(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
酸素を含む気体を給気する工程において、酸素供給条件が、調味料1kgあたり空気として給気量0.01L/分以上、4L/分以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、発酵調味料、糖類及び野菜エキスを、加熱温度が55℃以上100℃以下及び加熱時間が30分間以上5時間以下で加熱する工程と、酸素を含む気体を給気する工程を含む調味料の製造方法に関する。
【0009】
本発明において、「発酵調味料」とは、植物たん白を発酵させ分解して得られた液体調味料又はこれを脱水乾燥した固形状の調味料であり、本発明ではアミノ酸源として機能する。
【0010】
植物性たん白とは、大豆、小麦、米、コーン、緑豆などの穀類や、野菜などに含まれるたん白質が挙げられるが、小麦たん白、大豆たん白、とうもろこしたん白などの種子たん白が好ましく、小麦グルテンや脱脂大豆が好ましい。
【0011】
発酵は、上記たん白を分解することができる方法であれば特に限定されず、麹による発酵が挙げられる。麹は麹菌を液体培地中で好気的に培養した液体麹であっても、大豆等の原料を蒸煮等の処理をした後に原料表面に麹菌を接種して培養した固体麹であってもよい。麹菌としては、アスペルギルス・オリゼー、アスペルギルス・ソーヤ、アスペルギルス・ニガー等が挙げられ、特にアスペルギルス・オリゼーが好ましい。
本発明において好ましい「発酵調味料」としては、小麦グルテンや脱脂大豆などの植物たん白を麹により発酵させ分解して得られる発酵分解調味液が挙げられる。発酵分解調味料は、異風味や異味も発生しにくく、特に煮込み感や煮詰め感付与の力価が強く、非常に好ましい。
好ましい発酵分解調味液の製法の一例として、脱脂大豆を主原料に、麹菌を用いて固体麹を作成し、調味液を製造する工程において、製麹により得られた麹を麹重量の1.8〜3倍量(重量)の食塩濃度13〜17重量%の食塩水と混合し諸味を形成した後に、諸味を32〜40℃、7〜19日間加水分解することを特徴とする調味料の製造法が挙げられる。
市販の発酵分解調味液としては、味の素(株)製「コウジ・ベース」、キッコーマン(株)製「発酵うまみ調味料」、日清製粉(株)製「醸造調味料NS−2」、「醸造調味料NS−3」などが挙げられる。
【0012】
本発明において、「糖類」は、食品に使用できるものであれば特に限定はない。糖類の例としては、スクロース、グルコース、マルトース、フルクトース等が挙げられる。中でもグルコース、マルトース、フルクトースを使用するとより煮物の煮込み感や煮詰め感が強まるため好ましく、マルトース及び/又はフルクトースがより好ましい。
【0013】
糖類の使用割合は、目的の調味料が得られる限りは特別の制限はないが、例えば、発酵調味料1重量部(乾燥重量)に対して糖類は通常0.03重量部以上、好ましくは0.15重量部以上、より好ましくは0.3重量部以上であり、通常30重量部以下であり、好ましくは15重量部以下、より好ましくは6重量部以下とすることができる。
【0014】
本発明において、「野菜エキス」とは、野菜及びキノコ由来のものであり、野菜及びキノコ自体の乾燥物の粉末又は野菜及びキノコの抽出物である。野菜エキスは、野菜やキノコから自体公知の方法により抽出したエキスでも市販品であってもよい。
【0015】
野菜としては、人参、ゴボウ、だいこん、かぶ、じゃがいも、タマネギ、ニンニク、レンコン等の根菜類、キャベツ、セロリ、はくさい、こまつな等の葉菜類、きゅうり、トマト、ピーマン、いんげんまめ、ごまなどの果菜類などが挙げられる。なかでも人参、ゴボウ、タマネギが好ましく、人参がより好ましい。
