(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記センサ電子機器は、前記誘電材料によって吸収される湿気に起因する、前記誘電材料の静電容量、抵抗、および/または複素インピーダンス変化を測定する、請求項1に記載の透明材。
前記吸収性の押出成形されたポリマー材料は、ナイロン4−6、ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−12、ナイロン11、ポリアミド−イミド、ポリベンゾイミダゾール、ポリエーテルスルホンまたはポリスルホン、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項1に記載の透明材。
前記湿気センサは、同軸形状を有し、前記誘電材料は、中心孔を伴う伸長形状を有し、前記第1の電極は、前記第1の電極の壁を通して複数の離間された孔を有する外側スリーブを備え、前記第1の電極は、前記誘電材料の外側表面と表面接触し、前記第2の電極は、前記誘電材料の内側表面と表面接触する前記誘電材料の中心孔内にある、請求項1に記載の透明材。
前記第1および第2の電極は、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、オスミウム、イリジウム、白金、金、スズめっき銅、ニッケル−クロム、アルミニウム、合金、およびそれらの組み合わせから成る群から選択された材料から作製される、請求項1に記載の透明材。
前記誘電材料は、第1の表面および第2の表面を有する伸長形状を有し、前記第1の電極は、前記誘電材料の第1の表面と電気接触し、前記第2の電極は、前記誘電材料の第2の表面と電気接触し、前記第1および第2の電極は、前記誘電材料を経由してのみ相互に電気的に接続され、前記第1および第2の電極の各々は、自身の個別の壁を通して延在する複数の離間された孔を有する、請求項1に記載の透明材。
前記第1および第2の電極は、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、オスミウム、イリジウム、白金、金、スズめっき銅、ニッケル−クロム、アルミニウム、合金、およびそれらの組み合わせから成る群から選択された材料から作製される、請求項6に記載の透明材。
前記第1の電極は、前記誘電材料の第1の側として指定される前記誘電材料の側上に搭載され、前記第2の電極は、前記第1の側と反対の前記誘電材料の側上に搭載される、請求項1に記載の透明材。
前記複数のシートの各々は、第2の主要表面と反対の第1の主要表面と、前記第1の主要表面および前記第2の主要表面を継合する周辺表面とを備え、前記複数のシートのうちの前記少なくとも1つのシートの前記表面部分は、前記第1の主要表面、前記第2の主要表面、前記周辺表面、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項10に記載の透明材。
前記透明材は、航空機用透明材であり、前記複数のシートの各々は、第2の主要表面と反対の第1の主要表面と、前記第1の主要表面を継合する周辺表面とを備え、前記複数のシートのうちの第1のシートの第2の主要表面は、前記複数のシートのうちの第2のシートの第2の主要表面と対面関係にあり、前記第2のシートの第2の主要表面から離間され、前記湿気センサは、前記第1のシートと前記第2のシートとの間にあり、前記第1のシートおよび前記第2のシートの周辺縁から離間される、請求項1に記載の透明材。
前記湿気センサは、複数の湿気センサのうちの1つであり、前記複数の湿気センサのうちの第1の湿気センサは、前記湿気シールと前記複数のシートとの間にあり、前記複数の湿気センサのうちの第2の湿気センサは、前記複数のシート間にあり、前記複数の湿気センサのうちの第3の湿気センサは、前記湿気シールと前記透明材の外側表面部分との間にある、請求項1に記載の透明材。
前記湿気センサは、第1の端部および反対の第2の端部を有する第1の伸長湿気センサであり、前記透明材は、第2の伸長湿気センサ、第3の伸長湿気センサ、および第4の伸長湿気センサをさらに備え、
前記第2の伸長湿気センサ、前記第3の伸長湿気センサ、および前記第4の伸長湿気センサの各々は、第1の端部および反対の第2の端部を備え、
前記第1の伸長湿気センサ、前記第2の伸長湿気センサ、前記第3の伸長湿気センサ、および前記第4の伸長湿気センサは、前記複数のシートの周辺縁に隣接する前記複数のシートのうちの1つの主要表面上に搭載され、
前記第1の伸長湿気センサの第2の端部は、前記第2の伸長湿気センサの第1の端部に隣接し、前記第2の伸長湿気センサの第1の端部から離間され、前記第2の伸長湿気センサの第2の端部は、前記第3の伸長湿気センサの第1の端部に隣接し、前記第3の伸長湿気センサの第1の端部から離間され、前記第3の伸長湿気センサの第2の端部は、前記第4の伸長湿気センサの第1の端部に隣接し、前記第4の伸長湿気センサの第1の端部から離間され、前記第4の伸長湿気センサの第2の端部は、前記第1の伸長湿気センサの第1の端部に隣接し、前記第1の伸長湿気センサの第1の端部から離間される、請求項1に記載の透明材。
前記第1の伸長湿気センサ、前記第2の伸長湿気センサ、前記第3の伸長湿気センサ、および前記第4の伸長湿気センサは、第1の境界を形成し、前記第1の境界内にありかつ前記第1の境界から離間される第2の境界と、前記第2の境界内にありかつ前記第2の境界から離間される第3の境界とを備え、前記第2および第3の境界の各々は、前記第2の境界のための第5の伸長湿気センサおよび前記第3の境界のための第6の伸長湿気センサとして画定される少なくとも1つの伸長湿気センサを備える、請求項14に記載の透明材。
前記透明材は、積層された航空機用透明材、商業用および住居用窓、任意のタイプの地上用車両のための窓、任意のタイプの航空および宇宙飛行体のための天蓋、機室窓、およびフロントガラス、任意の水上または水中乗物のための窓、および任意のタイプのコンテナ用の視認側またはドアのための窓から成る群から選択される、請求項1に記載の透明材。
