【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、請求項1の特徴を有する、圧延機スタンドのロール支持体内のロールを調節するための調節デバイスによって達成される。本発明の有利な形態は、それぞれの従属請求項で規定されている。
【0009】
本発明は、圧延機スタンドのロール支持体内のロールを調節するための調節デバイスであって、
調節デバイスが、ロール支持体に固定可能なシリンダハウジングと、シリンダハウジング内で並進移動可能となるようにガイドされるピストンと、を備え、
ピストンの位置が、連結ロッドに接続された移動距離測定デバイスを介して決定されることが可能であり、
連結ロッドがピストンに直接固定され、
ピストンが、移動距離測定デバイスに向かってピストン基部から延在するガイド要素を有し、連結ロッドがガイド要素に固定される、
調節デバイスに関する。
【0010】
本発明によれば、ガイド要素は、シリンダハウジングのガイド開口部内でガイドされ、連結ロッドのためのスライドガイドが設けられ、スライドガイドが、ロール支持体の孔における移動距離測定デバイスに面する端部に配置可能であることが規定される。
【0011】
連結ロッドとピストンとの直接接続の結果として、連結ロッドがピストンの移動に直接追従するので、バネ要素により連結ロッドに予め張力をかける必要はない。このように、測定デバイスは、連結ロッドを介してピストンに直接接続され、従って、測定結果を変える可能性がある要素がピストンと移動距離測定デバイスとの間に存在しない。
【0012】
例えば円形断面を有するピストンロッドとして構成されたガイド要素は、この場合、さらなるピストンガイドの一部として働き、このピストンガイドは、液圧シリンダのチッピングを防止し、全体として、ピストン基部に対して垂直な方向に又は液圧シリンダの長手軸に沿って延在する。連結ロッドが、ガイド要素におけるピストン基部の反対側に固定されているので、連結ロッドは、対応してより短い様式で実現されることができる。ここで、ガイド要素が、ピストン基部の中心に配置され、長手軸に関して対称に構成されることは有利である。しかしながら、別の変形実施形態では、連結ロッドが、ピストン基部に直接固定され、ガイド要素(設けられるのであれば)が、中空シリンダとして実現され、連結ロッドを取り囲むことも考えられる。
【0013】
ガイド要素を容易にガイドするため、従ってピストンガイドを可能とするために、本発明は、ガイド要素がシリンダハウジングのガイド開口部内でガイドされることを規定する。ガイド要素が、ガイド開口部を通ってシリンダハウジングから少なくとも部分的に突出するので、連結ロッドは、液圧シリンダの圧力チャンバの外部でガイド要素に固定され、従って、連結ロッド及び/又は移動距離測定デバイスの組立又は分解は、液圧シリンダを事前に分解することなく行われることができる。
【0014】
連結ロッドを孔内で中心合わせするため、かつ連結ロッドの径方向での偏位を防止するために、連結ロッドのためのスライドガイドが設けられ、スライドガイドがロール支持体の孔における移動距離測定デバイスに面する端部に配置可能である。
【0015】
本発明による調節デバイスの変形実施形態では、スライドブッシュが、ガイド開口部とガイド要素との間に配置され、ガイド要素が、前記スライドブッシュを通じてガイドされることが規定される。好ましくはプラスチック材料からなる、スライドブッシュ内でのガイド要素のガイドは、ピストンガイドをさらに向上させる。これは、ガイドが単にガイド開口部を通じて行われる場合と比較すると、摩擦効果が減少され、かつスライドブッシュが、必要な精度を有してコスト効率よく製造されるかもしくはさらに購入されることが可能であるためである。さらに、スライドブッシュは、シリンダハウジングから液圧流体が漏れることを防止するために密封機能も果たす。
【0016】
本発明の好ましい変形実施形態によれば、連結ロッドが、遊びのないネジ山接続を介してガイド要素に接続されていることが規定される。遊びのないネジ山接続は、通常、この場合、ネジ山付きの孔及びネジ山付きのピンからなり、ネジ山付きの孔がガイド要素の頂面に形成され、かつネジ山付きのピンが連結ロッドによって形成されることが特に有利であることが分かった。ネジ山接続の遊びのない性質は、連結ロッド自体が、移動距離測定デバイスの測定結果を変える、長手軸の方向でのネジ山のいかなる微小移動も生じることなくピストンの位置の小さい変化に直接追従することを保証する。ネジ山接続の解除を防止するために、ねじり防止手段、例えば軸方向保持器が、設けられることができ、これは、共通の長手軸周りでの連結ロッドのいかなる回転運動も防止する。ここで、ねじり防止手段が、連結ロッドに直接接続されるか、又はねじり防止手段が、ガイド要素に接続されることが考えられる。
