(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
エネルギーを節約するための断熱は、持続可能な発展及びエネルギーコストの増大及びますます不足する化石原料の意識という点で非常に重要である。断熱の最適化のためのこれらの要件は、建物、即ち、新しい建物又は既存の建物、並びに物流又は固定産業の断熱材にも等しくあてはまる。
【0003】
低い熱伝導率及び低い可燃性の両方を有する耐久性のある断熱に関して、焦点は無機多孔質材料に次第に集中している。
【0004】
エアロゲル又は焼成シリカ又は沈降シリカ等の多孔質絶縁材料は、低い熱伝導率を有する。
【0005】
焼成シリカは、水素及び酸素炎中での有機及び無機クロロシラン等の揮発性ケイ素化合物の火炎加水分解によって生成される。このようにして製造されたシリカは多孔質構造を有し、親水性である。
【0006】
沈降シリカは、沈降法によって水ガラスから生成される。水ガラスという用語は、溶融物又はその水溶液から凝固したガラス質の、即ち、非晶質の水溶性のケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム及びケイ酸リチウムを意味する。塩の中和、加水分解及び縮合により、鎖状Si−O−Si化合物から粒状[SiO
4/2]化合物が形成される。
【0007】
そのような粒状系は、緩い床で圧縮されていなくても良好な断熱特性を有する。しかし、例えば、圧縮による好適な構造化は、細孔構造の目標設定によってこれらの断熱特性を改善する。
【0008】
建築分野のためのシリカをベースとするそのような多孔質断熱材料の欠点は、例えば、高い吸湿性、ひいては断熱特性の劣化である。
【0009】
したがって、建築用断熱材における用途については、吸水性を低下させ、それによって断熱効果の低下を減少させるために断熱材の非常に高い疎水性を達成することが望ましい。
【0010】
さらに、非常に低い可燃性、したがって非常に低い炭素含有率(C含有率)を有する断熱材を製造することが望ましい。
【0011】
建築分野では、沈降シリカ又は焼成シリカの細かく分割された構造は、加工における難点、例えば、深刻な粉塵の形成を招く。 同様に、非常に細かく分割された物質の粉体流は限られている。
【0012】
例えば、DE2946476号には、安定化を達成するために繊維の添加によるシリカの圧縮を実施することが記載されている。しかし、このようにして製造することができる成形体は、加工時に粉塵を形成し、繊維の含有率のために、もはや構造の破壊なしに粉砕することができず、したがって多くの用途では加工することが困難である。
【0013】
粉塵の形成を回避し、材料の単純な製造、ひいては加工を確実にするために、粗い粒状成形体、例えば、顆粒を提供することができる。
【0014】
DE 10 2010 003 204 A1号は、0.9cm
3/gより大きいHg細孔容積(<4μm)及び0.4mmより大きいd
Q3=10%及び3.0mm未満のd
Q3=90%を有するシリカ顆粒が提供される方法における焼成又は沈降シリカの造粒を記載する。この場合、シリカは、水性懸濁液/分散液から直接造粒される。得られた粒状化材料は高い親水性及び高い密度を有する。
【0015】
EP1357156B1号には、少なくとも1つのシランを含み、圧力及び/又は温度によって緻密化されたガス中での微細粒状化充填剤の反応による、75μm未満のビーズ画分が15重量%未満であり、粒度分布の中央値が130〜500μmの範囲にある酸化物又はシリカ質充填剤の改質が記載されている。ここでの改質は表面で起こる。
【0016】
DE 10 2012 211 121 A1号には、液体からのシリカの造粒によって、又は圧縮及び粉砕及びその後の表面改質剤との反応によって得られた官能化シリカ顆粒が記載されている。得られた粒状材料は、0.8cm
3/gよりも大きい、4μmより小さい細孔に対する高いHg細孔容積を有する。得られた粒状材料は、例えば、酵素に対し高い吸着容量を有する。
【0017】
DE19729505A1号には、シリカを液体中に分散させ、分散液を連続的に撹拌して均質相を形成し、分散液から水分を徐々に抜き出して粒状塊を生成させ、得られた顆粒を乾燥して焼結することにより粒状シリカを製造する方法が記載されている。記載されている特徴は、細孔が実質的に存在せず、密度が1g/cm
3を超えることである。したがって、得られた粒状SiO
2材料の断熱効果は低いと推定することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
このようにして製造された成形体は低密度を有し、非常に良好な断熱材であることが判明した。使用される結合剤に応じて、得られる生成物は、それらが低いC含有率を有するにもかかわらず全て疎水性である。成形体は、その機械的安定性のために容易に取り扱うことができる。使用される方法に応じて、得られる生成物は、様々な形状、例えば、顆粒をとることができる。成形シリカ体の形状は、このようにして、方法及び必要条件に応じて所望されるものに設定することができる。