キノコとしては、シイタケやヒラタケなどのヒラタケ科や、シメジやマツタケ、エノキタケなどのキシメジ科、マッシュルーム、アガリクス茸などのハラタケ科、霊芝などのマンネンタケ科及びマイタケなどの多孔菌科のきのこなどが挙げられる。なかでもヒラタケ科やハラタケ科のキノコが好ましく、シイタケ、マッシュルームがより好ましく、シイタケが更に好ましい。
【0016】
抽出の方法は特に限定されず、抽出物は、例えば原料を粉砕後、必要に応じて加熱し、水や有機溶媒で抽出し固液分離する方法や、原料を煮て得られる煮汁を酸や酵素で分解後濃縮する方法が知られている。さらに必要に応じて、遠心分離機、ろ過装置や電気透析機等を利用して精製処理を行ってもよい。また加熱による濃縮、減圧濃縮、低温濃縮、真空濃縮、凍結濃縮、及び逆浸透濃縮等の濃縮処理を適宜行うこともできる。
【0017】
野菜エキスの使用割合は、目的の調味料が得られる限りは特別の制限はないが、例えば、発酵調味料1重量部(乾燥重量)に対して、野菜エキスは、乾燥重量に換算して、通常0.06重量部以上、好ましくは0.3重量部以上、より好ましくは0.5重量部以上であり、通常30重量部以下であり、好ましくは15重量部以下、より好ましくは6重量部以下とすることができる。
【0018】
発酵調味料、糖類及び野菜エキスを加熱する工程としては、発酵調味料、糖類及び野菜エキスを混合後加熱することができれば加熱方法は限定されない。また発酵調味料、糖類及び野菜エキスを全部混合してから加熱しても、先に発酵調味料を加熱し、その後時間差で糖類及び野菜エキスを加えて加熱しても、その順番は特に限定されない。また、粉末の原料を用いる場合は、溶液として使用するのがよい。
【0019】
加熱温度としては、通常55℃以上、好ましくは60℃以上、より好ましくは70℃以上、さらに好ましくは80℃以上、特に好ましくは90℃以上、最も好ましくは95℃以上であれば、短時間で好ましい煮込み感や煮詰め感を食品に付与しうる調味料が得られる。また通常100℃以下である。
【0020】
加熱時間としては、通常30分以上、好ましくは1時間以上、より好ましくは2時間以上であれば、良好な煮込み感や煮詰め感が得られる。また通常5時間以下、好ましくは4時間以下、より好ましくは3時間以下であれば、苦味等の異味が少なく良好な煮込み感や煮詰め感を食品に付与しうる調味料が得られる。
【0021】
本発明の調味料を加熱する際のpHは、通常pH3以上であり、好ましくはpH4以上である。また通常pH7以下であり、pH6以下が好ましい。この範囲のpHであれば煮込み感や煮詰め感を食品に付与しうる調味料が得られる。
pHの調整法は、特に限定されず、慣用のpH調整剤を用いて調整することができる。pH調整剤は、食品で用いられる調整剤であれば特に限定は無いが、流通性の点から塩酸、燐酸、クエン酸、蟻酸、酢酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水等が好ましい。
【0022】
本発明においては、発酵調味料、糖類及び野菜エキスを混合加熱する工程で、他の成分を添加して加熱してもよい。「他の成分」としては、例えば、醤油、畜肉エキス、魚介エキス、酵母エキス、アミノ酸、食塩等が挙げられる。
【0023】
本発明においては、「酸素を含む気体を給気する工程」を含むことが好ましい。「酸素を含む気体」とは、酸素のみでも良いし、他の気体との混合気体でもよい。取扱いが容易という観点から、空気を用いることが好ましい。
「酸素を含む気体を給気する工程」とは、例えば上記発酵調味料等を調理釜などの温度調節可能な装置に投入後、これら原料に対して空気など酸素を含む気体を給気することを意味する。気体を給気するとは、エアホース等を用いて直接混合液体へ気体を吹き込む方法や、密閉された容器内のヘッドスペースへ気体を吹き込む方法などが挙げられる。また撹拌により気体を取り込んでもよく、例えば、ホモジナイザー、ホモミキサー、ディスパミキサー等により強く撹拌し、気体を調味液中へ抱き込むように撹拌して気体を取り込んでもよい。
