(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記回転体が前記指定角度になったときの前記カウンタの値と、前記指定角度を示す値との差分に基づいて、前記カウンタのカウントアップ周期を補正する周期補正部を更に含む請求項1又は2記載のレーザレーダ装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、ポリゴンミラーの回転に回転ムラがある場合には、原点信号からの時間だけでレーザ光の照射タイミングを決めると、照射方位がバラつき、特に遠方での横位置精度を悪化させる原因となる。
【0007】
本発明では、回転体の角度を精度よく検出することができる回転角度検出装置及びレーザレーダ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の回転角検出装置は、駆動部により回転駆動する回転体の原点から1回転にわたって回転角を示す値を保持するカウンタであって、一定周期毎にカウントアップするカウンタと、前記回転体の複数の指定角度の各々について、前記回転体が前記指定角度になったことを示す信号に基づいて、前記カウンタの値を、前記指定角度を示す値に補正する補正部と、を含んで構成されている。
【0009】
本発明によれば、回転体が、駆動部により回転駆動しているときに、カウンタは、一定周期毎にカウントアップして、回転体の原点から1回転にわたって回転角を示す値を保持する。そして、補正部が、前記回転体の複数の指定角度の各々について、前記回転体が前記指定角度になったことを示す信号に基づいて、前記カウンタの値を、前記指定角度を示す値に補正する。
【0010】
このように、回転体の複数の指定角度の各々について、回転体が指定角度になったことを示す信号に基づいて、カウンタの値を、指定角度を示す値に補正することにより、回転体の角度を精度よく検出することができる。
【0011】
また、本発明に係る回転体は複数のミラー面を有するポリゴンミラーであり、前記ミラー面毎に少なくとも1つの回転角を前記指定角度とすることができる。また、前記ミラー面毎に少なくとも2つの回転角を前記指定角度とすることができる。
【0012】
また、本発明に係る回転体を、回転軸に対する法線角度が異なる複数のミラー面を有するポリゴンミラーとすることができる。
【0013】
また、本発明に係る回転角検出装置は、前記回転体が前記指定角度になったときの前記カウンタの値と、前記指定角度を示す値との差分に基づいて、前記カウンタのカウントアップ周期を補正する周期補正部を更に含むようにすることができる。
【0014】
本発明のレーザレーダ装置は、上記の回転角検出装置と、レーザ光を発光するレーザダイオードと、前記レーザダイオードから発光されたレーザ光であって、前記回転体により走査され、かつ、対象物で反射されたレーザ光を受光し、前記レーザ光を含む光の受光に応じた信号を出力する受光部と、前記受光部から出力された信号に基づいて、前記対象物までのレーザ光の飛行時間を求める演算部と、を含んで構成されている。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明の回転角検出装置及びレーザレーダ装置によれば、回転体の複数の指定角度の各々について、回転体が指定角度になったことを示す信号に基づいて、カウンタの値を、指定角度を示す値に補正することにより、回転体の角度を精度よく検出することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。尚、各図面において、実質的に同一又は等価な構成要素又は部分には同一の参照符号を付している。
【0018】
<第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態に係るレーザレーダ装置について説明する。
図2に示すように、本発明の第1の実施の形態に係るレーザレーダ装置100は、受光素子10と、ポリゴンミラー12と、レーザ光を発光するレーザダイオード14と、穴あきミラー16とを備えている。なお、ポリゴンミラー12が、回転体の一例である。
【0019】
受光素子10は、レーザダイオード14により発光されたレーザ光であって、ポリゴンミラー12により走査され、かつ、物体に反射したレーザ光を受光する。受光素子10は光に反応して電気パルスを後述する制御装置22に出力する。
【0020】
ポリゴンミラー12は、レーザダイオード14により発光されたレーザ光を反射させて前方に照射すると共に、レーザ光を走査するための機構であり、各々法線俯角が異なる複数のミラー面を有している。
【0021】
