特許第6644840号(P6644840)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6644840転倒検知装置及びその転倒検知装置を備えた監視システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6644840
(24)【登録日】2020年1月10日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】転倒検知装置及びその転倒検知装置を備えた監視システム
(51)【国際特許分類】
   E01F 9/688 20160101AFI20200130BHJP
   G08B 21/00 20060101ALI20200130BHJP
   E01F 9/623 20160101ALI20200130BHJP
   E01F 13/02 20060101ALI20200130BHJP
【FI】
   E01F9/688
   G08B21/00 U
   E01F9/623
   E01F13/02 A
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-147231(P2018-147231)
(22)【出願日】2018年8月3日
(65)【公開番号】特開2020-20245(P2020-20245A)
(43)【公開日】2020年2月6日
【審査請求日】2018年8月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】597165618
【氏名又は名称】株式会社ネクスコ東日本エンジニアリング
(73)【特許権者】
【識別番号】501084031
【氏名又は名称】株式会社システム・ケイ
(74)【代理人】
【識別番号】100118728
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 圭二
(74)【代理人】
【識別番号】100114638
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 寛也
(74)【代理人】
【識別番号】100145126
【弁理士】
【氏名又は名称】金丸 清隆
(72)【発明者】
【氏名】菅原 剛
(72)【発明者】
【氏名】福馬 誠士
(72)【発明者】
【氏名】堀 靖二
【審査官】 荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3032304(JP,U)
【文献】 特開2003−253630(JP,A)
【文献】 特開2013−083113(JP,A)
【文献】 特開平02−108705(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3065903(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01F 1/00
E01F 13/00−15/14
E01F 9/00−11/00
G08B 19/00−21/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動部材の押下動作又は押下解除動作によって転倒検知信号を無線送信するスイッチ機構と、
支軸を中心に回動可能に設けられ、前記可動部材を押下又は押下解除する作動部を備えた作動部材と、
前記作動部材の接地部を下方に突出させる方向に付勢する弾性部材と、
を有し、前記作動部材は、前記支軸からの回動半径が前記接地部の回動半径の半分より小さくなる位置に作動部を設けている転倒検知装置。
【請求項2】
ラバーコーンのベース部に着脱自在に装着される転倒検知装置であって、
可動部材の押下動作又は押下解除動作によって転倒検知信号を無線送信するスイッチ機構と、
支軸を中心に回動可能に設けられ、前記可動部材を押下又は押下解除する作動部を備えた作動部材と、
前記作動部材の接地部を下方に突出させる方向に付勢する弾性部材と、
前記スイッチ機構を収容するケースと、
前記ケースの底面より下方に突出して設けられ、前記ベース部の底面に係止される一対の係止片と、
前記一対の係止片に架け渡されたバネ部材と、
を有する転倒検知装置。
【請求項3】
前記スイッチ機構は、前記可動部材の押下動作又は押下解除動作に伴って発電する電磁誘導型発電素子を備えた請求項1又は2に記載の転倒検知装置。
【請求項4】
可動部材の押下解除動作に伴って発電する電磁誘導型発電素子を備えるスイッチ機構と、
