特許第6644976号(P6644976)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6644976
(24)【登録日】2020年1月14日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】携帯機器及び電子決済方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/06 20120101AFI20200130BHJP
   G06Q 20/32 20120101ALI20200130BHJP
【FI】
   G06Q20/06 300
   G06Q20/32 330
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-128419(P2018-128419)
(22)【出願日】2018年7月5日
(65)【公開番号】特開2020-9061(P2020-9061A)
(43)【公開日】2020年1月16日
【審査請求日】2018年8月1日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500147023
【氏名又は名称】デジタルア−ツ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】道具 登志夫
【審査官】 永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−260196(JP,A)
【文献】 国際公開第2018/078745(WO,A1)
【文献】 特開2005−020567(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗が有する電子決済端末と電子決済が可能な携帯機器であって、
前記店舗のそれぞれを識別する店舗情報を、前記電子決済が実行される際に記録する店舗情報収集部と、
前記電子決済端末との前記電子決済が不可となった場合に、前記携帯機器内で決済を実行する予備決済における利用金額の上限を設定する上限金額設定部と、
設定された上限内での前記利用金額及び前記店舗情報を含む決済情報を受け付けて、前記予備決済を実行する決済実行部と、
実行された前記予備決済に対応する前記決済情報を送信する決済情報送信部と、
を備えることを特徴とする携帯機器。
【請求項2】
前記店舗情報収集部は、前記電子決済時に、前記店舗の名称データ、前記店舗のそれぞれを識別するために付与された識別子、及び、前記店舗の住所データの少なくとも1つを収集する、
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯機器。
【請求項3】
前記上限金額設定部は、前記携帯機器内に現存する電子マネーに基づいて前記利用金額の上限を設定する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の携帯機器。
【請求項4】
前記上限金額設定部は、ユーザが有するクレジットカードに対応する利用可能金額に基づいて前記利用金額の上限を設定する、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の携帯機器。
【請求項5】
前記決済情報送信部は、実行された前記予備決済に対応する前記決済情報を、前記予備決済の取引が実行された前記店舗に対応する前記電子決済端末を含む前記電子決済端末、または、前記電子決済端末に接続されたホストコンピュータに対して送信する、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の携帯機器。
【請求項6】
店舗が有する電子決済端末と電子決済が可能な携帯機器
前記店舗のそれぞれを識別する店舗情報を、前記電子決済が実行される際に記録するステップと、
前記電子決済端末との前記電子決済が不可となった場合に、前記携帯機器内で決済を実行する予備決済における利用金額の上限を設定するステップと、
設定された上限内での前記利用金額及び前記店舗情報を含む決済情報を受け付けて、前記予備決済を実行するステップと、
実行された前記予備決済に対応する前記決済情報を送信するステップと、
を含むことを特徴とする電子決済方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、携帯機器及び電子決済方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子マネーに代表されるように、ユーザが保有する金銭的価値をICカード内に記憶させて電子データのやりとりにより決済を行う電子決済は広く普及している。また、スマートフォン等の携帯機器に対して電子決済用のICチップを搭載させて電子決済を実行する決済手段についても、利便性の観点からその利用が広まっている。
【0003】
従来では、電子決済による取引の利便性を高める技術が開示されており、例えば、取り置きした商品の電子決済を可能にするように、取り置き時に仮の決済を行い、その後に実際の決済を実行するように、決済を2段階に分けて実施する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−214177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、電子マネーを用いた電子決済では、ユーザからの支払いを受け付ける店舗側の電子決済端末が稼働していることが必要となる。仮に電力系統の障害などにより停電が発生して、店舗側の電子決済端末に電力が供給されず端末が稼働できない場合、ユーザは電子マネーを用いた電子決済を利用することはできない。
