特許第6644750号(P6644750)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6644750-圧力制御装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6644750
(24)【登録日】2020年1月10日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】圧力制御装置
(51)【国際特許分類】
   G01M 15/02 20060101AFI20200130BHJP
【FI】
   G01M15/02
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-186596(P2017-186596)
(22)【出願日】2017年9月27日
(65)【公開番号】特開2019-60764(P2019-60764A)
(43)【公開日】2019年4月18日
【審査請求日】2018年5月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000108890
【氏名又は名称】株式会社ダイキンアプライドシステムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坪野 哲明
(72)【発明者】
【氏名】石川 幹
【審査官】 萩田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−107136(JP,A)
【文献】 特開2007−247912(JP,A)
【文献】 特開2007−000453(JP,A)
【文献】 特開平11−132535(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0257924(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 15/00 − 17/10
G01N 17/00
F24F 11/00 − 11/89
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
扉(7)によって仕切られた第1室(2)と第2室(3)の気圧を制御する圧力制御装置であって、
外部の空気を上記第1室(2)に供給する第1給気風路(21)と、上記第1室(2)の空気を外部へ排出する第1排気風路(31)と、上記第1給気風路(21)に設けられた第1給気制御弁(23)と、上記第1排気風路(31)に設けられた第1排気制御弁(33)と、外部の空気を上記第2室(3)に供給する第2給気風路(51)と、上記第2室(3)の空気を外部へ排出する第2排気風路(61)と、上記第2給気風路(51)に設けられた第2給気制御弁(53)と、上記第2排気風路(61)に設けられた第2排気制御弁(63)とを備え、
上記扉(7)が閉状態で上記第1室(2)と第2室(3)とが仕切られているときは、上記第1給気制御弁(23)、上記第1排気制御弁(33)、上記第2給気制御弁(53)、及び上記第2排気制御弁(63)の開度を調節して、上記第1室(2)及び第2室(3)の気圧を個別に制御する通常制御を行い、
上記扉(7)が開状態で上記第1室(2)と第2室(3)とが連通しているときは、上記第1給気制御弁(23)、上記第1排気制御弁(33)、上記第2給気制御弁(53)、及び上記第2排気制御弁(63)のうち、1つの制御弁のみの開度を調節して、残りの制御弁の開度を一定に保持することによって、連通している上記第1室(2)及び第2室(3)の気圧を制御する連通時制御を行い、
上記扉(7)が開かれる前に、上記通常制御から上記連通時制御に切り換えることを特徴とする圧力制御装置。
【請求項2】
請求項1において、
上記扉(7)が開かれる前の上記通常制御では、上記第1室(2)の気圧と上記第2室(3)の気圧とを、互いに同じ目標圧力となるように制御することを特徴とする圧力制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、
上記扉(7)が閉じられた後に、上記連通時制御から上記通常制御に切り換えることを特徴とする圧力制御装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項において、
上記連通時制御では、上記第1排気制御弁(33)のみの開度を、連通している上記第1室(2)及び第2室(3)の気圧が目標範囲になるように調節することを特徴とする圧力制御装置。
【請求項5】
扉(7)によって仕切られた第1室(2)と第2室(3)の気圧を制御する圧力制御装置であって、
外部の空気を上記第1室(2)に供給する第1給気風路(21)と、上記第1室(2)の空気を外部へ排出する第1排気風路(31)と、上記第1給気風路(21)に設けられた第1給気制御弁(23)と、上記第1排気風路(31)に設けられた第1排気制御弁(33)と、外部の空気を上記第2室(3)に供給する第2給気風路(51)と、上記第2室(3)の空気を外部へ排出する第2排気風路(61)と、上記第2給気風路(51)に設けられた第2給気制御弁(53)と、上記第2排気風路(61)に設けられた第2排気制御弁(63)とを備え、