支軸を中心に回動可能に設けられ、前記可動部材を押下又は押下解除する作動部を備えた作動部材と、
前記作動部材の接地部を下方に突出させる方向に付勢する弾性部材と、を有し、
該弾性部材は、前記可動部材に対して該可動部材の押下状態を解除する方向に付勢するように前記スイッチ機構に設けられ、前記スイッチ機構は、該可動部材の押下解除動作によって転倒検知信号を無線送信する転倒検知装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項の何れか一項に記載の転倒検知装置を備えた監視システムであって、前記転倒検知信号を受信して警報音又は/及び振動を発生させる受信機を備えた監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラバーコーンなどの被検知体の転倒を検知する転倒検知装置及びその転倒検知装置を備えた監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ラバーコーンは、ゴム又は合成樹脂で円錐状に形成された道路標識であり、道路や工事現場などの規制や区分けを目的として設置される。道路に設置されたラバーコーンは、車両の接触や強風などによって転倒することがあり、転倒状態を放置しておくと後続車両の通行に支障があるため、定期的に係員が見回りをする必要があった。
【0003】
そのため、ラバーコーンの振動や傾きを検知して転倒などの異常を検知する検知手段を備えた様々な道路標識が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、特許文献2には、ラバーコーンのベースプレートの4つの角に突出部を有し、これらの突出部の上部に接触子を設置した転倒検出部が設けられ、転倒時に何れかの接触子が設置面に接触することで転倒を検知する道路標識が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−301429号公報
【特許文献2】特開2013−83113号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1などに記載の道路標識は、振動や傾きなどを検知するためのセンサの構成が複雑であるのみならず、転倒などの異常を検知し、警告を表示したり警告を送信したりするための電源が必要であることから、設置及び維持のためのコストが嵩むという問題があった。
【0006】
また、引用文献2に記載の道路標識は、突出部の上部に設置した接触子が設置面に接触することで転倒を検知しているために、多角形状のベースプレートの全ての角に転倒検出部を設ける必要があり、部品数が多くなると共にコストが嵩むという問題があった。また、引用文献2に記載の道路標識も、転倒検出部や警告部に電力を供給するための電源が必要であった。
【0007】
そこで、本発明は、簡単な構成で且つ電源も不要で、ラバーコーンなどの被検知体の転倒を検知することができる転倒検知装置及びその転倒検知装置を備えた監視システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するために、可動部材の押下動作又は押下解除動作によって転倒検知信号を無線送信するスイッチ機構と、支軸を中心に回動可能に設けられ、前記可動部材を押下又は押下解除する作動部を備えた作動部材と、前記作動部材の接地部を下方に突出させる方向に付勢する弾性部材と、を有する転倒検知装置を提供するものである。
【0009】
また、本発明の転倒検知装置は、前記スイッチ機構が前記可動部材の押下動作又は押下解除動作に伴って発電する電磁誘導型発電素子を備えたものである。
【0010】
また、本発明の転倒検知装置は、前記弾性部材が前記可動部材に対して該可動部材の押下状態を解除する方向に付勢するように前記スイッチ機構に設けられ、前記スイッチ機構は、該可動部材の押下解除動作によって前記転倒検知信号を無線送信するものである。
【0011】
また、本発明の転倒検知装置は、前記作動部材において前記支軸からの回動半径が前記接地部の回動半径の半分より小さくなる位置に作動部を設けたものである。
【0012】
また、本発明の転倒検知装置は、ラバーコーンのベース部に着脱自在に装着される上記の装置であって、前記スイッチ機構を収容するケースと、前記ケースの底面より下方に突出して設けられ、前記ベース部の底面に係止される一対の係止片と、前記一対の係止片に架け渡されたバネ部材と、を備えたものである。
【0013】
