特許第6644931号(P6644931)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6644931インバート用の型取りゲージ、および、それを利用したインバート桝の更生方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6644931
(24)【登録日】2020年1月10日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】インバート用の型取りゲージ、および、それを利用したインバート桝の更生方法
(51)【国際特許分類】
   E03F 5/10 20060101AFI20200130BHJP
   E03F 3/04 20060101ALI20200130BHJP
   E02D 29/12 20060101ALI20200130BHJP
【FI】
   E03F5/10 Z
   E03F3/04 A
   E03F5/10 A
   E02D29/12 B
【請求項の数】6
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2019-110056(P2019-110056)
(22)【出願日】2019年6月13日
【審査請求日】2019年6月13日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】319002865
【氏名又は名称】ベストコンストラクション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083437
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 實
(72)【発明者】
【氏名】鈴 木 賢 司
【審査官】 中村 圭伸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−154077(JP,A)
【文献】 特開2005−155122(JP,A)
【文献】 特開2012−197663(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 29/12
E03F 5/02
E03F 5/10
E03F 3/04
E03F 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
更生対象となるインバート桝の筒状内壁の最小直径より小さな外径とする既成樹脂管の軸心に直交する方向に切断された場合の形状および寸法に設定された環状枠を有し、該環状枠の周方向に沿って等間隔を隔てた複数箇所の夫々に、該環状枠の軸心に平行な装着孔が設けられ、それら複数の装着孔の夫々に対し、直線棒状であって、当該インバート桝の排水管口を含むインバートに向けて露出することとなるゲージ端を有したゲージ棒が、該環状枠の軸心に平行する姿勢となり、進退自在に縦貫されると共に、該環状枠に、各ゲージ棒の進退を停止位置に仮固定可能な仮止め機構が設けられた上、該環状枠から、各ゲージ棒のゲージ端とは反対がわに延伸された吊下機構が設けられてなるものとされたことを特徴とするインバート用の型取りゲージ。
【請求項2】
更生対象となるインバート桝の筒状内壁の最小直径より小さな外径とする既成樹脂管の軸心に直交する方向に切断された場合の形状および寸法に設定された環状枠を有し、該環状枠の周方向に沿って等間隔を隔てた複数箇所の夫々に、該環状枠の軸心に平行な装着孔が設けられ、それら複数の装着孔の夫々に対し、直線棒状であって、当該インバート桝の排水管口を含むインバートに向けて露出することとなるゲージ端を有したゲージ棒が、該環状枠の軸心に平行する姿勢となり、進退自在に縦貫されると共に、該環状枠に、各ゲージ棒の進退を停止位置に仮固定可能な仮止め機構が設けられた上、該環状枠から、各ゲージ棒のゲージ端とは反対がわに延伸された吊下機構が設けられ、該環状枠が、当該インバート桝内に、当該インバート桝の筒状内壁と同心上に吊り下げられ、各ゲージ棒のゲージ端が、排水管口を含むインバートの上面壁に当接されるまで個別に押し下げ操作された場合に、該環状枠の直下に対応する排水管口を含むインバートの上面壁形状を型取り可能なものとされたことを特徴とするインバート用の型取りゲージ。
【請求項3】
ゲージ棒のゲージ端とは反対がわであって環状枠の装着孔から露出する端に、該装着孔に対し脱落不能に係合する形状とされた制限端が設けられた、請求項1または請求項2何れか一記載のインバート用の型取りゲージ。
【請求項4】
ゲージ棒が、直線棒状の胴部と、ゲージ端としてのねじ部と、制限端としての頭部およびエルボ部とを有してなる既成の自転車用スポークである、請求項3記載のインバート用の型取りゲージ。
【請求項5】
更生対象となるインバート桝の内壁を清掃し、請求項1ないし請求項4何れか一記載の型取りゲージを用いて排水管口を含むインバートの上面壁形状を型取りし、インバート形状を型取りした該型取りゲージから型紙を起こし、更生対象となるインバート桝の筒状内壁の最小直径よりも小径となる外径の既成樹脂管の設置の際の縦姿勢における下端の近傍の筒状内・外周壁の少なくとも何れか一方に該型紙を貼り付け、該既成樹脂管の設置の際の縦姿勢における下端の、該型紙より露出した余となる部分を切除してから型紙を除去し、該既成樹脂管の設置の際の縦姿勢における下端をインバート接合端とし、更生対象となるインバート桝の排水管口を含むインバートの漏水箇所を防水補修し、更生対象となるインバート桝の排水管口に対しスペーサを装着し、該既成樹脂管を、該既成樹脂管の中心が、更生対象となるインバート桝の筒状内壁の中心に一致するよう縦姿勢に配置されると共に、該既成樹脂管のインバート接合端が、スペーサを含む更生対象となるインバート桝のインバートの上面壁に接合するよう設置した上、更生対象となるインバート桝の筒状内壁、スペーサの上面壁、インバートの上面壁、および、該既成樹脂管の筒状外壁との間の筒状の空隙中に充填材部を充填、養生し、更生対象となるインバート桝の排水管口からスペーサを取り除き、更生対象となるインバート桝内に縦姿勢に一体化された該既成樹脂管の余となる上端を、更生後のインバート桝の蓋勾配に合わせて切除し、該既成樹脂管から更生用樹脂管が製造されたものとし、該更生用樹脂管の上端開口に開閉蓋を着脱自在に装着するようにしてなる、請求項1ないし請求項4何れか一記載の型取りゲージ利用したインバート桝の更生方法。
【請求項6】
更生対象となるインバート桝の内壁を高圧洗浄機にて清掃し、請求項1ないし請求項4何れか一記載の型取りゲージを用いて排水管口を含むインバートの上面壁形状を型取りし、インバート形状を型取りした該型取りゲージから型紙を起こし、更生対象となるインバート桝の筒状内壁の最小直径よりも小径となる外径の既成樹脂管の設置の際の縦姿勢における下端の近傍の筒状内・外周壁の少なくとも何れか一方に該型紙を貼り付け、該既成樹脂管の設置の際の縦姿勢における下端の、該型紙より露出した余となる部分を切除してから型紙を除去し、該既成樹脂管の設置の際の縦姿勢における下端をインバート接合端とし、更生対象となるインバート桝の排水管口を含むインバートの漏水箇所を防水補修し、更生対象となるインバート桝の排水管口に対し、中空弾性体からなるバルーン型スペーサを装着し、該排水管口の内径に一致する外径となるまで該バルーン型スペーサに流体を充填して排水管口を止水し、該既成樹脂管を、該既成樹脂管のインバート接合端の、更生対象となるインバート桝の排水管口に対応する箇所を除く端に沿って止水パッキンを貼着し、該既成樹脂管の中心が、更生対象となるインバート桝の筒状内壁の中心に一致するよう縦姿勢に配置されると共に、該既成樹脂管の該止水パッキンが貼着されたインバート接合端が、バルーン型スペーサを含む更生対象となるインバート桝のインバートの上面壁に接合するよう設置した上、更生対象となるインバート桝の筒状内壁、バルーン型スペーサの上面壁、インバートの上面壁、および、該既成樹脂管の筒状外壁との間の筒状の空隙中に、充填材部を充填、養生し、バルーン型スペーサから流体を排出して収縮させ、更生対象となるインバート桝の外に取り出して排水管口の止水を解除し、更生対象となるインバート桝の蓋勾配に合わせて、更生対象となるインバート桝内に縦姿勢に設置された該既成樹脂管の余となる上端を、更生後のインバート桝の蓋勾配に合わせて切除し、該既成樹脂管から更生用樹脂管が製造されたものとし、該更生用樹脂管の上端開口に開閉蓋を着脱自在に装着するようにしてなる、請求項1ないし請求項4何れか一記載の型取りゲージ利用したインバート桝の更生方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、老朽化した既設のインバート桝を更生する技術に関連するものであり、特に、更生の対象となる既設のインバート桝を改修する際に必要となる、更生用の素材や部品類、それらを用いて更生インバート桝に改修、提供する分野は勿論のこと、それらの素材類などの輸送、保管、組み立ておよび利用に必要となる設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野などの外、現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
