(54)【発明の名称】少なくとも1つの反射剤の油性分散体を封入するマイクロカプセルを含む、ケラチン物質をケアし、および/またはメイクアップするための水中油型エマルジョン
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記外側シェルを形成する前記壁形成性ポリマーが、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、セルロースエーテルまたはエステル、またはそれらの任意の組合せから選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
前記壁形成性ポリマーが、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリ(メチルメタクリレート)−co−(メタクリル酸)(PMMA/MA)、アクリレート/アンモニウムメタクリレートコポリマー、酢酸セルロースから選択される、請求項5に記載の組成物。
前記マイクロカプセルが、60〜80重量%の量でヒドロキシステアリン酸2−エチルヘキシル中に分散されたオキシ塩化ビスマスによって構成される前記内側コアを含む単層マイクロカプセルであり、前記外側シェルが、前記マイクロカプセルの総重量に対して、1.0重量%〜2.0重量%の範囲内の量のステアリン酸マグネシウム、1重量%〜20重量%の範囲内の量のTiO2、および、壁形成性ポリマーとして、5重量%〜20重量%の範囲内の量のPMMAを含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
前記マイクロカプセルが、60〜80重量%の量でヒドロキシステアリン酸2−エチルヘキシル中に分散されたオキシ塩化ビスマスによって構成される前記内側コアを含む単層マイクロカプセルであり、前記外側シェルが、ステアリン酸マグネシウムを含まず、前記マイクロカプセルの総重量に対して、10重量%〜50重量%の範囲内の量のTiO2、および、壁形成性ポリマーとして、1%〜10%の範囲内の量のエチルセルロースを含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
前記マイクロカプセルが、60〜80重量%の量でヒドロキシステアリン酸2−エチルヘキシル中に分散されたオキシ塩化ビスマスによって構成される前記内側コアを含む単層マイクロカプセルであり、前記外側シェルが、前記マイクロカプセルの総重量に対して、1.0重量%〜2.0重量%の範囲内の量のステアリン酸マグネシウム、1重量%〜20重量%の範囲内の量のTiO2、および、壁形成性ポリマーとして、5重量%〜20重量%の範囲内の量のポリ(エチルアクリレート−co−メチルメタクリレート−co−トリメチルアンモニウムエチルメタクリレートクロリドを含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
前記マイクロカプセルが、60〜80重量%の量でヒドロキシステアリン酸2−エチルヘキシル中に分散されたオキシ塩化ビスマスによって構成される前記内側コアを含む単層マイクロカプセルであり、前記外側シェルが、前記マイクロカプセルの総重量に対して、1.0重量%〜2.0重量%の範囲内の量のステアリン酸マグネシウム、1重量%〜20重量%の範囲内の量のTiO2、および、壁形成性ポリマーとして、5重量%〜20重量%の範囲内の量のPMMA/MAを含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
前記マイクロカプセルが、60〜80重量%の量でヒドロキシステアリン酸2−エチルヘキシル中に分散されたオキシ塩化ビスマスによって構成される前記内側コアを含む単層マイクロカプセルであり、前記外側シェルが、ステアリン酸マグネシウムもTiO2も含まず、前記マイクロカプセルの総重量に対して、1重量%〜20重量%の範囲内の量の可塑剤、および、壁形成性材料として、5重量%〜20重量%の範囲内の量のポリ(エチルアクリレート−co−メチルメタクリレート−co−トリメチルアンモニウムエチルメタクリレートクロリドを含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
【発明を実施するための形態】
【0030】
定義
「生理学的に許容される媒体」は、色、香りおよび好ましい感触を有し、この組成物の使用を消費者に断念させる傾向がある許容できない不快感(ヒリヒリ感、こわばり(tautness)、発赤)を生じない、ケラチン物質と適合する任意の媒体を意味する。
【0031】
本発明に関して、「ケラチン物質」という用語は、皮膚、特に、顔、頬、手、身体、脚および大腿部、眼の周り、眼瞼および唇のような部位を意味する。
【0032】
「油性相」は、室温(20〜25℃)における有機液体相(構造化剤を含まない)を意味する。一般に、液体有機相は、水に非混和性であり、少なくとも1つの揮発性油および/または揮発性油を含む。
【0033】
マイクロカプセル
本発明の実施形態によって提供されるマイクロカプセルは、反射剤、特にオキシ塩化ビスマスの少なくとも封入された(包まれた、閉じ込められた)油性分散体を含有する一般に閉じられた構造である粒子(例えば、ほぼ球形の粒子)である。マイクロカプセルは、一般に、コアシェル構造特徴を有し、すなわち、各マイクロカプセルは、ポリマーシェル、およびシェルによって包まれた反射剤の少なくとも1つの油性分散体を含むコアから構成される。
【0034】
マイクロカプセルのシェルは、典型的に、壁形成性材料として適用され、封入された物質の膜として働く。ある実施形態において、外側シェルは、任意選択的に、脂肪酸塩と組み合わせて、シェル中に不透明な物質を含むことによって、いくらかの不透明性、あるいは反射剤の遮蔽効果を示す。
【0035】
外側シェルは、その硬さを制御する可塑剤をさらに含んでもよく、マイクロカプセルが、皮膚上での擦り込みまたは押圧などの際に破裂可能であるように設計される。
【0036】
本明細書に記載される実施形態のいずれかのいくつかにおいて、マイクロカプセルは、内側コアを包む単一の外側シェルを含む単層マイクロカプセルである。
ある他の実施形態において、マイクロカプセルは、内側コアを包むシェルを包むさらなる1つまたは複数の層を含む、二層、または三層、または多層マイクロカプセルである。
【0037】
多層マイクロカプセルは、本明細書に記載されるように、第1の壁形成性材料から構成される第1のシェルによって包まれる、オキシ塩化ビスマスの油性分散体を含むコアを含む内側コアマイクロカプセル、および本明細書に記載される単層マイクロカプセル(反射剤含有内側コア、および第1の壁形成性材料の第1のシェルを含む)を包むものと考えられ得る、前記第1のシェルを包む第2の壁形成性材料から構成される少なくとも1つのさらなるシェルを含むものとして取り上げられる。
【0038】
多層マイクロカプセル中の各シェルは、典型的に、壁形成性材料(例えば、第1、第2、第3などの外側シェルをそれぞれ形成する第1、第2、第3などの壁形成性材料)として独立して適用され、封入された物質の膜として働く。ある実施形態において、これらの実施形態に係る多層マイクロカプセル中の外側シェルの1つまたは複数、またはそれぞれが、その中に含まれる不透明な物質によって任意選択的に不透明であり、および/または本明細書に記載される脂肪酸塩をさらに含有する。
【0039】
本発明の実施形態のマイクロカプセルは、使用の中でも特に、局所、例えば、化粧品、薬用化粧品および医薬品(例えば、皮膚用)用途に含まれるのに好適である。皮膚に塗布されるとき、マイクロカプセルは、皮膚上での擦り込みまたは押圧などのせん断力の付加の際に破裂可能であるが、それらは、塗布前に、配合物自体の中で無傷のままである。マイクロカプセルは、単離/ろ過、乾燥、ふるい分けなどの製造プロセス中、および/または貯蔵中の、シェルの破壊および内容物の認識を避けるのに十分に硬い。
【0040】
ある実施形態において、本明細書に記載されるオキシ塩化ビスマスの油性分散体を封入するマイクロカプセルは、本明細書において後述され、後続の実施例節において例示されるように、溶媒除去方法によって調製される。
【0041】
ある実施形態において、本明細書に記載されるマイクロカプセルの平均サイズは、10μm〜400μm、より好ましくは、50μm〜350μm、より特定的には、50μm〜250μm、有利には、90μm〜250μm、より有利には、100μm〜200μmの範囲内である。
【0042】
本明細書全体を通して、「平均」サイズは、マイクロカプセルの平均サイズを意味する。マイクロカプセルのサイズは、レーザー分布サイズ方法によって、特に、値D[50]およびD[90]を測定することによって測定され得る。
【0043】
D50は、マイクロカプセルの50%を超えないサイズを意味し、D90は、マイクロカプセルの90%を超えないサイズを意味する。
【0044】
本明細書に記載される実施形態のいずれかのいくつかにおいて、外側シェルは、壁形成性材料に加えて、本明細書に記載される、脂肪酸塩、および不透明な物質を含む。
【0045】
本発明の実施形態のいずれかのいくつかによれば、本明細書に記載されるマイクロカプセルは、X−rite測定において決定される明度値(L
*)の正シフト(デルタ)によって反映されるように、オキシ塩化ビスマスの油性分散体の発光効果の遮蔽を示す。
【0046】
本発明の実施形態のいずれかのいくつかによれば、本明細書に記載されるマイクロカプセルは、皮膚に塗付されるとき、破裂または破壊可能であり;すなわち、本明細書に記載されるマイクロカプセルは、それを含む配合物中でおよび工業プロセス中に無傷のままであるが、皮膚上で押圧されるかまたは擦り込まれたときに容易に破壊される。局所適用前のマイクロカプセルの非破壊性は、例えば、室温および40℃で5〜10分間にわたって40〜600(または80〜100)rpmでの低いせん断混合に供されるとき、ベースクリームまたはローション中のマイクロカプセルが、それらのサイズおよび形状を維持する能力を(例えば、光学顕微鏡を用いて)監視することによって日常的に評価される。マイクロカプセルサイズの10%未満の変化は、日常的な工業プロセスの際のマイクロカプセルの非破壊性を示す。
【0047】
内側コア:
本明細書に記載されるマイクロカプセル中の内側コアは、少なくとも1つの油中の少なくとも1つの反射剤の少なくとも分散体を含む。
【0048】
a)反射剤
本明細書において使用される際に、「反射剤」は、それが塗布される基材の拡散光反射を増加させる剤を表す。本明細書に記載される反射剤は、典型的に、ケラチン基材、特に皮膚、より特定的に顔の皮膚の光反射を増加させることが意図される。
【0049】
本発明のある実施形態によれば、反射剤は、寸法および配列(例えば層状構造)、ならびに他の物理的および化学的特徴によって特徴付けられる粒子を含むか、またはそのような粒子の形態であってもよく、これは、表面に塗付されるとき、肉眼で確認できる十分な強度を有する入射光の反射を引き起こす。結果として、反射剤は、それが塗布される基材に、輝いて見えることによってそれらの周囲とのコントラストを成す明るさの点を提供する。
【0050】
ある実施形態において、反射剤は、皮膚上に連続した拡散反射を提供し、塗布されるとき、顔の皮膚に光効果または光度を与える。
【0051】
本明細書に記載される「光反射」または「光効果」または「光度」または「発光効果」は、後続の実施例節に記載されるように決定され得る。
【0052】
例示的な反射剤は、オキシ塩化ビスマスである。
【0053】
他の例示的な反射剤としては、限定はされないが、無機真珠層、金属の輝きを有する粒子、雲母および他の無機顔料、およびそれらの組合せが挙げられる。
【0054】
本発明のこれらの実施形態に関して使用可能な無機顔料としては、限定はされないが、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化クロム、フェリックブルー(ferric blue)、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルーおよびクロム水和物が挙げられる。
【0055】
本発明のこれらの実施形態に関して使用可能なさらなる顔料としては、限定はされないが、絹雲母/褐色酸化鉄/二酸化チタン/シリカ型、またはBaSO
4/TiO
2/FeSO
3型、シリカ/酸化鉄型の顔料構造、または酸化鉄を含有するシリカ微小球が挙げられる。
【0056】
「真珠層」という用語は、天然由来(例えば、特定の軟体動物によってその殻中で生成される)または合成され、光学干渉を特徴とすることによって色効果を示す虹色または非虹色の粒子を表す。「真珠層」という用語は、本明細書において「真珠層顔料」とも呼ばれる。
【0057】
例示的な真珠層顔料としては、限定はされないが、酸化鉄で被覆されたチタン雲母、オキシ塩化ビスマスで被覆されたチタン雲母、酸化クロムで被覆されたチタン雲母、有機染料で被覆されたチタン雲母およびさらにオキシ塩化ビスマスをベースとする真珠層顔料が挙げられる。これらはまた、その表面で、金属酸化物および/または有機着色剤の少なくとも2つの連続層が重ねられた雲母粒子であり得る。
【0058】
さらなる例示的な真珠層としては、限定はされないが、酸化チタンで、酸化鉄で、天然顔料でまたはオキシ塩化ビスマスで被覆された天然雲母が挙げられる。
【0059】
市販されている真珠層としては、例えば、BASF社によって販売されるTimica、FlamencoおよびDuochrome(雲母ベースの)真珠層、Merck社によって販売されるTimiron真珠層、Eckart社によって販売されるPrestige雲母ベースの真珠層、天然雲母をベースとする以下の真珠層:Sun Chemical社製のSunpearl、Kobo社製のKTZおよびSun Chemical社製のSunprizma、Sun Chemical社によって販売される合成雲母をベースとするSunshineおよびSunprizma真珠層、ならびにMERCK社によって販売される合成雲母をベースとするTimiron Synwhite真珠層が挙げられる。
【0060】
より具体的な例としては、特に、Brilliant gold 212G(Timica)、Gold 222C(Cloisonne)、Sparkle gold(Timica)、Gold 4504(Chromalite)およびMonarch gold 233X(Cloisonne)の名称でBASF社によって販売される金色の真珠層;特に、Bronze fine(17384)(Colorona)およびBronze(17353)(Colorona)の名称でMerck社によって、およびSuper bronze(Cloisonne)の名称でBASF社によって販売される青銅色の真珠層;特に、Orange 363C(Cloisonne)およびOrange MCR 101(Cosmica)の名称でBASF社によって、およびPassion orange(Colorona)およびMatte orange(17449)(Microna)の名称でMerck社によって販売されるオレンジ色の真珠層;特に、Nuantique copper 340XB(Cloisonne)およびBrown CL4509(Chromalite)の名称でBASF社によって販売される茶色がかった真珠層;特に、Copper 340A(Timica)の名称でBASF社によって販売される銅色を帯びた真珠層;特に、Sienna fine(17386)(Colorona)の名称でMerck社によって販売される赤色を帯びた真珠層;特に、Yellow(4502)(Chromalite)の名称でBASF社によって販売される黄色を帯びた真珠層;特に、Sunstone G012(Gemtone)の名称でBASF社によって販売される金色を帯びた赤色がかった真珠層;特に、Tan opale G005(Gemtone)の名称でBASF社によって販売されるピンク色の真珠層;特に、Nu antique bronze 240 AB(Timica)の名称でBASF社によって販売される金色を帯びた黒色の真珠層;特に、Matte blue(17433)(Microna)の名称でMerck社によって販売される青色の真珠層;特に、Xirona Silverの名称でMerck社によって販売される銀色を帯びた白色の真珠層;および特に、Indian summer(Xirona)の名称でMerck社によって販売される金緑色で、ピンク色とオレンジ色を帯びた真珠層、ならびにそれらの混合物が挙げられる。
【0061】
本発明の実施形態に関して使用可能な金属の輝きを有する例示的な粒子としては、限定はされないが、少なくとも1つの金属の粒子および/または少なくとも1つの金属誘導体の粒子、少なくとも1つの金属および/または少なくとも1つの金属酸化物、金属ハロゲン化物または金属硫化物を含む金属の輝きを有する少なくとも1つの層で少なくとも部分的に被覆された、単一材料または複数材料の有機または無機基材を含む粒子、および前記粒子の混合物が挙げられる。
【0062】
このような粒子中に存在し得る例示的な金属としては、限定はされないが、Ag、Au、Cu、Al、Ni、Sn、Mg、Cr、Mo、Ti、Zr、Pt、Va、Rb、W、Zn、Ge、TeおよびSe、およびそれらの混合物または合金、好ましくは、Ag、Au、Cu、Al、Zn、Ni、MoおよびCrおよびそれらの混合物または合金が挙げられる。
【0063】
金属の輝きを有する例示的な粒子としては、限定はされないが、アルミニウム粒子、例えば、Siberline社によってStarbrite 1200 EAC(登録商標)の名称で、およびEckart社によってMetalure(登録商標)の名称で販売されるもの;銅または合金混合物の金属粉末で作製された粒子、例えば、Radium Bronze社によって販売される整理番号2844、金属顔料、例えば、アルミニウムまたは青銅、例えば、Eckart社からRotosafe 700の名称で販売されるもの、Eckart社からVisionaire Bright Silverの名称で販売されるシリカ被覆アルミニウム粒子、および金属合金粒子、例えば、Eckart社からVisionaire Bright Natural Goldの名称で販売されるシリカ被覆青銅(銅および亜鉛の合金)粉末が挙げられる。
【0064】
他の粒子は、ガラス基材、例えば、Microglass Metashineの名称でNippon Sheet Glass社によって販売されるもの、Merck社製のXirona、Merck社製のRonastar、BASF社製のReflecksおよびBASF社製のMirageを含むものである。
【0065】
さらなる例示的な反射剤としては、角度依存性(goniochromatic)着色剤、例えば、多層干渉構造および液晶着色剤が挙げられる。
【0066】
他の反射剤は、当業者によって容易に認識されるであろう。
【0067】
本発明の好ましい実施形態によれば、反射剤は、オキシ塩化ビスマスである。
【0068】
b)分散体中で使用される油
本発明によれば、「油」という用語は、室温(25℃)および大気圧(760mmHg)で液体である、水と非混和性の非水性化合物を意味する。
【0069】
好ましい実施形態によれば、油は、極性油である。
【0070】
本明細書において使用される際に「極性油」という用語は、25℃で、16を超える、分散力相互作用に特徴的な溶解度パラメータδ
d、および厳密に0を超える、極性相互作用に特徴的な溶解度パラメータδ
pを有する任意の油を指す。溶解度パラメータδ
dおよびδ
pは、Hansen分類にしたがって定義される。例えば、これらの極性油は、エステル、トリグリセリドおよびエーテルから選択され得る。
【0071】
Hansen三次元溶解空間における溶解度パラメータの定義および計算は、C.M.Hansenによる論文:“The three dimensional solubility parameters”,J.Paint Technol.39,105(1967)に記載されている。
【0072】
このHansen空間によれば:
− δ