前記透明材の複数のシートは、非硬化プラスチックシート、焼鈍ガラスシート、および熱および化学的に補強された、クリア、着色された、コーティングされた、およびコーティングされていないガラスシートから成る群から選択される、請求項1に記載の透明材。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書で使用されるように、「内側」、「外側」、「左」、「右」、「上」、「下」、「水平」、「垂直」、および同等物等の空間または方向用語は、図上の図面に示される通り、本明細書に関連する。しかしながら、本発明は、種々の代替配向をとることができ、故に、そのような用語は、限定として見なされないことを理解されたい。さらに、明細書および請求項において使用される寸法、物理的特性等を表す全ての数字は、全事例において、用語「約」によって修飾されるものと理解されたい。故に、そうでないことが示されない限り、以下の明細書および請求項に記載される数値は、本発明によって得られるべきことが所望および/または模索される特性に応じて変動し得る。最低でも、請求項の範囲の均等物の教義の適用を限定する試みとしてではなく、各数値パラメータは、少なくとも、報告される有効数字に照らして、かつ通常の丸め技法を適用することによって、解釈されるべきである。さらに、本明細書に開示される全範囲は、その中に包含されるあらゆる下位範囲を網羅するものと理解されたい。例えば、「1〜10」と記載される範囲は、最小値1と最大値10(それらの値を含む)との間のあらゆる下位範囲、すなわち、最小値1またはそれを上回る値から開始し、最大値10またはそれ未満で終了する全下位範囲、例えば、1〜6.7、または3.2〜8.1、または5.5〜10を含むものと見なされるべきである。また、本明細書で使用されるように、用語「〜の上に適用される」、「〜にわたって位置付けられる」、または「〜にわたって搭載される」とは、〜の上に適用される、〜の上に位置付けられる、または〜にわたって搭載されることを意味するが、必ずしも、表面接触しない。例えば、別の物品または物品の構成要素「〜の上に適用される」、「〜にわたって搭載される」または「〜にわたって位置付けられる」、ある物品または物品の構成要素は、それぞれ、物品間の材料または物品の構成要素間の材料の存在を除外しない。
【0018】
本発明のいくつかの非限定的実施形態について論じる前に、本発明は、その用途を本明細書で図示および議論される特定の非限定的実施形態の詳細に限定されず、本発明は、他の実施形態も可能であることを理解されたい。さらに、本発明について論じるために本明細書で使用される専門用語は、説明の目的のためのものであって、限定のためのものではない。なおもさらに、別様に示されない限り、以下の議論では、同様の番号は、同様の要素を指す。
【0019】
本発明の非限定的実施形態は、航空機用積層透明材を対象とし、特に、航空機用積層フロントガラスを対象とする。しかしながら、本発明は、任意の特定のタイプの航空機用透明材に限定されず、本発明は、任意のタイプのフロントガラス、例えば、限定ではないが、(1)米国特許第8,155,816号に開示される積層フロントガラス、(2)電気刺激に応答して可視透過性を増減させる媒体を有する航空機用窓、例えば、限定ではないが、米国公開特許出願第2007/0002422A号に開示される航空機用窓のタイプ、および(3)一対の積層されたシート間に絶縁空気空間を有するタイプの航空機用窓における本発明の実践を検討する。さらに、本発明は、商業用および住居用窓、例えば、限定ではないが、(1)米国特許第5,675,944号に開示されるタイプ、(2)任意のタイプの地上用車両のための窓、(3)任意のタイプの航空および宇宙飛行体のための天蓋、機室窓、およびフロントガラス、(4)任意の水上または水中乗物のための窓、および(5)任意のタイプのコンテナ、例えば、限定ではないが、冷蔵庫、キャビネット、および/またはオーブンドアのための視認側またはドアのための窓においても実践されることができる。本明細書で識別された文書は、参照することによって本明細書に組み込まれる。なおもさらに、本発明は、透明材の層またはシートの材料に限定されず、層またはシートは、限定ではないが、硬化および非硬化プラスチックシート、焼鈍ガラスシート、および熱および化学的に補強された、クリア、着色された、コーティングされた、およびコーティングされていないガラスシートから作製されることができる。
【0020】
積層フロントガラスは、通常、除氷および/または除曇特徴を伴う航空機用の受動構成要素であるように設計される。本発明の非限定的側面の実践では、センサが、使用され、透明材の性能に関するフィードバックを提供する。より具体的には、本発明の湿気センサは、電気および機械的完全性のための窓システムの健全性ステータスに関するフィードバックを提供することを目標とする、知的窓を提供する。具体的には、湿気侵入は、特に、窓シールが適切に維持されないときの宇宙航空機用透明材劣化の公知の問題である。継続されたまま残される場合、湿気侵入は、内部積層を恒久的に悪化させ、可視性の低減を生じさせ、窓を役に立たなくさせ得る。最悪の場合、湿気侵入は、導電性ヒータ層(以下に詳細に議論される)に影響を及ぼし、潜在的に、積層フロントガラスの1つまたはそれを上回る層、シート、または合層のアーク放電現象および構造破損を生じさせ得る。
【0021】
図1に示されるのは、本発明の実践において使用され得る、航空機用フロントガラス20の非限定的実施形態である。フロントガラス20は、第1のウレタン中間層28によってビニル中間層またはシート26の表面24に固着される第1のガラスシート22を有し、第2のウレタン中間層34によってビニル中間層26の表面32に固着される第2のガラスシート30を有する。当技術分野において使用されるタイプの縁部材または防湿層36、例えば、限定ではないが、シリコーンゴムまたは他の可撓性かつ耐久性の耐湿材料は、(1)フロントガラス20の周辺縁38、すなわち、第1および第2のシート22および30のそれぞれの周縁縁38、ビニル中間層26の周縁縁38、第1および第2のウレタン中間層28および34のそれぞれの周辺縁38、(2)フロントガラス20の外側表面42の縁部または辺縁40、すなわち、フロントガラス20の第1のガラスシート22の外側表面42の縁部40、および(3)フロントガラス20の外側表面46の縁部または辺縁44、すなわち、第2のガラスシート30の外側表面46の縁部、に固着される。
【0022】
当業者によって理解されるように、本発明を限定するものではないが、第1のガラスシート22、ビニル中間層26、および第1のウレタン中間層28は、フロントガラス20の構造部分または内側区画を形成する。ガラスシート22の外側表面42である、フロントガラス20の外側表面42は、車両、例えば、限定ではないが、航空機(本発明の実践において使用され得る航空機は、本発明を限定するわけではないが、米国特許第8,155,816B2号に示されている)の内部に面する。第2のウレタン層34および第2のガラスシート30は、フロントガラス20の非構造部分または外側区画を形成する。第2のガラスシート30の表面46である、フロントガラス20の外側表面46は、航空機の外部に面する。第2のガラスシート30は、以下に議論される様式で熱を提供し、霧をフロントガラス20の外側表面46から除去し、および/またはその上の氷を溶解する、加熱可能部材50の一部である。
