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特許6644785淹出モジュール、カプセル認識モジュール、および飲料調製マシン
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6644785
(24)【登録日】2020年1月10日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】淹出モジュール、カプセル認識モジュール、および飲料調製マシン
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/44 20060101AFI20200130BHJP
   A47J 31/36 20060101ALI20200130BHJP
【FI】
   A47J31/44 510
   A47J31/36 122
【請求項の数】9
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-529081(P2017-529081)
(86)(22)【出願日】2015年11月17日
(65)【公表番号】特表2018-500969(P2018-500969A)
(43)【公表日】2018年1月18日
(86)【国際出願番号】EP2015076849
(87)【国際公開番号】WO2016087192
(87)【国際公開日】20160609
【審査請求日】2018年11月7日
(31)【優先権主張番号】14195680.5
(32)【優先日】2014年12月1日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】511248548
【氏名又は名称】キュー・ビー・オー・コーヒー・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】QBO COFFEE GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルビン,アンドレス
(72)【発明者】
【氏名】ツビッカー,ドミニク
(72)【発明者】
【氏名】タネール,パスカル
(72)【発明者】
【氏名】フォスカン,クラウディオ
【審査官】 根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2014−511712(JP,A)
【文献】 特開2010−157159(JP,A)
【文献】 特表2007−521936(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0235834(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0014648(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/00−31/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一人分のカプセル(10)から淹出飲料を調製するための淹出モジュール用のカプセル認識モジュールであって、
カプセル認識位置にある前記カプセル(10)の光学的な特徴を検出するための光学センサを備え、前記光学センサは特にカメラ(50)であり、
透明な材料で形成された、前記カプセル認識位置と前記カメラとの間にあるカプセル認識窓(52)と、
前記カプセル認識窓の、前記カプセル認識位置側に向けて、空気の流れを生み出すためのファン(70)とを備える、カプセル認識モジュール。
【請求項2】
前記カプセル認識窓(52)は、前記カプセル認識位置と前記光学センサとの間の軸に対して非直角に配置されている、請求項1に記載のカプセル認識モジュール。
【請求項3】
前記カプセル認識位置で前記カプセルを照射するための少なくとも1つの光源(62)を備え、前記光源は、前記カプセル認識窓(52)の、前記光学センサ側に配置されている、請求項1または2に記載のカプセル認識モジュール。
【請求項4】
前記光源(62)によって生成される光のためのディフューザ(53)を備える、請求項3に記載のカプセル認識モジュール。
【請求項5】
一人分のカプセル(10)から淹出飲料を調製するための淹出モジュール(1)であって、
