(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6644900
(24)【登録日】2020年1月10日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】金属ゲートを有するスプリットゲート不揮発性フラッシュメモリセル及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 27/11529 20170101AFI20200130BHJP
H01L 27/11521 20170101ALI20200130BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20200130BHJP
H01L 29/788 20060101ALI20200130BHJP
H01L 29/792 20060101ALI20200130BHJP
【FI】
H01L27/11529
H01L27/11521
H01L29/78 371
【請求項の数】15
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2018-542671(P2018-542671)
(86)(22)【出願日】2016年10月17日
(65)【公表番号】特表2018-533228(P2018-533228A)
(43)【公表日】2018年11月8日
(86)【国際出願番号】US2016057301
(87)【国際公開番号】WO2017078920
(87)【国際公開日】20170511
【審査請求日】2018年5月22日
(31)【優先権主張番号】62/250,349
(32)【優先日】2015年11月3日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/295,022
(32)【優先日】2016年10月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500147506
【氏名又は名称】シリコン ストーリッジ テクノロージー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SILICON STORAGE TECHNOLOGY, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100121979
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 吉信
(72)【発明者】
【氏名】スー チエン−シェン
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ フェン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ジェン−ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】トラン ヒュー ヴァン
(72)【発明者】
【氏名】ドー ニャン
【審査官】
加藤 俊哉
(56)【参考文献】
【文献】
特表2008−517464(JP,A)
【文献】
特表2014−522122(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0054050(US,A1)
【文献】
特開2008−041832(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0035039(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0035040(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/11529
H01L 21/336
H01L 27/11521
H01L 29/788
H01L 29/792
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリデバイスであって、
上表面を有するシリコン基板であって、
前記上表面が、前記シリコン基板のメモリセルエリアで平坦であり、
前記上表面が、前記シリコン基板の論理デバイスエリアで上向きに延在するシリコンフィンを含み、
前記シリコンフィンが、上方に延在し、かつ上面で終端する側面の対を含む、シリコン基板と、
前記論理デバイスエリアの論理デバイスであって、
前記シリコン基板に形成された離間した第1のソース領域及び第1のドレイン領域であって、それらの間に前記シリコン基板の第1のチャネル領域が延在し、前記第1のチャネル領域は前記上面及び前記側面の対に沿って延在する、第1のソース領域及び第1のドレイン領域と、