【0017】
本発明のさらに好ましい変形実施形態は、移動距離測定デバイスが、動作状態においてブラケットにより、ロール支持体におけるシリンダハウジングの反対側において固定可能であることを規定する。移動距離測定デバイスが、シリンダハウジングから離間され、動作状態においてロール支持体の他側に固定されるので、移動距離測定デバイスの容易な組立及び設置可能性が提供される。これは、移動距離測定デバイスがシリンダハウジング自体内に配置されないためである。ここで、異なる用途の分野では、ロール支持体は、本発明による調節デバイスが取り付けられる任意の望ましいキャリア要素として理解されることは言うまでもない。ブラケットは、この場合、敏感な移動距離測定デバイスを保持する働きをし、例えばネジのような固定手段を介してロール支持体に固定可能である。
【0018】
調節デバイスが、しばしば、困難な周囲条件、例えば圧延ライン又は複合型圧延酸洗いラインで使用され、この条件では、空気が不純粒子により汚染されるので、さらに好ましい変形実施形態では、移動距離測定デバイスが、カバーフードによって環境から保護されることが規定される。このために、カバーフードは、プラスチック材料であって、利用場所に適した特性、例えば高い耐熱性、耐酸性又は耐アルカリ性を有する、プラスチック材料から、又は金属、例えばスチールもしくはステンレススチールから形成される。従って、カバーフードは、敏感な移動距離測定デバイスを汚染から、特に個体粒子又は液体の侵入から保護する。さらに、カバーフードは、移動距離測定デバイスを機械的損傷からも保護する。
【0019】
移動距離測定デバイスを収容するキャビティ内への非常に小さい不純粒子、特に液体の侵入を特に効果的に防止するために、本発明のさらに好ましい変形実施形態では、ブラケット又はカバーフードが、ポートを介して圧縮空気ラインに接続可能であり、これにより、ブラケット及びカバーフードによって形成されたキャビティ内に、環境と比較して増大された圧力を設定することを可能にすることが規定される。キャビティ内における0.1barから3barの間、好ましくは0.25barから1barの間、特に0.5barの陽圧の形成の結果として、非常に小さい異物がキャビティ内に侵入することが防止される。ブラケット又はカバーフードの任意の開口部が、陽圧を形成することを可能にするために、対応する様式で閉鎖又は密封されなければならないことは言うまでもない。
【0020】
本発明による調節デバイスの特に好ましい変形実施形態では、移動距離測定デバイスが、磁歪測定方法を介して位置を決定するように構成されていることが規定される。磁歪移動距離測定デバイスは、それ自体公知の測定要素であり、特に高い測定精度によって特徴づけられ、環境的影響、例えば温度、震動、衝撃及び振動に対してほとんど影響を受けない。この場合、磁歪移動距離測定デバイスは、通常、固定型基部と、光導波路と、可動型永久磁石と、機械的振動を電気的信号に変換するトランスデューサーと、を備えている。磁歪移動距離測定が特に有利であるが、両方の光学的、電子的及び磁歪測定方法が、ピストンの位置を決定するために考えられる。原理的に、移動距離測定デバイスは、上述した測定方法によれば、2つの測定要素を備え、これら測定要素は、互いに対する測定要素の相対移動を介してシリンダハウジングに対するピストンの位置を決定するために、互いに対して移動可能である。概して、測定要素の一方が、連結ロッドに接続されるか、又はこの場合には連結ロッドに取り付けられる。
【0021】