【0023】
理解され得るように、本発明は、フロントガラス20の構造に限定されず、当技術分野において開示される航空機用透明材の構造のいずれかが、本発明の実践において使用されることができる。例えば、本発明を限定するわけではないが、フロントガラス20は、ビニル中間層26および第1のウレタン中間層28が省略され、ガラスシート22および/または30がプラスチックシートである、構造を含むことができる。
【0024】
概して、フロントガラス20のガラスシート22および30は、クリアな化学的に補強されたガラスシートである。しかしながら、本発明は、それに限定されず、ガラスシート22および/または30は、熱補強または熱強化ガラスシートであることができる。さらに理解されるように、本発明は、フロントガラス20を構成する、ガラスシート、ビニル中間層、またはウレタン中間層の数に限定されず、フロントガラス20は、任意の数のシートおよび/または中間層を有することができる。
【0025】
本発明は、加熱可能部材50の設計および/または構造に限定されず、ガラスまたはプラスチックシートの表面を加熱し、シートの表面上の氷を融解し、および/またはそこから霧を除去するための当技術分野において使用される任意の導電性加熱可能部材が、本発明の実践において使用されることができる。
図2を参照すると、本発明のある非限定的実施形態では、加熱可能部材50は、第2のガラスシート30の表面64に適用される伝導性コーティング62と、伝導性コーティング62と電気接触する一対の離間されたバスバー66および68とを含む。本発明は、伝導性コーティング62の組成物に限定されず、例えば、本発明を限定するわけではないが、伝導性コーティング62は、任意の好適な導電性材料から作製されることができる。本発明の実践において使用され得る、伝導性コーティングの非限定的側面として、限定ではないが、PPG Industries, Inc.から登録商標NESA(R)の下で販売されているタイプの熱分解析出フッ素をドープした酸化スズ膜、PPG Industries, Inc.から登録商標NESATRON(R)の下で販売されているタイプのマグネトロンスパッタリング堆積スズをドープした酸化インジウム膜、1つまたはそれを上回るマグネトロンスパッタリング堆積膜から作られたコーティングであって、その膜は、限定ではないが、金属膜、例えば、酸化金属膜、例えば、酸化亜鉛および/またはスズ酸亜鉛間に銀を含む、コーティングが挙げられ、それぞれ、例えば、米国特許第4,610,771号、第4,806,220号、および第5,821,001号(本開示はその全体として参照することによって本明細書に組み込まれる)に開示されるように、マグネトロンスパッタリングによって連続して適用されてもよい。
【0026】
理解され得るように、本発明は、ガラスシート60を加熱するための導電性コーティングの使用に限定されず、電気的に加熱され得る、任意のタイプの部材、例えば、限定ではないが、導電性ワイヤの使用を検討する。ワイヤ、例えば、
図1において想像線で示されるワイヤ69は、第2のウレタン中間層34内に埋設され、バスバー66および68に電気的に接続されることができる。そのような加熱配列は、PPG Industries ohio, Inc.から登録商標AIRCONの下で当技術分野において公知であって、米国特許第4,078,107号(本特許は全体として参照することによって本明細書に組み込まれる)に開示されている。
【0027】
本発明は、バスバーの設計および/または構造に限定されず、当技術分野において公知のタイプのバスバーのいずれかが、本発明の実践において使用されることができる。本発明の実践において使用され得る、バスバーの実施例として、限定ではないが、米国特許第4,623,389号、第4,820,902号、第4,894,513号、第4,994,650号、および第4,902875号(本特許はその全体として参照することによって本明細書に組み込まれる)に開示されるタイプが挙げられる。バスバー66および68の各々は、それぞれ、ワイヤ70および71によって、電源72、例えば、バッテリに接続され、電流をバスバー66および68および伝導性コーティング62を通して流動させ、伝導性コーティング62および第2のガラスシート30を加熱し、氷および/または霧をフロントガラス20の外側表面46から除去する。電流を提供し、コーティング62を加熱し、電流をコーティング62から切断するための窓熱コントローラ73は、ワイヤ71のワイヤ区分71Aが窓熱コントローラ73の一方の極をバスバー68に接続し、ワイヤ71のワイヤ区分71Bが窓熱コントローラ73の別の極をバッテリ72に接続するように、ワイヤのうちの1つ、例えば、ワイヤ71に接続される。本配列を用いることで、窓熱コントローラ73は、バスバー66および68および伝導性コーティング62への電気電力を制御し、バスバー68および66および伝導性コーティング62を通る電流の流動を変動および/または調整し、伝導性コーティング62の温度を制御することができる。本発明を限定するわけではないが、バスバー66の端部75およびバスバー68の端部76は、ガラスシート30の隣接する側78−81から離間され、バスバー66および68と航空機の金属体カバーのアーク放電現象を防止する(米国特許第8,155,816B2号に示される)。
【0028】
図3に示されるのは、湿気センサ85であって、
図4に示されるのは、湿気センサ87であって、湿気センサ85および87は、本発明の特徴を有する。より具体的には、湿気センサ85は、同軸配列を有し、限定ではないが、中心電気導体または電極89と、中心電気電極89にわたる誘電スリーブ91と、外側湿気透過性電気伝導性スリーブまたは外側電極93とを含む。
図4に示される湿気センサ87は、第2の外側湿気浸透性電気伝導性電極97から離間された第1の外側湿気浸透性電気伝導性電極95と、第1および第2の電極95および97のそれぞれの間にあり、それと物理的接触または近接近する、誘電層99とを含む。誘電体は、ワイヤ製造と互換性がある任意の絶縁材料から成ることができ、好ましくは、大飽和湿気容量を伴い、かつ積層処理温度を上回る溶融温度を伴う。誘電体91または99のために使用され得る、材料は、限定ではないが、任意の鎖長のナイロン、例えば、ナイロン4−6、ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−12、ナイロン11、ポリアミド−イミド、ポリベンゾイミダゾール、ポリエーテルスルホン、またはポリスルホンを含む。それぞれ