【背景技術】
【0002】
(着目点)
一般的な下水道9は、図19に示すように、建築物93を管理する個人が、その宅内に設置した排水設備9aの排水管9bの末端に、該宅内に公共下水道9dの一部として設置された公共汚水桝90が接続され、該公共汚水桝90は、取り付け管9eを介して道路9fに整備された下水道本管9gに接続されるようにしたものとなっており、該公共汚水桝90は、下水道9の設置が開始された当初から近年まで、コンクリート製のインバート桝90が設置されてきており、こうした従来型のコンクリート製インバート桝90は、設置から相当の年数が経過し、著しく老朽化が進んでしまったものが多く存在しており、インバート桝90の筒状壁91やインバート92、排水管口9cとの接続部などに割れや、亀裂が生じ、雨水や地下水などが下水道に浸入したり、木の根や土砂などが侵入するなどして排水管口9cが閉塞してしまったり、汚水Wが地下や地上に流出してしまったりする虞が高まってきており、このように老朽化したコンクリート製インバート桝90から塩化ビニル製のインバート桝90への布設替が、快適な住環境の維持に不可欠なものとなっている。
【0003】
しかしながら、既存のインバート桝90には、設置当初において布設替の作業性などを考慮せずに家や塀などの建築物に近接して設置されていて、重機が入れないような狭い場所に位置したり、設置後の増改築や、近隣に建築物や道路などの新たな施設が建設されてしまったりするなどの様々な事情により、老朽化したコンクリート製インバート桝90を掘り起こして撤去し、新たな塩化ビニル製のインバート桝90を設置することが容易にはできないことがあり、こうした場合には、多くの時間と労力および多大な費用を費やしてインバート桝90の布設替を行わざるを得なかったという問題があった。
【0004】
(従来の技術)
こうした状況を反映し、その打開策となるような提案もこれまでに散見されない訳ではない。
例えば、下記の特許文献1(1)に提案されているものに代表されるように、縦内周面が平板形状であり、人孔底面と縦内周面との角部が直線状である老朽化した人孔の内周面と、繊維強化合成樹脂製のライニング板との間に裏込め材を充填する人孔内周面の更生工法であって、上記ライニング板に、頂上が平らな円錐形の突起部が人孔内周面側に突出して設けられ、突起部頂上の中央に穿孔機で貫通孔が開けられて人孔内周面にアンカーナット又はアンカーボルトが設けられ、止水リングを介してアンカーボルト又はアンカーナットが螺結され、ライニング板と人孔内周面との間に突起部の突出高さだけの隙間を有するようにライニング板が人孔内周面に固定され、上記隙間に未硬化の液状モルタルを充填して硬化させ、繊維強化樹脂製のライニング板自体の一部に円錐台形状の突起部が設けられ、突起部の高さによってライニング板と老朽化した既設人孔の内周面との間に隙間が設けられるので、スペーサを使わずに液状モルタル等で裏打ちでき、工事手間が掛からなくなるという効果が得られるようにした人孔内周面の更生工法がある。
【0005】
また、同特許文献1(2)に見られるような、蓋を嵌め入れる上縁のフランジ部が地面とほぼ面一の状態で埋設された公共汚水桝の改修方法であって、前記既設の公共汚水桝の内方に該桝の外形より小さく且つ全体が一体構成の新たな公共汚水桝を設置する桝新設工程と、該工程で設置した新設桝と既設の公共汚水桝との間における空隙の下部領域に、コンクリート・モルタル類を打設して前記空隙の下部にベース施工を行う底形成工程と、該工程で形成した底から地表寄り部分に至る空間にコンクリート・モルタル類からなる充填材を入れて前記底の上側に中層を形成する中層形成工程と、該工程で形成した中層の充填材上側に、土やコンクリート・モルタル類等の地表材を積層して地面と面一に連なる地表を形成する地表形成工程とからなり、且つ前記新設の公共汚水桝の上縁が地表とほぼ面一となるものとし、既設の公共汚水桝を撤去する必要がなく、また撤去した桝を廃棄処分するということも不要となり、改修工事にあたっては、重機等の土木機械も不要であって、工事自体が簡単且つ容易に行え、しかも工事に要する費用および時間を大幅に削減することができるという効果が得られるようにした公共汚水桝の改修方法なども散見される。
【0006】
しかし、前者特許文献1(1)に示されているような人孔内周面の更生工法は、縦内周面が平板形状であり、人孔底面と縦内周面との角部が直線状である老朽化した人孔(インバート桝)を対象とするものであり、縦内周面が円筒形状のインバート桝などには、そのまま施工することができないものである上、繊維強化合成樹脂製のライニング板を、止水リングを介して螺結されるアンカーボルト又はアンカーナットによって人孔(インバート桝)の縦内周面壁に固着する工程を有し、さらに、人孔(インバート桝)の深さに合わせて、上下に分割されたライニング板の間に重ね合わせ部を設け、該重ね合わせ部に帯状の止水パッキンを設け、平頭のボルトを貫通させて止水リングを介してナットで固定したり、リベット等で固定したり、水中硬化型接着剤等で接着固定したりするのが良いとされており、人孔(インバート桝)の縦内周面壁に対し、ライニング板を防水性を確保するよう固着するのに、多数の部品点数と工数とを要し、施工に多大な工費を要することとなってしまう虞があり、また、特許文献1(2)のような公共汚水桝の改修方法は、より具体的には、既設の公共汚水桝(インバート桝)の内方に、該桝(インバート桝)の内径よりも小径であって、全体が一体構成の新たな有底円筒状の塩化ビニル製公共汚水桝を設置する工程を有しているが、インバート部分(底部)が一体化された塩化ビニル製の公共汚水桝(インバート桝)を、既設の公共汚水桝内に設置する場合には、既設のインバート部分(底部)に接続されている排水管との接続位置および接続口径寸法などが正確に一致する塩化ビニル製の公共汚水桝(インバート桝)を事前に準備する必要があり、様々な形状の既設のインバート部分(底部)に対応できるよう、複数形状毎に異なるインバート部分(底部)が設けられた塩化ビニル製の公共汚水桝(インバート桝)を製造、または、購入しなければならず、部品管理や施工の工数が増大し、施工に要する工費が増大してしまう虞があるという欠点があった。
【特許文献1】(1)特許第4299715号公報 (2)特許第6278484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
(問題意識)
上述したとおり、従前までに提案のある各種インバート桝の更生工法などは、老朽化した既存のインバート桝の内がわに、合成樹脂製の新たなインバート桝を新設する工程に多くの部品類を要して工数が嵩むものや、合成樹脂製の新たなインバート桝にインバート部分(底部)が一体化されており、設置の際に、老朽化した既存のインバート桝の排水管との接続に多くの工数を要するという欠点が残るものであり、設置から長期間経過した多くのインバート桝が老朽化しており、更新の時期を迎え、今後、より早急な更生工事が求められるようになることが予想されている現状にあって、できるだけ部品点数と施工工数とを削減し、市民生活に支障を与えず、しかも周辺環境に悪影響を与えないよう、汚水の停留を可能なかぎり短時間に留め、重機などが入れないような狭い場所であっても、少人数の作業員によって迅速且つ低廉に更生工事を終了することができる、新たなインバート桝の更生技術の開発の必要性を痛感するに至ったものである。
【0008】
(発明の目的)
そこで、この発明は、部品点数と施工工数とを削減し、汚水の停留を可能な限り短時間に留め、重機などが入れないような狭い場所であっても、少人数の作業員によって迅速且つ低廉に更生工事を終了することができる、新たなインバート桝の更生技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造のインバート用の型取りゲージ、および、それを利用した新規なインバート桝の更生方法を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明のインバート用の型取りゲージは、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、更生対象となるインバート桝の筒状内壁の最小直径より小さな外径とする既成樹脂管の軸心に直交する方向に切断された場合の形状および寸法に設定された環状枠を有し、該環状枠の周方向に沿って等間隔を隔てた複数箇所の夫々に、該環状枠の軸心に平行な装着孔が設けられ、それら複数の装着孔の夫々に対し、直線棒状であって、当該インバート桝の排水管口を含むインバートに向けて露出することとなるゲージ端を有したゲージ棒が、該環状枠の軸心に平行する姿勢となり、進退自在に縦貫されると共に、該環状枠に、各ゲージ棒の進退を停止位置に仮固定可能な仮止め機構が設けられた上、該環状枠から、各ゲージ棒のゲージ端とは反対がわに延伸された吊下機構が設けられてなるものとされた構成を要旨とするインバート用の型取りゲージである。
【0010】