【0023】
成形シリカ体のC含有率は、好ましくは6重量%未満、特に好ましくは4重量%未満である。成形シリカ体のC含有率は、好ましくは少なくとも1重量%、特に好ましくは少なくとも1.5重量%である。全て疎水性でない顆粒が得られるさらなる実施形態では、C含有率は好ましくは3重量%未満、特に好ましくは2重量%未満である。
【0024】
成形シリカ体は、好ましくは、ピクノメトリー又はHgポロシメトリーによって決定される、好ましくは0.25g/cm
3未満、特に好ましくは0.20g/cm
3未満の密度を有する。
【0025】
成形シリカ体は、好ましくは、2.5cm
3/gを超える、特に好ましくは2.9cm
3/gを超える、特に好ましくは3.3cm
3/gを超える、Hgポロシメトリーによって決定される、4μm未満の細孔に対する細孔容積を有する。
【0026】
Hgポロシメトリーにより測定され、かつ全理論的細孔容積に基づき、かつ得られた成形体の密度から計算された、4μmより小さい細孔の割合は、好ましくは70%を超え、特に好ましくは80%を超え、特に好ましくは90%を超える。
【0027】
25℃での成形シリカ体の、定常状態又は非定常状態法により決定される熱伝導率は、好ましくは26mW/K×m未満、特に好ましくは22mW/K×m未満である。
【0028】
好ましい実施形態では、成形シリカ体は、今提示された特性だけでなく永続的な疎水性も有する。
【0029】
成形シリカ体がとることができる形状の例としては、顆粒、プレート、規定された成形体、例えば、リング又はペレット、及びランダムサイズ分布を有する破片が挙げられる。このサイズ分布は、使用される粉砕方法を介してそれぞれの成形工程ii)によって設定することができる。
【0030】
本発明の方法では、当業者に知られている全てのシリカを使用することが可能である。焼成シリカ又は沈降シリカ又はそれらの混合物を使用することが好ましい。50〜800m
2/g、特に好ましくは100〜500m
2/gの範囲の表面積を有するシリカ、特に好ましくは150〜400m
2/gの範囲の表面積を有するシリカがさらに好ましい。使用されるシリカは、親水性、部分疎水性又は疎水性のいずれかである。
【0031】
本発明の目的について、親水性とは、表面のSi−OH基が利用可能であり、シリカを水で濡らすことができることを意味する。
【0032】
部分疎水性又は疎水性は、本発明の目的について、例えば、EP1433749号又はEP686676号に記載されているように、表面のSi−OH基が有機基と部分的に反応するので、利用可能なSi−OH基の割合が減少することを意味する。
【0033】
親水性シリカ、又は親水性シリカと部分疎水性シリカとの混合物を使用することが好ましい。
【0034】
本発明の方法で使用されるシリカは、多孔質の成形シリカ体を得るための方法の過程で構造化された一次粒子からなる凝集構造を有する。
【0035】
成形シリカ体を形成するために構造化された後、この構造は化学的結合又は物理的結合のいずれかによって固定される。
【0036】
化学基によって個々のシリカ凝集体を結合させるための結合剤として、当業者に既知であり、二官能性であるか又はより高い官能性を有する全ての結合剤系が使用される。前提条件は、シリカ表面の官能基、好ましくはOH基と反応する、即ち、結合を形成する能力である。
【0037】
結合剤系としては、一般式(I)のオルガノシランを使用することが好ましい。
Z
1+x−SiR
2−x−(CH
2)
v−Y (I)、
式中
Zはハロゲン、窒素ラジカル、OR
1又はOCOR
1、又はOHであり、
R
1はC−O−結合されたC
1−C
15−炭化水素基、好ましくはC
1−C
8−炭化水素基、特に好ましくはC
1−C
3−炭化水素基である。
【0038】
Rは、水素、置換基を有する又は有さない、有機の、直鎖状、分岐状、環状、飽和又は不飽和、芳香族又は複素環式芳香族基である。これは、基Rが置換されていても置換されていなくてもよいことを意味する。好ましい置換基は、−CN、−NCO、−NR’
2、−COOH、−COOR’、−ハロゲン、−(メタ)アクリル、−エポキシ、−SH、−OH、−CONR’
2、−O−R’、−CO−R’、−COO−R’、−OCO−R’又はOCOO−R’、−S−R’、−NR’−、−N=R’、−N=NR’又はP=R’である。特に好ましい基Rは、1〜4個の炭素原子を有する飽和又は不飽和基、特に好ましくはC
1−C
4−アルキル、ビニル、3−アミノプロピル、−CH
2−CH
2−CH
2−NH−CH
2−CH
2−NH
2、特にメチル又はエチルである。Rがメチル基であることが特に好ましい。
【0039】
R’はC
1−C
6−炭化水素基、好ましくはC
1−C
4−アルキル、ビニル、特にメチル又はエチルである。
【0040】
Yは水素、飽和又は一不飽和又は多価不飽和C
1−C
20−炭化水素基、−OC(O)C(R’)=CH
2、−ビニル、−ヒドロキシル、−ハロゲン、ホスホナト、−NCO、−NH−C(O)−OR’、−グリシドキシ、−SH、無水コハク酸のような酸無水物である。
