(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0017】
(実施形態1)
図1は、実施形態1の系統連系システムの構成例を示すブロック図である。系統連系システムは、分散型電源2から供給された電力を負荷6に供給したり、系統5に逆潮流したりすることができるように構成されている。
【0018】
図1に示すように、系統連系システムは、分散型電源2を系統5に連系させるためのインバータ装置3と、MPPT(最大電力点追従)制御部4と、単独運転検出装置100を備える。ここでは、分散型電源2として、太陽電池を用いた場合の例について説明する。ただし、分散型電源2は、太陽電池に限定されるものではない。なお、以下の説明では、太陽電池にも、分散型電源と同じ符号2を付すものとする。
【0019】
インバータ装置3は、スイッチング素子(図示省略)のスイッチング動作を利用して、太陽電池2の出力電圧を降圧して出力するように構成されている。インバータ装置3は、MPPT制御部4の最大電力追従制御を受け、所定の力率で動作する。具体的に、インバータ装置3は、スイッチング素子のスイッチング動作を制御するPWM(Pulse Width Modulation)信号を出力するPWM制御部31を含む。PWM制御部31では、MPPT制御部4から出力された電力指令P及び後述する加算器140から出力された無効電力指令Qに基づいてPWM信号のデューティ比を調整する。MPPT制御部4は、太陽電池2の出力電圧及び出力電流に基づいて、太陽電池2の出力電力が最大となるように電力指令Pを調整する。なお、インバータ装置3、MPPT制御部4の具体的な回路構成は、従来から知られているものを適用できるので、ここではその詳細説明を省略する。
【0020】
単独運転検出装置100は、力率演算部110と、第1無効電力演算部120と、第2無効電力演算部130と、加算器140、単独運転検出部150とを備える。
【0021】
力率演算部110は、MPPT制御部4から出力された電力指令Pを受信し、系統5に注入する無効電力(以下、注入無効電力Q0という)を演算して加算器140に出力する。注入無効電力Q0は、MPPT制御部4から出力された電力指令値Pと、あらかじめ設定された運転力率(例えば、0.96)とを基に演算される。
【0022】
加算器140では、力率演算部110から出力された注入無効電力Q0と、後述する第1注入無効電力Q1及び第2注入無効電力Q2とが加算される。加算器140での加算結果は、無効電力指令QとしてPWM制御部31に出力される。
【0023】
第1無効電力演算部120は、系統周波数計測部121と、周波数偏差算出部122と、無効電力演算部123とを備える。
【0024】
系統周波数計測部121は、系統電圧の周波数(以下、系統周波数という)を計測する。
【0025】
周波数偏差算出部122は、系統周波数計測部121で計測された系統周波数を基に周波数偏差を算出する。周波数偏差の算出方法は、特に限定されないが、例えば、系統周波数の過去周期と最近周期との差に基づいて算出される。なお、過去周期及び最近周期として、所定期間の移動平均を用いてもよい。
【0026】
無効電力演算部123は、周波数偏差算出部122で算出された周波数偏差を基に、系統に注入する第1注入無効電力Q1を演算する。演算された第1注入無効電力Q1は、加算器140により注入無効電力Q0に追加される。換言すると、第1注入無効電力Q1は、力率演算部110から出力された注入無効電力Q0に追加して系統5に注入される無効電力である。
【0027】
図2は、周波数偏差算出部122で算出された周波数偏差と、第1注入無効電力Q1との関係を示した図である。
図2に示すように、所定の周波数偏差f(例えば、±0.01[Hz])を境に注入無効電力Q0の演算のゲインを変えるようにしてもよい。また、注入無効電力Q0の上限/下限(例えば、±0.25[p.u.])を設定するようにしてもよい。注入無効電力Q0の注入タイミングは、特に限定されないが、例えば、周波数偏差が検出されてから半サイクル以内に実行する。なお、単独運転検出装置100が、単独運転検出をしないと判断された状態(以下、待機状態という)にある場合に、周波数偏差によらず第1注入無効電力Q1をゼロ(0[p.u.])にする、としてもよい。