【0006】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、停電などにより店舗の電子決済端末が利用不可となった場合であっても、店舗での電子決済を実現できる携帯機器及び電子決済方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態に係る携帯機器は、前記店舗のそれぞれを識別する店舗情報を、前記電子決済が実行される際に記録する店舗情報収集部と、前記電子決済端末との前記電子決済が不可となった場合に、前記携帯機器内で決済を実行する予備決済における利用金額の上限を設定する上限金額設定部と、設定された上限内での前記利用金額及び前記店舗情報を含む決済情報を受け付けて、前記予備決済を実行する決済実行部と、実行された前記予備決済に対応する前記決済情報を送信する決済情報送信部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態により、停電などにより店舗の電子決済端末が利用不可となった場合であっても、店舗での電子決済を実現できる携帯機器及び電子決済方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る携帯機器を用いた電子決済システムの一例を示す説明図。
図2】実施形態に係る携帯機器の構成を示す構成図。
図3】(A)ユーザの携帯機器と店舗の電子決済端末との電子決済の一例を示す説明図、(B)店舗情報収集部により収集された、店舗のそれぞれの店舗情報の一例を示す図。
図4】店舗の電子決済端末が利用不可の場合に、ユーザにより利用できる利用金額の上限の設定例を示す図。
図5】店舗の電子決済端末が利用不可となった場合に、携帯機器における予備決済の表示画面の一例を示す説明図。
図6】実施形態に係る電子決済方法の処理フローの一例を示す構成図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、実施形態に係る携帯機器10を用いた電子決済システム100の一例を示す説明図である。
【0011】
電子決済システム100は、携帯機器10と、電子決済端末11と、ホストコンピュータ12と、を備えている。
【0012】
携帯機器10は、タブレット、スマートフォンなどが例示される携帯型の通信機器である。携帯機器10は、店舗(例えば、小売店)に配置された電子決済端末11と電子的なデータの送受信により決済が可能な機能を備えている。携帯機器10に対して金銭がチャージされることで電子マネーが機器内部に保有されて、この電子マネーを用いて携帯機器10と電子決済端末11との間で電子決済が実現される。また、携帯機器10は、ユーザが有するクレジットカードの登録情報を記録して、電子決済端末11との間でクレジット決済を実行する機能を有してもよい。
【0013】
電子決済端末11は、ユーザによる支払い処理を受け付けるための端末である。電子決済端末11は、携帯機器10との間で無線通信を行うことで、ユーザが保有する電子マネー及びユーザが購入する商品データ等のデータに基づいて電子決済処理を行い、ユーザの支払い処理を受け付ける。
【0014】
ホストコンピュータ12は、ネットワークを介して電子決済端末11と接続されており、ユーザによって購入された商品に係る決済情報(商品名や商品の金額など)を店舗の電子決済端末11から受け付けて、この決済情報に基づいて売り上げに関する処理を実行する。また、ホストコンピュータ12は、ユーザがクレジットカードを利用した支払い処理を実行する場合には、ユーザのクレジットカード情報とともに決済情報を受け付けて、売り上げに関する処理を実行する。
【0015】
実施形態に係る携帯機器10では、電子決済端末11との電子決済が利用可能時(通常時)において予め取得された店舗の店舗情報と、ユーザが支払い可能となる上限金額内での利用金額の入力を受け付けて、携帯機器10の内部で予備決済を実行する。そして、実行された予備決済に対応する決済情報を店舗側に自動的に送信する。これにより、店舗の電子決済端末11が利用不可となる場合であっても、店舗での電子決済を実現することができる。ここで、予備決済とは、電子決済端末11が利用不可の状態において、携帯機器10の内部でオフラインの決済を行うことを意味する。
【0016】
実施形態に係る携帯機器10の具体的な構成について説明する。
【0017】
図2は、実施形態に係る携帯機器10の構成を示す構成図である。
携帯機器10は、インターフェース13と、ディスプレイ14と、メモリ15と、電子決済処理回路16と、ネットワーク通信回路17と、を備える。
【0018】
インターフェース13は、ユーザからの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路20に出力する。例えば、インターフェース13は、携帯機器10の内部で実行する予備決済時に、ユーザが商品を購入する店舗の店舗情報やユーザの利用金額等、予備決済に関する情報の設定を受け付ける。
【0019】
ディスプレイ14は、各種の情報を表示する。ディスプレイ14は、例えばユーザの利用金額の上限値や予備決済時の入力画面を表示する。
【0020】
メモリ15は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子等の、プロセッサにより読み取り可能な記録媒体を含んだ構成を有する。メモリ15には、例えば、店舗の電子決済端末11との電子決済実行時に、電子決済端末11から取得される店舗情報などが保持される。
【0021】