Dは、分子の影響の際に誘発される双極子の形成に由来するLondon分散力を特徴付け;
− δ
pは、永久双極子間のDebye相互作用力およびさらに誘起双極子と永久双極子との間のKeesom相互作用力を特徴付け;
− δ
hは、特異的な相互作用力(水素結合、酸/塩基、ドナー/アクセプタなど)を特徴付け;
− δ
aは、等式:
【数1】
によって決定される。
【0073】
パラメータδ
p、δ
h、δ
Dおよびδ
aは、
【数2】
で表される。
【0074】
極性油は、好ましくは、δ
a>6を有する油から選択される。
【0075】
これらの極性油は、植物、鉱物または合成由来のものであり得る。
【0076】
極性油は、好ましくは、不揮発性極性炭化水素系油から選択されるであろう。
【0077】
「極性炭化水素系油」という用語は、炭素および水素原子、および任意選択的に、酸素および窒素原子から本質的に形成されるか、あるいはそれらによって構成され、かつケイ素またはフッ素原子を含有しない極性油を意味する。それは、アルコール、エステル、エーテル、カルボン酸、アミンおよび/またはアミド基を含有し得る。
【0078】
「不揮発性油」という用語は、少なくとも数時間にわたって室温および大気圧で皮膚またはケラチン繊維上に留まり、特に、10
−3mmHg(0.13Pa)未満の蒸気圧を有する油を意味する。
【0079】
不揮発性極性炭化水素系油は、以下の油から特に選択され得る:
− 炭化水素系極性油、例えば、特にその脂肪酸がC
4〜C
36、特にC
18〜C
36の範囲の鎖長を有し得る、グリセロールの脂肪酸エステルからなるトリグリセリド、これらの油は、場合により、直鎖状または分枝鎖状、飽和または不飽和であり;これらの油は、特に、ヘプタン酸またはオクタン酸トリグリセリド、小麦胚芽油、ヒマワリ油、グレープシード油、ごま油(820.6g/mol)、トウモロコシ油、杏仁油、ヒマシ油、シア脂油、アボカド油、オリーブ油、大豆油、スイートアーモンド油、パーム油、ナタネ油、綿実油、ヘーゼルナッツ油、マカダミア油、ホホバ油、アルファルファ油、ケシ油、カボチャ油、マロー油(marrow oil)、クロフサスグリ油、月見草油、キビ油、オオムギ油、キノア油、ライムギ油、ベニバナ油、ククイナッツ油、トケイソウ油またはジャコウバラ油;あるいはカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、例えば、Stearineries Dubois社によって販売されるもの、またはDynamit Nobel社によってMiglyol 810(登録商標)、812(登録商標)および818(登録商標)の名称で販売されるものであり得;
− 10〜40個の炭素原子を含有する合成エーテル、例えば、ジカプリリルエーテル;
− 式RCOOR’(式中、RCOOが、2〜40個の炭素原子を含むカルボン酸残基を表し、R’が、1〜40個の炭素原子を含有する炭化水素系鎖を表す)の炭化水素系エステル、例えば、オクタン酸セトステアリル、イソプロピルアルコールエステル、例えば、ミリスチン酸イソプロピルまたはパルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸エチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸またはイソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソステアリル、ステアリン酸オクチル、ヒドロキシステアリン酸2−エチルヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、ヘプタノエート、および特にヘプタン酸イソステアリル、アルコールまたは多価アルコールオクタノエート、デカノエートまたはリシノレエート(ricinoleate)、例えば、ジオクタン酸プロピレングリコール、オクタン酸セチル、オクタン酸トリデシル、4−ジヘプタン酸およびパルミチン酸2−エチルヘキシル、ジヘプタン酸ポリエチレングリコール、2−ジエチルへキサン酸プロピレングリコール、ラウリン酸ヘキシル、ネオペンタン酸エステル、例えば、ネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソトリデシル、ネオペンタン酸イソステアリルおよびネオペンタン酸2−オクチルドデシル、イソノナン酸エステル、例えば、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシルおよびイソノナン酸オクチル、エルカ酸オレイル、ラウロイルサルコシンイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、ステアリン酸イソセチル、ネオペンタン酸イソデシル、ベヘン酸イソステアリル、およびミリスチン酸ミリスチル;
− 12〜26個の炭素原子を含有する脂肪アルコール、例えば、オクチルドデカノール、2−ブチルオクタノール、2−ヘキシルデカノール、2−ウンデシルペンタデカノールおよびオレイルアルコール;
− 高級C
12〜C
22脂肪酸、例えば、オレイン酸、リノール酸およびリノレン酸、およびそれらの混合物;
− 12〜26個の炭素原子を含有する脂肪酸、例えば、オレイン酸;
− 2つのアルキル鎖が場合により同一または異なる炭酸ジアルキル、例えば、CognisによってCetiol CC(登録商標)の名称で販売される炭酸ジカプリリル;および
− 芳香族エステル、例えば、トリメリット酸トリデシル、安息香酸C
12〜C
15アルコール、安息香酸2−フェニルエチル、およびサリチル酸ブチルオクチル、
− 水酸化エステル、例えば、トリイソステアリン酸ポリグリセロール−2、
− C
24〜C
28分枝鎖状脂肪酸または脂肪アルコールのエステル、例えば、特許出願欧州特許出願公開第0 955 039号明細書に記載されているもの、および特に、クエン酸トリイソアラキジル、テトライソノナン酸ペンタエリスリチル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリス(2−デシル)テトラデカン酸グリセリル、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル、テトライソステアリン酸ポリグリセリル−2またはテトラキス(2−デシル)テトラデカン酸ペンタエリスリチル、
− 二量体ジオールとモノカルボン酸またはジカルボン酸とのエステルおよびポリエステル、例えば、二量体ジオールと脂肪酸とのエステル、および二量体ジオールと二量体ジカルボン酸とのエステル、例えば、Nippon Fine Chemical社によって販売され、特許出願米国特許出願公開第2004−175 338号明細書(その内容が参照により本出願に援用される)に記載されているLusplan DD−DA5(登録商標)およびLusplan DD−DA7(登録商標)、
− およびそれらの混合物。
【0080】
好ましい実施形態において、油は、ヒドロキシステアリン酸2−エチルヘキシル、(またはヒドロキシステアリン酸オクチル)、エチルヘキサン酸エチルヘキシル、ヒマシ油、またはそれらの任意の組合せから選択され、より特定的には、ヒドロキシステアリン酸2−エチルヘキシル、(またはヒドロキシステアリン酸オクチル)である。
【0081】
マイクロカプセルの内側コアを作製するのに使用される反射剤の油性分散体の好ましい実施形態において、分散体中の反射剤の量は、分散体の総重量の、50重量%〜90重量%、より好ましくは、60重量%〜80重量%、より特定的には、65重量%〜75重量%の範囲である。したがって、油の量は、それぞれ分散体の総重量に対して、10重量%〜50重量%、より好ましくは、20重量%〜40重量%、より特定的には、25重量%〜35重量%の範囲である。
【0082】
好ましい実施形態において、反射剤粒子対油の重量比は、1.5/1〜5/1、より好ましくは、1.5/1〜3/1、特に、2/1〜4/1、より特定的には、2/1〜3/1の範囲である。
【0083】
本発明の特定の形態によれば、反射剤の油性分散体分散体は、ヒドロキシステアリン酸エチルヘキシル中のオキシ塩化ビスマスの分散体、より特定的には、分散体の総重量に対して、28重量%〜32重量%のヒドロキシステアリン酸2−エチルヘキシル中の68重量%〜72重量%のオキシ塩化ビスマスを含有する分散体である。
このような分散体は、特に、MERCK社によって商品名Biron Liquid Silver(登録商標)またはTimiron(登録商標)Liquid Silverで販売される。
【0084】
本発明の好ましい実施形態によれば、反射剤の油性分散体によって構成されるマイクロカプセルの内側コアの量は、マイクロカプセルの総重量に対して、20重量%〜90重量%%、より好ましくは、30重量%〜90重量%%、特に、40重量%〜90重量%、より特定的には、50重量%〜90重量%、より良好には、60重量%〜90重量%、より有利には、70重量%〜90重量%%、より有利には、70重量%〜80重量%、より特に有利には、60重量%〜80重量%の範囲内である。
【0085】
本明細書に記載される実施形態のいずれかのいくつかにおいて、マイクロカプセルは、1つのみのタイプの反射剤または2つ以上の反射剤の混合物を含有し、個々に封入されるか、および/または反射剤の1つまたは複数のブレンドが、マイクロカプセルの内側コア中に封入され得る。当業者は、皮膚に対する所望の効果を生じさせるように反射剤および反射剤の組合せを選択する方法を認識するであろう。
【0086】
壁形成性材料
a)壁形成性ポリマー
壁形成性材料は、本発明の実施形態のマイクロカプセルの外側シェルを形成し、封入された物質(反射剤)の膜として働く。本発明の実施形態によれば、外側シェルを形成する壁形成性材料は、壁形成性ポリマーまたはコポリマーを含む。本発明の実施形態のいずれかのいくつかにおいて、外側シェルの1つまたは複数が、少なくとも1つの不透明な物質および/または少なくとも1つの脂肪酸塩をさらに含み、任意選択的に、少なくとも1つの可塑剤をさらに含み得る。
【0087】
本明細書において「壁形成性ポリマー材料」とも呼ばれる「壁形成性ポリマー」という語句は、本明細書において定義されるように、ポリマー材料(例えば、ポリマーまたはコポリマー)または2つ以上の異なるポリマー材料の組合せを指し、これは、単層マイクロカプセルの外壁もしくは層もしくはシェル、または、多層マイクロカプセルの場合、さらに内側コアと外(最外)層との間の1つまたは複数の中間シェルの成分を形成する。単層マイクロカプセルに関して、「ポリマーシェル」という用語は、内側コアを包む、壁形成性ポリマーから構成されるポリマー層を指す。多層マイクロカプセルに関して、「ポリマーシェル」という用語は、内側コアを包む、または先にあるポリマー層を包む、ポリマー層のいずれかを指す。
【0088】
ある実施形態において、壁形成性ポリマーは、工業プロセスにおいて配合されながら加えられるせん断力を維持するが、それにもかかわらず、皮膚に塗布される(例えば、擦り込まれるかまたは押圧される)とき破裂可能なマイクロカプセルを提供するように選択される。
【0089】
ある実施形態において、壁形成性ポリマー材料は、水素結合を形成することが可能な十分な量の官能基を含有するポリマーを含む。
【0090】
ある実施形態において、1つまたは複数の外側シェルを形成するポリマー材料は、独立して、総ポリマー重量の4〜40重量パーセントを特徴とする水素結合形成官能基を含む。水素結合形成官能基としては、限定はされないが、酸素、硫黄および/または窒素などの1つまたは複数の電子供与原子を含む官能基が挙げられる。
【0091】
ある実施形態において、水素結合形成基としては、カルボン酸、カルボキシレート、ヒドロキシ、またはそれらの任意の組合せが挙げられる。
【0092】
ある実施形態において、外側シェルを形成する壁形成性ポリマー材料の1つまたは複数、またはそれぞれが、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、セルロースエーテルまたはエステル、またはそれらの任意の組合せを含む。
【0093】
例示的な壁形成性ポリマー材料としては、限定はされないが、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、低分子量ポリ(メチルメタクリレート)−co−(メタクリル酸)(例えば、1:0.16)、ポリ(エチルアクリレート)−co−(メチルメタクリレート)−co−(トリメチルアンモニウム−エチルメタクリレートクロリド)(例えば、1/2/0.1)(Eudragit(登録商標)RSPOとしても知られている)、ポリ(ブチルメタクリレート)−co−(2−ジメチルアミノエチルメタクリレート)−co−(メチルメタクリレート)(例えば、1/2/1)、ポリ(スチレン)−co−(無水マレイン酸)、オクチルアクリルアミドのコポリマー、セルロースエーテル、セルロースエステル、ポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリ(プロピレングリコール)−ブロック−ポリ(エチレングリコール)、PLA(ポリ(乳酸)、PGA(ポリ(グリコリド)、PLGA(ポリ(ラクチド)−co−ポリ(グリコリド)またはそれらの任意の組合せが挙げられる。
【0094】
本明細書に記載されるポリマーおよびコポリマーの任意の組合せが、本明細書に記載される壁形成性材料のために考えられる。
【0095】
ある実施形態において、外側シェルの壁形成性ポリマー材料は、セルロースエーテルまたはエステル、例えば、限定はされないが、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸酪酸セルロースおよび酢酸フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む。セルロースエーテルまたはエステルが、ポリマー材料に使用される場合、それは、好ましくは、水素結合を形成するために空いている4〜20%のヒドロキシル基(例えば、アルキル化またはアシル化されていないヒドロキシル基)を含有する。
【0096】
本明細書に記載される実施形態のいずれかのいくつかにおいて、外側シェルの壁形成性材料は、アクリレート/アンモニウムメタクリレートコポリマー、例えば、例えば、Eudragit(登録商標)RSPOを含む。本発明の他の実施形態のいずれかのいくつかにおいて、外側シェルの壁形成性材料は、上記のポリマーの組合せ、例えば、限定はされないが、アクリレート/アンモニウムメタクリレートコポリマー(例えば、Eudragit(登録商標)RSPO)と、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(メタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート)−co−(メタクリル酸)または酢酸セルロースのいずれかとの組合せを含む。
【0097】
2つのポリマー材料が、壁形成性材料として使用される場合、その間の重量比は、10/1〜1/1の範囲であり得、例えば、5/1、4/1、3/1、2/1、または3/2の範囲であり得る。
【0098】
本明細書に記載される実施形態のいずれかのいくつかにおいて、壁形成性材料は、ポリ(メチルメタクリレート(PMMA)であるかまたはそれを含む。
【0099】
本明細書に記載される実施形態のいずれかのいくつかにおいて、壁形成性材料は、ポリ(メチルメタクリレート)−co−(メタクリル酸)(PMMA/MA)であるかまたはそれを含む。
【0100】
本明細書に記載される実施形態のいずれかのいくつかにおいて、壁形成性材料は、アクリレート/アンモニウムメタクリレートコポリマー(例えば、Eudragit(登録商標)RSPO)であるかまたはそれを含む。
【0101】
本明細書に記載される実施形態のいずれかのいくつかにおいて、壁形成性材料は、酢酸セルロースであるかまたはそれを含む。
【0102】
総マイクロカプセル重量に対する外側シェルの壁形成性ポリマーの量(重量/重量)は、5重量%〜30重量%、より好ましくは、約5重量%〜20重量%、特に、約5重量%〜約15重量%、より特定的には、約5重量%〜約10重量%の範囲内であり得る。
【0103】
ある実施形態において、壁形成性材料が、酢酸セルロースなどのセルロースエステルである場合、外側シェルは、本明細書に記載される脂肪酸塩を含まなくてもよい。あるこのような実施形態において、外側シェルは、マイクロカプセルの総重量に対して、10重量%超の量、例えば、20重量%〜40重量%、より好ましくは、30重量%〜40重量%の範囲の量で、TiO
2などの不透明な物質を含む。
【0104】
壁形成性材料が酢酸セルロースである場合の実施形態において、酢酸セルロースの量は、例えば、組成物の総重量に対して、5重量%〜10重量%、より好ましくは、5重量%〜8重量%、特に、5重量%であり得る。
【0105】
多層マイクロカプセルに関連する実施形態において、本明細書に記載されるマイクロカプセルにおける外側シェルのそれぞれにおける壁形成性材料(例えば、内側コアの第1の壁形成性材料、内側コアを包む第1の外側シェルの第2の壁形成性材料、および任意選択的に、第1の外側シェルを包む第2の外側シェルの第3の壁形成性材料など)は、同じかまたは異なり得る。
【0106】
b)不透明な物質:
本明細書に記載される単層マイクロカプセルの外側シェルは、不透明、半不透明または非不透明(透明)であり得る。ある実施形態において、外側シェルは、不透明であり、したがって、反射剤によって与えられる光反射を遮蔽する。
【0107】
ある実施形態において、本明細書に記載される多層マイクロカプセルの外側シェルの1つまたは複数が、不透明、半不透明または非不透明(透明)であり得る。ある実施形態において、外側シェル(例えば、最外シェル)の1つまたは複数が、不透明であり、したがって、反射剤によって与えられる光反射を遮蔽する。
【0108】
本発明のある実施形態において、マイクロカプセルの外側シェルの不透明性は、不透明な物質を含むことによって得られる。
【0109】
本明細書において使用される際に、「不透明な物質」は、不透明であり、かつそれを通る光の少なくとも70%を遮断する物質である。
【0110】
したがって、不透明な外側シェルは、70%〜100%の光を遮断する。半不透明な外側シェルは、50%までの光を遮断する。非不透明なまたは透明な外側シェルは、それを通る光の30%以下を遮断する。
【0111】
「不透明性」および「不透明な」という用語は、本明細書において、例えば、日光などの紫外・可視光を指す。
【0112】
例示的な不透明な物質としては、限定はされないが、TiO
2、酸化亜鉛、アルミナ、窒化ホウ素、タルク、雲母およびそれらの任意の組合せが挙げられる。
【0113】
外側シェルにおける不透明な物質の総量は、マイクロカプセルの総重量に対して、1重量%〜50重量%、より好ましくは、1重量%〜40重量%、より特定的には、10重量%〜40重量%の範囲内である。
【0114】
本明細書に記載される実施形態のいずれかのいくつかにおいて、不透明な物質は、TiO
2であるかまたはそれを含み、ある実施形態において、TiO
2の量は、マイクロカプセルの総重量の、1重量%〜約30重量%、好ましくは、10重量%〜40重量%の範囲内である。
【0115】
本明細書に記載される実施形態のいずれかのいくつかにおいて、不透明な物質は、TiO
2であるかまたはそれを含み、ある実施形態において、TiO
2の量は、マイクロカプセルの総重量に対して約10重量%である。
【0116】
本明細書に記載される実施形態のいずれかのいくつかにおいて、不透明な物質は、TiO
2であるかまたはそれを含み、ある実施形態において、TiO
2の量は、マイクロカプセルの総重量に対して約35重量%である。
【0117】
ある実施形態において、外側シェルは、本明細書に記載される不透明な物質を含まない。
【0118】
c)脂肪酸塩:
本明細書に記載される実施形態のいずれかのいくつかにおいて、外側シェルは、任意選択的に、それぞれの実施形態のいずれか1つにおける本明細書に記載される不透明な物質を含み、および/またはその代わりに、またはそれに加えて、それぞれの実施形態のいずれか1つにおける本明細書に記載される脂肪酸塩をさらに含む。
