特許第6644849号(P6644849)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6644849
(24)【登録日】2020年1月10日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】冷却乾燥空気の供給装置
(51)【国際特許分類】
   F04B 39/16 20060101AFI20200130BHJP
   A45D 20/00 20060101ALN20200130BHJP
【FI】
   F04B39/16 F
   !A45D20/00
【請求項の数】16
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2018-178099(P2018-178099)
(22)【出願日】2018年9月21日
【審査請求日】2018年12月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】517138812
【氏名又は名称】日本エアードライヤー販売株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085110
【弁理士】
【氏名又は名称】千明 武
(72)【発明者】
【氏名】川真田 博康
【審査官】 井古田 裕昭
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−148682(JP,A)
【文献】 特開平02−149209(JP,A)
【文献】 特開2002−239332(JP,A)
【文献】 特開平03−077616(JP,A)
【文献】 特開2016−056801(JP,A)
【文献】 特開2016−055280(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 39/16
A45D 20/00
B01D 45/08
B01D 53/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
清浄で乾燥した圧縮空気をエアーツールへ供給する供給管路に、気液を分離し圧縮空気を断熱膨張可能なエアードライヤを配置し、該エアードライヤより上流側に気液を分離可能な凝結器を配置した冷却乾燥空気の供給装置において、前記エアードライヤは、ドレン水を収容可能な有底筒状の筒状容器と、該筒状容器の上側開口部に装着したヘッドカバーと、該筒状容器内の上部に配置した中空の凝縮シリンダと、前記ヘッドカバーの内部に配置した供給管路に連通するインレットとアウトレットと、からなり、該アウトレットの空気通路に前記凝縮シリンダの上端部に突設した連結管を装着し、該凝縮シリンダ内の上部に複数の集気シリンダを配置し、該集気シリンダに前記アウトレットに連通する小孔状の貫通孔を形成し、圧縮空気を断熱膨張可能にする一方、前記凝結器はドレン水を収容可能な有底筒状の筒状容器と、該筒状容器の上側に装着したヘッドカバーと、該ヘッドカバーの内部に配置した供給管路に連通するインレットとアウトレットと、からなり、前記筒状容器内の上部に前記アウトレットに連通する中空筒状の凝結シリンダを配置し、該凝結シリンダ内の上面に圧縮空気を直接衝突可能に設け、凝結器から導入した圧縮空気をエアードライヤを介してエアーツールの複数の吹出口から吹き出し可能にしたことを特徴とする冷却乾燥空気の供給装置。
【請求項2】
前記エアーツールは、ヘアードライヤまたはヘアーブラシ、歯科医院の治療台に装備する治療機器の駆動用圧縮空気や治療患部への清浄用空気の設備や機器、建物内の人の通路への吹き出し用空気の設備や機器、生鮮食料品店や飲食店、レストランにおける食品の鮮度向上用の吹き出し空気の設備や機器である請求項1記載の冷却乾燥空気の供給装置。
【請求項3】
前記ヘアードライヤまたはヘアーブラシの圧縮空気の導通部にブラシホルダを配置し、該ブラシホルダの先端部にブラシ台を保持可能なブラシ枠を設け、該ブラシ枠にブラシホルダ内に連通する複数の貫通孔を形成し、前記ブラシ台にブラシホルダ内に連通する複数の吹出孔と通孔を形成し、前記ブラシ台の内側から複数のブラシ軸を有するブラシユニットを着脱可能に装着し、前記ブラシ軸を前記通孔に着脱可能に取付けた請求項記載の冷却乾燥空気の供給装置。
【請求項4】
前記エアードライヤと凝結器を建物の外壁に配置し、前記ヘアードライヤまたはヘアーブラシを屋内に配置した請求項記載の冷却乾燥空気の供給装置。
【請求項5】
前記エアードライヤを凝結器と同形に形成した請求項1記載の冷却乾燥空気の供給装置。
【請求項6】
前記エアードライヤの下流側に、前記エアードライヤと同形の1または複数のエアークリーナを配置した請求項1記載の冷却乾燥空気の供給装置。
【請求項7】
管状の支持部材を垂直または斜状に配置し、該支持部材の内部にエアードライヤと凝結器を上下に配置した請求項記載の冷却乾燥空気の供給装置。
【請求項8】
前記支持部材の上下端部をキャップを介して閉塞し、該支持部材を屋内外に設置可能にした請求項7記載の圧縮空気の気液分離装置。
【請求項9】
前記支持部材を軸方向に二つ割りした一対の支持ピースを接合して構成した請求項記載の冷却乾燥空気の供給装置。
【請求項10】
前記支持部材に前記供給管路を配管し、該供給管路に凝結器とエアードライヤ、および一または複数のエアークリーナを配置した請求項7記載の冷却乾燥空気の供給装置。
【請求項11】
冷却乾燥空気を使用する使用設備にクールドライボックスを設置し、該クールドライボックス内に凝結器とエアードライヤを収納した請求項1記載の冷却乾燥空気の供給装置。
【請求項12】
前記クールドライボックス内に前記凝結器とエアードライヤ、および1または複数のエアークリーナを収納した請求項11記載の冷却乾燥空気の供給装置。
【請求項13】
前記クールドライボックス内の下方に凝結器とエアードライヤを配置するとともに、クールドライボックスの底部に排出穴に連通する貫通穴を形成し、該貫通穴に凝結器とエアードライヤのそれぞれの排出管を配管した請求項11記載の冷却乾燥空気の供給装置。
【請求項14】
前記排出穴にエアーコンプレッサおよび/またはエアータンクに接続する圧縮空気導管を配管し、該圧縮空気導管の一端を前記凝結器に接続した請求項13記載の冷却乾燥空気の供給装置。
【請求項15】
前記凝結器とエアードライヤ、および/または1または複数のエアークリーナを接続する圧縮空気導管と空気導管とを、前記クールドライボックス内に配管した請求項11記載の冷却乾燥空気の供給装置。
【請求項16】
前記クールドライボックスを小形軽量で人力で持ち運び可能に構成した請求項11記載の冷却乾燥空気の供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばエアーコンプレッサ等で生成された圧縮空気を精度良く除湿かつ冷却して冷却・乾燥空気を安価かつ合理的に生成し、これをヘアードライヤ等のエアーツールや建物の通路、病院の治療台や歯科医院の治療機器、生鮮食料品店の食品展示ケースへ合理的に供給し、各種エアーツールの使用上の利便性を向上するとともに、医療および公衆衛生、公共の環境、食品の衛生を向上するようにした冷却乾燥空気の供給装置に関する
【背景技術】
【0002】
例えばヘアードライヤは、空気吸い込み口と空気吹き出し口とに連通する送風路内に、送風ファンと切換スイッチによって作動するヒ−タを備え、冷風と温風を切り換えて髪等の冷風乾燥や温風乾燥を行なえるようにしている。
【0003】
しかし、このような従来のヘアードライヤは、洗った髪を乾燥する際に温風を髪に吹き付けると、温風の熱によって髪を傷めて変色させてしまうことがあり、また夏の暑い時期に温風を吹き付けると、一層暑くなって不快になる不具合があった。
一方、冷風を吹き付けると髪を傷めることはないが、この場合の冷風は室温の空気を送風ファンによって吹き付ける程度のため、温度や湿度が高い場合は爽快感までは得られず、また髪を乾燥させるのにやや時間が掛かる等の問題があった。
【0004】
このような問題を解決するものとして、冷凍サイクル装置を内蔵したケースの風吹き出し口にホースの一端を取付け、その他端にドライヤーを取付けて、ドライヤーから冷風を吹き出し、洗った髪を傷めることなく乾燥するようにしたドライヤー装置がある(例えば、特許文献1参照)。
しかし、このドライヤー装置は冷凍サイクル装置を内蔵しているため、大形重量化して高価になる問題があった。
【0005】