図3または
図4に示される湿気センサ85または87はまた、当業者によって理解されるように、湿気センサの電気応答を実質的に変化させないが、センサの加工または据付のために望ましくあり得る、任意の数の付加的湿気浸透性伝導性または絶縁層を含むことができる。湿気浸透性伝導性または絶縁層86の区画は、
図4に想像線で示される。湿気センサ85および87は、フロントガラス、例えば、限定ではないが、ガラスシート22および30、伝導性コーティング62、ビニル中間層26、およびウレタン中間層28および34の材料と非反応性の材料から作製される。湿気センサ85の電極89および93および湿気センサ87の電極95および97は、固定温度において経時的に一定の電気伝導性を有する、導電性材料から作製される。湿気センサ85の電極89および93および湿気センサ87の電極95および97のために使用され得る、材料は、限定ではないが、最も一般には、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、オスミウム、イリジウム、白金、および金であることが考えられる、貴金属、および限定ではないが、銅、スズめっき銅、ニッケルめっき銅、ニッケル−クロム、アルミニウム、およびそれらの組み合わせ等の非貴金属および合金を含む。
【0029】
湿気センサ85の中心電極89および外側電極91は、好ましくは、同一材料から作製され、湿気センサ87の外側電極95および97もまた、好ましくは、同一材料から作製され、2つの異なる金属間の化学反応を回避する。本発明の一側面では、
図3に示される湿気センサ85の中心電極89は、中実または撚捻スズめっき銅ワイヤから作製され、湿気センサ85の外側電極93(
図3参照)および湿気センサ87の外側電極95および97(
図4参照)は、スズめっき銅メッシュから作製され、湿気が外側電極93、95、および97を通して移動し、センサ85の電極89と93との間の誘電材料91に接触し、センサ87の外側電極95および97を通して移動し、湿気センサ87の電極95と97との間の誘電層105に接触するための通路103を提供する。本発明は、外側電極93、95、および97の編組内の通路の厚さ、サイズ、および数に限定されない。本発明の実践では、外側メッシュ電極は、75%編組被覆率を伴う44AWGスズめっき銅ワイヤから作製された。
【0030】
本発明の実践において使用される、センサ85の誘電材料91およびセンサ87の誘電材料99は、誘電材料によって吸収される湿気が増加するにつれて電気インピーダンスを増加させるタイプである。明確化目的のために、インピーダンスは、回路内の電流の流動に対抗する測定値である。直流電流(DC)に関して、唯一の対抗物は、回路の抵抗である。交流電流(AC)に関して、電流は、インダクタンスおよび静電容量および抵抗によって対抗を受ける。インダクタンスおよび静電容量の組み合わせは、リアクタンスと称され、インピーダンスの複素成分を構成する一方、抵抗は、実成分を形成する。定量的に、インピーダンスは、所与の周波数における電圧と電流の複素数比として定義される。正弦波入力に関して、複素インピーダンスの極形式は、電圧および電流の振幅および位相に関連する。極性インピーダンスの大きさは、電圧と電流の振幅比である。極性インピーダンスの位相は、電流と電圧との間の位相シフトである。
【0031】
センサ85または87のインピーダンスは、1つまたはそれを上回る周波数において電気測定機構115(
図5参照)によって測定される。当業者によって理解されるように、一般に、インピーダンス、特に、センサ85または87の反応性インピーダンスは、
図9によって非限定的実施形態に図示される好適なモデルおよび/または較正曲線の使用を通して、センサ85または87の湿気含有量に関連し得る。
図3における誘電体91または
図4における99の中への湿気浸透度は、主に、センサの反応性インピーダンスの容量成分における増加を生じさせる。同様に、較正ルーチンの使用を通して、センサ85または87の湿気含有量は、ビニル中間層26またはウレタン中間層28および/または34等のセンサとの直に接触する材料の湿気含有量に関連し得る。
【0032】
湿気センサ85および87の厚さは、本発明を限定するわけではないが、しかしながら、本発明の実践では、湿気センサ85または87がシート間に位置付けられるとき、湿気センサ85または87の厚さは、好ましくは、湿気センサが湿気センサの各側上の層から離間された層内に位置付けられ得るような厚さに限定される。より具体的には、
図1を参照すると、
図1に示される湿気センサ85または87は、プラスチック積層層26、28、および/または34内に位置付けられ、第1のウレタン層28は、第1のガラスシート22の表面23とビニル中間層26の表面24との間で測定される、0.060インチの厚さを有する。湿気センサ85は、好ましくは、0.060インチ未満の直径を有する、または湿気センサ87は、湿気センサ87の電極95および97の外側表面101間で測定される厚さを有し、湿気センサ85または87を第1のウレタン層28内に固着させる。理解され得るように、湿気センサ85および87が湿気シール36(
図1参照)内のフロントガラス20の周縁38上に設置されるとき、湿気センサ85および87の厚さは、フロントガラス20(
図1参照)の内側表面42と外側表面46との間で測定される、フロントガラスの厚さ未満である。
【0033】
湿気センサ85が、作製された。中心電極89は、28AWG7/36スズめっき撚捻銅ワイヤから作製された。誘電スリーブ91は、Honeywellから市販され、登録商標Aegis H55WC Nylon Jacket Compoundの下で販売されている、ナイロン6から作製された。ナイロンは、中心電極89にわたって0.005インチの公称壁厚まで押出成形された。外側電極93は、44AWGスズめっき銅編組から作製され、公称75%被覆率を伴って誘電スリーブ91にわたって編組された。Aegis H55WC Nylon Jacket Compoundから成る外側絶縁層(86と番号が付与され、
図4においてのみ、想像線でのみ示される)は、編組にわたって0.045インチの公称外径まで押出成形された。湿気センサ87もまた、作製された。湿気センサ87の誘電材料99は、0.001インチ〜0.032インチの厚さの範囲を有し、0.5インチの非限定的幅を伴っていた。長さは、フロントガラスのサイズおよび湿気センサによって監視されるべき面積に応じて変動した。センサ87の誘電層99は、湿気センサ85(
