(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記基準電力を前記処理部に供給して前記初期設定モードの完了に要する時間に対する、前記処理部が初期設定モードの完了に要する時間の増加度合いが、10%以下となるように前記上限電力が設定される、
請求項4に記載の情報処理装置。
前記制御部は、前記基準電力を前記処理部に供給して前記初期設定モードの完了に要する時間に対する、前記処理部が初期設定モードの完了に要する時間の増加度合いが、所定の度合い以下となるように前記上限電力を決定する、
請求項4、8又は9に記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を適用した情報処理装置、制御方法、およびプログラムを、図面を参照して説明する。以下に説明する実施形態は、情報処理装置が初めて起動した場合に、実行部により初期設定モードに関する動作を実行し、所定の条件を満たすまで、初期設定モードにおける実行部の発熱量を、初期設定モード終了後の動作モードにおける実行部の発熱量よりも低くするよう、少なくとも電源回路を制御するものである。実行部は、初期設定モードにおいて動作するCPU、ネットワークカード、ストレージ、充電回路などの、動作することにより発熱する各部である。
【0022】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態における情報処理装置1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。なお、情報処理装置1は、ノート型のパーソナルコンピュータ(PC)、タブレット型の端末などであるが、何れかに限定されるものではない。
【0023】
情報処理装置1は、例えば、CPU(Central Processing Unit)11と、メインメモリ12と、ビデオサブシステム13と、ディスプレイ14と、チップセット21と、BIOS(Basic Input Output System)メモリ22と、HDD(Hard Disk Drive)23と、USB(Universal Serial Bus)コネクタ24と、オーディオシステム25と、ネットワークカード26と、エンベデッドコントローラ31と、入力インターフェース32と、放熱ファン33と、電源回路34と、を備える。
【0024】
CPU11は、例えばメインメモリ12に格納されたプログラムを実行することで、種々の演算処理を実行し、情報処理装置1の各部を制御する。CPU11は、処理部の一例である。メインメモリ12は、例えば、複数個のDRAM(Dynamic Random Access Memory)チップを含む。メインメモリ12は、CPU11により実行されるプログラムの読み込み領域として機能する。また、メインメモリ12は、CPU11により実行されるプログラムの処理データを書き込む作業領域として機能する。CPU11により実行されるプログラムには、例えば、OS(オペレーティングシステム、Operating System)、周辺機器類をハードウェア操作するための各種ドライバ、各種サービス/ユーティリティ、アプリケーションプログラム等が含まれる。
【0025】
ビデオサブシステム13は、例えば、ビデオコントローラと、ビデオメモリとを含む。ビデオサブシステム13は、画像表示に関連する機能を実現するためのサブシステムである。ビデオコントローラは、CPU11から出力された描画命令を処理し、処理した描画情報をビデオメモリに書き込む。また、ビデオコントローラは、ビデオメモリから描画情報を読み出して、読み出した描画情報を、ディスプレイ14に描画データ(表示データ)として出力する。ディスプレイ14は、例えば、液晶ディスプレイである。ディスプレイ14は、ビデオサブシステム13から出力された描画データ(表示データ)に基づいて、表示画面を表示する。
【0026】
チップセット21は、USB、シリアルATA(AT Attachment)、SPI(Serial Peripheral Interface)バス、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス、PCI−Expressバス、およびLPC(Low Pin Count)バスなどのコントローラを備える。チップセット21には、複数のデバイスが接続される。本実施形態において、チップセット21には、デバイスとして、BIOSメモリ22と、HDD23と、USBコネクタ24と、オーディオシステム25と、ネットワークカード26と、エンベデッドコントローラ31とが、接続される。
【0027】
BIOSメモリ22は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)やフラッシュROMなどの電気的に書き換え可能な不揮発性メモリを含む。BIOSメモリ22は、パラメータ、BIOSおよびエンベデッドコントローラ31などを制御するためのシステムファームウェアなどを記憶する。