また、上記問題を解決するものとして、室外にコンプレッサと圧縮空気を貯留する空気タンクを設置し、前記圧縮空気を減圧弁を介して理容室内の配管に導入し、該配管に沿う床面上に複数の理容椅子を配置し、各理容椅子に可撓菅を介してヘアードライヤ等の吹出部材を接続し、該吹出部材はヒータを内蔵していて、吹出部材から吹き出す圧縮空気の温度を調節可能にした理容用ドライヤーシステムがある(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
更に、同様のものとして、送風手段と空気変換手段を有して室外側に配置する空気変換装置と、空気変換装置に直列に接続され室外側に配置する送風装置と、送風装置を室内側と連通し、室内側への空気供給路となる送風配管と、この送風配管の端末に接続するヘヤ−ドライヤ等の端末装置とを備え、送風装置の静圧を空気変換装置より大きく構成した空気供給装置がある(例えば、特許文献3参照)。
【0007】
しかし、前記理容用ドライヤーシステムは、各端末装置が送風配管を共通にしているため、配管の下流側に設置する理容椅子の吹出部材の風量が漸減し、各吹出部材の風量に均一性を得られず、安定した乾燥効果を得られないという問題があった。
【0008】
ところで、圧縮空気の冷却方法として、空気圧縮機で生成した圧縮空気を貯留するエアータンクの吐出管の下流側に、水冷式アフタークーラと冷凍式エアードライヤーを配置し、水冷式アフタークーラは冷却水を収容した冷却槽を備え、この冷却槽に前記吐出管に連通する圧縮空気管を配管して圧縮空気を冷却し、その圧縮空気管の下流部を隣接する冷凍式エアードライヤーのエアークーラに配管し、該エアークーラは内部に冷凍サイクルを構成する冷媒配管を配管して圧縮空気を冷却し、この乾燥した冷却空気をエアーシリンダ等のエアーツールへ供給するようにしたものがある(例えば、特許文献4参照)。
【0009】
しかし、前記圧縮空気の冷却方法は、水冷式アフタークーラと冷凍式エアードライヤーを要するため、設備が大掛かりで設備費が高価になる上に広い設置スペ−スを要し、しかも冷凍式エアードライヤーはコンプレッサを始終駆動させるため、稼働コストが膨大になるという問題があった。
また、前記圧縮空気の冷却方法は、圧縮空気を大量に使用する生産工場の利用に適し、少量の冷却空気を使用する理容店には不経済で馴染まず、しかも得られた冷却空気は概して過剰に冷却され、これを直接毛髪に吹き付ける使用は冷た過ぎ、利用者に不快感を与える惧れがあった。
【0010】
そこで、前記問題を解決するものとして、エアーコンプレッサ室と末端エアー機器を使用する工場を分離して配置し、エアーコンプレッサ室に配管した空気配管に、エアーコンプレッサとエアータンクと圧縮空気を乾燥するエアードライヤと、圧縮空気の異物を除去するエアーフィルタを介挿し、また前記工場にエアーコンプレッサ室の空気配管に連通する空気配管を配管し、該空気配管の上下流に分岐管を接続し、これらの分岐管にエアードライヤと末端エアー機器を接続し、末端エアー機器の直前にエアードライヤを配置し、エアードライヤを経由し長い空気配管を通過する間に温度変化の激しいことがあっても、また末端エアー機器周辺の室温がかなり低くても、エアードライヤにより一定の温度を確保することによって、末端エアー機器でのドレン水の発生を少なくするようにした圧縮空気の製造装置がある(例えば、特許文献5参照)。
【0011】
しかし、前記圧縮空気の製造装置は、末端エアー機器を使用する工場において、末端エアー機器でのドレン水の発生を少なくするために、空気配管に接続した分岐管に接続する末端エアー機器の直前にエアードライヤの配置を要するため、多数のエアードライヤの配置を要し、部品点数が増加するとともに構成が複雑化して高価になり、画一的な性能のエアードライヤや、単一のエアードライヤによる除湿作用には限界があり、乾燥した清浄な圧縮空気の供給に応じられない等の問題があった。
【0012】
更に、前記問題を解決するものとして、エアーコンプレッサの下流にエアードライヤを配置し、該エアードライヤの下流に除塵装置と中空糸エアードライヤとを配置し、中空糸エアードライヤによって圧縮空気を精密に乾燥し、これをエアーツールへ供給するようにした乾燥した圧縮空気の製造装置がある(例えば、特許文献6参照)。
【0013】
しかし、前記圧縮空気の製造装置は、単一のエアードライヤによって圧縮空気の水分を除去しているため、水分を十分に除去することができず、これを下流の除塵装置や中空糸エアードライヤへ移動すると、除塵装置や中空糸エアードライヤの機能が低下ないし劣化し、それらの寿命を低下させるとともに、使用によって機能が低下ないし劣化した場合、それらの位置が区々なため、そのメンテナンスに手間が掛かる等の問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】実開平2−116203号公報
【特許文献2】特開平2−149209号公報
【特許文献3】特許第3814473号号公報
【特許文献4】特開平11−193782号公報
【特許文献5】特開2007−130618号公報
【特許文献6】特許第3390967号号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明はこのような問題を解決し、例えばエアーコンプレッサ等で生成された圧縮空気を精度良く除湿かつ冷却して冷却・乾燥空気を安価かつ合理的に生成し、これをヘアードライヤ等のエアーツールや建物の通路、病院の治療台や歯科医院の治療機器、生鮮食料品店の食品展示ケースへ合理的に供給し、各種エアーツールの使用上の利便性の向上と、医療および公衆衛生、公共の環境、食品の衛生を向上するようにした冷却乾燥空気の供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
請求項1の発明は、清浄で乾燥した圧縮空気をエアーツールへ供給する供給管路に、気液を分離し圧縮空気を断熱膨張可能なエアードライヤを配置し、該エアードライヤより上流側に気液を分離可能な凝結器を配置した冷却乾燥空気の供給装置において、前記エアードライヤは、ドレン水を収容可能な有底筒状の筒状容器と、該筒状容器の上側開口部に装着したヘッドカバーと、該筒状容器内の上部に配置した中空の凝縮シリンダと、前記ヘッドカバーの内部に配置した供給管路に連通するインレットとアウトレットと、からなり、該アウトレットの空気通路に前記凝縮シリンダの上端部に突設した連結管を装着し、該凝縮シリンダ内の上部に複数の集気シリンダを配置し、該集気シリンダに前記アウトレットに連通する小孔状の貫通孔を形成し、圧縮空気を断熱膨張可能にする一方、前記凝結器はドレン水を収容可能な有底筒状の筒状容器と、該筒状容器の上側に装着したヘッドカバーと、該ヘッドカバーの内部に配置した供給管路に連通するインレットとアウトレットと、からなり、前記筒状容器内の上部に前記アウトレットに連通する中空筒状の凝結シリンダを配置し、該凝結シリンダ内の上面に圧縮空気を直接衝突可能に設け、凝結器から導入した圧縮空気をエアードライヤを介してエアーツールの複数の吹出口から吹き出し可能にし、凝結器とエアードライヤによって、大掛かりで高価な冷却装置を要することなく、小形かつコンパクトな構成によって冷却乾燥空気を生成し、これをエアーツールへ容易かつ安価に供給し、エアーツールの複数の吹出口から冷却乾燥空気を木目細かに吹き出すようにしている。
【0017】
請求項2の発明は、エアーツールは、ヘアードライヤまたはヘアーブラシ、歯科医院の治療台に装備する治療機器の駆動用圧縮空気や治療患部への清浄用空気の設備や機器、建物内の人の通路への吹き出し用空気の設備や機器、生鮮食料品店や飲食店、レストランにおける食品の鮮度向上用の吹き出し空気の設備や機器であり、例えば業務用または家庭で使用するヘアードライヤまたはヘアーブラシによって、毛髪を傷めることなく低温で乾かすようにし、また歯科医院の治療機器や治療患部への設備や機器を安価かつ容易に駆動するようにし、更に人が移動する通路への吹き出し用空気の設備や機器によって、病院や駅、飛行場、学校等の通路の換気の安価かつ容易化を図り公衆衛生の向上を図るとともに、生鮮食料品店における生鮮食料品や食品の鮮度の維持向上を図るようにしている。
【0018】
請求項3の発明は、ヘアードライヤまたはヘアーブラシの圧縮空気の導通部にブラシホルダを配置し、該ブラシホルダの先端部にブラシ台を保持可能なブラシ枠を設け、該ブラシ枠にブラシホルダ内に連通する複数の貫通孔を形成し、前記ブラシ台にブラシホルダ内に連通する複数の吹出孔と通孔を形成し、前記ブラシ台の内側から複数のブラシ軸を有するブラシユニットを着脱可能に装着し、前記ブラシ軸を前記通孔に着脱可能に取付け、ヘアードライヤまたはヘアーブラシに対し冷却乾燥空気を合理的に使用し得るようにしている。