また、本発明は、上記の転倒検知装置を備えたシステムであって、前記転倒検知信号を受信して警報音又は/及び振動を発生させる受信機を備えた監視システムを提供するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の転倒検知装置は、可動部材の押下動作又は押下解除動作によって転倒検知信号を無線送信するスイッチ機構と、支軸を中心に回動可能に設けられ、前記可動部材を押下又は押下解除する作動部を備えた作動部材と、前記作動部材の接地部を下方に突出させる方向に付勢する弾性部材と、を有することにより、ラバーコーンなどの被検知体が正常に設置されているときには、被検知体の自重によって作動部材の接地部が押し上げられており、一方、被検知体が転倒したときには、弾性部材によって接地部が下方に突出する方向に作動部材が回動し、作動部が可動部材を押下又は押下解除することによって、スイッチ機構が転倒検知信号を無線送信するから、簡単な構成で確実に被検知体の転倒を検知することができる効果がある。
【0015】
また、本発明の転倒検知装置は、前記スイッチ機構が前記可動部材の押下動作又は押下解除動作に伴って発電する電磁誘導型発電素子を備えたことにより、可動部材の押下動作又は押下解除動作によって被検知体の転倒を検知し、その際に発電される電力を利用して転倒検知信号を無線送信することができるから、電源が不要であり、電源が設置されていないラバーコーンなどの被検知体に対しても、簡単に装着して転倒を検知することができる効果がある。
【0016】
また、本発明の転倒検知装置は、前記弾性部材が前記可動部材に対して該可動部材の押下状態を解除する方向に付勢するように前記スイッチ機構に設けられ、前記スイッチ機構は、該可動部材の押下解除動作によって前記転倒検知信号を無線送信することにより、構成を簡素化でき、コストを低減することができる効果がある。
【0017】
また、本発明の転倒検知装置は、前記作動部材において前記支軸からの回動半径が前記接地部の回動半径の半分より小さくなる位置に作動部を設けたことにより、スイッチ機構に設けられた弾性部材の弾性力によって設置部に作用する回動力が小さくなり、被検知体を持ち上げる方向に作用する力も小さくすることができる効果がある。
【0018】
また、本発明の転倒検知装置は、ラバーコーンのベース部に着脱自在に装着される上記の装置であって、前記スイッチ機構を収容するケースと、前記ケースの底面より下方に突出して設けられ、前記ベース部の底面に係止される一対の係止片と、前記一対の係止片に架け渡されたバネ部材と、を備えたことにより、被検知体であるラバーコーンのベース部に簡単且つ確実に装着することができる効果がある。
【0019】
また、本発明の監視システムは、上記の転倒検知装置を備えたシステムであって、前記転倒検知信号を受信して警報音又は/及び振動を発生させる受信機を備えたことにより、ラバーコーンなど被検知体の転倒を警報音や振動で確実に知らせることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係る転倒検知装置の使用例を示す斜視図。
図2】本発明に係る転倒検知装置の一実施例を示す斜視図。
図3】本発明に係る転倒検知装置の一実施例を示す分解斜視図。
図4】本発明に係る転倒検知装置の要部を示す分解斜視図。
図5】本発明に係る転倒検知装置の要部を示す断面図。
図6】本発明に係る監視システムの一実施例を示す構成図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の転倒検知装置1は、可動部材111の押下動作又は押下解除動作によって転倒検知信号を無線送信するスイッチ機構11と、支軸121を中心に回動可能に設けられ、前記可動部材111を押下又は押下解除する作動部122を備えた作動部材12と、前記作動部材12の接地部123を下方に突出させる方向に付勢する弾性部材と、を有する。
【実施例1】
【0022】
本発明の実施の形態を図示する実施例に基づいて説明する。図1は、本発明に係る転倒検知装置をラバーコーンに使用した実施例を示す斜視図である。
【0023】
図1に示す実施例において、転倒検知装置1は、ラバーコーン3のベース部32に着脱自在に装着される上記の装置であって、スイッチ機構11を収容する内ケース13と、その内ケース13を収容する外ケース14を設けている。外ケース14には、該ケースの底面より下方に突出して設けられ、ラバーコーン3のベース部31の底面に係止される一対の係止片151,151と、これらの係止片に架け渡されたバネ部材16と、を備えている。
【0024】
