特許第6644964号(P6644964)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ クラシエホームプロダクツ株式会社の特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6644964
(24)【登録日】2020年1月14日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/86 20060101AFI20200130BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20200130BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20200130BHJP
【FI】
   A61K8/86
   A61K8/34
   A61Q19/00
【請求項の数】1
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-84901(P2015-84901)
(22)【出願日】2015年4月17日
(65)【公開番号】特開2016-204278(P2016-204278A)
(43)【公開日】2016年12月8日
【審査請求日】2018年3月30日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 電気通信回線を通じて発表した 掲載年月日 2015年1月21日 掲載アドレス http://www.kracie.co.jp/release/10106700_3833.html
(73)【特許権者】
【識別番号】306018365
【氏名又は名称】クラシエホームプロダクツ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】原田 智広
(72)【発明者】
【氏名】中川 泰治
【審査官】 池田 周士郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−014540(JP,A)
【文献】 特開2014−101333(JP,A)
【文献】 特開平05−221821(JP,A)
【文献】 特開2012−082177(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/012198(WO,A1)
【文献】 Lotion I, MINTEL GNPD [ONLINE], 2013.01,[検索日 2019.01.23]インターネット:<URL:https://www.gnpd.com/sinatra>(Database accession no.1954176),全文
【文献】 Gold Emulsion, MINTEL GNPD [ONLINE], 2015.02,[検索日 2019.01.23]インターネット:<URL:https://www.gnpd.com/sinatra>(Database accession no.2896547),全文
【文献】 日油株式会社,新規医薬部外品添加物 水溶性保湿油「WILBRIDE S-753」,FRAGRANCE JOURNAL,2009年 8月,99-100頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00−90/00
Mintel GNPD
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ポリオキシブチレン・ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、(b)1,3−プロパンジオール、及び(c)1,3−プロパンジオールを除く二価以上の多価アルコールから選ばれる一種以上を含有し、(a)の含有量が化粧料中0.05質量%以上〜10質量%未満であること、かつ(b)+(c)の含有量が化粧料中10質量%以上〜40質量%未満であることを特徴とする化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い保湿性を有しながらも、塗布後の肌のベタつきのなさに優れた化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、化粧料において優れた保湿感を付与させるために、様々な種類の多価アルコールを配合した化粧料が開発されてきた。
【0003】
しかしながら従来からある化粧料では、多価アルコールの量を増やすことにより、塗布直後のしっとり感、保湿感は得られるが、塗布後にベタつき、保湿感とベタつきのなさが両立できるものは得られていなかった。
【0004】
そこで最近では、ベタつきを抑える両親媒性の成分として、グリセリンのアルキレンオキシド誘導体(例えば、特許文献1を参照)などが開発され、水を媒体とする化粧料に配合する試みがなされている(例えば、特許文献2を参照)。
【0005】
しかしながら、これらの試みに拠っても、ある程度の保湿感とベタつきのなさの両立はできるものの、十分な保湿感を付与するために保湿成分を高配合とすると、塗布後の肌のベタつきが高まり、使用感が劣るといった問題が依然としてある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4670366号公報
【特許文献2】特開2013−14540号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明はこのような従来の問題点を解決するためになされたもので、高い保湿性を有しながらも、塗布後の肌のベタつきのなさに優れた化粧料を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、
ポリオキシブチレン・ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリセリルエーテルを配合した化粧料に、1,3−プロパンジオールと1,3−プロパンジオールを除く二価以上の多価アルコールから選ばれる一種以上を配合することにより、従来にない使用感、保湿感、ベタつきのなさに優れる化粧料が得られることを見い出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