請求項4の発明は、エアードライヤと凝結器を建物の外壁に配置し、前記ヘアードライヤまたはヘアーブラシを屋内に配置し、エアードライヤと凝結器を建物の外壁に配置することによって、それらを簡便かつコンパクトに設置するとともに、それらの屋内スペースの占有を回避し、屋内スペースの有効利用を図るようにしている。
請求項5の発明は、エアードライヤを凝結器と同形に形成し、エアードライヤと凝結器の構成部品を共通化し、それらを合理的かつ安価に製作し得るようにしている。
請求項6の発明は、エアードライヤの下流側に、前記エアードライヤと同形の1または複数のエアークリーナを配置し、それらの構成部品を共通化し、それらを合理的かつ安価に製作し得るようにしている。
【0019】
請求項7の発明は、管状の支持部材を垂直または斜状に配置し、該支持部材の内部にエアードライヤと凝結器を上下に配置し、それらを容易かつコンパクトに設置し、しかも安全に保護するようにしている。
請求項8の発明は、支持部材の上下端部をキャップを介して閉塞し、該支持部材を屋内外に設置可能にし、エアードライヤと凝結器の屋内外での設置を促すようにしている。
請求項9の発明は、支持部材を軸方向に二つ割りした一対の支持ピースを接合して構成し、管状の支持部材の製作と使用上の利便性を向上し、内部に設置した凝結器とエアードライヤのメンテナンスの向上を図るようにしている。
請求項10の発明は、支持部材に前記供給管路を配管し、該供給管路に凝結器とエアードライヤ、および一または複数のエアークリーナを配置し、これらを容易かつコンパクトに設置し得るようにしている。
【0020】
請求項11の発明は、冷却乾燥空気を使用する使用設備にクールドライボックスを設置し、該クールドライボックス内に凝結器とエアードライヤを収納し、クールドライボックス内に凝結器とエアードライヤをコンパクトかつ簡便に設置し、使用上の利便性を向上するようにしている。
請求項12の発明は、クールドライボックス内に前記凝結器とエアードライヤ、および1または複数のエアークリーナを収納し、清浄で冷却した乾燥空気を簡便に得られるようにしている。
請求項13の発明は、クールドライボックス内の下方に凝結器とエアードライヤを配置するとともに、クールドライボックスの底部に排出穴に連通する貫通穴を形成し、該貫通穴に凝結器とエアードライヤのそれぞれの排出管を配管し、各排出管の配管をコンパクトかつ簡便に行なうとともに、それらのドレン水を確実かつ円滑に排出するようにしている
【0021】
請求項14の発明は、排出穴にエアーコンプレッサおよび/またはエアータンクに接続する圧縮空気導管を配管し、該圧縮空気導管の一端を前記凝結器に接続し、エアーコンプレッサで生成した圧縮空気導管をクールドライボックス内にコンパクトに配管し、これを凝結器に接続して圧縮空気を合理的かつコンパクトに導入するようにしている。
請求項15の発明は、凝結器とエアードライヤ、および/または1または複数のエアークリーナを接続する圧縮空気導管と空気導管とを、前記クールドライボックス内に配管し、それらの配管をコンパクトに実現するとともに、その配管作業を容易に行なうようにしている。
したがって、圧縮空気導管と空気導管とをクールドライボックスの外部に配管する場合に比べて、クールドライボックスの構成が簡潔になるとともに、圧縮空気導管と空気導管の配管をコンパクトに行なえ、しかも清浄な冷却乾燥空気の外気との接触を回避して昇温を抑制し、エアーツールへ供給するようにしている。
請求項16の発明は、クールドライボックスを小形軽量で人力で持ち運び可能に構成し、その設置や移動を容易に行なえるようにしている。
【発明の効果】
【0022】
請求項1の発明は、エアードライヤは、ドレン水を収容可能な有底筒状の筒状容器と、該筒状容器の上側開口部に装着したヘッドカバーと、該筒状容器内の上部に配置した中空の凝縮シリンダと、前記ヘッドカバーの内部に配置した供給管路に連通するインレットとアウトレットと、からなり、該アウトレットの空気通路に前記凝縮シリンダの上端部に突設した連結管を装着し、該凝縮シリンダ内の上部に複数の集気シリンダを配置し、該集気シリンダに前記アウトレットに連通する小孔状の貫通孔を形成し、圧縮空気を断熱膨張可能にする一方、前記凝結器はドレン水を収容可能な有底筒状の筒状容器と、該筒状容器の上側に装着したヘッドカバーと、該ヘッドカバーの内部に配置した供給管路に連通するインレットとアウトレットと、からなり、前記筒状容器内の上部に前記アウトレットに連通する中空筒状の凝結シリンダを配置し、該凝結シリンダ内の上面に圧縮空気を直接衝突可能に設け、凝結器から導入した圧縮空気をエアードライヤを介してエアーツールの複数の吹出口から吹き出し可能にしたから、凝結器とエアードライヤによって、大掛かりで高価な冷却装置を要することなく、小形かつコンパクトな構成によって冷却乾燥空気を生成し、これをエアーツールへ容易かつ安価に供給し、エアーツールの複数の吹出口から冷却乾燥空気を木目細かに吹き出すことができる。
【0023】
請求項2の発明は、エアーツールは、ヘアードライヤまたはヘアーブラシ、歯科医院の治療台に装備する治療機器の駆動用圧縮空気や治療患部への清浄用空気の設備や機器、建物内の人の通路への吹き出し用空気の設備や機器、生鮮食料品店や飲食店、レストランにおける食品の鮮度向上用の吹き出し空気の設備や機器であるから、例えば業務用または家庭で使用するヘアードライヤまたはヘアーブラシによって、毛髪を傷めることなく低温で乾かすことができ、また歯科医院の治療機器や治療患部への設備や機器を安価かつ容易に駆動することができ、更に人が移動する通路への吹き出し用空気の設備や機器によって、病院や駅、飛行場、学校等の通路の換気の安価かつ容易化を図り公衆衛生の向上を促すことができ、しかも生鮮食料品店における生鮮食料品や食品の鮮度の維持向上を図ることができる。
【0024】
請求項3の発明は、ヘアードライヤまたはヘアーブラシの圧縮空気の導通部にブラシホルダを配置し、該ブラシホルダの先端部にブラシ台を保持可能なブラシ枠を設け、該ブラシ枠にブラシホルダ内に連通する複数の貫通孔を形成し、前記ブラシ台にブラシホルダ内に連通する複数の吹出孔と通孔を形成し、前記ブラシ台の内側から複数のブラシ軸を有するブラシユニットを着脱可能に装着し、前記ブラシ軸を前記通孔に着脱可能に取付けたから、ヘアードライヤまたはヘアーブラシに対し冷却乾燥空気を合理的に使用することができる。
請求項4の発明は、エアードライヤと凝結器を建物の外壁に配置し、前記ヘアードライヤまたはヘアーブラシを屋内に配置したから、エアードライヤと凝結器を建物の外壁に配置して、それらを簡便かつコンパクトに設置できるとともに、それらの屋内スペースの占有を回避し、屋内スペースの有効利用を図ることができる。
請求項5の発明は、エアードライヤを凝結器と同形に形成したから、エアードライヤと凝結器の構成部品を共通化し、それらを合理的かつ安価に製作することができる。
請求項6の発明は、エアードライヤの下流側に、前記エアードライヤと同形の1または複数のエアークリーナを配置したから、それらの構成部品を共通化し、それらを合理的かつ安価に製作することができる。
請求項7の発明は、管状の支持部材を垂直または斜状に配置し、該支持部材の内部にエアードライヤと凝結器を上下に配置したから、それらを容易かつコンパクトに設置し、しかも安全に保護することができる。
請求項8の発明は、支持部材の上下端部をキャップを介して閉塞し、該支持部材を屋内外に設置可能にしたから、エアードライヤと凝結器の屋内外での設置を促すことができる。
請求項9の発明は、支持部材を軸方向に二つ割りした一対の支持ピースを接合して構成したから、管状の支持部材の製作と使用上の利便性を向上し、内部に設置した凝結器とエアードライヤのメンテナンスの向上を図ることができる。
【0025】
請求項10の発明は、支持部材に前記供給管路を配管し、該供給管路に凝結器とエアードライヤ、および一または複数のエアークリーナを配置したから、これらを容易かつコンパクトに設置することができる。
請求項11の発明は、冷却乾燥空気を使用する使用設備にクールドライボックスを設置し、該クールドライボックス内に凝結器とエアードライヤを収納したから、クールドライボックス内に凝結器とエアードライヤをコンパクトかつ簡便に設置し、使用上の利便性を向上することができる。
