(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記半導体素子搭載部が前記外部端子部としても機能し、前記内部端子部と前記第1の配線部又は前記第2の配線部を介して電気的に接続されている請求項5又は6に記載の半導体装置。
前記めっき層を形成する工程において、前記半導体素子搭載領域を形成しようとする領域の両面にも前記めっき層を形成する請求項8に記載の半導体素子搭載用基板の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態の説明を行う。
【0016】
[第1の実施形態]
<半導体素子搭載用基板>
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施形態に係る半導体素子搭載用基板について説明する。
【0017】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る半導体素子搭載用基板(以下、「リードフレーム」とも称す)の一例を示す図である。なお、
図1では、配線部50に沿った断面ではなく、配線部50と交わるようなラインで切断した断面を示す。
【0018】
図1に示すように、第1の実施形態に係る半導体素子搭載用基板100は、導電性基板10と、半導体素子搭載領域20として機能する半導体素子搭載部22と、半導体素子の電極と接続するための内部端子部30と、外部機器(図示せず)と接続するための外部端子部40と、内部端子部20と外部端子部40とを電気的に接続する配線部50と、第1の窪み領域60と、第2の窪み領域70と、表面めっき層80と、裏面めっき層81とを有する。なお、半導体素子搭載領域20の下方全体の部分は、ダイパッド部と呼んでも良い。
【0019】
なお、パターンによっては、半導体素子搭載領域20を確保した上で、半導体素子搭載部22を作製しないパターンもある。つまり、本実施形態において、半導体素子搭載部22を設けることは必須ではなく、半導体素子を搭載可能な半導体素子搭載領域20が確保されていればよい。例えば、本発明の半導体素子搭載用基板は、半導体搭載領域20を確保して、半導体素子の下面に外部端子部40を配置するFan−Inタイプ等の半導体装置や、フリップチップ接合により内部端子部30に半導体素子の電極を直接接合する半導体装置にも適用可能である。以下、第1の実施形態においては、半導体素子搭載部22があるパターンの半導体素子搭載用基板100について説明する。
【0020】
導電性基板10の材質は、導電性が得られれば特に限定はないが、例えば、銅または銅合金を使用してもよい。樹脂を封止後、導電性基板10の所定の箇所を溶解除去するため、一般的には、選択溶解除去が可能な銅又は銅合金を使用することが多い。
【0021】
第1の実施形態に係る半導体素子搭載用基板100における半導体素子搭載部22、内部端子部30、及び外部端子部40の各構成部位は、導電性基板10がエッチングされずに未加工で残っている平坦領域から構成される。一方、第1の窪み領域60及び第2の窪み領域70(以下、単に「窪み領域60、70」と呼んでもよいこととする。)は、導電性基板10を表面側からエッチングすることにより形成され、エッチング後の導電性基板10の残部、つまり窪み領域60、70の下方領域は裏面連結部11を構成する。また、半導体素子搭載部22及び内部端子部30の表面上には、電気めっきにより表面めっき層80が形成され、半導体素子搭載部22及び外部端子部40の裏面上には、やはり電気めっきにより裏面めっき層81が形成される。
【0022】
内部端子部30と外部端子40とは、配線部50により電気的に接続され、さらに導電性基板10のエッチング加工により形成された裏面連結部11でも連結されている。また、半導体素子搭載部22は、裏面連結部11で各内外部端子部30、40及び配線部50と連結されている。
【0023】
表面めっき層80は、少なくとも内部端子部30の表面上に形成される。半導体素子搭載部22を形成する場合は、半導体素子搭載部22の表面にも表面めっき層80を形成しても良い。この表面めっき層80に用いるめっき金属の種類は、特に限定はされないが下記の点を考慮して選定する。
【0024】
内部端子部30の表面めっき層80の最上面は、半導体素子の電極とワイヤボンディングして接続する内部電極として機能する部分を含むため、ボンディングワイヤ等の接続に適しためっき金属を選定する。例えば、Auワイヤの場合は、Agめっき、Auめっき、Pdめっき等が良い。
【0025】
裏面めっき層81は、少なくとも外部端子部40に形成される。半導体素子搭載部22を形成する場合は、半導体素子搭載部22の裏面上にも裏面めっき層81を形成しても良い。この外部端子部40の裏面めっき層81は、外部機器と接続する外部電極として機能する部分を含むため、外部機器との接続に適しためっき金属を選定する。外部機器との接続は、一般的にはんだボール等のはんだ系合金が多いため、はんだ濡れ性が良く、はんだとの接合性が良いAu(金)めっき、Pdめっき等がよい。
【0026】
さらに、表面めっき層80と裏面めっき層81は、一般的に同時に電気めっきを行って形成するため、同一のめっき構成が望ましい。例えば、導電性基板10の接触面から外側に向かって、Ni、Pd、Auの順に積層する積層めっきでもよい。