この基本的な構成からなるインバート用の型取りゲージは、その表現を変えて示すならば、更生対象となるインバート桝の筒状内壁の最小直径より小さな外径とする既成樹脂管の軸心に直交する方向に切断された場合の形状および寸法に設定された環状枠を有し、該環状枠の周方向に沿って等間隔を隔てた複数箇所の夫々に、該環状枠の軸心に平行な装着孔が設けられ、それら複数の装着孔の夫々に対し、直線棒状であって、当該インバート桝の排水管口を含むインバートに向けて露出することとなるゲージ端を有したゲージ棒が、該環状枠の軸心に平行する姿勢となり、進退自在に縦貫されると共に、該環状枠に、各ゲージ棒の進退を停止位置に仮固定可能な仮止め機構が設けられた上、該環状枠から、各ゲージ棒のゲージ端とは反対がわに延伸された吊下機構が設けられ、該環状枠が、当該インバート桝内に、当該インバート桝の筒状内壁と同心上に吊り下げられ、各ゲージ棒のゲージ端が、排水管口を含むインバートの上面壁に当接されるまで個別に押し下げ操作された場合に、該環状枠の直下に対応する排水管口を含むインバートの上面壁形状を型取り可能なものとされた構成からなるインバート用の型取りゲージとなる。
【0011】
(関連する発明1)
上記したインバート用の型取りゲージに関連し、この発明には、それを利用したインバート桝の更生方法を包含している。
即ち、更生対象となるインバート桝の内壁を清掃し、この発明の基本をなす型取りゲージを用いて排水管口を含むインバートの上面壁形状を型取りし、インバート形状を型取りした該型取りゲージから型紙を起こし、更生対象となるインバート桝の筒状内壁の最小直径よりも小径となる外径の既成樹脂管の設置の際の縦姿勢における下端の近傍の筒状内・外周壁の少なくとも何れか一方に該型紙を貼り付け、該既成樹脂管の設置の際の縦姿勢における下端の、該型紙より露出した余となる部分を切除してから型紙を除去し、該既成樹脂管の設置の際の縦姿勢における下端をインバート接合端とし、更生対象となるインバート桝の排水管口を含むインバートの漏水箇所を防水補修し、更生対象となるインバート桝の排水管口に対しスペーサを装着し、該既成樹脂管を、該既成樹脂管の中心が、更生対象となるインバート桝の筒状内壁の中心に一致するよう縦姿勢に配置されると共に、該既成樹脂管のインバート接合端が、スペーサを含む更生対象となるインバート桝のインバートの上面壁に接合するよう設置した上、更生対象となるインバート桝の筒状内壁、スペーサの上面壁、インバートの上面壁、および、該既成樹脂管の筒状外壁との間の筒状の空隙中に充填材部を充填、養生し、更生対象となるインバート桝の排水管口からスペーサを取り除き、更生対象となるインバート桝内に縦姿勢に一体化された該既成樹脂管の余となる上端を、更生後のインバート桝の蓋勾配に合わせて切除し、該既成樹脂管から更生用樹脂管が製造されたものとし、該更生用樹脂管の上端開口に開閉蓋を着脱自在に装着するようにしてなる、この発明の基本をなす型取りゲージ利用したインバート桝の更生方法である。
【0012】
このインバート桝の更生方法を、より具体的に示すと、更生対象となるインバート桝の内壁を高圧洗浄機にて清掃し、この発明の基本をなす型取りゲージを用いて排水管口を含むインバートの上面壁形状を型取りし、インバート形状を型取りした該型取りゲージから型紙を起こし、更生対象となるインバート桝の筒状内壁の最小直径よりも小径となる外径の既成樹脂管の設置の際の縦姿勢における下端の近傍の筒状内・外周壁の少なくとも何れか一方に該型紙を貼り付け、該既成樹脂管の設置の際の縦姿勢における下端の、該型紙より露出した余となる部分を切除してから型紙を除去し、該既成樹脂管の設置の際の縦姿勢における下端をインバート接合端とし、更生対象となるインバート桝の排水管口を含むインバートの漏水箇所を防水補修し、更生対象となるインバート桝の排水管口に対し、中空弾性体からなるバルーン型スペーサを装着し、該排水管口の内径に一致する外径となるまで該バルーン型スペーサに流体を充填して排水管口を止水し、該既成樹脂管のインバート接合端の、更生対象となるインバート桝の排水管口に対応する箇所を除く端に沿って止水パッキンを貼着し、該既成樹脂管を、該既成樹脂管の中心が、更生対象となるインバート桝の筒状内壁の中心に一致するよう縦姿勢に配置されると共に、該既成樹脂管の該止水パッキンが貼着されたインバート接合端が、バルーン型スペーサを含む更生対象となるインバート桝のインバートの上面壁に接合するよう設置した上、更生対象となるインバート桝の筒状内壁、バルーン型スペーサの上面壁、インバートの上面壁、および、該既成樹脂管の筒状外壁との間の筒状の空隙中に充填材部を充填、養生し、バルーン型スペーサから流体を排出して収縮させ、更生対象となるインバート桝の外に取り出して排水管口の止水を解除し、更生対象となるインバート桝の蓋勾配に合わせて、更生対象となるインバート桝内に縦姿勢に設置された該既成樹脂管の余となる上端を、更生後のインバート桝の蓋勾配に合わせて切除し、該既成樹脂管から更生用樹脂管が製造されたものとし、該更生用樹脂管の上端開口に開閉蓋を着脱自在に装着するようにしてなる、この発明の基本をなす型取りゲージを利用したインバート桝の更生方法となる。
【発明の効果】
【0013】
以上のとおり、この発明のインバート用の型取りゲージによれば、従前までのものとは違い、上記したとおりの固有の特徴ある構成から、更生対象となるインバート桝の排水管口を含むインバートの上面壁形状を容易に移し取り、既成樹脂管にインバート接合端を加工するための型紙を、屋外の施工現場であっても簡単且つ短時間の中に正確に製作することができ、該型紙に基づき、既成樹脂管に対して、更生対象となるインバート桝の個々の排水管口を含むインバートの上面壁形状に現物合わせした如く、緻密に一致するインバート接合端を簡単且つ迅速に加工できるものとなり、しかも底部を有さない既成樹脂管を採用できるから、更生対象となるインバート桝毎に異なる様々な排水管口の配置、およびそれに伴って個々に異なるインバートの上面壁形状などにも自在に対応することが可能となり、しかもこの発明の型取りゲージは、複数本のゲージ棒が設けられた環状枠に対し、吊下機構が設けられた軽量且つ簡素な構造となっているから、重機などの進入が困難な狭い場所で、1ないし2人の少人数の作業員が工事する場合にも、支障なく軽快にしようすることができ、インバート桝の更生工事に要する部品点数と施工工数とを大幅削減し、汚水の停留を可能なかぎり短時間に留め、迅速且つ低廉にて終了できるものとすることができるという秀でた特徴が得られるものである。
【0014】
加えて、ゲージ棒のゲージ端とは反対がわであって環状枠の装着孔から露出する端に、該装着孔に対し脱落不能に係合する形状とされた制限端が設けられた、この発明の型取りゲージによれば、環状枠に対し進退自在に装着された複数本のゲージ棒が、該環状枠の装着孔から不用意に脱落(脱抜)してしまうのを、より確実に防止できるものとなり、型取りの作業製を格段に高めるという効果が得られる。
【0015】
また、ゲージ棒が、直線棒状の胴部と、ゲージ端としてのねじ部と、制限端としての頭部およびエルボ部とを有してなる既成の自転車用スポークである、この発明の型取りゲージによれば、縦(軸心)方向の圧縮強度(座屈強度)に優れている既成の自転車用スポークを流用したから、製造コストを大幅に低廉化することができる上、万が一変形や破損が生じた場合にも、市場に安定的に供給されている部品の採用によってメンテナンスコストを削減し、より経済的に提供、利用できるものとなる。
【0016】
そして、この発明の更生用樹脂管によれば、既成の既成樹脂管を手作業による加工のみによって製造可能なものであるから、更生工事の現場で素早く製造することができる上に、公共汚水桝などの更生対象となるインバート桝は、地域毎にその内径が統一されているものであるから、統一された内径に収まる既成樹脂管を更生工事現場に搬入するだけで、効率的にこの発明の更生用樹脂管を製造することができ、これによってこの発明の更生インバート桝をより迅速且つ低廉にて施工することができるものとなる。
【0017】
さらに、この発明の更生インバート桝によると、更生対象となるインバート桝の筒状内壁と、排水管口を含むインバートの上面壁との内がわに、この発明の更生用樹脂管が縦姿勢に配置され、当該インバート桝の筒状内壁、排水管口を含むインバートの上面壁、および、該更生用樹脂管の筒状外壁との間の筒状の空隙中に充填材部が充填されたものとしてなるから、従前までのインバート桝の更生工事に比較し、部品点数および施工工数を大幅に削減することができる上、防水性および耐久強度にも優れたものとすることができるという大きな効果が期待できるものとなる。
【0018】
さらにまた、この発明のインバート桝の更生方法によると、この発明の型取りゲージを利用して更生対象となるインバート桝の排水管口を含むインバートの上面壁形状を型取りし、それによって得られた型紙を用いて既成樹脂管を簡単且つ迅速に加工し、当該インバート桝の排水管口を含むインバートの漏水箇所を防水補修し、当該インバート桝の筒状内壁内に該既成樹脂管を配置し、当該インバート桝の筒状内壁、スペーサの上面壁、インバートの上面壁、および、該既成樹脂管の筒状外壁との間の筒状の空隙中に充填材部を充填、養生し、該既成樹脂管の余となる上端を、更生後のインバート桝の蓋勾配に合わせて切除し、この発明の更生用樹脂管となし、該更生用樹脂管の上端開口に開閉蓋を着脱自在に装着するようにしたから、重機の進入が困難な狭い場所であっても、1ないし2人程度の少人数の作業員の手作業によって迅速且つ低廉に施工することができ、下水道の維持管理の経費節減に大いに役立つものになるという優れた効果を奏することができる。