冒頭で述べた目的は、圧延機スタンドのロール支持体と、本発明による調節デバイスと、を有するシステムであって、シリンダハウジングがロール支持体に固定され、移動距離測定デバイスがロール支持体におけるシリンダハウジングの反対側に配置され、ピストン及び移動距離測定デバイスを接続する連結ロッドが、少なくとも部分的にロール支持体の孔を通じてガイドされ、連結ロッドのためのスライドガイドが、孔における移動距離測定デバイスに面する端部に配置されるシステムによっても達成される。冒頭ですでに述べたように、調節デバイスは、そのロバスト構成の理由で、圧延機スタンドのロール支持体で使用することに特に適している。この場合、調節デバイスは、通常、ロール支持体のクロス部材に取り付けられ、内部でピストンがガイドされるシリンダハウジングは、ロール支持体におけるロールに面する側に固定され、移動距離測定デバイスは、ロール支持体におけるロールから離れるように面する側に配置される。ピストンと移動距離測定デバイスとを接続する連結ロッドを受容することを可能とするために、ロール支持体に孔が形成され、孔は、有利には、ピストン及びシリンダハウジングが方向づけられる長手軸と同時上に延伸する。孔の結果として、シリンダハウジングが組み立てられた後に連結ロッドが孔に導入されることができるので、又は移動距離測定デバイスがシリンダハウジングから独立して組み立てられることができるので、調節デバイスの容易な設置も可能となる。孔内で連結ロッドの一部を受容する結果として、特にロール支持体におけるロールの反対側において調節デバイスの全高を減少させることも可能である。
【0022】
特に、ここでは、移動距離測定デバイスが、ロール支持体に直接固定されずにブラケットを介してロール支持体に固定され、これにより、ロール支持体上で実行されなければならない複雑な構造的手段なく、移動距離測定デバイスを容易に固定することが可能になることが、有利である。この場合、ブラケットは、移動距離測定デバイスに接続された連結ロッドの端部を受容する働きもする。従って、さらなる変形実施形態は、移動距離測定デバイスが、ブラケットを介して、例えばネジ接続を介してロール支持体に固定されることを規定する。
【0023】
孔内で連結ロッドを中心合わせするため、かつ連結ロッドの径方向での偏位を防止するために、連結ロッドのためのスライドガイドが、孔における移動距離測定デバイスに面する端部に配置されることが、規定される。この場合、スライドガイドは、好ましくは、プラスチック材料からなり、例えば環状様式で構成された、連結ロッドの表面とスライドガイドとの間のスライド摩擦がほとんどなく連結ロッドを線形ガイドすることを可能にする。
【0024】
本発明のさらに好ましい変形実施形態は、孔が、陥没孔として構成され、陥没孔が、部分的にシリンダハウジングに面する端部において反対側の端部よりも大きい直径を有し、これにより、ガイド要素を受容することを可能にすることを規定する。ガイド要素による良好なガイドを達成するために、ガイド要素は、可能な限り大きい直径を有するが、前記直径は、圧力チャンバ内で増大される圧力の理由で制限される。しかしながら、ガイド要素がシリンダハウジングから突出するので、対応して大きい直径を有する、孔の一部分によって対応する設置空間を作り出す必要があり、これにより、ピストンの移動は、ガイド要素によって妨害されない。逆に、径方向のガイド力がガイド要素によってすでに吸収されるので、連結ロッドは非常により小さい直径を有する。従って、孔によるロール支持体の弱化を可能な限り小さく維持するために、孔の残りの長さに沿う孔の直径は、より小さく、具体的に連結ロッドが通過させられることを可能にするのに十分に大きい。
【0025】
圧延機スタンドで本発明による調節デバイスを使用することは、特に有利である。圧延機スタンドのロールギャップを設定及び調整するために特に正確かつ信頼性のある位置データが必要とされるので、液圧シリンダの位置データを測定する、本発明によるロバスト性を有する移動距離測定デバイスの使用は、調整の複雑性を減少させると同時に生産品質の向上をもたらす。特に、連結ロッドとピストンとの直接接続の結果として、特にポジティブな相乗効果が生じる。従って、シリンダハウジングに接続された、ロール支持体に対する調節デバイス又はピストンの位置データの正確かつ偽りのない測定の結果として、ロールの送り移動又は復帰移動が正確に調整されることができる。従って、本発明は、圧延機スタンドのロール支持体での本発明による調節デバイスの使用であって、特にロールの送り移動又は復帰移動中のロール支持体に対するロールの位置決めが、移動距離測定デバイスによって継続的に測定された位置データを介して調整される、使用に関する。
【0026】
本発明をさらに説明するために、説明の以下の部分では図面が参照され、本発明のさらに有利な形態、細部及び発展は、図面からさらに得られる。図は、例示的なものであると理解されるべきであり、かつ本発明の特性を記載するよう意図されているが、本発明を限定するよう全く意図されておらず、まして網羅的ではない。