前記上面の上方に配設され、かつそこから絶縁され、そして前記側面の対に横方向に隣接して配設され、かつそこから絶縁された導電性論理ゲートと、を含む、論理デバイスと、
前記メモリセルエリア内のメモリセルであって、
前記シリコン基板に形成された離間した第2のソース領域及び第2のドレイン領域であって、それらの間に前記シリコン基板の第2のチャネル領域が延在する、離間した第2のソース領域及び第2ドレイン領域と、
前記第2のソース領域に隣接する第2のチャネル領域の第1の部分の上方に配設され、かつそこから絶縁された導電性浮遊ゲートと、
前記第2のドレイン領域に隣接する前記第2のチャネル領域の第2の部分の上方に配設され、かつそこから絶縁された導電性ワード線ゲートと、
前記導電性浮遊ゲートの上に配置され、かつそこから絶縁された導電性制御ゲートと、
前記第2のソース領域の上方に配設され、かつそこから絶縁された導電性消去ゲートと、を含むメモリセルと、を備える、メモリデバイス。
【請求項2】
前記導電性論理ゲートが、high−K材料層によって、前記上面から、及び前記側面の対から絶縁されている、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項3】
前記導電性論理ゲートが、金属から形成されている、請求項2に記載のメモリデバイス。
【請求項4】
前記導電性ワード線ゲートが、high−K材料層によって、前記第2のチャネル領域の前記第2の部分から絶縁されている、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項5】
前記導電性ワード線ゲートが、high−K材料層及び酸化物層によって、前記第2のチャネル領域の前記第2の部分から絶縁されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
メモリデバイスを形成する方法であって、
離間した第1のソース領域及び第1のドレイン領域を、シリコン基板のメモリセルエリアに形成することであって、それらの間に前記シリコン基板の第1のチャネル領域が延在する、形成することと、
前記第1のソース領域に隣接する前記第1のチャネル領域の第1の部分の上方に配設され、かつそこから絶縁された導電性浮遊ゲートを形成することと、
前記第1のドレイン領域に隣接する前記第1のチャネル領域の第2の部分の上方に配設され、かつそこから絶縁された導電性ワード線ゲートを形成することと、
前記導電性浮遊ゲートの上方に配設され、かつそこから絶縁された導電性制御ゲートを形成することと、
前記第1のソース領域の上方に配設され、かつそこから絶縁された導電性消去ゲートを形成することと、
前記導電性浮遊ゲート、前記導電性制御ゲート、前記導電性消去ゲート、及び前記導電性ワード線ゲートの上に材料の保護層を形成することと、
論理デバイスエリア内の前記シリコン基板の部分を除去することによって、前記シリコン基板の前記論理デバイスエリアで上向きに延在するシリコンフィンを形成することであって、
前記シリコンフィンが、上方に延在し、かつ上面で終端する側面の対を含み、
上向きに延在するシリコンフィンの前記形成が、前記導電性浮遊ゲート、前記導電性制御ゲート、前記第1のソース領域、前記導電性消去ゲート、前記導電性ワード線ゲート、及び前記保護層の形成の後に行われる、形成することと、
前記上面の上方に配設され、かつそこから絶縁され、そして前記側面の対に横方向に隣接して配設され、かつそこから絶縁された導電性論理ゲートを形成することと、
離間した第2のソース領域及び第2のドレイン領域を、シリコン基板の前記論理デバイスエリアに形成することであって、それらの間に前記シリコン基板の第2のチャネル領域が延在し、前記第2のチャネル領域が、前記上面と前記側面の対とに沿って延在する、形成することと、を含む方法。
【請求項7】
前記シリコンフィン及び前記導電性論理ゲートの前記形成の後に、前記保護層を除去することを更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のソース領域の前記形成が、前記保護層の前記形成の前に行われ、前記第1のドレイン領域の前記形成が、前記保護層の前記除去の後に行われる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記保護層の前記除去の後に、前記導電性ワード線ゲートの幅を縮小するためにエッチングを実施することを更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のドレイン領域の前記形成が、前記エッチングの前記実施の後に行われる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記導電性浮遊ゲートの前記形成及び前記導電性制御ゲートの前記形成が、