それ自体を通じて前記カプセル(10)を挿入可能なカプセル挿入開口部(11)を有する筐体(2)と、
第1の淹出モジュール部(3)およびこれに対して相対的に移動可能な第2の淹出モジュール部(4)とを備え、淹出プロセス中に淹出位置にある前記カプセルを少なくとも部分的に囲む淹出チャンバを前記第1および第2の淹出モジュール部によって形成可能であり、前記淹出モジュールは、淹出流体を前記カプセル内に導入することによって淹出飲料を淹出して前記淹出飲料を前記カプセルから排出するように設計されており、
請求項1〜4のいずれか1項に記載のカプセル認識モジュールを備える、淹出モジュール(1)。
【請求項6】
前記カプセル認識モジュールは、前記カプセル認識位置が鉛直方向で前記淹出位置の上方になるように配置されている、請求項5に記載の淹出モジュール。
【請求項7】
前記第1および第2の淹出モジュール部(3,4)は、3つの異なる定められた位置の間で互いに相対的に移動可能であり、
前記淹出チャンバは第1の位置に形成され、
前記第1の位置から第2の位置への移動後に、前記淹出チャンバに位置する前記カプセルは重力の影響で下方向にカプセル容器(95)の中へと落下し、ただし、前記第2の位置において、前記淹出モジュール部は、前記カプセル挿入開口部(11)を通じて挿入されたカプセルが、カプセル認識位置で、鉛直方向において前記淹出位置の高さよりも高い位置で保持されるという効果を有し、
第3の位置において、前記カプセル認識位置にあるカプセルは、ここから実質的に前記淹出位置の高さまで落下することが可能であり、
前記第2の位置は、前記第1の位置と前記第3の位置との間である、請求項6に記載の淹出モジュール。
【請求項8】
前記第1の淹出モジュール部(3)に対する前記第2の淹出モジュール部(4)の可動性により、純粋に直線状の相対移動が可能になる、請求項5〜7のいずれか1項に記載の淹出モジュール。
【請求項9】
水供給部と、ポンプ(92)および水加熱手段(93)と、請求項1〜4のいずれか1項に記載のカプセル認識モジュール(5)および/または請求項5〜8のいずれか1項に記載の淹出モジュールとを備える、特にコーヒーマシンである飲料調製マシン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば、挽いたコーヒーなどのカプセルに含まれている抽出材料から飲料などを調製するための抽出器具に関し、特に、抽出器具のための淹出モジュール、カプセル認識モジュール、およびそのような淹出モジュールおよび/またはカプセル認識モジュールを有する飲料調製マシンに関する。
【背景技術】
【0002】
一人分のパッケージ内の抽出材料から飲料などを調製する抽出器具は、たとえば、コーヒーマシンまたはエスプレッソマシンとして知られている。対応する多くのシステムでは、一人分のパッケージはカプセルとして設計され、カプセルでは、抽出材料はたとえば気密状態で密封されている。抽出のために、カプセルには、たとえば互いに反対側である両側に穴があけられている。通常熱水である抽出流体は、第1の側で導入される。抽出品は、第2の側でカプセルから排出される。これは、いわゆる淹出モジュールにおいて行なわれる。そのようなモジュールは、カプセルが収容される淹出チャンバを備える。カプセルを挿入し、レバーを操作することによって手動で、または電動式で自動的に淹出チャンバを閉鎖する際に使用される淹出モジュールは、特に普及しており、淹出チャンバが新たに開放されて淹出手順を行なった後に、カプセルは淹出チャンバから自動的に取り出されてカプセル容器の中へと排出される。自動カプセル排出部を有するこのような淹出モジュールは、一般に、水平淹出モジュールとして設計されている、すなわち、カプセルは上部から挿入することが可能で、淹出チャンバの閉鎖は2つの淹出チャンバ部の水平相対移動であり、淹出流体は基本的に水平方向に流れ、カプセル容器は淹出チャンバの下方で形成される。
【0003】