【0041】
vは0〜10、好ましくは0〜5、特に好ましくは0、1又は3の整数値を有し、
xは1又は2である。
【0042】
アルコキシ又はアセトキシ官能性のモノマー又はオリゴマーシラン又はそれらの混合物を使用することが好ましい。飽和又は不飽和の有機基C
1−C
3−アルキル、及びアルコキシ基としてメトキシ基又はエトキシ基を有するシランを使用することが特に好ましい。
【0043】
結合剤系としては、一般式(IIa)のA単位及び式(IIb−d)のB単位から構成されたオルガノシロキサンを使用することも好ましい、
(R
3SiO
1/2) (IIa)、
(R
2SiO
2/2) (IIb)、
(RSiO
3/2) (IIc)、
(SiO
4/2) (IId)、
式中、オルガノシロキサンはSi原子上に1個又は2個の−Z基を含有することができ、ここでZは上で定義された通りであり、オルガノシロキサンは数C中に≡SiZ又は=SiZ
2基を有することができ、以下がA、B及びCに当てはまり、
即ち、1≦B≦5000、好ましくは3≦B≦1000、特に好ましくは5≦B≦100であり、特定の実施形態では5≦B≦50であり、ただしB≧A+C、好ましくはB>A+C、特に好ましくはB>2×(A+C)であり、A+B=0の場合、以下があてはまり、即ち、10≦B≦100、好ましくはA+C≦20、特に好ましくはA+C≦2であり、ここでA:Cは任意の値をとり、Rは上で定義された通りである。
【0044】
一般式IIのオルガノシロキサンを使用することが好ましい。
【0045】
オルガノシロキサンの例としては、2より大きい、好ましくは10より大きい、好ましくは100より小さい、特に好ましくは50より小さいジアルキルシロキシ単位の平均数を有する線状又は環状ジアルキルシロキサンである。ジアルキルシロキサンは、好ましくはジメチルシロキサン、特に好ましくはポリジメチルシロキサンである。
【0046】
線状ポリジメチルシロキサンの例としては、末端基、即ち、トリメチルシロキシ、ジメチルヒドロキシシロキシ、ジメチルクロロシロキシ、メチルジクロロシロキシ、ジメチルメトキシシロキシ、メチルジメトキシシロキシ、ジメチルエトキシシロキシ、メチルジエトキシシロキシ、ジメチルアセトキシシロキシ、メチルジアセトキシシロキシ、特に好ましくはトリメチルシロキシ及びジメチルヒドロキシシロキシを有するものが挙げられる。
【0047】
末端基は同一であっても異なっていてもよい。
【0048】
個々のシリカ凝集体の物理的結合について、当業者に知られている全てのシリコーン生成物、特にシリコーン樹脂が使用される。例としては、実質的に基Zが存在しない一般式(IIa−d)の少なくとも5単位から構成されたシリコーン樹脂が挙げられる。しかし、化学的及び物理的結合剤の混合物を使用することも可能である。
【0049】
さらに好ましい実施形態では、R
xSiCl
4−x型(式中、x=0、1又は2又はそれらの混合物であり、Rは同一でも異なっていてもよく、上で定義したものであることができる)のクロロシランが結合剤系として使用される。
【0050】
得られる成形シリカ体の疎水性が得られないさらに好ましい実施形態では、Si−Z
4型の四官能性オルガノシラン又はその加水分解物(式中、Zは上で定義された通りである)が使用される。
【0051】
成形シリカ体の永続的な疎水性を達成するためには、二官能性又は三官能性の系を使用することが好ましく、即ち、反応性基だけでなくケイ素に直接結合した、疎水化に導く有機基も分子中に存在する。
【0052】
結合剤の量は、表面の占有、即ち、好ましくは疎水化、及び個々のシリカ凝集体の結合の両方が起こり得るように選択される。ここで、使用される結合剤の量は、シリカの表面積に依存する。比較的小さな表面積の場合、結合剤の量を減らすことが有利であり得る。それにもかかわらず、シリカの質量を基準にして1〜30重量%、特に好ましくは5〜25重量%の結合剤を使用することが好ましく、特に8〜20重量%の結合剤が使用される。
【0053】
方法1のための溶媒として、シリカ及び結合剤系の均質な分布を確実にすることができる全ての有機溶媒を使用することが可能である。溶媒の性質によって、溶媒を除去する間の収縮挙動、ひいては生成物の最終特性、例えば、密度が決定される。溶媒は、結合剤系又はシリカと反応してはならず、したがって反応を妨害してはならない。溶媒は結合剤を溶解し、したがってそれをシリカ上に均質に分散させることができなければならない。120℃以下、特に90℃以下の、0.10MPa(絶対)における沸点を有する溶媒が好ましい。水よりも低い表面張力を有する溶媒を使用することが好ましく、アルカン、エーテル又はアルコール、特にペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、ジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、メタノール又はエタノールを使用することが特に好ましい。上記の溶媒の混合物を使用することも可能である。
