッドのフラップ部分に配備される。この構成と共に、医療用パッドは、第1及び第2の複数の流体チャネルの一方から流体を受容して当該流体を第1及び第2の複数の流体チャネルのもう一方に分配するための1つ以上の中間流体中継室を更に含むことができる。
【0015】
更なる構成において、医療用パッドは、2層部分と、2層部分に別個かつ枢動可能に相互接続された第1及び/又は第2フラップ部分とを含むことができる。ある構成では、各フラップ部分は、医療用パッドの側縁部を横切る旋回軸の周りで(例えば、約70°〜110°の角度で)枢動可能である。また、第1の複数の流体チャネルは、それぞれのチャネルが第1及び第2フラップ部分の一方に位置するU字状の部分を含むように配備されてもよい。当該分割及びチャネリングの特徴は、異なる複雑な構造を有する身体部分に本発明のパッドの形状適合配置を実現する能力を更に助ける。
【0016】
流体収容層は、複数の室を備えることができる。いくつかの当該実施形態では、複数の室はその中に第2熱交換用流体の対応する異なる部分をそれぞれ封入することができる。いくつかの実施形態では、複数の封入室のそれぞれの少なくとも一部は、流体循環層の対応する第1熱交換用流体収容部分(例えば、流体流路)と側方に隣接して(例えば、横並びに)配置することができる。
【0017】
複数の室のそれぞれは、流体循環層の第2表面から突き出ることができ、その間に刻み目が画定される。例えば、複数の室は、ある実施形態では、ワッフル状の構成を画定する。隣接する室の間に刻み目(例えば、横方向及び/又は縦方向に延びる刻み目)を設けると共に、柔軟な材料を利用して第1層及び第2層を画定することにより、当該刻み目を中心にある程度の枢動又はヒンジ状の動きを許容する。当該特徴は、患者との治療的な接触を促し、第2熱交換用流体が固体又は半固体状態(例えば、氷)である場合に特に有利である。
【0018】
第1熱交換用流体の循環のために設けられる個別のポンプ/熱交換器に選択的に相互接続するために、ポートを流体循環層に流体相互接続することができる。その場合、第1ポートは、流体循環層に流入する第1熱交換用流体を循環させるために流体循環層に流体相互接続され、第2ポートは、流体循環層から流出する第1熱交換用流体を循環させるために流体循環層に流体相互接続される。
【0019】
更なる構成では、医療用パッドに1つ以上の追加の層を加えることができる。ある構成では、流体収容層の上面の少なくとも一部の上に上面層又は断熱層を配備することができる。更なる構成では、上面層は、非平面の表面に適用する場合(例えば、隣接する室が枢動又はヒンジ状の動きをする場合)、医療用パッドを展開又は収縮させる複数の波形を更に含むことができる。例えば、上面層は、アコーディオン状に展開又は収縮してもよい。更に別の構成では、上面層は、その横方向の範囲にわたって1方向以上に延在する1つ以上のくぼみを含むことができる。これらのくぼみは、上面層の上面の下に延在し、及び/又は下にある流体収容層の隣接する室の間の刻み目内に配備されてもよい。
【0020】
本発明の実施形態は、熱交換用流体の様々な熱特性を備えることもできる。例えば、第
1熱交換用流体又は第2熱交換用流体のうちの少なくとも一方は、様々な実施形態において、0.05W/cm℃(5.0W/mK)を超える、0.1W/cm℃(10.0W/mK)を超える、0.5W/cm℃(50.0W/mK)を超える、1W/cm℃(100.0W/mK)を超える、又は2.5W/cm℃(250W/mK)を超える熱伝導率を有することができる。第1熱交換用流体又は第2熱交換用流体のうちの少なくとも一方は、様々な実施形態において、液体の熱伝導率を少なくとも10倍、50倍、100倍、500倍、又は1000倍上回る熱伝導率を有する材料を含有する液体を含むことができる。
【0021】
本発明の実施形態は、患者を接触冷却する方法及び接触冷却するための医療用パッドを提供する方法も含む。前者の態様において、医療用パッドは、流体循環層及び流体収容層を有する少なくとも医療用パッドの2層部分が患者に接触するように患者に配置することができる。熱エネルギーは、医療用パッドの流体収容層と患者との間で第1伝達工程の一部として伝達される。流体収容層は、例えば5℃以下の温度まで冷却される第1熱交換用流体(例えば、凍結水)を封入することができる。熱エネルギーは、医療用パッドの循環層を通じて第2熱交換用流体を循環させることによって、医療用パッドの循環層と患者との間で第2伝達工程の一部としても伝達される。更に、第2伝達工程は、医療用パッドの2層部分及び医療用パッドの1つ以上の単層部分を通じた第2熱交換用流体の循環を含むことができる。
【0022】
第1伝達工程は、患者と接触する医療用パッドの2層部分の面積の30%超で行われてもよく、ある場合には、患者と接触する医療用パッドの面積の約50%で行われる。同様に、第2伝達工程は、患者と接触する医療用パッドの2層部分の面積の30%超で行われてもよく、ある場合には、面積の約50%で行われる。更に、第2伝達工程は、医療用パッドの1つ以上の単層部分で行われてもよい。
【0023】
第1及び第2の伝達工程は、少なくとも部分的にずらすことができる。例えば、第1伝達工程は第1の場所で開始することができ、第2伝達工程は第1の場所とは異なる第2の場所で開始することができる。この場合、患者を、救急車の中など、第1伝達工程の開始と第2伝達工程の開始との間に、第1の場所から第2の場所へ移動させることができる。いくつかの実施形態では、第1伝達工程の少なくとも一部は、移動工程中に完了する。
【0024】
方法は、配置工程、第1伝達工程、及び第2伝達工程のそれぞれの前に医療用パッドを冷却する工程を含むこともできる。その場合、第1熱交換用流体は、少なくとも5℃未満の温度までそのように冷却することによって冷却することができる。いくつかのアプローチでは、患者にパッドを配置する前に、第1熱交換用流体を凍結又は半凍結状態まで冷却することができる。
【0025】
いくつかの実施形態において、医療用パッドは、医療用パッドを患者の身体部分の皮膚に接着させることによって患者に配置することができる。当該実施形態では、医療用パッドの接着面から1つ以上のライナーを取り除くことができ、医療用パッドの接着面を患者の身体部分の皮膚に接触させることができる。接着面は循環層の横方向の範囲の少なくとも大部分に延在してもよく、接着面の所望の部分を露出するように1つ以上のライナーを取り除くことができる。したがって、接着工程は、医療用パッドの2層部分を第1の患者位置に接着する工程と、医療用パッドの1つ以上の単層部分を更なる患者位置に接着する工程とを伴うことができる。当該接着工程は、同時に又は時間的に異なる時に行われてもよい。第1伝達工程中及び第2伝達工程中に、例えば医療用パッドを患者に対して動かすか又はその他の方法で再配置しなくても、接着面に熱交換を生じさせることができる。
【0026】
いくつかの実施形態において、第2伝達工程は、医療用パッドを流体制御システムに流
体相互接続する工程を含む。当該実施形態では、第2熱交換用流体を医療用パッドの循環層及び流体制御システムを通じて循環させることができる。
本発明の性質及び利点の更なる理解は、明細書の残りの部分及び図面を参照することにより実現することができ、同様なコンポーネントを指すためにいくつかの図面を通して同じ参照番号を使用する。ある場合には、複数の同様なコンポーネントのうちの1つを表すために、参照番号の後にハイフンに続けて添え字を添える。存在する添え字を明記せずに参照番号に言及する場合は、当該複数の同様なコンポーネント全部に言及するためのものである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の実施形態は、患者を接触冷却する医療用パッド及び方法を提供する。医療用パッドは複数の層を含み、そのうちの少なくとも1つは層を通じて能動的に循環できる循環可能な熱交換用流体を収容するための循環層であり、そのうちの少なくとも1つは収容さ