上記扉(7)が閉状態で上記第1室(2)と第2室(3)とが仕切られているときは、上記第1給気制御弁(23)、上記第1排気制御弁(33)、上記第2給気制御弁(53)、及び上記第2排気制御弁(63)の開度を調節して、上記第1室(2)及び第2室(3)の気圧を個別に制御する通常制御を行い、
上記扉(7)が開状態で上記第1室(2)と第2室(3)とが連通しているときは、上記第1給気制御弁(23)、上記第1排気制御弁(33)、上記第2給気制御弁(53)、及び上記第2排気制御弁(63)のうち、1つの制御弁のみの開度を調節して、残りの制御弁の開度を一定に保持することによって、連通している上記第1室(2)及び第2室(3)の気圧を制御する連通時制御を行い、
上記連通時制御では、上記第1給気制御弁(23)のみの開度を、上記第1給気風路(21)の給気流量が一定になるように調節することを特徴とする圧力制御装置。
【請求項6】
請求項5において、
上記扉(7)が開かれる前に、上記通常制御から上記連通時制御に切り換え、
上記扉(7)が閉じられた後に、上記連通時制御から上記通常制御に切り換えることを特徴とする圧力制御装置。
【請求項7】
請求項6において、
上記扉(7)が開かれる前の上記通常制御では、上記第1室(2)の気圧と上記第2室(3)の気圧とを、互いに同じ目標圧力となるように制御することを特徴とする圧力制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、扉によって仕切られた複数の部屋の気圧を制御する圧力制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば自動車等の工業製品の性能等を、様々な圧力環境下で試験するために、室内の気圧を任意に設定できる気圧調整試験室が用いられる。下記の特許文献1には、例えば、高地等の低圧環境を作り出す低圧試験室の圧力制御装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−132535号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、扉によって2つの部屋に仕切られて、それぞれの部屋で各々任意の気圧に制御されている試験室がある。このような試験室では、両方の部屋の気圧が同じになるように制御したうえで、一方の部屋で試験されている被試験体を他方の部屋へ移動させる場合がある。このとき、扉を長時間(例えば7分程度)開けて各部屋が連通した状態で被試験体を移動させる。
【0005】
しかし、それぞれの部屋の気圧が同じになるように制御されていても、実際、各部屋の気圧はある程度の許容範囲内で個別に変動している。このため、わずかに気圧が異なる各部屋が連通することになる。すると、各部屋で制御されていた気圧が乱れてしまう。そして、連通した部屋では、もともと仕切られていた各部屋の圧力制御装置がそれぞれ気圧の制御を行うので、連通した状態の試験室の気圧が正確に制御されなくなる。このため、試験室の気圧を所定の許容範囲内に抑えることができなくなるおそれがある。そこで、各部屋が連通しているときには、全ての気圧の制御を停止することが考えられる。しかし、その場合、長時間に亘って制御が行われない状態が続くと、時間の経過と共に気圧が設定値から離れてしまい、その結果、気圧が許容範囲から外れてしまうおそれがある。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、扉が長時間開かれたときでも、連通された部屋の気圧を適切に制御することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、扉(7)によって仕切られた第1室(2)と第2室(3)の気圧を制御する圧力制御装置を対象とする。そして、外部の空気を上記第1室(2)に供給する第1給気風路(21)と、上記第1室(2)の空気を外部へ排出する第1排気風路(31)と、上記第1給気風路(21)に設けられた第1給気制御弁(23)と、上記第1排気風路(31)に設けられた第1排気制御弁(33)と、外部の空気を上記第2室(3)に供給する第2給気風路(51)と、上記第2室(3)の空気を外部へ排出する第2排気風路(61)と、上記第2給気風路(51)に設けられた第2給気制御弁(53)と、上記第2排気風路(61)に設けられた第2排気制御弁(63)とを備え、上記扉(7)が閉状態で上記第1室(2)と第2室(3)とが仕切られているときは、上記第1給気制御弁(23)、上記第1排気制御弁(33)、上記第2給気制御弁(53)、及び上記第2排気制御弁(63)の開度を調節して、上記第1室(2)及び第2室(3)の気圧を個別に制御する通常制御を行い、上記扉(7)が開状態で上記第1室(2)と第2室(3)とが連通しているときは、上記第1給気制御弁(23)、上記第1排気制御弁(33)、上記第2給気制御弁(53)、及び上記第2排気制御弁(63)のうち、1つの制御弁のみの開度を調節して、残りの制御弁の開度を一定に保持することによって、連通している上記第1室(2)及び第2室(3)の気圧を制御する連通時制御を行い、上記扉(7)が開かれる前に、上記通常制御から上記連通時制御に切り換えることを特徴とする。