酸素の給気に関しては、酸素供給条件は、調味料1kgあたり空気として給気量が、通常0.01L/分以上、4L/分以下であり、0.05L/分以上、2L/分以下が好ましく、0.05L/分以上、1L/分以下が好ましい。この場合、空気中に酸素が21%含まれるとして計算している。
例えば、酸素供給条件は、通気量や通気方法、攪拌数、反応液量、圧力、反応容器や攪拌羽の形状等を適宜設定することにより調整出来る。
給気量が上記の範囲よりも低い場合には、十分な煮込み感や煮詰め感を食品に付与しうる調味料は得られない。また上記範囲よりも高い場合には酸化が促進しすぎることで異風味が発生するため好ましくない。
【0024】
本発明において、酸素を含む気体を給気する工程は、加熱する工程と同時に行っても、時間差、すなわち加熱より先に始める又は加熱後に始めてもよく、さらに間欠的に行ってもよいが、加熱工程と酸素を含む気体を給気する工程とが少なくとも30分間以上同時に行われることが好ましく、加熱と同時に同時間行うことがより煮込み感や煮詰め感を付与するのでより好ましい。
【0025】
本発明においては、上記の工程の他に、静菌目的のためにアルコールを添加する工程を含んでもよい。アルコールの添加工程は、所望の効果を得るためには加熱工程の終了後に行うのが好ましい。本発明の調味料のアルコール濃度としては、官能及び保存性の観点から、5〜15%v/vが好ましい。
【0026】
さらに本発明においては、活性炭やイオン交換などの樹脂、アルミナなどと接触処理する方法、水蒸気蒸留や膜処理する方法などを用いた脱色工程や脱臭工程をさらに含んでもよい。
【0027】
本発明の製造方法によって得られた調味料(以下、「本発明の調味料」と略することもある)は、煮込み感や煮詰め感などの調理感を付与するための調味料として使用できる。具体的には天然系調味料や風味調味料として使用することができる。「天然系調味料」とは、アミノ酸系うま味調味料;核酸系うま味調味料;たん白加水分解物;家畜家禽肉、魚介、野菜、酵母由来のエキス;アミノ酸と糖の加熱褐変反応(アミノカルボニル反応またはメイラード反応)等の調味料である。「風味調味料」とは、天然系調味料に砂糖類、食塩等を加えた調味料であり、飲食品に風味原料の香気、風味及び味を付与するために用いられる。
煮込み感とは、苦味、エグ味等の余計な味がせず、味のバランスのとれたやわらかい煮込み風味を意味し、煮詰め感とは、調味液や具材の後味まで残る好ましい呈味の持続感を意味する。
【0028】
本発明の調味料は、通常pH3〜7であり、成分は、塩化物量が3〜15重量%(電位差滴定法により測定)、全窒素量が0.1〜5重量%(ケルダール法により測定)、糖濃度が10〜50重量%(HPLC法により測定)及び野菜エキス量が1〜50重量%であり、好ましくはpH4〜6、成分は塩化物量が5〜10重量%、全窒素量が0.1〜3重量%、糖濃度が20〜50重量%及び野菜エキス量が5〜50重量%である。
すなわち、発酵調味料、糖類及び野菜エキスの混合物の加熱処理物を含み、pHが3〜7であり、塩化物量3〜15重量%、全窒素量0.1〜5重量%、糖濃度10〜50重量%及び野菜エキス量1〜50重量%であることを特徴とする煮込み感や煮詰め感付与用調味料も本発明に含まれる。
【0029】
本発明の調味料には、調味料分野において通常使用される食品原料をさらに含有させることもできる。調味料が液状の場合には、食品原料としては、例えば、水、エタノール、グリセリン、プロピレングリコール、各種動植物油類等が挙げられる。