【0019】
加えて、この発明のインバート桝の更生方法は、更生対象となるインバート桝の排水管口に対し、中空弾性体からなるバルーン型スペーサを装着し、該排水管口の内径に一致する外径となるまで該バルーン型スペーサに流体を充填して排水管口を止水し、当該インバート桝の筒状内壁、バルーン型スペーサの上面壁、インバートの上面壁、および、該既成樹脂管の筒状外壁との間の筒状の空隙中に充填材部を充填、養生し、バルーン型スペーサから流体を排出して収縮させ、更生対象となるインバート桝の外に取り出して排水管口の止水を解除するようにした場合には、該排水管口の上部半円弧状の範囲に対し、充填材部の漏出を防止し、該排水管口の上部壁を成型可能とする成型用型枠の設置が不要となり、各バルーン型スペーサが、該既成樹脂管のインバート接合端の排水管口に対応する凹欠状部分を、当該インバート桝の排水管口に対し、より正確に位置決めすることができるものとなり、しかも排水管口を止水することができるから、充填材部の養生を終えるまで汚水の浸入を確実に防止し、一段と耐久性および排水性能に優れたこの発明の更生インバート桝を、より簡単な作業によって完成することができるという秀でた効果を発揮するものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
上記したとおりの構成からなるこの発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
インバート用の型取りゲージは、この発明の基本をなすものであって、この発明のインバート桝の更生方法に用いられ、更生対象となる老朽化したインバート桝の個々に異なるインバート形状を容易に移し取り、該更生対象となる老朽化したインバート桝内に対して新たに設置されることとなる既成樹脂管設置の際に、インバート(上面壁)に当接することとなる端部に貼着する型紙を簡単に製作可能とする機能を担っており、更生対象となるインバート桝の筒状内壁の最小直径より小さな外径の既成樹脂管が、該既成樹脂管の軸心に直交する方向に切断された場合の形状および寸法に設定された環状枠を有し、該環状枠の周方向に沿って等間隔を隔てた複数箇所の夫々に、該環状枠の軸心と平行な姿勢とされたゲージ棒が、個別に進退自在となるよう縦貫されたものとしなければならず、より具体的には、後述する実施例にも示しているように、更生対象となるインバート桝の筒状内壁の最小直径より小さな外径の既成樹脂管から、該既成樹脂管の軸心に直交する方向に輪切り状に切断されてなる環状枠を有し、該環状枠の周方向に沿って等間隔を隔てた複数箇所の夫々に、該環状枠の軸心に平行な装着孔が穿設され、それら複数の装着孔の夫々に対し、直線棒状であって、当該インバート桝の排水管口を含むインバートに向けて露出することとなるゲージ端を有したゲージ棒が、該環状枠の軸心に平行する姿勢となり、進退自在に縦貫されると共に、該環状枠に、各ゲージ棒の進退を停止位置に仮固定可能な仮止め機構が設けられたものとするのが良い。
【0021】
環状枠は、更生対象となるインバート桝の筒状内壁の最小直径より小さな外径の既成樹脂管の環状の下端が接合されることとなる、当該インバート桝の排水管口を含むインバートの上面壁に一致する環形状に沿って複数本のゲージ棒を、当該インバート桝の筒状内壁の軸心に平行する方向に進退自在となるよう支持可能とする機能を担い、更生対象となるインバート桝の筒状内壁の最小直径より小さな外径の既成樹脂管が、該既成樹脂管の軸心に直交する方向に切断された場合の形状および寸法に設定されたものとすべきであり、更生対象となるインバート桝の筒状内壁の最小直径より小さな外径の既成樹脂管が、該既成樹脂管の軸心に直交する方向に切断された場合の形状および寸法に一致する合成樹脂、木、金属、またはそれら素材の組み合わせからなる環状の枠とすることが可能である外、後述する実施例にも示しているとおり、更生対象となるインバート桝の筒状内壁の最小直径より小さな外径の既成樹脂管が、該既成樹脂管の軸心に直交する方向に切断されてなる既成樹脂管製の環状の枠とすることができる。
【0022】
仮止め機構は、環状枠の周方向に沿って等間隔を隔てて、この発明の基本をなす型取りゲージを使用する際に、インバート桝の筒状内壁の軸心と平行な姿勢となり、該環状枠の軸心と平行な方向に個別に進退自在とされた複数本のゲージ棒が、該環状枠の軸心と平行する重力などを受けた場合にも、自重によって不用意に滑動降下しない程度か、それを上回る摩擦力を生じる機能分担し、より具体的には、後述する実施例にも示すように、環状枠の軸心と平行な方向の何れか一方の端壁に沿って、各ゲージ棒に対応する複数箇所の夫々に、各ゲージ棒の外径よりも小さな内径に設定された制動孔が穿設された天然ゴム、合成ゴム、または、その他の弾性樹脂などの少なくとも何れか一からなる環状帯が貼着されたものとすることができる外、該環状枠が、内環と外環とからなり、内環と外環との間に、各ゲージ棒に対応する複数箇所の夫々に、各ゲージ棒の外径よりも小さな内径に設定された制動孔が穿設された天然ゴム、合成ゴム、または、その他の弾性樹脂などの少なくとも何れか一からなる環状帯が、制動孔が弾性を保つよう潰される程度の圧縮力を受けるよう挟み込まれ、内環、環状帯および外環が、環状枠の直径方向に貫通する複数本のボルト・ナットまたはリベット、または、内環と外環との間隔を調節可能なベルト、その他の緊締機構類などによって一体化されたものとすることが可能である。
【0023】
さらにまた、仮止め機構は、ワイヤーの牽引操作によって各ゲージ棒の進退を仮固定可能なクランプ機構や、流体圧力の供給によって各ゲージ棒の進退を仮固定可能なブレーキ機構などのように遠隔的に操作可能なものとされ、更生対象となるインバート桝の外がわに居る作業員が、遠隔的に操作し、各ゲージ棒の軸心方向の移動を強制的に規制して仮固定状態にし、また、仮固定状態を沿革的操作によって解除すると、各ゲージ棒が、個々の自重によって最下位まで自動的に摺動且つ垂下するものとすることが可能であり、仮固定を解除した状態で各ゲージ棒の先端を、排水管口を含むインバートの上面壁形状に沿って接合するよう操作してから、各ゲージ棒を仮固定状態とするよう操作可能なものとすることができる。
【0024】
ゲージ棒は、この発明の基本をなす型取りゲージを使用する際に、更生対象となるインバート桝の内部のインバート桝の排水管口より僅かに上がわとなる深さまで、吊り下げられた環状枠から、下向きの外的圧力が加えられるなどして各先端が、形状の読み取り対象に当接するまで移動され、形状を読み取った位置に仮固定され、各ゲージ棒の先端が、形状の読み取り対象物の輪郭形状を示すこととなり、型紙を造ることを可能とする機能を担い、環状枠の装着孔に沿って進退可能な直線棒状のものとされ、この発明の型取りゲージを使用する際に、インバート桝の排水管口を含むインバートに向けて露出することとなるゲージ端を有したものとしなければならず、より具体的に示すと、ゲージ端とは反対がわであって環状枠の装着孔から露出する端に、該装着孔に対し脱落不能に係合する形状とされた制限端が設けられたものとすべきであり、後述する実施例にも示しているように、直線棒状の胴部と、ゲージ端としてのねじ部と、制限端としての頭部およびエルボ部とを有してなる既成の自転車用スポークからなるものとすることができる。
【0025】
吊下機構は、この発明の基本をなす型取りゲージの環状枠を、更生対象となるインバート桝の筒状内壁の軸心に直行する水平姿勢に吊り下げ可能とする機能を分担し、該環状枠から、各ゲージ棒のゲージ端とは反対がわに延伸されてなるものとしなければならず、該環状枠の周囲の三箇所以上の等角度間隔置き毎となる位置に一端が結着された、互いに等しい長さとされた索条またはロープなどの他端を束ねた状態に結束してなるものとすることができる外、後述する実施例にも示しているが、多角形筒状、多角錐形筒状(例えば多角形漏斗状)、円筒形筒状、円錐形筒状(例えば円錐形ロート状)などの何れかの輪郭をなす如く枠組みされ、例えば、更生対象となるインバート桝の深さ寸法に略相当する長さ(より具体的には、更生対象となるインバート桝の深さ寸法の1/2(0.5倍)ないし3/2(1.5倍)の縦長)に設定された骨格枠からなるものとするのが望ましく、骨格枠の縦長さが、更生対象となるインバート桝の深さ寸法の1/2(0.5倍)よりも短い縦寸法とされたものは、更生対象となるインバート桝内に吊り下げた場合に、作業員が、該環状枠を把持する位置が、更生対象となるインバート桝内の深部となって、該環状枠の位置決め操作性が悪化してしまい、また、骨格枠の縦長さが、更生対象となるインバート桝の深さ寸法の3/2(1.5倍)よりも長い縦寸法とされたものは、更生対象となるインバート桝内に吊り下げた場合に、該環状枠の上端が、該更生対象となるインバート桝の開口から上方に不必要に突出し、上部重量が増して不安定なものとなってしまい、やはり、作業員の手による操作性が悪化してしまうという虞がある。さらにまた、後述する実施例には示していないが、骨格枠または筒壁状枠からなるものの何れか一方か、または、それらの組み合わせからなるものかの何れか一方とすることができ、さらに、環状枠、または、環状枠に一体化された骨格枠、筒壁状枠の少なくとも何れか一に対して、昇降・手綱用のロープ、紐、索条、チェーンなどの線状部品の中の、少なくとも何れか一からなる昇降・手綱用具類が付加されてなるものとすることが可能である。