【0119】
脂肪酸塩は、長い疎水性炭化水素鎖(例えば、4〜30個の炭素原子の長さを有する)カルボキシレートアニオン(脂肪酸アシル)および以下の式:
(R−C(=O)−O−)
nM
(n+)
(式中、Rが、4〜30個の炭素原子の置換または非置換、直鎖状または分枝鎖状炭化水素鎖であり、M
+が、カチオン、好ましくは、金属カチオンであり、nが、カチオンと相互作用する脂肪酸アシルの数を表す整数であり、カチオンの電荷数(例えば、1、2、3など)も表す)に示されるカチオンを含む。
【0120】
本発明の実施形態のいずれかのいくつかに使用可能な脂肪酸塩は、1〜3つの脂肪酸アシル鎖を含有してもよく、各鎖は、独立して、4〜30個または8〜24個の炭素原子(C8〜C24)の長さを含む。したがって、脂肪酸塩は、一価、二価もしくは三価金属イオンの塩または有機カチオンの塩であり得る。
【0121】
一価金属イオンは、例えば、Na
+、K
+、Cs
+、Li
+であり得;二価金属イオンは、Mg
2+、Ca
2+、Fe(II)、Co2+、Ni
2+、Cu
2+、Mn
2+、Cd
2+、Sr
2+またはZn
2+から選択され;三価金属イオンは、例えば、Fe(III)、La
3+、Eu
3+またはGd
3+であり得;有機カチオンは、例えば、アンモニウム、スルホニウム、ホスホニウムまたはアルソニウムであり得る。
【0122】
脂肪酸アシルは、限定はされないが、ステアリン酸、アラキジン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレライド酸、アラキドン酸、ミリストレイン酸およびエルカ酸などの脂肪酸に由来し得る。他の脂肪酸も考えられる。
【0123】
例示的な脂肪酸塩としては、限定はされないが、ステアリン酸マグネシウム、オレイン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、リノール酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、アラキドン酸マグネシウム、パルミチン酸マグネシウム、リノール酸マグネシウム、アラキドン酸カルシウム、ミリストオレイン酸カルシウム、リノール酸ナトリウム、リノール酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ラウリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸カリウム、パルミチン酸カリウム、ラウリン酸カルシウム、ミリスチン酸カルシウム、パルミチン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸マグネシウム、およびミリスチン酸マグネシウムが挙げられる。
【0124】
好ましい実施形態において、脂肪酸塩は、ステアリン酸マグネシウムである。
【0125】
脂肪酸塩は、通常、総マイクロカプセル重量に対して、0.05重量%〜5重量%、より好ましくは、0.1重量%〜4.5重量%、特に、0.2重量%〜4重量%、より特定的には、0.5%〜4%、有利には、0.5重量%〜3.0重量%、より有利には、0.75重量%〜3.0重量%、特により有利には、1.0重量%〜3.0重量%、より良好には、1.0重量%〜2.0重量%の範囲内の量であり、特に、1.0重量%である。
【0126】
何らかの特定の理論に制約されるものではないが、脂肪酸塩のカチオンが、不透明な物質の粒子および任意選択的に壁形成性ポリマーの遊離カルボン酸および/またはヒドロキシル基を引き付け、内側コアへの不透明な物質およびポリマー材料の両方のより良好な付着をもたらし、それによって、内側コア中に存在するオキシ塩化ビスマスの油性分散体の効率的な遮蔽を提供することが想定される。
【0127】
脂肪酸塩は、不透明な物質とともにまたはそれを伴わずに、封入された材料、および壁形成性ポリマーと一緒に、有機相に加えられながら、単層マイクロカプセルの調製に使用され得る。有機相が水相と接触すると、脂肪鎖は、自然に、封入された物質を包み込み、それらの極性/イオン性頭部基が、反対に荷電した不透明な物質ならびにポリマーにおける反対に荷電した基と相互作用し、それによって、封入された材料を含むコアを取り囲む不透明なポリマーエンベロープの形成を促す。
【0128】
d)可塑剤:
本発明の実施形態のいずれかのある実施形態において、マイクロカプセルの外側シェルは、可塑剤をさらに含む。
【0129】
本明細書および当該技術分野において、「可塑剤」は、組成物の可塑性または流動性を増加させる物質を表す。本発明の実施形態に関して、可塑剤が、マイクロカプセルの外側シェルの物理的特性および弾性のレベルを制御するために、壁形成性材料に加えられる。
【0130】
例示的な可塑剤としては、限定はされないが、クエン酸トリエチル、トリカプリリン、トリラウリン、トリパルミチン、トリアセチン、アセチルクエン酸トリエチル、パラフィン油、およびそれらの任意の組合せが挙げられる。例示的実施形態において、可塑剤は、クエン酸トリエチルである。
【0131】
可塑剤の量は、マイクロカプセルの総重量に対して、0.5重量%〜約30重量%、好ましくは、0.5重量%〜20重量%、より好ましくは、1.0重量%〜20重量%、特に、5重量%〜15重量%、より特定的には、5重量%〜10重量%の範囲内であり得、有利には、10重量%である。
【0132】
マイクロカプセルの例示的な組成物:
本発明の最も好ましい実施形態において、本明細書に記載されるマイクロカプセルは、内側コアとして、ヒドロキシステアリン酸2−エチルヘキシル中に分散されたオキシ塩化ビスマスを含む。これらの実施形態のいくつかにおいて、内側コアの量は、マイクロカプセルの総重量に対して、少なくとも50重量%、より好ましくは、60〜80重量%(例えば、60%、または70%、または79%、または80%)である。
【0133】
特に、マイクロカプセルは、単層マイクロカプセルであり、外側シェルは、マイクロカプセルの総重量に対して、1.0重量%〜2.0重量%の範囲内の量のステアリン酸マグネシウム、および5重量%〜15重量%の範囲内の量のTiO
2を含む。
【0134】
これらの実施形態のいくつかにおいて、壁形成性ポリマーの量は、マイクロカプセルの総重量に対して5重量%〜15重量%の範囲である。
【0135】
これらの実施形態のいくつかにおいて、壁形成性ポリマーは、ポリ(メチルメタクリレート)またはメチルメタクリル酸とアクリル酸とのコポリマーまたはアクリレート/アンモニウムメタクリレートコポリマーから選択される。
【0136】
本発明のある例示的実施形態において、マイクロカプセルは、単層マイクロカプセルであり、外側シェルは、マイクロカプセルの総重量に対して30重量%〜40重量%の範囲内の量のTiO
2を含み、脂肪酸塩を含まない。これらの実施形態のいくつかにおいて、壁形成性ポリマーは、酢酸セルロースなどのセルロースエステルである。
【0137】
ある例示的実施形態において、本明細書に記載されるマイクロカプセルは、単層マイクロカプセルであり、マイクロカプセルの総重量に対して、約60〜80重量%の量の本明細書に記載される反射剤、5〜10重量%の量の壁形成性ポリマーまたはコポリマー、0〜1重量%の量のステアリン酸マグネシウム、および0〜35重量%の量のTiO
2を含む。
【0138】
本発明の好ましい実施形態において、マイクロカプセルは、単層マイクロカプセルである。
【0139】
本発明の好ましい実施形態において、マイクロカプセルは、60〜80重量%の量でヒドロキシステアリン酸2−エチルヘキシル中に分散されたオキシ塩化ビスマスによって構成される内側コアを含む単層マイクロカプセルであり、外側シェルは、マイクロカプセルの総重量に対して、1.0重量%〜2.0重量%の範囲内の量のステアリン酸マグネシウム、1重量%〜20重量%、より好ましくは、5重量%〜15重量%の範囲内の量、より特定的には、10重量%の量のTiO
2、および、壁形成性ポリマーとして、5重量%〜20重量%の範囲内の量、より好ましくは、10重量%の量のPMMAを含む。例示的なこのような組成物は、以下の実施例1に示される。マイクロカプセルを調製するのに使用される原料(オキシ塩化ビスマスの油性分散体)の量は、マイクロカプセルの総重量の79重量%である。
【0140】
本発明の別の好ましい実施形態において、マイクロカプセルは、60〜80重量%の量でヒドロキシステアリン酸2−エチルヘキシル中に分散されたオキシ塩化ビスマスによって構成される内側コアを含む単層マイクロカプセルであり、外側シェルは、ステアリン酸マグネシウムを含まず、マイクロカプセルの総重量に対して、10重量%〜50重量%、より好ましくは、10%〜40%、より特定的には、20重量%〜40重量%、有利には、30重量%〜40重量%の範囲内の量、より有利には、25重量%の量のTiO
2、および、壁形成性ポリマーとして、1重量%〜10重量%の範囲内の量、より好ましくは、5重量%の量のエチルセルロースを含む。例示的なこのような組成物は、以下の実施例2に示される。マイクロカプセルを調製するのに使用される原料(反射剤の油性分散体)の量は、マイクロカプセルの総重量の60重量%である。
【0141】
本発明の別の好ましい実施形態において、マイクロカプセルは、60〜80重量%の量でヒドロキシステアリン酸2−エチルヘキシル中に分散されたオキシ塩化ビスマスによって構成される内側コアを含む単層マイクロカプセルであり、外側シェルは、マイクロカプセルの総重量に対して、1.0重量%〜2.0重量%の範囲内の量のステアリン酸マグネシウム、1重量%〜20重量%、好ましくは、5重量%〜15重量%の範囲内の量、より好ましくは、10重量%の量のTiO
2、および、壁形成性ポリマーとして、5重量%〜20重量%の範囲内の量、より好ましくは、10重量%の量のEUDRAGIT(登録商標)RS PO(ポリ(エチルアクリレート−co−メチルメタクリレート−co−トリメチルアンモニウムエチルメタクリレートクロリド)を含む。例示的なこのような組成物は、以下の実施例3に示される。マイクロカプセルを調製するのに使用される原料(オキシ塩化ビスマスの油性分散体)の量は、マイクロカプセルの総重量に対して79重量%である。
【0142】
本発明の別の好ましい実施形態において、マイクロカプセルは、60〜80重量%の量でヒドロキシステアリン酸2−エチルヘキシル中に分散されたオキシ塩化ビスマスによって構成される内側コアを含む単層マイクロカプセルであり、外側シェルは、マイクロカプセルの総重量に対して、1.0重量%〜2.0重量%の範囲内の量のステアリン酸マグネシウム、1重量%〜20重量%、より好ましくは、5重量%〜15重量%の範囲内の量、より特定的には、10重量%の量のTiO
2、および、壁形成性ポリマーとして、5重量%〜20重量%の範囲内の量、より好ましくは、10重量%の量のPMMA/MAを含む。例示的なこのような組成物は、以下の実施例4に示される。マイクロカプセルを調製するのに使用される原料(オキシ塩化ビスマスの油性分散体)の量は、マイクロカプセルの総重量の79重量%である。
【0143】
本発明の別の好ましい実施形態において、マイクロカプセルは、60〜80重量%の量でヒドロキシステアリン酸2−エチルヘキシル中に分散されたオキシ塩化ビスマスによって構成される内側コアを含む単層マイクロカプセルであり、外側シェルは、ステアリン酸マグネシウムもTiO
2も含まず、マイクロカプセルの総重量に対して、1重量%〜20重量%、好ましくは、5重量%〜15重量%の範囲内の量、より好ましくは、10重量%の量の可塑剤、および、壁形成性材料として、5重量%〜20重量%の範囲内の量、より好ましくは、10重量%の量のEUDRAGIT(登録商標)RS PO(ポリ(エチルアクリレート−co−メチルメタクリレート−co−トリメチルアンモニウムエチルメタクリレートクロリド)を含む。例示的なこのような組成物は、以下の実施例5に示される。マイクロカプセルを調製するのに使用される原料(オキシ塩化ビスマスの油性分散体)の量は、マイクロカプセルの総重量の80重量%である。
【0144】
マイクロカプセルの調製方法:
本発明の実施形態に係るマイクロカプセルの調製に使用される方法は、例えば、米国特許第6,932,984号明細書および同第7,838,037号明細書および国際公開第2012/156965号パンフレット(これらは、本明細書に完全に記載されているかのように参照により援用される)に開示されるマイクロカプセル化溶媒除去方法を修正したものである。この技術によれば、活性成分は、マイクロカプセルのコア中に見られる。この技術は、製造中、および長期間の貯蔵中の、化学および架橋反応、分解、色変化または有効性の低下からマイクロキャップされた(micro−capped)各成分を遮断する。
【0145】
溶媒除去方法は、以下のように4つの主な工程に基づいている:
(i)反射剤の封入された油性分散体、および壁形成性ポリマー材料、および任意選択的に、不透明な物質および/または脂肪酸塩、および水に部分的に混和性の有機溶媒を含む均一な有機溶液を調製する工程;
(ii)乳化剤を含有し、有機溶液の同じ有機溶媒で飽和され、任意選択的に、不透明な物質を含む水性連続相のエマルジョンを調製する工程;
(iii)均一な有機溶液を、高せん断撹拌下で水性エマルジョンと混合し、それによって、エマルジョンを形成する工程;および
(iv)工程(iii)において形成されたエマルジョンに、エマルジョンからの有機溶媒の抽出を開始させる量の水を加えることによって有機溶媒を抽出し、それによって、マイクロカプセルを得る工程。
【0146】
多層(例えば、二層および三層)マイクロカプセルの場合、マイクロカプセルは、まず、工程(i)〜(iv)にしたがって形成された単層マイクロカプセルの表面を修飾し、次に、内側コアマイクロカプセルが、壁形成性材料と一緒に有機溶液中に分散されるとき、表面修飾された内側コアマイクロカプセルを、工程(i)〜(iv)の1つまたは複数のサイクルに供することによって形成される。
【0147】
ある実施形態において、本発明の実施形態に係るマイクロカプセルは、以下の工程を含む修正された溶媒除去方法によって調製され得る:
(a)反射剤の油性分散体、および壁形成性ポリマーまたはコポリマー、任意選択的に、脂肪酸塩、および任意選択的に、不透明な物質および/または可塑剤、および第1の水に部分的に混和性の有機溶媒を含む有機相を、前記有機溶媒で飽和され、乳化剤を含む水溶液と接触させ、それによって、エマルジョンを得る工程;および
(b)形成されたエマルジョンに、エマルジョンからの有機溶媒の抽出を開始させる量の水を加え、それによって、マイクロカプセルを得る工程。
【0148】
さらなる工程において、マイクロカプセルは、工程(b)にしたがって単離され、乾燥され、ふるい分けされ、それによって、マイクロカプセルの自由流動性の粉末が得られる。
【0149】
これらの工程は、以下のようにさらに詳述される:
工程(a)において調製される均一な溶液は、水に部分的に混和性であり、かつ壁形成性ポリマーを溶解または分散させることが可能である有機溶媒中で、本明細書に記載されるそれぞれの実施形態のいずれか1つに記載される壁形成性ポリマー材料の有機溶液または分散体を調製することによって得られる。例示的実施形態において、有機溶媒は、局所適用のための承認された有機溶媒、例えば、限定はされないが、酢酸エチル、エタノール、ギ酸エチル、またはそれらの任意の組合せである。ある実施形態において、有機溶媒は、酢酸エチルである。
【0150】
脂肪酸塩は、本明細書に記載されるそれぞれの実施形態のいずれか1つに記載されるとおりである。不透明な物質は、本明細書に記載されるそれぞれの実施形態のいずれか1つに記載されるとおりである。好ましい実施形態において、不透明な物質はTiO
2である。
【0151】
可塑剤が使用される場合、それは、通常、トリカプリリン、トリラウリン、トリパルミチン、トリアセチン、クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、パラフィン油、またはそれらの任意の組合せから選択される。
【0152】
有機溶液の成分は、均一になるまで混合/撹拌され、任意選択的に、透明な、溶液または分散体が得られる。
【0153】
水性連続相は、有機溶液を形成する有機溶媒で飽和され、典型的に、乳化剤、および任意選択的に、不透明な物質(マイクロカプセルに含まれ、有機相に含まれない場合)を含む。
【0154】
有機溶液または分散体および水性連続相は、低せん断撹拌下で混合され、それによって、エマルジョンが形成される。
【0155】
工程(b)において、所定の量の水を、(a)において調製されたエマルジョンに加え、それによって、有機溶媒を抽出し、マイクロカプセルを形成させる。
【0156】
本発明の実施形態に関して、「低せん断撹拌」という用語は、約100〜800rpm、好ましくは、約300〜600rpmでの混合を指す。
【0157】
ある実施形態において、マイクロカプセルが、多層マイクロカプセルである場合、本方法は、(c)任意選択的に、第2、第3などの有機相および水性連続相を用いて、工程(a)および(b)を繰り返して、それによって、多層マイクロカプセルを得る工程をさらに含む。
【0158】
化粧用組成物
本発明に係る組成物は、液体(ローション、セラム)、クリーム状、ペースト状または固体形態(鋳造、成形または押出し形態)の、単純な水中油型エマルジョンまたは複合的な油中水中油型エマルジョンであり得る。
【0159】
特定の形態によれば、組成物は、肉眼的に均一な混合物を得るように、液滴の形態で油性相が中に分散された連続水相を含む水中油型エマルジョンである。特定の形態によれば、1つの組成物は、熱成形品である。
【0160】
水相
本発明に係る組成物の水相は、水および任意選択的に、水溶性溶媒を含む。
【0161】
本発明において、「水溶性溶媒」という用語は、室温で液体であり、かつ水混和性(25℃および大気圧で、50重量%超の水と混和性)である化合物を示す。
【0162】
本発明の組成物に使用され得る水溶性溶媒はまた、揮発性であり得る。
【0163】
本発明に係る組成物に使用され得る水溶性溶媒の中でも、特に、1〜5個の炭素原子を含有する低級モノアルコール、例えば、2〜8個の炭素原子を含有する、エタノールおよびイソプロパノール、グリコール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールおよびジプロピレングリコール、C3およびC4ケトンおよびC2〜C4アルデヒドが挙げられる。
【0164】
水相(水および任意選択的に、水混和性溶媒)は、前記組成物の総重量に対して、1重量%〜80重量%、さらに良好には、5重量%〜50重量%、好ましくは、10重量%〜45重量%の範囲の含量で、組成物中に存在し得る。
【0165】
別の実施形態の変形によれば、本発明に係る組成物の水相は、少なくとも1つのC2〜C32ポリオールを含み得る。
【0166】
本発明の趣旨では、「ポリオール」という用語は、少なくとも2つの遊離ヒドロキシル基を含む任意の有機分子を意味するものと理解されるべきである。
【0167】
好ましくは、本発明に係るポリオールは、室温で、液体形態で存在する。
【0168】
本発明に使用するのに好適なポリオールは、アルキル鎖上に、少なくとも2つの−OH官能基、特に、少なくとも3つの−OH官能基、より特定的には、少なくとも4つの−OH官能基を有する、直鎖状、分枝鎖状または環状の、飽和または不飽和アルキル型の化合物であり得る。
【0169】
本発明に係る組成物の配合物に有利に好適なポリオールは、特に、2〜32個の炭素原子、好ましくは、3〜16個の炭素原子を示すものである。
【0170】
有利には、ポリオールは、例えば、エチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリメチロールプロパン、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、ブチレングリコール、イソプレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセロール、ポリグリセロール、例えば、グリセロールオリゴマー、例えば、ジグリセロール、およびポリエチレングリコール、およびそれらの混合物から選択され得る。