請求項12の発明は、クールドライボックス内に前記凝結器とエアードライヤ、および1または複数のエアークリーナを収納したから、清浄で冷却した乾燥空気を簡便に得られる効果がある。
請求項13の発明は、クールドライボックス内の下方に凝結器とエアードライヤを配置するとともに、クールドライボックスの底部に排出穴に連通する貫通穴を形成し、該貫通穴に凝結器とエアードライヤのそれぞれの排出管を配管したから、各排出管の配管をコンパクトかつ簡便に行なえるとともに、それらのドレン水を確実かつ円滑に排出することができる。
【0026】
請求項14の発明は、排出穴にエアーコンプレッサおよび/またはエアータンクに接続する圧縮空気導管を配管し、該圧縮空気導管の一端を前記凝結器に接続し、エアーコンプレッサで生成した圧縮空気導管をクールドライボックス内にコンパクトに配管したから、これを凝結器に接続して圧縮空気を合理的かつコンパクトに導入することができる。
請求項15の発明は、凝結器とエアードライヤ、および/または1または複数のエアークリーナを接続する圧縮空気導管と空気導管とを、前記クールドライボックス内に配管したから、それらの配管をコンパクトに実現するとともに、その配管作業を容易に行なうことができる。
したがって、圧縮空気導管と空気導管とをクールドライボックスの外部に配管する場合に比べて、クールドライボックスの構成が簡潔になるとともに、圧縮空気導管と空気導管の配管をコンパクトに行なえ、しかも清浄な冷却乾燥空気の外気との接触を回避して昇温を抑制し、エアーツールへ供給することができる。
請求項16の発明は、クールドライボックスを小形軽量で人力で持ち運び可能に構成したから、その設置や移動を容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の第1の実施形態を示す正面図で、その凝結器とエアードライヤによるヘヤードライヤへの冷却乾燥空気の供給状況を示している。
図2図1の平面図を示している。
図3図2の底面図を示している。
図4】本発明に適用した凝結器の右側面図を示している。
図5図1のA−A線に沿う断面図である。
【0028】
図6図4のB−B線に沿う断面図である。
図7図1のC−C線に沿う断面図である。
図8図1のD−D線に沿う断面図である。
図9】本発明に適用したエアードライヤの右側面図を示している。
図10図1のE−E線に沿う断面図である。
【0029】
図11図9のF−F線に沿う断面図である。
図12図11のG−G線に沿う断面図である。
図13図12のH−H線に沿う断面図である。
図14】本発明の冷却乾燥空気の使用設備であるエアーツールとして、ヘアードライヤに適用した状況の要部を示す断面図である。
図15図14のI−I線に沿う拡大断面図である。
図16図14のヘアードライヤの要部を分解して示す斜視図である。
【0030】
図17】本発明の第2の実施形態を示す正面図で、凝結器とエアードライヤと3個のエアークリーナを横一列に配置して、清浄で冷却した乾燥空気をエアーツールへ供給している。
図18】第2の実施形態に適用したエアークリーナを示す右側面図である。
図19図17の平面図で、凝結器を省略して図示している。
図20図19の底面図で、凝結器を省略して図示している。
図21図19の縦断面図で、凝結器を省略して図示している。
図22】本発明の第3の実施形態を示す断面図で、凝結器とエアードライヤと3個のエアークリーナを、管状の支持部材の内部に配置した状況を示している。
【0031】
図23】本発明の第4の実施形態を示す正面図で、理容店内にクールドライボックスを設置し、該ボックスをカバーを取外して図示し、そのボックス内の上段に凝結器とエアードライヤと1個のエアークリーナを収納し下段に2個のエアークリーナとドレン水貯留器を配置した状況を示している。
図24】本発明の第5の実施形態を示す正面図で、多量の冷却乾燥空気を使用する医科医院内にクールドライボックス設置し、該ボックスをカバーを取外して図示し、そのボックス内の下段に凝結器とエアードライヤを収納し、上段に3個のエアークリーナを収納した状況を示し、下段の凝結器とエアードライヤのドレン排水管をクールドライボックスの底面の下方に配管し、外部へ排出している。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明を冷却乾燥空気の使用量が比較的少ないエアーツールとして、例えば理容店または理髪店で使用するヘヤードライヤないしヘヤーブラシ(以下、ヘヤードライヤ)に適用した図示の実施形態について説明すると、図1乃至図16において1はエアーコンプレッサ2で生成した圧縮空気を貯留するエアータンクで、その送出側の可及的に上流側位置に圧縮空気導管3を介して凝結器4を接続している。
【0033】
前記凝結器4は、エアータンク1からの圧縮空気を最初にかつ大量に効率良く気液分離し、その除湿空気を隣接する下流側のエアードライヤ5へ移送し、該ドライヤ5によって残存する水分を精密に気液分離し、これを送出側の圧縮空気導管6を介して、理容店または理髪店S(以下、理容店)に設置した分配器Mへ供給し、該分配器Mから一または複数のヘヤードライヤ等のエアーツール7へ供給可能にしている。
【0034】
前記理容店Sに、例えば複数の導管接続口を備えた前述の分配器Mを設置し、その複数の接続口にゴムホース等の柔軟で所望長さの複数の端末導管Pの一端を接続し、その他端に冷却乾燥空気を吹き出し可能なヘヤードライヤ7を接続している。
前記端末導管Pはカプラ等の接続具Kを介して、前記導管接続口に着脱可能に装着され、前記接続具Kの内部に圧縮空気の開閉弁(図示略)を設けている。前記開閉弁はヘヤードライヤ7の柄に設けた操作摘み(図示略)によって開閉可能に構成され、ヘヤーブラシ部7aに乾燥した冷却空気を供給および遮断可能にしている。
【0035】
前記凝結器4とエアードライヤ7は理容店Sの外壁面52に設置され、その上端面に略L字形断面の鋼板製の連結片8が掛け渡され、その四隅のビス孔51にビス9をねじ込んで連結片8を取付けている。
この場合、実施形態では連結片8を外壁面52に横向きに取付けているが、縦向きに取付け、凝結器4とエアードライヤ5とを上下に水平に取付けることも可能である。
【0036】
そして、前記連結片8の屈曲片8aの四隅の長孔51にビスを挿入し、これを凝結器4およびエアードライヤ5に面する壁面52にねじ込んで、凝結器4とエアードライヤ5を取付けている。
図中、10は凝結器4とエアードライヤ5の相対する後述のアウトレットとインレットを接続した中継導管で、前記圧縮空気導管3,6と連通可能にされている。
【0037】
前記凝結器4は、合成樹脂製のヘッドカバー11と、該ヘッドカバー11に上部を連結した有底中空の透明または不透明、実施形態では透明の合成樹脂製の筒状容器12と、該容器12の外側に配置した合成樹脂製の筒状の容器カバー13と、筒状容器12の内側に配置した中空筒状の合成樹脂製の凝結シリンダ14と、から構成されている。
前記ヘッドカバー11は図2のように、上部を略八角柱状に形成され、その相対する一対の側壁にインレット15とアウトレット16を形成し、それらのネジ孔に前記圧縮空気導管3,6を接続している。
【0038】
前記ヘッドカバー11の下端部に正方形板状のフランジ11aが突設され、このフランジ11aに容器カバー13の上端部が接続されている。
前記ヘッドカバー11のインレット15の奥部に通路17が形成され、またヘッドカバー11の下部内周面にネジ部18が形成され、該ネジ部18に筒状容器12の上端部がねじ込まれて接続されている。
前記筒状容器12は、実施形態では透明な合成樹脂によって成形され、その底部は略半球面状に形成され、その底部に貯留したドレン水を自動的に排出可能なオートドレン19が設置されている。
【0039】
前記オートドレン19は例えば常閉形に構成され、常時は後述のピストン弁が閉弁可能にされ、筒状容器12内に凝縮水であるドレン水53が所定水位以上溜まると、支軸20に摺動可能に支持したフロート54を上動させて前記排水弁を開弁し、前記ドレン水53を排出可能にしている。
【0040】
前記支軸20の下部に大小異径のネジパイプ56,57が設けられ、このうち大径のネジパイプ56が筒状容器12の底部の外側に突出され、この突出部にナット27がねじ込まれて、支軸20を筒状容器12に支持している。
また、小径のネジパイプ57が容器カバー13の底部に形成した通孔28の直下に突出し、この突出部に排出管58の一端がねじ込まれ、その他端が排出溜(図示略)に配管されている。
【0041】