この文脈で問題になる領域は、カプセルに添えられた情報に依存した淹出プロセスを作動させるためのカプセルの特徴の検出、たとえば、この情報の読出しに関する。これに関する限り、カプセルに好適な記号または色の組み合わせを設け、光学的にこれを検出することも可能である。これは、たとえばカメラを用いて実行可能である。しかしながら、淹出チャンバのすぐ近くで行われるそのようなプロセスに関しては、実施上の問題がある。一方では、淹出チャンバによって放散される熱ならびに水蒸気および汚染のために、カメラを淹出チャンバからできるだけ遠くに、これから遮蔽された態様で取り付けることが望ましい。他方では、たとえば窓状の対応する遮蔽物は、特に曇っているまたは汚れている場合は、読出しプロセス自体をより複雑にし得る。そのような曇りや汚染に取り組む通常の対策としてはコーティングがあるが、しかしながら、それらの効果は、淹出チャンバの環境では限定的なものでしかない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、現行の技術水準の欠点を克服し、淹出プロセスの前に、使用される一人分のカプセルの特徴を検出できる飲料調製マシンを、可能な限りシンプルな設計で提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によると、一人分のカプセルから淹出飲料を調製するための淹出モジュール用のカプセル認識モジュールが提供される。本カプセル認識モジュールは、カプセル認識位置にあるカプセルの光学的な特徴を検出するための、特にカメラである光学センサと、透明な材料で形成された、カプセル認識位置とカメラとの間にあるカプセル認識窓と、カプセル認識窓の、カプセル認識位置に向けて、空気の流れを生み出すファンとを備える。
【0006】
これは、カプセル認識の信頼性は、一方の淹出チャンバと他方のカプセル認識位置が隔離されている状態でも、カプセル認識窓が曇ることによって損なわれ得るという認識に基づいている。特に、淹出プロセスが終了して淹出チャンバが開放された後で、熱蒸気が上方向に立ち上ってカプセル認識窓を曇らせることを避けるのはほぼ不可能である。カプセル認識窓がそのように曇ることを、ファンによって効果的に防止することができる。カプセル認識の信頼性を、それ自体はいたってシンプルであるこのような対策によって大幅に改善できることが分かっている。
【0007】
窓が「透明の」材料で形成されているということは、窓が電磁スペクトルの全可視範囲に対して完全に透明でなければならないということを表しているのではない。むしろ、光学センサが感知できる電磁スペクトルの一部のみに対して透明であり、この光学センサの場合、カプセルは光学的に読取り可能な特徴を備えている。このため、考慮されるのは、特に、可視波長範囲または赤外線領域の光である。
【0008】
ここで、「ファン」はアクティブファン、すなわち、エネルギーを精力的に投入することによって空気を動かすファン、特に電動ファンと理解すべきである。特に、ファンは、カプセル認識窓の前方の領域と飲料調製マシンの環境との間で空気を運ぶ換気扇として設計可能である。
【0009】
ファンは目標とする態様で作動させることができ、たとえば、カプセル認識プロセスの間および/または淹出プロセスに続く各場合においてファンのみが動作するように、ファンを作動させることが可能である。飲料調製マシンの操作上の準備が完了した状態で、永久的な動作も可能である。
【0010】
カプセル認識モジュールによって、特に、挿入されたカプセルがそもそも飲料調製マシンでの使用に適しているか否かを第1に判断することが可能であり、これ自体は知られている。第2に、認識されたカプセルの特徴に基づいて、たとえばディスプレイを介して、ユーザに対応する情報を送出する可能性がある。たとえば、飲料の種類(コーヒー、紅茶など)、部類(たとえば、「100%アラビカ」)、推奨される調製法(たとえば、「エスプレッソ」、「リステロット」、「ルンゴ」など)、および/または他の情報を表示することができる。第3に、淹出のためのコーヒーマシンによって実行されるプログラムを、認識されたカプセルの部類、たとえば、淹出圧力に基づいて選択することができ、淹出時間ならびに場合によっては、温度および/または他の特徴は、挿入されたカプセルがリステロット、エスプレッソまたはルンゴなどの調製を想定したものであるかどうかによって設定することができる。
【0011】
好適な光学的に読み取り可能な特徴は、たとえば、バーコード、2Dマトリックスコード(たとえば、QRコード(登録商標)またはAztecコード)、絵文字(アイコン)、および/または特定の着色剤である。ヨーロッパ特許出願14197487.3および14197488.1および/または14197489.9に記載のコードも同様に考慮に入れる。