【0171】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記ポリオールは、エチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリメチロールプロパン、プロピレングリコール、グリセロール、ポリグリセロールおよびポリエチレングリコール、およびそれらの混合物から選択される。
【0172】
特定の実施形態によれば、本発明の組成物は、少なくともプロピレングリコールを含み得る。
【0173】
別の特定の実施形態によれば、本発明の組成物は、少なくともグリセロールを含み得る。
【0174】
本発明に好適な水は、フローラルウォーター、例えば、コーンフラワーウォーターおよび/またはミネラルウォーター、例えば、Vittel製の水、Lucas製の水またはLa Roche Posay製の水、および/または熱水であり得る。
【0175】
油性相
本発明の趣旨では、油性相は、少なくとも1つの油を含む。
【0176】
「油」という用語は、室温(20〜25℃)および大気圧で液体形態の任意の脂肪性物質を意味する。
【0177】
本発明に係る化粧用組成物を調製するのに好適な油性相は、炭化水素系油、シリコーン油、フッ素系油または非フッ素系油、またはそれらの混合物を含み得る。
【0178】
油は、揮発性または不揮発性であり得る。
【0179】
それらは、動物性、植物性、鉱物または合成由来のものであり得る。一実施形態の変形によれば、植物由来の油が好ましい。
【0180】
本発明の趣旨では、「不揮発性油」という用語は、0.13Pa未満の蒸気圧を有する油を意味する。
【0181】
本発明の趣旨では、「シリコーン油」という用語は、少なくとも1つのケイ素原子、特に、少なくとも1つのSi−O基を含む油を意味することが意図される。
【0182】
「フッ素系油」という用語は、少なくとも1つのフッ素原子を含む油を意味する。
【0183】
油は、任意選択的に、例えば、ヒドロキシルまたは酸基の形態の、酸素、窒素、硫黄および/またはリン原子を含み得る。
【0184】
本発明の趣旨では、「揮発性油」という用語は、室温および大気圧で、皮膚と接触して1時間未満で蒸発することが可能な任意の油を意味する。揮発性油は、室温で液体であり、特に、室温および大気圧で非ゼロ蒸気圧を有し、特に、0.13Pa〜40000Pa(10
−3〜300mmHg)の範囲、特に、1.3Pa〜13000Pa(0.01〜100mmHg)の範囲、より特定的には、1.3Pa〜1,300Pa(0.01〜10mmHg)の範囲の蒸気圧を有する揮発性化粧用化合物である。
【0185】
揮発性油
揮発性油は、炭化水素系油またはシリコーン油であり得る。
【0186】
8〜16個の炭素原子を含有する揮発性炭化水素系油の中でも、分枝鎖状C8〜C16アルカン、例えば、C8〜C16イソアルカン(イソパラフィンとしても知られている)、イソドデカン、イソデカン、イソヘキサデカンおよび、例えば、商標IsoparまたはPermethylで販売される油、分枝鎖状C8〜C16エステル、例えば、ネオペンタン酸イソヘキシル、およびそれらの混合物が特に挙げられる。好ましくは、揮発性炭化水素系油は、8〜16個の炭素原子を含有する揮発性炭化水素系油、およびそれらの混合物から、特に、イソドデカン、イソデカンおよびイソヘキサデカンから選択され、特に、イソヘキサデカンである。
【0187】
8〜16個の炭素原子、特に、10〜15個の炭素原子、より特定的には、11〜13個の炭素原子を含む揮発性直鎖状アルカン、例えば、Sasolによってそれぞれの整理番号Parafol 12−97およびParafol 14−97で販売されるn−ドデカン(C12)およびn−テトラデカン(C14)、およびさらにそれらの混合物、ウンデカン−トリデカン混合物、Cognis社からの、特許出願国際公開第2008/155 059号パンフレットの実施例1および2において得られるn−ウンデカン(C11)とn−トリデカン(C13)との混合物、およびそれらの混合物も挙げられる。
【0188】
揮発性炭化水素系油の中でも、イソドデカンが好ましい。
【0189】
挙げられる揮発性シリコーン油は、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、テトラデカメチルヘキサシロキサン、ヘキサデカメチルヘプタシロキサンおよびドデカメチルペンタシロキサンなどの直鎖状揮発性シリコーン油を含む。
【0190】
挙げられる揮発性環状シリコーン油は、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンおよびドデカメチルシクロヘキサシロキサンを含む。
【0191】
揮発性シリコーン油の中でも、デカメチルシクロペンタシロキサンおよびドデカメチルシクロヘキサシロキサンが好ましい。
【0192】
不揮発性油
不揮発性油は、特に、不揮発性炭化水素系油、フッ素系油および/またはシリコーン油から選択され得る。
【0193】
特に挙げられる不揮発性炭化水素系油は、以下のものを含む:
− 動物由来の炭化水素系油、
− 植物由来の炭化水素系油、10〜40個の炭素原子を含有する合成エーテル、例えば、ジカプリリルエーテル、
− 合成エステル、例えば、式R1COOR2(式中、R1+R2≧10の条件で、R1が、1〜40個の炭素原子を含有する直鎖状または分枝鎖状脂肪酸残基を表し、R2が、1〜40個の炭素原子を含有する特に分枝鎖状の炭化水素系鎖を表す)の油。エステルは、脂肪アルコールおよび脂肪酸エステル、例えば、オクタン酸セトステアリル、イソプロピルアルコールエステル、例えば、ミリスチン酸イソプロピルまたはパルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸エチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸オクチル、水酸化エステル、例えば、乳酸イソステアリルまたはヒドロキシステアリン酸オクチル、アルキルまたはポリアルキルリシノレエート、ラウリン酸ヘキシル、ネオペンタン酸エステル、例えば、ネオペンタン酸イソデシルまたはネオペンタン酸イソトリデシル、およびイソノナン酸エステル、例えば、イソノナン酸イソノニルまたはイソノナン酸イソトリデシルから特に選択されてもよく、
− ポリオールエステルおよびペンタエリトリトールエステル、例えば、テトラヒドロキシステアリン酸/テトライソステアリン酸ジペンタエリスリチル、
− 12〜26個の炭素原子を含有する分枝鎖状および/または不飽和炭素系鎖を有する、室温で液体の脂肪アルコール、例えば、2−オクチルドデカノール、イソステアリルアルコールおよびオレイルアルコール、
− C12〜C22高級脂肪酸、例えば、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、およびそれらの混合物、
− 非フェニルシリコーン油、例えば、カプリリルメチコン、および
− フェニルシリコーン油、例えば、フェニルトリメチコン、フェニルジメチコン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサンおよび2−フェニルエチルトリメチルシロキシシリケート、100cSt以下の粘度を有するジメチコンまたはフェニルトリメチコン、およびトリメチルペンタフェニルトリシロキサン、およびそれらの混合物;およびさらにこれらの様々な油の混合物。
【0194】
一実施形態によれば、本発明の組成物は、フェニルトリメチコンを含む。
【0195】
本発明に係る組成物は、前記組成物の総重量に対して、1重量%〜90重量%、さらに良好には、5重量%〜50重量%、好ましくは、7重量%〜30重量%の油を含み得る。
【0196】
親油性構造化剤
本発明に係る組成物は、特に、それがアイシャドー組成物である場合、ワックスおよびペースト状化合物、およびそれらの混合物から選択される、油性相を構造化するための少なくとも1つの剤も含み得る。
【0197】
特に、本発明に使用するのに好適なワックスは、動物性、植物性、鉱物または合成由来のワックス、およびそれらの混合物から特に選択され得る。
【0198】
本発明にしたがって使用され得るワックスの例として、以下のものが挙げられる:
− 動物由来のワックス、例えば、蜜ろう、鯨ろう、ラノリンワックスおよびラノリン誘導体、植物ワックス、例えば、カルナウバワックス、カンデリラワックス、オウリキュリーワックス、木ろう、カカオ脂、コルク繊維ワックスまたはサトウキビワックス、
− 鉱物ワックス、例えば、パラフィンワックス、石油ゼリーワックス、亜炭ワックス、微結晶性ワックスまたはオゾケライト、
−ポリエチレンワックスおよびフィッシャー・トロプシュ合成によって得られるワックスを含む合成ワックス、
− シリコーンワックス、特に、置換直鎖状ポリシロキサン;挙げられる例は、ポリエーテルシリコーンワックス、16〜45個の炭素原子を含有するアルキルまたはアルコキシジメチコン、アルキルメチコン、例えば、Dow Corningによって商標AMS C 30で販売されるC30〜C45アルキルメチコンを含み、
− 25℃で固体の水素化油、例えば、水素化ヒマシ油、水素化ホホバ油、水素化パーム油、水素化牛脂または水素化ヤシ油、25℃で固体の脂肪エステル、例えば、Koster Keunen社によって商標Kester Wax K82Hで販売されるC20〜C40アルキルステアレート、
− および/またはそれらの混合物。
【0199】
好ましくは、ポリエチレンワックス、微結晶性ワックス、カルナウバワックス、水素化ホホバ油、カンデリラワックス、蜜ろうおよびオゾケライト、および/またはそれらの混合物が使用される。
【0200】
本発明に係る組成物は、少なくとも1つのペースト状化合物を含み得る。
【0201】
ペースト状化合物の存在は、本発明の組成物がケラチン物質に付着されるとき、向上した快適さを有利に与えることを可能にし得る。
【0202】
このような化合物は、ラノリンおよびその誘導体;ポリマーまたは非ポリマーシリコーン化合物;ポリマーまたは非ポリマーフッ素化合物;ビニルポリマー、特に、オレフィンホモポリマー;オレフィンコポリマー;水素化ジエンホモポリマーおよびコポリマー;好ましくは、C8〜C30アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートの直鎖状または分枝鎖状およびホモポリマーまたはコポリマーオリゴマー;C8〜C30アルキル基を有するビニルエステルのホモポリマーまたはコポリマーオリゴマー;C8〜C30アルキル基を有するビニルエーテルのホモポリマーまたはコポリマーオリゴマー;1つまたは複数のC2〜C100、特にC2〜C50ジオール間のポリエーテル化から得られる脂溶性ポリエーテル;脂肪酸またはアルコールエステル;およびそれらの混合物から有利に選択され得る。
【0203】
エステルの中でも、特に、以下のものを挙げることが可能である:
オリゴマーグリセロールのエステル、特に、ジグリセロールのエステル、例えば、トリイソステアリン酸ポリグリセリル−2、すなわち、グリセロールのヒドロキシル基の一部が、脂肪酸、例えば、ステアリン酸、カプリン酸、ステアリン酸およびイソステアリン酸および12−ヒドロキシステアリン酸の混合物と反応された、アジピン酸とグリセロールとの縮合物、例えば、特に、Sasol社によって商標Softisan 649で販売されるもの、または例えば、ビスジグリセリルポリアシルアジペート−2;Alzoによって商標Waxenol 801で販売されるプロピオン酸アラキジル;フィトステロールエステル;脂肪酸のトリグリセリドおよびその誘導体、例えば、水素化ココグリセリド;直鎖状または分枝鎖状C4〜C50ジカルボン酸またはポリカルボン酸およびC2〜C50ジオールまたはポリオールの間の重縮合から得られる非架橋ポリエステル;脂肪族カルボン酸との脂肪族ヒドロキシカルボン酸エステルのエステル化から得られるエステルの脂肪族エステル;脂肪族ヒドロキシカルボン酸エステル(前記エステルは、少なくとも2つのヒドロキシル基を含む)の、ポリカルボン酸とのエステル化から得られるポリエステル、例えば、製品Risocast DA−H(登録商標)、およびRisocast DA−L(登録商標);およびそれらの混合物。
【0204】
構造化剤は、組成物の総重量に対して、0.1重量%〜30重量%の剤、より好ましくは、0.5重量%〜20重量%の範囲の含量で、本発明の組成物中に存在し得る。
【0205】
乳化剤
本発明に係るエマルジョンは、一般に、1つまたは複数の乳化界面活性剤(または乳化剤)、好ましくは、非イオン性乳化界面活性剤を含む。
【0206】
本発明に係る水中油型エマルジョンとして、例えば乳化剤、非イオン性界面活性剤として、特に、ポリオールと、例えば、8〜24個の炭素原子、さらに良好には、12〜22個の炭素原子を有する鎖飽和または不飽和脂肪酸とのエステル、およびそれらのオキシアルキレン化誘導体(すなわち、オキシエチレン化および/またはオキシプロピレン化を含む)、例えば、脂肪酸C8〜C24のグリセリルエステル、およびそのオキシアルキレン化誘導体;脂肪酸C8〜C24のポリエチレングリコールエステル、およびそのオキシアルキレン化誘導体;脂肪酸C8〜C24のソルビトールエステル、およびそのオキシアルキレン化誘導体;およびオキシアルキレン化誘導体;脂肪アルコールのエーテル;脂肪アルコールC8〜C24の糖エーテルの脂肪酸C8〜C24の糖エステル、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0207】
脂肪酸のグリセリルエステルとしては、特に、ステアリン酸グリセリル(ステアリン酸モノ−、ジ−および/またはトリ−グリセリル)(CTFA名:ステアリン酸グリセリル)またはリシノール酸グリセリル、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0208】
ポリエチレングリコールおよび脂肪酸のエステルとして、特に、ポリエチレングリコールステアレート(モノ−、ジ−および/またはトリ−ステアレート、ポリエチレングリコール)、特に、ポリエチレングリコールモノステアレート40 EO(CTFA名ステアリン酸PEG−40)、ポリエチレングリコールモノステアレート50 EO(CTFA名:ステアリン酸PEG−50)、ポリエチレングリコール100 EOモノステアレート(CTFA名:ステアリン酸PEG−100およびそれらの混合物が挙げられる。
【0209】
このような界面活性剤の混合物、例えば、Uniqema社によってArlacel 165(登録商標)の名称で販売される、ステアリン酸グリセリルおよびステアリン酸PEG−100を含有する製品、およびGoldschmidtによってTEGIN(登録商標)(CTFA名:ステアリン酸グリセリルSE)の名称で販売される、ステアリン酸グリセリル(モノ−ジステアレートグリセリル)およびステアリン酸カリウムを含有する製品も使用することができる。
【0210】
脂肪アルコールエーテルとして、例えば、ポリエチレングリコールエーテルおよび8〜30個の炭素原子、特に、10〜22個の炭素原子を有する脂肪アルコール、例えば、ポリエチレングリコールと、セチル、ステアリル、セテアリルとのエーテル(セチルとステアリルアルコールとの混合物)が挙げられる。例えば、1〜200個、好ましくは、2〜100個のオキシエチレン基を有するエーテル、例えば、CTFA名セテアレス−20、セテアレス−30のもの、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0211】
モノ−またはポリアルキルエーテルまたは糖の例として、Degussa GoldschmidtによってIsolan−IS(登録商標)の名称で販売されるイソステアリン酸メチルグルコース、またはCroda社によってCrodesta F50(登録商標)の名称で販売されるジステアリン酸スクロース、およびMitsubishi Kagaku FoodsによってRYOTO sugar ester S 1570(登録商標)の名称で販売されるステアリン酸スクロース;糖エステル、例えば、ステアリン酸スクロース;糖の脂肪アルコールエーテル、特に、アルキルポリグルコシド(APG)、例えば、それぞれPlantaren 2000(登録商標)および1200(登録商標)Plantarenの名称でHenkelによって販売される、デシルグルコシドおよびラウリル、アルコールセトステアリルと混合されたセトステアリルグルコシド、例えば、SeppicによってMontanov 68(登録商標)の名称で、GoldschmidtによってTegocare CG90(登録商標)の名称で、およびHenkelによってEmulgade KE3302(登録商標)の名称で、およびさらに例えば、アラキジルとベヘニルアルコールとの混合物の形態のアラキジルグルコシド、およびSeppic社によってMontanov 202(登録商標)の名称で販売されるアラキジルが挙げられる。
【0212】
アルコールを含む組成物
本発明の特定の形態によれば、組成物は、2〜8個の炭素原子を含む少なくとも1つのモノアルコールを含有する。
【0213】
本発明の特定の形態によれば、組成物は、総重量に対して、少なくとも10重量%の、2〜8個の炭素原子を含む少なくとも1つのモノアルコールを含有する。
【0214】
このタイプの組成物は、高い爽やかさおよび自然な輝きを有する良好な光効果を有する流体配合物を得ることを可能にする。
【0215】
本発明の組成物は、2〜8個の炭素原子、特に、2〜6個の炭素原子、特に、2〜4個の炭素原子を有する少なくとも1つのモノアルコールを含む。
【0216】
本発明の組成物は、1つまたは複数のモノアルコールを含み得る。
【0217】
モノアルコールは、例えば、式RaOH(式中、Raが、2〜8個の炭素原子を含む直鎖状または分枝鎖状アルキル基である)によって表され得る。
【0218】
一価アルコールとして、エタノール、イソプロパノール、プロパノールまたはブタノールが挙げられる。
【0219】
一実施形態によれば、本発明の組成物は、エタノールを含む。
【0220】
有利な実施形態によれば、モノアルコールの量は、前記組成物の総重量を基準にして、0.5重量%〜30重量%、好ましくは、1重量%〜15重量%、さらにより好ましくは、1.5重量%〜10重量%の範囲である。
【0221】
オレオソーム
本発明の特定の形態によれば、組成物は、数平均サイズが200.0nm以下である油滴(oil globule)を有する水中油型エマルジョンの形態である。
【0222】
このタイプの組成物は、皮膚の表面層における活性成分の吸収を促進することができる(担体効果)。それはまた、軽い好ましい質感を有し、一般に流体であり、化粧特性(塗布可能時間、滑らかさ、爽やかさ、べたつかない感触)を変化させず、かつ過度の真珠光沢の集積を与えずに、自然な輝きを有する良好な光効果を有する。
【0223】
特に、組成物は、
a)連続水相、および
b)前記水相中に分散された油性相、および
c)(I)少なくとも1つのアルコキシ化脂肪エステル、および
(Ii)グリセロールの少なくとも1つの脂肪エステルを含む非イオン性界面活性剤の混合物、および
d)少なくとも1つのアニオン性両親媒性脂質
を含有し、非イオン性界面活性剤およびアニオン性両親媒性脂質の総量に対する油性相の量の重量比が、2
〜20である。
【0224】
したがって、組成物は、オレオソームと呼ばれる脂質小胞を含む。
【0225】
本発明に係る非イオン性界面活性剤の混合物は、
(i)少なくとも1つのアルコキシ化脂肪エステルおよび
(ii)グリセロールの少なくとも1つの脂肪エステル
を含む。
【0226】
a)アルコキシ化脂肪エステル