すなわち本発明は、(a)ポリオキシブチレン・ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、(b)1,3−プロパンジオール、及び(c)1,3−プロパンジオールを除く二価以上の多価アルコールから選ばれる一種以上を含有し、(a)の含有量が化粧料中0.05質量%以上〜10質量%未満であること、かつ(b)+(c)の含有量が化粧料中10質量%以上〜40質量%未満であることを特徴とする化粧料を提供するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の化粧料は、皮膚に塗布後、十分な保湿感を与えることができるとともに、塗布後の不快なベタつき感を抑え、優れた肌なじみ性を有する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
本発明で配合されるポリオキシブチレン・ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリセリルエーテルとして、PEG/PPG/ポリブチレングリコール−8/5/3グリセリンが挙げられ、市販品をそのまま用いることもできる。市販品としてはウィルブライドS−753(商品名,日油社製)などを例示することができる。
【0013】
上記成分ポリオキシブチレン・ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリセリルエーテルの含有量は、特に限定されないが、塗布後のベタツキのなさの観点から、化粧料の総量を基準として、0.05質量%以上〜10質量%未満が好ましく、さらに好ましくは0.1質量%以上〜5質量%未満であり、最も好ましくは0.5質量%以上〜3質量%未満である。
0.05質量%未満ではポリオールに対するベタつき抑制効果が充分ではなく、また10質量%以上では塗布後にポリオキシブチレン・ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリセリルエーテル自体のベタつきが生じる。
【0014】
本発明で用いられる成分(c)としての1,3−プロパンジオールを除く二価以上の多価アルコールの具体例としては、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ソルビトール、キシリトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジグリセリン、1,2−ペンタンジオール、ヘキシレングリコール、マルチトール、グルコシルトレハロース等が例示される。これらのなかでも、使用感の観点から、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ソルビトール、グルコシルトレハロース等が特に好適に用いられる。更にこれらのなかでも、使用感の観点から、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコールが特に好適に用いられる。
【0015】
上記1,3−プロパンジオールと成分(c)の合計含有量は、10質量%以上であれば特に限定されないが、使用感の観点から、化粧料の総量を基準として、10質量%以上〜40質量%未満が好ましく、さらに好ましくは10質量%以上〜35質量%以下であり、最も好ましくは10質量%以上〜30質量%以下である。
10質量%未満では保湿感が充分ではなく、また40質量%以上では塗布後のベタつきが生じる。
【0016】
本発明の化粧料は、使用感の観点からローションであることが好ましい。
【0017】
上記化粧料には、上記の必須成分に加えて、本発明の効果を損なわない範囲内で、化粧料に一般に配合し得る成分を任意に添加することができる。このような成分としては、例えばビタミン類、油脂、ロウ類、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、合成エステル油、シリコーン、保湿剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、親油性非イオン界面活性剤、親水性非イオン界面活性剤、防腐剤、消炎剤、美白剤、植物抽出物、賦活剤、血行促進剤、抗脂漏剤、天然の水溶性高分子、半合成水溶性高分子、合成水溶性高分子、無機の水溶性高分子、粉末成分、金属イオン封鎖剤、水、香料、低級アルコール等が挙げられる。ただしこれら例示に限定されるものでない。
【0018】
ビタミン類としては、ビタミン油、レチノール、酢酸レチノール等のビタミンA類、リボフラビン、酪酸リボフラビン、フラビンアデニンヌクレオチド等のビタミンB2類、ピリドキシン塩酸塩、ピリドキシンジオクタノエート等のビタミンB6類、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ジパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−硫酸ナトリウム、L−アスコルビン酸リン酸エステルDL−α−トコフェロール−L−アスコルビン酸リン酸ジエステルジカリウム、エチルアスコルビン酸等のビタミンC類、パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、パントテニルエチルエーテル、アセチルパントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール等のビタミンD類、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等のニコチン酸類、α−トコフェロール、酢酸トコフェロール、ニコチン酸DL−α−トコフェロール、コハク酸DL−α−トコフェロール等のビタミンE類、ビタミンP、ビオチンなど例示される。
【0019】
油脂としては、アボカド油、ツバキ油、月見草油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリド、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン等の液体油脂、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等の固体油脂などが例示される。
【0020】
ロウ類としては、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテルなどが例示される。
【0021】
炭化水素油としては、流動パラフィン、オゾケライト、スクワラン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の油分が例示される。
【0022】
高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン(ベヘニン)酸、オレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)などが例示される。