【0054】
使用される溶媒の量は、得られる混合物から撹拌可能な塊が得られるように選択される。これは、流体が非常に粘性になるように設定することができる。湿った混合物は好ましくは分散液である。
【0055】
溶媒の量は、好ましくはシリカ1kg当たり30リットル未満、好ましくはシリカ1kg当たり23リットル未満、特に好ましくはシリカ1kg当たり18リットル未満、特にシリカ1kg当たり10リットル未満である。
【0056】
必要に応じて、当業者に知られている全ての触媒、例えば、アルコキシシランの加水分解のためのルイス酸又はブレンステッド酸、例えば、チタンアルコキシド又はスズアルコキシドによって、結合剤系の活性化を行うことができる。加水分解は、好ましくは、水性酸を分散液に添加することによって触媒作用が及ぼされる。水性の塩酸を添加することが特に好ましい。同様に、結合剤系の活性化は、温度を上昇させることによって、又は触媒と高温との組み合わせによって行うことができる。例えば、大気圧下で沸点を超えて温度を上昇させるために、過圧下で活性化を行うことも考えられる。ごく少量の触媒を使用することが好ましい。
【0057】
さらなる成分として、赤外線範囲の熱放射を吸収、散乱又は反射することができる化合物を分散液に添加することができる。それらは、一般に、IR乳白剤と呼ばれる。これらの乳白剤は、好ましくは、IRスペクトル領域において好ましくは1.5〜10μmの最大値を有する。粒子の大きさは、好ましくは0.5〜15μmである。このような物質の例としては、好ましくは、酸化チタン、酸化ジルコニウム、イルメナイト、チタン酸鉄、酸化鉄、ケイ酸ジルコニウム、炭化ケイ素、酸化マンガン及びカーボンブラックが挙げられる。
【0058】
さらに、必要に応じて静電帯電を低減するために、静電帯電を低減するための当業者に既知の全ての添加剤、例えば、導電性アルキルアンモニウム塩を分散液に添加することができる。
【0059】
技術的及び/又は経済的理由から、さらなる充填剤を分散液に添加することができる。ここで使用される添加剤は、好ましくは、二酸化ケイ素の合成的に製造された改質、例えば、エアロゲル、沈降シリカ、電気アークシリカ、シリコン又はフェロシリコンの電気化学的製造における揮発性一酸化ケイ素の酸化によって形成されたSiO
2含有煙霧である。同様に、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム及びオリビン等の混合ケイ酸塩等のケイ酸塩を酸で浸出することによって調製されたシリカを使用することもできる。珪藻土等の天然に存在するSiO
2含有化合物もまた使用される。
【0060】
第1の方法では、有機溶媒中で個々の成分の混合物が生成され、続いて溶媒の除去によって成形が行われる方法で成形シリカ体が製造される。有機溶媒に対するシリカの選択された比に応じて、流体分散液又はスラリー状の塊を得ることができる。
【0061】
好ましい実施形態では、成分は1つ以上の有機溶媒中で混合される。1つの有機溶媒のみを使用することが好ましい。ここで、混合物の製造は、当業者に知られている全ての方法を用いて、例えば、タンブルミキサーによって、例えば、振とう、例えば、ビーム撹拌機、高速攪拌機、ローター−ステーターシステム又は剪断隙間に強制湿潤する誘導装置を用いて攪拌することによって、行うことができる。混合物は同様に、例えば、移動床又は流動床でシリカに結合剤系及び有機溶媒を順次又は同時に噴霧し、さらに別の成分を噴霧することによって製造することができる。
【0062】
次いで、反応混合物を加熱して、溶媒を除去する前に使用した結合剤を活性化することが好ましい。ここでの温度は、好ましくは20℃〜使用する有機溶媒の沸点、特に好ましくは20〜80℃、特に20〜60℃の範囲である。例えば、大気圧で沸点を超えて温度を上昇させるために、過圧下での活性化も考えられる。活性化の持続時間は、好ましくは180分未満、好ましくは120分未満、特に好ましくは60分未満である。活性化の持続時間が十分に長くなったかどうかは、例えば、NMR分光法によって確認することができる。ここで、その後反応性基の加水分解を監視することができる。
【0063】
溶媒の蒸発は分散液を収縮させる働きをし、引き続いて、例えば、タンブルミキサー、丸底フラスコ内で、減圧下及び/又は高温で連続的に動かしながら実施され、粒状組成物(粒状物質)がさらなる工程手段なしで形成される。使用される温度は、ここでは上記の範囲内である。設定される圧力は、好ましくは2バール未満、特に好ましくは1バール未満、特に800ミリバール未満である。
【0064】
その後、得られた成形体を乾燥させてさらに硬化させ、溶媒残渣を一定重量まで除去する。これらの顆粒を型に導入して成形を行うことができる。一定重量への乾燥は、好ましくは80〜150℃の範囲の温度、特に好ましくは120℃で実施される。この乾燥を加速するために、大気圧未満の圧力を加えることができる。ここでは、圧力を800ミリバール未満、特に好ましくは500ミリバール未満、特に200ミリバール未満に設定することが好ましい。ここで、乾燥は、当業者に知られている全ての方法を用いて、放射線、対流及び/又は接触乾燥によって行うことができる。