れる熱交換用流体を封入する収容層である。1枚の医療用パッドにおける能動的な循環層と受動的な収容層との組み合わせは、冷却療法が有効である状態の治療に多くの利益をもたらす。能動的な循環層を含む医療用パッドは有効な冷却を提供できるが、患者と最初に接する場所で流体制御システムの準備ができていないと、冷却療法で緩和されるかもしれない生物学的損傷を防止する上で極めて重要なことがある時間を失う恐れがある。予冷した流体収容層を備えた医療用パッドを提供することにより、患者と最初に接する場所で当該パッドを患者に当てることができる。これにより、患者はその治療の初期に有益な冷却を受けることができる。更に、当該医療用パッドは、流体制御システムが能動的な冷却に利用できれば(例えば、患者が医療施設に搬送されれば)環境が整う。冷却療法の適用時期は、療法の効果を得る上で重要な場合があり、本明細書に記載の組み合わせは、患者に生じる回復不能な生物学的損傷のレベルに決定的な差をつけることができ、場合によっては回復不能な損傷を完全に防止することさえある。更に、予冷した医療用パッドを当てることは、多くの理由で氷などの冷たい物質を当てるより効果的である。例えば、医療用パッドの受動的な熱交換用流体は、より効果的な熱交換特性を有することによって、より熱交換に適した物質とすることができる。接着剤を含む医療用パッドも、冷却療法を施すために患者における一定の位置を維持する時の助けとなる。更に、流体収容層に収容される熱交換用流体は、下にある表面(例えば、患者表面)の形状に適合して、この下にある表面の被覆及び冷却を維持することができる。つまり、収容層は、流体収容区画及び/又は保形性熱交換用流体(例えば、ゲル)の使用によって、熱交換用流体の流れを制限又は防止して高さを下げることができる。
【0029】
本発明の実施形態による医療用パッドのある構造の全体像を
図1A及び1Bに提供し、医療用パッド100の一部の三次元図を示す。循環層116は、熱エネルギーを吸収及び/又は放出できる循環可能な熱交換用流体を収容するための流体収容層を備える。循環層116は、患者との熱交換を促すための形状適合性熱伝導層も備えることができる。循環層116の上面の一部の上に配備されているのが流体収容層104である。具体的には、流体収容層104は、循環層116の皮膚接触側、即ち下面に相対する循環層116の側面、即ち上面に相互接続することができる。流体収容層104は、いくつかの実施形態では個々に若しくは全体的に封入することができる、又は他の実施形態ではグループにして封入することができる、複数の室108を含むことができる。室108のそれぞれは、循環層110の第2側面から突き出る柔軟な部材によって画定することができ、図面に示すようにその間に刻み目を有することができる。このように室108が略方形の構成で設けられ、それぞれが実質的に同じサイズ及び形状を有する特定の実施形態において、収容層104はこのようにワッフル状の構成を有することができるが、これは本発明の必須条件ではない。他の実施形態では、室108のサイズは異なってもよく、室108は方形以外の構成で、特に身体の特定の部位への施用又は特殊な施用に適するように編成することができる。流体収容層と共に循環層を利用する代表的な医療用冷却パッドは、本願と同一譲受人に譲渡された米国特許出願第13/230,663号及び同第13/662,0256号に例示及び説明されており、その開示内容全体はあらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0030】
図示するように、流体収容層104は、流体循環層116の上側又は上面の全体より小さい部分の上に配備される。この点に関し、流体循環層116の第1部分142は、流体収容層104の下面又は底面に接触して取り付けられており、医療用パッドの2層部分を画定する。流体循環層116の残りの部分140a、140bは流体収容層に覆われていない。この点に関し、これらの残りの単層部分、即ち「フラップ」は、流体収容層104の側縁部を越えて延在する。本実施形態では、第1及び第2フラップ部分140a及び140bは、流体収容層104の第1及び第2側縁部144a、144bを越えて延在する。ただし、より多い又は少ないフラップ部分を利用できることが理解されよう。更に、側縁部という用語は、流体収容層の直線状の縁部に限定されず、むしろ流体収容層104の
いずれの末端縁部も意味する。
【0031】
第1熱交換用流体は、一般に循環層116を通じて循環するために使用され、第2熱交換用流体は、一般に収容層104に収容するために使用される。以下詳細に説明するように、第1及び第2熱交換用流体は、ときに同じ流体であってもよいが、これは本発明の必須条件ではなく、別の実施形態においては循環層と収容層とで別々の熱交換用流体を使用することができる。流体収容層104に配備される第2熱交換用流体は、医療用パッドが患者表面に当てられると、流体循環層116の皮膚接触側を通じて熱を伝達する。つまり、第2熱交換用流体は流体循環層116を通じて熱を伝達する。流体循環層104を通じた熱伝達を向上させるために、流体循環層は、以下詳細に説明するように、流体収容層104の第2熱交換用流体のかなりの部分を流体循環層の皮膚接触側に直接接触させる相互嵌合構造を利用する。いくつかの実施形態では、第2熱交換用流体は、ゲル材料、例えば保形性ゲル材料の液体を含むことができる。
【0032】
パッド100を患者の皮膚に接着するために、流体循環層116の皮膚接触側に接着面120(
図1A参照)を配備することができる。接着面120の上に1つ以上の取り外し可能なライナー124a〜cを設けて、パッド100が使用されていない時に接着面120を汚染から保護することができる。パッド100を使用している時、取り外し可能なライナー124a〜cは選択的に取り外すことができる。
【0033】
あるアプローチにおいて、接着面120は、多数の下向き接着ストリップ(例えば、周縁ストリップ、及び/又は医療用パッドの横方向の範囲に延在するストリップ)として設けることができ、それぞれその上に配備される選択的に取り外し可能な剥離ライナー124a〜cを有する。接着ストリップは、ゴム系感圧接着剤でパッド100に固定される低刺激性感圧アクリル系接着剤付きのポリオレフィン又はポリウレタンフィルムを備えることができる。
【0034】
別のアプローチにおいて、接着面120は、形状適合性熱伝導層に設けることができる。形状適合性熱伝導層は、ポリマーなどの第2材料によって画定されるマトリックスに懸濁される液体(例えば、水)などの第1材料を含むことができる。この点に関し、液体は第1材料及び第2材料の総重量の約30〜95重量パーセントをなすことが好ましい。接着面及び熱伝達層は、個別に別々の材料から構成することもできる。代わりに、熱伝導層は、接着面を一体的に提供するように十分な接着性を有するヒドロゲル材料から構成することもできる。当該アプローチでは、接着面120は、医療用パッド100の皮膚接触側の全体又は少なくとも大部分に延在することができ、1つ以上の選択的に取り外し可能な剥離ライナー124a〜cによって被覆されることができる。
【0035】
流体収容層104で上部を覆われていないフラップ部分を含む医療用パッドの任意の実施形態は、医療用パッド100に更なる利益をもたらす。例えば、上部に流体収容層がないフラップ部分140a、140bを使用することにより、医療用パッド100を流体制御システムに接続した時に、患者組織の更なる面積を能動的に冷却するために更なる流体循環層の表面積を提供することができる。ある構成において、フラップ部分は、流体収容層に覆われた流体循環層116の2層部分142の面積と少なくとも等しい面積又は総面積を有する。更なる構成では、この面積又は総面積は、流体収容層に覆われた流体循環層116の2層部分142の面積の120%超、140%超、140%超、160%超、180%超、又は200%超である。
【0036】
流体収容層104で上部を覆われていない1つ以上のフラップ部分を含む医療用パッドの別の利益は、流体制御システムに接続する前に、流体収容層104の上にフラップ部分140a、140bを折り畳めることである(