【0008】
第1の発明では、第1室(2)と第2室(3)が連通しているときに、圧力制御装置(10)は、上記4つの制御弁(23,33,53,63)のうちの1つの制御弁のみの開度を調節する連通時制御を行う。したがって、第1室(2)と第2室(3)が連通しているにも拘わらず、第1室(2)の気圧制御と第2室(3)の気圧制御とが個別に並行して行われることはない。また、第1の発明では、扉(7)が開かれるときには既に圧力制御装置(10)が連通時制御を開始している。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、上記扉(7)が開かれる前の上記通常制御では、上記第1室(2)の気圧と上記第2室(3)の気圧とを、互いに同じ目標圧力となるように制御することを特徴とする。
【0010】
第2の発明では、扉(7)が開かれるときには第1室(2)の気圧と第2室(3)の気圧とが実質的に同じになる。
【0011】
の発明は、第1又は第2の発明において、上記扉(7)が閉じられた後に、上記連通時制御から上記通常制御に切り換えることを特徴とする。
【0012】
の発明では、扉(7)が閉じられるまで連通時制御が継続する。
【0013】
第4の発明は、第1〜第3の発明のいずれか1つにおいて、上記連通時制御では、上記第1排気制御弁(33)のみの開度を、連通している上記第1室(2)及び第2室(3)の気圧が目標範囲になるように調節することを特徴とする。
【0014】
第4の発明では、直接気圧を制御するので、正確に制御を行うことができる。
【0015】
の発明は、扉(7)によって仕切られた第1室(2)と第2室(3)の気圧を制御する圧力制御装置を対象とする。そして、外部の空気を上記第1室(2)に供給する第1給気風路(21)と、上記第1室(2)の空気を外部へ排出する第1排気風路(31)と、上記第1給気風路(21)に設けられた第1給気制御弁(23)と、上記第1排気風路(31)に設けられた第1排気制御弁(33)と、外部の空気を上記第2室(3)に供給する第2給気風路(51)と、上記第2室(3)の空気を外部へ排出する第2排気風路(61)と、上記第2給気風路(51)に設けられた第2給気制御弁(53)と、上記第2排気風路(61)に設けられた第2排気制御弁(63)とを備え、上記扉(7)が閉状態で上記第1室(2)と第2室(3)とが仕切られているときは、上記第1給気制御弁(23)、上記第1排気制御弁(33)、上記第2給気制御弁(53)、及び上記第2排気制御弁(63)の開度を調節して、上記第1室(2)及び第2室(3)の気圧を個別に制御する通常制御を行い、上記扉(7)が開状態で上記第1室(2)と第2室(3)とが連通しているときは、上記第1給気制御弁(23)、上記第1排気制御弁(33)、上記第2給気制御弁(53)、及び上記第2排気制御弁(63)のうち、1つの制御弁のみの開度を調節して、残りの制御弁の開度を一定に保持することによって、連通している上記第1室(2)及び第2室(3)の気圧を制御する連通時制御を行い、上記連通時制御では、上記第1給気制御弁(23)のみの開度を、上記第1給気風路(21)の給気流量が一定になるように調節することを特徴とする。
【0016】
の発明では、圧力制御装置(10)は、第1給気風路(21)の給気流量に基づいて制御弁を調節して気圧を制御する。給気流量は、第1室(2)の気圧に比べて変動が少ない。このため、給気流量に基づいて制御弁を調節する方が、直接気圧に基づいて制御弁を調節する場合に比べて制御弁の開度の変更量が小さくなり、開度変更の頻度が低くなる。
【0017】
第6の発明は、第5の発明において、上記扉(7)が開かれる前に、上記通常制御から上記連通時制御に切り換え、上記扉(7)が閉じられた後に、上記連通時制御から上記通常制御に切り換えることを特徴とする。
【0018】
第6の発明では、扉(7)が開かれるときには既に圧力制御装置(10)が連通時制御を開始している。また、扉(7)が閉じられるまで連通時制御が継続する。
【0019】
第7の発明は、第6の発明において、上記扉(7)が開かれる前の上記通常制御では、上記第1室(2)の気圧と上記第2室(3)の気圧とを、互いに同じ目標圧力となるように制御することを特徴とする。
【0020】
第7の発明では、扉(7)が開かれるときには第1室(2)の気圧と第2室(3)の気圧とが実質的に同じになる。
【発明の効果】
【0021】
