(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載のリニアソレノイドバルブのように、プランジャ側コアとシャフト側コアとが一体的に形成されたコア部材の外周側にコイルを配置する場合、一般的に、樹脂成型等によってコイル及びボビンが一体的に形成された部材を、コア部材に嵌め込むことで組み付ける。この場合、コア部材及びボビンの公差を考慮して、組付け性を確保するためにコア部材の外径をボビンの内径に比して小さく設定する必要があった。そして、ボビンとコア部材との間に生じる間隙の分、コイルとコア部材とが離間して磁力が弱まるので、プランジャの推力を確保するためにコイルを大型化する必要があり、リニアソレノイドバルブ全体としてコンパクト化の妨げとなっていた。
【0005】
そこで、コア部材に嵌め込まれたコイルの外周側に樹脂材料を充填することで、コア部材とコイルとを一体成形することが考えられる。これにより、コイルとコア部材との間隔を狭めて磁力を強めることができるため、リニアソレノイドバルブのコンパクト化が期待できる。
【0006】
しかしながら、薄肉部の周辺に厚肉部が形成され、薄肉部の外周面にコイルが巻き回されたボビンを用いる場合、薄肉部の剛性が厚肉部に比して小さくなる。このため、コイルの外周側に樹脂層を形成させる際に、樹脂材料の充填圧又は充填された樹脂材料の収縮により、コイル及びボビンの薄肉部を介して、プランジャ側コアが径方向内向きへ押圧されてしまう場合があった。そして、このような事情により、プランジャ側コアに対して径方向内向きの大きな力が作用した場合、プランジャの摺動性を悪化させてしまう虞があった。
【0007】
そこで、本発明は、樹脂層の形成に伴う影響を低減することが可能なリニアソレノイドバルブを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るリニアソレノイドバルブは、
中空円筒状のスリーブ内を軸方向に摺動して開弁と閉弁とを行うスプールと、
コイルと、
外周面に前記コイルを巻き回された薄肉部と、前記薄肉部に比して厚さが大きい
第1厚肉部と
、前記軸方向において前記薄肉部を挟んで前記第1厚肉部とは反対側に配置され、前記薄肉部に比して厚さが大きい第2厚肉部と、を有し、前記薄肉部
、前記
第1厚肉部
及び前記第2厚肉部の内周に形成された開口部を前記軸方向に向けて配置される筒状のボビンと、
前記コイルへの通電に伴って前記軸方向に駆動されて前記スプールを移動させる磁性部材である可動子と、
前記コイルの内周側に配置され、前記可動子を前記軸方向に摺動自在に支持する磁性部材である第1固定子と、
前記コイルの内周側において前記第1固定子と前記軸方向に並んで配置された第2固定子と、
前記コイルの外周側に形成された樹脂層と、を備え、
前記第2固定子は、外周面において前記ボビンの内周面を支持する支持
部を有し、
前記第1固定子は、外周面において前記ボビンの前記
第1厚肉部の内周面を支持する大径部と、前記軸方向において前記支持部と前記大径部との間に位置し、周方向における少なくとも一部が前記大径部及び前記支持部に比して小さな外径に設定された小径部と、を有し、
前記小径部は、
前記第1厚肉部の前記軸方向における前記第2固定子側の端部位置から、前記軸方向における前記第2固定子側へ向かって形成され、かつ、径方向から視て、前記軸方向における少なくとも一部が前記ボビンの前記薄肉部に重なり、前記小径部の外周面と前記薄肉部の内周面との間に隙間が形成されるように配置され
ている。
【0009】
また、本発明に係るリニアソレノイドバルブの製造方法は、
中空円筒状のスリーブ内を軸方向に摺動して開弁と閉弁とを行うスプールと、
コイルと、
外周面に前記コイルを巻き回された薄肉部と、前記薄肉部に比して厚さが大きい
第1厚肉部と
、前記軸方向において前記薄肉部を挟んで前記第1厚肉部とは反対側に配置され、前記薄肉部に比して厚さが大きい第2厚肉部と、を有する筒状のボビンと、
前記コイルへの通電に伴って前記軸方向に駆動されて前記スプールを移動させる磁性部材である可動子と、
前記可動子を前記軸方向に摺動自在に支持する磁性部材である第1固定子と、
非磁性である非磁性部と、
前記第1固定子と前記軸方向に並んで配置される第2固定子と、を備えるリニアソレノイドバルブの製造方法であって、
前記軸方向における前記第1固定子の一部を大径部とし、前記軸方向において前記大径部より前記第2固定子に近い前記第1固定子の他の一部を小径部とし、前記第2固定子の一部を支持部として、前記小径部の周方向における少なくとも一部の外径が、前記大径部の外径及び前記支持部の外径より小さくなるように、前記第1固定子と前記第2固定子とを前記軸方向において前記非磁性部を間に挟んで一体的に形成するコア形成工程と、