電子決済処理回路16は、電子決済端末11との電子決済を実行するための回路である。電子決済処理回路16としては、例えば無線通信可能な非接触型のICチップが例示される。電子決済処理回路16は、ユーザによりチャージされた電子マネーを保持して、電子決済端末11との間で電子データを交換することで電子決済を行う。
【0022】
ネットワーク通信回路17は、外部の通信機器と通信するための回路である。ネットワーク通信回路17は、インターネット等を介してホストコンピュータ12と接続可能な構成としてもよい。
【0023】
処理回路20は、メモリ15に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより携帯機器10の全体の動作を制御するプロセッサである。
【0024】
処理回路20は、店舗情報収集部201、上限金額設定部202、決済実行部203、決済情報送信部204、を備える。なお、処理回路20を構成する各ユニットの機能は、所定のプログラムコードを、プロセッサを用いて実行することによって実現する。
【0025】
店舗情報収集部201は、店舗のそれぞれを識別する店舗情報を、電子決済が実行される際に記録する。店舗情報とは、店舗のそれぞれを識別するための情報であり、店舗の名称データ、店舗のそれぞれを識別するために付与された識別子、店舗の住所データを意味する。店舗情報収集部201は、電子決済時において、店舗を特定するための情報を取得するために、店舗の名称データ、識別子、及び店舗の住所データの少なくとも1つを取得する。
【0026】
店舗情報収集部201は、ユーザが任意の店舗において電子決済を実行する際、店舗の電子決済端末11から店舗情報を取得して、店舗の店舗情報を蓄積していく。このように、停電などによって電子決済端末11が停止する前、すなわち電子決済が有効に実行可能なときに、電子決済を介して店舗の情報を蓄積することで、電子決済端末11が利用不可となった場合に実行する予備決済が可能となる店舗が増加する。
【0027】
図3(A)は、ユーザの携帯機器10と店舗Aの電子決済端末11との電子決済の一例を示す説明図である。図3(B)は、店舗情報収集部201により収集された、店舗のそれぞれの店舗情報の一例を示す図である。
【0028】
図3(A)に示すように、ユーザが携帯機器10を用いて店舗Aの電子決済端末11と電子決済を実行する際、携帯機器10は店舗Aの店舗情報を電子決済端末11から取得して保存する。同様に、店舗Bの電子決済端末11と電子決済を実行する際、携帯機器10は店舗Bの店舗情報を電子決済端末11から取得して保存する。ユーザが店舗それぞれの電子決済端末11と電子決済する際、各店舗の店舗情報を取得して、店舗情報を蓄積する。
【0029】
また、携帯機器10は、電子決済時に、店舗情報に加えて、店舗で販売されている商品群とそれらの商品に対応する金額の情報を取得してもよい。
【0030】
上限金額設定部202は、電子決済端末11との電子決済が利用不可となった場合に、携帯機器10内で決済を実行する予備決済における利用金額の上限を設定する。電子決済が利用不可となる状態の検出は、電子決済不可の情報をユーザの入力により検出してもよいし、携帯機器10において電子決済を実施する際に、電子決済端末11側からの応答がない場合に電子決済不可とする構成としてもよい。
【0031】
上限金額設定部202は、携帯機器10の内部に現存する電子マネーに基づいて利用金額の上限を設定する。または、上限金額設定部202は、携帯機器10に登録されたクレジットカードに対応する利用可能金額に基づいて利用金額の上限を設定してもよい。これらの設定方法を組み合わせて利用金額の上限を設定してもよい。この場合には、いずれか一方を予め初期の上限金額としておき、いずれか一方が不足した場合には、他方の設定方法に切り替える構成としてもよい。
【0032】
また、ユーザが金銭的価値を有する電子データを予め取得しておき、その電子データを予備決済時の上限金額に設定する構成にしてもよい。例えば、予め購入した電子マネーに付帯している識別番号の入力やバーコードを読み込むことで電子マネーを携帯機器10に登録して、その電子マネーを予備決済時の上限金額に設定する。
【0033】
なお、携帯機器10に登録されたクレジットカードに対応する利用可能金額に基づいて上限金額を設定する場合、クレジットカードの利用可能金額を上限金額としてもよいし、ユーザが確実に支払いできる範囲の金額を設定する観点から、利用可能金額に対して所定の割合を乗じた値を上限金額としてもよい。
【0034】
図4は、店舗の電子決済端末11との電子決済が不可となった場合に、ユーザにより利用できる上限金額の設定例を示す図である。
【0035】
設定項目のNO.1では、電子決済端末11との電子決済が不可となった場合に、携帯機器10に現存する電子マネーを、予備決済時にユーザが利用できる上限金額に設定される。設定項目NO.2では、携帯機器10に登録されたクレジットカードの利用可能金額のY%が、予備決済時にユーザが利用できる上限金額に設定される。
【0036】
決済実行部203は、設定された上限内での利用金額及び店舗情報をユーザから受け付けて、予備決済を実行する。実行された予備決済に対応する決済情報は、決済の実行日時などの情報と関連付けられて保存される。予備決済に対応する決済情報には、利用金額及び店舗情報を含んでおり、クレジットカードの利用可能金額を予備決済に用いる場合には、クレジットカード情報も決済情報に含まれる。
【0037】
電子マネーを予備決済に用いる場合、予備決済が実行されたときに、利用した金額分の電子マネーが消費されて、上限金額は減少する。クレジットカードの利用可能金額を予備決済に用いる場合、予備決済が実行されたときに、利用可能金額が減少して、上限金額は減少する。
【0038】