また粉末状や顆粒状の固形の調味料に添加する食品原料としては、例えば、澱粉、デキストリン、シクロデキストリン、スクロースやグルコースなどの各種糖類、蛋白質、ペプチド、アミノ酸、食塩、固形脂、二酸化ケイ素、およびそれらの混合物、また酵母菌体や各種の粉末エキス類等が挙げられる。
【0030】
本発明の調味料は、そのままでも、あるいは他の成分をさらに含有するものであってもよい。他の成分としては、例えば、食品香料として通常使用されるアルコール類、フェノール類、アルデヒド類、ケトン類、エーテル類、酸類、ラクトン類、エステル類、含窒素、含硫黄化合物類等が挙げられる。
【0031】
本発明の調味料を食品へ使用する際は、直接添加、水や溶媒等を用いた希釈、酵母エキスや畜肉エキスや魚介エキスやタンパク加水分解物などの形態での調味料組成物への混合、肉等の煮込み時等、利用形態に特に制限はない。
【0032】
また本発明の調味料の形態に特に限定はなく、例えば乾燥粉末、ペースト、溶液などの形態で利用することが出来る。
【0033】
本発明は、本発明の調味料を喫食時の濃度が通常0.01重量%以上80重量%以下になるように添加することを特徴とする食品を提供する。食品は煮込み感及び/又は煮詰め感が付与された食品が好ましい。本発明の調味料の食品への添加量としては、好ましくは0.05重量%以上20重量%以下、より好ましくは0.1重量%以上5重量%以下、さらに好ましくは0.3〜2重量%が好ましい。濃度が低すぎると効果が得られず、濃度が高すぎると食品として自然でなく人工的な風味が付与されてしまうため好ましくない。
【0034】
また本発明の調味料を添加する食品に特に限定はないが、畜肉エキス、魚介エキス、特にチキンエキス、ビーフエキス、ポークエキス、鰹エキスを用いた飲食物、つゆ、たれ、ソース、スープ、発酵食品などでは煮込み感や煮詰め感が再現できる。具体的には、肉じゃが、筑前煮、豚バラ大根などの和風煮物料理、カレー、シチューなどの洋風煮物料理、焼肉のたれ、牛丼のたれ、めんつゆ等が好ましい。
【実施例】
【0035】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の実施範囲はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
【0036】
(実施例1)
アミノ酸源の違いによる効果比較
(材料及び方法)
【0037】
【表1】
【0038】
<反応条件>
表1に記載の材料を記載の分量に従い秤量し混合し、95℃、2時間、撹拌により酸素供給を行いながら加熱した。表中、コウジ・ベース(発酵調味料;味の素株式会社製)、濃口味液(アミノ酸液;味の素株式会社製)及びシイタケエキス(井村屋シーズニング株式会社製)を使用した。
<評価方法>
(1)パウチに表2に示す分量の具材と調味液を入れる。
(2)表1の調味料を3%w/wとなるよう添加する。
(3)100℃、10分間加熱する。
【0039】
【表2】
【0040】
「呈味の持続感」と「やわらかい煮込み風味」の総合評価を表3に示すように10段階で評価した。当該調味料を無添加としたものをコントロールとし、5人の食品開発従事者による官能評価を行った。5人の官能評価の平均を表4に示す。
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】
アミノ酸源は、アミノ酸液や醤油よりも、発酵調味料(「コウジ・ベース」)を使用することで、やわらかい煮込み風味及び呈味の持続感が増強することが確認された。
【0044】
(実施例2)
糖類の違いによる効果比較
【0045】
【表5】
【0046】
<反応条件>
表5に記載の材料を記載の分量に従い秤量し混合し、95℃、2時間、撹拌により酸素供給を行いながら加熱した。
<評価方法>
(1)パウチに表2に示す分量の具材と調味液を入れる。