【0012】
実施形態では、カプセル認識窓は、カプセル認識位置と光学センサとの間の軸に対して非直角に配置されている。
【0013】
ここでは、カプセル認識位置と光学センサとの間の軸は光学的な意味における軸と理解されるべきであり、すなわち、カプセル認識位置とセンサとの間の光偏向手段の場合は、軸は必ずしも直接連結部に対応しないが、カプセル認識位置でカプセルのカメラによって検出される表面の中央からセンサの中央までの最も短い経路に沿って通過する光ビームのビーム経路に対応する。光学センサがカメラ光学部品を有するカメラである場合は、軸はカメラ光学部品の光軸(対称軸)と一致し得る。
【0014】
カプセル認識窓の、窓を通じた経路の場所における軸の垂線に対する角度は、特にそのような実施形態では少なくとも10°、特に少なくとも15°である。
【0015】
カプセル認識モジュールは、たとえば、カプセル認識位置でカプセルを照射するための少なくとも1つの光源をさらに備える。そのような光源は、光学センサの場合と同様に、カプセル認識窓によって蒸気および汚染から保護されるように、カプセル認識窓の後ろ側に、すなわち、カプセル認識窓の、光学センサ側に配置することが好ましい。
【0016】
そのような光源は、たとえばLEDまたは多数のLEDでもよい。
光ディフューザが、特にカプセルの表面がわずかに反射を生じさせるように作用する場合にカプセルで反射が発生するのを防ぐために、光源とカプセル認識位置との間に、たとえば、同様に窓の背後に存在し得る。
【0017】
特に光源とディフューザは、光学センサと、予想される光軸とに対して周辺に配置可能である。ディフューザは、たとえば、カメラ光学部品を取り囲み得る。
【0018】
軸に対して非直角なカプセル認識窓を用いた任意の手順に窓における光源の反射を光学センサの場所から見えないようにするという利点があるのは、特に、カプセル認識窓の背後に配置された光源との組み合わせにおいてである。したがって、そのような反射の干渉の影響がないので、光学センサを大変高感度に設定することができる。
【0019】
カプセル認識モジュールは、淹出モジュールの一部として使用することができる。
実施形態において、そのような淹出モジュールは、さらに以下の構成要素を備え得る。
【0020】
それ自体を通じて、たとえば定められた向きでカプセルを挿入可能なカプセル挿入開口部を有する筐体。
【0021】
第1の淹出モジュール部およびこれに対して相対的に移動可能な第2の淹出モジュール部。淹出プロセス中に淹出位置にあるカプセルを少なくとも部分的に囲む淹出チャンバを、第1および第2の淹出モジュール部によって形成可能である。淹出モジュールは、淹出流体をカプセル内に導入することによって淹出飲料を淹出して淹出飲料をカプセルから排出するように設計されている。
【0022】
第1および第2の淹出モジュール部は、3つの異なる定められた位置の間で互いに相対的に移動可能である。
【0023】
淹出チャンバは第1の位置に形成される。
第1の位置から第2の位置への移動後に、淹出チャンバに位置するカプセルは重力の影響で下方向にカプセル容器の中へと落下する。ただし、第2の位置において、淹出モジュール部は、カプセル挿入開口部を通じて挿入されたカプセルが、カプセル認識位置で、鉛直方向において淹出位置の高さよりも高い位置で保持されるという効果を有する。
【0024】
第3の位置において、カプセル認識位置にあるカプセルは、ここから実質的に淹出位置の高さまで落下することが可能である。
【0025】
第2の位置は、第1の位置と第3の位置との間である。
第1の位置は、したがって淹出チャンバの閉状態に対応する。第2の位置では、淹出チャンバは下部に開口するが、ある程度カプセルの挿入のために上部に閉鎖されていて、第3の位置でのみ、上部および下部に完全に開口する。
【0026】
これらの実施形態では、淹出モジュール部が第3の位置にあるときにカプセルがカプセル認識位置から落下する位置は、まさに淹出位置であり得る。しかしながら、カプセルが特に淹出位置の鉛直高さで中間位置に落下し、淹出チャンバの閉鎖によって、すなわち、淹出モジュールの第1の位置内への搬送によって行われるまでは、淹出位置に移動されないと想定することも可能である。