図3参照)の誘電スリーブ91のために使用される同一誘電材料から成った。湿気センサ87の電極95および97は、ニッケルめっき銅金属化ポリエステル布テープから作製され、公称上、0.25インチ幅の伝導性感圧式アクリル接着剤を伴った。湿気センサ87の電極95および97は、伝導性感圧式アクリル接着剤によって、誘電材料99の1つの対の対向表面に継合された。
【0034】
当業者によって理解されるように、誘電材料、または略して、誘電体は、印加される電場によって極性化され得る、電気絶縁体である。誘電体が電場内に設置されると、電気電荷は、導体内におけるように材料を通して流動しないが、その平均平衡位置から若干のみシフトし、誘電体極性化を生じさせる。誘電体極性化のため、正の電荷は、電場に向かって変位され、負の電荷は、反対方向にシフトする。これは、誘電体自体内の全体的電場を低減させる、内部電場を生成する。誘電体が弱結合分子から成る場合、それらの分子は、極性化されるだけではなく、また、その対称軸が電場に整合するように再配向する。同軸構造を有する湿気センサは、インピーダンス湿気センサまたは反応性湿気センサとして機能することができる。電気インピーダンス、すなわち、湿気センサの静電容量、抵抗、および複素インピーダンスは、変化する。いったん湿気がコックピット層システムの中に侵入し始めると、電気電力供給源と、静電容量、抵抗、および/または複素インピーダンスのためのセンサとから成るセンサは、これらの変化を検出するであろう。
【0035】
同軸構造(
図3)またはストリップライン構造(
図4)では、「外側絶縁」は、センサが埋設される、材料マトリクスを表す。例えば、外側絶縁は、積層を囲繞する、中間層樹脂または材料から成ることができる。同軸対の外側電極を備える、ワイヤメッシュが、湿気浸透性、電気伝導性、および化学適合性のために選択された。本発明の好ましい実践における中心導体は、主に、電気伝導性および化学適合性のために選択される。応答性誘電体は、湿気の吸収に応じて、抵抗率および/または誘電定数を変化させ得る。感知されることになる湿気は、外側絶縁から外側導体を通して応答性誘電体の中に移動する。湿気センサ85(
図3参照)の同軸幾何学形状は、ワイヤメッシュが、航空機用接地または浮動接地電位に保持され、湿気センサ85の内側導体89の電気遮蔽を提供し得るため、湿気センサ87(
図4参照)のストリップライン幾何学形状と比較して電気干渉に対する優れた耐性の付加的利点を有する。
【0036】
湿気測定の目的は、単に、航空機用積層フロントガラスのシート間の瞬時水分侵入率を測定するだけではなく、また、経時的に蓄積された湿気の量を測定することである。湿気侵入の履歴は、窓システム内の水分の絶対濃度と同程度に重要である。窓湿気測定の概念は、フロントガラスのシート間の湿気侵入に続くセンサ要素の電気特性変化に基づく。センサシステムは、限定ではないが、電気電力供給源とともに、例えば、米国特許第8,155,816B2号(本特許は参照することによって本明細書に組み込まれる)に開示されるように、変化を検出し、その変化を航空機を安全動作状態に維持することに責任がある人物に通信する、回路およびソフトウェアを伴う、湿気センサを含む。
【0037】
本発明のある非限定的実施形態では、湿気センサ85および/または87は、センサ85の誘電スリーブ91または湿気を吸収するセンサ87の誘電体99から生じる複素インピーダンス(オーム)の予測可能増加に基づく。より具体的には、中心電極89は、
図3に示されるように、AC電力供給源106の一方の極105に接続され、外側電極93は、AC電力供給源106の第2の極108に接続される(
図5参照)。湿気センサ87に関して、第1の外側電極95は、AC電力供給源106の極105に接続され、第2の外側電極97は、電力供給源106の極108に接続される。電圧が、電極に印加され、回路のインピーダンスが、測定される。誘電体が湿気を吸収するにつれて、インピーダンスは、増加する。
【0038】
本発明は、湿気が誘電体によって吸収されるときに電気変化を測定するために採用される回路に限定されない。
図5に示されるのは、センサ85および87と併用され、フロントガラス20内の湿気浸透度を判定し得る、電気システム110の非限定的実施形態である。以下の議論では、本発明は、
図3に示される湿気センサ85を使用して議論されるであろう。別様に示されない限り、センサ85を使用する本発明の議論は、センサ87を使用して本発明の実践に適用可能である。
図5に示される本発明の非限定的側面では、湿気センサ85は、ガラスシート22の表面23に適用され、任意の通常の様式で、例えば、本発明を限定するわけではないが、第1のウレタン中間層28(
図1参照)によって、第1のガラスシート22の表面23に対して固着される。理解され得るように、同軸湿気センサ85は、任意のプラスチック積層部材(28、26、および34)内に統合されることができる。
図5に示される本発明の非限定的実施形態では、同軸湿気センサ86は、フロントガラス20の第1のガラスシート22の表面23にわたって搭載され、第1のガラスシート22の辺縁の実質的に全体の周囲に延在する。同軸湿気センサ85は、番号89(センサ85の中心電極)によって指定される第1の終端表面と、中心電極89をAC電力供給源106の極105に接続するワイヤ111と、(センサ85の外側電極93)によって指定される第2の終端表面93と、外側電極93をAC電力供給源106の極108に接続し、電圧を湿気センサ85に印加する、ワイヤ112とを有する。
図5では、センサ85の端部113と114との間の分離が示される。端部113と114との間の分離は、本発明を限定するわけではなく、センサ85の端部113および114は、
図5における想像線に示されるように、相互に重複することもできる。
【0039】
電気システム110の電源106は、限定ではないが、バッテリ、発電機、および同等物等の任意の従来の電気源であって、電圧を湿気センサ85に印加することができる。電気システム110はさらに、電気測定機構115を含み、湿気センサ85の複素インピーダンス(オーム)を測定する。埋設される電子機器またはコンピュータ上のソフトウェア等の制御機構116が、電源106および電気測定機構115の両方を制御し、それらと通信するために使用される。制御機構116は、電源106にコマンドし、具体的に設定された電位を湿気センサ85に提供するために使用されることができ、印加後、制御機構116は、電気測定機構115を介して、湿気センサ85の電位を収集および/または計算することができる。電源106、電気測定機構115、および制御機構116は全て、単一ユニットまたは器具、例えば、
図18に示され、米国特許第8,155,816B2号に開示されるタイプのコンソール内に組み合わせられることができる、または