本発明では、第1室(2)と第2室(3)とを仕切る扉(7)が開かれているときに、圧力制御装置(10)は、第1給気制御弁(23)、第1排気制御弁(33)、第2給気制御弁(53)、及び第2排気制御弁(63)のうちの1つの制御弁の開度を調節することによって第1室(2)及び第2室(3)の気圧を制御する。このため、それぞれの部屋の気圧を制御する制御同士の干渉を抑えることができる。また、気圧の制御が継続して行われるので、扉(7)が長時間開かれていても、気圧の変動を抑えることができる。
【0022】
上記第2の発明では、扉(7)の開き始めにおいて、第1室(2)及び第2室(3)の気圧の変動をより一層抑えることができる。
【0023】
上記第の発明では、扉(7)が開かれている間は常に連通時制御が行われているので、扉(7)の開き始めや、扉(7)が閉じられる直前に気圧が乱れることを抑えることができる。
【0024】
上記第4の発明では、圧力制御装置(10)は、連通時制御において目標の気圧に沿った制御を行うことができる。
【0025】
上記第の発明では、圧力制御装置(10)は、連通時制御において安定した気圧の制御を行うことができる。
【0026】
上記第6の発明では、扉(7)が開かれている間は常に連通時制御が行われているので、扉(7)の開き始めや、扉(7)が閉じられる直前に気圧が乱れることを抑えることができる。
【0027】
上記第7の発明では、扉(7)の開き始めにおいて、第1室(2)及び第2室(3)の気圧の変動をより一層抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、実施形態に係る圧力制御装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施形態および変形例は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0030】
《実施形態》
実施形態について説明する。
【0031】
図1は、本発明の実施形態に係る気圧調節試験室の圧力制御装置(10)を示している。本実施形態では、圧力制御装置(10)は、自動車のエンジンの耐久性や性能等の試験を行う試験室(1)に設けられている。そして、圧力制御装置(10)は、該試験室(1)内の環境を、例えば、標高2000mに相当する低圧環境や逆の高圧環境に調整する。
【0032】
−試験室の構成−
図1に示すように、試験室(1)は、第1室(2)と第2室(3)とを有している。第1室(2)と第2室(3)との間には開口部(5)が形成された壁部(6)が設けられている。そして、壁部(6)には開口部(5)を塞ぐ扉(7)が開閉自在に設けられている。すなわち、扉(7)が閉じられているときは、第1室(2)と第2室(3)とは扉(7)によって仕切られており、扉(7)が開けられているときは、第1室(2)と第2室(3)とは、連通している。
【0033】
圧力制御装置(10)は、第1室(2)内へ外部の空気を供給する第1給気部(20)と、第1室(2)内の空気を外部へ排出する第1排気部(30)と、第2室(3)内へ外部の空気を供給する第2給気部(50)と、第2室(3)内の空気を外部へ排出する第2排気部(60)と、第1給気部(20)及び第1排気部(30)の動作を制御する第1制御部(40)と、第2給気部(50)及び第2排気部(60)の動作を制御する第2制御部(70)とを備えている。
【0034】
〈第1給気部の構成〉
第1給気部(20)は、第1給気風路(21)と、第1給気ファン(22)と、第1給気制御弁(23)と第1オリフィス(24)とを備えている。
【0035】
第1給気風路(21)は、第1室(2)の内部と外部とを繋いでいる。また、第1給気風路(21)は、内部に空気が流通する管状部材によって構成されている。第1給気風路(21)の一端は第1室(2)の外部に開口し、他端は、第1室(2)の内部において開口している。
【0036】
第1給気ファン(22)は、第1給気風路(21)の中途部に設けられている。第1給気ファン(22)は、図示しないファンモータに電力を供給するインバータ(22a)を有し、その回転速度が変更可能に構成されている。
【0037】
第1給気制御弁(23)は、第1給気風路(21)の中途部における第1給気ファン(22)の他端側に設けられている。第1給気制御弁(23)は、開度可変の電動弁又は空気作動弁であって、数十kPaの圧力調整に必要な流量調節範囲を有するバルブによって構成されている。
【0038】
第1オリフィス(24)は、第1給気ファン(22)と第1給気制御弁(23)との間に設けられている。そして、差圧計(24a)で計測された第1オリフィス(24)の前後の差圧を基に、第1給気風路(21)から第1室(2)へ供給される給気流量が計測される。
【0039】
〈第1排気部の構成〉
第1排気部(30)は、第1排気風路(31)と、第1排気ファン(32)と、第1排気制御弁(33)とを備えている。
【0040】
第1排気風路(31)は、第1室(2)の内部と外部とを繋いでいる。また、第1排気風路(31)は、内部に空気が流通する管状部材によって構成されている。第1排気風路(31)の一端は第1室(2)の内部において開口し、他端は試験室(1)の外部に開口している。