【0028】
第2無効電力演算部130は、基本波電圧計測部131と、基本波判定部132と、高調波電圧計測部133と、高調波判定部134と、出力部135とを備える。
【0029】
基本波電圧計測部131は、系統電圧の計測結果を基に、系統電圧の基本波電圧(以下、単に基本波電圧という)を算出する。
【0030】
基本波判定部132は、基本波電圧計測部131で算出された基本波電圧が、所定の基本波電圧条件を満たすような基本波電圧変動があるかどうかを判定する。所定の基本波電圧条件とは、無効電力を追加注入するか否かを判断するための条件であり、例えば、系統連系システムの設計時等に任意に設定することができる。基本波判定部132は、例えば、以下の式(11)〜(16)を全て満たすか否かに基づいて所定の基本波電圧条件を満たすかどうかを判定する。
【0031】
(N
b0−N
ba)>2.5[V] ・・・(11)
(N
b1−N
ba)>2.5[V] ・・・(12)
(N
b2−N
ba)>−0.5[V] ・・・(13)
−0.5[V]<(N
b3−N
ba)<0.5[V] ・・・(14)
−0.5[V]<(N
b4−N
ba)<0.5[V] ・・・(15)
−0.5[V]<(N
b5−N
ba)<0.5[V] ・・・(16)
【0032】
ここで、N
bi(i=0〜5の整数)は、直近のサイクルを起点(0サイクル)として、その起点からiサイクル前の基本波電圧を示している。また、N
baは、過去の所定サイクル期間(例えば、直近のサイクルから見て3〜5サイクル前の3サイクル期間)における基本波電圧の平均値である。
【0033】
高調波電圧計測部133は、系統電圧の計測結果を基に、系統の高調波電圧(以下、単に高調波電圧という)を算出する。
【0034】
高調波判定部134は、高調波電圧計測部133で算出された高調波電圧が、所定の高調波電圧条件を満たすような高調波電圧変動があるかどうかを判定する。所定の高調波電圧条件とは、無効電力を追加注入するか否かを判断するための条件であり、例えば、系統連系システムの設計時等に任意に設定することができる。高調波判定部134は、例えば、以下の式(21)〜(26)を全て満たすか否かに基づいて所定の高調波電圧条件を満たすかどうかを判定する。
【0035】
(N
h0−N
ha)>2[V] ・・・(21)
(N
h1−N
ha)>2[V] ・・・(22)
(N
h2−N
ha)>−0.5[V] ・・・(23)
−0.5[V]<(N
h3−N
ha)<0.5[V] ・・・(24)
−0.5[V]<(N
h4−N
ha)<0.5[V] ・・・(25)
−0.5[V]<(N
h5−N
ha)<0.5[V] ・・・(26)
【0036】
ここで、N
bj(j=0〜5の整数)は、直近のサイクルを起点(0サイクル)として、その起点からjサイクル前の高調波電圧を示している。また、N
haは、過去の所定サイクル期間(例えば、直近のサイクルから見て3〜5サイクル前の3サイクル期間)における高調波電圧の平均値である。
【0037】
出力部135は、基本波判定部132及び高調波電圧計測部133の判定結果に基づいて設定された第2注入無効電力Q2を加算器140に出力する。具体的に、出力部135は、基本波判定部132の基本波電圧条件及び高調波電圧計測部133の高調波電圧条件の少なくとも一方が充足された場合に、所定の第2注入無効電力Q2を出力する。
図1では、ORゲート136と、セレクタ137とを用いて出力部135を構成した例を示している。ただし、出力部135の構成は、
図1の構成に限定されず、他の回路構成やプログラム等を用いて実現するようにしてもよい。なお、出力部135は、単独運転検出装置100が待機状態にある場合に、周波数偏差によらず第2注入無効電力Q2をゼロ(0[p.u.])にする、としてもよい。
【0038】
図3は、第2注入無効電力Q2の電力波形例である。