図5に示されるように、個々のユニットであることができる。電気測定システムは、インピーダンスまたは静電容量を測定するために使用される、任意の一般に使用されるシステムであることができ、2つのそのような実施例が、完全性のために以下に説明される。
【0040】
本発明のある非限定的実施形態では、インピーダンス測定は、感知要素85に印加される既知の周波数の位相シフトを分析することによって行われる。前述のように、電源106は、ワイヤ111を通してセンサ85の一方の電極89に接続され、電源106は、ワイヤ112を通して該センサの他方の電極93に接続される。本接続は、電源106が電位を印加すると、湿気センサ85が電気回路として作用することを可能にする。電源106は、制御機構116によって設定または規定されるように、AC電圧を湿気センサ85に印加する。本印加される電圧は、印加される電圧と位相および大きさが異なる、センサ85上の測定された電位(電気測定機構115によって測定される)をもたらす。電源106は、設定電圧を印加しており、電気測定機構115は、湿気センサ85上の電圧差を読み取っている、または測定しているため、電気測定機構115(または制御機構116または任意の接続されるシステム)は、湿気センサ85の中心電極89と外側電極93との間の電圧の大きさおよび位相の差異から複素インピーダンス(オーム)を計算可能である。複素インピーダンスは、次いで、湿気センサ85の誘電材料91または湿気センサ87の誘電材料99によって吸収される湿気の量を示すために使用される。本測定のために使用される電気信号周波数は、典型的には、湿気変化に対する感知要素の応答を最大限にするように選定されるが、しかしながら、複数の周波数が、正確度を改良し、雑音の影響を低減させるために使用されることもできる。
【0041】
本発明の別の非限定的実施形態では、インピーダンス測定は、DC電圧が電極を横断して印加され、充電時間(感知要素が印加されるDC電圧に到達するためにかかる時間)が測定されることによって行われる。電源106は、再び、制御機構116によって設定または規定されるように、DC電圧を湿気センサ85に印加する。本印加される電圧は、印加される電圧に接近するであろう、測定された電位差(電気測定機構115から)をセンサ85上にもたらす。電気測定機構115(または制御機構116)は、印加される電圧に到達する時間に基づいて、湿気センサ85の静電容量(ファラッド)を計算可能である。感知要素の静電容量は、次いで、湿気センサ85の誘電材料91または湿気センサ87の誘電材料99によって吸収される湿気の量を示すために使用される。連続測定を得るために、可変DC電圧が、充電および/または放電時間の両方の測定とともに使用されることができる。
【0042】
説明される本発明は、前述の説明される方法または電流および電圧関係を使用した直列および/または平行抵抗測定を含む任意の他のインピーダンス測定システムを使用することができる。加えて、本発明は、同時に、連続して、または測定条件に基づいて選択的に、インピーダンス測定システムの組み合わせを使用することができる。
【0043】
より具体的には、湿気がフロントガラス20に浸透すると、湿気は、最終的に、湿気センサ85の誘電材料91および/または湿気センサ87の誘電材料99に到達するであろう。湿気が、それぞれ、湿気センサ85および/または87の誘電材料91および/または99に到達するにつれて、湿気は、誘電材料によって吸収され始める。誘電材料が湿気を吸収し続けるにつれて、誘電材料は、湿気で飽和された状態になり、湿気をもはや有意に吸収しなくなる。誘電材料の絶対湿気含有量は、誘電材料の厚さおよび吸収係数に依存する。本発明の非限定的側面の実践では、湿気センサ85および/または87の測定された複素インピーダンスが、誘電材料91および/または95による湿気吸収が所定の値にあることを示す、事前に判定された値にあるとき、制御機構116は、信号をアラーム118に送信し、航空機の乗務員および/または他の人員に、米国特許第8,155,816B2号に開示されるように、湿気浸透度問題を助言する。本発明の別の非限定的実施形態では、湿気センサ85および/または87の湿気含有量は、監視され(持続的または断続的のいずれかにおいて)、経時的湿気含有量の傾向が、分析され、航空機の乗務員および/または他の人員に、フロントガラスに関する問題を助言する。
【0044】
図5に示される湿気センサ85の配列は、湿気が、シーラント36を通して、またはその周囲に浸透し、ガラスシート22と30(
図1参照)との間の体積に進入したことを示すために使用されることができる。しかしながら、湿気センサ85および87の単一ストリップ104の使用は、湿気浸透が生じた場所、湿気が浸透した深度、または湿気が浸透したフロントガラスの側を示さない。ガラスシート22とビニル中間層26との間の湿気浸透面積の識別を向上させるために、複数のストリップ104が、シート22の内側表面23にわたってグリッドまたはアレイパターンで設置されることができる。
【0045】
図6に示される本発明の非限定的実施形態では、ガラスシート125の側120−123のそれぞれ1つが、ガラスシート125の縁部135においてまたはそれに隣接して2列132および134の湿気センサを有し、湿気センサのアレイを提供し、フロントガラス内の湿気面積が存在する場所をより決定的に識別する。議論中の本発明の非限定的実施形態は、シート125(
図6)を参照するが、議論は、別様に示されない限り、ガラスシート22および30、ビニル中間層26、およびウレタン中間層28および34にも適用可能である。さらに、以下の議論では、異なる番号指定を有する湿気センサを参照するが、別様に示されない限り、後述の湿気センサは、
図3の湿気センサ85および
図4の湿気センサ87を含む。
【0046】
図6を参照すると、湿気センサ136−139の第1の列132は、それぞれ、シート125の角141−144にあり、湿気センサ146および147は、それぞれ、シート125の側121および123にある。湿気センサ136の端部136Aは、シート125の側120における、湿気センサ139の端部139Bに隣接し、そこから離間され、湿気センサ136の端部136Bは、湿気センサ146の端部146Aから離間され、そこに隣接し、湿気センサ146の端部146Bは、シート125の側121における、湿気センサ137の端部137Aに隣接し、そこから離間され、湿気センサ137の端部137Bは、側122では、湿気センサ138の端部138Aに隣接し、そこから離間され、湿気センサ138の端部138Bは、湿気センサ147の端部147Aに隣接し、そこから離間され、湿気センサ147の端部147Bは、シート125の側123では、湿気139の端部139Aに隣接し、そこから離間される。