【0026】
型紙は、型取りゲージの複数本のゲージ棒の各ゲージ端の凹凸位置を筆記具類などによって転写された該紙を、該転写線に沿って裁断されてなるものとすることができる外、該型紙は、紙の外、透明または不透明の何れか一方の樹脂製フィルムや、一面または両面の何れか一方に粘着剤(型取りゲージのゲージ棒や、既成樹脂管に貼着したり、剥がしたりすることができる)が付着された紙または樹脂製フィルムなどの何れか一とすることが可能であり、該既成樹脂管の設置の際の縦姿勢における下端の、該型紙より露出した余となる部分を切除する工程は、該型紙に対し筆記具類によって転写された凹凸形状に沿って該既成樹脂管の余となる部分を、鋸やカッター、研磨機、金鋏などによる裁断、加熱機具類を用いた熔断、薬品による溶断などの何れ一の切断作業によって行うことができ、該切除作業を行った後に型紙を除去し、該既成樹脂管の設置の際の縦姿勢における下端をインバート接合端とすることとなる。
【0027】
型紙は、表現を変えて示すと、この発明の基本をなす型取りゲージの、更生対象となるインバート桝のインバートの上面壁の凹凸形状を移しとった各ゲージ棒のゲージ端の配列の輪郭形状を、既成樹脂管のインバート接合端に加工されることとなる下端寄りの周壁に貼り付け、可能とする機能を分担し、該型取りゲージから各ゲージ棒のゲージ端の配列の輪郭形状を転写可能なシート状の素材からなるものとしなければならず、該型取りゲージへの巻き付けやインクの描き込みや塗料の塗布などにも破損することなく使用できる程度の強度を有し、該型取りゲージの環状枠の当該インバート桝のインバートの上面壁の凹凸形状を移しとった各ゲージ棒の少なくとも各ゲージ端の外がわ、または、内がわの何れか一方に沿って、環状枠の軸心周りに筒状をなして少なくとも一周する帯状の寸法、形状(複数枚を繋げても良い)のものとしなければならず、例えば、ケント紙、模造紙、和紙、感圧紙(インクなどが不要であり、手作業による加圧によって転写可能)、その他の紙、または、透明、半透明または不透明の樹脂製フィルム、天然繊維、合成繊維またはそれらの組み合わせからなる布地、皮革、金属箔など、インクや塗料の描き込みが可能であって、手作業によって容易に裁断可能なシート状の素材製のものであればよい。
【0028】
更生用樹脂管は、更生対象となるインバート桝内にそのまま組み込むだけで、更生対象となるインバート桝の内周壁を、樹脂製の新たなものに更生可能とする機能を担い、更生対象となるインバート桝の筒状内壁の最小直径よりも小径となる外径の既成樹脂管からなり、該既成樹脂管の設置の際の縦姿勢における下端が、更生対象となるインバート桝の排水管口を含むインバートの上面壁形状に沿って切除されたインバート接合端とされ、しかも該既成樹脂管の設置の際の縦姿勢における上端が、更生後のインバート桝の蓋勾配に合わせて切除されてなるものとしなければならず、より具体的には、後述する実施例にも示しているように、更生対象となるインバート桝の筒状内壁の最小直径よりも小径となる外径の既成の塩化ビニル管からなり、この発明のインバート桝の更生方法に従い、この発明の基本をなす型取りゲージを用いて更生対象となるインバート桝の排水管口を含むインバートの上面壁形状を型取りし、インバート形状を型取りした該型取りゲージから型紙を起こし、該既成の塩化ビニル管の設置の際の縦姿勢における下端の近傍の筒状内・外周壁の少なくとも何れか一方に該型紙を貼り付け、該塩化ビニル管の設置の際の縦姿勢における下端の、該型紙より露出した余となる部分を切除してから型紙を除去し、該塩化ビニルの設置の際の縦姿勢における下端をインバート接合端とし、さらに、該塩化ビニル管の中心が、更生対象となるインバート桝の筒状内壁の中心に一致する如く縦姿勢に配置されるよう設置した上、更生対象となるインバート桝の筒状内壁、インバートの上面壁、および、該塩化ビニル管の筒状外壁との間の筒状の空隙中に充填材部を充填、養生し、更生対象となるインバート桝内に縦姿勢に一体化された該塩化ビニル管の余となる上端を、更生後のインバート桝の蓋勾配に合わせて切除することによって製造されたものとすることができる。
【0029】
更生用樹脂管の上端開口に着脱自在に装着されることとなる開閉蓋は、この発明の更生インバート桝として新たに埋設された更生用樹脂管の上端開口を、開閉可能とする機能を担い、既成樹脂管から製造された更生用樹脂管の上端開口に着脱自在に装着されるものとして製造された既成の蓋とするのが望ましく、充分な強度と耐久性とを有するものとすべきであり、塩化ビニルまたはその他の合成樹脂製のものとすることができる外、鉄、ステンレス、アルミニウム、またはその他の合金などからなるものとすることが可能である。
【0030】
充填材部は、更生対象となるインバート桝の筒状内壁、インバートの上面壁、および更生用樹脂管(既成樹脂管)の筒状外壁との間の筒状の空隙中に充填され、更生対象となるインバート桝の筒状内壁と更生用樹脂管(既成樹脂管)の筒状外壁とを水密状に強固に一体化する機能を担うものであり、充填作業性に優れ、できるだけ短時間のうちに硬化する性質を持ち、多少の振動や外圧などに耐えることができ、しかも水の浸入を防止できる材質のものとすべきであり、生コンクリートやモルタルなどとすることができる外、後述する実施例にも示すように、無収縮グラウト材、無収縮コンクリート、無収縮モルタルの何れか一が充填されてなるものとするのが良い。
【0031】
インバート桝の更生方法は、更生対象となるインバート桝に対して実施され、この発明の基本をなす型取りゲージを用い、その工程中において、この発明の更生用樹脂管を製造し、最終的に、この発明の更生インバート桝を完成するものであり、より具体的には、更生対象となるインバート桝の内壁を清掃する工程は、更生対象となるインバート桝の内壁の異物や汚れを除去して充填材部の一体化強度を高めることを目的とし、作業員による異物の除去やブラシ洗浄などの外、後述する実施例にも示すとおり、高圧洗浄機を用いた洗浄とすることが可能である。
【0032】
この発明の基本をなす型取りゲージを用いて排水管口を含むインバートの上面壁形状を型取りする工程は、該型取りゲージを更生対象となるインバート桝の軸心に同心上の配置に吊り下げ、該型取りゲージの環状枠が、更生対象となるインバート桝の排水管口を含むインバートの上面壁の直上付近まで下ろし、該型取りゲージを吊り下げ状態に仮固定し、該環状枠の各ゲージ棒の上端を、作業員の手によって棒状の工具類などを用いて下向きに押し下げ、各ゲージ棒の下向きのゲージ端が、排水管口を含むインバートの上面壁に接合するよう操作して型取りを行い、インバート形状を型取りした該型取りゲージを、更生対象となるインバート桝から引き上げ、該型取りゲージの複数本のゲージ棒の外周囲に外接筒状に紙を巻き付け、各ゲージ端の凹凸位置を該紙に、筆記類などによって転写するか、または、該型取りゲージの複数本のゲージ棒の内周に沿って紙を内接筒状に配し、各ゲージ端の凹凸位置を該紙に、マジックペンや塗料用の筆などの筆記具類などによって転写するかの、少なくとも何れか一方によって型紙を起こすものである。
【0033】
また、この発明の基本をなす型取りゲージを用いて排水管口を含むインバートの上面壁形状を型取りする工程は、型紙を起こす際に、各ゲージ端のゲージ端にインクや塗料などを塗布したり、各ゲージ端のゲージ端にインクや塗料などを含浸させたフェルト製のキャップなどを装着したり、または、各ゲージ端のゲージ端に沿って、インクや塗料などを含浸させた帯状のフェルトを貼着したりし、各ゲージ端のゲージ端に紙を接触させるようにし、各ゲージ端の凹凸位置を該紙に転写するようにしたり、または、感圧紙を各ゲージ端のゲージ端に押し当て、各ゲージ端の凹凸位置を転写したりするようにしたものとすることが可能である。
【0034】
そして、更生対象となるインバート桝の筒状内壁の最小直径よりも小径となる外径の既成樹脂管の設置の際の縦姿勢における下端の近傍の筒状内・外周壁の少なくとも何れか一方に該型紙を貼り付ける工程では、更生対象となるインバート桝の筒状内壁の最小直径よりも小径であって、しかも公共汚水桝の一般的最小直径、例えば、150mmと同等以上の内径の既成樹脂管を用いるのが良く、更生対象となるインバート桝の筒状内壁の軸心に直交する水平断面形状が、矩形状や多角形状の場合にあっても同様の工程とすることができ、例えば、更生対象となるインバート桝の筒状内壁の最小直径の大きさが700mmの場合には、外径が650mmの既成樹脂管を用い、また、更生対象となるインバート桝の筒状内壁の最小直径の大きさが500mmの場合には、外径が450mmの既成樹脂管を用い、さらにまた、更生対象となるインバート桝の筒状内壁の最小直径の大きさが330mmの場合には、外径が300mmの既成樹脂管を用いることが可能である。
【0035】