【0027】
これらの実施形態では、第1、第2、および第3の位置は、停止および/またはラッチ位置などによって機械的に定めることが可能である。淹出モジュール部が、カプセル挿入開口部を通じて挿入されたカプセルがカプセル認識位置で淹出位置の鉛直方向上方で停止されるという効果を有することは、たとえば、淹出モジュール部のうちの一方の、特に移動淹出モジュール部の静止部によって成し遂げられる。そのような静止部は、カプセルがさらに下方に落下し得ない程度にカプセル認識位置から下方向の挿入経路を遮ることが可能である。それ自体として知られているように、カプセルが好適な横方向案内手段によってそれ自体の向きが案内される場合は、これは、第2の位置で挿入経路にほんのわずかだけ突出する移動淹出モジュール部の一部によって可能になる。このために、特に淹出モジュールは、静止部が淹出モジュール部の残りの部分に固定的に接続され、たとえば、これと一体的に設計すらされるように設計されることが可能であるため、静止部と淹出チャンバを共に形成する淹出モジュール部の部分との間の移動部なしで済ませることができる。実施形態では、上側で他方の淹出モジュール部に向けて突出する一方の淹出モジュール部の要素が静止部を形成する。
【0028】
特に、淹出モジュール部の互いに対する相対的な移動は直線移動、すなわち、軸に沿った並進運動である。本発明に係る手順のために、淹出モジュール部の旋回性は必ずしも必須ではないが、除外されるものでもない。
【0029】
特に、淹出モジュールは水平淹出モジュールとして設計されていて、特に移動軸は基本的に水平軸である、すなわち、飲料調製マシンが配設される表面に対して平行に延びている、または、たとえば最大で20°の角度までこれに対して概ね平行である。
【0030】
実施形態では、特に淹出モジュール部の互いに対する相対的な移動のための駆動装置は、電気駆動装置である。これらの実施形態では、第1、第2、および/または第3の位置、特に第2の位置は、それぞれの実施形態によっては、所定の移動経路において淹出モジュール部を互いに対して相対的に移動させるようにプログラムされた電気駆動装置を用いて電子的に定めることも可能である。そのような実施形態では、電気駆動装置の場所に関して、飲料調製マシンの他の場所に存在していて、たとえば、マシン全体の起動に統合されている場合であっても、電気駆動装置の起動も同様に、たとえば、淹出モジュールに属する。特に駆動装置の起動は、次のカプセルについてのカプセル認識手順が淹出手順中にすでに行われていない限り、カプセル認識手順が終了するまで第3の位置への移動が可能にならないように、かつ淹出手順の実行後に淹出モジュール部が常に第1の位置から第2の位置へ移動するように、プログラム可能である。
【0031】
多くの実施形態では、淹出モジュール部のうちの一方(以降、「静止淹出モジュール部」、たとえば、排出装置)が筐体に固定されるように組み立てられている一方で、他方の淹出モジュール部(以降「移動淹出モジュール部」、たとえば、注入部)は位置間で移動される。これにより、淹出モジュール部の互いに対する相対移動は、移動淹出モジュール部のみの移動によって可能になる。
【0032】
また、本発明は、本発明に係るカプセル認識モジュールを有し、たとえば前述のさらなる特徴を有する淹出モジュール、およびそのようなカプセル認識モジュールを有する飲料調製マシンに関する。
【0033】
本発明の実施形態例は、以降図面によって説明される。図面では、同じ参照番号は同じまたは類似の構成要素を表す。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】淹出モジュールの側面図である。
図2図1の淹出モジュールの断面図であり、図3の面II−IIに沿った断面図である。
図3図1の淹出モジュールを上から見た図である。
図4図1図3に係る淹出モジュールの構成要素の分解図である(筐体部のいくつかは示されていない)。
図5】動作の異なる段階での各場合における、図1図3に係る淹出モジュールの断面図である。
図6】動作の異なる段階での各場合における、図1図3に係る淹出モジュールの断面図である。
図7】動作の異なる段階での各場合における、図1図3に係る淹出モジュールの断面図である。