図5は、店舗の電子決済端末11が利用不可となった場合において、携帯機器10における予備決済の表示画面を示す図である。
【0039】
ユーザは、予め取得した店舗情報から、商品の購入対象となる店舗情報を選択するとともに、設定された上限金額の範囲で商品の金額を入力する。そして、決済実行を意味する「OK」ボタンを押すことで決済の意思が確認されて、予備決済が実行される。
【0040】
また、店舗の店員は、携帯機器10に表示された店舗情報欄の識別子を確認することで、正しく店舗が選択されていることを確認することができる。なお、携帯機器10が予め店舗で販売されている商品情報を取得している場合には、金額を直接入力するのでは無く、商品を選択することで、対象商品の金額を入力する構成としてもよい。さらに、携帯機器10が対象商品のバーコードを読み込むことで、対象商品の金額を入力する構成としてもよい。この場合には、携帯機器10は、商品のバーコードと商品の金額との関係を対応付けた対応リストを予め取得しておく。
【0041】
決済情報送信部204は、実行された予備決済に対応する決済情報を店舗側に自動的に送信する。具体的には、予備決済に対応する決済情報は、停電などの電力障害から電子決済端末11が復旧した後に、ユーザが電子決済端末11を利用する際、電子決済端末11に対して携帯機器10から自動で送信される。決済情報を送信する電子決済端末11は、予備決済の取引が実行された店舗の電子決済端末11に限定されるものでは無く、当該端末と同一の電子決済が可能な他の店舗の電子決済端末であってもよい。また、携帯機器10が店舗のホストコンピュータ12に対してインターネット等を介してデータ送信可能な場合には、電子決済端末11に接続されたホストコンピュータ12に対して決済情報を自動で送信してもよく、電子決済端末11やホストコンピュータ12に対して無線通信を用いて決済情報を自動で送信してもよい。
【0042】
例えば、図1に示すように、電力系統の障害により停電が発生して、電子決済端末11が利用できない場合、ユーザが店舗Aにおいて500円の商品を購入する場合について検討する。このとき、携帯機器10は、電子決済端末11との電子決済が利用可能時において予め取得した店舗Aの店舗情報と、ユーザが支払い可能となる利用上限内の金額である500円の入力を受け付けて、携帯機器10の内部で予備決済を実行する。予備決済の実行により、ユーザが購入した商品は、店舗Aの店員からユーザに引き渡される。そして、実行された予備決済に対応する決済情報は、店舗A側に自動的に送信される。このように、店舗の電子決済端末11が利用不可となる場合であっても、店舗での電子決済を実現することができる。
【0043】
続いて、実施形態に係る携帯機器10の動作について説明する。
【0044】
図6は、実施形態に係る電子決済方法の処理フローの一例を示す構成図である(適宜、図1図2参照)。ここでは、店舗のそれぞれを識別する店舗情報を、電子決済を実行した際に記録しているものとする。
【0045】
上限金額設定部202は、電子決済端末11との電子決済が利用不可となった場合に、携帯機器10内で決済を実行する予備決済における利用金額の上限を設定する(S10)。
【0046】
決済実行部203は、設定された上限金額内での利用金額及び店舗情報を受け付ける(S11)。そして、予備決済の実行をユーザから受け付けて、決済実行部203は、入力された利用金額及び店舗情報に基づいて予備決済を実行する(S12)。電子マネーを予備決済に用いる場合、予備決済が実行されたときに、利用金額分の電子マネーが消費される。
【0047】
決済情報送信部204は、電子決済端末11が利用不可の場合には、決済情報を店舗の電子決済端末11に送信可能となるまで待機する(S13:NO,S14)。
【0048】
一方、決済情報送信部204は、電子決済端末11が利用可能となったとき、決済情報を電子決済端末11に自動で送信する(S13:YES,S14)。決済情報の送信は、携帯機器10から、店舗側のホストコンピュータ12にデータ送信が可能な場合には、電子決済端末11に接続されたホストコンピュータ12に決済情報を自動で送信してもよい。
【0049】
このように、電子決済が可能な携帯機器において、店舗のそれぞれを識別する店舗情報を、電子決済を実行する際に記録しておき、この店舗情報と利用金額とに基づいて携帯機器内で予備決済を実行する。そして、予備決済に対応する決済情報を店舗側に自動的に送信する。これにより、停電などにより店舗内の電子決済端末が利用不可になった場合であっても、店舗での電子決済を実現できる。
【0050】
なお、上記実施形態において、「プロセッサ」という文言は、たとえば、携帯機器10に実装される、専用または汎用のCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、または、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)等の回路を意味するものとする。プロセッサは、記憶媒体に保存されたプログラムを読み出して実行することにより、処理回路20の各種機能を実現する。
【0051】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0052】
10…携帯機器、11…電子決済端末、12…ホストコンピュータ、13…インターフェース、14…ディスプレイ、15…メモリ、16…電子決済処理回路、17…ネットワーク通信回路、20…処理回路、201…店舗情報収集部、202…上限金額設定部、203…決済実行部、204…決済情報送信部、100…電子決済システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6