【0027】
また、表面めっき層80と裏面めっき層81のめっきの種類は異なっていてもよい。例えば、表面はボンディング性が良好なAgめっきとし、裏面ははんだ濡れ性がよいNi、Pd、Auの順に積層する積層めっきでもよい。
【0028】
なお、内部端子部及び配線部の裏面側には外部端子裏面めっき層43のようなめっき層は形成しない。
【0029】
導電性基板10の半導体素子搭載部22、内部端子部30、外部端子部40、及び配線部50以外に相当する領域には、表面側からエッチング加工により窪み領域60、70を設けている。
【0030】
この窪み領域60、70を形成することにより、半導体素子搭載部22、内部端子部30、外部端子部40、及び配線部50が形成される。また、導電性基板10の裏面側はエッチング加工されず窪みが形成されないので、裏面側は材料面全体で連結されている。
【0031】
なお、裏面連結部11については、半導体素子を搭載し樹脂封止後、裏面めっき層をマスクとして裏面側からエッチング加工で除去することにより、半導体素子搭載部、内部端子部、外部端子部を各々独立させる。
【0032】
ここで、設ける窪み領域60、70の深さは、導電性基板10の板厚の1/2から板厚−0.03mmである。
【0033】
窪みの深さが板厚の1/2未満だと、樹脂封封止後のエッチング加工の量が多くなり、エッチング時間が長くなり、エッチング液がめっき層の一部をエッチングしてしまう不具合が発生しやすくなる。板厚−0.03mmを超える場合、形成した裏面連結金属部が薄くなってしまい、搬送中に変形不具合が発生する可能性がある。好ましくは、板厚−0.05mmから板厚−0.03mmである。
【0034】
次に、本発明の特徴である配線部について、
図2、
図3を用いて説明する。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る半導体素子搭載用基板の配線部の一例を示す図である。
図2(a)は本発明の配線部の一例を示す拡大図である。
図2(b)は従来技術の配線部の一例を示す拡大図である。
【0035】
図2(b)に示すように、従来技術の配線部250は、内部端子部230や外部端子部240の上面と同一面に一定の幅を有して形成される。配線部250は、外部端子部240と内部端子部230とを電気的に接続するために構成されている。内部端子部230は、半導体素子の電極とボンディングワイヤ等で連結されるため、半導体素子の周辺に配置される。外部端子部240は、半導体装置の外形周辺に1列で配置されるのが一般的であるが、多ピン化により外形周辺に2列、3列等複数列配置される場合もある。また、後述するが、ダイパッド部を形成せず、半導体素子搭載領域を確保した上で、絶縁性接着剤等で半導体素子を搭載して、半導体素子の下面にも外部端子を配置するFan−Inタイプもあり、このタイプでは、マトリクス状に外部端子を配置する。このため、外部端子部240と内部端子部230を配線部250で電気的に接続する。この時、従来は、例えば、特許文献2にあるように配線部250は一定の幅を確保し、外部端子部240間に複数配線部250を形成することになる。配線部250の幅は、表面側からの窪み深さにも影響されるが、0.06mmから0.15mmである。半導体装置の小型化あるいは、多ピン化に伴い、この配線部250の幅を小さくするような要求がある。但し、エッチングの加工上、配線部250の幅を確保するには0.06mm以上は必要であり、0.06mm未満の場合、レジストマスクと導電性基板との密着力が低下し、エッチング加工を正常に行うことができず、配線部250を加工できない可能性が高い。
【0036】
発明者は、試行錯誤の結果、本発明を見出した。本発明の第1の実施形態に係る半導体素子搭載用基板100の外部端子部40と内部端子部30とを接続する配線部50の一部は、表面めっき層80が形成されている面側で、内部端子部30の高さより低く形成されていることを特徴としている。また、内部端子部30の高さより低く形成されている配線部50の長手方向(延在方向)に直行する断面形状は、表面めっき層80が形成されている面側に突出した凸形状を有している。
【0037】
従来、特許文献1に示されるように、内部端子部230や外部端子部240の形状を形成するために行う表面側からのエッチングによる窪み加工時、表面めっき層をマスクとして形成する場合、配線部250上にもめっき層が必要となりその下側の配線部250にも平坦部が必要となる。詳細は後述するが、本発明の第1の実施形態に係る半導体素子搭載用基板100の製造工程では、表面側からの窪み加工時のマスクとして表面めっき層を用いるのではなく、窪み加工用の専用レジストを用いる。これにより、配線部50上に表面めっき層80を形成する必要がなくなった。本発明では、
図2(a)に示すように、配線部50を、内部端子部30の高さより低く形成する。かつ、配線部50の長手方向に直行する断面形状が、表面側に凸形状となっている。内部端子部30と外部端子部40とは、断面が凸形状の配線部50で連結されている。配線部50をこのような先端が尖った突起形状にすることで、従来あった、配線部250の上面の平坦部は無くなり、その分配線部ピッチを小さくすることが可能となる。従来の配線部250の幅は0.06mm〜0.15mmであり、その分配線部ピッチを小さくできる。なお、内部端子部30の高さは、半導体素子搭載部22及び外部端子部40の高さと同じであるので、配線部50の高さは、当然に半導体素子搭載部22及び外部端子部40の高さよりも低い。