【0023】
高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等の直鎖アルコール、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2−デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等の分枝鎖アルコールなどが例示される。
【0024】
合成エステル油としては、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン
酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリスリトール、トリー2−エチルヘキサン酸グリセリル、セチル2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリル、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリル、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、酢酸グリセリル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、セバチン酸ジイソプロピル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、クエン酸トリエチル、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸ビスエトキシジグリコールなどが例示される。
【0025】
シリコーンとしては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラヒドロテトラメチルシクロテトラシロキサン等の環状ポリシロキサン、3次元網目構造を形成しているシリコ−ン樹脂、シリコーンゴムなどが例示される。
【0026】
保湿剤としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、キシリトール、ソルビトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、メチルグルセス−20、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl−ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イサイヨバラ抽出物、セイヨウノキギリソウ抽出物、メリロート抽出物などが例示される。
【0027】
アニオン界面活性剤としては、セッケン用素地、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等の脂肪酸セッケン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等の高級アルキル硫酸エステル塩、POEラウリル硫酸トリエタノールアミン、POEラウリル硫酸ナトリウム等のアルキルエーテル硫酸エステル塩、ラウロイルサルコシンナトリウム等のN−アシルサルコシン酸、N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム、ラウリルメチルタウリッドナトリウム等の高級脂肪酸アミドスルホン酸塩、POEオレイルエーテルリン酸ナトリウム、POEステアリルエーテルリン酸等のリン酸エステル塩、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸塩、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸モノナトリウム等のN−アシルグルタミン酸塩、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等の高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩、ロート油等の硫酸化油のほか、POEアルキルエーテルカルボン酸、POEアルキルアリルエーテルカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、二級アルコール硫酸エステル塩、高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム、N−パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン、カゼインナトリウム、ドデカン−1,2−ジオール酢酸エーテルナトリウム、マルチトールヒドロキシアルキル(C12、C14)エーテルなどが例示され
る。
【0028】
カチオン界面活性剤としては、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩、塩化ポリ(N,N’−ジメチル−3,5−メチレンピペリジニウム)、塩化セチルピリジニウム等のアルキルピリジニウム塩のほか、アルキル四級アンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ジアルキルモルホリニウム塩、POEアルキルアミン、アルキルアミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体、アミルアルコール脂肪酸誘導体、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムなどが例示される。
【0029】
両性界面活性剤としては、2−ウンデシル−N−ヒドロキシエチル−N−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、2−ココイル−2−イミタゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等のイミダゾリン系両性界面活性剤、2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等のベタイン系界面活性剤などが例示される。
【0030】