【0041】
第1排気ファン(32)は、第1排気風路(31)の中途部に設けられている。第1排気ファン(32)は、図示しないファンモータに電力を供給するインバータ(32a)を有し、その回転速度が変更可能に構成されている。
【0042】
第1排気制御弁(33)は、第1給気風路(21)の中途部における第1排気ファン(32)の一端側に設けられている。第1排気制御弁(33)は、開度可変の電動弁又は空気作動弁であって、数十kPaの圧力調整に必要な流量調節範囲を有するバルブによって構成されている。
【0043】
〈第2給気部の構成〉
第2給気部(50)は、第2給気風路(51)と、第2給気ファン(52)と、第2給気制御弁(53)と第2オリフィス(54)とを備えている。
【0044】
第2給気風路(51)は、第2室(3)の内部と外部とを繋いでいる。また、第2給気風路(51)は、内部に空気が流通する管状部材によって構成されている。第2給気風路(51)の一端は第2室(3)の外部に開口し、他端は第2室(3)の内部において開口している。
【0045】
第2給気ファン(52)は、第2給気風路(51)の中途部に設けられている。第2給気ファン(52)は、図示しないファンモータに電力を供給するインバータ(52a)を有し、その回転速度が変更可能に構成されている。
【0046】
第2給気制御弁(53)は、第2給気風路(51)の中途部における第2給気ファン(52)の他端側に設けられている。第2給気制御弁(53)は、開度可変の電動弁又は空気作動弁であって、数十kPaの圧力調整に必要な流量調節範囲を有するバルブによって構成されている。
【0047】
第2オリフィス(54)は、第2給気ファン(52)と第2給気制御弁(53)との間に設けられている。そして、差圧計(54a)で計測された第2オリフィス(54)の前後の差圧を基に、第2給気風路(51)から第2室(3)へ供給される給気流量が計測される。
【0048】
〈第2排気部の構成〉
第2排気部(60)は、第2排気風路(61)と、第2排気ファン(62)と、第2排気制御弁(63)とを備えている。
【0049】
第2排気風路(61)は、第2室(3)の内部と外部とを繋いでいる。また、第2排気風路(61)は、内部に空気が流通する管状部材によって構成されている。第2排気風路(61)の一端は第2室(3)の内部において開口し、他端は第2室(3)の外部に開口している。
【0050】
第2排気ファン(62)は、第2排気風路(61)の中途部に設けられている。第2排気ファン(62)は、図示しないファンモータに電力を供給するインバータ(62a)を有し、その回転速度が変更可能に構成されている。
【0051】
第2排気制御弁(63)は、第2排気風路(61)の中途部における第2排気ファン(62)の一端側に設けられている。第2排気制御弁(63)は、開度可変の電動弁又は空気作動弁であって、数十kPaの圧力調整に必要な流量調節範囲を有するバルブによって構成されている。
【0052】
〈第1制御部の構成〉
第1制御部(40)は、第1給気ファン制御部(41)と、第1排気ファン制御部(42)と、第1風量制御部(43)と、第1圧力制御部(44)とを有している。第1制御部(40)は、第1給気ファン(22)、第1排気ファン(32)、第1給気制御弁(23)、及び第1排気制御弁(33)の動作を制御することにより、第1室(2)の気圧を所望の圧力に制御する。
【0053】
第1給気ファン制御部(41)は、インバータ(22a)によって第1給気ファン(22)のファンモータに供給される交流の周波数を制御することで、第1給気ファン(22)の回転速度を制御するように構成されている。具体的には、第1給気ファン制御部(41)は、第1給気ファン(22)の回転周波数が、第1室(2)の必要換気量に応じて定まる所定の回転速度になるように、インバータ(22a)によって第1給気ファン(22)のファンモータに供給される交流の周波数を制御する。
【0054】
第1排気ファン制御部(42)は、インバータ(32a)によって第1排気ファン(32)のファンモータに供給される交流の周波数を制御することで、第1排気ファン(32)の回転速度を制御するように構成されている。具体的には、第1排気ファン制御部(42)は、第1排気ファン(32)の回転周波数が、第1室(2)の目標圧力に応じて定まる所定の回転速度になるように、インバータ(32a)によって第1排気ファン(32)のファンモータに供給される交流の周波数を制御する。
【0055】
第1風量制御部(43)は、第1給気風路(21)を通じて第1室(2)に供給される空気の流量(給気流量)が、第1室(2)の必要換気量に応じて予め決定された一定の流量となるように、第1給気制御弁(23)の開度を制御する。なお、上記第1オリフィス(24)の差圧計(24a)は有線又は無線で電気通信可能に第1制御部(40)に接続され、測定値(第1給気風路(21)から第1室(2)へ供給される給気流量)を第1制御部(40)に送信するように構成されている。そして、第1風量制御部(43)は、この測定値を基に第1給気制御弁(23)の開度を制御する。