更生対象となるインバート桝の排水管口を含むインバートの漏水箇所を防水補修する工程は、老朽化した更生対象となるインバート桝の排水管口を含むインバートの漏水箇所を、コンクリート、モルタル、無収縮モルタル、グラウト、繊維強化樹脂、コーキング剤などの何れかによって補修することが可能であり、防水補修する前に、排水管口から更生対象となるインバート桝内への汚水の流入を停止したり、更生対象となるインバート桝内の排水管口を栓などで閉鎖したりし、インバートの上面壁を乾燥させ、防水補修し易くするよう準備すべきであり、さらに、防水補修する工程、および、排水管口にスペーサを装着する工程は、更生対象となるインバート桝の内壁を清掃する工程後から、該既成樹脂管の設置の際の縦姿勢における下端をインバート接合端に加工するまでの何れの工程の間であっても行うことが可能である。
【0036】
更生対象となるインバート桝の排水管口にスペーサを装着する工程は、更生対象となるインバート桝の内がわに既成樹脂管を配置させ、更生対象となるインバート桝の筒状内壁、インバートの上面壁、および、該既成樹脂管の筒状外壁との間の筒状の空隙中に充填材部を充填する工程に備え、排水管口の上部から充填材部が、インバート桝中に流入(筒状の空隙中から漏出)してしまうのを該スペーサによって阻止可能とする工程であり、該スペーサは、インバートの上面壁の中、上流がわの排水管口と下流がわの排水管口とを繋ぐ樋状溝の上がわに仮想される管路部分に相当する概略円柱状、または、半円筒状(かまぼこ形)のものなどとすることが可能であり、該インバートの上面壁の樋状溝の汚水の流れを閉鎖しないものとすることができるが、防水補修を終えた直後の場合などには、該インバートの上面壁の樋状溝を含む範囲に汚水が流入しないよう、少なくとも上流がわの排水管口に栓をするよう該スペーサを装着して止水し、さらに望ましくは、下流がわの排水管口にも栓をするよう該スペーサを装着して止水するのが良く、該スペーサは、充填材部の充填および硬化が完了した時点で、簡便に取り外せるよう、一部または全部が軟質素材製のものや分解・組み立て型のもの、または、膨張・収縮型のバルーン(例えば、中空柱形、中空栓形、中空球形、中空楕円球形、長円断面形の端部が球状の中空円柱形、中空卵形、ラグビーボール形、中空円錐形、台形断面の中空円柱形など、スペーサとしての機能を果たすことができる外郭形状のものとすることができる。)などの少なくとも何れか一とするのがよい。
【0037】
例えば、バルーン型スペーサに充填する流体は、気体、液体、半固体などの何れかの流体とすることが可能であり、表現を変えて示すならば、該バルーン型スペーサは、天然ゴム製、合成ゴム製、軟質合成樹脂製などの何れかの中空弾性体であり、更生対象となるインバート桝の外がわとなる地上に準備したコンプレッサー(または空気ボンベ)から延伸された送気パイプが接続され、作業員の手によるバルブ操作などによって圧縮空気(酸素、窒素、二酸化炭素、ヘリウム、などの他の気体でも良い)の充填量を調節し、排水管口を水密状に閉鎖して止水するようにすることが可能であり、より具体的なものとして示すと、後述する実施例にも示しているように、更生対象となるインバート桝の排水管口に対し、天然ゴム製、合成ゴム製、軟質合成樹脂製などの何れかの中空弾性体からなる球形のバルーン型スペーサを装着し、該排水管口の内径に一致する外径となるまで、該球形のバルーン型スペーサに気体を充填し、膨張させて排水管口を密閉、止水するようにすることができ、該中空弾性体からなる球形のバルーン型スペーサは、栓型のバルーン型スペーサに比較して排水管口への接触面積を最小限に留め、該排水管口への装着操作性、および離脱操作性に優れたものとなる。
【0038】
また、換言すれば、該バルーン型スペーサに充填される流体は、気体に限定されることなく、液体とすることが可能であり、例えば、液体の位置エネルギーを利用したり、給水ポンプが接続されたものとしたりすることによって水を充填し、膨張させ、遠隔操作可能な開閉弁の開放によって充填された水を排出して収縮する構造とされたものということができる。
【0039】
既成樹脂管を、該既成樹脂管の中心が、更生対象となるインバート桝の筒状内壁の中心に一致するよう縦姿勢に配置されると共に、該既成樹脂管のインバート接合端が、スペーサを含む更生対象となるインバート桝のインバートの上面壁に接合するよう設置する工程は、更生対象となるインバート桝の筒状内壁の内がわに、樹脂管製の内壁を配置する工程であって、しかも更生対象となるインバート桝の筒状内壁、スペーサの上面壁、インバートの上面壁、および、該既成樹脂管の筒状外壁との間に筒状の空隙中を形成する工程であり、該既成樹脂管の中心が、更生対象となるインバート桝の筒状内壁の中心に一致するよう縦姿勢に配置されたものとするのが望ましいが、更生対象となるインバート桝の内部形状などによって互いの中心を一致させるよう配置することが不可能な場合には、できるだけ互いの中心が平行に配置されるように設置するのが良く、該既成樹脂管は、そのインバート接合端の更生対象となるインバート桝の排水管口に対応する箇所を除く端に沿って止水パッキンが貼着されたものとするのが良く、該既成樹脂管の設置の際の縦姿勢における下端の、該型紙より露出した余となる部分を切除した後、該既成樹脂管が、更生対象となるインバート桝内に設置されるまでの間の何れかの段階で止水パッキンを装着することが可能である。
【0040】
また、既成樹脂管の余となる上端は、該既成樹脂管が最終的に、この発明の更生用樹脂管とされる段階にて、更生後のインバート桝の蓋勾配に合わせて切除されることとなるが、該既成樹脂管が、地上に居る作業員によって更生対象となるインバート桝の内がわに吊り下げられる段階に、該既成樹脂管の余となる上端(最終的に切除されることとなる上端の帯状の範囲)の周回り方向の等角度(例えば、180°,120°,90°など)間隔置きとなる位置にフックやカラビナなどの吊り金具を繋着可能な肉厚方向に貫通する吊り孔、または、正面形J字状などの一部が上端に開放された吊り溝などが設けられたものとし、それらの吊り孔または吊り溝などを利用してチェーンやロープ、ワイヤーロープなどを繋ぎ、吊り下げ移動可能なものとすることが可能である。
【0041】
更生対象となるインバート桝の筒状内壁、スペーサの上面壁、インバートの上面壁、および、該既成樹脂管の筒状外壁との間の筒状の空隙中に充填材部を充填する工程は、該筒状の空隙の地上に開口する環状の開口より、流体状、未硬化の充填材部をポンプ、その他の充填用機械類を用いて密に充填するように作業すべきであるが、重力を利用した注入によって充填することが可能であり、地上露出面を更生後のインバート桝の蓋勾配に合わせて平滑面状に仕上げられたものとするのが良い。
この更生対象となるインバート桝の排水管口からスペーサを取り除く工程は、筒状の空隙中に充填された充填材部が充分に硬化した後に行うのが望ましく、スペーサが、排水管口の止水を兼ねている場合には、スペーサの取り除きに伴って排水管口の止水も解除され、該インバート桝内に汚水が流入し、さらに流下、排水されることとなる。
【0042】
更生対象となるインバート桝内に縦姿勢に一体化された該既成樹脂管の余となる上端を、更生後のインバート桝の蓋勾配に合わせて切除する工程は、作業員の手により、該既成樹脂管を切断可能な鋸、サンドペーパー、電動鋸、研磨用工具、グラインダなどの電動研磨機などの切断用や研磨用の工具類などを用いて行うこととなるが、切断および研磨仕上げを自動的に行うことができる工具類などを使用して行うこともでき、型紙を用いて該既成樹脂管の加工を開始してから該既成樹脂管の余となる上端を仕上げるまでの工程により、この発明の更生用樹脂管が製造されることとなり、該更生用樹脂管の上端開口に開閉蓋を着脱自在に装着する工程によってこの発明のインバート桝の更生方法を完了することとなる。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図面は、この発明のインバート用の型取りゲージ、および、それを利用したインバート桝の更生方法の技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すものである。
図1】型取りゲージを示す斜視図である。
図2】型取りゲージを示す正面図である。
図3】型取りゲージを示す底面図である。
図4】型取りゲージを示す平面図である。
図5】使用状態の型取りゲージを示す斜視図である。
図6】更生対象となるインバート桝を縦断して示す正面図である。
図7】更生対象となるインバート桝に下ろされる型取りゲージを一部断面化して示す正面図である。
図8】型取りする型取りゲージを示す正面図である。
図9】型取りゲージを利用した型紙の製作工程を示す正面図である。
図10】型取りゲージを利用して製作された型紙を一部斜視して示す正面図である。
図11】既成樹脂管に巻き付けられる型紙を一部斜視して示す正面図である。
図12】既成樹脂管に巻き付けられる型紙を示す平面図である。
図13】型紙に基づいて加工された既成樹脂管を示す正面図および底面図である。
図14】更生対象となるインバート桝に設置された型紙に基づき加工された既成樹脂管を一部断面化して示す正面図である。
図15】更生対象となるインバート桝に設置された一部加工済みの既成樹脂管を一部断面化して示す斜視図である。
図16】筒状の空隙中に充填された充填材部を断面化して示す正面図である。