【0038】
第1の実施形態に係る半導体素子搭載用基板100の配線部50は、
図3に示す方法で製造される。
【0039】
図3は、本発明の第1の実施形態に係る半導体素子搭載用基板の配線部の製造方法の一例を示す図である。
図3(a)は配線部のエッチング前を示す拡大図である。
図3(b)は配線部のエッチング初期を示す拡大図である。
図3(c)は配線部のエッチング中期を示す拡大図である。
図3(d)は配線部のエッチング完了を示す拡大図である。
【0040】
従来の配線部250に平坦部を形成する場合は、平坦部の幅より若干大きめのレジストマスクを作製する。これは、エッチング加工時、下側だけではなく、横方向にもエッチングされるため、レジストマスクの端部の下側も除去されるためである。そこで、本発明では、これを利用して、
図3(a)にあるように、配線部50にエッチング速度制御用レジスト172を形成する。次に
図3(b)にあるように、表面側からエッチング加工が開始される。
図3(c)では、エッチング加工が横方向にも進み、配線部上部の平坦部がなくなる。
図3(d)ではエッチングが完了し、配線部50は、内部端子部30の高さより低く形成され、かつ、上面に凸状の尖った形状が形成される。
図3(d)では、凸形状の先端は、鋭角になっているが、エッチング加工されているため、頂点は曲面形状になっている。内部端子部30の上面からは、0.01〜0.03mm低く形成することが好ましい。0.01mm未満だと、先端部が針状に残り、これが脱落して不具合を起こす場合があるからである。また、0.03mmを超えると半導体装置となった時、配線部の厚さが薄くなり、使用中断線等不具合を起こす可能性があるからである。更に、封止樹脂と密着性が低下する。
【0041】
本発明では、配線部50の上に形成するエッチング速度制御用レジスト172が重要である。エッチング速度制御用レジスト172は、配線50部の長手方向に沿って配置する。エッチング速度制御用レジスト172の幅は、配線部50の高さが内部端子部30の上面より低くなるように設定する。なお、配線部50の高さは、エッチング液の濃度やエッチング液の吐出圧力等により適宜調整する。また、エッチング速度制御用レジスト172の幅は、配線部50の両側の窪み加工を行う領域の広さにも影響を受ける。密集している場合は、エッチング液が回り難いため幅を狭くし、両側が広い場合はエッチング速度が速くなるため幅を広くする。これらを考慮し、配線部50の長手方向において均一な凸形状ができるようにエッチング速度制御用レジスト172の幅を設定する。
【0042】
なお、この配線部50の両側の窪み加工を行う領域が十分あり、配線部50の上面に平坦部を設けることが可能であれば、従来技術の配線部250を形成してもよい。内部端子部30の高さより低く形成されている配線部50は、外部端子部40又は内部端子部30同士の間隔が狭い箇所に形成すればよく、間隔が広い箇所にまで必ずしも形成する必要は無い。よって、配線部の一部が上述のような先端が尖った突起形状を有する。
【0043】
<第1の実施形態の半導体装置>
次に、上述の半導体素子搭載用基板100をリードフレームとして使用した半導体装置について、
図4を参照して説明する。
図4は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の一例を示す断面図である。なお、
図4においては、配線部50に沿った断面ではなく、配線部50と交わるようなラインで切断した断面図が示されている。
【0044】
本発明の第1の実施形態に係る半導体装置200は、上述の半導体素子搭載用基板100を用いて、半導体素子搭載領域20に半導体素子110を搭載している。
【0045】
図4においては、半導体素子搭載部22を形成し、そこに半導体素子110を搭載する事例について説明する。なお、半導体搭載領域20を確保して、半導体素子搭載部22を形成しないタイプもある。例えば、半導体素子110の下面に外部端子部40を配置するFan−Inタイプ等の半導体装置やフリップチップ接合の半導体装置である。
【0046】
半導体素子搭載部22上に半導体素子110が搭載され、その半導体素子110の電極(図示せず)と内部端子部30の上面に形成された表面めっき層80はボンディングワイヤ120等で電気的に接続されている。内部端子部30と外部端子部40とは、配線部50を介して接続されている。また外部端子部40の裏面には、裏面めっき層81が形成されている。
【0047】
さらに半導体素子110、ボンディングワイヤ120、内部端子部30、外部端子部40、及び配線部50の表面は、第1の樹脂130で封止され、全面が覆われている。
【0048】
その後、封止された半導体素子搭載用基板100を裏面側からエッチング加工して、外部端子部40、内部端子部30、配線部50を形成して外部端子部40、内部端子部30、及び配線部50を各々独立させる。
【0049】
このエッチング加工では、