前記第1固定子及び前記第2固定子の外周側に、前記ボビンの内周面が前記支持部の外周面に支持され、前記ボビンの前記
第1厚肉部の内周面が前記大径部の外周面に支持され、
前記小径部が、前記第1厚肉部の前記軸方向における前記第2固定子側の端部位置から前記軸方向における前記第2固定子側へ向かって延びる位置関係となり、かつ前記軸方向における前記コイルの少なくとも一部が前記小径部と重なり、前記小径部の外周面と前記ボビンの前記薄肉部の内周面との間に隙間が形成されるように、前記コイルを配置するコイル配置工程と、
前記コイルの外周側に非磁性の樹脂材料を充填して樹脂層を形成させる樹脂層形成工程と、を含む。
【0010】
本リニアソレノイドバルブによれば、コイルの外周側に樹脂層を形成させることでコイルと第1固定子及び第2固定子を一体的に形成するため、例えば樹脂部材と一体のコイルを第1固定子及び第2固定子に嵌め込むことで組み付けるものに比して、コイルと第1固定子及び第2固定子との間隔を小さくすることができる。そして、第1固定子の大径部と第2固定子の支持部とにボビンの内周面を支持させると共に、大径部及び支持部よりも小さな外径を有する小径部をコイルに対向する位置に設けている。このため、樹脂層を形成する際にコイルに作用する縮径方向の力を、ボビンと小径部との間の空間を利用して緩和することができ、樹脂層の形成に伴う影響を低減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本実施形態に係るリニアソレノイドバルブ1について説明する。このリニアソレノイドバルブ1は、不図示のバルブボディに装着されることで自動変速機の油圧回路の一部を構成可能であり、例えばレギュレータバルブによってスロットル開度に応じて調圧されたライン圧を入力として、自動変速機内部の油圧サーボに出力圧を直接的に供給するダイレクトリニアソレノイドバルブとして用いることができる。
【0013】
[バルブ部]
リニアソレノイドバルブ1は、
図1に示すように、大まかにソレノイド部10とバルブ部20とによって構成されている。バルブ部20は、バルブボディの油路に連通可能な複数のポートを設けられた中空円筒状のスリーブ21と、スリーブ21の内部を軸方向に摺動して開弁と閉弁とを行うスプール22と、スリーブ21とスプール22との間に設けられるスプリング23と、を有している。
【0014】
スリーブ21には、バルブ部20に近い側から順に、ドレーンポートP1、出力ポートP2、入力ポートP3、フィードバックポートP4、及び排出口51が形成されている。これらのうち、入力ポートP3にはライン圧等の入力圧が供給され、出力ポートP2からはバルブ部20の内部で調圧された出力圧が出力される。また、出力ポートP2とフィードバックポートP4とは、バルブボディ内部の油路を介して連通される。
【0015】
スリーブ21に摺動自在に支持されるスプール22は、スリーブ21に摺接するランド部として、ソレノイド部10に近い側から順に第1ランドL1、第2ランドL2、及び第3ランドL3を有し、これらが小径部42,44によって接続された略円柱形状の一体部材として設けられている。このスプール22は、軸方向にソレノイド部10に近い側の端部である当接部41においてソレノイド部10のシャフト19に当接している。
【0016】
スプリング23は、スプール22の当接部41とは反対側の端部において凹形状に形成された凹部46と、スリーブ21の底部をなすエンドキャップ21bとの間に縮設され、スプール22を軸方向にソレノイド部10の側へ付勢している。リニアソレノイドバルブ1は、ソレノイド部10へ電力が供給されない非通電状態(
図1の状態)において、スプリング23の付勢力によってスプール22が入力ポートP3と出力ポートP2とを遮断する位置(閉弁位置)に保持される、所謂ノーマルクローズタイプの電磁弁である。
【0017】
第1ランドL1は、閉弁位置において出力ポートP2とドレーンポートP1とを連通すると共に、閉弁位置から軸方向にエンドキャップ21bの側へ移動することで、出力ポートP2とドレーンポートP1とを遮断し得るように構成されている。第2ランドL2は、閉弁位置において入力ポートP3と出力ポートP2とを遮断すると共に、閉弁位置から軸方向にエンドキャップ21bの側へ移動することで入力ポートP3と出力ポートP2とを連通(開弁)し、かつソレノイド部10への供給電力に対して出力ポートP2からの出力圧を比例的に増減し得るように、入力ポートP3と出力ポートP2との間の開口量を調節可能に構成されている。
【0018】
小径部44を間に挟んで軸方向に並ぶ第2ランドL2及び第3ランドL3は、スリーブ21の内周壁と共にフィードバック油室53を形成している。第3ランドL3は第2ランドL2に比して小径に設定されているため、フィードバック油室53にフィードバックポートP4を介して油圧が供給される場合、第2ランドL2及び第3ランドL3の受圧面積の差によって、スプール22を軸方向にソレノイド部10の側へ付勢する付勢力が発生する。