【0056】
第1圧力制御部(44)は、通常制御では、第1室(2)の気圧P1が所定の目標圧力SP1となるように、第1排気制御弁(33)の開度を制御する。一方、第1圧力制御部(44)は、連通時制御では第1排気制御弁(33)の開度を固定する。
【0057】
ここで、第1室(2)内には、該第1室(2)の気圧P1を測定する第1気圧測定センサ(80)が設けられている。第1気圧測定センサ(80)は、有線又は無線で電気通信可能に第1制御部(40)に接続され、測定値(第1室(2)の気圧P1)を第1制御部(40)に送信するように構成されている。
【0058】
〈第2制御部の構成〉
第2制御部(70)は、第2給気ファン制御部(71)と、第2排気ファン制御部(72)と、第2風量制御部(73)と、第2圧力制御部(74)とを有している。第2制御部(70)は、第2給気ファン(52)、第2排気ファン(62)、第2給気制御弁(53)、及び第2排気制御弁(63)の動作を制御することにより、第2室(3)の気圧を所望の圧力に制御する。
【0059】
第2給気ファン制御部(71)は、インバータ(52a)によって第2給気ファン(52)のファンモータに供給される交流の周波数を制御することで、第2給気ファン(52)の回転速度を制御するように構成されている。具体的には、第2給気ファン制御部(71)は、第2給気ファン(52)の回転周波数が、第2室(3)の必要換気量に応じて定まる所定の回転速度になるように、インバータ(52a)によって第2給気ファン(52)のファンモータに供給される交流の周波数を制御する。
【0060】
第2排気ファン制御部(72)は、インバータ(62a)によって第2排気ファン(62)のファンモータに供給される交流の周波数を制御することで、第2排気ファン(62)の回転速度を制御するように構成されている。具体的には、第2排気ファン制御部(72)は、第2排気ファン(62)の回転周波数が、第2室(3)の目標圧力に応じて定まる所定の回転速度になるように、インバータ(62a)によって第2排気ファン(62)のファンモータに供給される電力を制御する。
【0061】
第2風量制御部(73)は、通常制御では、第2給気風路(51)を通じて第2室(3)に供給される空気の流量(給気流量)が、第2室(3)の必要換気量に応じて予め決定された一定の流量となるように、第2給気制御弁(53)の開度を制御する。一方、連通時制御では、第2給気制御弁(53)の開度を固定する。なお、上記第2オリフィス(54)の差圧計(54a)は有線又は無線で電気通信可能に第2制御部(70)に接続され、測定値(第2給気風路(51)から第2室(3)へ供給される給気流量)を第2制御部(70)に送信するように構成されている。そして、第2風量制御部(73)は、この測定値を基に第2給気制御弁(53)の開度を制御する。
【0062】
第2圧力制御部(74)は、通常制御では、第2室(3)の気圧P2が所定の目標圧力SP2となるように、第2排気制御弁(63)の開度を制御する。一方、第2圧力制御部(74)は、連通時制御では第2排気制御弁(63)の開度を固定する。
【0063】
ここで、第2室(3)内には、該第2室(3)の気圧P2を測定する第2気圧測定センサ(90)が設けられている。第2気圧測定センサ(90)は、有線又は無線で電気通信可能に第2制御部(70)に接続され、測定値(第2室(3)の気圧P2)を第2制御部(70)に送信するように構成されている。
【0064】
また、本実施形態では、第1制御部(40)及び第2制御部(70)は、圧力制御装置(10)の各要素を本願で開示するように制御するマイクロコンピュータと、実施可能な制御プログラムが記憶されたメモリとを含んでいる。なお、第1制御部(40)及び第2制御部(70)は、圧力制御装置(10)の制御部の一例であり、第1制御部(40)及び第2制御部(70)の詳細な構造やアルゴリズムは、本発明に係る機能を実行するどのようなハードウェアとソフトウェアとの組み合わせであってもよい。
【0065】
−運転動作−
以下では、第1室(2)及び第2室(3)の気圧P1、P2を目標圧力SP1、SP2とする。そして、そのSP1の±ΔSP1及びSP2の±ΔSP2の範囲内に第1室(2)及び第2室(3)の気圧P1、P2を調節する動作について説明する。なお、SP1とSP2は同じ値に設定されており、同様にΔSP1とΔSP2は同じ値に設定されている。すなわち、圧力制御装置(10)は、第1室(2)の気圧P1と第2室(3)の気圧P2とが同じになるように制御する。
【0066】