図1のリードフレームにおける、裏面連結部11をエッチング加工することで、各端子30、40、50を分離独立する。また、このエッチング加工は、裏面めっき層81をマスクとして加工するため、裏面めっき層81を有する外部端子部40は裏面側からエッチングされないが、内部端子部30及び配線部50は、裏面めっき層81が形成されていないため、裏面よりエッチングされ薄肉部となる。半導体素子搭載部22は、裏面めっき層81を形成した場合は外部端子部40と同様になり、裏面めっき層81を形成しない場合は、内部端子部30と同様に薄肉部となる。
図4は、半導体素子搭載部22が裏面めっき層81を備えた場合を示している。
【0050】
即ち、半導体素子搭載部22及び外部端子部40は、元々の導電性基板10の厚さを有している。一方、内部端子部30は、裏面側からのエッチング加工により、半導体素子搭載部22及び外部端子部40の厚さよりも薄くなっている。配線部50は、内部端子部30と同様、裏面からのエッチング加工が施されているので、底面の高さは、内部端子部30の高さと略同一である。略同一というのは、エッチングの差を考慮したためであり、エッチング量が同一であれば、配線部50と内部端子部40の底面の高さは同一であり、両底面は同一水平面上にある。また、上述のように、半導体素子搭載部22、内部端子部30及び外部端子部40の上面の高さは同一であるが、配線部50の頂点(先端)は、半導体素子搭載部22、内部端子部30及び外部端子部40の上面よりも低く、窪み領域60の上端よりも低い。なお、半導体素子搭載部22、内部端子部30及び外部端子部40の上面は、窪み領域60の上端と同じ高さであり、それは、導電性基板10の未加工面である平坦面と同一面である。第1の実施形態に係る半導体装置200の半導体素子搭載部22、内部端子部30、外部端子部40及び配線部50は、高さ方向において上述のような寸法及び配置関係を有しており、かかる構成により、狭ピッチの半導体装置200を実現する。
【0051】
外部端子部40の裏面めっき層81の側面、外部端子部40の側面、内部端子部30及び配線部50の裏面は、第2の封止樹脂140で覆われ、外部端子部40の裏面めっき層81及び半導体素子搭載部22の裏面めっき層81は、第2の樹脂140から露出している。この露出面は、外部機器との接続のためのものである。
【0052】
内部端子部30及び配線部50は、前述の通り薄肉部となっており、第2の封止樹脂部103からは露出しなく、外部機器との接触のリスクはない。第1の樹脂130と第2の樹脂140は同種類でも良いし、異なる種類であっても良い。
図4は、第1の樹脂130と第2の樹脂140が異なった場合の例を示している。また、第2の樹脂140は、第1の樹脂130と同様にモールド成形しても良いし、半導体装置200の裏面側が上方になるように設置し、ポッティング装置等により、裏面側から第2の樹脂140を滴下することにより、薄い絶縁性の薄膜を形成しても良い。
【0053】
図5は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置200の変形例に係る半導体装置201を示す断面図である。変形例に係る半導体装置201は、裏面側の第2の樹脂を、表面側の第1の樹脂130と同種の樹脂130とし、第1の樹脂130と同様に裏面側の第2の樹脂もモールド成形した事例である。
【0054】
本発明の第1の実施形態に係る半導体装置200、201の特徴は、内部端子部30と外部端子部40とを連結している配線部50の少なくとも一部が、内部端子部20の上面より下側に形成されていることである。第1の実施形態に係る半導体装置200、201は、上述の半導体素子搭載用基板100を使用して作製されるため、配線部50は、内部端子部30の上面より下側に形成される。また、半導体素子110を搭載し、第1の樹脂130で封止後、裏面連結部11をエッチング加工することで、半導体素子搭載部22及び各端子30、40を分離独立している。ここで、配線部50は、配線長手方向に直行する断面形状が略三角形となる。この略三角形の形状の大きさは、高さが0.1mm前後、底辺の長さが0.1mm前後となるように形成される。
【0055】
エッチング加工の深さは、半導体素子搭載用基板100の裏面連結部11の厚さと等しくなるが、この厚さは、0.03mm〜0.05mmであることが好ましい。裏面連結部11の厚さが0.03mm未満では、半導体素子搭載用基板100自体の強度が弱くなり、搬送等不具合を起こす。一方、裏面連結部11の厚さが0.05mmを超えると、第1の樹脂130で表面側を封止後、裏面側からエッチングする量が多くなり、エッチング時のばらつきが大きくなる。そうすると、配線部50の厚みを十分確保できない箇所が発生し、使用中断線等不具合を起こす場合がある。本発明の第1の実施形態に係る半導体装置200、201を製造する場合は、第1の樹脂130で表面側を封止後、裏面からのエッチング量を適切に管理することが重要である。
【0056】
また、配線部50は、上面に凸形状を有し、表面側からの封止のみでは、第1の樹脂130から脱落しやすいため、第2の樹脂140による裏面側からの封止をしてもよい。第2の樹脂140で裏面側から封止を行うことで、配線部50の脱落を防止できる。
【0057】