図1B参照)。これにより、患者と最初に
接する場所に医療用パッド100をより簡単に移送することができる。例えば、患者の場所へ移送する間、予冷した医療用パッドを折り畳んで冷却器に入れておくことができる。このような時に、流体循環層116に流体制御システムを接続できる病院などへ戻る前にパッド100を患者に当てることができる。ただし、このような移送前及び移送中にも、当該患者は受動的な流体収容層104がもたらす冷却の利益を受けることができる。
【0037】
図1Bに示すように、フラップ部分140a、140bの柔軟性により、移送中の医療用パッドのサイズを小さくすることができる。更に、中心部分142に対するフラップ部分140a、140bの当該柔軟性は、医療用パッドの患者への接着を高めることができる。図示するように、フラップ部分は、医療用パッドの中心部分、即ち2層部分142に対して、本実施形態では流体収容層104の側縁部144a、144bに概ね一致する旋回軸の周りで枢動するように動作する。この点に関し、これらの旋回軸により、フラップは、上部に流体収容層104を含む医療用パッドの部分142の下面によって画定される平面の上下に約70°〜110°屈曲できることに留意する。このフラップ部分の柔軟性により、医療用パッドを複雑な患者表面に当てることができる。
【0038】
使用する際、流体収容層104内の第2熱交換用流体は、一般的には予冷され、場合によっては凍結されることが理解されよう。流体収容層104の個々の室108の間の刻み目は、下にある患者表面に医療用パッドを当てる際にいくらかの柔軟性を提供するが、第2熱交換用流体が凍結又はほぼ凍結していると、第1部分142は非平面の患者表面に適合する能力が限定される。当該構成では、医療用パッドの第1部分142の底面にある接着ストリップ又は接着面120は、下にある患者表面との接着が限定されることがあり、それによって患者への接着が限定される。対照的に、上部に流体収容層104がないフラップ部分140a及び140bは、より高い柔軟性を残したままであり、医療用パッドの第1部分に対して枢動することができる。この点に関し、フラップ部分は、下にある患者表面に容易に適合することができる。更に、2層部分142に対して屈曲するフラップ部分の能力により、表面積が小さい及び/又は湾曲度が高い身体部分に医療用パッドをより容易に取り付けることができる。例として、フラップ部分が大腿部の側部の周囲に延びている間、医療用パッドの2層部分142を患者の大腿部の前面に当てることができる。この状況では、フラップ部分140a、140bを利用して医療用パッドを下にある表面によりよく固定することができる。つまり、下にある患者表面と医療用パッドの2層部分142との形状適合接触が限定されていても、及び/又は下にある患者表面が高い湾曲度を有する場合でも(例えば、患者の脚、腕、又は胴の周囲)、フラップ部分140a、140bを利用して医療用パッドを適所に固定することができる。
【0039】
図2A及び2Bは、例示的な一実施形態の循環層116の構造の詳細を、説明のために流体収容層を取り除いた上面図と、側面図とでそれぞれ示す。循環層116は、循環層及び収容層の熱交換用流体との所望のレベルでの熱連通を達成するように構成される複数のディンプル204を有するディンプル配列を備える。循環層116の中には、ディンプル204間の循環層116の構造によって形成されるチャネル212によって流体経路が設けられる。これが、第1熱交換用流体を、ディンプルの周囲の蛇行した、又は曲がりくねった通路に流す。複数の蛇行経路が利用できることで、有利なことに、第1熱交換用流体を広い範囲にわたって循環層116を通じて流すことができ、患者の皮膚との熱交換を高めて、冷却効果を高める。考えられる、ある経路の一部の例を太線210で示す。
【0040】
図2Bの断面図は、ある特定の実施形態においてディンプル配列の構造がいかにチャネル212を画定するか、及び第1及び第2の両熱交換用流体との熱交換がどのように達成されるかをより具体的に示している。具体的には、構造214(例えば、ポリマー系材料を含む)は、構造214(例えば、流体循環層の上面)とシート状の層215(例えば、流体循環層の下面)との間に密封可能に設けられるチャネル212でディンプル配列を画
定することができる。一般的には、構造214は、不透過性材料(例えば、ポリマー系材料)のシート層から形成される。ディンプル204を形成する複数の凹部222及び対応する凸部220が構造214に形成されている。本実施形態では、凹部222は構造214の上面に形成されており、それによって対応する凸部220を構造214の下面に画定する。したがって、シート状の層215が構造214の下面を覆って配備される場合、シート状の層215の上面は凸部220に並置される。このように、凸部220とシート状の層215との間の空間がチャネル212及び循環層116を画定する。熱交換は、チャネル212(例えば、凸部220とシート状の層215との間の空間)によって画定される場所で第1熱交換用流体と患者の皮膚との間で起こり、その場所に第1熱交換用流体が隣接して配備され、それによって医療用パッドが当てられた時に患者の皮膚と直接又はほぼ直接熱連通する。
【0041】
第2熱交換用流体と患者の皮膚との間の熱交換はチャネル212間で起こることができ、その場所で循環層116の構造214により第2熱交換用流体がディンプル204の凹部222に充填される。つまり、第2熱交換用流体は、流体収容層104に覆われた流体循環層の部分142にわたって凹部222に充満する。図示する実施形態では、収容層104を構成する個々の封入室218は、1つ以上のディンプル216の上に画定され、患者の皮膚と収容層104内の第2熱交換用流体との隣接した配置及び直接又はほぼ直接の熱連通を提供することができる。構造214と同様に、収容層104は、所望の形状に成形ないしは別の方法で形成された不透過性材料(例えば、ポリマー系材料)のシート層(例えば、上部シート層)から形成され、構造214の上面の上に配備され、収容層の個々の室218を画定する。様々な実施形態において、上部の室218は、複数のディンプル204の上にそれぞれ延在し、第2熱交換用流体を収容する個々の室を画定するようなサイズとすることができる。更なる構成では、室218を画定する収容層の部分によって覆われていない構造214の部分は、断熱層112に覆われていてもよい。この断熱層112は、患者に当てた時の医療用パッドのフラップ部分の上面を通じた熱交換を低減することができる。断熱層112は、不透過性材料のシート層から形成されることができ、個別に形成されてもよく、又は収容層の一部として形成されてもよい。後者に関して、断熱層112と下にある構造214との間の空間は、第2熱交換用流体を含まないことが理解されよう。
【0042】
図示する構造を用いると、循環層116の皮膚接触側の約50%が循環層に隣接して設けられ、それにより循環層と直接又はほぼ直接熱連通し、また循環層116の皮膚接触側の約50%が収容層104に隣接して設けられ、それにより収容層104と直接又はほぼ直接熱連通する。つまり、凹部222の下面の合計面積は、シート状の層215の50%と接触することができる。したがって、シート状の層215の50%は、循環層116を通過する第1熱交換用流体と熱接触することができる。同様に、流体収容層104に覆われた流体循環層116の部分142のシート状の層215の50%は、収容層104内に収容された第2熱交換用流体と熱接触することができる。他の実施形態では、異なる層の間で及び/又は層の異なる部分について異なる相対レベルの熱連通を達成するために、構造を変えることができる。例えば、様々な実施形態において、循環層116の皮膚接触側の20%超、30%超、40%超、50%超、60%超、70%超、又は80%超が、第1熱交換用流体と直接又はほぼ直接熱連通するように設けられる。他の実施形態では、流体収容層104に覆われた循環層116の部分142の皮膚接触側の20%超、30%超、40%超、50%超、60%超、70%超、又は80%超が、第2熱交換用流体と直接又はほぼ直接熱連通するように設けられる。