前記シリコン基板の前記メモリセルエリアの上方に、かつそこから絶縁された第1の導電性層を形成することと、
前記メモリセルエリアの前記第1の導電性層の上方に、かつそこから絶縁された第2の導電性層を形成することと、
前記第2の導電性層をエッチングして、前記第2の導電性層のブロックを前記第1の導電性層の上方に形成することと、
前記第1の導電性層をエッチングして、前記第1の導電性層のブロックを前記シリコン基板と前記第2の導電性層の前記ブロックとの間に形成することと、を含み、
前記第2の導電性層の前記ブロックが、前記導電性制御ゲートであり、前記第1の導電性層の前記ブロックが、前記導電性浮遊ゲートである、請求項6に記載の方法。
【請求項12】
前記導電性論理ゲートが、high−K材料層によって、前記上面から、及び前記側面の対から絶縁されている、請求項6に記載の方法。
【請求項13】
前記導電性論理ゲートが、金属から形成されている、請求項7に記載の方法。
【請求項14】
前記導電性ワード線ゲートが、high−K材料層によって、前記第1のチャネル領域の前記第2の部分から絶縁されている、請求項6に記載の方法。
【請求項15】
前記導電性ワード線ゲートが、high−K材料層及び酸化物層によって、前記第1のチャネル領域の前記第2の部分から絶縁されている、請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、選択ゲートと、浮遊ゲートと、制御ゲートと、消去ゲートとを有する不揮発性フラッシュメモリセルに関する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、参照により本明細書に組み込まれる、2015年11月3日出願の米国仮出願第62/250,349号の利益を主張するものである。
【背景技術】
【0003】
選択ゲート、浮遊ゲート、制御ゲート、及び消去ゲートを有するスプリットゲート不揮発性フラッシュメモリセルは、当該技術分野において周知である。例として、米国特許第6,747,310号及び同第7,868,375号を参照されたい。同じシリコンチップ上に論理デバイス(すなわち、低電圧及び/又は高電圧論理デバイス)を形成すること、並びに、その際にメモリデバイス及び論理デバイスの両方の部分を形成する(例えば、同じポリシリコン堆積プロセスを使用して、メモリセル及び論理デバイスの両方のためのゲートを形成する)ための、いくつかの処理工程を共有することも知られている。しかしながら、メモリセルを形成する他の処理工程は、以前に作製された論理デバイスに悪影響を及ぼし、かつその逆もあり得るので、両方の型のデバイスを同一ウェハ上に形成することは困難かつ複雑であり得る場合が多い。
【0004】
リソグラフィのサイズを縮小することによってチャネル幅を縮小することに伴う問題を解決するために、Fin−FET型の構造体がメモリセル構造体のために提案されている。Fin−FET型の構造体において、半導体材料のフィン形部材が、ソース領域をドレイン領域に接続する。フィン形部材は、上面と、2つの側面とを有する。ソース領域からドレイン領域への電流は、次に、フィン形部材の上面及び2つの側面に沿って流れることができる。したがって、チャネル領域の有効幅が増大し、これにより電流の流れが増大する。しかしながら、チャネル領域を2つの側面に「折り畳む」ことによって、より多くの半導体の占有面積を犠牲にすることなくチャネル領域の有効幅が増大し、これによりチャネル領域の「フットプリント」を小さくする。そうしたFin−FETを用いた不揮発性メモリセルが開示されている。従来技術のFin−FET型不揮発性メモリ構造体の幾つかの例としては、米国特許第7,423,310号、同第7,410,913号、及び同第8,461,640号が挙げられる。これらの先行技術文献の参照が企図していないものは、非Fin−FET型構成の不揮発性メモリセルと同じウェハ基板上に形成された論理デバイス用のFin−FET型構成である。
【発明の概要】
【0005】