なお、配線部50の両側に十分な領域があり、配線部50の上面に平坦部を設けることが可能であれば、従来技術の配線部250を形成してもよい。内部端子部30の高さよりも低く形成されている配線部50は、外部端子部40又は内部端子部30同士の間隔が狭い領域に配線部50を配置する必要がある場合に、当該領域に少なくとも形成されるものである。よって、配線部の一部が上述の形状を有する。
【0058】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係る半導体素子搭載用基板について、
図6、
図7及び
図8を用いて説明する。
【0059】
これまで示してきた実施形態は、半導体素子搭載部22上に半導体素子110を搭載し、外部端子部40は、半導体素子搭載領域20の外側に配置されるFan−Out型の事例である。
【0060】
かかるFan−Out型に対して、第2の実施形態に係る半導体素子搭載用基板101は、半導体素子搭載領域20aを確保して、半導体素子の下面にも外部端子部40を配置する
図8に示すようなFan−In型の事例である。
【0061】
図8は、Fan−In型半導体装置の一例を示した図である。
図8(a)は、Fan−In型半導体装置の平面図であり、
図8(b)は、
図8(a)の破線で囲まれたA部の部分拡大図である。
図8(a)において、半導体素子搭載領域20a内に、FI外部端子(半導体素子の下側に配置された外部端子)40aが設けられた平面構成が示されている。このように、Fan−In型半導体装置では、内部端子部30は半導体素子搭載領域20aの周囲(外側)に配置されるが、外部端子部40、40aは、内部端子部30と離間していればよく、内部端子部30の外側に外部端子部40として配置されるだけでなく、内部端子部30より内側であって、半導体素子搭載領域20内にもFI外部端子40aとして配置される。なお、
図8(b)に示される通り、内部端子部30と外部端子部40、40aとを配線部50が電気的に接続する点は、Fan−Out型と同様である。
【0062】
<半導体素子搭載用基板>
図6は、第2の実施形態に係るFan−In型の半導体素子搭載用基板101の一例を示す断面図である。第2の実施形態に係るFan−In型の半導体素子搭載用基板101は、半導体素子の下側に配置されたFI外部端子部40aを有する。FI外部端子部40aの上面は、半導体素子搭載領域20aとして機能する。また、FI外部端子部40aの下面(裏面)には、裏面めっき層81aが形成される。
【0063】
本発明の第2の実施形態に係る半導体素子搭載用基板101は、半導体素子搭載部22からなる専用の半導体素子搭載領域20を持たずに、裏面めっき層81aを備える複数のFI外部端子部40aを用い、その複数のFI外部端子部40aの表面上に跨って半導体素子110を搭載する。よって、
図6に示される半導体素子搭載領域20aは、正確には、全体の半導体素子搭載領域20aの一部分を構成している。FI外部端子部40aの裏面めっき層81aは、外部端子40の場合と同様に外部機器との接続に使用され、その他の形態は、第1の実施形態に係る半導体素子搭載用基板100と同様の構造を採用している。なお、FI外部端子部40aは、上面が半導体素子搭載領域20aを構成し、半導体素子搭載部としての機能も有するので、半導体素子搭載部40aと呼んでもよい。
【0064】
このように、本発明の半導体素子搭載用基板は、Fan−In型の半導体素子搭載用基板101にも適用することができる。この場合においても、内部端子部30と外部端子部40とを、内部端子部30よりも高さが低い配線部50が電気的に接続するとともに、内部端子部30とFI外部端子部40aとを、内部端子部30よりも高さが低い配線部50が電気的に接続する。これにより、内部端子部30同士の間隔又は外部端子部40、40a同士の間隔が狭い領域であっても、内部端子部30と外部端子部40、40aとを、短絡等の不具合を発生させること無く確実に接続することができる。
【0065】
<半導体装置>
図7は、第2の実施形態に係るFan−In型の半導体装置の一例を示す断面図である。
図7に示されるように、第2の実施形態に係る半導体装置202は、FI外部端子部40aを有し、その上面の半導体素子搭載領域20a上には、絶縁性接着剤150等を介して半導体素子110が搭載されている。なお、複数のFI外部端子部40a上に跨るように半導体素子110が搭載される点は、上述の通りである。
【0066】
図7及び
図8に示す第2の実施形態に係る半導体装置202は、半導体素子搭載領域20aに、裏面めっき層81aを備えるFI外部端子部40aを複数備え、その複数のFI外部端子部40aの各々の半導体素子搭載領域20aに跨った形で、絶縁性接着剤150等を用いて半導体素子101を搭載し、固着した構造を有する。そして、半導体素子110の電極111が内部端子部30の表面めっき層80と接続され、第1の樹脂130、第2の樹脂140で表面側及び裏面側が封止された構造で、外部機器との接続を担う部位(裏面めっき層81、81a)を半導体素子110の直下の裏面にも備えていることから、半導体装置202の小型化、高密度実装化に対応した構造である。
【0067】
<半導体素子搭載用基板の製造方法>
次に、本発明の半導体素子搭載用基板の製造方法として、第1の実施形態に係る半導体素子搭載用基板100の製造方法について、
図9及び
図10を用いて説明する。