【0047】
湿気センサの第2の列134は、湿気センサ150−153を含む。湿気センサ150は、ガラスシート125の側121と123との間に延在し、湿気センサ151の端部151Bに隣接し、そこから離間されたその端部150Aと、湿気センサ153の端部153Aに隣接し、そこから離間されたその端部150Bとを有する。湿気センサ151は、ガラスシート125の側122と120との間に延在し、湿気センサ152の端部152Bに隣接し、そこから離間されたその端部151Aを有する。湿気センサ152は、ガラスシート125の側121と123との間に延在し、湿気センサ153の端部153Bに隣接し、そこから離間されたその端部152Aを有する。湿気センサ153は、ガラスシート125の側120と122との間に延在し、湿気センサ152の端部152Aに隣接し、そこから離間されたその端部153Bを有する。
【0048】
湿気センサ136−139、146、147、および150−153のそれぞれの端部AおよびBは、個々に、電位を湿気センサ136−139、146、147、および150−153に印加するための
図4に示されるような電源106と、湿気センサ136−139、146、147、および150−153の電位を測定するための電気測定機構115とに電気的に接続される。本発明の別の側面では、湿気センサ136−139、146、147、および150−153のそれぞれの端部AまたはBは、個々に、電位を湿気センサ136−139、146、147、および150−153に印加するための
図3に示されるような電源106と、湿気センサ136−139、146、147、および150−153の複素インピーダンスを測定するための電気測定機構115とに電気的に接続される。制御機構116は、前述のように、電源106および電気測定機構115の両方を制御し、それらと通信し、電源106にコマンドし、所定のまたは具体的に設定された電位を湿気センサ85の電極89および93および/または湿気センサ87の電極95および97および湿気センサ136−139、148、147、および150−153の電極に提供し、印加後、制御機構116は、電気測定機構115を介して、湿気センサ85、87、および136−139、146、147、および150−153の電位を収集および/または計算することができる。湿気センサ85、87、および136−139、146、147、および150−153のための電源106、電気測定機構115、および制御機構116は全て、単一ユニットまたは器具、例えば、米国特許第8,155,816B2号に開示されるタイプのコンソール内で組み合わせられることができる、または個々のユニットであることができる。
【0049】
図6を継続して参照すると、それぞれが離間された湿気センサ、例えば、列132内の湿気センサ136−139、146、および147、および列134内の湿気センサ150−153を有する、2つの列132および134の配列は、湿気浸透の面積のより近似値を提供する。より具体的には、本発明を限定するわけではないが、湿気は、湿気浸透156がシート125の側121の中心面積内に位置すると、誘電材料91および/または99によって吸収され、湿気は、湿気浸透158がシート125の側138に隣接する側123に位置すると、湿気センサ139および153によって吸収される。
【0050】
湿気センサ85および/または87は、ガラスシート22および30のうちの1つまたはそれを上回るものの表面に適用されることができる。理解されるように、本発明の湿気センサが、1つを上回るシート上に設置されるとき、湿気センサのそれぞれ1つは、好ましくは、その独自の電源106を有する、または1つの電源が、提供され、湿気センサの2つまたはそれを上回るものに電気的に接続される。同様に、1つまたは複数の電気測定機構115が、フロントガラス20のガラスシート22および30およびビニル中間層28上の湿気センサのそれぞれを通して流動する電位または電流を読み取り、測定するために使用されることができる。このように、シート22、28、および30上の湿気センサのそれぞれ1つの出力が、監視されることができる。
【0051】
図7を参照すると、第2のガラスシート30の内側表面64に適用される伝導性コーティング62を有する、加熱可能部材50が示される。当業者によって理解され得るように、湿気センサ136−139、146、および147は、バスバー66および68および伝導性コーティング62から離間され、湿気センサを加熱可能部材50のバスバー66および68および伝導性コーティング62から電気的に絶縁する。本発明のある非限定的側面では、例えば、
図7に示されるように、バスバーは、コーティング62の周界内にあり、伝導性コーティング62の周界は、ガラスシート30の側38から離間される。湿気センサ136−139、146、および147は、シート30の側38と伝導性コーティング62との間のガラスシート30の表面64のコーティングされていない部分154上に適用される。ガラス表面62のコーティングされていない部分154は、任意の便宜的様式で、例えば、コーティングプロセスの間、ガラス表面をマスクすることによって提供される、またはコーティングをガラス表面から研磨して、または化学的に除去することができる。ガラスが化学的に補強されるため、コーティングプロセスの間、面積をマスクし、強化ガラスが破砕させ得る表面損傷を回避することが好ましい。
【0052】
理解され得るように、本発明は、伝導性コーティング62および/またはバスバー66および68にわたる本発明の湿気センサの位置付けを検討する。より具体的には、
図8に示されるように、湿気センサ136、139、145、および147は、導電性コーティング62にわたって適用される。
図3に示される湿気センサ85の外側電極93および/または
図8に示される湿気センサ87の電極95および97の一方または両方を電気的に絶縁するために、湿気浸透性の電気的に非伝導性の外側絶縁体159が、湿気センサ136−139、146、および147下に延在し、コーティング62および湿気センサ136−139、146、および147を電気的に絶縁する。本発明の実践において使用され得る、材料は、限定ではないが、ナイロン(前述の任意の鎖長)、ウレタン、ポリビニルブチラルまたはポリイミドを含む。層159は、シートの積層に先立って、シートの取扱の際に、各表面上に接着剤層を有し、湿気センサのうちの1つまたはそれを上回るものを定位置に固着することができる、または積層フロントガラス製造の実践と一貫した任意の実践的手段を使用して定位置に保持されることができる。理解され得るように、湿気センサは、それが堆積されるガラスシートの部分を通して可視性を低下させ得、したがって、フロントガラスの視覚面積の中に延在する湿気センサに関して、湿気センサの最大幅は、フロントガラス20を通して要求または規定されたオペレータ視認面積に依存する。航空機用透明材、例えば、フロントガラスは、とりわけ、フロントガラスの視認面積のサイズを規定する、具体的安全性要件を有する。