図3に示すように、本開示の技術では、第2注入無効電力Q2として、所定の傾きで徐々に増加しかつ所定の傾きで徐々に減少するような無効電力を追加注入する点に特徴がある。
図3(a)は、第2注入無効電力Q2が、最大値Y(例えば、0.1[p.u.])まで線形状(直線状またはランプ状)に増加し、その後、線形状(直線状またはランプ状)に減少するような三角波の例を示している。なお、第2注入無効電力Q2として、注入無効電力の増加時の傾きと減少時の傾きとが同じである三角波(例えば、二等辺三角形状または正三角形状)であってもよいし、注入無効電力の増加時の傾きと減少時の傾きとが互いに異なってもよい。例えば、
図1において、実線で示すように、増加時の方が減少時よりも傾きが大きくてもよく、破線で示すように、減少時の方が増加時よりも傾きが大きくてもよい。
【0039】
第2注入無効電力Q2は、電力波形の増加/減少が正弦波や二次曲線のように曲線状に変化(増加/減少)してもよい。
図3(b)は、第2注入無効電力Q2の電力波形が正弦波の例を示している。また、
図3(c)に示すように、第2注入無効電力Q2の電力波形が台形状であってもよい。なお、第2注入無効電力Q2の注入時間は、特に限定されないが、例えば、3サイクル以内(
図3においてX=3)である。
【0040】
単独運転検出部150は、系統周波数計測部121で計測された系統周波数に基づいて単独運転を検出する。単独運転の検出方法は、特に限定されない。例えば、単独運転検出部150は、系統周波数計測部121で計測された系統周波数に基づいて単独運転状態になっていることが確認され、その状態が所定時間継続した場合に、単独運転が検出されたものとする。
【0041】
以上をまとめると、本実施形態では、以下の(1)〜(4)の工程を経て単独運転を検出するようにしている。
【0042】
(1)系統周波数計測部121が、系統周波数を計測し、周波数偏差算出部122が、系統周波数計測部121で計測された系統周波数を基に系統周波数偏差を演算し、無効電力演算部123が、周波数偏差算出部122で演算された系統周波数偏差から第1注入無効電力Q1を算出する工程。
【0043】
(2)基本波電圧計測部131が系統電圧(基本波電圧)を計測し、基本波判定部132が、基本波電圧計測部131で計測された系統電圧について過去の所定の複数サイクルの平均値と最新の所定サイクルにおける計測値との差に基づいて、系統電圧変動があるか否かを判定する工程。
【0044】
(3)高調波電圧計測部133が系統の高調波電圧を計測し、高調波判定部134が、高調波電圧計測部133で計測された高調波電圧について過去の所定の複数サイクルの平均値と最新の所定サイクルにおける計測値との差に基づいて、系統5の高調波電圧の変動があるか否かを判定する工程。
【0045】
(4)周波数偏差算出部122で演算された系統周波数偏差が一定以下で、かつ、基本波判定部132で系統電圧変動があると判定された場合または高調波判定部134で高調波電圧変動があると判定された場合に、無効電力演算部123で演算された第1注入無効電力Q1と、所定の傾きで徐々に増加しかつ所定の傾きで徐々に減少するような第2注入無効電力Q2(例えば、
図3(a)〜(c)参照)とを加算して系統に注入する工程。
【0046】
本実施形態のように、系統連系システムの単独運転検出(無効電力注入方式)において、所定の傾きで徐々に増加しかつ所定の傾きで徐々に減少するような第2注入無効電力Q2を系統に追加注入することにより、系統5にフリッカ事象が発生するのを抑制することができる。以下において、
図4を参照しつつ、具体的に説明する。
【0047】
図4において、(a)は、系統5と系統連系システムとの間の等価回路の一例を示す図であり、(b)は、無効電力の注入によるベクトルの変化を示す図であり、(c)は、無効電力の注入による波形の変化を説明するための図である。
【0048】
図4に示すように、発電所8と系統連系システムとの間には、ラインインピーダンス(
図4では%R,%Lと記載)がある。また、
図4に示すように、系統には進相コンデンサCが入っている場合がある。したがって、無効電力注入方式の単独運転の検出において、無効電力を系統に追加注入すると、所定の無効電流I