図中、59はフロート54の上端面に立設したL字形の支持金具で、その上部のピン孔にピン60が摺動可能に挿入され、該ピン60の一端が支軸20の上端部を貫通して、フロート54の上下変位を規制している。
前記支軸20の上端内部に空気弁(図示略)がピン60と同動可能に設けられ、該空気弁が支軸20内の空気通路(図示略)を開閉可能にしている。前記空気弁は常時は閉弁されて空気通路を閉塞し、支軸20の中間内部に流入した圧縮空気によってピストン弁(図示略)を閉塞し、ドレン水53の排出を阻止している。
【0042】
そして、ドレン水53が所定量貯留され、フロート54が上動した際に空気弁が開弁し、筒状容器12内の圧縮空気を空気通路に導入し、支軸20の中間内部に設けたピストン弁を押し下げて、ネジパイプ56,57に連通する排出孔(図示略)を開放し、ドレン水53を排出可能にしている。
前記ヘッドカバー11の中央下部に、アウトレット16に連通するネジ孔21が形成され、該ネジ孔21に凝結シリンダ14の上端部に突設した連結管22のネジ部がねじ込まれている。
【0043】
前記容器カバー13は、筒状容器12を内部に収容可能な有底中空の筒状の容器に構成され、その上端部に前記フランジ11aと同形の正方形板状のフランジ13aが突設され、その隅角部に形成したビス孔(図示略)にビス23を挿入し、これを隣接するフランジ11aの隅角部に形成したビス孔(図示略)にねじ込んで連結している。
図中、24は前記フランジ13aの上面に突設した位置決めピンで、前記フランジ11aの下端部に形成したピン孔に係合可能に配置されている。
【0044】
前記容器カバー13の周面の対向位置に複数の開口部25が上下方向に離間して配置され、該開口部25から内側の筒状容器12を透視可能にしている。図中、26は容器カバー13と筒状容器12との間に形成された空隙部で、筒状容器12の周面に空気を接触可能にしている。
【0045】
前記エアードライヤ5は外観上、凝結器4と同様に構成され、該エアードライヤ5はヘッドカバー11と同様のヘッドカバー29と、該ヘッドカバー29に上部を連結した筒状容器12と同様の中空有底の透明または不透明、実施形態では透明の合成樹脂製の筒状容器30と、該容器30の外側に配置した前記容器カバー13と同様の合成樹脂製の筒状の容器カバー31と、筒状容器30の内側に配置した中空筒状の合成樹脂製の凝縮シリンダ32と、から構成されている。
【0046】
前記ヘッドカバー29は図2のように、上部を略八角柱状に形成され、その相対する一対の側壁にインレット33とアウトレット34を形成し、それらのネジ孔に前記接続導管10と接続導管6を接続している。
前記ヘッドカバー29の下端部に正方形板状のフランジ29aが突設され、このフランジ29aに容器カバー31の上端部が接続されている。
【0047】
前記ヘッドカバー29のインレット33の奥部に通路35が形成され、またヘッドカバー29の下部内周面にネジ部36が形成され、該ネジ部36に筒状容器30の上端部がねじ込まれて接続されている。
前記筒状容器30の底部は略半球面状に形成され、その底部にオートドレン37が設置されている。
【0048】
前記オートドレン37は、前記オートドレン19と実質的に同一に構成され、該オートドレン37は例えば常閉形に構成され、常時はピストン弁(図示略)が閉弁可能にされ、筒状容器30内に凝縮水であるドレン水38が所定水位以上溜まると、支軸61に摺動可能に支持したフロート62を上動して前記ピストン弁を開弁し、前記ドレン38を排出可能にしている。
【0049】
前記支軸61の下部に大小異径のネジパイプ63,64が設けられ、このうち大径のネジパイプ63が筒状容器30の底部の外側に突出され、この突出部にナット65がねじ込まれて支軸61を支持している。
また、小径のネジパイプ64が容器カバー31の底部に形成した通孔46の直下に突出し、この突出部に排出管67の一端がねじ込まれ、その他端が排出溜(図示略)に配管されている。
図中、68はフロート62の上端面に立設したL字形の支持金具で、その上部のピン孔にピン69が摺動可能に挿入され、該ピン69の一端が支軸61の上端部を貫通して、フロート62の上下変位を規制している。
【0050】
前記支軸61の上端内部に空気弁(図示略)がピン69と同動可能に設けられ、該空気弁が支軸61内の空気通路(図示略)を開閉可能にしている。前記空気弁は常時は閉弁されて空気通路を閉塞し、支軸61の中間内部に流入した圧縮空気によってピストン弁(図示略)を閉塞し、ドレン水38の排出を阻止している。
【0051】
そして、ドレン水38が所定量貯留し、フロート62が上動した際に空気弁が開弁し、筒状容器30内の圧縮空気を空気通路に導入し、支軸61の中間内部に設けたピストン弁を押し下げて、ネジパイプ63,64に連通する排出孔(図示略)を開放し、ドレン水38を排出可能にしている。
前記ヘッドカバー29の中央下部に、アウトレット34に連通するネジ孔39が形成され、該ネジ孔39に凝縮シリンダ32の上端部に突設した連結管40のネジ部がねじ込まれている。
【0052】
前記容器カバー31は、筒状容器30を内部に収容可能な有底中空の筒状の容器に構成され、その上端部に前記フランジ11aと同形の方形板状のフランジ31aが突設され、その隅角部に形成したビス孔(図示略)にビス41を挿入し、これを隣接するフランジ13aの隅角部に形成したビス孔(図示略)にねじ込んで連結している。
図中、42は前記フランジ31aの上面に突設した位置決めピンで、前記フランジ29aの下端部に形成したピン孔に係合可能に配置されている。
【0053】
前記容器カバー31の周面の対向位置に複数の開口部43が上下方向に配置され、内側の筒状容器30を透視可能にしている。図中、44は容器カバー31と筒状容器30との間に形成された空隙部で、筒状容器30の周面に空気を接触可能にしている。
前記凝縮シリンダ32の上部に、連結シリンダ47を介して円板状の基板48が設けられ、該基板48の下面に複数の集気シリンダ49が等角度位置に突設されている。
前記集気シリンダ49の環状壁49aの内側に小径の貫通孔50が形成され、該貫通孔50を移動した圧縮空気を連結シリンダ47内へ断熱膨張状態で噴出可能にしている。
【0054】
一方、エアーツール7であるヘヤードライヤは、端末導管Pに連通する略楕円菅状のブラシホルダ70と、該ブラシホルダ70の先端部の切欠部71に装着したブラシ台72と、該ブラシ台72の内側から着脱可能に装着したブラシユニット73と、該ブラシユニット73の基部を保持するブラシ枠74と、から構成されている。
図中、rは隣接するブラシユニット73の基部の間に形成された空隙部で、後述する貫通孔と吹出孔に連通している。
【0055】
前記切欠部71の両側に係合爪70aが突設され、該係合爪70aにブラシ台72の両側縁72a, 72aが係合可能に取付けられている。
前記ブラシ台72に複数の通孔75が縦列に形成され、該通孔75にブラシユニット73の複数のブラシ軸73aが挿入され、また前記通孔75の縦列の間に長孔状の複数の吹出孔76が形成され、乾燥した冷風を毛髪に吹き出し可能にされている。
【0056】
前記ブラシ枠74にブラシホルダ70の内部に連通する複数の貫通孔77が形成され、ブラシホルダ70内の乾燥した冷風を吹出孔76へ移動可能にされ、また前記切欠部71と他側のブラシホルダ70は中空の軸筒状に形成され、使用時に握持部70bとして機能可能にしている。
【0057】
このように構成した本発明の冷却乾燥空気の供給装置は、エアータンク1とエアーツール7との間の、圧縮空気の供給導管3,6の間に、凝結器4とエアードライヤ5を配置している。
したがって、圧縮空気の供給導管から分岐した分岐線毎に、その最上流部にエアードライヤを配置する場合に比べて、分岐線ないし支線の配管を要せず、圧縮空気の配管およびその作業並びにそれらのメンテナンスを簡潔かつコンパクトに行なえ、これを安価かつ合理的に行なえる。
しかも、凝結器4はエアータンク1からの離隔距離を問わず、可及的にエアータンク1に近接して配置されるから、その設置位置や設置環境を拘束されずに種々の使用に応じられる。
【0058】
前記凝結器4とエアードライヤ5は外観上、同様に構成され、それらの構成はヘッドカバー11と29、筒状容器12と30、容器カバー13と31が実質的に同一に構成され、対応する構成部材の共用化を図れるから、これを合理的かつ安価に製作し得、またメンテナンスの容易化を図れる。
【0059】