図8】動作の異なる段階での各場合における、図1図3に係る淹出モジュールの断面図である。
図9】動作の異なる段階での各々の場合における、図1図3に係る淹出モジュールの断面図である。
図10】排出装置の実行可能な実施形態の詳細を示す図である。
図11】上側に位置する、カプセル認識モジュールを有する淹出モジュールの構成要素を示す分解図である。
図12】カプセル認識モジュールのカメラユニットの分解図である。
図13】飲料調製マシンの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1図3に係る淹出モジュール1は外部淹出モジュール筐体2を備えており、淹出モジュールの構成要素は図4で分解図で示される(いくつかの構成要素、特に筐体部は省略されている)。示された実施形態例では、これは上部筐体部(カプセル認識筐体)および下部筐体部(淹出チャンバユニット筐体)で構成される。具体的には排出装置3および注入部4であり、互いに相対的に移動可能な2つの淹出モジュール部は、淹出モジュール筐体2において案内される。
【0036】
注入部4は、カプセル10に穴をあけるための穿孔要素を備える。カプセルは、挿入開口部11を通じて淹出モジュール内に導入可能で、たとえば、挽いたコーヒーなどの抽出材料で少なくとも部分的に満たされている。注入部4は、たとえば熱水などの流体を、穿孔要素を通じてまたはこれらを通り越して穴があけられたカプセル内に導入するように設計されており、水はたとえば、可撓性の管を備え得る水供給部12を介して供給することができる。
【0037】
ここで説明される実施形態例では、排出装置3は穿孔要素、具体的には抽出側穿孔先端部39も備える。これらは、たとえば、WO2015/039258もしくはWO2010/118544に説明されているように設計可能であり、または、別の設計を有していてもよい。穿孔先端部以外の原理、たとえば、格子状の構造を有する例の適用も可能である。
【0038】
排出装置は、さらに案内手段31を備える。案内手段は、たとえばWO2015/048914で説明されているように、カプセルの両側で注入部側に向かって突出している。WO2015/048914の内容は、これらの案内手段が機能する態様およびここで明確に述べられている注入部の各回収手段に関する。
【0039】
それ自体が知られているように、淹出飲料を調製するために、カプセルが排出装置3と注入部4との間に配設され、排出装置3と注入部4とは、カプセルを取り囲む淹出チャンバがこれらの間に形成されるように互いに向けて移動される。熱水は加圧下で注入部を通じてカプセルに供給され、抽出品は排出装置3の中を流れ、飲料出口13を介して、たとえばその下部に配設された飲料容器の中へと流入する。
【0040】
ここで説明される実施形態例における淹出モジュール部、すなわち、排出装置および注入部の相対移動は、排出装置3が筐体に固定されるような態様で組み立てられることによって行われる一方で、注入部4は水平軸に沿って移動可能である。注入部は、電動式で駆動されるトグルレバーを介して駆動することが可能である。電動機(図示されていないが、たとえば、駆動筐体25によって覆われている)と接続しているピニオンシャフト24が、第1のトグルレバーアーム21に回転可能に固定された態様で接続された鋸歯状のドライブディスク20を駆動する。その結果、その軸26を中心としたドライブディスク20の旋回運動により、第1のトグルレバーアーム21も同様にこの軸を中心として旋回される。第2のトグルレバーアーム22が一方側でトグルレバーボルト23を介して第1のトグルレバーアーム21に接続し、他方側で、注入部4のガイドピン41と協動する。注入部は、実質的に水平な軸に沿って直線状にのみ移動できるように筐体によって搭載されているため、ドライブディスクおよび第1のトグルレバーアームの旋回運動によって、トグルレバーによって形成されるトグル連結部が伸長可能である、または、急角度で屈曲可能であり、これにより、注入部4は直線状に移動可能である。
【0041】
排出装置3および注入部4を有する淹出チャンバユニットの上方で、淹出モジュールはカメラを有するカプセル認識モジュール5を備える。この構造および機能態様は以下でさらに詳細に説明する。
【0042】
動作の過程は図5図9によって説明される。