本発明に係るアルコキシ化脂肪エステルは、好ましくは、1〜100個のエチレンオキシド単位および16〜22個の炭素原子を含有する少なくとも1つの脂肪酸鎖から形成されるエステルである。エステルの脂肪鎖は、特に、ステアレート、ベヘネート、アラキジレート、パルミテート、およびそれらの混合物から選択され得る。アルコキシ化脂肪エステルの例として、8個のエチレンオキシド単位を含むステアレート、例えば、CrodaによってMYRJ S8−SO−(MV)(登録商標)(INCI名:ステアリン酸PEG−8)の名称で販売される製品、および8個のエチレンオキシド単位を含むベヘネート(INCI名:ベヘン酸PEG−8)、例えば、Gattefosse社によってCOMPRITOL ATO HD5(登録商標)の名称で販売される製品が挙げられる。
【0227】
b)グリセロールの脂肪エステル
本発明に係るグリセロールの脂肪エステルは、特に、16〜22個の炭素原子を有する飽和直鎖状アルキル鎖を含む少なくとも1つの酸、および1〜20個のグリセロール単位から形成されるエステルを含む群から選択され得る。グリセロールのこれらの脂肪エステルの1つまたは複数が、本発明のエマルジョンに使用され得る。これらのエステルは、特に、ステアレート、ベヘネート、アラキジレート、パルミテートおよびそれらの混合物から選択され得る。好ましくは、ステアレートおよびパルミテートが使用される。
【0228】
本発明のエマルジョンに使用される界面活性剤の例として、モノステアレートデカグリセロール、ジステアレートデカグリセロール、トリステアレートデカグリセロールおよびペンタステアレートデカグリセロール(CTFA名:ステアリン酸ポリグリセリル−10、ジステアリン酸ポリグリセリル−10、トリステアリン酸ポリグリセリル−10、ペンタステアリン酸ポリグリセリル−10)、例えば、Nikko社によってそれぞれNikkol Decaglyn 1−S(登録商標)、2−S(登録商標)、3−S(登録商標)および5−S(登録商標)の名称で販売される製品、およびモノステアリン酸ジグリセリル(CTFA名:ステアリン酸ポリグリセリル2)、例えば、Nikkol DGMS(登録商標)の名称でNikkoによって販売される製品、より特定的には、ステアリン酸ポリグリセリル−2が挙げられる。
【0229】
より特定的には、ステアリン酸PEG−8と、ステアリン酸ポリグリセリル−2との混合物が使用され得る。
【0230】
本発明の非イオン性界面活性剤混合物の量は、例えば、エマルジョンの総重量に対して、0.2〜15重量%、好ましくは、1〜8重量%の範囲であり得る。
【0231】
非イオン性界面活性剤およびアニオン性両親媒性脂質の総量に対する油性相の量の重量比は、2
〜20、好ましくは、3
〜10の範囲である。
【0232】
本明細書において、「油性相の量」という用語は、非イオン性界面活性剤およびアニオン性両親媒性脂質を除いた、この相の親油性成分の総量を意味する。
【0233】
アニオン性両親媒性脂質
アニオン性両親媒性脂質は、より特定的には、以下のものからなる群から選択され得る:
− ジセチルおよびジミリスチルホスフェートのアルカリ塩;
− コレステロールサルフェートのアルカリ塩;
− コレステロールホスフェートのアルカリ塩;
− リポアミノ酸およびそれらの塩、例えば、アシルグルタミン塩一−および二ナトリウム、例えば、Ajinomoto HS21P(登録商標)によってAmisoftの名称で販売されるN−ステアロイル−L−グルタミン酸二ナトリウム(INCI名:ステアロイルグルタミン酸二ナトリウム);
− ホスファチジン酸のナトリウム塩;
− リン脂質。
【0234】
アルキルスルホン酸誘導体は、より特定的には、式(I):
【化1】
(式中、Rが、16〜22個の炭素原子を含有するアルキル基、特に、混合物としてまたは別々に考えられる基C
16H
33およびC
18H
37を表し、Mが、ナトリウムなどのアルカリ金属である)のアルキルスルホン酸誘導体から選択され得る。
【0235】
本発明の好ましい実施形態によれば、アニオン性両親媒性脂質として、リポアミノ酸、特に、AjinomotoによってAmisoft HS21P(登録商標)の名称で販売されるN−ステアロイル−L−グルタミン酸の二ナトリウム塩(INCI名:ステアロイルグルタミン酸二ナトリウム)のようなグルタミン酸一−および二ナトリウムが使用される。
【0236】
アニオン性両親媒性脂質は、エマルジョンの一方の相または他方の相に導入され得る。本発明のエマルジョン中に存在する場合、それらは、好ましくは、エマルジョンの総重量に対して、0.01〜5重量%、より特定的には、0.25〜1重量%の範囲の濃度で使用され得る。
【0237】
エマルジョンは、400〜1500バールの圧力下で、Soaviバルブ型高圧ホモジナイザーを用いて作製され得る。水相中に油相を導入し、水相および油相)の成分を予め溶融させた後、プレエマルジョン(pre−emulsion)が、撹拌Moritzを用いて10〜80℃の範囲の温度で行われる。次に、プレエマルジョンSoaviを400〜1500バールの圧力下に通して、所望の満足のいく粒径を得ることによって、エマルジョンが、30℃〜40℃の範囲の温度で行われる。せん断は、好ましくは、2.10
6s
−1〜5.10
8s
−1、より好ましくは、1.10
8s
−1〜3.10
8s
−1(s
−1は秒
−1である)である。
【0238】
本発明に係るエマルジョンは、レオメータ型Rheomat RM 180を用いて測定される0.5〜10Pa.s、好ましくは、1〜8Pa.s、より好ましくは、2〜6Pa.sの範囲の粘度を有してもよく;ここで、測定は、25℃で24時間の時点で、モバイル(mobile)3または4を用いて200s
−1のせん断速度で10分間にわたって行われる。
【0239】
本発明のエマルジョンの油滴は、200nm未満、好ましくは、50.0〜200.0nm、より特定的には、80〜120nmの数平均サイズを有する。油滴のサイズの減少により、皮膚の表面層における活性成分の吸収を促進することができる(担体効果)。油滴の粒径は、一般に、BrookhavenParticle Sizer Instrument Corp.:90 MoreParticle Size Analyzeを用いて測定される。
【0240】
添加剤
本発明に係る組成物は、一般に、対象とするケラチン物質に適合された、特定のガレヌス形態(galenic form)の配合物に従来使用されるさらなる化粧成分も含有し得る。それらのさらなる化粧成分は、特に、ワックス、ペースト状脂肪性物質、皮膜形成ポリマー、非イオン性、アニオン性およびカチオン性界面活性剤、親水性または親油性ゲル化剤または増粘剤、分散剤、活性剤、日焼け止め剤、防腐剤、酸化防止剤、溶媒、香料、本発明の粒子以外の充填剤、殺菌剤、消臭剤、着色剤(顔料、真珠層、水溶性または脂溶性染料)、塩、およびそれらの混合物の中から選択され得る。
【0241】
着色剤
本発明の特定の形態によれば、組成物は、好ましくは、組成物の総重量に対して少なくとも0.01重量%の割合の、少なくとも1つの粒子状または非粒子状、水溶性または水不溶性着色剤を含有する。
【0242】
明らかな理由から、この量は、所望の色効果の強度および該当する着色剤によって与えられる色の強度に関して大きく変化しやすく、その調整は、明らかに、当業者の能力の範囲内である。
【0243】
本発明の趣旨では、「水溶性着色剤」という用語は、水相または水混和性溶媒に可溶であり、かつ色を与えることが可能な、任意の天然または合成の、一般に有機化合物を意味する。
【0244】
本発明に使用するのに好適な水溶性染料として、特に、合成または天然水溶性染料、例えば、FDC Red 4、DC Red 6、DC Red 22、DC Red 28、DC Red 30、DC Red 33、DC Orange 4、DC Yellow 5、DC Yellow 6、DC Yellow 8、FDC Green 3、DC Green 5、FDC Blue 1、ベタニン(ビートルート)、カルミン、銅クロロフィリン、メチレンブルー、アントシアニン(エノシアニン(enocianin)、黒ニンジン、ハイビスカスおよびニワトコ)、カラメルおよびリボフラビンが挙げられる。
【0245】
水溶性染料は、例えば、ビートルートジュースおよびカラメルである。
【0246】
本発明の趣旨では、「脂溶性染料」という用語は、油性相または脂肪性物質と混和性の溶媒に可溶であり、かつ色を与えることが可能な、任意の天然または合成の、一般に有機化合物を意味する。
【0247】
本発明に使用するのに好適な脂溶性染料として、特に、合成または天然脂溶性染料、例えば、DC Red 17、DC Red 21、DC Red 27、DC Green 6、DC Yellow 11、DC Violet 2、DC Orange 5、スダンレッド、カロテン(β−カロテン、リコピン)、キサントフィル(カプサンチン、カプソルビン、ルテイン)、パーム油、スダンブラウン、キノリンイエロー、アナトーおよびクルクミンが挙げられる。
【0248】
粒子状着色剤は、特に、金属の色合いを有する、顔料、真珠層および/または粒子であり得る。
【0249】
「顔料」という用語は、水溶液に不溶性であり、それらを含有する組成物を着色するか、および/または不透明にすることが意図される白色または着色された無機または有機粒子を意味するものと理解されるべきである。
【0250】
顔料は、白色または着色されていてもよく、無機および/または有機であり得る。
【0251】
本発明に使用され得る無機顔料として、酸化チタン、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、二酸化ジルコニウム、酸化セリウムまたは二酸化セリウムおよびさらに酸化亜鉛、酸化鉄または酸化クロム、フェリックブルー、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルーおよびクロム水和物、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0252】
それはまた、例えば、絹雲母/褐色酸化鉄/二酸化チタン/シリカ型のものであり得る構造を有する顔料であり得る。このような顔料は、例えば、Chemicals and Catalysts社によって整理番号Coverleaf NSまたはJSで販売され、30の領域のコントラスト比を有する。
【0253】
それらはまた、例えば、酸化鉄を含有するシリカ微小球型のものであり得る構造を有する顔料であり得る。この構造を有する顔料の例は、Miyoshi社によって整理番号PC Ball PC−LL−100 Pで販売される製品であり、この顔料は、鉄黄を含有するシリカ微小球から構成される。
【0254】
有利には、本発明に係る顔料はまた、酸化鉄および/または二酸化チタンである。
【0255】
「真珠層」という用語は、特に、特定の軟体動物によってその殻中で生成され、あるいは合成され、光学干渉によって色効果を有する、任意の形状の虹色または非虹色の粒子を意味するものと理解されるべきである。
【0256】
本発明に係る組成物は、前記組成物の総重量に対して0重量%〜15重量%の真珠層を含み得る。
【0257】
真珠層は、真珠層顔料、例えば、酸化鉄で被覆されたチタン雲母、オキシ塩化ビスマスで被覆されたチタン雲母、酸化クロムで被覆されたチタン雲母、有機染料で被覆されたチタン雲母およびさらにオキシ塩化ビスマスをベースとする真珠層顔料から選択され得る。それらはまた、その表面で、金属酸化物および/または有機染料の少なくとも2つの連続層が重ねられた雲母粒子であり得る。
【0258】
同様に挙げられる真珠層の例は、酸化チタンで、酸化鉄で、天然顔料でまたはオキシ塩化ビスマスで被覆された天然雲母を含む。
【0259】
市場で入手可能な真珠層の中でも、Engelhard社によって販売される真珠層Timica、FlamencoおよびDuochrome(雲母をベースとする)、Merck社によって販売されるTimiron真珠層、Eckart社によって販売されるPrestige雲母ベース真珠層、およびSun Chemical社によって販売されるSunshine合成雲母ベース真珠層が挙げられる。
【0260】
真珠層は、より特定的には、黄、ピンク、赤、青銅、オレンジ、茶、金および/または銅の色または色合いを有し得る。
【0261】
有利には、本発明に係る真珠層は、二酸化チタンまたは酸化鉄で被覆された雲母、およびさらにオキシ塩化ビスマスである。
【0262】
本発明の趣旨では、「金属の色合いを有する粒子」という用語は、性質、サイズ、構造および表面仕上げが、入射光を、特に非虹色に反射させる任意の化合物を意味する。
【0263】
本発明に使用され得る金属の色合いを有する粒子は、特に、以下のものから選択される:
− 少なくとも1つの金属および/または少なくとも1つの金属誘導体の粒子;
− 少なくとも1つの金属および/または少なくとも1つの金属誘導体を含む、金属の色合いを有する少なくとも1つの層で少なくとも部分的に被覆された、単一材料または複数材料の有機または無機基材を含む粒子;および
− 前記粒子の混合物。
【0264】
前記粒子中に存在し得る金属の中でも、例えば、Ag、Au、Cu、Al、Ni、Sn、Mg、Cr、Mo、Ti、Zr、Pt、Va、Rb、W、Zn、Ge、TeおよびSe、およびそれらの混合物または合金が挙げられる。Ag、Au、Cu、Al、Zn、Ni、MoおよびCr、およびそれらの混合物または合金(例えば、青銅および真ちゅう)が好ましい金属である。
【0265】
「金属誘導体」という用語は、金属から誘導される化合物、特に、酸化物、フッ化物、塩化物および硫化物を示す。
【0266】
挙げられるこれらの粒子の例は、アルミニウム粒子、例えば、Siberline社によってStarbrite 1200 EAC(登録商標)の名称で、およびEckart社によってMetalure(登録商標)の名称で販売されるもの、および金属層で被覆されたガラス粒子、特に、特開平9−188830号公報、特開平10−158450号公報、特開平10−158541号公報、特開平7−258460号公報および特開平5−017710号公報の文献に記載されるものを含む。
【0267】
着色剤の疎水性処理
上述される粉状染料は、それらが本発明の組成物の油性相とより相溶性になるように、特に、それらが油による良好な湿潤性を有するように、疎水性剤で完全にまたは部分的に表面処理され得る。したがって、これらの処理された顔料は、油性相中で十分に分散される。疎水性処理された顔料は、特に、欧州特許出願公開第1 086 683号明細書の文献に記載されている。
【0268】
疎水性処理剤は、シリコーン、例えば、メチコン、ジメチコンおよびパーフルオロアルキルシラン;脂肪酸、例えばステアリン酸;金属せっけん、例えば、ジミリスチン酸アルミニウム、水添タロウグルタメートのアルミニウム塩;パーフルオロアルキルホスフェート;ポリヘキサフルオロフルオロプロピレンオキシド;パーフルオロポリエーテル;アミノ酸;N−アシルアミノ酸またはそれらの塩;レシチン、イソプロピルトリイソステアリルチタネート、セバシン酸イソステアリル、およびそれらの混合物から選択され得る。
【0269】
上に挙げられる化合物中で言及される「アルキル」という用語は、特に、1〜30個の炭素原子を含有する、好ましくは、5〜16個の炭素原子を含有するアルキル基を示す。
【0270】
着色剤の量は、例えば、組成物の総重量に対して、0.05〜12重量%、さらに良好には、0.1〜7重量%の範囲であり得る。
【0271】
充填剤
本発明の特定の形態によれば、組成物は、少なくとも1つの充填剤を含有する。
【0272】
本発明の趣旨では、「充填剤」という用語は、組成物の媒体中に分散された不溶性の形態である、任意の形態の無色または白色の固体粒子を意味するものと理解されるべきである。
【0273】
無機または有機、天然または合成の性質を有するこれらの充填剤は、それらを含有する組成物に柔性を与え、メイクアップの結果にマット効果および均一性を与える。
【0274】
本発明に係る組成物中の充填剤は、層状形態(または小板状)、球形(または球状)、繊維またはこれらの明確な形態の中間の任意の他の形態であり得る。
【0275】
球形充填剤
本発明にしたがって使用される球形充填剤は、球形の形状またはほぼ球形の形状を有し、中空または中実であり得る。有利には、本発明の球形充填剤は、0.1μm〜250μm、好ましくは、1μm〜150μm、より好ましくは、10〜100μmの粒径(数平均直径)を有する。
【0276】
球形充填剤は、有機または無機微小球であり得る。有機球形充填剤として、例えば、ポリアミド粉末、特に、ナイロン(登録商標)粉末、例えば、ArkemaによってORGASOLの名称で販売されるナイロン−12またはポリアミド12;ポリエチレン粉末;ポリテトラフルオロエチレン粉末(Teflon
*);アクリルコポリマーをベースとする微小球、例えば、エチレングリコールジメタクリレート/ラウリルメタクリレートのコポリマー、Dow Corning社によってPolytrapの名称で販売されるコポリマー;膨張粉末、例えば、中空微小球、特に、Kemanord PlastによってExpancelの名称で、またはMatsumotoによってMicropearl F 80 EDの名称で販売される微小球;シリコーン樹脂マイクロビーズ、例えば、Toshiba SiliconeによってTospearlの名称で販売されるもの;MatsumotoによってMicrosphere M−100の名称で、またはWackerによってCovabead LH85の名称で販売されるポリメチルメタクリレート微小球;エチレンアクリレートコポリマー粉末、例えば、Sumitomo Seika ChemicalsによってFlobeadsの名称で販売されるもの;天然有機材料の粉末、例えば、架橋されたまたは他の形態の、特に、トウモロコシでんぷん、コムギまたはコメのでんぷん粉末、例えば、National StarchによってDry−FLOの名称で販売される、オクテニルコハク酸無水物で架橋されたでんぷんの粉末;8〜22個の炭素原子、好ましくは、12〜18個の炭素原子を有する有機カルボン酸に由来する金属せっけん、例えば、ステアリン酸亜鉛、マグネシウムまたはリチウム、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、Polyporus L
* 200(Chemdal Corporation)、ポリウレタン粉末、特に、Toshiki社によってPlastic Powder D−400(登録商標)またはPlastic Powder D−800(登録商標)の名称で販売される、ヘキサメチレンジイソシアネート/トリメチロールヘキシルラクトンのポリマーとしてのトリメチロールヘキシルラクトンを含むコポリマーを含む架橋ポリウレタンの粉末、カルナウバマイクロワックス、例えば、Micro Powders社によってMicroCare 350(登録商標)の名称で販売されるもの、合成ワックスのマイクロワックス、例えば、Micro Powders社によってMicroEase 114S(登録商標)の名称で販売されるもの、カルナウバワックスとポリエチレンワックスとの混合物を含むマイクロワックス、例えば、Micro Powders社によってMicro Care 300(登録商標)および310(登録商標)の名称で販売されるもの、カルナウバワックスと合成ワックスとの混合物からなるマイクロワックス、例えば、Micro Powders社によってMicro Care 325(登録商標)の名称で販売されるもの、ポリエチレンマイクロワックス、例えば、Micro Powders社によってMicropoly 200(登録商標)、220(登録商標)、および220L(登録商標)250S(登録商標)の名称で販売されるものが挙げられる。
球形無機充填剤として、疎水性エアロゲルシリカ粒子が挙げられる。
【0277】
疎水性シリカエアロゲル粒子は、有利には、200〜1500m
2/g、好ましくは、600〜1200m
2/g、さらに良好には、600〜800m
2/gの、単位質量(MS)当たりの比表面積を示す。単位質量当たりの比表面積は、“The Journal of the American Chemical Society”,Vol.60,page 309,February 1938に記載され、国際標準ISO 5794/1(Appendix D)に対応する、BET(ブルナウアー−エメット−テラー)方法と呼ばれる窒素吸収方法によって決定され得る。BET表面積は、前記シリカエアロゲル粒子の総表面積である。