親油性非イオン界面活性剤としては、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ−2−エチルヘキサン酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ジグリセロールソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、ピログルタミン酸オレイン酸グリセリル、ステアリン酸リンゴ酸グリセリル等のグリセリンポリグリセリン脂肪酸類、モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル類のほか、硬化ヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体などが例示される。
【0031】
親水性非イオン界面活性剤としては、POEソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンモノステアレート、POE−ソルビタンテトラオレエート等のPOEソルビタン脂肪酸エステル類、POE−ソルビットモノラウレート、POE−ソルビットモノオレエート、POE−ソルビットペンタオレエート、POE−ソルビットモノステアレート等のPOEソルビット脂肪酸エステル類、POE−グリセリンモノステアレート、POE−グリセリンモノイソステアレート、POE−グリセリントリイソステアレート等のPOEグリセリン脂肪酸エステル類、POEモノオレエート、POEジステアレート、POEジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等のPOE脂肪酸エステル類、POEラウリルエーテル、POEオレイルエーテル、POEステアリルエーテル、POEベヘニルエーテル、POE2−オクチルドデシルエーテル、POEコレスタノールエーテル等のPOEアルキルエーテル類、POEオクチルフェニルエーテル、POEノニルフェニルエーテル、POEジノニルフェニルエーテル等のPOEアルキルフェニルエーテル類、POE・POPグリコール等のプルロニック型類、POE・POPセチルエーテル、POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル、POE・POPモノブチルエーテル、POE・POP水添ラノリン、POE・POPグリセリンエーテル等のPOE・POPアルキルエーテル類、テトロニック等のテトラPOE・テトラPOPエチレンジアミン縮合物類、POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油、POE硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE硬化ヒマシ油マレイン酸等のPOEヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体、POEソルビットミツロウ等のPOEミツロウ・ラノリン誘導体、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等のア
ルカノールアミドのほか、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル、POEアルキルアミン、POE脂肪酸アミド、ショ糖脂肪酸エステル、POEノニルフェニルホルムアルデヒド縮合物、アルキルエトキシジメチルアミンオキシド、トリオレイルリン酸などが例示される。
【0032】
防腐剤としては、メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン、プロピルパラベン、フェノキシエタノール、レゾルシン、サリチル酸、デヒドロ酢酸、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、イソプロピルメチルフェノール、アルカンジオール等が例示される。
【0033】
消炎剤としては、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等が例示される。
【0034】
美白剤としては、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、プラセンターエキス、アルブチン、トラネキサム酸、コウジ酸、イオウ、油溶性甘草抽出物、、ユキノシタ抽出物等が例示される。
【0035】
植物抽出物としては、オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ローズマリー、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻、茶等の抽出物が例示される。
【0036】
賦活剤としては、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体等が例示される。
【0037】
血行促進剤としては、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、カフェイン、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等が例示される。
【0038】
抗脂漏剤としては、硫黄、チアントール等が例示される。
【0039】
天然の水溶性高分子としては、アラアビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアーガム、ローカストビーンガム、タマリントガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)等の植物系水溶性高分子、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、ブルラン等の微生物系水溶性高分子、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系水溶性高分子などが例示される。
【0040】
半合成水溶性高分子としては、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系水溶性高分子、メチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、結晶セルロース、セルロース末等のセルロース系水溶性高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系水溶性高分子などが例示される。
【0041】
合成水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー(カーボポール)等のビニル系水溶性高分子