上述の問題点及び必要性は、シリコン基板と、基板の論理デバイスエリアに形成された論理デバイスと、基板のメモリセルエリアに形成されたメモリセルとを含むメモリデバイスによって対処される。基板は、シリコン基板のメモリセルエリアに平坦な上表面を有し、シリコン基板の論理デバイスエリアに上方に延在するシリコンフィンを含む。シリコンフィンは、上方に延在し、かつ上面で終端する側面の対を含む。論理デバイスは、シリコン基板に形成された離間した第1のソース領域及び第1のドレイン領域であって、それらの間にシリコン基板の第1のチャネル領域が延在し、第1のチャネル領域が上面及び側面の対に沿って延在する、離間した第1のソース領域及び第1のドレイン領域と、上面の上方に配設され、かつそこから絶縁され、そして側面の対に横方向に隣接して配設され、かつそこから絶縁された導電性論理ゲートと、を含む。メモリセルは、シリコン基板に形成された離間した第2のソース領域及び第2のドレイン領域であって、それらの間にシリコン基板の第2のチャネル領域が延在する、離間した第2のソース領域及び第2のドレイン領域と、第2のソース領域に隣接する第2のチャネル領域の第1の部分の上方に配設され、かつそこから絶縁された導電性浮遊ゲートと、第2のドレイン領域に隣接する第2のチャネル領域の第2の部分の上方に配設され、かつそこから絶縁された導電性ワード線ゲートと、浮遊ゲードの上方に配設され、かつそこから絶縁された導電性制御ゲートと、第2のソース領域の上方に配設され、かつそこから絶縁された導電性消去ゲートと、を含む。
【0006】
メモリデバイスを形成する方法は、シリコン基板のメモリセルエリアの離間した第1のソース領域及び第1のドレイン領域を形成することであって、それらの間にシリコン基板の第1のチャネル領域が延在する、形成することと、第1のソース領域に隣接する第1のチャネル領域の第1の部分の上方に配設され、かつそこから絶縁された導電性浮遊ゲートを形成することと、第1のドレイン領域に隣接する第1のチャネル領域の第2の部分の上に配設され、かつそこから絶縁された導電性ワード線ゲートを形成することと、浮遊ゲートの上に配設され、かつそこから絶縁された導電性制御ゲートを形成することと、第1のソース領域の上に配設され、かつそこから絶縁された導電性消去ゲートを形成することと、浮遊ゲート、制御ゲート、消去ゲート、及びワード線ゲートの上に材料の保護層を形成することと、論理デバイスエリアのシリコン基板の部分を除去することによって、シリコン基板の論理デバイスエリアに上向きに延在するシリコンフィンを形成する(シリコンフィンは、上方に延在し、かつ上面で終端する側面の対を含み、上向きに延在するシリコンフィンの形成は、浮遊ゲート、制御ゲート、ソース領域、消去ゲート、ワード線ゲート、及び保護層の形成の後に行われる)ことと、上面の上方に配設され、かつそこから絶縁され、そして側面の対に横方向に隣接して配設され、かつそこから絶縁された導電性論理ゲートを形成することと、シリコン基板の論理デバイスエリアに離間した第2のソース領域及び第2のドレイン領域を形成することであって、それらの間にシリコン基板の第2のチャネル領域が延在し、第2のチャネル領域は上面及び側面の対に沿って延在する、形成することと、を含む。
【0007】
本発明の他の目的及び特徴は、明細書、請求項、添付図面を精読することによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】半導体基板のメモリセルエリアに不揮発性メモリセルを形成する工程を示す側断面図である。
【
図1B】半導体基板のメモリセルエリアに不揮発性メモリセルを形成する工程を示す側断面図である。
【
図1C】半導体基板のメモリセルエリアに不揮発性メモリセルを形成する工程を示す側断面図である。
【
図1D】半導体基板のメモリセルエリアに不揮発性メモリセルを形成する工程を示す側断面図である。
【
図1E】半導体基板のメモリセルエリアに不揮発性メモリセルを形成する工程を示す側断面図である。
【
図1F】半導体基板のメモリセルエリアに不揮発性メモリセルを形成する工程を示す側断面図である。
【
図1G】半導体基板のメモリセルエリアに不揮発性メモリセルを形成する工程を示す側断面図である。
【
図1H】半導体基板のメモリセルエリアに不揮発性メモリセルを形成する工程を示す側断面図である。
【
図1I】半導体基板のメモリセルエリアに不揮発性メモリセルを形成する工程を示す側断面図である。
【
図2】論理デバイス形成の開始時の半導体基板の論理デバイスエリアを示す側断面図である。
【
図3A】半導体基板のメモリセルエリアに不揮発性メモリセルを形成する工程を示す側断面図である。
【
図3B】半導体基板のメモリセルエリアに不揮発性メモリセルを形成する工程を示す側断面図である。
【
図3C】半導体基板のメモリセルエリアに不揮発性メモリセルを形成する工程を示す側断面図である。
【
図3D】半導体基板のメモリセルエリアに不揮発性メモリセルを形成する工程を示す側断面図である。
【
図3E】半導体基板のメモリセルエリアに不揮発性メモリセルを形成する工程を示す側断面図である。
【
図3F】半導体基板のメモリセルエリアに不揮発性メモリセルを形成する工程を示す側断面図である。
【
図3G】半導体基板のメモリセルエリアに不揮発性メモリセルを形成する工程を示す側断面図である。
【
図3H】半導体基板のメモリセルエリアに不揮発性メモリセルを形成する工程を示す側断面図である。
【