【0068】
第1の実施形態に係る半導体装置200、201は、Fan−Out型の半導体装置であり、半導体素子110を搭載する半導体素子搭載部22を形成し、かつ半導体素子搭載部22の裏面めっき層81が第2の樹脂140から露出する例について説明するが、第2の実施形態である、Fan−Inタイプのように半導体素子110の下面にFI外部端子40aを配置する例についても逐次説明する。
【0069】
なお、以後の説明において、今まで説明した構成要素と同様の構成要素には、今までの説明と同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
【0070】
(導電性基板準備工程)
図9は、第1の実施形態に係る半導体装置100の製造方法の一例の前半の一連の工程を示した図である。
【0071】
図9(a)は、導電性基板を用意する準備工程の一例を示す図である。導電性基板の準備工程においては、導電性基板10を準備する。この導電性基板10の材質は、導電性が得られるものであれば特に限定はないが、一般的にCu合金が用いられる。
【0072】
(第1のレジスト被覆工程)
図9(b)は、第1のレジスト被覆工程の一例を示す図である。なお、第1のレジストは、表面めっき層や裏面めっき層のマスクレジストに用いられる。
【0073】
第1のレジスト被覆工程においては、導電性基板10の両面を、レジスト160で被覆する。用いるレジスト160としては、ドライフィルムレジストをラミネートや液状レジストを導電性基板10の両面に塗布する等、従来の方法を用いることができる。
【0074】
(第1の露光・現像工程)
図9(c)は、第1の露光・現像工程の一例を示す図である。第1の露光工程においては、露光装置(図示せず)内において、露光マスク(図示せず)を、第1のレジスト160の上下に設置し、紫外光(図示せず)を照射して露光を行う。なお、露光マスクのパターンは、表面側に表面めっき層80、裏面側に裏面めっき層81が形成されるようにパターンを作製する。なお、半導体素子搭載部22を形成する場合には、半導体素子搭載部22の裏面側にも裏面めっき層81を形成するようにパターンを形成する。これにより、レジスト160に未露光部が形成される。
【0075】
露光後、第1の現像工程においては、レジスト160の未露光部が除去され、開口部161が形成される。これにより、導電性基板10の一部が開口部161から露出する。このように、開口部161を有するレジスト160をめっきマスク162、163として構成する。
【0076】
なお、半導体素子搭載部22を形成せず、半導体素子搭載領域20aの下にFI外部端子部40a等を配置する場合は、裏面めっき層81a等を配置したマスクパターンを作製する。
【0077】
(めっき・第1のレジスト除去工程)
図9(d)は、めっき・第1のレジスト除去工程の一例を示す図である。めっき工程では、
図9(c)に示された、第1の現像工程で形成した開口部161が形成されたレジスト160をめっきマスク162、163として用い、めっきマスク162、163に覆われていない開口部161にめっきを行い、表面側に表面めっき層80及び裏面側に裏面めっき層81を形成する。
【0078】
その後、めっきマスク162、163として形成されたレジスト160が剥離除去される。なお、第1のレジスト剥離は、例えば、液状のレジスト剥離剤を用いて行われてもよい。第1のレジスト剥離により、レジスト160が除去され、導電性基板10には、表面めっき80層及び裏面めっき層81が形成された状態となる。
【0079】
(第2のレジスト被覆工程)
図10は、本発明の第1の実施形態に係る半導体素子搭載用基板100の製造方法の一例の後半の一連の工程を示した図である。
【0080】
図10(a)は、第2のレジスト被覆工程の一例を示す図である。第2のレジスト被覆工程においては、導電性基板10に表面めっき層80、裏面めっき層81が形成された状態で、導電性基板10の両面をレジスト170で被う。レジスト170としては、
図9(b)で説明した第1のレジスト被覆工程と同様、ドライフィルムレジストをラミネートや液状レジストを塗布する等、従来の方法を用いることができる。
【0081】
(第2の露光・現像工程)
図10(b)は、第2の露光・現像工程の一例を示す図である。第2の露光工程では、露光装置(図示せず)内において、露光マスク(図示せず)を、レジスト170の上下に設置し、紫外光(図示せず)にて露光を行う。第2の露光工程で使用する表面側の露光マスク(図示せず)は、導電性基板10の表面めっき層80が形成されている内部端子部30及び半導体素子搭載部22を覆うとともに、外部端子部40形成する領域及び配線部を形成する領域については、所定の形状が形成されるように所定の開口部171のパターンを形成して覆う。また、裏面側は、全面を覆うパターンを形成する。
【0082】
配線部50を形成する箇所には、速度制御用レジストパターン172を形成する。パターンの大きさ位置等については前述の通りである。なお、従来通りの平坦面を有する配線部250を形成する箇所には、速度制御用レジストパターン172よりも幅の大きいレジスト170のパターンが形成される。
【0083】
次に、第2の現像工程においては、未露光部が除去され、開口部171を有するレジスト170をエッチングマスク173として形成する。