【0043】
図2A及び2Bに示す実施形態は一般に、流体収容層104に覆われた循環層116の部分142の皮膚接触側の約100%を熱交換用流体の一方又は他方と連通させているが、これも本発明の特別な必須条件ではないことに留意する。循環層116の皮膚接触側の
総面積は、時にはその面積の100%未満を熱交換層の1つと連通させることがある(例えば、フラップ部分140a、140bは、その面積の100%未満が流体循環層と接触することがある)。一定の状態を治療するにあたり、純粋に治療のために面積の100%を熱交換用流体と連通させることが有利となる可能性があるが、治療を施す身体の部位の多くの様々な形状により、当該施術のために医療用パッドの構造的な一体性を高めるため、身体の一定の領域に特化した循環経路を構成するため、又は当業者には明らかなものなど他の理由のために、面積の100%未満が熱連通する構成を有するのが好ましいこともある。特定の実施形態では、循環層116の皮膚接触側の面積の50%超、60%超、70%超、80%超、又は90%超が第1及び第2の熱交換用流体の一方又は両方と熱連通される。異なる熱交換用流体との熱連通のレベルも、収容層の異なる構成を使用して望むように提供することができる。
【0044】
図1A〜2Bの実施形態では、収容層104内の流体は、循環層116と直接熱連通するように設けられるので、循環層の構造の上部にある凹部は第2熱交換用流体の一部を保持することができる。この実施形態は、収容層104の個々の室108を互いに流体連通もさせる。別の実施形態では、それぞれの室を個々に封入してもよく、又は室の別個の群の間で流体連通がもたらされるようにグループにして封入してもよい。当該実施形態は、医療用パッドの異なる位置で異なる熱特性が求められる特定の特殊な用途に好適なことがある。
【0045】
図2Cは、流体循環層116の下面の医療用パッド構成の一例を提供し、その患者に面する層は取り除かれている。当業者には理解されるように、医療用パッドを当てる身体の部位、治療する症状の性質、症状を治療する環境、つまり、病院、診療室、事故現場、又はその他の場所かどうかという要因に応じて、使用できる多くの構成がある。
【0046】
構成は、例えば前述したように、循環層のディンプル(図示せず)を設けることのできる領域158を含む。チャネル152は、リブ154、即ち隆起部によって画定することができる。流体は、循環層内のチャネル152へのアクセスを提供するためにマニホルド結合部位160a、160bに設けることのできる流体ポートを通じて循環層116を循環する。ポートの位置、構成、及び向きは、様々な利点を提供するために選択的に定めることができる。特に、ポートは、患者の体重でポート又は装着されるチューブ類が患者の皮膚に押し当てられて、皮膚に局所的な高圧領域が生じないように設けることができる。当該高圧領域を減らすことが、圧迫潰瘍を生じるリスクを減らす。また、チューブ類を何度も屈折させずに患者支持台(例えば、救急用担架)から出すことができるので、流体の流れを制限することになる、相互接続されたチューブ類のゆがみ又はよじれのリスクを減らす。
【0047】
リブ154は、第1熱交換用流体が循環層の入口ポートと出口ポートとの間の経路を直接流れること、例えば、部位160aから部位160bに直接進むことを防止する。代わりに、第1熱交換用流体は太線164で示すような経路に沿って流れる。この例示的な経路は模式的なものであり、より詳細なレベルでは、第1熱交換用流体が進む実際の経路は層のディンプル構造によって決まり、
図2A及び2Bに関連して上で説明したような蛇行経路であることに留意する。
【0048】
更なる実施形態では、流体循環層の異なる部分においてチャネルの構成を変えることが望ましいことがある。
図2Dは、流体循環層116の下面の医療用パッド構成の別の例を提供し、その患者に面する層は取り除かれている。説明のために循環層のディンプは示していない。
【0049】
この実施形態では、流体循環層116は、第1フラップ部分140a内の第1の隣接し
た流体チャネル対170、第2フラップ部分140b内の第2の隣接した流体チャネル対180、及び中心部分142内の第3の隣接した流体チャネル対190を画定するリブ部材154を含むことができ、全てのチャネルはパッド10の流体ポート160a、160bの間に延びている。理解されるように、流体は、ポート160aからポート160bへ、あるいはポート160bからポート160aへ循環することができる。
【0050】
図示する実施形態では、第1及び第2の隣接したチャネル対170、180は一致した蛇行構成からなる。より具体的には、第1及び第2の隣接したチャネル対170、180を構成するそれぞれのチャネルはS字状の構成からなる。更に、それぞれのチャネル対170、180の当該チャネルは、そのそれぞれの中心経路に沿って測定した時に平均長さの約25%以内などの、実質的に共通の長さであってもよく、またその平均幅の平均の約25%以内などの、実質的に共通の平均幅を有してもよい。
【0051】
第3のチャネル対190もミラー構成で配備される。図示するように、第3のチャネル対190を構成するそれぞれのチャネルは蛇行経路をたどる。更に、このチャネル対190は、そのそれぞれの中心経路に沿って測定した時に平均長さの約25%以内などの、実質的に共通の長さであってもよく、またその平均幅の平均の約25%以内などの、実質的に共通の平均幅を有してもよいことに留意すべきである。
【0052】
流体中継室184a、184bは流体ポート160a、160bにそれぞれ設けられる。当該中継室は、複数のチャネル170、180、及び190を通じて流体を分配し、流体の流れを標準化するのに役立つ。
【0053】
フラップ部分を収容する一方で患者との効果的な熱交換も提供するために、第1の複数のチャネル170及び第2の複数のチャネル180の構成及び相対幅を更に検討する必要がある。特に、第1及び第2の複数のチャネル170、180は、フラップ部分140a、140bに延びるU字状の部分をそれぞれ含む。結果として得られる医療用パッドでは、別個のフラップ部分の旋回軸は、チャネル170、180のU字状の部分の底部と、フラップ部分の外側縁部とに実質的に平行である。
【0054】
流体チャネルの特定の構成は、例えば、米国特許第6,648,905号に記載されるようにすることができ、その開示内容全体はあらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。例えば、循環層内の第1の複数のチャネルは、一致した蛇行構成からなることができる。より具体的には、第1の複数のチャネルを構成するそれぞれのチャネルは、概ねS字状の構成からなることができる。当該チャネルは、各チャネルがそのそれぞれの中心経路に沿って測定した時に平均長さの約15%以内の長さを有する実施形態などにおいて、実質的に共通の長さとすることができる。同様に、チャネルは、各チャネルが各チャネルの平均幅の平均の約25%以内の幅を有する実施形態などにおいて、実質的に共通の平均幅を有することもできる。第2の複数のチャネルも一致するように配備され、同様に、画定された時に実質的に共通の長さ及び幅を有することができる。構造は、様々な複数のチャネルを通じて流体を分配し、流体の流れを標準化するために、流体ポートに流体中継室を含むこともできる。
【0055】
医療用パッドの変型が可能であり、本発明の範囲内とみなされる。例えば、上部に流体収容層がない医療用パッドのそれぞれの部分を2つ以上の独立したサブフラップに分割できることが理解されよう。
図1Cに示すように、医療用パッドは、繰り返しになるが、流体循環層116の上に流体収容層104を有する2層部分142を含む。2層部分142のいずれかの側に配備されるのが、流体循環層116の上に流体収容層104のない第1及び第2フラップ部分である。この実施形態では、パッドは複数のフラップ部分140a、140b、140c、及び140dを含み、それぞれのフラップ対140a、140c