前記凝結器4を組み立てる場合は、ヘッドカバー11の下部中央のネジ部21に、集気シリンダ14の連結管22のネジ部をねじ込み、また筒状容器12内の底部にオートドレン19を配置し、そのネジパイプ56を筒状容器12の底部の通孔に挿入して外側に突出し、この突出部にナット27をねじ込んで緊締し、オートドレン19を筒状容器12に固定する。
【0060】
この後、ヘッドカバー11の下部内周面のネジ部18に筒状容器12の上端部のネジ部をねじ込み、該筒状容器12の外側に容器カバー13を被着し、それらのフランジ11aとフランジ13aを接合し、かつそれらのピン孔にピン24を挿入しビス孔にビス23を挿入して、これを他方のビス孔にねじ込んで、これらを連結する。
【0061】
一方、エアードライヤ5を組み立てる場合は、凝結器4の組み立てと略同様の要領で行なう。
すなわち、ヘッドカバー29の下部中央のネジ部39に、凝縮シリンダ32の連結管40のネジ部をねじ込み、また筒状容器30内の底部にオートドレン37を配置し、そのネジパイプ63を筒状容器30の底部の通孔に挿入して外側に突出し、この突出部にナット65をねじ込んで緊締し、オートドレン37を筒状容器30に固定する。
【0062】
この後、ヘッドカバー29の下部内周面のネジ部36に筒状容器30の上端部のネジ部をねじ込み、該筒状容器30の外側に容器カバー31を被着し、それらのフランジ31aとフランジ29aを接合し、かつそれらのピン孔にピン42を挿入して位置合わせし、それらのビス孔にビス41を挿入し、これを他方のビス孔にねじ込んで、これらを連結する
【0063】
こうして凝結器4とエアードライヤ5を組み立て後、それらのアウトレット16とインレット33を対向配置し、凝結器4のアウトレット16に接続導管10の一端のネジ部をねじ込み、この他端のネジ部をエアードライヤ5のインレット33にねじ込み、凝結器4とエアードライヤ5とを接続導管10で連結する。
この後、凝結器4とエアードライヤ5のヘッドカバー11,29の上端部の平坦面に連結片8を載置し、それらのビス孔にビス9を挿入してねじ込み、凝結器4とエアードライヤ5とを連結片8を介して連結する。
【0064】
こうして凝結器4とエアードライヤ5を連結後、連結片8の屈曲片8aを壁面52に接合し、その長孔51にビスを挿入し、これを壁面52側のビス孔にねじ込んで緊締し、凝結器4とエアードライヤ5を壁面52の同高位置に取付ける。
そして、接続導管3の一端のネジ部を凝結器4のインレット15にねじ込み、この他端のネジ部をエアータンク1の接続ネジ部にねじ込み、これらを緊締する。
【0065】
このように凝結器4とエアードライヤ5は複数の構成部材を共有するため、これらの組み立てを容易かつ速やかに行なえ、組み立て後、これらをエアータンク1とエアーツール7に組み込む場合も、接続導管3,6の間に近接して配置すれば良い。
したがって、圧縮空気の供給管から分岐した分岐線毎に、その最上流部にエアードライヤを配置する場合に比べて、分岐線ないし支線の配管を要せず、それらの配管およびその作業並びにそれらのメンテナンスを簡潔かつコンパクトに行なえ、しかも安価かつ合理的に行なえる。この状況は図1のようである。
【0066】
そして、接続導管6の一端のネジ部をエアードライヤ5のアウトレット34にねじ込み、この他端のネジ部を理容店Sに設置した分配器Mにねじ込む。
この後、ヘア−ドライヤ7の握持部70bの基端部に端末導管Pの一端を接続し、この他端を分配器Mの内側の接続口に接続する。
このように凝結器4とエアードライヤ5は複数の構成部材を共有するため、これらの組み立てを容易かつ速やかに行なえ、組み立て後、これらをエアータンク1とエアーツール7に組み込む場合も、接続導管3,6の間に近接して配置すれば良い。
【0067】
こうして組み付けた凝結器4とエアードライヤ5にエアータンク1側から高圧の圧縮空気を送り込むと、圧縮空気は接続導管3に導かれて凝結器4のインレット15に導入され、その奥部の通路17から筒状容器12内に流入し、筒状容器12の内面と凝結シリンダ14の外面との間を移動し、凝結シリンダ14の下方から内側へ移動して、凝結シリンダ14の上部から連結管22を移動してアウトレット16へ送り出され、接続導管10からアウトレット16を経てエアードライヤ5へ移動する。
【0068】
その際、圧縮空気は筒状容器12と凝結シリンダ14との狭小スペースに押し込まれて移動し、更に凝結シリンダ14の上面に衝突してアウトレット16へ移動する。
このため、圧縮空気中の水分が能率良く凝集して凝結し、その液滴が筒状容器12内に流下する。この場合、圧縮空気は流路の上流側で高圧を維持し、これが比較的広い流路を移動するから、大きな流量を維持して多量に凝集し凝結する。
【0069】
したがって、圧縮空気中の水分が効率良く除去されて除湿され、多量のドレン水53が生成されて筒状容器12の底部に貯留する。
そして、前記ドレン水53が所定液面以上貯留すると、オートドレン19のフロート54が上動し、ピストン弁(図示略)を開弁して排出管58に排出される。
【0070】
こうして凝結器4で水分を効率良く除去された圧縮空気が、接続導管10に導かれてエアードライヤ5のインレット33へ移動し、その奥部の通路35から筒状容器30内に流入し、筒状容器30の内面と凝結シリンダ32の外面との間を移動して、凝結シリンダ32の下方から内側へ流入する。
そして、前記圧縮空気は基板48の上面に衝突し、集気シリンダ49内の貫通孔50を移動して上部の連結管47へ流出し、圧縮空気中の水分が能率良く凝集して凝結し、その液滴が凝結シリンダ32から筒状容器43内に流下して、圧縮空気の除湿ないし乾燥が更に促され、アウトレット34から接続導管6を経てエアーツール7へ移動する。
【0071】
したがって、除湿ないし乾燥した圧縮空気をエアーツール7へ供給し得るとともに、凝縮された多量のドレン水38が筒状容器43の底部に貯留する。
そして、前記ドレン水38が所定液面以上貯留すると、オートドレン37のフロート62が上動し、ピストン弁(図示略)を開弁して排出管67に排出される。
【0072】
この場合、筒状容器12,30を透明に構成し、開口部25,43から内部を透視できるから、筒状容器12,30の内部状況を視認でき、ドレン水38,53の貯留状況や凝結シリンダ14,32の状況、およびオートドレン19,37の状況を確認できることとなる。
また、容器カバー13,31は、空隙部26,44を介して筒状容器12,30の外側に配置されているから、それらの間に空気を流通させて筒状容器12,30の冷却を図れ、気液分離作用を増進し得るとともに、筒状容器12,30の破損による破片の飛散を防止し、また外部からの機械的な攻撃に耐えられる。
【0073】
一方、理容店Sの外壁に設置した分配器Mの屋内側の接続口には、柔軟で所望長さの複数の端末導管Pが接続され、該導管Pの先端部がヘア−ドライヤ7の握持部70bに接続され、該導管Pに前述のように除湿され冷却された乾燥空気が導かれる。
前記握持部70bの基端部に開閉弁(図示略)が設けられ、該開閉弁を握持部70bに設けた操作摘み(図示略)を操作して開閉し、その開弁時に冷却した乾燥空気が握持部70bからブラシホルダ70内へ導かれる。
【0074】
前記ヘアードライヤ7は、その先端部のブラシ台72の通孔75にブラシユニット73のブラシ軸73aが内側から挿入され、該ユニット73の基部の間に、貫通孔77と吹出孔76に連通する空隙部rを形成して組み立てられる。
この場合、ヘアードライヤ7による乾燥作業は、冷却・乾燥空気の吹出しのみで行なわれ、温風の吹出しを行わないから、温風の吹出し機構を要さず、その分、ヘアードライヤ7を安価に製作できる。
【0075】
こうして、ブラシホルダ70内に導かれた冷却・乾燥空気は、貫通孔77から空隙部rを経て吹出孔76から外部へ吹き出され、ブラシ軸73a,73aの間を移動する。
そこで、ヘアードライヤ7の握持部70bを保持し、例えば洗髪後の利用者の毛髪の間にブラシ軸73aを挿入して梳いていくと、冷却・乾燥空気が吹出孔76から毛髪と頭皮へ吹き出され、それらに付着した水分が吹き飛ばされて乾燥を促す。
その際、毛髪と頭皮には冷却・乾燥空気が接触するから、毛髪が傷まずに済み、また頭皮は火傷することなく安全に保護され、清涼感を維持して毛髪と頭皮が乾かされる。
【0076】
こうして毛髪を乾かし後、操作摘み(図示略)を操作して開閉弁を閉弁し、吹出孔76からの冷却・乾燥空気の吹出しを停止して、一連の乾燥作業を終了する。
このように前記作業は冷却・乾燥空気の吹出しによって行われ、温風の吹出しを行わないから、その分の電力の消費がなく、それだけ安価に使用できる。
【0077】