【0278】
疎水性シリカエアロゲル粒子は、好ましくは、平均直径(D[0,5])として表され、上述される方法にしたがって測定される、1500μm未満、好ましくは、1〜30μm、好ましくは、5〜25μm、好ましくは、5〜20μm、より好ましくは、5〜15μmのサイズを有する。
【0279】
疎水性シリカエアロゲル粒子は、有利には、0.04〜0.10g/cm
3、好ましくは、0.05〜0.08g/cm
3の充填密度ρを有し得る。
【0280】
本発明に関して、充填密度ρは、以下のプロトコルを用いて評価され得、充填密度の前記プロトコル:
40gの粉末を、測定シリンダに注ぎ、次に、試験片を、STAV STAMPF Volumeter中のデバイス2003上に置く。次に、試験片を、一連の2500回の沈降(settlement)に供し(この操作を、2つの連続した試験間の体積の差が2%未満になるまで繰り返す);次に、充填粉末の最終体積Vfを、直接試験片上で測定する。充填密度は、質量比(m)/Vf、すなわち、40/Vf(Vfは、cm
3およびmgで表される)によって決定される。
【0281】
一実施形態によれば、疎水性シリカエアロゲル粒子は、5〜60m
2/cm
3、好ましくは、10〜50m
2/cm
3、より好ましくは、15〜40m
2/cm
3の、単位体積SV当たりの比表面積を有する。単位体積当たりの比表面積は、等式:SV=ρ
*SMによって求められ、式中、ρが、充填密度(g/cm
3)であり、SMが、上述されるように、m
2/gで表される単位質量当たりの表面積である。
【0282】
疎水性シリカエアロゲル粒子は、好ましくは、シリル化シリカエアロゲル粒子(INCI名:シリル化シリカ)、特に、トリメチルシリル基で表面修飾された疎水性シリカエアロゲル(トリメチルシロキシ化シリカ)の粒子である。
【0283】
好ましい実施形態によれば、疎水性シリカエアロゲル粒子は、以下のものから選択され得る:
− 粒子が約1000μmの平均サイズおよび600〜800m
2/gの単位質量当たりの表面積を有する、Dow Corningによって商標VM−2260(INCI名シリル化シリカ)で販売されるエアロゲル、
− Cabot Aerogel TLD社によって、整理番号201、201およびEMT Aerogel、Aerogel TLD 203、Enova Aerogel MT 1100、Aerogel Enova MT 1200で販売されるエアロゲル。
【0284】
好ましい実施形態において、疎水性シリカエアロゲル粒子は、粒子が5〜15μmの範囲の平均サイズおよび600〜800m
2/gの単位質量当たりの表面積を有する、Dow Corningによって商標VM−2270(INCI名シリル化シリカ)で販売されるエアロゲルから選択される。
【0285】
球形無機充填剤として、シリカとして、Sunjin Chemicalによって販売されるSunsil 130(INCI名:シリカ)、および(ポリ)ビスマスオキシドなどの(ポリ)金属酸化物も挙げられる。
【0286】
層状充填剤
上述されるように、板状充填剤は、3つの寸法:長さ、幅および高さによって特徴付けられる、平行六面体形状(矩形または正方形面)、円盤状(円形面)または楕円体(楕円面)の充填剤である。形状が円形である場合、長さおよび幅は同一であり、ディスクの直径に相当する一方、高さは、ディスクの厚さに相当する。表面が楕円である場合、長さおよび幅はそれぞれ、楕円の主軸および副軸に相当し、高さは、ウエハによって形成される楕円ディスクの厚さに相当する。それが平行六面体である場合、長さおよび幅は、同一または異なる寸法を有することができ、長さおよび幅が同じサイズを有する場合、平行六面体の面の形状は正方形であり;他の場合、形状は矩形である。高さに関しては、それは、平行六面体の厚さである。
【0287】
本発明にしたがって使用される層状充填剤は、0.01〜100μm、好ましくは、0.1〜50μm、好ましくは、1〜50μmの範囲の長さを有する。小板は、0.01〜100μm、好ましくは、0.1〜50μm、好ましくは、1〜10μmの範囲の幅を有する。小板は、0.1nm〜1μm、好ましくは、1〜600nm、好ましくは、1〜500nmの高さ(厚さ)を有する。
【0288】
本発明の組成物に使用される層状充填剤として、フィロシリケート、例えば、タルク、雲母、パーライトおよびそれらの混合物が挙げられる。
【0289】
タルクは、主に、アルミニウムシリケートを含む含水ケイ酸マグネシウムである。タルクの結晶構造は、シリカの層間の水滑石サンドイッチの反復層にある。タルクとして、Nippon TalcによってMicro Ace P3(INCI名:タルク)の名称で販売される製品、Luzenac 00 Imerys(INCI名:タルク)の名称で販売されるもの、またはImerysによってLuzenac Pharma M(INCI名:タルク)の名称で販売される製品が挙げられる。
【0290】
雲母は、任意選択的に、鉄および/またはアルカリ金属を含むアルミニウムシリケートである。それらは、薄い層(約1μm)に分割され得るという特性を有する。それらは、通常、最大寸法(長さ)について、5〜150μm、好ましくは、10〜100μm、より好ましくは、10〜60μmのサイズ、および0.1〜0.5μmの高さ(厚さ)を有する。雲母の中でも、金雲母、白雲母、フッ素金雲母、バーミキュライト、およびそれらの混合物が挙げられる。雲母として、Miyoshi KaseiによってS−sericite−152 BC(INCI名:雲母)の名称で販売される製品、BASF Personal Care Ingredientsによって販売されるMearlmica Treated SVA(INCI名:雲母(および)ラウロイルリジン)が挙げられる。
【0291】
フィロシリケートの中でも、パーライトも挙げられ、パーライトが好ましい。
【0292】
本発明にしたがって使用されるパーライトは、一般に、火山起源のアルミノシリケートであり、組成は以下のとおりである:
− 70.0〜75.0重量%のシリカSiO
2
12.0〜15.0重量%の酸化アルミニウムAl
2O
3オキシド
− 3.0〜5.0%の酸化ナトリウムNa
2O
− 3.0〜5.0%の酸化カリウムK
2O−0.5〜2%の酸化鉄Fe
2O
3
− 0.2〜0.7%の酸化マグネシウムMgO
− 0.5〜1.5%の酸化カルシウムCaO
− 0.05〜0.15%の酸化チタンTiO
2
【0293】
パーライトは、第1の工程において、粉砕され、乾燥され、次に調整される(calibrated)。得られる生成物は、灰色でおよび約100μmのサイズの前記パーライト鉱石である。次に、パーライト鉱石は、膨張されて(1000℃/2秒)、程度の差はあるが白色の粒子が得られる。温度が850〜900℃に達すると、材料の構造中に閉じ込められた水が蒸発し、材料を、その元の体積を超えて膨張させる。本発明に係る膨張されたパーライト粒子は、米国特許第5,002,698号明細書に記載される膨張プロセスによって得ることができる。
【0294】
好ましくは、使用されるパーライト粒子は、破砕され;この場合、粉砕膨張パーライト(Expanded Perlite Milled)(EMP)と呼ばれる。それらは、好ましくは、0.5〜50μm、好ましくは、0.5〜40μmの中央径D50によって画定される粒径を有する。好ましくは、使用されるパーライト粒子は、10〜400kg/m
3(DIN 53468)、好ましくは、10〜300kg/m
3の範囲の、25℃でゆるく充填された、かさ密度を有する。
【0295】
好ましくは、WORLD MINERALS社によって商標OPTIMAT 1430 ORまたはOPTIMAT 2550で販売される膨張されたパーライト粒子が使用される。
【0296】
窒化ホウ素、絹雲母、硫酸バリウム(BaSO
4)、アルミナ(Al
2O
3)粒子も挙げられる。
【0297】
本発明の好ましい実施形態によれば、層状充填剤は、タルク、雲母、パーライト、窒化ホウ素およびそれらの混合物から選択される。
【0298】
好ましい実施形態において、充填剤は、ポリアミド粉末、金属せっけん、シリカ、(ポリ)金属酸化物、疎水性シリカエアロゲル粒子、パーライト、タルク、雲母、窒化ホウ素およびその混合物、好ましくは、その混合物から選択される。
【0299】
好ましい実施形態において、充填剤は、Word Mineralsによって販売される、WORLD MINERALS社製のOPTIMAT 1430 ORまたはOPTIMAT 2550、Dow Corningによって販売されるVM−2270 Aerogel Fine Particles(INCI名:シリル化シリカ);Nippon Talcによって販売されるMicro Ace P3(INCI名:タルク);Sunjin Chemicalによって販売されるSunsil 130(INCI名:シリカ);Imerysによって販売されるLuzenac 00(INCI名:タルク);Arkemaによって販売されるOrgasol 2002(INCI名:ナイロン−12);Momentive Performance Materialsによって商標SOFTOUCH BORON NITRIDE POWDER CC6058で販売される窒化ホウ素、Stearinerie Duboisによって販売されるステアリン酸マグネシウム;Miyoshi Kaseiによって販売される絹雲母S−152−BC(INCI名:雲母);およびそれらの混合物、好ましくは、それらの混合物から選択される。
【0300】
充填剤の量は、例えば、組成物の総重量に対して、0.05〜10重量%、さらに良好には、0.1〜5重量%の範囲であり得る。
【0301】
非乳化オルガノポリシロキサンエラストマー
本発明の特定の形態によれば、組成物は、少なくとも1つの非乳化オルガノポリシロキサンエラストマーを含有する。
【0302】
親油性ゲル化剤として使用可能なオルガノポリシロキサンエラストマーは、本発明に係る組成物に、良好な適用性を与えるという利点を有する。それは、塗布後に非常にソフトなマットさを与え、これは、皮膚への塗布に特に有利である。それはまた、ケラチン物質上に存在する毛穴を有効に隠すことを可能にし得る。本発明の組成物は、毛穴の遮蔽の良好な持ちを有する。
【0303】
「オルガノポリシロキサンエラストマー」または「シリコーンエラストマー」とは、粘弾性、および特にスポンジまたは可撓性球の稠度を有する、変形可能な可撓性オルガノポリシロキサンを指す。その弾性率は、この材料が変形に対して抵抗性であり、膨張および収縮の限られた能力を有するようなものである。この材料は、伸縮後にその元の形状を回復することが可能である。
【0304】
これは、特に、架橋オルガノポリシロキサンエラストマーである。
【0305】
したがって、オルガノポリシロキサンエラストマーは、特に、白金触媒の存在下における、ケイ素に結合された少なくとも1つの水素を含有するジオルガノポリシロキサンと、ケイ素に結合されたエチレン性不飽和基を含有するジオルガノポリシロキサンとの付加反応によって;または特に、有機スズ化合物の存在下における、ヒドロキシル末端ジオルガノポリシロキサンと、ケイ素に結合された少なくとも1つの水素を含有するジオルガノポリシロキサンとの間の脱水素架橋縮合反応によって;またはヒドロキシル末端基を有するジオルガノポリシロキサンと、加水分解性オルガノポリシランとの架橋縮合反応によって;または特に、有機過酸化物触媒の存在下における、オルガノポリシロキサンの熱架橋によって;またはガンマ線、紫外線または電子ビームなどの高エネルギー放射線によるオルガノポリシロキサンの架橋によって得ることができる。
好ましくは、オルガノポリシロキサンエラストマーは、例えば、欧州特許出願公開第295886号明細書に記載されるように、(A)それぞれケイ素に結合された少なくとも2つの水素を含有するジオルガノポリシロキサンと、(B)ケイ素に結合された少なくとも2つのエチレン性不飽和基を含有するジオルガノポリシロキサンとの、特に、(C)白金触媒の存在下における架橋付加反応によって得られる。
【0306】
特に、オルガノポリシロキサンエラストマーは、白金触媒の存在下における、ジメチルビニルシロキシ末端基を含有するジメチルポリシロキサンと、トリメチルシロキシ末端を含むメチルヒドロポリシロキサンとの反応によって得ることができる。
【0307】
化合物(A)は、エラストマーオルガノポリシロキサンの形成のための基礎試薬であり、架橋は、触媒(C)の存在下における、化合物(A)と化合物(B)との付加反応によって行われる。
【0308】
化合物(A)は、各分子中で異なるケイ素原子に結合された少なくとも2個の水素原子を有するオルガノポリシロキサンである。
【0309】
化合物(A)は、任意の分子構造、特に、直鎖または分枝鎖構造または環状構造を有し得る。化合物(A)は、25℃で、1〜50,000センチストークの範囲の粘度を有してもよく、特に、化合物(B)との良好な混和性を有する。化合物(A)のケイ素原子に結合された有機基は、アルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル;置換アルキル基、例えば、2−フェニルエチル、2−フェニルプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル;アリール基、例えば、フェニル、トリル、キシリル;置換アリール基、例えば、フェニルエチル;および置換一価炭化水素基、例えば、エポキシ基、カルボン酸エステル基またはメルカプト基であり得る。
【0310】
化合物(A)は、トリメチルシロキシ末端メチル水素ポリシロキサン、トリメチルシロキシ末端を含有するジメチルシロキサン−メチル水素シロキサンコポリマー、環状ジメチルシロキサン−メチル水素シロキサンコポリマーから選択され得る。
【0311】
化合物(B)は、好ましくは、少なくとも2つの低級アルケニル基(例えばC2〜C4)を有するジオルガノポリシロキサンであり;低級アルケニル基は、ビニル、アリル、およびプロペニルから選択され得る。これらの低級アルケニル基は、オルガノポリシロキサン分子の任意の位置に配置され得るが、好ましくは、オルガノポリシロキサン分子の末端に配置される。オルガノポリシロキサン(B)は、分枝鎖構造、直鎖、環状または網目構造を有し得るが、直鎖構造が好ましい。化合物(B)は、液体状態からガム状態の範囲の粘度を有し得る。好ましくは、化合物(B)は、25℃で少なくとも100センチストークの粘度を有する。
【0312】
上記のアルケニル基に加えて、化合物(B)中のケイ素原子に結合された他の有機基は、アルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチルまたはオクチル;置換アルキル基、例えば、2−フェニルエチル、2−フェニルプロピルまたは3,3,3−トリフルオロプロピル;アリール基、例えば、フェニル、トリルまたはキシリル;置換アリール基、例えば、フェニルエチル;および置換一価炭化水素基、例えば、エポキシ基、カルボン酸エステル基またはメルカプト基であり得る。
【0313】
オルガノポリシロキサン(B)は、メチルビニルポリシロキサン、メチルビニルシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー、ジメチルビニルシロキシ末端を含むジメチルポリシロキサン、ジメチルビニルシロキシ末端基を含有するジメチルシロキサン−メチルフェニルシロキサンコポリマー、末端基を含有するジメチルシロキサン−ジフェニルシロキサン−メチルビニルシロキサンジメチルシロキサンコポリマー、ジメチルシロキサン−メチルビニルシロキサントリメチルシロキシ末端基、トリメチルシロキシ末端基を含有するジメチルシロキサン−メチルフェニルシロキサン−メチルビニルシロキサン、メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)−ポリシロキサンジメチルビニルシロキシ末端およびジメチルシロキサン−メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)シロキサン末端ジメチルポリシロキサンから選択され得る。
【0314】
特に、オルガノポリシロキサンエラストマーは、白金触媒の存在下における、ジメチルビニルシロキシ末端基を含有するジメチルポリシロキサンと、トリメチルシロキシ末端基を含有するメチル水素ポリシロキサンとの反応によって得ることができる。
【0315】
有利には、化合物(B)の分子当たりのエチレン基の数、および化合物(A)の分子当たりのケイ素原子に結合された水素原子の数の合計は、少なくとも5である。
【0316】
化合物(A)が、化合物(A)中のケイ素原子に結合された水素原子の総量と、エチレン性不飽和化合物(B)中の全てのこのような基の総量との間のモル比が、1.5/1〜20/1の範囲であるような量で加えられるのが有利である。
【0317】
化合物(C)は、架橋反応用の触媒であり、特に、塩化白金酸、塩化白金酸−オレフィン錯体、塩化白金酸−アルケニルシロキサン錯体、塩化白金酸−ジケトン、白金黒、および担体上の白金である。
【0318】
触媒(C)は、好ましくは、化合物(A)および(B)の総量の1000重量部当たり、クリーンな白金金属として0.1〜1000重量部、より好ましくは、1〜100重量部加えられる。エラストマーは、好ましくは、非乳化エラストマーである。
【0319】
「非乳化」という用語は、親水性鎖を含有しない、特に、ポリオキシアルキレン単位(特に、ポリオキシエチレンまたはポリオキシプロピレン)またはポリグリセリル単位を含有しないオルガノポリシロキサンエラストマーを定義する。したがって、本発明の特定の一実施形態において、組成物は、ポリオキシアルキレン単位およびポリグリセリルパターンを含まないエラストマーオルガノポリシロキサンを含む。
【0320】
特に、本発明に使用されるシリコーンエラストマーは、ジメチコンクロスポリマー(INCI名)、ビニルジメチコンクロスポリマー(INCI名)、ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー(INCI名)、ジメチコンクロスポリマー−3(INCI名)から選択される。
【0321】
オルガノポリシロキサンエラストマー粒子は、少なくとも1つの炭化水素油および/またはシリコーン油に含まれるエラストマーオルガノポリシロキサンからなるゲルの形態で運ばれ得る。これらのゲルにおいて、オルガノポリシロキサン粒子は、非球形粒子であることが多い。
【0322】
非乳化エラストマーは、欧州特許第242 219号明細書、欧州特許第285 886号明細書、欧州特許第765 656号明細書および特開昭61−194009号公報に記載されている。シリコーンエラストマーは、一般に、ゲル、ペーストまたは粉末の形態であるが、好ましくは、シリコーンエラストマーが直鎖状シリコーン油(ジメチコン)または環状(例えば、シクロペンタシロキサン)、好ましくは、直鎖状シリコーン油中に分散されたゲルとしての形態である。
【0323】
使用され得る非乳化エラストマーとして、より特定的には、Shin Etsu社によって「KSG−6」、「KSG−15」、「KSG−16」、「KSG−18」、「KSG−41」、「KSG−42」「KSG−43」、「KSG−44」の名称で、Dow Corning社によって「DC9040」、「DC9041」の名称で、General Electric社によって「SFE 839」の名称で販売されるものである。
【0324】
特定の一実施形態において、シクロペンタジメチルシロキサン、ジメチコン、ジメチルシロキサン、メチルトリメチコン、フェニルメチコン、フェニルジメチコン、フェニルトリメチコンおよびシクロメチコンを含む非網羅的なリストから選択されるシリコーン油、好ましくは、任意選択的にフッ素化された脂肪族基で、またはヒドロキシル、チオールおよび/またはアミン基などの官能基で任意選択的に修飾された、ポリジメチルシロキサン(PDMS)または25℃で1〜500cStの範囲の25℃での粘度を有するジメチコンから選択される直鎖状シリコーン油中に分散されたシリコーンエラストマーゲルを使用する。