穴あきミラー16は、対象物で反射して戻ってきたレーザ光であって、ポリゴンミラー12で反射した光を、受光素子10に集光する様に反射させて受光素子10に入射するための機構である。
【0022】
ここで、レーザレーダ装置100の動作原理について説明する。
【0023】
レーザレーダ装置100は、車両に搭載して、自車周辺の車両や歩行者などを検出するためのセンサである。レーザ光を照射して対象物で反射して戻ってくるまでの光の飛行時間を計測し、対象物までの距離に換算する。コリメートしたレーザ光を使用しているため、ポリゴンミラー12による走査機構を備えている。レーザダイオード14で発光したレーザ光は、一旦ポリゴンミラー12で反射させて前方に照射する。このとき、ポリゴンミラー12の回転角によってレーザ光の照射方位が決まる。対象物で反射して戻ってきたレーザ光は再度ポリゴンミラー12で反射し、受光素子10に集光する様に穴あきミラー16で反射させて受光素子10に入射する。受光素子10は縦方向に16画素に分割受光する。このため、1回のレーザ光の照射で、縦方向に16点の距離を同時に計測できる。ポリゴンミラー12の回転に合わせてレーザ光を照射することで、横方向の走査が可能となる。受光素子10による分割受光とポリゴンミラー12による横方向走査の組合せで16×320点の計測を実現している。さらに、5面のポリゴンミラー12を用いて、各ミラー面の法線俯角を変えておくことで縦方向の走査を実現し、ポリゴンミラー12が1回転する間に縦方向16点×5面=80点のデータを得る。したがって、縦横の組合せで80×320点の計測をポリゴンミラー12の1回転で実現している(
図3参照)。
【0024】
また、
図4に示すように、レーザレーダ装置100は、ポリゴンミラーモータ18と、位置検出センサ20と、制御装置22とを備えている。なお、ポリゴンミラーモータ18が、駆動部の一例である。
【0025】
ポリゴンミラーモータ18は、ポリゴンミラー12を一定速度で回転させるためのモータであり、例えば、DCブラシレスモータである。
【0026】
位置検出センサ20は、ミラーの回転が原点(0度の位置)にあるときにパルスを出力する原点信号と、36度毎にパルスを出力する位置信号とを制御装置22へ出力する。
【0027】
制御装置22は、ポリゴンミラーモータ18の駆動を制御すると共に、位置検出センサ20からの信号に基づいて、レーザダイオード14の発光タイミングを制御し、受光素子10からの受光信号に基づいて、物体までの距離を計測して、上位装置へ出力する。
【0028】
制御装置22は、タイミング制御回路30と、飛行時間測定回路32と、測定データ処理回路34と、上位インタフェース36とを備えている。なお、飛行時間測定回路32が、演算部の一例である。
【0029】
タイミング制御回路30は、ポリゴンミラーモータ18の駆動を制御するための制御信号を出力すると共に、位置検出センサ20からの原点信号及び位置信号に基づいて、レーザダイオード14の発光タイミングを制御するための発光信号をレーザダイオード14及び飛行時間測定回路32へ出力する。また、タイミング制御回路30は、位置検出センサ20からの原点信号及び位置信号に基づいて、ポリゴンミラー12によるレーザ光の照射方位を表す座標データを生成して、測定データ処理回路34へ出力する。
【0030】
飛行時間測定回路32は、発光信号と受光素子10からの受光信号とに基づいて、対象物までのレーザ光の飛行時間を測定する。
【0031】
測定データ処理回路34は、飛行時間測定回路32から得られたレーザ光の飛行時間と、タイミング制御回路30から得られた座標データとに基づいて、ポリゴンミラー1回転で得られた80×320点の計測結果を表す測定データを生成し、上位インタフェース36を介して、上位装置へ出力する。
【0032】
次に、制御装置22の動作原理について説明する。ポリゴンミラー12はポリゴンミラーモータ18により一定速度で回転している。タイミング制御回路30から出力されるポリゴンミラーモータ18に対する制御信号は、スタート/ストップの指示のみである。ポリゴンミラー12には、位置検出センサ20が付加されており、位置検出センサ20は、ポリゴンミラー12の回転が原点(0度の位置)にあるときにパルスを出力する原点信号と、36度毎にパルスを出力する位置信号とを出力する。例えば、位置信号は0度、36度、72度、108度、144度、180度、216度、252度、288度、324度の10か所でパルスを出力する。なお、0度、72度、144度、216度、288度が、ミラー面の端点に対応する回転角であり、36度、108度、180度、252度、324度が、ミラー面の端点以外に対応する回転角である。
【0033】