【0065】
方法1では、造粒及び乾燥中に分離された溶媒は、好ましくは除去された全ての不純物又は反応性基の除去後、例えば、アルコキシ官能性結合剤からのアルコールの除去後に再循環させることができる。
【0066】
種々の粒径への分離は、粒状物質の最終乾燥の前、間又は後に行うことができる。バルク材料をふるい分け又は分級するための当業者に既知の全ての方法をここで用いることができる。ふるい分けによって種々の粒径画分を分離することが好ましい。
【0067】
得られた粗い材料は、分級、粉砕、破砕等の全ての従来の方法によって粉砕することもできる。ふるい分け操作の間、粗い材料は、好ましくは、最大のメッシュ開口を有するふるいを通って加圧されて、粉砕を行う。
【0068】
分級はまた、乾燥中に行うこともできる(例えば、分級流動床)。
【0069】
微粉は、顆粒を製造するために方法1に再循環させることができる。
【0070】
成形は、乾燥中の自己構造化によって、例えば、振とうによって、又は当業者に知られている他の造粒法によって行うことができる。しかし、湿った組成物は、目標の成形に供されてもよい。この目的のために、粘性組成物を成形するための当業者に既知の全ての方法、例えば、押出又は射出成形を使用することが可能である。
【0071】
第2の方法では、個々の成分(シリカ及び結合剤系、場合により触媒)の混合物が製造され、続いて圧縮(加圧)によって所望の形状及び密度にされる方法で成形シリカ体が製造される。続いて、硬化が高温で行われる。
【0072】
好ましい実施形態では、成分は混合される。液体結合剤系が使用される場合、これらは、例えば、自由流動性の粉末が得られるまで、例えば、シリカを液体結合剤に添加することによって、シリカの一部に吸着される。結合剤の吸着は、移動床又は流動床中でシリカに所望の液体結合剤を噴霧することによって同様に実施することができる。結合剤系を活性化するために触媒が添加される場合、これは好ましくは同様に結合剤系との混合物中のシリカに吸着される。
【0073】
その後、得られた混合物を、圧縮又は加圧することによって所望の密度にする。これは、当業者に知られている全ての方法によって、例えば、油圧プレスで圧縮することによって行うことができる。この目的のために、所望の量の混合物をプレス金型に導入し、所望の密度に達するまでパンチを油圧プレスによって圧入し、その後パンチを硬化の期間固定する。結合を行うためには、使用される結合剤系の沸点より低いが高温で硬化を行うことが有利である。硬化は、好ましくは60〜140℃、好ましくは70〜120℃、特に好ましくは80〜100℃の範囲で行われる。例えば、大気圧で沸点を超えて温度を上げるために、過圧下での活性化も考えられる。このようにして、揮発性結合剤系も使用することができる。さらに、例えば、ローラーを圧縮に使用することができる。この目的のために、混合物は、ローラーによって輸送され、所望の密度まで圧縮される。硬化はここでは加熱可能なローラーによって行うことができる。組成物の圧縮は、例えば、押出によって行うことができ、成形は場合により同時に実施することができる。硬化の持続時間は、好ましくは48時間未満、特に好ましくは24時間未満、特に3時間未満である。
【0074】
このようにして得られた成形体は、必要に応じて粉砕することができる。これは、当業者に知られている全ての方法、例えば破砕、分級又は粉砕によって行うことができる。その後、得られた破片を種々の粒径画分に分離する。
【0075】
バルク材料をふるい分け又は分級するために、当業者に知られている全ての方法をここで使用することが可能である。種々の粒径画分の分離はふるい分けにより行うことが好ましい。
【0076】
必要であれば、プレート、球、円柱、円筒(例えば、パイプ用)等の規定された成形体、さらには電気器具(例えば、冷蔵庫、調理区域)のための断熱材及び自動車分野における断熱材のようなより複雑な形状も、開示された方法によって製造することができる。
【0077】
製造方法及び所望の用途に応じて、開示された方法を介して、様々な粒径又は粒度分布を生成することができる。
【0078】
成形シリカ体は、好ましくは、断熱又は防音のために当業者に知られている使用形態で使用される。例えば、成形シリカ体は、断熱材として直接使用することができるボードの形態にさらに加工した後、場合によりさらなる有機又は無機結合剤系と組み合わせて、無機プラスター又はレンダリング系の成分として、又は、例えば、石造壁の中空空間を充填するための、又は中空のビルディングブロックを充填するためのブローイン(blow−in)断熱材として使用される。
【0079】
上記の式中に存在する全ての記号は、それぞれの場合に互いに独立してその意味を有する。全ての式において、ケイ素原子は4価である。混合物の全成分の合計は100重量%になる。シリカという表現はケイ酸を包含する。
【実施例】
【0080】