【0028】
HDD23は、不揮発性記憶装置の一例である。HDD23は、OS、各種ドライバ、各種サービス/ユーティリティ、アプリケーションプログラム、および各種データを記憶する。USBコネクタ24は、USBを利用した周辺機器類を情報処理装置1に接続するためのコネクタである。オーディオシステム25は、音データの記録、再生、および入出力を行う。ネットワークカード26は、ネットワークに接続し、データ通信を行う。ネットワークカード26は、例えば、ワイヤレス(無線)LANを介してネットワークに接続するものであってよい。
【0029】
エンベデッドコントローラ31は、情報処理装置1の動作モードに関わらず、各種デバイス(周辺装置やセンサ等)を監視し、制御するワンチップマイコン(One-Chip Microcomputer)である。ワンチップマイコンは、エンベデッドコントローラ31は、不図示のCPU、ROM、RAM、複数チャネルのA/D入力端子、D/A出力端子、タイマ、およびデジタル入出力端子を備える。エンベデッドコントローラ31のデジタル入出力端子には、例えば、入力インターフェース32、放熱ファン33、および電源回路34が接続される。
【0030】
エンベデッドコントローラ31は、電源回路34を制御する電源管理機能を有する。エンベデッドコントローラ31は、電源回路34を制御することにより、例えば、CPU11に供給する駆動電力の値を制御する。
【0031】
エンベデッドコントローラ31は、情報処理装置1の所定の動作モードに応じて、電源回路34を制御する。所定の動作モードは、例えば、初期処理モード、初期起動モード、通常モード、および省電力モードである。情報処理装置1の動作モードは、イベントトリガに応答して、初期処理モード、初期起動モード、通常モード、省電力モードの何れかに遷移する。なお、情報処理装置1の動作モードは、ACPI(Advanced Configuration and Power Interface)仕様に規定された動作モードであってよい。
【0032】
初期処理モードは、ユーザが情報処理装置1を購入してから初めて情報処理装置1を起動したことをイベントトリガとして遷移する動作モードである。初期処理モードは、OOBEモードは、初期処理モードの一例である。
【0033】
初期起動モードは、例えば、初期処理モードが終了したことをイベントトリガとして遷移する動作モードである。初期起動モードには、例えば、ユーザ登録処理や、プログラムのインストール処理などが含まれる。
【0034】
通常モードは、例えば、初期起動モードが終了したことをイベントトリガとして遷移する動作モードである。通常モードは、最もアクティブな状態であり、通常の運用状態(通常動作状態)である。
【0035】
省電力モードは、通常モードよりも低い消費電力の値でCPU11を動作させる動作モードである。省電力モードは、例えば、迅速に通常モードに復帰可能な低消費電力でCPU11を動作させる。待機モードは、例えばモダンスタンバイモードであって、省電力モードの一例である。モダンスタンバイモードでは、ディスプレイ14の表示をオフ(停止)した状態で、バックグラウンド処理が実行される状態、およびハイバネーション状態が切り替えて使用される。なお、省電力モードは、ソフトウェアにより電源をオフしたシャットダウン状態(電源断状態)であってもよく、作業内容をHDD23などに退避させた休止状態であるハイバネーション状態であってもよい。
【0036】
入力インターフェース32は、例えば、キーボード、ポインティング・デバイス、タッチパッドなどの入力デバイスである。
【0037】
電源回路34は、例えば、DC/DCコンバータ、充放電ユニット、電池ユニット、およびAC/DCアダプタなどを含む。電源回路34は、電力供給部の一例である。電源回路34は、エンベデッドコントローラ31からの制御に基づいて動作する。電源回路34は、AC/DCアダプタ、または電池ユニットから供給された直流電圧を、情報処理装置1を動作させるために電圧に変換する。電源回路34は、変換した電圧の電力を情報処理装置1の各部に供給する。
【0038】
放熱ファン33は、ファンやモータなどを含む。放熱ファン33は、冷却ファンの一例である。放熱ファン33は、エンベデッドコントローラ31の制御に従って動作する。放熱ファン33は、CPU11の発熱が情報処理装置1の筐体表面に伝達することを抑制する。情報処理装置1の筐体表面は、例えば、ユーザが触る可能性がある箇所である。なお、放熱ファン35は、モダンスタンバイモードにおいて、停止される。
【0039】