(2)表5の調味料を3%w/wとなるよう添加する。
(3)100℃、10分間加熱する。
【0047】
「呈味の持続感」と「やわらかい煮込み風味」の総合評価を表3に示すように10段階で評価した。当該調味料を未添加としたものをコントロールとし、5人の食品開発従事者による官能評価を行った。5人の官能評価の平均を表6に示す。
【0048】
【表6】
【0049】
特にマルトース、フルクトースを使用することで、やわらかい煮込み風味や呈味の持続感が増強することが確認された。
【0050】
(実施例3)
野菜エキスの違いによる効果比較
【0051】
【表7】
【0052】
<反応条件>
表7に記載の材料を記載の分量に従い秤量し混合し、95℃、2時間、撹拌により酸素供給を行いながら加熱した。野菜エキスとしては、ニンジンエキス(日研フード株式会社製)、タマネギエキス(日研フード株式会社製)及びシイタケエキス(井村屋シーズニング株式会社製)、マッシュルームエキス(日研フード株式会社製)、ゴボウエキス(井村屋シーズニング株式会社製)を使用した。
<評価方法>
(1)パウチに表2に示す分量の具材と調味液を入れる。
(2)表7の調味料を3%w/wとなるよう添加する。
(3)100℃、10分間加熱する。
【0053】
「呈味の持続感」と「やわらかい煮込み風味」の総合評価を表3に示すように10段階で評価した。野菜エキスを無添加としたものをコントロールとし、5人の食品開発従事者による官能評価を行った。5人の官能評価の平均を表8に示す。
【0054】
【表8】
【0055】
野菜エキスを使用することで、やわらかい煮込み風味や呈味の持続感が増強することが確認された。
【0056】
(実施例4)
加熱温度及び加熱時間の違いによる効果比較
【0057】
【表9】
【0058】
<反応条件>
表9に記載の材料を記載の分量に従い秤量し混合し、表10の条件で、撹拌により酸素供給を行いながら加熱した。
【0059】
【表10】
【0060】
<評価方法>
(1)パウチに表2に示す分量の具材と調味液を入れる。
(2)表9の調味料を3%w/wとなるよう添加する。
(3)100℃、10分間加熱する。
【0061】
「呈味の持続感」と「やわらかい煮込み風味」の総合評価を表3に示すように10段階で評価した。当該調味料を未添加としたものをコントロールとし、5人の食品開発従事者による官能評価を行った。5人の官能評価の平均を表11に示す。
【0062】
【表11】
【0063】
55℃以上、2時間以上で加熱することで、やわらかい煮込み風味や呈味の持続感が増強するできることが確認された。
【0064】
(実施例5)
酸素供給条件の比較
【0065】
【表12】
【0066】
<反応条件>
表12の原料を混合し、加熱時間90℃、加熱時間2時間、液体下部より空気を調味料1kgあたり0〜0.8L/分の条件で供給することにより酸素供給を行いながら加熱した。
【0067】
<評価方法>
(1)パウチに表2に示す分量の具材と調味液を入れる。
(2)表12の調味料を3%w/wとなるよう添加する。
(3)100℃、10分間加熱する。
【0068】
「呈味の持続感」と「やわらかい煮込み風味」の総合評価を表3に示すように10段階で評価した。空気供給量を0としたものをコントロールとし、5人の食品開発従事者による官能評価を行った。5人の官能評価の平均を表13に示す。
【0069】
【表13】
【0070】
加熱反応中に酸素供給を実施することで、やわらかい煮込み風味と呈味の持続感が増強することが確認された。
また空気供給量が0.1L/分の時に得られた調味料の特徴は以下の通りである。
・野菜エキス配合比 15%
・pH(ガラス電極法) 4.7
・塩化物(電位差滴定法) 6.5%
・全窒素(ケルダール法) 0.72%
・糖濃度(HPLC法) 35%