Qが系統5に流れる。そうすると、
図4(b)のベクトル図で示すように、系統電圧がV(0)からV(1)に変化する。このとき、従来技術(例えば、特許文献1の技術)のように、急峻に変化する無効電力を注入した場合には、
図4(b)の破線で示すようなベクトルの変化が急激に起こるので、
図4(c)に破線で示すような系統電圧の変動が起こったり、系統に接続されている機器(例えば、本実施形態の系統連系システムを構成する機器)に対して悪影響が生じる恐れがある。
【0049】
これに対し、本実施形態のように、第2注入無効電力Q2を徐々に変化させることで、
図4(b)の破線で示すベクトルの変化を緩やかにすることができる。これにより、前述のとおり、系統5にフリッカ事象が発生するのを抑制することができる。
【0050】
なお、
図3(a)、(c)では、第2注入無効電力Q2が、一定の傾きで上昇し、一定の傾きで減少する場合について説明したが、上昇または減少の過程で第2注入無効電力Q2の傾きが変わってもよい。
【0051】
(実施形態2)
図5は、実施形態2の系統連系システムの構成例を示すブロック図である。
図5において、
図1と共通の構成要素については共通の符号を付している。また、ここでは、実施形態1との相違点を中心に説明をするものとし、実施形態1と共通の構成、動作について説明を省略する場合がある。
【0052】
本実施形態(
図5の構成)では、加算器140の入力信号の1つである第2注入無効電力Q2を出力するブロックの構成が、第1実施形態(
図1の構成)と異なっている。
【0053】
具体的に、本実施形態では、
図5に示すように、系統電圧変動型単独運転検出系統160から出力される第1追加無効電力Q21と、高調波変動型単独運転検出系統170から出力される第2追加無効電力Q22とを加算器180で加算することにより、第2注入無効電力Q2を生成している。
【0054】
系統電圧変動型単独運転検出系統160とは、系統電圧変動を単独運転状態時に示す電気的変動として電力系統に無効電力を注入する単独運転検出系統である。具体的には、系統電圧変動型単独運転検出系統160は、基本波電圧計測部161と、第1追加無効電力演算部162とを備える。
【0055】
基本波電圧計測部161は、系統電圧の計測結果を基に、基本波電圧を算出する。
【0056】
第1追加無効電力演算部162は、基本波電圧計測部161で算出された基本波電圧を基に、単独運転状態での電気的変動が系統電圧変動であるか否かを判定する。さらに、第1追加無効電力演算部162は、周波数偏差算出部122で演算した系統周波数偏差が一定以下で、かつ、単独運転状態での電気的変動が系統電圧変動である場合に、第1追加無効電力Q21を加算器180に出力する。なお、単独運転状態での電気的変動が系統電圧変動であるか否かの判定は、前述の第1実施形態における所定の基本波電圧条件を満たすかどうかの判定と同様にすることができるので、ここではその詳細説明を省略する。第1追加無効電力Q21は、系統電圧変動型単独運転検出系統からの無効電力の一例である。
【0057】
高調波変動型単独運転検出系統170とは、高調波歪電圧変動(高調波変動)を単独運転状態時に示す電気的変動として電力系統に無効電力を注入する単独運転検出系統である。具体的には、高調波変動型単独運転検出系統170は、高調波電圧計測部171と、第2追加無効電力演算部172とを備える。
【0058】
高調波電圧計測部171は、系統電圧の計測結果を基に、高調波電圧を算出する。
【0059】
第2追加無効電力演算部172は、高調波電圧計測部171で算出された高調波電圧を基に、単独運転状態での電気的変動が高調波変動であるか否かを判定する。さらに、第2追加無効電力演算部172は、周波数偏差算出部122で演算した系統周波数偏差が一定以下で、かつ、単独運転状態での電気的変動が高調波変動である場合に、第2追加無効電力Q22を加算器180に出力する。なお、単独運転状態での電気的変動が高調波変動であるか否かの判定は、前述の第1実施形態における所定の高調波電圧条件を満たすかどうかの判定と同様にすることができるので、ここではその詳細説明を省略する。第2追加無効電力Q22は、高調波変動型単独運転検出系統からの無効電力の一例である。