図2は、情報処理装置1の機能的な構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置1は、例えば、制御部100と、パラメータ取得部101と、電力設定処理部110と、パワー管理ドライバ111と、初期処理部120と、初期起動部121と、アップデート処理部122と、セキュリティ処理部123と、パワー管理サービス部124とを備える。制御部100、パラメータ取得部101、電力設定処理部110、パワー管理ドライバ111、初期処理部120、初期起動部121、アップデート処理部122、セキュリティ処理部123、およびパワー管理サービス部124は、例えば、CPU11などのプロセッサが、HDD23やメインメモリ12などに記憶されたプログラムを実行することにより実現される。また、これらの構成要素は、LSI(Large Scale Integration)やASCI(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などのハードウェア(回路部;circuitry)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
【0040】
また、
図2において、サービス/ユーティリティ、ドライバ、およびBIOSは、HDD23またはBIOSメモリ22に記憶されているプログラムをメインメモリ12に読み込み、CPU11が実行することにより実現される。ここで、初期処理部120、初期起動部121、アップデート処理部122、セキュリティ処理部123、およびパワー管理サービス部124がサービス/ユーティリティに対応し、電力設定処理部110およびパワー管理ドライバ111がドライバに対応し、制御部100およびパラメータ取得部101がBIOSに対応する。
【0041】
初期処理部120は、初期処理モードにおいて動作する。初期起動部121は、初期起動モードにおいて動作する。アップデート処理部122およびセキュリティ処理部123は、通常モードにおいて動作する。アップデート処理部122は、情報処理装置1におけるソフトウェアをアップデートする処理を実行する。セキュリティ処理部123は、情報処理装置1におけるセキュリティをチェックする処理や、チェック結果に基づいてセキュリティに関する処理を実行する。
【0042】
パワー管理サービス部124は、パワー管理(消費電力の管理)のためのサービスを提供する。パワー管理サービス部124は、例えば、動作モードを変更するイベントトリガに応じて、動作モードを変更する指示を、パワー管理ドライバ111に出力する。
【0043】
パワー管理ドライバ111は、例えば、ACPIドライバである。パワー管理ドライバ111は、動作モードに応じて、ノートPC1の消費電力を管理する。パワー管理ドライバ111は、パワー管理サービス部124から動作モード変更指示を受け付けたことに応じて、制御部100を制御する。
【0044】
制御部100は、例えば、DYTC(Dynamic Thermal Control ACPI I/F method)である。制御部100は、エンベデッドコントローラ31の制御、および電力設定処理部110に、CPU11における消費電力の上限の変更を指示する。消費電力の上限とは、例えば、「Power Limit」と呼ばれる設定可能な消費電力レベルであり、CPU11が消費できる単位時間当たりの消費電力の上限である。制御部100は、エンベデッドコントローラ31に、電源回路34からCPU11に供給する電力の変更を指示する。また、制御部100は、エンベデッドコントローラ31に、放熱ファン35の回転数の変更を指示する。
【0045】
パワー管理サービス部124、パワー管理ドライバ111、および制御部100は、モード制御部に相当する。モード制御部は、情報処理装置1の動作モードを、上述した初期処理モード、初期起動モード、通常モード、省電力モードの何れかに遷移させる。
【0046】
図3は、第1の実施形態における情報処理装置の動作モードを示す図である。情報処理装置1の動作モードは、初期処理モードM1および初期起動モードM2を含む初う期設定モードと、通常モードM3と、省電力モードM4との何れかに遷移する。情報処理装置1は、初期処理モードM1が終了したことをイベントトリガとして、初期起動モードM2に遷移する。情報処理装置1は、初期起動モードM2が終了したことをイベントトリガとして、通常モードM3に遷移する。情報処理装置1は、通常モードM3において所定のイベントトリガが発生した場合、省電力モードM4に遷移する。所定のイベントトリガは、例えば、情報処理装置1が所定期間に亘って操作されないことである。情報処理装置1は、省電力モードM4において所定のイベントトリガが発生した場合、通常モードM3に遷移する。所定のイベントトリガは、例えば、ユーザのアクションの検出やバックグラウンド処理における所定のイベントである。ユーザのアクションは、例えば、ユーザによるパワーボタンの押下や入力インターフェース32の操作を受け付けたことなどであり、バックグラウンド処理における所定のイベント発生とは、例えば、メールを受信したことなどである。
【0047】