タイミング制御回路30は、位置検出センサ20からの原点信号及び位置信号に基づいて、ポリゴンミラー12の回転角を判断し、その回転角が予め決められた回転角にあるときに、レーザダイオード14に対して発光信号を送って発光を指示する。レーザダイオード14が発光して照射されたレーザ光は、その一部が対象物で反射し最終的に受光素子10で受光される。タイミング制御回路30が出力する発光信号から、受光素子10が出力する受光信号までの時間を飛行時間測定回路32で計測し、飛行時間データとする。測定データ処理回路34では、飛行時間データを距離データに換算するとともに、タイミング制御回路30からの座標データと組合せて上位インタフェース36に送る。上位インタフェース36はレーザレーダ装置100の出力を利用する上位装置に向けて計測結果を送出する。
【0034】
タイミング制御回路30が出力する座標データは、レーザ光照射時のポリゴンミラー12の回転角を高精度に反映した座標データでなければならない。しかしながら、レーザ光照射のタイミングでポリゴンミラー12の回転角を高精度に測定することはできないので、1回転10か所で出力される位置信号をもとに、位置信号と位置信号の間を補間して、レーザ光照射のタイミングでのポリゴンミラー12の回転角を求める。その様子を、
図5を参照しながら説明する。本実施の形態では、タイミング制御回路30は、後述するように、ポリゴンミラー12の回転角に対応した値を保持する回転角カウンタ54を設ける。回転角カウンタ54は、原点信号でリセットされ、次の原点信号までの1回転を一定周期でカウントアップする。ポリゴンミラー12は1秒に10回転するため、277.8マイクロ秒ごとにカウントアップ(+1)すれば、100ミリ秒で360カウントとなり、1カウントが1度に対応する。36度の位置信号が出力された時点で回転角カウンタ54が保持する値を36に補正するが、回転ムラがない理想状態では、カウントアップしてきた値もその時点で36になっている。
【0035】
それ以降においても、位置信号が出力されるたびに回転角カウンタ54が保持する値を対応する回転角に更新する。
【0036】
図6に回転ムラがある場合の様子を示す。ポリゴンミラー12の回転が遅くなると、36度の位置信号が出力された時点で回転角カウンタ54が保持する値はすでに36を過ぎて、補正がなければ39になるところである。位置信号により回転角カウンタ54が保持する値を36に補正し、次の72度の位置信号が出力されるまでは277.8マイクロ秒ごとにカウントアップを続ける。108度付近ではポリゴンミラー12の回転が進んでいる場合の例を示しており、位置信号が出力される直前に回転角カウンタ54が保持する値は106を示している。そこへ位置信号が出力されるため回転角カウンタ54が保持する値は107を飛ばして108に補正される。回転角カウンタ54は、次の144度の位置信号が出力されるまでは277.8マイクロ秒ごとにカウントアップを続ける。以下同様に、回転角カウンタ54が保持する値は、位置信号が出力されるたびに、その回転角に対応する値に書き換えられるが、それ以外では一定周期ごとにカウントアップする。
【0037】
上記の動作原理を実現するために、タイミング制御回路30は、
図7に示すように、ポリゴンミラーモータ18へ制御信号を出力するミラー制御回路42と、原点信号に基づいて、ポリゴンミラー12の回転角を検出し、位置信号に基づいて、ポリゴンミラー12の回転角を補正する回転角補正回路44と、回転角補正回路44によって検出されたポリゴンミラー12の回転角に基づいて、測距を行う範囲を表す走査範囲信号を生成する走査範囲信号生成回路46と、回転角補正回路44によって検出されたポリゴンミラー12の回転角に基づいて発光信号を出力し、かつ、回転角補正回路44によって検出されたポリゴンミラー12の回転角及び走査範囲信号に基づいて、ポリゴンミラー12の回転角を表す座標データを出力する発光制御回路48と、を備えている。なお、回転角補正回路44が、回転角検出装置の一例である。
【0038】
また、
図8に、回転角補正回路44のブロック図を示す。回転角補正回路44は、位置信号カウンタ50、補正値レジスタ#1〜#9、及び回転角カウンタ54を備えている。
【0039】