図17】余となる上端を切除され完成された更生用樹脂管を一部断面化して示す正面図である。
図18】開閉蓋が装着された更生インバート桝を断面化して示す正面図である。
図19】宅内の排水設備と、宅内から隣接する道路に至る公共下水道とを断面化して示す正面図である。
図20】代表的なインバート桝の更生方法の一例を示すフローチャートである。
【実施例1】
【0044】
図1ないし図7に示す事例は、更生対象となるインバート桝90より小さな外径の既成樹脂管7を輪切り状に切断された場合の形状および寸法に設定された環状枠2を有し、該環状枠2の周方向に沿って等間隔を隔てた複数箇所の夫々に、ゲージ端31を有したゲージ棒3,3,……が、該環状枠2の軸心CLと平行する姿勢となり、個別に進退自在に縦貫されると共に、該環状枠2に、各ゲージ棒3,3,……の仮止め機構4が設けられた上、該環状枠2に吊下機構5が設けられてなるものとされた、この発明のインバート92用の型取りゲージにおける代表的な一実施例を示すものである。
【0045】
それら各図からも明確に把握できるとおり、この発明のインバート用の型取りゲージ1は、環状枠2が、更生対象となる公共汚水桝90であって筒状内壁91の内径(最小直径MD)が500mmのインバート桝90である場合に、その呼び径450mm(外径470mm、内径442mm)の塩化ビニル製の既成の汚水配管用のパイプを長さ50mmに輪切りされたものからなり、該環状枠2の素材となる汚水配管用のパイプ2は、この発明の更生用樹脂管7となる既成樹脂管7と同一の形状、寸法の素材から切り出されたものとするのが良く、該環状枠2の素材となる汚水配管用のパイプ2、および、更生用樹脂管7となる既成樹脂管7は、更生対象となるインバート桝90の筒状内壁91の最小内径MDよりも僅かに小さな外径となる既成樹脂管7、例えば既成の塩化ビニル管から選択されたものとするのが良い。
【0046】
環状枠2の軸心CLに平行な方向の端面間には、該環状枠2の周方向に360°/142箇所の開き角度となる等間隔(例えば周方向に10mm間隔)を隔てた複数箇所(例えば142箇所)であって、該環状枠2の直径方向(内外周壁間)の肉厚の中央となる位置に、夫々直径2.25mm(または2.3mm)の直線棒状の装着孔20,20,……が、直線状に縦貫するよう穿設されたものとなっており、型取りゲージ1を使用する際に該環状枠2の軸心CLが鉛直姿勢とされると、鉛直下方に向けられた該環状枠2の下端が、更生対象となるインバート桝90の排水管口9c,9cを含むインバート92に対峙することとなり、各装着孔20,20,……には、夫々ゲージ棒3としての直径2.3mm、長さ296mmの自転車用スポーク3(例えば、寸胴スポーク、扁平スポーク、エルボの無い真直ぐスポーク、POB繊維スポークなどのように、胴部断面がその全長に亘って同一寸法、形状に設定されたスポークとするのが良い)が、そのねじ部(ゲージ端)31が、上方から下向きに進退自在に縦貫、露出され、胴部30が装着孔20の内壁との間に僅かな摩擦力(仮止め機構4の一例)をもって仮固定状とされるものとなり、制限端となるエルボ部33および頭部32が、装着孔20よりも上がわに露出されたものとされ、各ゲージ棒3としての自転車用スポーク3は、装着孔20の内壁との間の摩擦力(仮止め機構4の一例)に抗して軸心CL方向の外力が入力されることによって、該環状枠2に対する軸心CL方向の相対的位置が変えられるものとなっている。
【0047】
環状枠2の軸心CLに平行な方向の端面壁の少なくとも何れか一方には、仮止め機構4の他の例としての弾性樹脂製の帯4が、各装着孔20,20,……に対応する箇所に直径2.25mm未満の貫通孔が穿孔され、各ゲージ棒3が貫通された状態に貼着され、該弾性樹脂製の帯4と各ゲージ棒3との間に摩擦力を発生し、各ゲージ棒3が、不用意に滑り移動しないよう保持可能とする仮止め機構4とされたものとすることが可能である。
【0048】
環状枠2には、更生対象となるインバート桝90の排水管口9c,9cを含むインバート92の上面壁形状を型取りする際の操作性を高めるための吊下機構5の一例としての骨格枠50が一体化されており、該骨格枠50は、環状枠2の内周壁に沿って周方向の90°置き毎となる4箇所の夫々に、更生対象となるインバート桝90の深さ寸法を僅かに超える程度の、例えば、1,080mmの長さのアルミニウム合金製の角パイプからなる縦骨格部51,51,……が、該環状枠2の軸心CLに平行する姿勢に立設され、それら4本の縦骨格部51,51,……の上端から300mm下端寄りとなる外壁には、該環状枠2と同一素材である呼び径450mm(外径470mm、内径442mm)の塩化ビニル製の既成の汚水配管用のパイプを長さ30mmに輪切りされたものからなる補強環グリップ52がネジ結合によって一体化されており、さらに、各縦骨格部51,51,……の上端間には、平面形状が四角形状に枠組みされたアルミニウム合金製の角パイプからなる上端ループ状グリップ53の四角がボルト・ナット結合、ネジ結合、リベット結合、接着剤結合、ろう付け結合または溶接結合などの何れかによって一体化されてなるものとしてある。
【0049】
以上のようにしてなるインバート92用の型取りゲージ1は、図示していないが、環状枠2のゲージ棒3,3,……の進退動作に支障をきたさない、例えば、ゲージ棒3,3の間や、骨格枠50の補強環グリップ52、上端ループ状グリップ53または縦骨格部51,51,……の何れかに、昇降・手綱用具類としての、例えば図示しない昇降・手綱用のロープの一端が繋着されたものとすることができる。
【0050】
(実施例1の作用・効果)
以上のとおりの構成からなるこの発明の基本をなすインバート92用の型取りゲージ1は、図1ないし図20に示すように、この発明のインバート桝の更生方法に従ってそれを使用し、更生対象となる老朽化したインバート桝90(公共汚水桝90)を更生する工程中に、この発明の更生用樹脂管7を製造し、さらに、更生インバート桝6を完成することができるものであり、以下では、この発明の基本をなすインバート92用の型取りゲージ1による作用および効果を、この発明のインバート桝の更生方法による更生対象となる老朽化したインバート桝90(公共汚水桝90)の更生工程に従って順次示して行くこととする。
【0051】
更生対象となる老朽化したインバート桝90(内径500mm)を更生する工事は、図6図19および図20に示すように、まず、地上に居る作業員が、当該インバート桝90の内壁91、インバート92(上面壁92)および排水管口9c,9cに付着している異物や汚れを、高圧洗浄機やブラシなどを用いて除去、清掃する(A。このAは、図20、フローチャートの中の符号A。以下、BないしPも同様。)。
【0052】
図1ないし図8および図20に示すように、この発明の型取りゲージ1の吊下機構5である骨格枠50の縦骨格部51,51,……、補強環グリップ52および上端ループ状グリップ53などを地上に居る作業員が把持し、該型取りゲージ1の軸心CLを、当該インバート桝90の筒状内壁91の軸心CLに一致させるよう配し、該型取りゲージ1の環状枠2(呼び径450mm)および各ゲージ棒3,3,……のゲージ端(自転車用スポーク3のねじ部31)31,31,……が、当該インバート桝90のインバート92(上面壁92)に近づき、排水管口9c,9cの直上付近に達するまで、鉛直に垂下する。
【0053】
図8および図20に示すように、該型取りゲージ1が、型取りの作業中に不用意に昇降移動しないよう、当該インバート桝90に対する吊り下げ位置を一定位置に支持しながら、地上から木製の棒やバール類などを用い、各ゲージ棒3,3,……の制限端32としての頭部32、エルボ部33を、感覚的には2ないし3本ずつ纏めて押し下げるよう操作し、各ゲージ棒3,3,……の一本ずつのゲージ端31としてのねじ部31が、インバート92(上面壁92)および排水管口9c,9cの上面壁に密接状に当接させ、該型取りゲージ1の各ゲージ棒3,3,……のゲージ端31としてのねじ部31の配列の輪郭形状に、排水管口9c,9c(上面壁9c,9c)を含むインバート92(上面壁92)の上面壁形状を型取りする(B)。
【0054】
型取り操作を終えた型取りゲージ1は、吊り下げ操作と同様にして、地上に居る作業員が、吊下機構5である骨格枠50の縦骨格部51,51,……、補強環グリップ52、および上端ループ状グリップ53などを把持して、鉛直上昇に引き上げることとなるが、予め、該型取りゲージ1の環状枠2、吊下機構5である骨格枠50の縦骨格部51,51,……、補強環グリップ52または上端ループ状グリップ53などの何れかに、図示しない昇降・手綱用のロープが結着され、地上からの昇降作業性を高められたものとすることができる。
【0055】
図9図10および図20に示すように、地上に引き上げられた型取りゲージ1は、仮止め機構4によって各ゲージ棒3,3,……の進退(昇降)移動が規制され、型取りによって得られた各ゲージ端31,31,……の配列の輪郭形状が確保されたままとなっており、該型取りゲージ1の各ゲージ棒3,3,……(環状枠2)の外周囲に、ケント紙や模造紙などの大判の帯状の紙を巻き付けて筒状をなすよう貼着し、フェルトペンや塗料スプレーなどを用いて、各ゲージ端31,31,……の配列の輪郭形状を転写し、図9および図10のハッチング範囲に示すように、大判の帯状の紙にインクや塗料などにより、境界線TLまたは塗面PSとして明確に表示された、排水管口9c,9cを含むインバート92の上面壁92の形状に相当する範囲を、カッターや鋏などを用いて切除し、型紙PPを起こす(C)。