制御部100は、初期設定モードにおいて設定された処理を実行することが予測される期間において、CPU11に供給する上限電力を、基準電力よりも低くするよう電源回路34を制御する。初期設定モードにおいて設定された処理を実行することが予測される期間は、初期状態のオペレーティングシステムを含む情報処理装置1が最初に起動されたときから所定の期間であり、例えば数日であるが、これに限定されない。基準電力は、例えば、通常モードにおいてCPU11に供給される上限電力である。
【0048】
初期設定モードにおいて設定された処理を実行することが予測される期間が経過することは、所定の条件を満たすことの一例である。また、CPU11に供給する上限電力を、基準電力よりも低くするよう電源回路34を制御することは、初期設定モードにおける実行部の発熱量を、初期設定モード終了後の動作モードにおける実行部の発熱量よりも低くするよう、少なくとも電源回路34を制御することの一例である。
【0049】
初期設定モードにおけるCPU11に供給する上限電力は、基準電力をCPU11に供給して初期設定モードの完了に要する時間に対する、CPU11が初期設定モードの完了に要する時間の増加度合いが、10%以下となるように上限電力を、設定してよい。
【0050】
初期設定モードにおけるCPU11に供給する上限電力は、基準電力に対する、CPU11が初期設定モードにおいて設定された処理を実行することが予測される期間においてCPU11に供給する上限電力が基準電力の70%以上であるよう、設定してよい。
【0051】
さらに、情報処理装置1は、基準電力をCPU11に供給して初期設定モードの完了に要する時間に対する、CPU11が初期設定モードの完了に要する時間の増加度合いが、所定の度合い以下となるように上限電力を決定してよい。
【0052】
制御部100は、CPU11が初期設定モードにおいて設定された処理を実行することが予測される期間において、放熱ファン33の上限回転数を、基準上限回転数よりも低くするよう放熱ファン33を制御する。なお、制御部100は、回転数に代えて、駆動音量そのものを制御してよい。基準上限回転数は、例えば、通常モードにおける放熱ファン33の上限回転数である。
【0053】
電力設定処理部110は、例えば、DPTF(Dynamic Platform and Thermal Framework)ドライバである。電力設定処理部110は、制御部100の制御に基づいて、CPU11の消費電力の上限を設定する。電力設定処理部45は、例えば、制御部100からの指示に基づいて、CPU11における消費電力の上限の設定を変更する。
【0054】
図4は、第1の実施形態においてCPUの消費電力および放熱ファンの回転数を制御する一例を示すフローチャートである。
まず、情報処理装置1は、購入後の最初の電源オンというイベントトリガが発生したか否かを判定する(ステップS100)。情報処理装置1は、購入後の最初の電源オンというイベントトリガが発生していない場合(ステップS100:NO)、ステップS105に処理を進める。情報処理装置1は、購入後の最初の電源オンというイベントトリガが発生した場合(ステップS100:YES)、ステップS101に処理を進める。
【0055】
情報処理装置1は、ステップS101において、計時を開始する。次に、情報処理装置1は、CPU11の上限電力を所定値に設定する(ステップS102)。上限電力を所定値は、上述したように、基準電力よりも低い電力である。次に、情報処理装置1は、放熱ファン33の上限回転数を所定値に設定する(ステップS103)。上限回転数は、上述したように、基準回転数よりも低い回転数である。
【0056】
なお、情報処理装置1は、ステップS102実行部としてのネットワークカード26やHDD23等のストレージの発熱を抑制してよい。情報処理装置1は、ネットワークカード26の発熱を抑制するため、上限電力を制限したり、通信速度を抑制してよい。情報処理装置1は、HDD23等のストレージの発熱を抑制するため、上限電力を制限したり、データ処理レートを抑制してよい。
【0057】
また、情報処理装置1は、CPU11、ネットワークカード26、およびHDD23等のストレージなどの実行部を総合して制御し、装置全体での発熱を抑制することが望ましい。例えば、情報処理装置1は、OSのアップデート処理において、ファイルをダウンロードしている期間はネットワークカード26の発熱を優先的に抑制し、ダウンロードしたデータをHDD23等のストレージに記憶させている間にはHDD23等のストレージの発熱を優先的に抑制し、アップデートしている期間においてはCPU11の発熱を優先的に抑制してよい。
【0058】
次に、情報処理装置1は、終了時刻が到来したか否かを判定する(ステップS104)。情報処理装置1は、計時している時間が、CPU11が初期設定モードにおいて設定された処理を実行することが予測される期間を超えた場合、終了時刻が到来したと判定する。情報処理装置1は、終了時刻が到来していない場合(ステップS104:NO)、ステップS102およびステップS103の処理を続行する。情報処理装置1は、終了時刻が到来した場合(ステップS104:YES)、ステップS105に処理を進める。
【0059】