図3I】半導体基板のメモリセルエリアに不揮発性メモリセルを形成する工程を示す側断面図である。
【
図3J】半導体基板のメモリセルエリアに不揮発性メモリセルを形成する工程を示す側断面図である。
【
図4A】半導体基板の論理デバイスエリアに論理デバイスを形成する工程を示す側断面図である。
【
図4B】半導体基板の論理デバイスエリアに論理デバイスを形成する工程を示す側断面図である。
【
図4C】半導体基板の論理デバイスエリアに論理デバイスを形成する工程を示す側断面図である。
【
図4D】半導体基板の論理デバイスエリアに論理デバイスを形成する工程を示す側断面図である。
【
図4E】半導体基板の論理デバイスエリアに論理デバイスを形成する工程を示す側断面図である。
【
図4F】半導体基板の論理デバイスエリアに論理デバイスを形成する工程を示す側断面図である。
【
図4G】半導体基板の論理デバイスエリアに論理デバイスを形成する工程を示す側断面図である。
【
図4H】半導体基板の論理デバイスエリアに論理デバイスを形成する工程を示す側断面図である。
【
図4I】半導体基板の論理デバイスエリアに論理デバイスを形成する工程を示す側断面図である。
【
図4J】半導体基板の論理デバイスエリアに論理デバイスを形成する工程を示す側断面図である。
【
図4K】半導体基板の論理デバイスエリアに論理デバイスを形成する工程を示す側断面図である。
【
図4L】半導体基板の論理デバイスエリアに論理デバイスを形成する工程を示す側断面図である。
【
図4M】半導体基板の論理デバイスエリアに論理デバイスを形成する工程を示す側断面図である。
【
図4N】半導体基板の論理デバイスエリアに論理デバイスを形成する工程を示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1A〜
図1Iを参照すると、シリコンウェハ基板のメモリセルエリア2にメモリセルの対を作製するプロセスにおける工程の断面図が示されている。本プロセスは、基板10(例えば、P型単結晶シリコン)の上に、二酸化(酸化)シリコン12の層を形成することから始まる。その後、
図1Aに示すように、二酸化シリコンの層12の上に、ポリシリコン(又はアモルファスシリコン)の第1の層14が形成される。ポリシリコンの第1の層14は、次いで、マスキングフォトリソグラフィプロセスを使用して、
図1Aのビューに対して垂直の方向にパターニングされる。
【0010】
ポリシリコンの第1の層14の上に、二酸化シリコン(又は、ONO(酸化物、窒化物、酸化物)などの複合層)などの別の絶縁層16が形成される。次に、酸化物層16の上に、ポリシリコンの第2の層18が形成される。ポリシリコンの第2の層18の上に、別の絶縁層20が形成される。これは、その後のドライエッチングにおいてハードマスクとして使用される。好ましい実施例では、層20は、窒化ケイ素20aと、二酸化ケイ素20bと、窒化ケイ素20cとを含む複合層である。この結果得られた構造を
図1Bに示す。ハードマスク20は、代わりに、二酸化ケイ素20bと窒化ケイ素20cとの複合層であってもよい。あるいは、このハードマスク20は、厚い窒化ケイ素層20aのみで形成されたものであってもよい。
【0011】
フォトレジスト材料(図示せず)が構造体上に塗布され、フォトレジスト材料の選択された部分を露出させるマスキング工程が行われる。フォトレジストは現像され、そのフォトレジストをマスクとして使用して、構造体に対するエッチングが行われる。具体的には、ポリシリコンの第1の層14が露出するまで、複合層20、ポリシリコンの第2の層18、及び絶縁層16に対して異方性エッチングが行われる。この結果得られたメモリセル積層体の構造体を
図1Cに示す。2つの「積層体」(S1及びS2)のみが示されているが、互いに分離したこのような「積層体」の対が多数存在することは明らかである。
【0012】
構造体上に、二酸化シリコン22が形成される。次いで、窒化ケイ素層24が形成される。窒化ケイ素24は、積層体S1及びS2のそれぞれに沿って、(二酸化シリコン22及び窒化ケイ素24の混合である)複合スペーサ26を残すように異方性エッチングされる。スペーサの形成は、当該技術分野において既知である。その形成においては、構造体の輪郭上に材料を堆積した後、異方性エッチング処理が行われる。その結果、その材料は、構造体の水平面からは除去され、構造体(丸みを帯びた上表面を有することが多い)の垂直配向面上においては大部分がそのまま残存する。この結果得られた構造体を
図1Dに示す。
【0013】