以下の実施例において、特記しない限り、示されている全ての量及びパーセンテージは重量によるものであり、全ての圧力は0.10MPa(絶対)であり、全ての温度は20℃である。
【0081】
密度の決定
疎水性の成形シリカ体の密度をピクノメトリーにより測定した。この目的のために、5mmを超えるサイズを有する個々の粒状材料を分析天秤上で秤量し(m
1)、容量を測定するために、ブラウブラント(Blaubrand)製の、DIN ISO 3507に従うGay−Lussacタイプの25ml比重瓶(ガラス比重瓶)における水の変位を室温で測定した。この目的のために、以下の質量を分析天秤で決定した。
m
2:蒸留水で満たされた比重瓶の質量
m
3:粒状シリカ及び蒸留水で満たされた比重瓶の質量。
【0082】
粒状材料の体積(V
1)は、変位した水の体積(V2)に対応する。粒状材料の体積及び密度は、以下の式に従って計算した。
V
1=V
2=ρ
w×(m
2−(m
3−m
1))
ρ
粒状シリカ=m
1/V
1
ここでρ
wは室温での水の密度(0.998g/cm
3)である。
【0083】
比重瓶に粒状材料及び水を充填する際に、気泡が全く含まれないように注意した。顆粒の高い疎水性のために、試料の細孔への水の浸透が妨げられる。対照として、再秤量による測定後に粒状材料の重量を確認した。
【0084】
収率の決定
収率を決定するために、生成物を一定重量まで乾燥させ、続いて室温で秤量した。
【0085】
熱伝導率の決定
粒状材料の熱伝導率は、室温でTHBホットポイントセンサ(3×3mmカプトン)を使用して、リンセイス(Linseis)のTHB過渡ホットブリッジアナライザ(THB−100)上で少なくとも4×4mmの寸法の平滑面を有する顆粒について測定した(測定時間30秒、電流:5mA、加熱電力:5mW)。センサの較正は、16.2mW K×mの熱伝導率を有する参照について行った。
【0086】
加圧操作によるプレート状体の製造の場合、11×11×2cmの寸法を有するプレートについてヘスト(Hesto)の機器モデルA206を使用して、DIN EN 12667:2001に準拠する方法によって熱伝導率を決定する。
【0087】
炭素含有率の決定
試料の炭素含有率(C含有率)の決定は、Leco CS 230分析装置で行った。分析は、酸素流中での試料の高周波燃焼によって行った。検出は非分散型赤外線検出器を用いて行った。
【0088】
疎水性の定性試験
粒状材料の疎水性を確認するために、疎水性の粒状シリカ1gを水10mlに加え、密閉容器内で60℃で48時間保存する。顆粒がこの時間の後に水で濡らされずに上に浮かぶ場合、それらは長期的に疎水性である。処理前後の粒状材料を秤量して確認する:吸水しないことは粒状材料が疎水性であることを意味する。
【0089】
<4μmの水銀細孔容積の決定
この方法はプロテック(Porotec)のPascal 140/440を使用してDIN 66133に従う水銀の侵入に基づく。
【0090】
この方法の原理は、加えられた圧力に応じて多孔質固体に加圧された水銀の体積の測定に基づく。ここでは、加えられた圧力(最大400MPa)で水銀が浸透できる細孔のみが検出される(リッター(Ritter)及びドレイク(Drake)法)。
【0091】
非濡れ性液体は、圧力下でのみ多孔質系に浸透する。加えられる圧力は、細孔開口部の開放幅に反比例する。円筒形の細孔の場合、細孔半径r
pと圧力pとの間の関係は、ウォッシュバーン(Washburn)方程式によって与えられる
【0092】
【数1】
r
p:細孔半径
p:圧力
σ:表面張力(480mN/m*)
θ:水銀の接触角(140°*)
* DIN 66133に従う
【0093】
水銀細孔容積<4μmは、Pascal 140/440水銀ポロシメトリー(最大圧力400MPa)の測定限界までの、<4μmの直径を有する全ての細孔の累積細孔容積によって与えられる。
【0094】
全孔隙率に基づく<4μmの細孔の割合の計算
<4μmの細孔の割合は、以下の方程式に従って計算される。
【0095】
【数2】
【0096】
全細孔容積は、以下の方程式によって得られる。
【0097】
【数3】
【0098】
非晶質SiO
2の密度は、骨格密度として使用される。これは2.2g/cm
3である。
【0099】
機械的安定性の評価
方法1から得られた成形体の機械的安定性の定性的評価を得るために、前後に複数回注ぎ振とうすることによって成形体に機械的に応力を加える。工程2からの成形体の機械的安定性を決定するために、得られたプレート状体を粉砕し、工程1からの生成物と同じ試験に供する。ここでは以下の評価を使用する。
++ 非常に安定しており、磨耗も破損もない
+ 安定しており、摩耗はほとんどない
o 適度に安定し、摩耗及び破砕断が観察された
− 安定性はほとんどない、低い応力による磨耗及び破砕が観察される
−− 安定していない、機械的な応力がなくても成形体の破砕が観察される
【0100】
供給源
HDK(R) T30:300m
2/gのBET比表面積を有する、ワッカー・ケミー社からの親水性の焼成シリカ。
HDK(R) N20:200m