情報処理装置1は、ステップS105において、CPU11の上限電力を、現在の動作モードに基づいて設定する。次に、情報処理装置1は、放熱ファン33の上限回転数を、現在の動作モードに基づいて設定する(ステップS106)。次に、情報処理装置1は、電源オフというイベントトリガが発生したか否かを判定する(ステップS107)。情報処理装置1は、電源オフというイベントトリガが発生していない場合(ステップS107:NO)、ステップS105に処理を戻す。情報処理装置1は、電源オフというイベントトリガが発生した場合(ステップS107:YES)、処理を終了する。
【0060】
情報処理装置1は、パラメータ取得部101が取得したパラメータに基づいて、CPU11の上限電力および放熱ファン33の上限回転数を設定してよい。
図5は、パラメータの一例を示す図である。パラメータ200は、例えば、動作モード、筐体表面温度(T1、T2、T3)、駆動音(V1、V2、V3)、CPUの上限電力(W1、W2、W3)、および初期設定モードの処理時間(R1、R2)の関係を表すテーブル形式となっている。制御部100は、現在の動作モードに対応するCPU11の上限電力を、パラメータ200から抽出する。制御部100は、現在の動作モードに対応する駆動音をパラメータ200から抽出し、駆動音に対応する回転数で動作するよう放熱ファン33を制御する。
【0061】
また、情報処理装置1は、初期設定モードの処理時間をパラメータ200から抽出し、CPU11が初期設定モードにおいて設定された処理を実行することが予測される期間が終了したか否かを判定する。
【0062】
なお、パラメータ200には、初期設定モード(1)に対応する筐体表面温度、駆動音、CPUの上限電力、および初期設定モードの処理時間と、初期設定モード(2)に対応する筐体表面温度、駆動音、CPUの上限電力、および初期設定モードの処理時間が設定されていてよいが、これに限定されず、さらに多くの情報が格納されていてよい。初期設定モード(1)と初期設定モード(2)とは、例えば、筐体表面温度、駆動音、CPUの上限電力、および初期設定モードの処理時間が互いに異なる。
【0063】
以上説明した第1の実施形態の情報処理装置1によれば、自装置の初期設定モードにおいて設定された処理を実行するCPU11と、CPU11に電力を供給する電源回路34と、CPU11が初期設定モードにおいて設定された処理を実行することが予測される期間において、CPU11に供給する上限電力を、基準電力よりも低くするよう電源回路34を制御する制御部100と、を備える。これにより、情報処理装置1によれば、情報処理装置1の初期設定モードにおける発熱を抑制することができる。例えば、情報処理装置1の初期設定モードにおいてアップデート処理部122による処理や、セキュリティ処理部123による処理が並行して起動した場合に、過剰な発熱を抑制することができる。
【0064】
さらに、情報処理装置1によれば、CPU11が初期設定モードにおいて設定された処理を実行することが予測される期間において、放熱ファン33の上限回転数を、基準上限回転数よりも低くするよう放熱ファン33を制御する。これにより、情報処理装置1によれば、情報処理装置1の初期設定モードにおける駆動音を抑制することができる。
【0065】
なお、第1の実施形態において、CPU11が初期設定モードにおいて設定された処理を実行することが予測される期間において、CPU11の上限電力および放熱ファン33の上限回転数の双方を抑制したが、これに限定されず、CPU11の上限電力の抑制および放熱ファン33の上限回転数の抑制の少なくとも一方を実行してよい。
【0066】
また、第1の実施形態において、主としてCPU11の発熱を抑制することについて説明したが、これに限定されず、初期設定モードにおいて動作する実行部の一例としてのネットワークカード26、HDD23等のストレージに対する電力を抑制してよい。
【0067】
[変形例]
図6は、第1の実施形態の変形例における情報処理装置の動作モードを示す図である。
第2の実施形態の情報処理装置1は、CPU11が初期設定モードにおいて設定された処理を実行することが予測される期間であっても、情報処理装置1が所定の省電力モードに遷移した場合、当該省電力モードにおいて設定された電力をCPU11に供給する点で、上述の実施形態の情報処理装置1とは異なる。当該動作は、制御部100が実行してよい。所定の省電力モードは、CPU11に供給される上限電力が基準電力よりも低い動作モードである。所定の省電力モードは、例えば、例えばモダンスタンバイモードである。
なお、動作モードが1度、初期起動モードM2から通常モードM3に遷移した後、省電力モードM4から初期起動モードM2に遷移することは禁止される。
【0068】
図7は、第1の実施形態の変形例においてCPUの消費電力および放熱ファンの回転数を制御する他の一例を示すフローチャートである。なお、
図7において第1の実施形態と同様の処理に同一のステップ番号を付することにより、当該処理の説明を省略する。