及び140b、140dは上部に流体収容層104を含むパッドの部分142の反対側に配備される。それぞれのフラップ対140a、140c及び140b、140dはスリット146によって切り離されており、それぞれの個々のフラップ140a、140b、140c、及び140dは患者の周囲で枢動可能に形状適合して配置される。つまり、これらのスリット146は、隣接するフラップの配置に関係なく、それぞれのフラップ部分の個別の操作を可能にする。更に、側部フラップ部分は、医療処置中に患者に個別に取り付けられてもよく、又は外されたままであってもよいことに留意すべきである。この点に関し、医療用パッドの第1部分142並びに各フラップ140a、140b、140c、及び140dは、その下部接着面を覆う別個の取り外し可能なライナー124a〜eを含むことができる。
【0056】
図3〜8Bは、医療用パッド300の更に詳細な実施形態をそれぞれ示す。
図3及び4Aに示すように、第1流体の熱交換を医療用パッド300を通じて循環させるために、流体循環ライン380a、380bを設けることができる。例えば、流体循環ライン380aの第1端に設けられているコネクタ382aは、医療用パッド300の流体循環層の第1フラップ306a内の流体入口ポート302aに流体相互接続可能にすることができ、流体循環ライン380bの第1端に設けられているコネクタ382bは、医療用パッド300の流体循環層の第2フラップ306b内の流体出口ポート302bに流体相互接続可能にすることができる。流体循環ライン380a、380bの第2端は、本明細書で後述する流体制御システムと選択的に相互接続し、切り離すために設けることができる。図示する実施形態では、流体制御システムと相互接続するために、第1及び第2の流体循環ライン380a、380bの第2端にコネクタデバイス384を設けることができる。あるアプローチでは、コネクタデバイス384は米国特許第6,827,728号に記載される種類とすることができる。
【0057】
ここで、
図3の分解図及び切断線A−A’に沿った
図3の部分断面図を詳細に示す、
図4A及び4Bを参照する。図示する実施形態では、医療用パッド300は、上面層320、収容層330、中間層340、境界層350、及び底面層360を含むことができる。図示するように、様々な層は、積層状、即ちラミネート状に配置することができる。使用する特定の解剖学的部位に合わせて設計される構成を含め、様々な追加構成が考えられる。
【0058】
中間層340及び境界層350は、その間に循環層(例えば、チャネル352、
図4B参照)を画定するために設けることができ、第1熱交換用流体は、流体循環ライン380a、380bを介して当該循環層に流入及び当該循環層から流出することができる。また、中間層340及び収容層330は、その間に、1つ以上の室332などに配備される第2熱交換用流体を収容するための流体収容層を画定するために設けることができる。
図4Bは、中間層340の下面に隣接して配備された上面を有するシート状の境界層350も示す。
【0059】
理解されるように、収容層に収容される第2熱交換用流体は、流体循環層の中心部分308を通る第1熱交換用流体の循環とは独立して、及び/又はそれと重複した関係で、患者を冷却するために供給することができる。また、第1熱交換用流体は、循環層の中心部分308に重なる収容層内に収容される第2熱交換用流体による患者の冷却とは独立して、及び/又はそれと共に、流体循環層のフラップ部分306a、306bを循環して患者を冷却することができる。
【0060】
あるアプローチでは、上面層320、収容層330、及び中間層340の隣接するもの同士を(例えば、当該層を構成する共重合体材料のRF溶接によって、上面層320及び収容層330の概ね周縁付近に延在する接合部又は継ぎ目370で)相互接続することが
できる。境界層350は、その上面側を中間層340の底面側に接続することができる。境界層350は、接着面又は接着層を画定することができる。あるアプローチでは、患者境界層350は、中間層340の底面側の横方向の範囲にわたって(例えば、医療用パッドの底面側の全部又は実質的に全部にわたって)配備されるヒドロゲル材料を含むことができる。例えば、AquaMed Technologies(Langhorne,Pennsylvania,U.S.A.)が市販するポリマー/水マトリックスを含むヒドロゲル材料を利用することができる。患者境界層350は、接触冷却(例えば、患者の皮膚との直接接着接触)のために所定の患者に医療用パッド300を当てる時に、境界層350の接着面から容易に取り外すことができる取り外し可能なライナー又は底面層360を更に含むことができる。接着面は、患者に定着させて配置しやすくするが、使用後には取り外しやすくするために、初期皮膚施用時に約8N/m〜31N/m(20g/インチ〜80g/インチ)の剥離値を示すことができる。
【0061】
図4A及び4Bに示すように、収容層330は、収容層の底面側から上に伸び、中間層340の上面側から上に突き出す複数の室332を備え、当該室332の間に刻み目334を有することができる。中間層340の上面側には、その横方向の範囲に延在する複数の凹部342、例えばディンプル配列を設けることができる。それに対応して、中間層の底面側には複数の凸部354が設けられてもよい。集合的に、中間層340の底面にある凸部354と境界層350の上面との間の空間は、循環層の流体流路352を画定する。あるアプローチでは、室332及び凹部342は、その間を流体連通するために相対して向かい合った関係に配備することができる。この点に関し、パッドの中心部分308の上にある収容層が収容する第2熱交換用流体の少なくとも一部は、収容層を画定する複数の凹部342及び複数の室332によって収容されることができる。
【0062】
あるアプローチでは、室332及び刻み目334は行列状に配列して、医療用パッド300と患者との形状適合接触のために刻み目334に沿って医療用パッドを屈曲しやすくすることができる。この点に関し、層320、330、340、及び350のそれぞれは、その横寸法及び/又は縦寸法に沿って、湾曲又は屈曲しやすいように柔軟な構造とすることができる。例として、層の各々はポリオレフィン材料(例えば、エチレン酢酸ビニル)などの共重合体材料を含むことができる。
【0063】
医療用パッド300の形状適合配置を一層行いやすくするため、及び/又は患者と循環層内を循環する第1熱交換用流体との熱伝達を高めるため、凹部342は千鳥状の行列に配列することができる。この点に関し、中間層340の上面側にある凹部342は、中間層340の底面側に対応する凸部を提供する。したがって、凸部周囲の蛇行流路は流体循環層内に画定することができる。
【0064】
上面層320は、上面層320と収容層330との間に断熱層、即ち空気層を画定するように設けることができる。この点に関し、当該断熱層は室332を囲んで、使用中、第2熱交換用流体と患者との間の熱交換を高めるようにすることができる。つまり、断熱上面層320は、収容層330内の室332の上面を断熱するように働く、閉じ込められた空気溜まりを提供する。断熱上面層の付加部分320aは、医療用パッドのフラップ部分306の上に延在することができる。また、上面層320の柔軟性を高めるために、上面層320の幅にわたって一連の波形336が延在してもよい。
図3及び4A参照。当該波形336により、医療用パッド300を非平面の表面に当てる時に、上面層が伸び縮みして、下にある室332の屈曲を助けることができる。
【0065】
図4Cに示す別の実施形態では、上面層320は、その横方向の範囲に延在する複数の刻み目又はくぼみ338を含む。図示するように、これらのくぼみは、上面層320の上面から測定した時に、
図4Aに示すような波形336に比べてかなり深い。それゆえに、