一般的にラバーコーン3は、円錐状の本体部31と板状のベース部32とで構成されている。ラバーコーン3は、本体部31にベース部32が着脱自在に設けられているものの他、本体部31とベース部32とが一体的に成形されていてもよい。本実施例において、ベース部32には、4つの角部及び各辺の中央部に脚部33を備えている。
【0025】
本実施例において、スイッチ機構11は、可動部材111に対して該可動部材111の押下状態を解除する方向に弾性力を付勢する弾性部材を備えると共に、可動部材111の押下動作及び押下解除動作に伴って発電する電磁誘導型発電素子を備えている。図4に示すように、スイッチ機構11は、向かい合う側面に一対の棒状の可動部材111を設けている。可動部材111は、上下方向に変位可能に設けてあり、スイッチ機構11に内蔵された弾性部材(図示ぜず)によって押下状態を解除する方向(図4及び図5の下方)に弾性力が付されている。
【0026】
また、スイッチ機構11は、可動部材111の押下動作及び押下解除動作に伴って、電磁誘導型発電素子により発電される電力を利用して信号を無線送信する低消費電力型の無線通信機構を備えている。スイッチ機構11は、可動部材111の押下動作と押下解除動作に伴って発電される電力のパルスの極性を検出し、押下時と押下解除時とでは異なる信号を無線送信するように構成している。本実施例において、転倒検知装置1は、可動部材111の押下解除動作に伴って送信される無線信号を転倒検知信号として設定している。
【0027】
また、スイッチ機構11は、転倒検知信号と共に信号が発信された転倒検知装置1を特定するための識別信号を無線送信する機能を備えていてもよい。このスイッチ機構11には、例えばEnOcean社製のPTM210Jを用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0028】
図4に示すように、作動部材12は、支軸121と、作動部122と、検出片124の先端に嵌着された接地部123と、を有する。作動部材12は、例えばステンレス製板材を成形してなり、支軸121を含む環状体と、支軸121の反対側に延設されて先端部に接地部123を嵌着した検知片124から構成されている。作動部材12は、環状体の支軸121側に、内ケース13と係合して位置決めされる位置決め孔125を備えている。
【0029】
また、作動部材12は、支軸121と直交する方向の環状体の両側部を、スイッチ機構11の両側面に設けられた可動部材111,111と同じ間隔で形成すると共に、該側部の中央部より検知片124側を切り欠いて、作動部122を形成している。作動部材12は、図5に示すように、支軸121を中心に回動したとき、作動部122がスイッチ機構11の可動部材111の中央部を押圧して、可動部材111を押下操作する。また、作動部122は、作動部材12において、支軸121からの回動半径が接地部123の回動半径の半分より小さくなる位置に形成されている。
【0030】
内ケース13は、内ケース本体部131と蓋部132から構成され、スイッチ機構11と接地部123を除く作動部材12を収容している。内ケース本体部131は、作動部材12の位置決め孔125に係合する係合突起135と、作動部材12の検知片124をケース外に導くための開口部137と、スイッチ機構11を把持する把持突起138を備えている。開口部137には、作動部材12の検知片124を挿通させるための切り込みを設けたシールゴム133が嵌着されており、内ケース13内に埃や水が侵入するのを防いでいる。
【0031】
蓋部132には、作動部材12の支軸121を載置する載置台136が設けられている。内ケース本体部131と蓋部132との接合面にはシールリング134が設けられ、シールゴム133と共に内ケース13内に埃や水が侵入するのを防いでいる。
【0032】
スイッチ機構11は、把持突起138,138に把持されて、内ケース13内に収容されている。作動部材12は、位置決め孔125を係合突起135に係合させると共に、支軸121を載置台136に載置して、内ケース13内に収容されている。また、作動部材12は、弾性部材によって押下状態を解除する方向に弾性力を付勢された可動部材111によって、接地部123をラバーコーン3の底面より下方に突出させる方向に回動している。
【0033】
外ケース14は、外ケース本体部141と蓋部142で構成され、スイッチ機構11が収容された内ケース13を収容する。外ケース14は、ラバーコーン3のベース部32の角部上面に装着できるように、ベース部32の角部に沿った形状に形成してある。また、外ケース14の外周部には、作動部材12の検知片124をケース外に導くための間隙部143が設けられている。