構造体の上方に酸化物の層が形成される。次いで、酸化物のスペーサ30を残すように、積層体S1及びS2に沿って異方性エッチングが行われる。フォトレジスト28が、積層体S1とS2との間の領域の上方、並びに交互配置された積層体S1及びS2の他の対同士の間の領域の上方に形成される。本明細書で使用するとき、対となる積層体S1及びS2の間の領域を「内側領域」と呼び、内側領域の外側の領域(すなわち、隣接する積層体S1及びS2の対同士の間)を「外側領域」と呼ぶ。外側領域において露出しているスペーサ30が、等方性エッチングによって除去される。この結果得られた構造体を
図1Eに示す。
【0014】
フォトレジスト28が除去された後、内側領域及び外側領域の中の第1のポリシリコン14の露出部分が異方性エッチングされ、各積層体S1/S2にポリシリコン14のブロックを残す。酸化物層12の一部も、ポリオーバーエッチング中にエッチング(除去)される。好ましくは、基板10の損傷を防止するために、残存酸化物の薄い層が基板10上に滞留する。この結果得られた構造体を
図1Fに示す。
【0015】
構造体上方に酸化物の層が形成され、次いで、積層体S1及びS2に沿って酸化物のスペーサ31と、基板10の上に酸化物の層33とを残すように、異方性エッチングが行われる。別の酸化物層が構造体上に形成され、スペーサ31及び層33が厚化される。フォトレジスト材料32が、次いでコーティング及びマスキングされ、積層体S1とS2との間の内側領域に開口を残す。この結果得られた構造体は、基板にソース領域34を形成するために、イオンインプラント(すなわち、内側領域の基板10の露出部分)を受ける。次に、積層体S1及びS2に隣接する酸化物スペーサ31及び内側領域の酸化物層33が、ウェットエッチングなどによって除去される。この結果得られた構造体を
図1Gに示す。
【0016】
積層体S1及びS2の外側領域のフォトレジスト材料32が除去される。高温熱アニール工程を行うことにより、イオンインプラントを活性化してソース領域34の形成を完了させる。その後、二酸化シリコン36が、至る所に形成される。この構造体は、再度フォトレジスト材料38によって覆われる。そして、積層体S1及びS2の外側領域を露出させ、かつ、積層体S1とS2との間の内側領域を覆うフォトレジスト材料38を残すように、マスキング工程を行う。酸化物異方性エッチングが行われ、次いで等方性ウェットエッチングが行われる。その結果、積層体S1及びS2の外側領域から酸化物36及び酸化物33が除去される。また、積層体S1及びS2の外側領域の酸化物スペーサ31の厚さが低減されることもある。この結果得られた構造体を
図1Hに示す。選択的に、基板のソース領域34部分が酸化されてソース領域34の上の基板上の酸化物を厚化してもよい。
【0017】
絶縁層40はこの構造体上に形成される。好ましくは、絶縁層40は、界面層(IL)として薄い酸化物からなる第1の層と、high−K材料(すなわち、HfO
2、ZrO
2、TiO
2、Ta
2O
5、その他の適切な材料などの酸化物の誘電率を超える誘電率Kを有する)からなる第2の層とを含む。ILの厚さは、スプリットゲートフラッシュセルの選択ゲートに対応する異なる閾値電圧を得るために変えてもよい。ゲート誘電体上の水分制御を向上させるために、任意の熱処理を続けて行ってもよい。TiN、TaN、TiSiNなどのキャッピング層は、(high−K材料上で、後続の処理工程においてそれを損傷から保護するために)絶縁層40に含まれてもよい。フォトレジスト38が除去された後、ポリシリコンが構造体上に堆積され、次いで、CMPエッチングが行われ、その結果、積層体S1及びS2の内側領域にポリシリコン層のブロック42aと、積層体S1及びS2の外側領域にポリシリコンのブロック42bとが生じる。この結果得られた構造体が
図1Iに示され、各メモリセルに対して、ポリブロック42aが消去ゲートを構成し、ポリブロック42bがワード線ゲートを構成し、酸化物20がハードマスクHMとして機能し、ポリブロック18が制御ゲートを構成し、ポリブロック14が浮遊ゲートを構成する。
【0018】
メモリエリアの消去ゲート及びワード線ゲート42a/42bを形成するためのポリ堆積及びCMPエッチングはまた、
図2に示されるように、ウェハの論理デバイスエリア4(コア論理エリア及び非コア論理エリアを含む)の酸化物50上のポリシリコンのブロック42cを形成する。
【0019】
図3A〜
図3Jは、ウェハのメモリセルエリア2のメモリセルの連続処理を示しており、
図4A〜
図4Nは、ウェハの論理デバイスエリア4の処理(論理デバイスを形成する)を示す。
図3A及び
図4Aに示すように、酸化物層52が、メモリセルエリア2及び論理デバイスエリア4の構造体上方に形成される。この酸化物層は、メモリセルエリア2を後続の論理デバイスエリアの処理から保護する。論理デバイスエリア4を露出させたまま、フォトレジスト54がメモリセルエリア2の上方に形成される。酸化物及びポリシリコンのエッチングが次に行われ、
図3B及び