これらのくぼみ338は、上面層420の柔軟性をより高め、したがって医療用パッド300の下にある層の柔軟性をより高めることができる。このような深さの増したくぼみ338を設けるために、場合によっては上面層のくぼみを下にある流体収容層330の室332間の刻み目334の間に配置する必要がある。
【0066】
図示する実施形態では、上面層のくぼみ338は、アコーディオン状の構成で上面層の横方向の幅にわたって延在する。これらのくぼみにより、上面層は展開及び収縮することができる。ただし、上面層は、その横方向の幅にわたるくぼみの代わりに、及び/又はそれに加えて、その横方向の長さにわたるような他の構成でくぼみを採用できることが理解されよう。つまり、上面層のくぼみ338は、流体収容層の室332間の刻み目334と同様に、ワッフル状の構成を画定してもよい。当該構成により、上面層は2方向以上で展開及び/又は収縮することができる。また、上面層のくぼみ338の数及び/又は間隔は変更することができる。例えば、上面層のくぼみ338は、流体収容層の室の1行おきの間の刻み目に配備することができるが、室の各行、2行おきなどの間に配備してもよい。同様に、上面層のくぼみを室332の列の間に提供する場合、当該刻み目の数及び/又は間隔も変更することができる。また、くぼみの数及び/又は間隔は、医療用パッドの横方向の幅及び横方向の長さで独立して変更することができる。例えば、ほんの一例として、隣接する室の行の1群おきの間、かつ隣接する室の列の2群おきの間に、くぼみを配備することができる。
【0067】
上記の特徴に関して、ここで、層320、330、及び340の上面図を示す
図5A、5B、及び5C、並びに層340の底面図を示す
図5Dも参照する。上面層320は横方向のひだ又は波形を画定することができ、個々のひだ又は波形は収容層330の室332の列の間に配置可能なことがある。
【0068】
更に、上面層320は、(例えば、医療用パッド300の組立時に)収容層に第2熱交換用流体を流入させる際に選択的に使用するために、
図4Aに示すように、それを貫通する充填ポート304を受けるための1つ以上の開口部347を含むことができる。
【0069】
ここで
図5Bを参照すると、行列のマトリックスを画定する室332及び刻み目334を備える収容層330を示している。また、収容層330は、
図4Aに示すように、それを貫通する充填ポート304を受けるための1つ以上の開口部337を含むことができる。
【0070】
図5C及び5Dに示すように、中間層340はまた、それを貫通する入口ポート302a及び出口ポート302bを配置するための開口部845を含むことができる。
図5Cに関し、中間層340の上面側に凹部342が示されている。
図5Dに関し、当該凹部342は中間層340の底面側に下向き凸部354を画定する。更に、中間層340の底面側に下向きに突き出すリブ344が設けられている。これにより、凹部342で画定される凸部354の周囲で、リブ344の間に第1熱交換用流体が流れるために、蛇行流路を画定することができる。理解されるように、当該蛇行する流体の流れは、入口ポート302aと出口ポート302bとの間で生じることができる。
【0071】
図6A及び6B並びに
図7A及び7Bは、流体循環層と流体ポートとの相互接続をそれぞれ示す。
図6Aは、中間層340の底面側の側縁部の切欠き部分を示しており、そこを貫通する開口部345を示し、凸部354に対応する凸部と、中間層340の底面側に下向きに突き出しているリブ344を示す。図示するように、凸部354は切頭円錐状の構成である。
【0072】
図6Bは、入口ポート302aの拡大端305が中間層340の底面側に配備された、
図6Aに示す切欠き部分を示している。図示するように、拡大端305は、円板部分305aと、アパーチャ305bと、アパーチャ305bを中心に円板部分305aから突き出している立上り部材305cとを含む。入口ポート302aは十分に硬質の構造とすることができるので(例えば、一体的な成形プラスチック材料を含む)、立上り部材305cはアパーチャ305bでの流体の流れに望ましい層間間隔を維持する。
【0073】
図7A及び7Bでは、入口ポート302aはコネクタ382aに相互接続されて示されている。図示するように、拡大端305に加えて、入口ポート302aはアパーチャ305bと流体連通している管状部分307を備える。理解されるように、管状部分307は、中間層340の開口部345に嵌り込むようなサイズにすることができる。また、管状部分307は、コネクタ382aと選択的に相互接続するように構成することができる。
【0074】
例えば、
図7Bに示すように、管状部分307は、一方向にスナップフィットして相互接続するために、コネクタ382aと合わせて構成することができる。そのために、管状部分307の上端は、コネクタ382aで管状ポート385を受けるようなサイズにすることができる。また、管状部分には、内側に張り出したリップ307aを設けることができる。このように、第1管状ポート385は、入口ポート302aの管状部分307のリップ307aをスナップフィットして受けるために、テーパ状端部分385a及び隣接するくぼみを有することができる。
図7A及び7Bに詳細に示すように、コネクタ382aは、エルボ386で隣接する第1及び第2の管状ポート385及び387を含むL字形構成とすることができ、それによって薄型の相互接続フットプリントとなる。管状部分387は、流体循環ライン380aを構成するチューブ類と保持力のある流体式相互接続をするために、かかり付きにすることができる。理解されるように、出口ポート302b及びコネクタ382bは、それぞれ上で説明した入口ポート302a及びコネクタ882aと同様に構成することができる。
【0075】
ここで、コネクタ382aに相互接続されている入口ポート302aを備える医療用パッド300の断面図を示す
図8Aを参照する。流体循環ライン380aは説明をしやすくするために図示していない。
図8Aに示すように、入口ポート302aの拡大端305を流体境界層350と中間層340との間に配置し、第1熱交換用流体を境界層350及び中間層340で画定される循環層に流入させ、及び当該循環層から流出させる。上述したように、立上り部材305bは、流体を流体循環層に流入させ、及び当該循環層から流出させやすくするために最低限の所望の間隔を維持する。
【0076】
図8Bに詳細に示すように、充填ポート304は、収容層330の底面側と中間層340の上面側との間に配備される拡大端309を備えることができる。拡大端309は、円板部分309aと、アパーチャ309bと、アパーチャ309bを中心に円板部分309aから突き出している立上り部材309cとを含むことができる。立上り部材309cは、流体を収容層に流入しやすくするために最低限の所望の間隔を維持する。充填ポート304は、収容層の充填中に、第2熱交換用流体の供給源と選択的に流体相互接続し、切り離すための管状部分を更に含む。収容層の充填後、管状部分を閉鎖するために栓313を設けることができる。
【0077】
理解されるように、医療用パッド300は、容易に組み立てて使用の準備をすることができる。例えば、境界層350には流体境界層の底面接着面に取り外し可能に装着される取り外し可能層360を設けることができる。そうして、境界層350の上面側を中間層340の底面側に相互接続し、ポート302a及び302bの拡大端305をその間に配置し、管状部分307を開口部345を通して配置することができる。当該相互接続は、上面層320、収容層330、及び中間層340を相互接続した後、又は相互接続する前に行うことができる。理解されるように、充填ポート304の拡大端309は、当該相互
接続前に、管状部分を開口部347及び337を通して配置して、中間層340と収容層との間に配備することができる。
【0078】
企図される構成において、流体収容層を第2熱交換用流体で充填した後、医療用パッド300を冷却することができる。例として、いくつかの実施形態では、医療用パッドは単に冷凍庫に置くだけで、医療用パッド300を使用する準備をすることができる。
【0079】