【0060】
加算器180は、第1追加無効電力Q21と第2追加無効電力Q22とを加算し、加算結果を第2注入無効電力Q2として加算器140に出力する。本実施形態において、加算器140は、無効電力加算部の一例である。
【0061】
第1追加無効電力Q21及び第2追加無効電力Q22は、加算器180からの出力(加算結果)が、所定の傾きで徐々に増加し、かつ、所定の傾きで徐々に減少するような電力となるように設定される。ここで、第1追加無効電力演算部162または第2追加無効電力演算部172の一方のみから追加無効電力が出力される場合がある。したがって、第1追加無効電力Q21及び第2追加無効電力Q22は、いずれか一方から追加無効電力が出力された場合と両方から追加無効電力が出力されて加算された場合のいずれにおいても、所定の傾きで徐々に増加し、かつ、所定の傾きで徐々に減少するような電力となっている。具体的な波形の形状は、特に限定されないが、例えば、第1追加無効電力演算部162及び第2追加無効電力演算部172の両方から、
図3(a)の波形を同一または少しタイミングをずらして出力することにより実現することができる。
【0062】
以上をまとめると、本実施形態では、 以下の(1)〜(4)の工程を経て単独運転を検出するようにしている。
【0063】
(1)系統周波数計測部121で計測された系統電力の系統周波数の計測結果を基に、周波数偏差算出部122が系統周波数偏差を演算し、無効電力演算部123が、周波数偏差算出部122で演算された系統周波数偏差を基に系統周波数変動型単独運転検出系統からの無効電力量を演算して加算器140に出力する工程。なお、本実施形態において、第1無効電力演算部120は、系統周波数変動型単独運転検出系統の一例である。系統周波数変動型単独運転検出系統とは、系統周波数変動を単独運転状態時に示す電気的変動として電力系統に無効電力を注入する単独運転検出系統である。
【0064】
(2)周波数偏差算出部122で演算した系統周波数偏差が一定以下で、かつ、単独運転状態での電気的変動が系統電圧変動である場合に、系統電圧変動型単独運転検出系統160から出力された第1追加無効電力Q21を、加算器180を介して加算器140に入力する工程。
【0065】
(3)周波数偏差算出部122で演算した系統周波数偏差が一定以下で、かつ、単独運転状態での電気的変動が高調波変動である場合に、高調波変動型単独運転検出系統170から出力された第2追加無効電力Q22を、加算器180を介して加算器140に入力する工程。
【0066】
(4)加算器140にて入力された無効電力を加算し、この加算された無効電力を系統に注入する工程。
【0067】
ここで、第1追加無効電力Q21及び第2追加無効電力Q22は、加算器180から出力される第2注入無効電力Q2が所定の傾きで徐々に増加し、かつ、所定の傾きで徐々に減少するように設定されていることを特徴とする。第2注入無効電力Q2は、第1追加無効電力Q21と第2追加無効電力Q22とを加算器180で加算した電力である。
【0068】
以上のように、本実施形態によると、実施形態1と同様に、所定の傾きで徐々に増加しかつ所定の傾きで徐々に減少するような第2注入無効電力Q2を系統に追加注入することにより、系統5にフリッカ事象が発生するのを抑制することができる。
【解決手段】単独運転検出方法は、系統周波数変動型単独運転検出系統からの無効電力量を演算して無効電力加算部に入力する工程と、所定の条件に基づいて系統電圧変動型単独運転検出系統からの無効電力を無効電力加算部に入力する工程と、所定の条件に基づいて高調波変動型単独運転検出系統からの無効電力を無効電力加算部に入力する工程と、無効電力加算部で加算された無効電力を系統に注入する工程とを含む。系統電圧変動型単独運転検出系統からの無効電力と高調波変動型単独運転検出系統からの無効電力とを加算した無効電力として、所定の傾きで徐々に増加し、かつ、所定の傾きで徐々に減少するような無効電力を注入する。