情報処理装置1は、ステップS103の次に、動作モードが省電力モードM4に遷移するイベントトリガが発生したか否かを判定する(ステップS200)。情報処理装置1は、動作モードが省電力モードM4に遷移するイベントトリガが発生していない場合(ステップS200:NO)、ステップS114に処理を進める。情報処理装置1は、動作モードが省電力モードM4に遷移するイベントトリガが発生した場合(ステップS200:YES)、CPU11の上限電力を省電力モードM4に対応する上限電力に再設定する(ステップS201)。また、情報処理装置1は、放熱ファン33の上限回転数を、省電力モードM4に対応する上限回転数に再設定する(ステップS201)。
【0069】
変形例の情報処理装置1によれば、CPU11が初期設定モードにおいて設定された処理を実行することが予測される期間であっても、情報処理装置1が所定の動作モードに遷移した場合に、CPU11の上限電力および放熱ファン33の上限回転数を再設定することができる。これにより、情報処理装置1によれば、さらに消費電力を抑制することができる。
【0071】
以下、第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同様の部分については同一符号を付することでその説明を省略する。
第2の実施形態に係る情報処理装置は、情報処理装置のシステム構成に関わる処理が終了するまで、初期設定モードにおける実行部の発熱量を、初期設定モード終了後の動作モードにおける実行部の発熱量よりも低くするよう、少なくとも電源回路34を制御する。情報処理装置のシステム構成に関わる処理が終了することは、所定の条件の一例である。
【0072】
情報処理装置のシステム構成に関わる処理には、初期設定モードにおいて実行される処理のうち、例えば、OSのアップデート処理、インデックス処理、ウィルススキャン処理が含まれる。これらのシステム構成に関わる処理は、例えば、プロセス名により特定され、CPU11により処理開始および処理終了が監視される。
【0073】
情報処理装置のシステム構成に関わる処理には、OSのアップデート処理、インデックス処理、ウィルススキャン処理に付随して実行される処理や動作を含む。OSのアップデート処理、インデックス処理、ウィルススキャン処理に付随して実行される処理や動作は、例えば、ネットワークカード26によるデータのダウンロード処理や、CPU11によるダウンロードしたデータの演算処理や、HDD23等による記憶処理などが含まれる。したがって、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、実行部には、CPU11のみならず、ネットワークカード26、HDD23等が含まれる。これらのシステム構成に関わる処理に付随して実行される処理や動作も、例えば、プロセス名により特定され、CPU11により処理開始および処理終了が監視される。
【0074】
図8は、第2の実施形態においてCPU等の消費電力および放熱ファンの回転数を制御する一例を示すフローチャートである。なお、以下の説明は、CPU11を中心として発熱を抑制することについて説明するが、上述したように、システム構成に関わる処理や動作を実行する実行部の発熱を抑制してよい。
【0075】
まず、情報処理装置は、購入後の最初の電源オンというイベントトリガが発生したか否かを判定する(ステップS300)。情報処理装置1は、購入後の最初の電源オンというイベントトリガが発生していない場合(ステップS300:NO)、ステップS305に処理を進める。情報処理装置は、購入後の最初の電源オンというイベントトリガが発生した場合(ステップS300:YES)、ステップS301に処理を進める。
【0076】
情報処理装置は、ステップS301において、所定のプロセスの監視を開始する。所定のプロセスは、システム構成に関わる処理、およびシステム構成に関わる処理に付随する処理である。次に、情報処理装置は、CPU11の上限電力を所定値に設定する(ステップS302)。上限電力を所定値は、上述したように、基準電力よりも低い電力である。次に、情報処理装置は、放熱ファン33の上限回転数を所定値に設定する(ステップS303)。上限回転数は、上述したように、基準回転数よりも低い回転数である。
【0077】
次に、情報処理装置は、システム構成に関わる処理およびシステム構成に関わる処理に付随する処理(システム構成処理)が終了したか否かを判定する(ステップS304)。情報処理装置は、監視している所定のプロセスの全てが終了した場合、システム構成処理が終了したと判定する。情報処理装置は、システム構成処理が終了していない場合(ステップS304:NO)、ステップS302およびステップS303の処理を続行する。情報処理装置は、システム構成処理が終了した場合(ステップS304:YES)、ステップS305に処理を進める。
【0078】