使用時、底面層360は、流体境界層350の底面側の全部又は一部(例えば、制御部分308)の接着面から取り除くことができ、医療用パッド300の接着面を患者に接触させて患者の冷却を開始することができる。理解されるように、当該患者の冷却は、第2熱交換用流体と患者との間に熱交換をもたらす。当該熱交換は、例えば患者の搬送中に行うことができる。
【0080】
また、医療用パッド300を通じて循環する第1熱交換用流体と患者との間の熱交換による患者の冷却が望まれる場合、流体循環ライン380a、380bのコネクタ382a、382bをポート302a、302bに相互接続し、コネクタ384を流体循環制御システムに相互接続し、第1熱交換用流体を医療用パッド300の循環層を通じて循環させて、第2熱交換用流体による患者の冷却と連携して、又はそれとは独立して(例えば、第2熱交換用流体が温まっている間とその後)、患者の冷却を達成することができる。また、循環層による循環と共に、当該フラップ部分が事前に接着されていない場合は、一方又は全部のフラップ部分306を患者に接着することができる。
【0081】
本発明の様々な実施形態において、第1及び第2の熱交換用流体の両方について、気体及び水などの液体を含め、多数の様々な熱交換用流体を使用することができる。当業者には理解されるように、パッド100又は300の熱交換特性は、使用される熱交換用流体の熱特性に依存する場合がある。特に、いくつかの実施形態では、固体、液体、又は気体の形状である可能性がある不純物を含む熱交換用流体を利用して、パッドの熱交換用特性を調整する。
【0082】
表Iは、様々な実施形態で使用できる、ある例示的な材料の熱特性及び密度と、パッド100との熱的相互作用が可能な生体組織の熱特性及び密度とを示す。
【0084】
表に記すように、水と金属又は表に記載するものなどの他の材料との組み合わせは、熱伝導率を高めることができる。水に、例えば10体積%のアルミニウム又はグラファイトを加えると、その熱伝導率は約20倍高まる。このように物質を混合することにより、水
の流体特性を有利に利用しながら、同時に熱伝導率を高めることができる。アルミニウム及びグラファイトは同様な熱伝導率を有するが、いくつかの実施形態では、グラファイトの比熱容量はアルミニウムの使用よりも追加的な利点を提供する。
【0085】
一実施形態において、第1熱交換用流体は、循環層を通じて循環するために、水などの液体を含むことができる。また、第2熱交換用流体は、ゲル材料の液体を含むことができる。あるアプローチにおいて、収容層に流入でき、収容層内で保形状態を呈するように硬化可能であるセルロースゲル材料を利用することができる。例えば、酢酸アルミニウムを含むカルボキシメチルセルロース(CMC)ゲルを利用して、CMCを架橋して、保形性ゲルを形成することができる。
【0086】
図9は、循環層116を通じてどのように循環を達成できるかを示す模式図を提供する。以下の説明は、
図1〜2Bに示す実施形態に対応する参照番号を使用するが、説明は
図3〜8Bの医療用パッド300にも同様に適用できることが理解されよう。図は、身体の形状により1枚のパッドの使用では効果が劣る場合に、身体の様々な部位に当てるための構成に適するような、複数のパッドを示す。例えば、胴への施用は、患者の右側へのパッド100の使用、及び湾曲している身体の正面側へのパッド100の使用を含むことができる。脚への施用は、各脚への個別のパッドの使用を含むことができるであろう、といったことである。複数のパッド100のそれぞれは、
図1に関連して詳細に説明したパッド100と同じ全体構造を有するように示しており、循環層116及び複数の室108を有する収容層104を共に含む。
【0087】
流体は、相互接続されるチューブ類のラインを通じるなどして、相互接続可能な流体制御システムモジュール520によって流体ポート504及び508を通じて循環することができる。ある構成において、流体制御システムモジュール520は、流体を通常約−10psi未満の負圧でパッド100を通じて引き込むためのポンプ532を備えるが、別の実施形態では他の圧力を使用することもできる。循環される流体と流体リザーバ524とを冷却するために、少なくとも1つの熱交換器528が設けられる。
【0088】
図面では参照番号610で示す医療用パッドを通じて流体がどのように循環するかをより詳細に示すために、流体回路図を
図10に示す。医療用パッドは、パッドコネクタ対612を使用して流体循環システム600に接続される。各パッドコネクタ対612は、医療用パッド610の入口620と接続するための入口コネクタ612Aと、医療用パッド610の出口622と接続するための出口コネクタ612Bとを含む。入口及び出口の接続は共に、可撓性のチューブ類又は流体接続に適した同様な構造を使用して形成することができる。単なる例示として、図示する実施形態は、6つの医療用パッド610を流体循環システム600に接続できるように、6つのパッドコネクタ対612を含む。しかし、本発明はパッドコネクタ対612の数によって限定されるものではなく、別の実施形態はこれより多い数又は少ない数のパッドコネクタ対612を有してもよいことは理解されるべきである。パッドコネクタ対612の各入口コネクタ612Aは、入口フィーダーライン618を介してメイン入口コネクタ614に接続され、パッドコネクタ対612の各出口コネクタ612Bは、出口フィーダーライン620を介してメイン出口コネクタ616に接続される。流体循環システム600はまた、ポンプ630と、蓄温モジュール660と、流体リザーバ680とを含む。
【0089】
ポンプ630は、メイン出口コネクタ616からポンプ入口ライン632を介して下流に接続され、自吸式であることが好ましい。ポンプ入口ライン632の温度センサ634及び圧力センサ636が、パッド610又は流体循環システム600に連結されるパッドから出る流体の温度及び圧力をそれぞれ測定する。圧力センサ636からの情報は、概ね一定の負圧を維持するように、ポンプ630の速度を制御する時に使用することができる
。ポンプ630は、ポンプ出口ライン638及び三方向弁640を介して上流で、リザーバ680及び蓄温モジュール660の両方に接続される。
【0090】
蓄温モジュール660は、冷却素子662と、温度センサ664とを含む。冷却素子662は、蓄温モジュール660内の流体を温度センサ664によって検出可能な所望の温度まで冷却するように作動させることができる。蓄温モジュール660は一次蓄温モジュール出口ライン666を介してリザーバ680から上流に接続されているので、ポンプ630が作動している間、つまり、流体をそこに送り込んでいる間、蓄温モジュール660内で所望の温度まで冷却された流体はそこからリザーバ680に流れる。三方向弁640は、パッド610に流入する流体の温度を制御するために、ポンプ630から直接リザーバ680に流れる流体の割合、及びポンプ630から蓄温モジュール660を通じてリザーバ680に流れる流体の部分を制御するように調節することができる。蓄温モジュール660は、二次蓄温モジュール出口ライン668を介してもリザーバ680に接続される。二次蓄温モジュール出口ライン668の常開弁670は、ポンプ630が作動していない時に、流体を蓄温モジュール660からリザーバ680に排出させることができる。
【0091】
流体リザーバ680は、リザーバ680内の流体のレベルを検出するレベルセンサ682と、リザーバ680内の流体を予冷する冷却素子684とを含む。流体レベルが所定レベル未満に下がったことをレベルセンサ682が示す場合など、望ましい場合に、充填ライン688によってリザーバ680と接続される充填ポート686を通じて追加流体をリザーバに補充することができる。好ましくは、リザーバ680は、リザーバ内の流体の望ましくない温度変動を最小限にするために、兼用ではない入口及び出口を有する。リザーバ680の出口は、リザーバ出口ライン690を介してメイン入口コネクタ614に接続される。温度センサ692及び流量センサ694はリザーバ出口ライン690に設けることができる。温度センサ692は、入口フィーダーライン618を介してパッド入口に供給される流体の温度を測定する。温度センサ692からの情報は、流体の温度を制御するために三方向弁640を調節する時に使用することができる。流量センサ694及びポンプ入口ライン632の温度センサ634からの情報は、患者と流体循環システム600に接続されるパッドとの間の熱伝達を判断する時に使用することができる。冷却手順が完了した時にパッドをリザーバ680に排水するために、常閉二方向弁698を備えるドレンライン696が設けられる。