【0084】
(エッチング工程)
図10(c)は、表面からエッチング加工するエッチング工程の一例を示す図である。エッチング工程においては、導電性基板10の表面を、
図10(b)で形成した開口部171を有するレジスト170をエッチング用マスク173に用い、エッチング液にてエッチング加工して窪み領域60、70を形成する。また、これにより、半導体素子搭載部22、内部端子部30、外部端子部40及び裏面連結部11が形成される。
【0085】
なお、Fan−Inタイプでは、半導体素子搭載部22は形成せず、半導体素子搭載領域20aの下にFI外部端子部40a等が形成される。
【0086】
(第2のレジスト除去工程)
図10(d)は、第2のレジストを除去する工程である。なお、第2のレジスト剥離は、例えば、液状のレジスト剥離剤を用いて行われてもよい。この後、必要に応じて所定の寸法にシート状に切断しても良い。
【0087】
以上の製造方法により、本発明の第1の実施形態に係る半導体素子搭載用基板100が完成する。
【0088】
<半導体装置の製造方法>
次に、本発明の半導体素子搭載用基板を使用した半導体装置の製造方法を、
図11及び
図12を用いて説明する。
【0089】
図11は、本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例の前半の一連の工程を示す図であり、
図4に示した半導体装置の製造方法である。
【0090】
(半導体素子搭載工程)
図11(a)は、半導体素子搭載工程の一例を示す図である。半導体素子搭載工程においては、半導体素子搭載用基板100の半導体素子領域20上に半導体素子110を搭載する。ここで、半導体素子搭載部22がある場合は、Agペースト等を用いて半導体素子110を搭載する。
図11(a)には、半導体素子搭載部22上に半導体素子110を搭載する例が示されている。
【0091】
一方、半導体素子110の下にFI外部端子部40aを配置する場合等は、絶縁性の接着層、例えば絶縁性接着剤150等を介して、半導体素子110を搭載する(
図7参照)。
【0092】
なお、半導体素子領域20a内にFI外部端子部40a及び配線部50が配置された場合は、その上に半導体素子110を搭載する。
【0093】
(ワイヤボンディング工程)
図11(b)は、ワイヤボンディング工程の一例を示す図である。ワイヤボンディング工程においては、半導体素子110の電極111と内部端子部30の表面めっき層80とを、ボンディングワイヤ120等を用いて電気的に接続する。
【0094】
(第1の樹脂封止工程)
図11(c)は、第1の樹脂封止工程の一例を示す図である。第1の樹脂封止工程においては、半導体素子110、ボンディングワイヤ120、内部端子部30、外部端子部40、配線部50、半導体素子搭載部22を含めて裏面連結部11の表面が、第1の樹脂130により封止される。
【0095】
(第1の樹脂封止後のエッチング工程)
図12は、本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例の後半の一連の工程を示す図である。
【0096】
図12(a)は、樹脂封止後のエッチング工程の一例を示す図である。樹脂封止後のエッチング工程においては、第1の樹脂130で封止されていない下側(裏面側)の方向から裏面めっき層をマスクとしエッチングを行う。これにより、端子毎に個別に分割され、それぞれ独立した状態になる。
【0097】
(第2の樹脂封止工程)
図12(b)は、第2の樹脂封止工程の一例を示す図である。第2の樹脂封止工程においては、外部端子部40及び半導体素子搭載部22の側面、内部端子部30及び配線部50の裏面等を第2の樹脂140で封止する。但し、第2の樹脂140から、外部端子部40の裏面めっき層81及び半導体素子搭載部22の裏面めっき層81は露出された状態となり、外部接続端子として機能する。
【0098】
最後に、所定の半導体装置200の大きさに切断して、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置200が完成する。
【0099】
[実施例]
以下、実施例を用いて本発明を詳述する。
【0100】
[実施例1]
(導電性基板準備工程)
導電性基板として板厚0.2mmのCu板(古河電気工業株式会社製:EFTEC64−T)を幅140mmの長尺板状に加工した。
【0101】
(第1のレジスト被覆工程)
次に、厚み0.025mmの感光性ドライフィルムレジストを、この導電性基板の両面に貼り付けた。
【0102】
(第1の露光・現像工程)
次に、表面側については、内部端子部の表面めっき層、ダイパッド部の表面めっき層を形成しようとする位置、裏面側については、外部端子部の裏面めっき層、ダイパッド部の裏面めっき層を形成しようとする位置に所望のパターンを形成したガラスマスク(露光マスク)を、位置合わせした状態で表裏面上に被せ、ガラスマスクを介して両面を紫外光で露光した。
【0103】
その後、炭酸ナトリウム溶液にて、紫外光の照射が遮られて感光しなかった未硬化のドライフィルムレジストを溶かす現像処理を行って、ドライフィルムレジストに開口部を形成した。
【0104】
(めっき・第1のレジスト除去工程)