図17乃至図24は本発明の他の実施形態を示し、前述の実施形態と対応する構成部分に同一の符号を用いている。
このうち、図17乃至図21は本発明の第2の実施形態を示し、この実施形態は前記エアードライヤ5の下流側の圧縮空気の流路に、圧縮空気の異物を除去し清浄し乾燥するための互いに異なる複数のエアークリーナ77〜79を近接して配置している。
実施形態では上流側のエアークリーナ77にオイルミスト除去クリーナを配置し、その下流側のエアークリーナ78に乾燥・除湿除去クリーナを配置し、その下流側のエアークリーナ79に不純物除去クリーナを配置している。
【0078】
前記エアークリーナ77〜79は、前述の凝結器4またはエアードライヤ5と外観的に同様に構成され、これは前記ヘッドカバー11と実質的に同一のヘッドカバー80と、該カバー80に上部を連結した前記筒状容器12と実質的に同一の透明な筒状容器81と、該容器81の外側に配置した前記容器カバー13と実質的に同一の容器カバー82と、から構成され、これらの下端部には前記オートドレンの代わりに、簡単な構成の簡易ドレン83を設けている。
【0079】
前記ヘッドカバー80の両側にインレット84とアウトレット85が設けられ、その下部中央にネジ孔86が形成され、該ネジ孔86に合成樹脂製の筒状のクリーナエレメント収納容器87が、その連結管88を介してねじ込まれて接続されている。
前記クリーナエレメント収納容器87は透明の円筒状に形成され、その底部に複数の通孔89が形成され、各収納容器87に後述する各種のクリーナエレメントが収容されている。
【0080】
前記クリーナエレメント収納容器87の内部に、通気性を有する柔軟で透明な円筒状の収納袋90が収容され、該収納袋90に各種のクリーナエレメントが収容されている。
前記エレメントは、エアークリーナ77の場合はオイルミスト除去部材91として、微粒子状のナノ・カーボンを筒状若しくは円筒状にプレス成形したオイルミスト除去セグメントが収容され、収納袋90内を移動する圧縮空気に含まれるオイルミストを捕集可能にしている。
【0081】
また、エアークリーナ78は乾燥・除湿部材92として、粒子状の活性アルミナが収容され、収納袋90内を移動する圧縮空気に含まれる水分または湿気を吸着可能にしている
更に、エアークリーナ79は不純物除去部材93として、多数の中空糸が収容され、収納袋90内を移動する圧縮空気を中空糸の中心孔に移動させ、圧縮空気に含まれる水蒸気や溶存ガスを中空糸膜に吸着して除去可能にしている。
【0082】
この他、図中、94は各インレット84とアウトレット85を連結する前記接続導管10と同様な接続導管、95は容器カバー82の底部に形成した通孔、96は簡易ドレン83の螺軸にねじ込んだナットで、各筒状容器81の底部に簡易ドレン83の螺軸を立設可能にしている。
図中、97は各容器カバー82に形成した開口部で、前記開口部43と同様に形成され、また各筒状容器81と容器カバー82との間に、前記空隙部26,44と同様な空隙部98が形成されている。
【0083】
前記連結片8はエアークリーナ77〜79の増設分、長尺に延設され、その板面に複数のビス孔が形成され、延設した屈曲片8aに複数の長孔51が形成されている。図中、99は各インレット84の奥部に形成した通路で、各筒状容器81の内部上方に連通している。
【0084】
このように構成した第2の実施形態では、凝結器4とエアードライヤ5で圧縮空気中の水分を大量かつ精密に除去後、この圧縮空気がエアークリーナ77に送り込まれ、そのインレット84から通路99を経て筒状容器81内に導入され、その下方へ移動する。
そして、前記圧縮空気はクリーナエレメント収納容器87の下方へ移動後、その底部から通孔95に導かれて前記収納容器87内へ移動し、収納袋90を通過して内部に収納されたクリーナエレメントであるオイルミスト除去部材91の間を上動し、圧縮空気に含まれるオイルミストが捕集される。
【0085】
この後、前記圧縮空気は連結管86を上動してアウトレット85へ移動し、接続導管94を経てエアークリーナ78へ送り込まれる。
前記圧縮空気はエアークリーナ78のインレット84から通路99を経て筒状容器87内に導入され、その下方へ移動する。
前記圧縮空気はクリーナエレメント収納容器87の下方へ移動後、その底部から通孔89に導かれて前記収納容器87内へ移動し、収納袋90を通過して内部に収納されたクリーナエレメントである乾燥・除湿部材92の間を上動し、圧縮空気に含まれる水分が除去される。
【0086】
その後、前記圧縮空気は連結管86を上動してアウトレット85へ移動し、接続導管94を経てエアークリーナ79へ送り込まれる。
前記圧縮空気はエアークリーナ79のインレット84から通路99を経て筒状容器81内に導入され、その下方へ移動する。
【0087】
そして、前記圧縮空気はクリーナエレメント収納容器87の下方へ移動後、その底部から通孔89に導かれて前記収納容器87へ移動し、収納袋90を通過して内部に収納されたクリーナエレメントである不純物除去部材93の中空糸の中心孔を上動して、圧縮空気に含まれる不純物や溶存ガスを除去される。
【0088】
その後、前記圧縮空気は連結管86を上動してアウトレット85へ移動し、接続導管6へ送り出され、オイルミストを除去され、乾燥・除湿され、不純物を除去された清浄で乾燥した冷却空気をヘアードライヤ7へ供給する。したがって、ヘアードライヤ7の機能低下や故障の発生が抑制される。
【0089】
この場合、圧縮空気が各エアークリーナ77〜79を移動する際、クリーナエレメント収納容器87の底面に衝突し、通孔89を通過し、前記収納容器87の上面に衝突して、微量の水分が凝集し凝結して各筒状容器81の底部に流下し貯留する。このため、各簡易ドレン83を適時操作して前記ドレン水を外部へ排出する。
【0090】
一方、エアークリーナ77〜79は使用によって、各クリーナエレメント91〜93にオイルミストや湿気ないし水分、不純物等が捕集され吸着されて、徐々にクリーナ機能が低下する。
この状況は各クリーナエレメント91〜93の変色、変状によって確認し得るが、この状況は透明なクリーナエレメント収納容器87と、透明な筒状容器81と、透明な収納袋90によって、エアークリーナ77〜79の開口部97から視認し得る。
また、前記状況は、エアークリーナ77〜79の各簡易ドレン83を操作した際の、圧縮空気の排出量の多少や圧力等によっても確認し得る。
【0091】
こうして、エアークリーナ77〜79の各クリーナエレメント91〜93の現状を確認し、その機能低下を確認後、凝結器4、エアードライヤ5、エアークリーナ77〜79に対する冷却・乾燥空気の供給を一旦停止し、対応するエアークリーナ77〜79を取外し、対応するクリーナエレメント91〜93を新規なものに交換して、この種装置のメンテナンスに対応する。
【0092】
この場合のメンテナンス作業は、ビス41を取外し、対応するエアークリーナ77〜79の容器カバー82を取外し、その内側の筒状容器81の螺着を解除して取外し、対応するクリーナエレメント収納容器87を取外す。
そして、対応する新規なクリーナエレメント91〜93を収納袋90に収納したクリーナエレメント収納容器87を用意し、これを対応するヘッドカバー80の下面のネジ孔86にねじ込み、この外側に筒状容器81と容器カバー82を取付ける。
このようにして新規なクリーナエレメント91〜93の交換を簡便に行え、対応するエアークリーナ77〜79の機能を簡便に回復し得る。
【0093】
更に、エアークリーナ77〜79の各筒状容器81の外側に、空隙部98を介して開口部97を備えた容器カバー82を取付け、それらの間に空気を流通させているから、筒状容器81の冷却を図れ、各クリーナ77〜79における気液分離効果を増進できるとともに、各筒状容器81の破損による破片の飛散を防止し、また外部からの機械的な攻撃に耐えられる。
【0094】
図22は本発明の第3の実施形態を示し、この実施形態は凝結器4とエアードライヤ5、エアークリーナ77〜79を、連結片8と接続導管10を介し横一列または縦向きにコンパクトに配置する代わりに、これらを垂直若しくは斜状に配置した管材等の支持部材100に設置し、設置スペースのコンパクト化を図るとともに、支持部材100の内部に配置することによって安全に保護し、室外設置の安全性を確保するようにしている。
この場合、凝結器4とエアードライヤ5、エアークリーナ77〜79の各ヘッドカバー11,29,80は、支持部材100にビス止めして置くことが望ましい。
【0095】