情報処理装置は、ステップS305において、CPU11の上限電力を、現在の動作モードに基づいて設定する。次に、情報処理装置は、放熱ファン33の上限回転数を、現在の動作モードに基づいて設定する(ステップS306)。次に、情報処理装置は、電源オフというイベントトリガが発生したか否かを判定する(ステップS307)。情報処理装置は、電源オフというイベントトリガが発生していない場合(ステップS307:NO)、ステップS305に処理を戻す。情報処理装置1は、電源オフというイベントトリガが発生した場合(ステップS307:YES)、処理を終了する。
【0079】
以上説明した第2の実施形態の情報処理装置によれば、システム構成に関わる処理が終了するまで、初期設定モードにおける実行部の発熱量を、初期設定モード終了後の動作モードにおける実行部の発熱量よりも低くするよう、少なくとも電力供給部を制御する。これにより、情報処理装置によれば、システム構成に関わる処理が終了するまで発熱を抑制し、システム構成に関わる処理が終了した場合、シームレスにCPU11の動作を通常に戻すことができる。また、情報処理装置は、システム構成に関わる処理が終了し、ユーザが所望する処理を実行する場合には、初期設定モードよりも高いパフォーマンスを発揮させることができる。これにより、情報処理装置によれば、初期設定モードの開始前および終了後の双方においてユーザに高い満足度を与えることができる。
【0080】
なお、上述した第2の実施形態において、購入後の最初の電源オンというイベントトリガが発生したことに応じて発熱を抑制していたが、これに限定されない。情報処理装置は、例えば、ネットワークカード26が通信を開始したことをイベントトリガとして、ステップS301以降の処理を開始してよい。システム構成処理におけるOSのアップデート処理やウィルススキャン処理の開始条件が、情報処理装置のネットワーク接続を含むからである。これにより、情報処理装置は、ユーザの操作に基づいてネットワークカード26が外部装置に接続していない状態で、パフォーマンスを抑制することを回避することができる。
【0081】
[第2の実施形態の変形例]
上述した情報処理装置は、システム構成処理が終了するまで実行部の発熱を抑制したが、変形例の情報処理装置は、システム構成処理を実行しているOSから出力された指示を受け付けた場合に、システム構成処理が終了したと判定してよい。
【0082】
なお、本発明の一態様における情報処理装置1において動作するプログラムは、本発明の一態様に関わる上記の各実施形態や変形例で示した機能を実現するように、1つ、または複数の、CPU等のプロセッサを制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)であっても良い。そして、これらの各装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的にRAMに蓄積され、その後、フラッシュメモリやHDD等の各種ストレージに格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行われても良い。
【0083】
なお、上述した各実施形態における情報処理装置1それぞれの一部又は全部を1つ、または複数のプロセッサを備えたコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。
【0084】
なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、情報処理装置1に内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0085】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0086】
また、上述した各実施形態における情報処理装置1の一部、又は全部を典型的には集積回路であるLSIとして実現してもよいし、チップセットとして実現してもよい。また、上述した各実施形態や変形例における情報処理装置1の各機能ブロックは個別にチップ化してもよいし、一部、又は全部を集積してチップ化してもよい。また、集積回路化の手法は、LSIに限らず専用回路、および/または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
【0087】
以上、この発明の一態様として各実施形態や変形例に関して図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は各実施形態や変形例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、本発明の一態様は、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記各実施形態や変形例に記載された要素であり、同様の効果を奏する要素同士を置換した構成も含まれる。
【0088】
例えば、上記各実施形態や各変形例の一部または全部を組み合わせることで本発明の一態様を実現してもよい。