【0056】
図10に二点鎖線で示すように、型紙PPに描き移された境界線TLまたは塗面PSは、排水管口9c,9cに対応する部分が、排水管口9c,9cを閉鎖する形状となっているため、作業員が、排水管口9c,9cの開口形状に相当する円弧形状部分DPを描き加え、排水管口9c,9cを閉鎖しない形状(同図10中のハッチング表示範囲を切除)の型紙PPとする(C)。
【0057】
図11ないし図13および図20に示すように、最終的にこの発明の更生用樹脂管7になることとなる、呼び径450mm(外径470mm)の塩化ビニル製の塩化ビニル(管既成樹脂管)7は、更生対象である当該インバート桝90の全深さを例えば数センチないし数十センチ程度上回る長さに設定(切断)し、該塩化ビニル管7の設置の際に下向きとする下端70寄りの外周壁72に対し、該型紙PPを、該型紙PPの各ゲージ端31,31,……の配列の輪郭形状が転写、切除された切断縁が、該塩化ビニル管7の設置の際に下向きとする下端70に近接するよう巻き付け、ずれ動かないよう粘着テープやスプレー糊などを用いるなどして簡易的に貼着、固定する(D)。
【0058】
図11ないし図13および図20に示すように、該塩化ビニル管7の設置の際に下向きとする下端70を、貼着された型紙PPの境界線TL,TLおよび円弧形状部分DP,DPに沿って鋸や研磨機などを用いて切除し(E)、平滑状に仕上げた上、該塩化ビニル管7の設置の際の縦姿勢における下端70を、排水管口9c,9cの上面壁9c,9cに対応する半円弧状の切除部分74,74を有したインバート接合端70とする(F)。
【0059】
図6図14図15、および図20に示しているように、更生対象である当該インバート桝90の排水管口9c,9cからの汚水の流入を止め、排水管口9c,9cを含むインバート(上面壁)92を必要に応じて清掃し、乾燥状態とした上、排水管口9c,9cを含むインバート(上面壁)92の老朽、破損による漏水箇所を止水セメントなどで防水補修し(G)、該防水補修された箇所が充分に硬化した後、当該インバート桝90の排水管口9c,9cに対し、中空弾性体からなり、図示しない送気パイプ、コンプレッサー(または空気ボンベ)などの何れかから延伸された給気パイプAPが接続された球形のバルーン型スペーサS,Sを装着し、該排水管口9c,9cの内径に一致する外径となるまで該球形のバルーン型スペーサS,Sに空気を充填して排水管口9c,9cを閉鎖、止水する(H)。
【0060】
該塩化ビニル管7の下端70の中、排水管口9c,9cに対応する半円弧状の切除部分74,74を除く、インバート92(上面壁92)に当接することとなる直線状または緩やかな曲線状などとなっている範囲に沿って、該塩化ビニル管7の肉厚と略同じ幅のゴム製、合成ゴム製または軟質合成樹脂製の粘着付きの帯状止水パッキン73,73を貼着し(J)、該塩化ビニル管7の中心CLが、更生対象である当該インバート桝90の筒状内壁91の中心CLに一致するよう縦姿勢に配置し、該塩化ビニル管7の向きや姿勢を誤らないよう確認しながらゆっくりと下ろして行き、該塩化ビニル管7のインバート接合端70の中、半円弧状の切除部分74,74が、球形のバルーン型スペーサS,Sの上面壁に密接状に接合すると共に、該止水パッキン73,73が貼着されたインバート接合端70が、球形のバルーン型スペーサS,Sの上面壁以外のインバート92の上面壁92に密接状に接合するよう設置する(K)。
【0061】
図14ないし図16および図20に示すように、更生対象である当該インバート桝90の筒状内壁91、球形のバルーン型スペーサS,Sの上面壁、インバート92(上面壁92)、および、該塩化ビニル管7の筒状外壁72との間の筒状の空隙中に、充填材部8としての無収縮モルタル8を、地上から漏斗などを用い、重力によって注ぎ込むか、または、ポンプなどを用いて強制的に注入するかなどして充填し(L)、該無収縮モルタル8の地上に露出する上端面を更生後のインバート桝6の蓋勾配に合わせて平滑面状に仕上げ、養生時間を経て該無収縮モルタル8が、充分に降下した後、給気パイプAPを通じて球形のバルーン型スペーサS,Sを排気操作して収縮させた上、当該インバート桝90の外に取り出し(M)、排水管口9c,9cの止水を解除する。
【0062】
図16ないし図18および図20に示すように、更生対象である当該インバート桝90の蓋勾配に合わせて、当該インバート桝90内に縦姿勢に設置された該塩化ビニル管7の余となる上端71を、更生後のインバート桝6の蓋勾配に合わせて切除し、該塩化ビニル管7からこの発明の更生用樹脂管7が製造されたものとし(N)、該生用樹脂管7の上端開口71に開閉蓋75を着脱自在に装着し(P)、この発明の更生インバート桝6が完成されることとなる。
【0063】
(結 び)
叙述の如く、この発明のインバート用の型取りゲージ、および、それを利用したインバート桝の更生方法は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、従前からの構造が複雑で部品点数が多く、施工工数が嵩む老朽化したインバート桝の更生技術に比較して大幅に部品点数を削減し、施工工数を削減して低廉化し、遥かに経済的なものとすることができる上、既製品を利用したものとすることによって、製造および施工の工数および経費を格段に改善することができるから、老朽化が進むインバート桝の更生工事を行う工事施工業界はもとより、公共下水道をはじめとする下水道管理業界などにおいても高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
【符号の説明】
【0064】
(インバート用の型取りゲージ)
1 インバート用の型取りゲージ
2 環状枠
20 同 装着孔
3 ゲージ棒(直線棒状、自転車用スポーク)
30 同 胴部
31 同 ねじ部(ゲージ端)
32 同 頭部(制限端)
33 同 エルボ部(制限端)
4 仮止め機構(装着孔の摩擦力発生内壁、弾性樹脂製の帯)
5 吊下機構
50 同 骨格枠
51 同 縦骨格部
52 同 補強環グリップ
53 同 上端ループ状グリップ
PP 型紙
TL 同 描き込まれた境界線
PS 同 描き込まれた塗面
DP 同 描き込まれた円弧形状部分
【0065】
(更生インバート桝)
6 更生インバート桝
7 更生用樹脂管(既成樹脂管、塩化ビニル管)
CL 同 更生用樹脂管(既成樹脂管、塩化ビニル管)の軸心(更生対象となるインバート桝の軸心)
70 同 インバート接合端(既成樹脂管の下端)
71 同 既成樹脂管の上端(上端開口)
72 同 筒状外壁
73 同 止水パッキン
74 同 半円弧状の切除部分
75 同 開閉蓋
8 充填材部(無収縮グラウト、無収縮モルタル、他、空隙)
S バルーン型スペーサ
AP 同 給気パイプ
9 下水道
9a 同 排水設備
9b 同 排水管
9c 同 排水管口(排水管口の上面壁)
9d 同 公共下水道
9e 同 取り付け管
9f 同 道路
9g 同 下水道本管
90 同 更生対象となるインバート桝(公共汚水桝)
91 同 筒状内壁
92 同 インバート(インバートの上面壁)
MD 同 最小直径
W 汚水
93 同 建築物
GL 地表面レベル
【0066】
(インバート桝の更生方法)
A 更生対象となるインバート桝の内壁を清掃する行程
B 型取りゲージを用いて型取りする工程
C 型取りゲージから型紙を起こす工程
D 既成樹脂管に該型紙を貼り付ける工程
E 既成樹脂管の下端を型紙に沿って切除する工程
F 既成樹脂管から型紙を除去し、インバート接合端を完成する工程
G 更生対象となるインバートの漏水箇所を防水補修する工程
H 更生対象となるインバート桝の排水管口にスペーサを装着する工程
J 既成樹脂管のインバート接合端に止水パッキンを貼着する工程
K 既成樹脂管を更生対象となるインバート桝内に設置する工程
L 筒状の空隙中に充填材部を充填する工程
M スペーサを外に取り除く工程
N 既成樹脂管の余となる上端を切除し、更生用樹脂管を製造する工程
P 更生用樹脂管の上端開口に開閉蓋を装着する工程
【要約】      (修正有)
【課題】部品点数と施工工数とを削減し、汚水の停留を可能なかぎり短時間に留め、重機などが入れないような狭い場所であっても、少人数の作業員によって迅速且つ低廉に更生工事を終了することができる新たなインバート桝の更生技術を提供する。
【解決手段】更生対象となるインバート桝より小さな外径の既成樹脂管を輪切り状に切断された場合の形状および寸法に設定された環状枠2を有し、環状枠2の周方向に沿って等間隔を隔てた複数箇所の夫々に、ゲージ端31を有したゲージ棒3が環状枠2の軸心CLと平行する姿勢となり、進退自在に縦貫されると共に、各ゲージ棒3仮止め機構4が設けられた上、環状枠2から、各ゲージ棒3のゲージ端31とは反対がわに延伸された吊下機構5が設けられたインバート用の型取りゲージ1である。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20