図中、101,102は支持部材100の上下端部を閉塞するキャップで、下側のキャップ102に複数の通孔103が設けられ、これらの通孔103に凝結器4の排出管58と、エアードライヤ5の排出管67の中間部が挿入されて配管されている。
この実施形態における配管は、若干長めで略U字形の接続導管10,94を要する以外は、前述の実施形態と実質的に同一である。
【0096】
このようにこの実施形態は、一つの支持部材100に凝結器4とエアードライヤ5、エアークリーナ77〜79を配置しているから、それらの設置スペースがコンパクトになる
また、前記支持部材100を、例えば軸方向に分割した二つ割り構造の支持ピースを接合して構成すれば、凝結器4やエアードライヤ5、エアークリーナ77〜79の組み付けおよび取外しを、簡便かつ合理的に行なうことができ、またそれらのメンテナンスを簡便に行える。
【0097】
なお、前述の実施形態ではエアーツ−ル7をヘアードライヤに適用しているが、冷却・乾燥空気を使用する他の設備や機器に適用することも可能である。
例えば、ヘアードライヤの代わりに、歯科医院の治療台に装備にする治療機器の駆動用圧縮空気や治療患部への清浄用空気、生鮮食料品店や飲食店、レストランにおける食品の鮮度向上のための吹き出し空気、病院や駅、飛行場、学校等の建物内の人の通路への吹き出し用空気に使用することも可能である。
【0098】
図23は本発明の第4の実施形態を示し、この実施形態は比較的少量の冷却・乾燥空気を使用する理容店内の適所にステンレス鋼板製のクールドライボックス104を設置し、このクールドライボックス104内の上部に、凝結器4とエアードライヤ5とエアークリーナ77を横列に配置し、クールドライボックス104内の下部にエアークリーナ78,79を横列に配置している。
【0099】
前記凝結器4とエアードライヤ5とエアークリーナ77の上端部を中連結片8bに固定し、エアークリーナ78,79を小連結片8cに固定し、それらの屈曲片をクールドライボックス104の背面にビス孔51を位置付けてビス止めしている。
前記クールドライボックス104は、高さ55cm、横30cm、奥行12cm、重さ6kgの箱体に形成され、これを上面に突設したU字形状の把手105を保持して、人力で持ち運び可能にしている。
【0100】
前記上段のエアークリーナ77と、下段のエアークリーナ78とをS字状に折曲した接続導管94で接続し、下段のエアークリーナ79に圧縮空気導管6の一端を接続し、この他端を逆S字状に折曲してエアーツール7へ接続している。
前記クールドライボックス104内の下部の一側に、ドレン収納容器106が取り出し可能に設置され、その口元に凝結器4に接続した排出管58と、エアードライヤ5に接続した排出管67の下端部が挿入され、それぞれのドレン水53を排出可能にしている。
この場合、この実施形態では比較的少量の冷却・乾燥空気を使用するため、凝結器4とエアードライヤ5に凝縮液ないしドレン水53が比較的少量に生成され、これを収容するドレン収納容器106も比較的小容積のものを用いている。
【0101】
前記ドレン水53の貯留量は、クールドライボックス104の前部に着脱可能に装着するカバー(図示略)の覗き孔(図示略)から視認可能にされ、ドレン水53が所定量の貯留された際、カバーを取外してドレン収納容器105を取り出し、ドレン水53を排出可能にしている。
すなわち、前記カバーは、ドレン収納容器105の取り出し時、または凝結器4、エアードライヤ5、エアークリーナ77〜79のメンテナンス時に、クールドライボックス104本体から取り外し可能にされている。
【0102】
このようにこの実施形態は、クールドライボックス104を軽量かつコンパクトに構成し、これを容易に持ち運び可能にするとともに、その内側に凝結器4とエアードライヤ5、および複数のエアークリーナ77〜79を収納し、それらをコンパクトかつ簡便に設置して使用するようにしている。
【0103】
図24は本発明の第5の実施形態を示し、この実施形態は比較的多量の冷却・乾燥空気を使用する歯科医院に適用している。すなわち、歯科医院では治療機器の駆動用や口内の治療患部の清浄に多量の冷却・乾燥空気を使用しており、その合理的な供給設備として歯科医院内の適所にクールドライボックス104を設置している。
前記クールドライボックス104内の上段にエアークリーナ77〜79を横一列に配置し、下段に凝結器4とエアードライヤ5を横一列に配置し、エアードライヤ5の直上にエアークリーナ77を配置し、これらを空気導管6で接続している。また、最後のエアークリーナ79に空気導管6の一端を接続し、その他端をエアーツール7である、治療台近傍の治療機器および清浄用の導管接続部(図示略)に接続している。
【0104】
前記クールドライボックス104の底面に貫通穴107が形成され、該貫通穴107をドライボックス104の設置面に設けた直下の排水穴108に連通し、該排水穴108の下方にエアーコンプレッサ2および/またはエアータンク1を配置し、その吐出口に圧縮空気導管3の一端を接続し、この他端を凝結器4のインレットに接続している。
また、排水穴108の下方に排水路(図示略)が設けられ、該排水路に凝結器4に接続した排出管58と、エアードライヤ5に接続した排出管67とを配管し、それぞれのドレン水53を排出可能にしている。
【0105】
このように、この実施形態は比較的多量の冷却・乾燥空気を使用する歯科医院に対し、多量の凝縮液を生成する凝結器4とエアードライヤ5を下段に配置し、その排出管58と排出管67とを貫通穴107と排水穴108へ配管し、それらの配管をコンパクトかつ容易に行なうとともに、ドレン水53の排水を確実かつ円滑に行なうようにしている。
そして、エアークリーナ79を移動した清浄後の冷却・乾燥空気は、接続導管6を介してクールドライボックス104の底面の貫通穴107から排水穴108へ配管し、その管端部を歯科医院内の治療台近傍の治療機器および清浄用の導管接続部(図示略)に接続して、冷却・乾燥空気を供給可能にしている。
【0106】
したがって、圧縮空気の供給とその除湿ないし冷却と、生成されたドレン水53の排出を、歯科医院内に設置した小形軽量のクールドライボックス104で一貫して行ない、使用の利便性を向上するとともに、各構成部の不具合やエアークリーナ77〜79の部品交換等のメンテナンスを、カバーの着脱によって容易に行なうようにしている。
しかも、クールドライボックス104内に配管した圧縮空気導管3や空気導管6は、前述の実施形態のようにドライボックス104の外部に配管していないから、それだけクールドライボックス104の構成が簡潔になり、またその配管のコンパクト化と作業の容易化を増進するとともに、清浄な冷却乾燥空気の外気との接触を回避して昇温を抑制しエアーツ−ルへ供給し得る。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本発明の冷却乾燥空気の供給装置は、例えばエアーコンプレッサ等で生成された圧縮空気を精度良く除湿かつ冷却して冷却・乾燥空気を安価かつ合理的に生成し、これをヘアードライヤ等のエアーツールや建物の通路、病院の治療台や歯科医院の治療機器、生鮮食料品店の食品展示ケ−スへ合理的に供給するから、各種エアーツールの使用上の利便性の向上と、医療および公衆衛生、公共の環境、食品の衛生の向上に好適である。
【符号の説明】
【0108】
1 エアータンク
3,6,10 供給管路
4 凝結器
5 エアードライヤ
7 エアーツール(ヘヤードライヤ)
52 外壁
77〜79 エアークリ−ナ
【0109】
100 支持部材
101,102 キャップ
104 クールドライボックス
S 理容店
【要約】      (修正有)
【課題】エアーコンプレッサ等で生成された圧縮空気を精度良く除湿かつ冷却して冷却・乾燥空気を安価かつ合理的に生成し、これをヘアードライヤ等のエアーツールへ合理的に供給し、使用上の利便性の向上と、医療および公衆衛生、公共の環境、食品の衛生を向上した冷却乾燥空気の供給装置の提供。
【解決手段】清浄で乾燥した圧縮空気を、エアーツール7等の使用設備へ供給する供給管路3,10,6に、気液を分離可能な凝結器4と、気液を分離し圧縮空気を断熱膨張可能なエアードライヤ5とを配置する。凝結器4をエアードライヤ5よりも上流側でエアータンク1側に配置する。凝結器4で圧縮空気を最初に気液分離し、気液分離後の圧縮空気をエアードライヤ5へ導入して断熱膨張する。断熱膨張後の冷却乾燥空気を前記エアーツール7等の使用設備へ供給可能にする。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24