まず、扉(7)が閉状態で第1室(2)と第2室(3)とが仕切られている状態において、圧力制御装置(10)は通常制御を行う。通常制御では、圧力制御装置(10)が第1室(2)及び第2室(3)の気圧を個別に制御する。第1制御部(40)では、第1給気ファン制御部(41)により、第1給気ファン(22)の回転速度が第1室(2)の必要換気量に応じて定まる所定の回転速度になるように、インバータ(22a)によってファンモータに供給される交流の周波数が制御される。また、第1排気ファン制御部(42)により、第1排気ファン(32)の回転速度が第1室(2)の目標圧力に応じて定まる所定の回転速度になるように、インバータ(32a)によってファンモータに供給される交流の周波数が制御される。
【0067】
また、第1風量制御部(43)は、第1給気風路(21)を通じて第1室(2)に供給される空気の流量(給気流量)が、第1室(2)の必要換気量に応じて予め決定された一定の流量となるように、第1給気制御弁(23)の開度を調節する。このとき、第1風量制御部(43)は、第1オリフィス(24)で測定された給気流量の値が目標値よりも小さいときは、第1給気制御弁(23)の開度を拡大させる。また、第1風量制御部(43)は、第1オリフィス(24)で測定された給気流量の値が目標値よりも大きいときは、第1給気制御弁(23)の開度を縮小させる。
【0068】
さらに、第1圧力制御部(44)は、第1気圧測定センサ(80)の測定値(第1室(2)の気圧P1)がSP1となるように、第1排気制御弁(33)の開度を調節する。このとき、第1圧力制御部(44)は、第1気圧測定センサ(80)の測定値がSP1よりも大きいときは第1排気制御弁(33)の開度を拡大させる。また、第1圧力制御部(44)は、第1気圧測定センサ(80)の測定値がSP1よりも小さいときは第1排気制御弁(33)の開度を縮小させる。
【0069】
第2制御部(70)でも同様に、第2給気ファン制御部(71)により、第2給気ファン(52)の回転速度が第2室(3)の必要換気量に応じて定まる所定の回転速度になるように、インバータ(52a)によってファンモータに供給される交流の周波数が制御される。また、第2排気ファン制御部(72)により、第2排気ファン(62)の回転速度が第2室(3)の目標圧力に応じて定まる所定の回転速度になるように、インバータ(62a)によってファンモータに供給される交流の周波数が制御される。
【0070】
また、第2風量制御部(73)は、第2給気風路(51)を通じて第2室(3)に供給される空気の流量(給気流量)が、第2室(3)の必要換気量に応じて予め決定された一定の流量となるように、第2給気制御弁(53)の開度を調節する。このとき、第2風量制御部(73)は、第2オリフィス(54)で測定された給気流量の値が目標値よりも小さいときは、第2給気制御弁(53)の開度を拡大させる。また、第2風量制御部(73)は、第2オリフィス(54)で測定された給気流量の値が目標値よりも大きいときは、第2給気制御弁(53)の開度を縮小させる。
【0071】
さらに、第2圧力制御部(74)は、第2気圧測定センサ(90)の測定値(第2室(3)の気圧P2)がSP2となるように、第2排気制御弁(63)の開度を調節する。このとき、第2圧力制御部(74)は、第2気圧測定センサ(90)の測定値がSP2よりも大きいときは第2排気制御弁(53)の開度を拡大させる。また、第2圧力制御部(74)は、第2気圧測定センサ(90)の測定値がSP2よりも小さいときは第2排気制御弁(53)の開度を縮小させる。
【0072】
そして、気圧がSP2±ΔSP2の第2室(3)で所定の試験が完了すると、扉(7)を一時的に開いて被試験体を第2室(3)から第1室(2)へ移動させる。この移動の際にも第1室(2)の気圧をSP1の±ΔSP1の範囲内に、また、第2室(3)の気圧をSP2の±ΔSP2の範囲内にする必要がある。このため、圧力制御装置(10)は、第1制御部(40)及び第2制御部(70)が行う制御を通常制御から連通時制御に変更させる。そして、制御が連通時制御に切り替わってから、第1室(2)と第2室(3)とを仕切る扉(7)を開いて第1室(2)と第2室(3)とを連通状態にする。
【0073】
連通時制御では、圧力制御装置(10)は、第1給気制御弁(23)、第1排気制御弁(33)、第2給気制御弁(53)、及び第2排気制御弁(63)のうち、1つの制御弁のみの開度を調節して、残りの制御弁の開度を一定に保持するようにする。本実施形態の圧力制御装置(10)は、連通時制御において、第1給気制御弁(23)の開度を調節し、第1排気制御弁(33)、第2給気制御弁(53)、及び第2排気制御弁(63)の開度を固定する。
【0074】
第1風量制御部(43)は、連通時制御でも通常制御と同様の制御を行う。すなわち、第1給気風路(21)を通じて第1室(2)及び第2室(3)に供給される空気の流量(給気流量)が、第1室(2)の必要換気量に応じて予め決定された一定の流量となるように、第1風量制御部(43)が第1給気制御弁(23)の開度を調節する。
【0075】
第1圧力制御部(44)は、連通時制御に切り替わると、第1排気制御弁(33)の開度を固定する。第1排気ファン(32)の回転速度も一定であるので、第1排気風路(31)から排出される空気の流量は制御されない。