カプセル10を挿入するとき、注入部4は、図5に示すように、たとえば第2の位置に存在する。この位置では、淹出チャンバは開放されているが、注入部は、注入部4の静止部42が側方ガイド28によって挿入開口部11に案内されるカプセル10を、図6に示すカプセル認識位置に引き留める程度にのみ、注入部側に後退させられる。
【0043】
さらに以降で説明されるカプセルの認識は、カプセル10が図6に係るカプセル認識位置にある間に実行される。そのカプセルの認識の際に、たとえば、注入側に面するカプセル(カプセル基部)の面に存在する光学的特徴が検出される。
【0044】
場合に応じておよびカプセル認識の結果に応じて、注入部4は、続いて注入側に向かってさらに移動されて、図7に示す第3の位置内へと移動する。これによって静止部はカプセルから離れていき、カプセルは下方向に落下可能である。カプセルは、横方向案内手段31の台によって、淹出位置の高さで停止される。これは、たとえば台35によって可能であり、この上にカプセルのカラーおよびまたは他の部分が位置し、このカプセルが下方向に落下するとき、(第1の)トラック33が側方ガイド28に接続した状態で案内される。この原理は図10に示され、WO2015/048914で詳細に説明されている。
【0045】
次に、淹出チャンバは、ユーザによってまたは自動的に起動された後に閉鎖され、そのために、注入部は第3の位置から第1の位置に移動される。図8は、注入部が第1の位置にある状態の淹出モジュールを示す。カプセル10は両側で穴をあけられ、淹出プロセスが、たとえば熱水が加圧下でカプセル内に導かれることによって行なわれる。たとえば淹出チャンバを閉鎖すると、カプセルのカラーも上記の第1のトラック33から移動される。
【0046】
必要に応じて、さらなるカプセル10´を淹出プロセス中に挿入しておくことが可能であり、その後、このさらなるカプセルは上記の静止部42またはさらなる静止部43上に位置し、カプセル認識位置に留まる。したがって、第2のカプセル10´を、第1のカプセル10の淹出プロセス中に認識しておくことが可能である。
【0047】
注入部は、淹出プロセスが終了した後に第2の位置内へと戻される。使用済みのカプセル10は、下方向にカプセル容器の中へと落下可能である(図9)。
【0048】
使用済みのカプセルが下方向に落下可能であるのは、同じくWO2015/048914に同様に記載されているように、淹出プロセス後のカプセルの位置が、挿入後のカプセルの位置からずれていることにより、カプセルは台35の上には載っておらずたとえばカラーが第2のトラック36によって案内されるからである。よって、選択肢として、第2のトラック36が第1のトラック33からさらに注入側に延在していてもよく、その逆でもよい。
【0049】
WO2015/048914に係るこの手順の代わりに、たとえば、淹出プロセスが終了した後に横方向案内手段を外方向に向かって旋回させること、または、淹出チャンバを閉鎖する際および/または淹出プロセスの後で開放する際に、保持もしくは案内手段を他の態様でカプセルに対して移動させることも考えられる。
【0050】
淹出手順中に行われる第2のカプセルのカプセル認識プロセスがすでに終了している場合は、第1の位置から第2の位置への移動の代わりに、第3の位置への直接の移動も可能である。
【0051】
図11は、筐体2のそれぞれの部分を備えるカプセル認識モジュールを分解図で示す。図12は、カメラの各部およびカプセル認識モジュールの照射手段の各部を同様に分解図で示す。それぞれの構成要素のなかには、図5でも示されているものもある。
【0052】
淹出手順の後で、水蒸気も淹出位置の上方の領域に入り込み、カプセル認識位置の周囲に入り込む。したがって、カプセル認識モジュールは、カメラユニットに加えて、カメラを、場合によっては他の光学部品または電子部品を、水蒸気が入り込む可能性のある領域から分離するカプセル認識窓52を備える。
【0053】
とりわけ、光源としてのいくつかのLED62が回路基板57に配置され、カプセル認識プロセス中は、LEDによって、ディフューザ53(図5も参照)およびカプセル認識窓52を介してカプセルに照射される光が生成される。好適な、光学的に読み取り可能な特徴、たとえば、バーコード、2Dマトリックスコード(たとえば、QRコード(登録商標)またはAztecコード)、他の定義されたコード、絵文字(アイコン)および/または特定の着色剤がカプセル上に存在する。