2/gのBET比表面積を有する、ワッカー・ケミー社からの親水性の焼成シリカ。
メチルトリメトキシシラン:(ワッカー・ケミー社のWACKER(R) SILAN M1−TRIMETHOXY)(ワッカー)。
ジメチルジメトキシシラン:(ワッカー・ケミー社のWACKER(R) SILAN M2−DIMETHOXY)。
メチルトリエトキシシラン:(ワッカー・ケミー社のWACKER(R) SILAN M1−TRIETHOXY)。
ジメチルジエトキシシラン(ワッカー・ケミー社のWACKER(R) SILAN M2−DIETHOXY)。
テトラエトキシシラン(ワッカー・ケミー社のWACKER TES28)。
【0101】
全てのさらなる実験室用化学物質は、いつもの供給業者から調達した。
【0102】
方法1の例
[実施例1]
丸底フラスコ内で、10gのHDK T30を2gのMTMS及び0.15gのHCl(1M)と一緒に250mlのペンタンに懸濁させ、60℃で還流下で60分間加熱する。次いで、乱流反応混合物を、乾燥運転中に粘性反応組成物の造粒が生じるまで、ロータリーエバポレーターで40℃及び800ミリバールで蒸発させる。その後、顆粒を結晶化皿に移し、真空乾燥オーブン中で120℃及び50ミリバールで一定重量まで乾燥させる。得られた顆粒は疎水性である。
【0103】
[実施例2]
以下の量の出発物質を使用する、実施例1と同様の手順:10gのHDK T30、2gのDMDMS、0.15gのHCl(1M)、250mlのペンタン。得られた顆粒は疎水性である。
【0104】
[実施例3]
以下の量の出発物質を使用する、実施例1と同様の手順:10gのHDK T30、1gのMTMS、1gのDMDMS、0.15gのHCl(1M)、250mlのペンタン。得られた顆粒は疎水性である。
【0105】
[実施例4]
以下の量の出発物質を使用する、実施例1と同様の手順:10gのHDK H30、1gのMTMS、1gのDMDMS、0.15gのHCl(1M)、250mlのペンタン。得られた顆粒は疎水性である。
【0106】
[実施例5]
以下の量の出発物質を使用する、実施例1と同様の手順:5gのHDK T30、5gのHDK H30、1gのMTMS、1gのDMDMS、0.15gのHCl(1M)、250mlのペンタン。得られた顆粒は疎水性である。
【0107】
[実施例6]
以下の量の出発物質を使用する、実施例1と同様の手順:10gのHDK T30、1gのMTMS、1gのDMDMS、0.15gのHCl(1M)、250mlのヘキサン。得られた顆粒は疎水性である。
【0108】
[実施例7]
以下の量の出発物質を使用する、実施例1と同様の手順:10gのHDK T30、1gのMTMS、1gのDMDMS、0.15gのHCl(1M)、250mlのヘプタン。得られた顆粒は疎水性である。
【0109】
[実施例8]
以下の量の出発物質を使用する、実施例1と同様の手順:10gのHDK T30、1gのMTMS、1gのDMDMS、0.15gのHCl(1M)、250mlのジエチルエーテル。得られた顆粒は疎水性である。
【0110】
[実施例9]
以下の量の出発物質を使用する、実施例1と同様の手順:10gのHDK T30、1gのMTMS、1gのDMDMS、0.15gのHCl(1M)、250mlのメタノール。得られた顆粒は疎水性である。
【0111】
[実施例10]
以下の量の出発物質を使用する、実施例1と同様の手順:10gのHDK T30、1gのMTMS、1gのDMDMS、0.15gのHCl(1M)、250mlのペンタン、0.2gのセチルトリメチルアンモニウムブロマイド。得られた顆粒は疎水性であり、低い静電帯電を示す。
【0112】
[実施例11]
以下の量の出発物質を使用する、実施例1と同様の手順:10gのHDK T30、0.5gのMTMS、0.5gのDMDMS、0.15gのHCl(1M)、250mlのペンタン。得られた顆粒は疎水性ではない。
【0113】
[実施例12]
以下の量の出発物質を使用する、実施例1と同様の手順:10gのHDK T30、1.5gのMTMS、1.5gのDMDMS、0.15gのHCl(1M)、250mlのペンタン。得られた顆粒は疎水性である。
【0114】
[実施例13]
以下の量の出発物質を使用する、実施例1と同様の手順:10gのHDK T30、2gのMTMS、2gのDMDMS、0.15gのHCl(1M)、250mlのペンタン。得られた顆粒は疎水性である。
【0115】
[実施例14]
以下の量の出発物質を使用する、実施例1と同様の手順:10gのHDK N20、1gのMTMS、1gのDMDMS、0.15gのHCl(1M)、250mlのペンタン。得られた顆粒は疎水性である。
【0116】
[実施例15]
以下の量の出発物質を使用する、実施例1と同様の手順:10gのHDK T30、2gのDMDES、0.15gのHCl(1M)、250mlのペンタン。得られた顆粒は疎水性である。
【0117】
[実施例16]
以下の量の出発物質を使用する、実施例1と同様の手順:10gのHDK T30、2gのTES28、0.15gのHCl(1M)、250mlのペンタン。得られた顆粒は疎水性ではない。