【0076】
また、第2風量制御部(73)は、第1圧力制御部(44)と同様に、第2給気制御弁(53)の開度を固定する。第2給気ファン(52)の回転速度も一定であるので、第2給気風路(51)から供給される空気の流量は制御されない。
【0077】
さらに、第2圧力制御部(74)も第1圧力制御部(44)と同様に、連通時制御に切り替わると、第2排気制御弁(63)の開度を固定する。第2排気ファン(62)の回転速度も一定であるので、第2排気風路(61)から排出される空気の流量は制御されない。
【0078】
このように、連通時制御では、圧力制御装置(10)が、第1給気風路(21)から給気される空気の流量のみを制御することで、第1室(2)及び第2室(3)の気圧を制御している。
【0079】
そして、被試験体が第2室(3)から第1室(2)へ移動されると、扉(7)が閉じられる。扉(7)が閉じられた後、第1制御部(40)及び第2制御部(70)の制御を連通時制御から通常制御に切り換える。そして、第1室(2)の気圧がSP1±ΔSP1の範囲に保たれた状態で、所定の試験が行われる。なお、この被試験体の移動にはおよそ7分掛かるため、連通時制御は7分程行われる。
【0080】
−実施形態の効果−
本実施形態によれば、第1室(2)と第2室(3)が連通しているときに、圧力制御装置(10)は、第1給気制御弁(23)、第1排気制御弁(33)、第2給気制御弁(53)、及び第2排気制御弁(63)のうちの1つの制御弁のみの開度を調節する連通時制御を行う。したがって、第1室(2)と第2室(3)が連通しているにも拘わらず、第1室(2)の気圧制御と第2室(3)の気圧制御とが個別に並行して行われることはない。このため、それぞれの部屋の気圧を制御する制御同士の干渉を抑えることができる。また、気圧の制御が継続して行われるので、扉(7)が長時間開かれていても、気圧の変動を抑えることができる。
【0081】
また、扉(7)が開かれるときには既に圧力制御装置(10)が連通時制御を開始している。また、扉(7)が閉じられるまで連通時制御が継続する。このため、扉(7)の開き始めや、扉(7)が閉じられる直前に試験室(1)の気圧が乱れることを抑えることができる。
【0082】
さらに、上記実施形態の連通時制御では、第1給気制御弁(23)のみの開度を、第1給気風路の給気流量が一定になるように調節している。第1給気風路(21)の給気流量は、第1室(2)の気圧に比べて変動が少ない。このため、給気流量に基づいて制御弁を調節する方が、直接気圧に基づいて制御弁を調節する場合に比べて制御弁の変更量が小さくなり、開度変更の頻度が低くなる。また、連通時制御に切り替わる直前には、既に第1室(2)の気圧P1と第2室(3)の気圧P2がほぼ同じ値に保たれている。このため、第1給気制御弁(23)のみの開度を第1給気風路(21)の給気流量が一定になるように調節するだけで、第1室(2)及び第2室(3)の気圧(P1,P2)を目標範囲(SP1±ΔSP1,SP2±ΔSP2)とすることができる。
【0083】
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
【0084】
上記実施形態の通時制御では、第1給気制御弁(23)のみの開度を、上記第1給気風路(21)の給気流量が一定になるように調節していたが、本発明はこれに限定されない。連通時制御では、第1排気制御弁(33)のみの開度を、連通している第1室(2)及び第2室(3)の気圧が目標範囲になるように調節してもよい。このとき、直接第1気圧測定センサ(80)で測定された気圧を基に第1室(2)及び第2室(3)の気圧を制御するので、正確に制御を行うことができる。したがって、連通時制御において、目標の気圧に沿った制御を行うことができる。
【0085】
上記実施形態では、扉(7)によって仕切られた2つの部屋を有する試験室(1)を対象としていたが、本発明はこれに限定されない。試験室(1)は、扉(7)に仕切られた3つ以上の部屋を有していてもよい。この場合でも、複数の部屋が連通している状態では、複数の制御弁のうち、1つの制御弁のみの開度を調節して、残りの制御弁の開度を一定に保持することによって、連通している部屋の気圧を制御する。
【0086】
上記実施形態では、扉(7)が開かれているときに、被試験体を第2室(3)から第1室(2)へ移動させていたが、本発明はこれに限定されない。試験体を第1室(2)から第2室(3)へ移動させるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0087】
以上説明したように、本発明は、扉によって仕切られた複数の部屋の気圧を制御する圧力制御装置について有用である。
【符号の説明】
【0088】
2 第1室
3 第2室
7 扉
21 第1給気風路
23 第1給気制御弁
31 第1排気風路
33 第1排気制御弁
51 第2給気風路
53 第2給気制御弁
61 第2排気風路
63 第2排気制御弁
図1