【0092】
代替実施形態では、流体循環システム600に関して別の構成を使用することができ、その例は本願と同一譲受人に譲渡された米国特許第6,197,045号に例示及び説明されており、その開示内容全体はあらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0093】
図11は、本発明の実施形態による医療用パッドを使用する方法を示すフロー図を提供する。フロー図は、行われる特定の機能について述べ、それを例示的な順序で示しているが、これらは限定を意図するものではない。様々な代替実施形態において、機能の一部を省略することもでき、具体的に示していない他の機能を追加で実施すること、及び/又は図面で具体的に示される順序から順序を変更することもできる。
【0094】
方法はブロック704から始まり、医療用パッドの収容層の第2熱交換用流体を冷却する。前述したように、別の実施形態では別の熱交換用流体を使用することができ、そのため、流体の相転移点は別の実施形態では異なることがある。いくつかの実施形態では、第2熱交換用流体は0℃以下の凝固点を有する。第2熱交換用流体が別の物質と混合された水を含む実施形態では、凝固点は0℃よりも高くなることも、又は低くなることもある。ある実施形態では、第2熱交換用流体は0℃以下まで冷却することのできる保形性ゲル材料を含む水などの液体を含むことができるので、ブロック704では液体は凍結状態、又
は少なくとも部分的な凍結状態となり、保形性ゲルは第2熱交換用流体が使用中に温まっても当初の構成を維持する。
【0095】
ブロック704で第2熱交換用流体を冷却する工程は、流体の相変化を伴ってもよく、又は伴わなくてもよいことにも留意する。例えば、第2熱交換用流体が純水の場合、本発明の意図する範囲を逸脱することなく、その凝固点0℃のどちら側の温度にも冷却することができる。実際に、第2熱交換用流体がブロック704で冷却の一部として凍結される場合でも、本明細書でその用語が使用される際には、まだ「流体」であると考えられる。また、第2熱交換用流体がブロック704で冷却の一部として、気体から液体に相が変化するように交差される蒸発点を有する場合でも、本明細書でその用語が使用される際には、まだ「流体」であると考えられる。
【0096】
医療用パッドの使用は、一般に熱エネルギーの第2熱交換用流体への伝達が生じる結果となると予想され、当該伝達はブロック704での冷却の一部として生じる相変化の逆となることがある。そのような実施形態も本発明の範囲内にあることも、特に意図される。
【0097】
ブロック708で、冷却療法の施術から恩恵を受けると予想される患者が特定される。患者には、脳卒中、頭部外傷、又は冷却療法で効果的に治療できるであろう他の傷害若しくは疾病がある場合がある。ただし、傷害が原因の機能障害かどうかに関係なく、患者に何らかの種類の機能障害があることが本発明の必須条件ではないことは、特に留意する。いくつかの実施形態では、手術を受けた患者が冷却療法の施術から恩恵を受けそうだと特定される場合など、冷却療法は他の医療処置の施術の補助として使用できる。
【0098】
ブロック712で、実施形態が概ね連続した接着層及び剥離ライナーを使用しているか、又は複数の接着ストリップ及び対応する複数の剥離ライナーを有するかに応じて、医療用パッドの1つ以上の部分の接着層から1つのライナー又は複数のライナーを取り除き、特定された患者に医療用パッドを当てる。接着剤を使用しない実施形態では、ブロック712は省略することができる。ブロック716で、医療用パッドを患者に配置する。一般に、パッドは、流体収容層の下のパッドの部分を皮膚に接着するために使用される接着剤を用いて皮膚組織に接触させて置かれるものと予想され、それによって一般に、冷却療法の間、患者に置いたその位置を維持する。更に、上部に流体収容層がない他の部分(例えば、フラップ部分)を患者の皮膚に接着することができる。しかし、代替実施形態では、パッドは他の種類の組織にも配置することができるが、当該実施形態は接着剤の使用を省略することができる。
【0099】
前述した医療用パッドの性質、特にその熱特性により、ブロック720において、収容層と患者との間に熱エネルギーの伝達が起こる。伝達により患者、少なくともパッドが当てられる領域が局部的に冷却されることになり、それに伴い第2熱交換用流体は加熱される。
【0100】
ブロック724で、患者は第2の場所に移動し、ブロック728で第1熱交換用流体は医療用パッドの循環層を通じて循環することができる。必要に応じて、任意のブロック726に示すように、パッドの更なる部分から更なるライナーを取り除き、これらのパッドの更なる部分を患者に接着することができる。これにより、ブロック732で、循環層と患者との間で熱エネルギーが伝達されることになる。流体循環を実現するために、医療用パッドは流体制御システムに選択的に相互接続することができる。第1熱交換用流体の循環は、
図5及び6に関連して説明したような、また本願と同一譲受人に譲渡された米国特許第6,197,045号、同第6,648,905号、及び同第6,799,063号にも記載されているような、流体制御システムを使用して達成することができ、その全ての特許はその内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0101】
ブロック724での患者の移動は、本発明の多様な実施態様を反映する多数の異なる方法で行うことができる。当該移動は、特に別々に使用される2つの熱交換用流体の使用を含め、本発明の他の側面とも組み合わせて、多数の利点を実現する。例えば、ブロック716で患者に医療用パッドを当てる場所で、適切な流体制御システムが利用できない状況が存在することがある。例えば、本明細書で説明する種類の医療用パッドを医療補助者が利用するために救急車に装備しているが、緊急現場で流体制御システムにアクセスできないという緊急事態では、このようなことが起こる場合がある。医師が自分の診療室に本明細書で説明する種類の医療用パッドを置いているが、流体制御システムが病院にて維持されている環境でも起こる場合がある。こういった状況が存在する更に他の環境は、学校の診療室又は保健室を含み、そこには、使用するために医療用パッドが置かれているかもしれないが、より大型でより専門的な流体制御システム装置は置いていない可能性がある。治療が施されたら、ブロック736で患者から医療用パッドを取り外すことができる。当該取り外しに関連して、医療用パッドは流体制御システムから切り離して、処分することができる。
【0102】
本発明の上記の説明は、例示及び説明のために提示してきた。また、説明は、本発明を、本明細書で開示する形態に限定するよう意図されたものではない。したがって、上記教示、並びに関連技術の技術及び知識と同等の変型及び変更は、本発明の範囲内にある。上で説明した実施形態は更に、本発明を実施する周知の態様を説明し、当業者が当該又は他の実施形態で、及び本発明の特定の適用又は用途によって要求される様々な変更を加えて本発明を利用できることを意図している。添付の請求項は、先行技術が許す範囲まで代替実施形態を含むように解釈されることを意図している。
【0103】
いくつかの実施形態を説明してきたが、本発明の精神を逸脱することなく、様々な変更、代替構成、及び同等物が使用できることは、当業者には認識されるであろう。したがって、上記の説明は、以下の請求項で定義される本発明の範囲を限定するとみなしてはならない。