【0118】
[実施例17]
以下の量の出発物質を使用する、実施例1と同様の手順:10gのGT3000(グレース(GRACE))、1gのMTMS、1gのDMDMS、0.15gのHCl(1M)、250mlのペンタン。得られた顆粒は疎水性である。
【0119】
[比較例1]
以下の量の出発物質を使用する、実施例1と同様の手順:10gのHDK T30、1gのMTMS、1gのDMDMS、250mlのペンタン。得られた顆粒は疎水性ではなく、機械的安定性はほとんどない。
【0120】
[比較例2]
以下の量の出発物質を使用する、実施例1と同様の手順:10gのHDK T30、250mlのペンタン。得られた顆粒は疎水性ではなく、機械的に安定でない。
【0121】
【表1】
【0122】
方法2の例
[実施例1]
出発物質の量:11gのジメチルジエトキシシラン、55gのHDK T30
自由流動性粉末が得られるまで、丸底フラスコ中で、11gのジメチルジエトキシシランに少しずつHDK T30(約10g)を添加した。この粉末をHDK T30の残りと高速ミキサーで4000rpmで1時間混合し、続いてプレス型に移した。混合物を圧縮し、100℃で16時間加熱して硬化させた。0.21g/cm
3の密度及び11×11×2.1cmの寸法を有するプレートが得られた。プレートの熱伝導率は21.1mW/K×mであった。得られたプレートは疎水性であり、2.8%というC含有率を有していた。4μm未満の細孔容積は3.65cm
3/gであることが判明し、これは85%という、全孔隙率に基づく4μmより小さい細孔の割合に相当する。粉砕後の破片の機械的安定性は+として評価した。
【0123】
[実施例2]
出発物質の量:11gのジメチルジエトキシシラン、0.5gのチタン(IV)イソプロポキシド、55gのHDK T30
自由流動性粉末が得られるまで、丸底フラスコ中で、11gのジメチルジエトキシシラン及び0.5gのTi(OiPr)
4に少しずつHDK T30(約10g)を添加した。この粉末をHDK T30の残りと高速ミキサーで4000rpmで1時間混合し、続いてプレス型に移した。混合物を圧縮し、100℃で16時間加熱して硬化させた。その後プレートを型から取り除いた。0.24g/cm
3の密度及び11×11×2.0cmの寸法を有するプレートが得られた。プレートの熱伝導率は21.0mW/K×mであった。得られたプレートは疎水性であり、3.2%というC含有率を有していた。4μm未満の細孔容積は3.42cm
3/gであることが判明し、これは92%という、全孔隙率に基づく4μmより小さい細孔の割合に相当する。粉砕後の破片の機械的安定性は++として評価した。
【0124】
得られたプレートを破砕して粉砕し、ふるい分けにより2〜8mmのサイズ画分を分離した。床内の熱伝導率は、この粒状材料について決定した。100g/lのかさ密度において、21.2mW/K×mの熱伝導率が得られた。
【0125】
[実施例3]
出発物質の量:11gのメチルトリエトキシシラン、0.5gのチタン(IV)イソプロポキシド、55gのHDK T30
自由流動性粉末が得られるまで、丸底フラスコ中で、11gのメチルトリエトキシシラン及び0.5gのTi(OiPr)
4に少しずつHDK T30(約10g)を添加した。この粉末をHDK T30の残りと高速ミキサーで4000rpmで1時間混合し、続いてプレス型に移した。混合物を圧縮し、100℃で16時間加熱して硬化させた。その後プレートを型から取り除いた。0.20g/cm
3の密度及び11×11×2.1cmの寸法を有するプレートが得られた。プレートの熱伝導率は21.3mW/K×mであった。得られたプレートは疎水性であり、1.8%というC含有率を有していた。4μm未満の細孔容積は3.98cm
3/gであることが判明し、これは88%という、全孔隙率に基づく4μmより小さい細孔の割合に相当する。粉砕後の破片の機械的安定性は++として評価した。
【0126】
[実施例4]
出発物質の量:11gのOH末端シロキサン(ワッカー・ケミー社からWeichmacher X−345の名称で入手可能)、55gのHDK T30
自由流動性粉末が得られるまで、丸底フラスコ中で、11gのOH末端シロキサンに少しずつHDK T30(約10g)を添加した。この粉末をHDK T30の残りと高速ミキサーで4000rpmで1時間混合し、続いてプレス型に移した。混合物を圧縮し、100℃で16時間加熱して硬化させた。その後、シロキサンを活性化し、このように300℃で硬化させるさらなる工程を行った。その後プレートを型から取り除いた。0.24g/cm
3の密度及び11×11×2.0cmの寸法を有するプレートが得られた。プレートの熱伝導率は22.3mW/K×mであった。得られたプレートは疎水性であり、3.2%というC含有率を有していた。4μm未満の細孔容積は3.22cm
3/gであることが判明し、これは87%という、全孔隙率に基づく4μmより小さい細孔の割合に相当する。粉砕後の破片の機械的安定性は++として評価した。