図4Bに示すように、論理デバイスエリア4の酸化物52/50及びポリ42c層を除去し、裸の基板10をそのまま残す。ポリエッチングは等方性であり、酸化物エッチングは湿式(DHF又はBOEなど)であってもよい。フォトレジスト54を除去した後、窒化物層56は、
図3C及び
図4Cに示すように、メモリデバイスエリア及び論理デバイスエリア2及び4の両方に堆積させる。
【0020】
フォトレジスト58の形成及びパター二ングで開始するシリコンフィン形成が、次に、論理デバイスエリア4で行われて、論理デバイスエリア4のフォトレジストの薄いフィン部分を画定する。下にある窒化物56の露出部分は、次に、
図4Dに示すように、窒化物エッチングによって除去され、窒化物56の薄いフィンを残す。窒化物層56のフィンパターンは、図示されるようにフォトリソグラフィによって形成されることが好ましいが、代わりに、自己整合ダブルパターニング(SADP)又は側壁イメージ転写(SIT)などの他の技術によって形成されてもよい。フォトレジスト58が除去された後、シリコンエッチングが行われ、
図4Eに示されるように(窒化物56がハードマスクとして使用される)、トレンチ60を基板10の露出部分に形成し、シリコン10aの薄いフィンをシリコン10の新たに窪んだ表面から上方に延在させ、かつシリコン基板10に新たに形成されたトレンチ60によって互いに分離させたままにする。シリコンエッチングは、湿式又は乾式であってもよく、TMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)であってもよい。
【0021】
CMPエッチストップとして窒化物56を使用するSTI酸化物堆積(例えば、TEOS)及びCMPエッチングは、
図4Fに示すように、隣接するシリコンフィン部分10aと窒化物ブロック56との間のトレンチ60を充填するSTI絶縁62を形成する。酸化物エッチング(湿式又は乾式)が次に使用されて、STI酸化物62をシリコンフィン10a間のトレンチ60の底部近傍まで窪ませる。次に
図4Gに示されるように、酸化物62を介して、及び隣接するフィン構造体10a間の基板10の中にアンチパンチスルーインプラントが行われる。インプラントは、隣接するフィン構造体10aと、コア論理エリア及び非コア論理エリアの間の境界との間にパンチスルーストッパを形成する。
【0022】
次に、
図3D及び
図4Hに示すように、窒化物エッチング(例えば、熱リン酸)を使用して、窒化物56をメモリエリア2及び論理デバイスエリア4から除去する。high−K材料層64が、次に、構造体上に堆積され(例えば、原子層堆積−ALD又は有機金属化学気相堆積−MOCVDによって)、
図4Iに示すように、次いで金属材料層66が堆積される。high−K層及び金属層64及び66をメモリセルエリア2から除去するCMPエッチングが行われる。次に
図3E、
図4J及び
図4Kに示すように、窒化物層68(ハードマスクとして機能する)が構造体上方に堆積される(
図4Kは、
図4Jに関連する論理デバイスエリア4の正射影図である)。アモルファスシリコン層はまた、ハードマスクとして使用されてもよい。DARC(誘電体反射防止コーティング)の薄い層が、次に、堆積される(フォトリソグラフィのためのARC層として)。マスキング工程を使用して、論理デバイスエリアのゲートエリアをフォトレジストで画定する。
図4L及び
図4M(フォトレジスト除去後)に示すように、エッチングを使用して論理デバイスエリア4の窒化物68、金属66及びhigh−K層64の露出部分を除去する。このエッチングは、導電性でかつ絶縁体で覆われ、そしてシリコンフィン構造体10aの上面及び側面に沿って延在する論理ゲート70を画定する。
【0023】
メモリセルエリア2の処理は、マスキング工程(メモリエリア2を露出させたままで、論理デバイスエリア4をフォトレジストで覆う)で継続され、次いで
図3Fに示すように、窒化物層及び酸化物層68及び52を除去するための窒化物及び酸化物エッチング、並びに消去ゲートポリ42a及びワード線ゲートポリ42bを窪ませるためのポリエッチングが行われる。マスキング工程を使用して、メモリセル積層体の対をフォトレジスト72で覆い、ワード線ゲートポリ42bの外縁部を画定し、次いでポリ異方性エッチングが行われ、結果として
図3Gの構造体が得られる。露出された基板部分へのLDDインプラントが行われ、
図3Hに示すように、BL(N+)接合がLDD(N−)接合でワード線ゲート42bをアンダーラップさせるLDD領域73を形成する。
【0024】
フォトレジストを除去した後、窒化物堆積及びエッチングが行われ、