【0034】
図3において、15は、例えばステンレス製板材で形成された取付部材であり、外ケース本体部141の上面に螺子19で固定される。取付部材15の両端部は、外ケース14の底面より下方に突出し、ラバーコーン3のベース部31の底面に係止される一対の係止片151,151を形成している。バネ部材16は、例えばステンレス製のスプリングで両端にフックが設けられており、該フックを係止片151に設けられた取付孔152に掛止して、一対の係止片151,151に架け渡されている。
【0035】
外ケース14には、スイッチ機構11を収容した内ケース13が収容され、螺子18で固定されている。また、蓋部142は、外ケース本体部141に螺子17で開閉可能に固定されている。なお、内ケース13及び外ケース14の構成は、本実施例の構成に限定されるものではなく、スイッチ機構11を収容するケースを内ケース13と外ケース14の二重に構成しなくてもよい。
[監視システム]
【0036】
図6は、本発明に係る監視システムの一実施例を示す構成図である。
【0037】
本発明の監視システムは、上術の転倒検知装置1を備えたシステムであって、転倒検知装置1から無線送信される転倒検知信号を受信して警報音及び振動を発生させる受信機2を有している。
【0038】
受信機2は、作業者が携帯可能な無線通信機器であって、転倒検知信号を受信したときに、振動を発生させる振動モータ21と、警報音を発生させるブザー22と、を備えている。受信機2は、スイッチ機構11の可動部材111の押下解除動作に伴って送信される無線信号を転倒検知信号として認識するように設定されている。また、受信機2は、警報音及び振動を停止させる停止ボタンを備えている。
【0039】
また、受信機2は、転倒検知装置1から転倒検知信号と共に無線送信される識別信号を受信し、ラバーコーン3の転倒状態を検知した転倒検知装置1の識別情報を表示する表示部を備えていてもよい。本監視システムは、複数の作業員が受信機2を携帯できるように、複数の受信機2を備えていてもよい。なお、受信機2は、作業員にラバーコーン3が転倒したことを知らせることができればよく、実施例の形態に限定されるものではない。
【0040】
次に、本監視システムによるラバーコーンの転倒検知方法について説明する。
【0041】
転倒検知装置1を装着したラバーコーン3を、道路や工事現場などの規制場所に設置する。このとき、転倒検知装置1は、ラバーコーン3の底面より下方に突出している作動部材12の接地部123が道路などの設置面に接地し、ラバーコーン3の自重によって検知片124が押し上げられ、作動部材12が支軸121を中心に回動する(図5の矢印方向)。スイッチ機構11は、作動部材12の回動に伴って、可動部材111が作動部122によって押され、押下状態になる。
【0042】
スイッチ機構11が可動部材111の押下動作に伴って送信する無線信号は、ラバーコーン3が正常に設置されていることを示す信号であるから、受信機2は該無線信号を受信しても警報音及び振動を発生させない。
【0043】
図6に示すようにラバーコーン3が転倒すると、該ラバーコーン3に装着された転倒検知装置1は、作動部材12の接地部123が道路などの設置面から離れることにより、作動部122に作用する回動力が無くなる。そのため、スイッチ機構11は、内蔵された弾性部材の弾性力によって可動部材111が押下状態から解除方向に変位する。このとき、スイッチ機構11は、可動部材111の押下解除動作に伴って転倒検知信号を無線送信する。
【0044】
受信機2は、スイッチ機構11から無線送信された転倒検知信号を受信すると、振動モータ21及びブザー22を作動させて、振動と共に警報音を発生させ、作業者にラバーコーン3が転倒したことを知らせる。受信機2は、作業者によって停止ボタンが押されると、振動モータ21及びブザー22の作動を停止させる。
【0045】
本発明の転倒検知装置1は、可動部材111の押下解除動作に伴って発電される電力を利用してラバーコーン3の転倒を検知すると共に、その電力を使用して転倒検知信号を無線送信することができるから、電源が不要となり、ラバーコーン3への装着が簡単でメンテナンスコストも低減することができる。
【符号の説明】
【0046】
1 転倒検知装置
2 受信機
3 ラバーコーン
10 転倒検知機構
11 スイッチ機構
12 作動部材
13 内ケース
14 外ケース
15 取付部材
16 バネ部材
31 本体部
32 ベース部
33 脚部
111 可動部材
121 支軸
122 作動部
123 接地部
図1
図2
図3
図4
図5
図6