【0325】
これらとしては、特に、INCI名を有する以下の化合物が挙げられる:
− ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー、例えば、Shin−Etsuの「USG−105」および「USG−107A」;Dow Corningによる「DC9506」および「DC9701」、
− ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー(および)ジメチコン、例えば、Shin Etsu社による「KSG−6」および「KSG−16」;
− ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー(および)シクロペンタシロキサン、例えば、「KSG−15」;
− シクロペンタシロキサン(および)ジメチコンクロスポリマー、例えば、Dow Corning製の「DC9040」、「DC9045」および「DC5930」;
− ジメチコン(および)ジメチコンクロスポリマー、例えば、Dow Corning製の「DC9041」;
− ジメチコン(および)ジメチコンクロスポリマー、例えば、Dow Corning製の「Dow Corning silicone elastomer EL−9240(登録商標)Blend」(架橋(reticulated)ヘキサジエン/ポリジメチルシロキサンとポリジメチルシロキサンの混合物(2cSt));
− C4〜24アルキルジメチコン/ジビニルジメチコンクロスポリマー、例えば、Alzo社によるSilk NuLastic AM。
【0326】
本発明に有利に使用される直鎖状シリコーン油中に分散されたシリコーンエラストマーの例、特に、以下の整理番号のものが挙げられる:
− ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー(および)ジメチコン、例えば、Shin Etsu社による「KSG−6」および「KSG−16」;
− ジメチコン(および)ジメチコンクロスポリマー、例えば、Dow Corning製の「DC9041」;および
− ジメチコン(および)ジメチコンクロスポリマー、例えば、Dow Corning製の「Dow Corning silicone elastomer EL−9240(登録商標)Blend」(ヘキサジエン/ポリジメチルシロキサンと架橋されたポリジメチルシロキサンの混合物(2cSt));
− ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(および)ジメチコン(および)フェニルビニルジメチコンクロスポリマー(INCI名)、例えば、Shin Etsuによって販売されるKSG 18A)。
【0327】
オルガノポリシロキサンエラストマー粒子はまた、粉末形態で使用され得、Dow Corningによって「Dow Corning 9505 Powder」、「Dow Corning 9506 Powder」の名称で販売される粉末が挙げられ、これらの粉末は、INCI名:ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマーを有する。オルガノポリシロキサン粉末はまた、例えば、米国特許第5,538,793号明細書に記載されているように、シルセスキオキサン樹脂で被覆され得る。このようなエラストマー粉末は、Shin Etsu社によって「KSP−100」、「KSP−101」、「KSP−102」、「KSP−103」、「KSP−104」、「KSP−105」の名称、およびINCI名:ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサンクロスポリマーで販売される。
【0328】
本発明にしたがって有利に使用されるシルセスキオキサン樹脂で被覆されたオルガノポリシロキサン粉末の例としては、特に、Shin Etsuのブランド名「KSP−100」で販売されるもののような、オルガノポリシロキサンエラストマーINCI名ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサンクロスポリマーが挙げられる。好ましい親油性ゲル化剤型のオルガノポリシロキサンエラストマーとして、ジメチコンクロスポリマー(INCI名)、ジメチコン(および)ジメチコンクロスポリマー(INCI名)、ビニルジメチコンクロスポリマー(INCI名)、ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー(INCI名)、ジメチコンクロスポリマー−3(INCI名)、ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサンクロスポリマー、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(および)ジメチコン(および)フェニルビニルジメチコンクロスポリマー(INCI名)および特に、ジメチコンクロスポリマー(INCI名)から選択される架橋オルガノポリシロキサンエラストマーが特に挙げられる。
【0329】
オルガノポリシロキサンは、好ましくは、組成物の総重量に対して0.5〜1.5重量%の濃度で存在する。
【0330】
分散剤
有利には、本発明に係る組成物は、分散剤も含み得る。
【0331】
このような分散剤は、界面活性剤、オリゴマー、ポリマーまたはそれらのいくつかの混合物であり得る。
【0332】
特定の一実施形態によれば、本発明に係る分散剤は、界面活性剤である。
【0333】
増粘剤
得る必要がある組成物の流動性に応じて、1つまたは複数の増粘剤またはゲル化剤を、本発明の組成物に組み込むことが可能である。
【0334】
本発明に使用するのに好適な増粘剤またはゲル化剤は、親水性、すなわち、水に可溶または分散可能であり得る。
【0335】
特に挙げられる親水性ゲル化剤または増粘剤は、水溶性または水分散性増粘ポリマーを含む。これらのポリマーは、特に、修飾または非修飾カルボキシビニルポリマー、例えば、Goodrich社によってCarbopol(CTFA名:カルボマー)の名称で販売される製品;ポリアクリレートおよびポリメタクリレート、例えば、Guardian社によってLubrajelおよびNorgelの名称で、またはHispano Chimica社によってHispagelの名称で販売される製品;ポリアクリルアミド;任意選択的に、架橋および/または中和された2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ポリマーおよびコポリマー、例えば、Clariant社によってHostacerin AMPS(登録商標)(CTFA名:アンモニウムポリアシルジメチルタウラミド)の名称で販売されるポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸);油中水型エマルジョンの形態である、アクリルアミドとAMPSとの架橋アニオン性コポリマー、例えば、SEPPIC社によってSepigel 305(CTFA名::ポリアクリルアミド/C13〜14イソパラフィン/ラウレス−7)の名称で、およびSimulgel 600(CTFA名:アクリルアミド/ナトリウムアクリロイルジメチルタウレートコポリマー/イソヘキサデカン/ポリソルベート80)の名称で販売されるもの;Clariantによって(登録商標)Aristoflex LNCの名称で販売される、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のアンモニウム塩と、エトキシ化C12〜C14アルキルメタクリレートとのコポリマー((登録商標)Genapol LA−070および(登録商標)AMPSから得られる非架橋コポリマー)(CTFA名:アンモニウムアクリロイルジメチルタウレート/ラウレス−7メタクリレートコポリマー)、およびClariantによって(登録商標)Aristoflex HMSの名称で販売される、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のアンモニウム塩と、エトキシ化(25 EO)ステアリルメタクリレートとの架橋コポリマー(好ましくは、トリメチロールプロパントリアクリレートで架橋され、Genapol T−250および(登録商標)AMPSから得られるコポリマー)(CTFA名:アンモニウムアクリロイルジメチルタウレート/ステアレス−25メタクリレートクロスポリマー)の、このタイプの疎水性修飾ポリマー;多糖バイオポリマー、例えばキサンタンガム、グアーガム、カロブガム、アカシアガム、スクレログルカン、キチンおよびキトサン誘導体、カラギーナン、ゲラン、アルギネート、セルロース、例えば、微結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロース;およびそれらの混合物から選択され得る。
【0336】
本発明に使用するのに好適な増粘剤またはゲル化剤は、親油性であり得る。それは、無機または有機であり得る。
【0337】
無機親油性ゲル化剤
挙げられる無機親油性ゲル化剤は、任意選択的に改質された粘土、例えば、C10〜C22アンモニウムクロリドで改質されたヘクトライト、例えば、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリドで改質されたヘクトライト、例えば、Elementis社によってBentone 38V(登録商標)の名称で販売される製品を含む。
【0338】
粒子のサイズが1μm未満である、表面で任意選択的に疎水性処理されたヒュームドシリカも挙げられる。これは、シリカの表面に存在するシラノール基の数を減少させる化学反応によってシリカの表面を化学的に修飾することが可能であるためである。シラノール基は、特に、疎水性基で置換され得:その後、疎水性シリカが得られる。疎水性基は、特に、ヘキサメチルジシラザンの存在下におけるヒュームドシリカの処理によって得られるトリメチルシロキシル基であり得る。このように処理されたシリカは、CTFA(8th edition,2000)にしたがって「シリル化シリカ」と命名されている。それらは、例えば、Degussaによって整理番号Aerosil R812(登録商標)で、Cabot社によってCab−O−Sil TS−530(登録商標)で販売される、特に、ポリジメチルシロキサンまたはジメチルジクロロシランの存在下におけるヒュームドシリカの処理によって得られるジメチルシリルオキシルまたはポリジメチルシロキサン基である。このように処理されたシリカは、CTFA(8th edition,2000)にしたがって「ジメチルシリル化シリカ」と命名されている。それらは、例えば、Degussa社によって整理番号Aerosil R972(登録商標)およびAerosil R974(登録商標)で、ならびにCabot社によってCab−O−Sil TS−610(登録商標)およびCab−O−Sil TS−720(登録商標)で販売される。
【0339】
有機親油性ゲル化剤
ポリマー有機親油性ゲル化剤は、例えば、三次元構造の部分的にまたは完全に架橋されたエラストマーオルガノポリシロキサン、例えば、Shin−Etsu社によってKSG6(登録商標)、KSG16(登録商標)およびKSG18(登録商標)の名称で、Dow Corning社によってTrefil E−505C(登録商標)およびTrefil E−506C(登録商標)で、Grant Industries社によってGransil SR−CYC(登録商標)、SR DMF10(登録商標)、SR−DC556(登録商標)、SR 5CYC gel(登録商標)、SR DMF 10 gel(登録商標)およびSR DC 556 gel(登録商標)で、ならびにGeneral Electric社によってSF 1204(登録商標)およびJK 113(登録商標)で販売されるもの;エチルセルロース、例えば、Dow Chemical社によってEthocel(登録商標)の名称で販売される製品;飽和または不飽和アルキル鎖で置換された、単糖当たり1〜6つ、特に、2〜4つのヒドロキシル基を含むガラクトマンナン、例えば、C1〜C6、特に、C1〜C3のアルキル鎖でアルキル化されたグアーガム、およびそれらの混合物である。ポリスチレン/ポリイソプレンまたはポリスチレン/ポリブタジエン型の「ジブロック」、「トリブロック」または「ラジカル」型のブロックコポリマー、例えば、BASF社によってLuvitol HSB(登録商標)の名称で販売されるもの、ポリスチレン/コポリ(エチレン−プロピレン)型、例えば、Shell Chemical Co.社によってKraton(登録商標)の名称で販売されるもの、あるいは、ポリスチレン/コポリ(エチレン−ブチレン)型、またはイソドデカン中のトリブロックとラジカル(星形)コポリマーとのブレンド、例えば、Penreco社によってVersagel(登録商標)の名称で販売されるもの、例えば、イソドデカン中のブチレン/エチレン/スチレントリブロックコポリマーとエチレン/プロピレン/スチレン星形コポリマーとのブレンド(Versagel M 5960)。
【0340】
本発明に係る組成物に使用され得る親油性ゲル化剤の中でも、デキストリンと脂肪酸とのエステル、例えば、パルミチン酸デキストリン、特に、例えば、Chiba Flour社によってRheopearl TL(登録商標)またはRheopearl KL(登録商標)の名称で販売されるものも挙げられる。
【0341】
ポリオルガノシロキサン型のシリコーンポリアミド、例えば、米国特許第5 874 069号明細書、米国特許第5 919 441号明細書、米国特許第6 051 216号明細書および米国特許第5 981 680号明細書の文献に記載されているものも使用され得る。
【0342】
一実施形態によれば、本発明の組成物は、組成物の総重量に対して、0.01重量%〜40重量%、特に、0.1重量%〜20重量%、特に、0.3重量%〜15重量%の活性材料含量で増粘剤を含み得る。
【0343】
活性剤
特定のケア用途の場合、本発明に係る組成物は、少なくとも1つの保湿剤(湿潤剤としても知られている)を含み得る。
【0344】
好ましくは、このような保湿剤は、グリセロールである。
【0345】
保湿剤は、前記組成物の総重量に対して、0.1重量%〜15重量%、特に、0.5重量%〜10重量%、あるいは1重量%〜6重量%の範囲の含量で、組成物中に存在し得る。
【0346】
本発明の組成物に使用され得る他の活性剤として、挙げられる例は、ビタミン、例えば、ビタミンA、C、E、B3、B5、Kおよびそれらの誘導体、特に、それらのエステル、ヒアルロン酸、日焼け止め剤、尿素およびその水酸化誘導体、例えば、National StarchによってHydrovanceの名称で販売されるN−(2−ヒドロキシエチル)尿素;サリチル酸、5−n−オクタノイルサリチル酸または商標MEXORYL SAB(登録商標)で販売されるカプリロイルサリチル酸;商標MEXORYL BB(登録商標)での、特に、水/1,2−プロパンジオールの混合物中30%の溶液中のC−β−D−キシロピラノシド−2−ヒドロキシ−プロパン;金属イオン封鎖剤、例えば、EDTA、およびそれらの混合物を含む。
【0347】
好ましくは、本発明の組成物は、少なくとも1つの活性剤を含む。
【0348】
本発明に係る組成物中に存在する添加剤の性質および量を、その所望の化粧特性が添加剤によって影響されないように調整することは、当業者にとって日常的な作業に過ぎない。
【0349】
別の実施形態によれば、本発明の組成物は、有利には、アンチエイジング製品、セルフタンニング製品、日焼け止め製品のような、皮膚、特に、身体、脚または顔をケアするための組成物、スリミングのための組成物、皮膚の色を調節するための組成物の形態であり得る。
【0350】
一実施形態によれば、本発明の組成物は、有利には、皮膚、特に、顔、眼瞼、眼の周り、頬をメイクアップするための組成物の形態であり得る。したがって、それは、ファンデーション、アイシャドー、チークシャドーであり得る。
【0351】
別の実施形態によれば、本発明の組成物は、有利には、リップケア製品の形態であり得る。
【0352】
このような組成物は、特に、当業者の一般知識にしたがって調製される。
【0353】
アセンブリ
本発明はまた、
− 任意選択的に閉鎖部材によって閉鎖され、任意選択的に非密封性である1つまたは複数のコンパートメントを画定する容器、および
− コンパートメント内に配置される本発明のメイクアップおよび/またはケアのための組成物
を含む化粧用アセンブリに関する。
【0354】
コンパートメントは、例えば、箱の形態であり得る。容器はまた、チューブの形態であり得る。アセンブリは、例えば、スポンジ、緩衝材(buffer)、ブラシのような適切なアプリケータも含み得る。
【0355】
特許請求の範囲を含め、本明細書全体を通して、「〜を含む(comprising a)」という用語は、特に規定されない限り、「少なくとも1つを含む」と同義であるものと理解されるべきである。
【0356】
「...〜...」および「...〜...の範囲の」という表現は、特に規定されない限り、限度値を含むことを意味するものと理解されるべきである。
【0357】
本発明は、実施例によってより詳細に例示される。特に記載されない限り、示される量は、重量パーセンテージとして表される。
【実施例】
【0358】
ここで、以下の実施例が参照され、実施例は、上記の説明と一緒に本発明のある実施形態を非限定的に例示する。
【0359】
材料および方法
− 酢酸エチルを、Gadot(Israel)から入手した。
− ステアリン酸マグネシウムを、FACI ASIA PACIFIC PTE Ltd.から入手した。
− 本明細書全体を通して二酸化チタンまたはTiO
2 RC402とも呼ばれる酸化チタンを、Sachtleben Chemie GmbHから入手した。
− ヒドロキシステアリン酸2−エチルヘキシル中に予め分散されたオキシ塩化ビスマス(Timiron(登録商標)Liquid Silverとして販売される)を、Merck KGaA(Darmstadt,Germany)から入手した。
− 使用されるポリビニルアルコール(PVA)は、Mowiol 4−88、KSE溶液4%(Kuraray America,Inc.,USA)であった。
− 酢酸セルロース398−10NFを、Eastman(USA)から入手した。
− (ポリ(エチルアクリレート−co−メチルメタクリレート−co−トリメチルアンモニウムエチルメタクリレートクロリド)、EUDRAGIT(登録商標)RS POを、Evonik industries(Germany)から入手した。
− マイクロカプセルのサイズ分布を、HORIBA LA300を用いて測定した。
マイクロカプセルのゆるみかさ密度を、USP−NF<616>を用いて測定した。
【0360】
実施例1:ヒドロキシステアリン酸2−エチルヘキシル中に予め分散されたオキシ塩化ビスマスを含有するPMMAマイクロカプセルの調製
1.1 有機相/マスターバッチ(MB)の調製
10グラムの壁形成性ポリマーポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)を、撹拌しながら(10分間)、300グラムの酢酸エチル中に徐々に加え、得られた混合物を50℃に加熱し、混合物が均一で透明になるまで(約20分間)十分に撹拌することによって、有機相(本明細書において同義的に「マスターバッチ」(MB)と呼ばれる)を調製した。得られたポリマー溶液を25℃に冷却した。1グラムのステアリン酸マグネシウム(MgSt)を、約5分間にわたって撹拌しながら溶液に加えた。次に、10グラムの二酸化チタン(TiO2)を、約5分間にわたって撹拌しながら溶液に加え、次に、混合物を約8分間にわたって均質化した。
【0361】
ヒドロキシステアリン酸2−エチルヘキシル(79グラム)中に予め分散されたオキシ塩化ビスマスの混合物を、約5分間にわたって撹拌しながら前の懸濁液に加えた。調製されたMBに含まれる成分のリストが、表1に示される。