【0053】
本発明の湿気センサの複素インピーダンス(オーム)出力は、例えば、米国公開特許出願第2015/0137837A1号に開示されるタイプおよび
図5に示されるタイプの種々の標準的読取センサ回路を使用して測定されることができる。
図9に示されるのは、
図3に示される湿気センサの性能を示す、グラフである。
図9を参照すると、「y」または垂直軸は、複素インピーダンス(オーム)の虚数成分であって、「x」または水平軸は、パーセントにおけるウレタン層28または34の湿気含有量である。
図9に示されるグラフは、
図3に示されるセンサ85の複素インピーダンス(オーム)に関する1セットの記録されたデータを伴うモデル(実線曲線)である。その関連付けられた接続ワイヤを伴う全センサの重量が、積層に先立って記録された。積層または切取試片が、PPG Industries, Inc.から登録商標PPG112の下で販売されているタイプのウレタンで加工され、
図3に示されるタイプ85の湿気センサを組み込み、ガラス合層は、積層後、除去された。PPG112中間層の組成物は、米国特許第4,704,174号(本特許は、全体として参照することによって本明細書に組み込まれる)に開示されている。ガラス合層の除去後、切取試片が、最初に、24時間離れた測定間の重量変化が5ミリグラム未満になるまで、公称上50℃に設定された真空炉内で乾燥され、「乾燥」開始重量が、記録された。切取試片は、次いで、真空グリースシールを全噛合部分間に伴って、個々のガラス製の乾燥用の瓶内に封入され、所定の量の水を含有して、1ヶ月にわたって平衡のままにされた。切取試片は、除去され、直ちに計量され、複素インピーダンス(オーム)が測定された。インピーダンスから湿気への変換は、内側誘電体の誘電定数と湿気依存方程式を置換することによって、標準的送電線またはコンデンサ方程式の使用を通して可能である。インピーダンスから湿気への変換のための方程式は、当技術分野において公知であって、さらなる議論は、必要ないと見なされる。
【0054】
議論は、ここで、本発明の教示による、本発明の湿気センサまたは検出器の非限定的実施形態をフロントガラス20の選択された構成要素上に設置し、湿気の存在を検出し、および/またはシート間、例えば、限定ではないが、ガラスシート22と30との間に存在する湿気の量を測定することに関する本発明の非限定的実施形態に向けられる。
【0055】
測定原理およびタイプと同程度に重要なこととして、湿気センサが位置すべき場所は、新しいセンサが、湿気侵入を効果的に検出し、「知的窓」センサシステムが操縦士にアラームするために十分に早期の警告を提供し得るかどうかを判定するであろう。必要に応じて、
図1を参照すると、湿気センサ85(
図3)または87(
図4)または複数のストリップ(
図6および7)の設置は、
図1および10に示されるように、ガラスシート22および30上またはそれらの間の任意の位置に適用されることができる。さらに、本発明は、フロントガラス上の湿気センサの数および/または湿気センサの場所に限定されない。より具体的には、本発明を限定するわけではないが、湿気センサは、ガラスシート22とビニル中間層26との間の第1のウレタン層28内に埋設される、ビニル中間層26内に埋設される、ガラスシート30とビニル中間層26との間の第2のウレタン層28内に埋設されることができる。
【0056】
前述の本発明の非限定的実施形態では、湿気センサ85および87は、一般に、湿気の存在および本発明の湿気センサと接触している時間期間を測定する機能を有する。しかしながら、本発明は、それに限定されず、本発明の湿気センサは、湿気の存在および本発明の湿気センサと接触している時間期間を測定し、例えば、以下および米国特許第8,155,816B2号に議論されるように、電気機器をアクティブ化および非アクティブ化するために使用されることができる。
制御システム
【0057】
米国特許第8,155,816B2号(本特許は参照することによって本明細書に組み込まれる)に開示されるのは、透明材、例えば、限定ではないが、本発明のフロントガラス20の性能を監視し、許容限度外で機能している透明材、例えば、航空機用フロントガラスの保守、例えば、修理または交換をタイムリーにスケジュールするための方法および装置である。本特定の事例では、湿気浸透の結果、許容限度外で機能している。
【0058】
一般に、フロントガラスの防湿層の性能に関するデータを搬送するセンサの出力は、信号を湿気センサまたは検出器から読み取り、分析し、フロントガラスの性能を監視および/または判定するためのソフトウェアを有する、コンピュータを含む、コンソールに接続される。本発明の実践では、フロントガラスの性能に関して、視覚的表示を提供するためのモニタと、オーディオを提供するためのスピーカとが使用されることができる。コンソールは、注意をモニタに引きつけるためのアラームを含むことができる。コンソールを航空機内に設置することは、航空機内の人員にフロントガラスのリアルタイム性能を提供する。
【0059】
米国特許第8,155,816号に開示される別の実施形態では、コンソールは、無線送信機および受信機を有し、送信機は、信号を送電塔に伝送する。フロントガラス20の性能に関する信号搬送データは、制御センタ(図示せず)に伝送される。受信されたデータは、調査され、講じられるべき適切な措置が、スケジュールされ、例えば、受信された情報に基づいて、制御センタにおける人員は、該当する場合、必要とされる措置を判定する。フロントガラスの修理またはフロントガラスの交換等の措置が、必要とされる場合、修理スケジュールを提供する信号が、衛星から指定される修理場所に地理的に近い保守センタに伝送され(通常、航空機のための次のスケジュールされた着地点)、指定される修理場所において必要とされる全ての部品、機器、および人員を派遣するように手配する。
【0060】
本発明は、例証目的のためだけに提示される、上記に提示および説明される本発明の実施形態に限定されず、本発明の範囲は、以下の請求項および本願との直接または間接的関連性を有する用途のために追加される任意の付加的請求項の範囲によってのみ限定される。