回転角カウンタ54はポリゴンミラー12の回転角を表わすカウンタで、0度から360度までを表現する。1カウントを回転角1度とし、カウンタ全体は9ビット(0〜511)である。常時は277.8マイクロ秒ごとにカウントアップ(+1)動作を繰り返している。原点信号’1’で回転角カウンタ54が保持する値はリセット(カウント値に0をロード)され、位置信号’1’で補正値を回転角カウンタ54にロードする。位置信号’0’のときは277.8マイクロ秒ごとにカウントアップ動作を繰り返している。回転角カウンタ54にロードする補正値は、補正値レジスタ#1〜#9のうちの1個から提供される。36度位置の位置信号のときには補正値36を提供し、それぞれの位置信号に対応した補正値を提供できるよう、位置信号カウンタ50で補正値レジスタ#1〜#9のうちの1個を選択するように構成している。位置信号カウンタ50は原点信号でリセットされ、位置信号のたびにカウントアップ(+1)するカウンタであり、0〜9の値を保持する4ビットのカウンタである。位置信号カウンタ50が保持する値が0の状態で位置信号が’1’になった場合は、補正値レジスタ#1を選択し、位置信号カウンタ50が保持する値が1の状態のときは補正値レジスタ#2を選択し、以下同様に位置信号カウンタ50が保持する値が8の状態のときは補正値レジスタ#9を選択する。補正値レジスタ#1〜#9には、適切な値をあらかじめ書込んでおけばよい。
【0040】
図9に走査範囲信号生成回路46のブロック図を示す。回転角補正回路44は、走査開始点レジスタ#1〜#5、走査終了点レジスタ#1〜#5、比較部60、62、及び信号生成回路64を備えている。
【0041】
ここでは、レーザ光を照射して距離の計測を実施する範囲のことを走査範囲としている。ミラー面は72度回転するが、計測を実施するのは40度の範囲である。ミラー面<1>の角度範囲であれば16度〜56度、ミラー面<2>であれば88度〜128度となる。そこで、比較部60が、回転角補正回路44で得られた補正済み回転角がミラー面<1>の走査開始点16度に一致したことを検出して、信号生成回路64が、比較部60による検出結果に基づいて、走査範囲信号をオンにする。また、比較部62が、補正済み回転角がミラー面<1>の走査終了点56度に一致したことを検出して、信号生成回路64が、比較部62による検出結果に基づいて、走査範囲信号をオフにする。走査開始点、走査終了点はミラー面ごとに値が異なるため、走査開始点レジスタ、走査終了点レジスタをそれぞれ5組用いて適宜切り替えて使用している。
【0042】
さらにレーザ光の発光タイミング等、各部で必要となるタイミング信号を生成する必要があるが、走査範囲信号と同様に、補正済み回転角を基準に生成しても良いし、走査範囲信号を基準にして生成してもよい。
【0043】
<レーザレーダ装置100の動作>
次に、レーザレーダ装置100の動作について説明する。
【0044】
まず、タイミング制御回路30からの制御信号に基づいて、ポリゴンミラーモータ18が駆動して、ポリゴンミラー12が一定速度で回転する。位置検出センサ20がポリゴンミラー12の回転角度に応じて、原点信号及び位置信号を出力する。
【0045】
タイミング制御回路30では、原点信号が入力されると、回転角カウンタ54が保持する値をリセットし、位置信号が入力されると、位置信号カウンタ50及び補正値レジスタ#1〜#9により、回転角カウンタ54が保持する値を、位置信号に応じた値に補正する。
【0046】
また、タイミング制御回路30は、ポリゴンミラー12の回転角が予め決められた回転角にあるときに、レーザダイオード14に対して発光信号を送って発光を指示する。そして、レーザダイオード14が発光して照射されたレーザ光が、対象物で反射し最終的に受光素子10で受光されると、飛行時間測定回路32は、タイミング制御回路30が出力する発光信号から、受光素子10が出力する受光信号までの時間を計測し、飛行時間データとする。測定データ処理回路34では、飛行時間データを距離データに換算するとともに、タイミング制御回路30からの座標データと組合せて上位インタフェース36に送る。上位インタフェース36はレーザレーダ装置100の出力を利用する上位装置に向けて計測結果を送出する。
【0047】
以上、説明したように、第1の実施の形態に係るレーザレーダ装置によれば、ポリゴンミラーの各ミラー面の端点及び端点以外の指定角度の各々について、ポリゴンミラーが指定角度になったことを示す位置信号に基づいて、カウンタの値を、指定角度を示す値に補正することにより、ポリゴンミラーの回転に回転ムラがある場合であっても、ポリゴンミラーの角度を精度よく検出することができる。特に、ポリゴンミラーの各ミラー面の法線俯角が異なっており、回転ムラがある場合であっても、ポリゴンミラーの角度を精度よく検出することができる。
【0048】
また、ポリゴンミラーに付加される、回転角を検出する位置検出センサからの位置信号に基づいて、タイミング制御回路が管理している回転角カウンタの値を補正する。その際、ミラー面の端点以外の回転角においても回転角カウンタを補正することで、ポリゴンミラーの回転ムラに対してより高精度に追従する回転角カウンタを実現できる。
【0049】