【0362】
【表1】
【0363】
1.2 エマルジョンの調製
0.25%のポリビニルアルコール(PVA)の水溶液を、水(1013グラム)を、PVA 4%の溶液(68グラム)と混合することによって調製した。酢酸エチル(120グラム)を水溶液に加え、その後、上の工程1.1のマスターバッチを、2分間にわたって約400RPMで撹拌しながら酢酸エチル/水エマルジョン中に徐々に加えた。マスターバッチとエマルジョンとの間の比率(w/w)は、1/3であった。調製されたエマルジョンに含まれる成分のリストが、表2に示される。
【0364】
【表2】
【0365】
1.3 有機溶媒の抽出
抽出溶液は、8775グラムの水と、225グラムのPVA溶液4%との混合物から構成された(抽出溶液中のPVAの最終濃度は、0.10%のPVAであった)。上の工程1.2のエマルジョン(1600グラム)を、手動ポンプを用いて150RPMで撹拌しながら15Lのバケツ中で抽出溶液中に徐々に加え、得られた混合物をさらに15分間にわたってさらに撹拌した。得られた混合物を、25℃で約24時間にわたって沈殿させた。抽出媒体に含まれる成分のリストが、表3に示される。
【0366】
【表3】
【0367】
1.4 マイクロカプセルの洗浄、乾燥およびふるい分け
上の工程1.3において得られたマイクロカプセルを、沈殿または真空ろ過のいずれかによって分離し、次に、乾燥させ、ふるい分けした。
【0368】
沈殿手順では、バケツからの上側液相をデカントし、残っている懸濁液を振とうし、乾燥容器に移した。
【0369】
ろ過手順では、上側相の液体をバケツからデカントし、残っている懸濁液を振とうし、次に、ろ過し、沈殿物を、400mlの水で、フィルタ上ですすいだ。懸濁液を乾燥容器に移した。乾燥段階では、マイクロカプセルを、48時間にわたってフリーズドライした(凍結乾燥した)。
【0370】
ふるい分け段階では、乾燥されたマイクロカプセルを、自動ふるい機「Ari j−Levy」、Sifter MIC.100を用いてふるい分けした。ふるい分けされたマイクロカプセルを、室温で適切な容器中で、または冷蔵庫中で貯蔵した。
【0371】
実施例2:ヒドロキシステアリン酸2−エチルヘキシル中に予め分散されたオキシ塩化ビスマスを含有する酢酸セルロースマイクロカプセルの調製
2.1 有機相/マスターバッチ(MB)段階の調製
5グラムの壁形成性ポリマー酢酸セルロース398−10NF(CA)を、撹拌しながら(10分間)、300グラムの酢酸エチル中に徐々に加え、得られた混合物を、混合物が均一で透明になるまで(約20分間)撹拌することによって、有機相(本明細書において同義的に「マスターバッチ」(MB)と呼ばれる)を調製した。次に、30グラムの二酸化チタン(TiO2)を、約5分間にわたって撹拌しながら得られた溶液に加え、次に、混合物を約8分間にわたって均質化した。その後、ヒドロキシステアリン酸2−エチルヘキシル(60グラム)中で予め分散されたオキシ塩化ビスマスの混合物を、約5分間にわたって撹拌しながら懸濁液に加えた。
【0372】
調製されたMBに含まれる成分のリストが、表4に示される。
【0373】
【表4】
【0374】
2.2 エマルジョンの調製
0.4%のポリビニルアルコール(PVA)の水溶液を、水(972グラム)を、PVA 4%の溶液(108グラム)と混合することによって調製した。酢酸エチル(120グラム)を水相に加え、その後、上の工程3.1のマスターバッチを、2分間にわたって約400RPMで撹拌しながら酢酸エチル/水エマルジョン中に徐々に加えた。マスターバッチとエマルジョンとの間の比率(w/w)は、1/3であった。調製されたエマルジョンに含まれる成分のリストが、表5に示される。
【0375】
【表5】
【0376】
2.3 有機溶媒の抽出
抽出溶液は、8550グラムの水と、450グラムのPVA溶液4%との混合物から構成された(抽出流体中のPVAの最終濃度は0.20%のPVA)。上の工程3.2のエマルジョン(1600グラム)を、手動ポンプを用いて150RPMで撹拌しながら15Lのバケツ中で抽出溶液に徐々に加え、得られた混合物をさらに15分間にわたってさらに撹拌した。得られた混合物を、25℃で約24時間にわたって沈殿させた。調製された抽出媒体に含まれる成分のリストが、表6に示される。
【0377】
【表6】
【0378】
2.4 マイクロカプセルの洗浄、乾燥およびふるい分け
上の工程3.3において得られたマイクロカプセルを、実施例1について上述されるように、沈殿または真空ろ過のいずれかによって分離し、乾燥させ、ふるい分けした。
【0379】
実施例3:ヒドロキシステアリン酸2−エチルヘキシル中に予め分散されたオキシ塩化ビスマスを含有するEUDRAGIT(登録商標)マイクロカプセルの調製
3.1 有機相/マスターバッチ(MB)段階の調製
10グラムの壁形成性ポリ(エチルアクリレート−co−メチルメタクリレート−co−トリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロリド)(EUDRAGIT(登録商標)RS PO)を、撹拌しながら(10分間)、300.0グラムの酢酸エチル中に徐々に加え、50℃に加熱し、混合物が均一で透明になるまで(約20分間)十分に撹拌することによって、有機相(本明細書において同義的に「マスターバッチ」(MB)と呼ばれる)を調製した。得られたポリマー溶液を25℃に冷却した。1グラムのステアリン酸マグネシウム(MgSt)を、約5分間にわたって撹拌しながら溶液に加えた。次に、ヒドロキシステアリン酸2−エチルヘキシル(79グラム)中に予め分散されたオキシ塩化ビスマスを、約5分間にわたって撹拌しながら懸濁液に加えた。MBの成分は、表7に示される。
【0380】
【表7】
【0381】
3.2 エマルジョンの調製
0.25%のポリビニルアルコール(PVA)の水溶液を、水(844グラム)を、PVA 4%の溶液(56グラム)と混合することによって調製した。酢酸エチル(100グラム)を水相に加えた。10グラムの二酸化チタン(TiO2)を、約5分間にわたって撹拌しながら前の工程に加え、次に、混合物を約8分間にわたって均質化し、次に、上の工程4.1のマスターバッチを、2分間にわたって約400RPMで撹拌しながら酢酸エチル/水エマルジョン中に徐々に加えた。マスターバッチとエマルジョンとの間の比率(w/w)は、1/3であった。エマルジョンの成分は、表8に示される。
【0382】
【表8】
【0383】
3.3 有機溶媒の抽出
抽出流体は、6923グラムの水と、178グラムのPVA溶液4%との混合物から構成された(抽出流体中のPVAの最終濃度は0.10%のPVA)。上の工程4.2のエマルジョン(1333グラム)を、手動ポンプを用いて150RPMで撹拌しながら15Lのバケツ中で抽出流体中に徐々に加え、さらに15分間にわたってさらに撹拌した。得られた混合物を、25℃で約24時間にわたって沈殿させた。抽出媒体の成分は、表9に示される。
【0384】
【表9】
【0385】
3.4 マイクロカプセルの洗浄、乾燥およびふるい分け
上の工程3.3において得られたマイクロカプセルを、実施例1について上述されるように、沈殿または真空ろ過のいずれかによって分離し、乾燥させ、ふるい分けした。
【0386】
実施例4:ヒドロキシステアリン酸2−エチルヘキシル中に予め分散されたオキシ塩化ビスマスを含有するPMMA/MAマイクロカプセルの調製
4.1 有機相/マスターバッチ(MB)段階の調製
10グラムの壁形成性ポリマーポリ(メタクリル酸−co−メチルメタクリレート)(PMMA/MA)を、撹拌しながら(10分間)、300.0グラムの酢酸エチル中に徐々に加え、50℃に加熱し、混合物が均一で透明になるまで(約20分間)十分に撹拌することによって、有機相(本明細書において同義的に「マスターバッチ」(MB)と呼ばれる)を調製した。得られたポリマー溶液を25℃に冷却した。1グラムのステアリン酸マグネシウム(MgSt)を、約5分間にわたって撹拌しながら溶液に加えた。その後、10グラムの二酸化チタン(TiO2)を、約5分間にわたって撹拌しながら加え、次に、混合物を約8分間にわたって均質化した。その後、ヒドロキシステアリン酸2−エチルヘキシル(79グラム)中に予め分散されたオキシ塩化ビスマスを、約5分間にわたって撹拌しながら懸濁液に加えた。MBの成分は、表10に示される。
【0387】
【表10】
【0388】
4.2 エマルジョンの調製
0.25%のポリビニルアルコール(PVA)の水溶液を、水(1013グラム)を、PVA 4%の溶液(68グラム)と混合することによって調製した。酢酸エチル(120グラム)を水相に加え、次に、上の工程1.1のマスターバッチを、2分間にわたって約400RPMで撹拌しながら酢酸エチル/水エマルジョン中に徐々に加えた。マスターバッチとエマルジョンとの間の比率(w/w)は、1/3であった。エマルジョンの成分は、表11に示される。
【0389】
【表11】
【0390】
4.3 有機溶媒の抽出
抽出流体は、8775グラムの水と、225グラムのPVA溶液4%との混合物から構成された(抽出流体中のPVAの最終濃度は0.10%のPVA)。上の工程1.2のエマルジョン(1600グラム)を、手動ポンプを用いて150RPMで撹拌しながら15Lのバケツ中で抽出流体中に徐々に加え、さらに15分間にわたってさらに撹拌した。得られた混合物を、25℃で約24時間にわたって沈殿させた。抽出媒体の成分は、表12に示される。
【0391】
【表12】
【0392】
4.4 マイクロカプセルの洗浄、乾燥およびふるい分け
上の工程4.3において得られたマイクロカプセルを、実施例1について上述されるように、沈殿または真空ろ過のいずれかによって分離し、乾燥させ、ふるい分けした。
【0393】
実施例5:ヒドロキシステアリン酸2−エチルヘキシル中に予め分散されたオキシ塩化ビスマスを含有するEUDRAGIT(登録商標)マイクロカプセルの調製
5.1 有機相/マスターバッチ(MB)段階の調製
10グラムの壁形成性ポリマーポリ(エチルアクリレート−co−メチルメタクリレート−co−トリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロリド)(EUDRAGIT(登録商標)RS PO)を、撹拌しながら(10分間)、185.7グラムの酢酸エチル中に徐々に加え、50℃に加熱し、混合物が均一で透明になるまで(約20分間)十分に撹拌することによって、有機相(本明細書において同義的に「マスターバッチ」(MB)と呼ばれる)を調製した。得られたポリマー溶液を25℃に冷却した。10グラムのクエン酸トリエチルを、約5分間にわたって撹拌しながら溶液に加えた。その後、80グラムのオキシ塩化ビスマス(BiClO)を、約5分間にわたって撹拌しながら混合物に加え、次に、混合物を約8分間にわたって均質化した。MBの成分は、表13に示される。
【0394】
【表13】
【0395】
5.2 エマルジョンの調製
0.25%のポリビニルアルコール(PVA)の水溶液を、水(723.2グラム)を、PVA 4%の溶液(48.2グラム)と混合することによって調製した。酢酸エチル(85.7グラム)を水相に加え、次に、上の工程6.1のマスターバッチを、10分間にわたって約400RPMで撹拌しながら酢酸エチル/水エマルジョン中に徐々に加えた。マスターバッチとエマルジョンとの間の比率(w/w)は、1:3であった。エマルジョンの成分は、表14に示される。
【0396】
【表14】
【0397】
5.3 有機溶媒の抽出
抽出流体は、5599グラムの水と、144グラムのPVA溶液4%との混合物から構成された(抽出流体中のPVAの最終濃度は0.10%のPVA)。上の工程6.2のエマルジョン(1449.2グラム)を、手動ポンプを用いて150RPMで撹拌しながら15Lのバケツ中で抽出流体中に徐々に加え、さらに15分間にわたってさらに撹拌した。得られた混合物を、25℃で約24時間にわたって沈殿させた。抽出媒体の成分は、表15に示される。
【0398】
【表15】
【0399】
5.4 マイクロカプセルの洗浄、乾燥およびふるい分け
上の工程5.3において得られたマイクロカプセルを、実施例1について上述されるように、沈殿または真空ろ過のいずれかによって分離し、乾燥させ、ふるい分けした。
【0400】
実施例6:特性評価
サイズ分布:
実施例1〜5において得られたマイクロカプセルのサイズ分布を測定し、得られたデータが以下に示される。
【0401】
本明細書全体を通して、「平均」直径は、マイクロカプセルの平均サイズを意味する。マイクロカプセルのサイズは、レーザー分布サイズ方法によって、特に、値D[50]およびD[90]を測定することによって測定され得る。D50は、マイクロカプセルの50%を超えないサイズを意味し、D90は、マイクロカプセルの90%を超えないサイズを意味する。
【0402】
実施例1に記載されるように得られたマイクロカプセルの直径は、約3μm〜約600μmの範囲であり、平均直径は、約175μmであり、マイクロカプセルのD50は、約155μmであり、マイクロカプセルのD90は、約320μmである。
【0403】
実施例3に記載されるように得られたマイクロカプセルの直径は、約3μm〜約500μmの範囲であり、平均直径は、約120μmであり、マイクロカプセルのD50は、約96μmであり、マイクロカプセルのD90は、約237μmである。
【0404】
実施例4に記載されるように得られたマイクロカプセルの直径は、約3μm〜約400μmの範囲であり、平均直径は、約120μmであり、マイクロカプセルのD50は、約106μmであり、マイクロカプセルのD90は、約195μmである。
【0405】
実施例5に記載されるように得られたマイクロカプセルの直径は、約3μm〜約250μmの範囲であり、平均直径は、約120μmであり、マイクロカプセルのD50は、約96μmであり、マイクロカプセルのD90は、約237μmである。
【0406】
ゆるみかさ密度:
実施例1において得られたマイクロカプセルのゆるみかさ密度は、約300〜約450グラム/リットル(約0.30〜約0.45グラム/cm
3)、または約300〜約380グラム/リットル(約0.30〜約0.38グラム/cm
3)または約300〜約340グラム/リットル(約0.30〜約0.4グラム/cm
3)の範囲であると測定された。
【0407】
実施例2において得られたマイクロカプセルのゆるみかさ密度は、約360〜約460グラム/リットル(約0.36〜約0.46グラム/cm
3)、または約380〜440グラム/リットル(約0.38〜約0.44グラム/cm
3)、または約400〜420グラム/リットル(約0.40〜約0.42グラム/cm
3)の範囲であると測定された。
【0408】
実施例3において得られたマイクロカプセルのゆるみかさ密度は、約140〜約360グラム/リットル(約0.14〜約0.36グラム/cm
3)、または約200〜300グラム/リットル(約0.20〜約0.30グラム/cm
3)、または約240〜約260グラム/リットル(約0.24〜約0.26グラム/cm
3)の範囲であると測定された。
【0409】
実施例5において得られたマイクロカプセルのゆるみかさ密度は、約420〜約560グラム/リットル(約0.42〜約0.56グラム/cm
3)、または約450〜約530グラム/リットル(約0.45〜約0.53グラム/cm
3)、または約480〜約500グラム/リットル(約0.48〜約0.50グラム/cm
3)の範囲であると測定された。
【0410】
遮蔽:
オキシ塩化ビスマスを封入することによって提供される遮蔽効果の定量的測定、CIE表色系(CIE L
*a
*b
*カラースケールに基づく、ここで、L
*が、明度を定義し、a
*が、赤色/緑色値を示し、b
*が、黄色/青色値を示す)を用いたX−Rite測定技術を使用した。これらの測定に適用される標準的な光源は日光であった。
【0411】
色の3つの視覚要素:色相(すなわち、対象の色をどのように感知するか)、彩度(色の鮮やかさまたはくすみ、すなわち、色が灰色または純色の色相のいずれかにどのくらい近いか)、および明度(すなわち、色が明るいかまたは暗いかを分類する)について測定された値/データを統合することによって、定量値を得た。
【0412】
以下の表16は、オキシ塩化ビスマス含有原料Timiron(登録商標)Liquid Silver(DL
*)に対する本発明のマイクロカプセルの、明度スケールL
*における明度の変化を示す。表XXXに示される正のDL
*値は、原料と比較して、本発明のマイクロカプセルの、明度スケールにおける、かなり明るく鮮やかな色の方向への変化を示し、これは、遮蔽効果を示す。
【0413】
【表16】
【0414】
光反射:
光反射は、ハロゲンランプを備えた偏光配光測定システムを用いて測定される。入力光および検出光の両方が、偏光される。可動検出器を用いて、入射光角度は45°であり、収束角は、20〜75°の範囲にわたる。検出偏光器は、平行または垂直偏光のいずれかを収集するように回転され得る。光の各量は、平行フィルタ光および垂直フィルタ光の量から計算され得る。
【0415】
内部反射光の量:
I内部反射光=2×I垂直
表面反射光の量:
I表面反射光=I平行−I垂直
全反射光の量:
I全反射光=I内部+I表面=I平行+I垂直
I直交:直交偏光フィルタを通過する光の量。
I平行:平行偏光フィルタを通過する光の量。
【0416】
【表17】
【0417】
【表18】
【0418】
【表19】
【0419】
プロセス:
1リットルのビーカー中で、相Bを、完全に可溶化するまで、撹拌しながら65℃で調製した。室温で、相FおよびGを調製した。相Aを、80℃で、主要なケトル中で完全に溶融させた。A2を加えた。5分間の混合の後、A3を撹拌しながら加えた。相Bを、激しい撹拌(エマルジョン)とともに、撹拌しながら(Rayneri)相Aに導入した。相Cを加えて、冷却し、希釈した。相DおよびEを加えた。氷浴で冷却を開始した。相F、G、HおよびIを最後に加えた。相Jを40℃で加えた。相Kを、Rayneriで最後に加えた。
【0420】
成分の量は、組成物の総重量に対する重量パーセンテージで表される。
【0421】
評価:
組成物6Bおよび6Cに対して、相Kを加えるのが難しいことから組成物6Aを作製するのは難しかった。多くの灰色の点が数分後に現われて塊になった。目視観察によると、得られた生成物は均質でなかった。
【0422】
比較例6Bと比較して、ヒドロキシステアリン酸エチルヘキシル中にオキシ塩化ビスマスを封入するマイクロカプセルを含有する本発明に係る実施例6Cは、より滑らかで、より爽やかで、より良好な真珠光沢のある明るい仕上がりで、7人の女性の審査員に化粧的に良好であるとみなされた。
【0423】
【表20】
【0424】
調製のプロトコル
1.相A1を、75℃で可溶化し、均質化した。
2.相A1を、ビーカー中で75℃に予め加熱された相Bに導入し、混合物を10分間撹拌した。
3.相Cを導入した。
4.相D(約40℃で、マグネチックバースターラーで予め混合された)を導入し、混合物を10分間撹拌した。
5.相Eを導入した。
6.相F(マグネチックバースターラーで1回予め混合された)をゆっくりと導入し、混合速度を低下させた(撹拌下で相を添加?)
7.30〜35℃)で相G(マグネチックバースターラーで予め混合された)を導入し、次に、相Hを導入し、その後、相Iを加えた。
8.グリセリン(相F2)とともに顔料(相F1)を三本ロールミルで粉砕した。
9.顔料のグラインドが均質になったら、水(相F3)を組み込んだ。
10.顔料を、5分間にわたって撹拌下で他の相を含むビーカーに導入した。
11.穏やかに撹拌しながら98%になるまで水を加えた。
12.相Gを、室温で、調製の最後に、および弱い撹拌下で導入した。成分の量は、組成物の総重量に対する重量パーセンテージで表される。
【0425】
実施例7Bの組成物は、7人の女性において組成物7Aと比較された。実施例7Bの組成物は、メイクアップ結果に関して満足のいくものであった。それは、比較例の組成物7Aより良好なカバー力、より均質なメイクアップ結果、改善された塗布可能時間および快適性を提供した。また、塊は、より少ない灰色の小さい点を伴い、より均質であった。