図3Iに示すように、ワード線ポリゲート42bに沿ってかつハードマスク20に沿って窒化物スペーサ74を形成する(ハードマスク20の上表面を下げながら)。N+インプラント及び熱活性化が行われ、窒化物スペーサ74に隣接してN+接合(ドレイン領域)76を形成する。この同じ又は異なるインプラントが行われ、論理デバイスエリア4にソース領域及びドレイン領域90及び92を形成してもよい。構造体は絶縁体(ILD)78で覆われており、その中にコンタクトホール80がマスキング及びエッチングプロセスによって形成される。金属が、次に、堆積されて、ILD78を通ってドレイン領域76まで延在する金属コンタクト82を形成し、金属ビット線84によって共に連結される。金属コンタクトはまた、SL、EG及びWLストラッピング領域に形成されて、電気的な動作(プログラム、消去及び読み出しなど)のためにそれらを外部回路に接続する。FinFET論理デバイスのコンタクト形成は、メモリセルエリアとは異なる方法で行われる。例えば、n−FinFETデバイスでは、隆起したソース及びドレインのインサイチュードーピングを使用して、コンタクトを形成してもよい。p−FinFETの場合、チャネルに圧縮応力を誘導するソース及びドレインのeSiGeが使用されてもよい。自己整合コンタクトは、金属ゲートを窪ませることによって形成され、窒化物及び酸化物などのキャッピング層を追加し、次いでCMP平坦化及びコンタクトパターニングが行われる。最終的に得られた構造体を
図3J及び
図4Nに示す。
【0025】
図3Jに示すように、ソース領域及びドレイン領域34及び76は、それらの間の基板にチャネル領域86を画定する。浮遊ゲート14は、チャネル領域86の第1の部分の上方に配設され、かつそれを制御し、ワード線ゲート42bは、チャネル領域86の第2の部分の上方に配設され、かつそれを制御する。制御ゲート18は浮遊ゲート14の上方に配設され、消去ゲート42aはソース領域34の上方に配設される。
図4Nに論理エリアに図示されるように、ソース領域及びドレイン領域90及び92は、チャネル領域94をそれらの間に画定し、チャネル領域94は、フィン構造体10aの上部に沿って延在する上面部分と、フィン構造体10aの側部に沿って延在する側面部分とを含む。論理ゲート70は、チャネル領域94aの上面部分の上方に配設され、かつチャネル領域94aの側面部分の横方向に隣接する。
【0026】
上述したメモリデバイスの方法及び構造は、平坦なメモリセル(すなわち、基板の平坦な領域上に形成されるメモリセル)の利点(操作性能が高く、製造が容易である)を、非平面論理デバイス(すなわち、シリコンフィン構造体の周囲に形成された論理デバイス)の利点(埋込み論理とメモリデバイスとの高度な組み合わせ)と共に提供する。
【0027】
本発明は、上述の、及び本明細書に例示の実施形態(複数可)に限定されないことが理解されよう。例えば、本明細書で本発明に言及することは、任意の請求項又は請求項の用語の範囲を限定することを意図されておらず、その代わり、単に、1つ以上の請求項によって網羅され得る1つ以上の特徴に言及するものである。上述の材料、プロセス、及び数値例は、単なる例示であり、請求項を限定するものと見なされるべきではない。更に、特許請求の範囲及び明細書から明らかであるように、全ての方法工程が例証又は特許請求される正確な順序で行われる必要はないが、むしろ本発明のメモリセル及び論理デバイスの適切な形成を可能にする任意の順序で(任意の順序で明示的に列挙された制限がない限り)行われる。最後に、単一層の材料をそのような又は同様の材料の複数層として形成することができ、逆もまた同様である。
【0028】
本明細書で使用される場合、「の上方に(over)」及び「の上に(on)」という用語は両方とも、「の上に直接」(中間材料、要素、又は空間がそれらの間に何ら配設されない)、及び「の上に間接的に」(中間材料、要素、又は空間がそれらの間に配設される)を包括的に含むことに留意するべきである。同様に、「隣接した」という用語は、「直接隣接した」(中間材料、要素、又は空間がそれらの間に何ら配設されない)、及び「間接的に隣接した」(中間材料、要素、又は空間がそれらの間に配設される)を含み、「に取付けられた」は、「に直接取付けられた」(中間材料、要素、又は空間がそれらの間に何ら配設されない)、及び「に間接的に取付けられた」(中間材料、要素、又は空間がそれらの間に配設される)を含み、「電気的に結合された」は、「に直接電気的に結合された」(要素を一緒に電気的に連結する中間材料又は要素がそれらの間にない)、及び「間接的に電気的に結合された」(要素を一緒に電気的に連結する中間材料又は要素がそれらの間にある)を含む。例えば、要素を「基板の上方に」形成することは、その要素を基板の上に直接、中間材料/要素をそれらの間に何ら伴わずに、形成すること、並びにその要素を基板の上に間接的に、1つ以上の中間材料/要素をそれらの間に伴って、形成することを含み得る。