次にドライフィルムが溶解され、導電性基板の金属表面が露出した開口部にめっきを行った。めっきは、Niめっきを3.0μm、Pdめっきを0.1μm、Auめっきを約0.04μmの順に積層して形成した。
【0105】
その後、水酸化ナトリウム溶液でドライフィルムレジストを剥離した。これにより、導電性基板の表裏面にめっき層を形成した。
【0106】
(第2のレジスト被覆工程)
次に厚み0.025mmの感光性ドライフィルムレジストを、上述のように表裏面にめっき層を形成した導電性基板の両面に貼り付けた。
【0107】
(第2の露光・現像工程)
レジストの被覆後、表面には表面めっき層を含み内部端子部、外部端子部、配線部が形成されるパターン、裏面には全面を覆うパターンが形成されたガラスマスクを露光マスクとして用い、ドライフィルムレジストの上に被せ、紫外光で露光した。なお、配線部の一部は、速度制御用レジストが形成されるように所望のパターンを形成した。配線部の速度制御用レジストの形状の大きさや位置等についてはエッチング条件、内部端子、外部端子の形状・配置等を考慮し適宜設定した。
【0108】
その後、炭酸ナトリウム溶液にて、紫外光の照射が遮られて感光しなかった未硬化のドライフィルムレジストを溶かす現像処理を行って、ドライフィルムレジストに開口部を形成した。
【0109】
(エッチング工程)
次に、作製したレジストでマスクし、塩化第二鉄液で、表面側よりエッチングを行い、導電性基板に深さ0.15mmの窪み領域を作製した。このエッチング加工により、内部端子部、外部端子部、半導体素子搭載部、裏面連結部、平坦部を有する配線部、凸形状を有する配線部が形成された。配線部の凸部の先端は、内部端子部の上面から0.02mm低い位置に形成された。
【0110】
(第2のレジスト除去工程)
次に、水酸化ナトリウム溶液でドライフィルムレジストを剥離した。
【0111】
その後、所定寸法に切断することにより、本実施例に係る半導体素子搭載用基板が得られた。
【0112】
次に、作製した半導体素子搭載用基板を用いて、半導体装置の製造を、下記の手順に沿って行った。
【0113】
(半導体素子搭載及びワイヤボンディング工程)
上述の半導体素子搭載用基板を使用し、半導体素子搭載用基板のダイパッド表面めっき層にAgペーストを使用して半導体素子を搭載し、半導体素子の電極部と内部端子表面めっき層をワイヤボンディングにより接続した。
【0114】
(第1の樹脂封止工程及び樹脂封止後のエッチング工程)
その後、半導体素子が搭載されている面を第1の樹脂で封止し、外部端子部の裏面めっき層、半導体素子搭載部の裏面めっき層をマスクとして、裏面連結部をエッチング加工し、外部端子部等を各々独立させた。
【0115】
(第2の樹脂封止工程)
その後、外部端子部を第2の樹脂で封止した。第1の樹脂と第2の樹脂は同種の樹脂を使用した。最後に、所定の半導体装置の寸法になるように切断し、半導体装置を完成させた。
【0116】
[実施例2]
<半導体素子搭載用基板>
実施例2に係る半導体素子搭載用基板は、実施例1おける「第1の露光・現像工程」及び「第2の露光・現像工程」において、ダイパッド部を形成せず、半導体素子搭載領域となる位置の直下に、裏面めっき層を持つ外部端子を配置するようなパターンの露光マスクを用いて半導体素子搭載用基板を作製した。
【0117】
<半導体装置>
上述のように作製した半導体素子搭載用基板を用いて半導体装置を作製した。
【0118】
具体的には、半導体素子搭載用基板の作製では、実施例1において、第1のレジストのパターンを形成する時、ダイパッド部は配置せず、内部端子表面めっき層と外部端子裏面めっき層を配置するパターンを形成し、第2のレジストのパターンを作製する時に、表面側にダイパッド部は配置せず、内部端子部、外部端子部及び配線部を配置するパターンを作製した。
【0119】
さらに、半導体装置の製造では、半導体素素子搭載工程において、絶縁性接着剤を用いて半導体素子搭載領域直下にある複数の外部端子部の表面上に半導体素子を搭載、固着した。
【0120】
その他の製造条件は、実施例1と同じである。
【0121】
<評価>
実施例1及び実施例2で作製した半導体装置に関して、第2の樹脂で封止を行う前の内部端子部と外部端子部との間で通電を確認し、配線部の接続がなされているのが確認できた。また、完成した半導体装置を切断し、配線部の長手方向に直行する断面形状を確認した所、略三角形であった。また、従来の配線部には平坦部の幅が、0.06mm〜0.1mm程度あったことより、0.06mm〜0.15mm程度、外部端子部間のピッチを狭くすることが可能となった。
【0122】
このように、本実施例により、本発明の実施形態に係る半導体素子搭載用基板及び半導体装置、並びにそれらの製造方法によれば、外部端子部同士のピッチを狭めつつ、電気的接続を確実に担保できることが示された。
【0123】
以上、本発明の好ましい実施形態及び実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施形態及び実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施形態及び実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。