【0054】
光源によって照射されるカプセルの側面はカメラによって検出され、カメラにおいて、または、たとえばコーヒーマシンに同様に存在する別のモジュール(図示せず)によって評価される。
【0055】
この目的で照射されたカプセルから反射された光は、カプセル認識窓52およびディフューザ53のディフューザ窓54を通過して(ディフューザ効果はディフューザ窓54の周囲のみに存在し、ディフューザ窓54自体は透明である)、アパーチャ58、少なくとも1枚のレンズ59、たとえばCCDまたはCMOSセンサアレイなどのカメラセンサ51を備え、同様に回路基板57上に存在するカメラに達する。
【0056】
ここで、ディフューザ窓54はディフューザ窓ホルダ55によって保持される。レンズ59はレンズ固定部60において案内され、レンズ固定部はそれ自体としては回路基板57上で組み立てられているレンズホルダ61によって保持されている。しかしながら、カメラ光学部品の機械的な詳細およびディフューザの設計は、すぐに、異なるように選択することも可能である。
【0057】
ディフューザ自体と一緒にカメラ電子機器をさらに保護する任意の光学密閉フレーム56が、ディフューザ53と回路基板57との間に存在する。
【0058】
カプセル認識位置については、ファンがカプセル認識窓52の前方に位置しており、これによって、カプセル認識手順中におよび/またはその前に、コーヒーマシンの外から空気を吸い込んで、筐体2のスロット71を通じてカプセル認識窓52の前方に吹き出すことによって、空気の流れを生み出す。
【0059】
たとえば、カプセル認識窓のさらなる特徴を図11に同様に示す。カプセル認識窓52は、カプセル認識位置とカメラセンサ51との間の軸65に対して非直角に配置される。これによって、光源の反射がカメラセンサ上のカプセルの画像に重なること、および、光源の反射によって評価の品質が低下することが効果的に防止される。カプセル認識窓の平面の、軸65「カプセル認識位置‐カメラセンサ」(各場合において、カメラセンサの表面の中間およびカプセル認識位置にあるカプセルを通る軸として定義されている。図5参照。軸65は、カメラの光軸と一致し得る。)の垂線に対する角度は、たとえば少なくとも10°、特に少なくとも15°である。
【0060】
淹出モジュールを有する、一人分のカプセルから淹出飲料を調製するための本発明に係るマシン、ここでは具体的にはコーヒーマシンが、図13に概略的に示されている。淹出モジュールのほかに、マシンは、水タンク91、淹出水を注入部4に供給するためのポンプ92、および水加熱装置93(たとえば、連続フローヒータ)を備える。特にカメラ50を有するカプセル認識モジュール5は、淹出チャンバ上方に位置している。カプセル認識プロセスの後で、挿入されたカプセルを、すでに述べたように重力の影響によってさらに下方向に搬送することができる。さらに、淹出プロセス中にカプセル1が落下するまたは搬送されるカプセル容器95が、淹出モジュールの下方に配置されている。参照符号98は、コーヒーカップを示す。
【符号の説明】
【0061】
参照番号のリスト
1 淹出モジュール
2 筐体
3 排出装置
4 注入部
5 カプセル認識モジュール
10 カプセル
10´ 第2のカプセル
11 挿入開口部
12 水供給部
13 飲料出口
20 ドライブディスク
21 第1のトグルレバーアーム
22 第2のトグルレバーアーム
23 トグルレバーボルト
24 ピニオン軸
25 駆動筐体
26 軸
28 ガイド
31 案内手段
33 第1のトラック
35 台
36 第2のトラック
39 抽出側穿孔先端部
41 ガイドピン
42 静止部
43 さらなる静止部
50 カメラ
51 カメラセンサ
52 カプセル認識窓
53 ディフューザ
54 ディフューザ窓
55 ディフューザ窓ホルダ
56 密閉フレーム
57 回路基板
58 アパーチャ
59 レンズ
60 レンズ固定部
61 レンズ保持部
62 LED
65 軸
70 ファン
71 スロット
91 水タンク
92 ポンプ
93 水加熱装置
95 カプセル容器
98 コーヒーカップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13