また、レーザレーダの走査機構としてポリゴンミラーを用いる場合に、ポリゴンミラーの回転にムラがあると、レーザ照射方位の精度が低下し、その結果、対象物の方位精度が低下する。ポリゴンミラーの回転にムラがあっても回転角を補正できるため、方位精度の低下を回避できる。
【0050】
なお、上記の実施の形態では、説明の分かり易さを優先して、回転角カウンタのカウント1を回転角1度に対応させて説明したが、必要な精度を満たすようにカウントアップの周期を決定することができる。例えば、1マイクロ秒ごとのカウントアップであっても容易に実現できる。また、位置信号は360度を10分割して36度ごとに‘1’を出力するものとして説明したが、分割数はこれに限定するものではなく、分割方法も等分割でなくてもよい。
【0051】
さらに、補正値レジスタや走査開始点レジスタ/走査終了点レジスタは、例示した個数を並べる方法でなくても、そのつど演算により生成する等、種々の変形が考えられる。
【0052】
<第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同様の構成となる部分については、同一符号を付して説明を省略する。
【0053】
上記の第1の実施の形態では、回転角カウンタを277.8マイクロ秒ごとにカウントアップし、位置信号が’1’のタイミングでカウント値を補正する場合を説明したが、本実施の形態では、回転角とともに回転速度を補正する点が、第1の実施の形態と異なっている。
【0054】
本発明の第2の実施の形態に係るレーザレーダ装置について説明する。
図10に示すように、本発明の第2の実施の形態に係るレーザレーダ装置の回転角補正回路44は、位置信号カウンタ50、補正値レジスタ#1〜#9、回転角カウンタ54、分周回路256、及び分周比算出回路258を備えている。なお、分周比算出回路258が、周期補正部の一例である。
【0055】
ポリゴンミラー12の回転に遅れ(進み)が検出された場合、回転角カウンタ54のカウントアップ周期を長く(短く)すれば良い。そこで、回転角カウンタ54のカウントアップ周期277.8マイクロ秒を調整できるように、クロックを100倍高速の2.778マイクロ秒とし、そのクロックを分周回路256で100分周して277.8マイクロ秒を作成する。分周比算出回路258は、この分周比を制御することでカウントアップ周期を調整する。分周比を101分周にすればカウントアップ周期は280.6マイクロ秒となり、分周比を99分周にすれば275.0マイクロ秒となり、1%精度での速度調整が可能となる。分周比算出回路258は、位置信号が‘1’の時に補正を行う際、補正前後の回転角カウンタ54の差分を補正差分として算出し、その補正差分と現在の分周比から新しい分周比を算出し、次の位置信号が‘1’になる補正タイミングまではその値を保持する。例えば、補正前の回転角カウンタ54の値が、補正後の回転角カウンタ54の値より大きい場合、ポリゴンミラー12の回転に遅れが検出されるため、分周比算出回路258は、現在の分周比を1だけ長くする。また、補正前の回転角カウンタ54の値が、補正後の回転角カウンタ54の値より小さい場合、ポリゴンミラー12の回転に進みが検出されるため、分周比算出回路258は、現在の分周比を1だけ短くする。
【0056】
なお、回転速度調整はモータの特性などにより必要となる調整精度が異なるため、より細かい調整が必要な場合は、分周比を高く設定すればよい。
【0057】
また、第2の実施の形態に係るレーザレーダ装置の他の構成及び作用については、第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【0058】
以上、説明したように、第2の実施の形態に係るレーザレーダ装置によれば、補正前後の回転角カウンタ54の差分を補正差分として算出し、その補正差分と現在の分周比から新しい分周比を算出して、回転角カウンタのカウントアップ周期を補正することにより、ポリゴンミラーの回転に回転ムラがある場合であっても、ポリゴンミラーの角度を精度よく検出することができる。
【0059】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
【0060】
例えば、上記の実施の形態においては、本発明の回転体の回転角を補正する方法をレーザレーダ装置に用いる場合について説明したが、これに限定されるものではない。
【0061】
また、法線俯角が異なる複数のミラー面を有するポリゴンミラーの回転角を補正する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、法線俯角が同じ複数のミラー面を有するポリゴンミラーについて、ポリゴンミラーの回転角を検出し、回転角を補正してもよい。また、ポリゴンミラー以外の回転体について、回転体の回転角を検出し、回転角を補正してもよい。