、ポリエチレングリコール1,000、同6,000、同20,000等のポリオキシエチレン系水溶性高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体等の共重合系水溶性高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等のアクリル系水溶性高分子のほか、ポリエチレンイミン、カチオンポリマーなどが例示される。
【0042】
無機の水溶性高分子としては、ベントナイト、ケイ酸AlMg(ビーガム)、ラポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸などが例示される。
【0043】
粉末成分としては、例えば、無機粉末(例えば、タルク、カオリン、ベントナイト、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛等)、有機粉末(例えば、セルロース粉末等)、無機顔料(例えば、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、黒酸化鉄等)、有機顔料(例えば、アルミニウムレーキ等)などが例示される。
【0044】
金属イオン封鎖剤としては、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸、HEDTA−3Naなどが例示される。
【0045】
低級アルコールとしては、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等が挙げられる。
【実施例】
【0046】
以下、試験例と実施例をもって本発明をさらに詳しく説明する。本発明は、以下の試験例や実施例によって何ら限定されるものではない。なお、以下の試験例を含め、本発明の全説明において、配合割合は全て質量%である。
【0047】
実施例に先立ち、各実施例で採用した評価法を説明する。
【0048】
(1)肌なじみ評価方法
専門評価パネラー20名により、前腕内側部に本発明の化粧料を塗布し、塗布時の使用感(肌なじみ)について5段階評価し、更にその平均点から下記基準により判定した。
<5段階評価基準>
5点:非常に良い
4点:良い
3点:普通
2点:やや悪い
1点:悪い
<判定>
◎:平均点が4.5点以上
○:平均点が3.5点以上4.5点未満
△:平均点が2.5点以上3.5点未満
×:平均点が2.5点未満
【0049】
(2)保湿感(しっとり感)評価方法
専門評価パネラー20名により、前腕内側部に本発明の化粧料を塗布し、塗布時の保湿感(しっとり感)について5段階評価し、更にその平均点から下記基準により判定した。
<5段階評価基準>
5点:非常に良い
4点:良い
3点:普通
2点:やや悪い
1点:悪い
<判定>
◎:平均点が4.5点以上
○:平均点が3.5点以上4.5点未満
△:平均点が2.5点以上3.5点未満
×:平均点が2.5点未満
【0050】
(3)塗布後のベタつきのなさ評価方法
専門評価パネラー20名により、前腕内側部に本発明の化粧料を塗布し、塗布後のベタつきのなさについて5段階評価し、更にその平均点から下記基準により判定した。
<5段階評価基準>
5点:非常に良い
4点:良い
3点:普通
2点:やや悪い
1点:悪い
<判定>
◎:平均点が4.5点以上
○:平均点が3.5点以上4.5点未満
△:平均点が2.5点以上3.5点未満
×:平均点が2.5点未満
【0051】
実施例1〜9、比較例1〜8
表1に示した化粧料を調整し、前記各試験を実施した。その結果を表1に併せてに示す。
【0052】
【表1】
【0053】
表1より明らかなように実施例の化粧料はいずれも優れた性能を有していた。一方、1,3−プロパンジオールのみ、または成分(c)を1種のみしか配合しなかった比較例では、肌なじみ、保湿感、ベタつきのなさのいずれかの面で劣っており、本発明の目的を達成できなかった。また成分(a)の総量が0.05質量%未満の場合、ポリオールに関するべたつき抑制効果が充分でなく、また10質量%より以上であった場合、成分(a)自体がべたつくため、本発明の目的を達成できなかった。 また成分(b)と成分(c)の総
量が6質量%であった場合、保湿感が不足し、成分(b)と成分(c)の総量が40質量%であった場合、塗布後にベタつきが生じ、やはり本発明の目的を達成できなかった。
【0054】
以下、本発明化粧料のその他の処方例を実施例として挙げる(以下、質量%を単に「%」と記す。)。なお、これらの実施例の化粧料についても、上記の使用感、保湿感、ベタつきのなさについて各項目を検討したところ、いずれの実施例においても、優れた特性を有しており良好であった。
【0055】
実施例10
(1)PEG/PPG/ポリブチレングリコール−8/5/3グリセリン 1.0%
(ウィルブライド S−753 日油社製)
(2)1,3−プロパンジオール 5.0%
(3)1,3−ブチレングリコール 10.0%
(4)グリセリン 3.0%
(5)エタノール 2.0%
(6)メチルグルセス−20 1.0%
(7)キサンタンガム 0.2%
(8)POE(60)硬化ヒマシ油 0.3%
(9)HEDTA−3Na 0.05%
(10)水溶性コラーゲン 0.1%
(11)メチルパラベン 0.1%
(12)フェノキシエタノール 0.2%
(13)精製水 残余
【0056】
<製法>
(4)と(7)を混合し、(13)に徐々に添加して均一に分散させ、(1)〜(4)、(6)、(9)、(10)を加えて混合する(A液)。(5)と加温溶解した(8)、(11)および(12)を均一に混合したものをA液に添加して均一に分散させ、化粧料を調製した。
【0057】
実施例11
(1)PEG/PPG/ポリブチレングリコール−8/5/3グリセリン 1.0%
(ウィルブライド S−753 日油社製)
(2)1,3−プロパンジオール 5.0%
(3)ジプロピレングリコール 10.0%
(4)エタノール 2.0%
(5)グルコシルトレハロース 1.0%
(6)ヒアルロン酸Na 0.05%
(7)ローヤルゼリーエキス 0.05%
(8)POE(60)硬化ヒマシ油 0.4%
(9)シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸ビスエトキシジグリコール 0.1%
(Neosolue−Aqulio 日本精化社製)
(10)フェノキシエタノール 0.2%
(11)HEDTA−3Na 0.05%
(12)クエン酸 0.04%
(13)クエン酸Na 0.06%
(14)精製水 残余
【0058】
<製法>
(1)〜(3)、(5)〜(7)、(11)〜(13)を(14)に順次、徐々に添加し
て均一に分散させた後、(4)と加温溶解した(8)、(9)および(10)を均一に混合したものを添加して均一に分散させ、化粧料を調製した。