【0019】
なお、フィードバック油室53から第3ランドL3とスリーブ21との間隙を通って漏れ出た油は、排出口51を介して排出される。また、第2ランドL2及び第3ランドL3には、周方向に亘って形成された環状の油溝43,45が形成されている。これらの油溝43,45は、例えば入力ポートP3又はフィードバックポートP4によって周方向に偏って入力された油圧を、スリーブ21と第2ランドL2又は第3ランドL3との間隙において周方向に均等に分布させることでスプール22の摺動性を向上し得るものである。
【0020】
[ソレノイド部]
ソレノイド部10は、
図1に示すように、コイル12、ボビン13a、カバー部13b、コア部17、及びターミナル部39を有するコイルアセンブリ14と、プランジャ18と、シャフト19と、ハウジング11と、を備えている。これらのうち、コア部17の第1コア15及び第2コア16、プランジャ18、並びにハウジング11は磁性部材であり、ボビン13a、カバー部13b、コア部17の非磁性部36、及びシャフト19は非磁性部材である。ケース部材であるハウジング11はコイルアセンブリ14の外側を覆ってソレノイド部10の外殻をなしており、プランジャ18及びシャフト19は、それぞれコイルアセンブリ14の内側に配置されて、スプール22と同一軸線上に配置されている。
【0021】
コイルアセンブリ14のコア部17は、第1コア15と第2コア16とが銅ロウ等の非磁性材料からなる非磁性部36を挟んで一体的に形成されて構成されている。コイル12の内周側に位置する第1固定子である第1コア15は、プランジャ18と同心状に配置された円筒形状の部材であり、内周面においてプランジャ18を軸方向に摺動自在に支持している。第2固定子である第2コア16は、シャフト19と同心状に配置された筒状の部材であり、第1コア15と軸方向に並んで配置されると共に、内周面においてシャフト19を軸方向に摺動自在に支持している。
【0022】
ボビン13aは、樹脂等の非磁性材料によって形成された略円筒状(筒状)の部材であり、開口方向における両側の端部は、中央の薄肉部132に比して厚さが大きい厚肉部131として形成されている。即ち、これら薄肉部132及び厚肉部131の内径が等しく設定される一方で、厚肉部131の外径は薄肉部132の外径より大きく設定されている。厚肉部131は、軸方向において、第2コア16に対して第1コア15と同じ側(図中右方)に配置された第1厚肉部131aと、薄肉部132を挟んで第1厚肉部131aとは反対側に配置された第2厚肉部131bとを含んでいる。薄肉部132の外周面には、巻線が巻き回されることでコイル12が形成されおり、ボビン13aはコイル12を支持した状態で、開口部130を軸方向に向けてコア部17の外周側に配置されている。カバー部13bは、樹脂材料をコイル12及びボビン13aの外周側に隙間なく充填することで形成された樹脂層である。コイルアセンブリ14は、コア部17の外周側に配置されたコイル12が、非磁性のボビン13a及びカバー部13bによって形成された樹脂部材に埋め込まれて、コア部17とコイル12とが一体的に形成されたものである。
【0023】
可動子であるプランジャ18は、コア部17とハウジング11の底部11bとによって形成された円柱状空間の内部に配置され、ハウジング11との間に第1油室o1を形成すると共に、第2コア15との間に第2油室o2を形成している。プランジャ18の内部には、第1油室o1と第2油室o2とを連通する油孔o3が形成されている。軸状部材であるシャフト19は、プランジャ18よりも小径の円柱形状に形成され、軸方向にスプール22とプランジャ18との間に配置されている。シャフト19は、スプリング23によって付勢されたスプール22によってプランジャ18の側へ押圧されており、軸方向の一端部においてプランジャ18に当接すると共に、軸方向の他端部においてスプール22の当接部41に当接している。
【0024】
第2コア16は、内周面においてシャフト19に摺接する円筒状の芯材31と、芯材31の外周側に配置されるフランジ状のフランジ部材32とで一体的に構成されている。フランジ部材32は、芯部である芯材31の外周面に沿って延びて軸方向の一端部において非磁性部36に接続される外筒部32bと、外筒部32bの軸方向の他端部から径方向に広がる縁部32aとを有している。なお、芯材31の外径はプランジャ18の外径と略等しく設定されており、芯材31の厚みはプランジャ18とシャフト19との外径の差に略等しい。
【0025】
ハウジング11は、軸方向の一方を塞がれた円筒状(カップ状)に形成されており、内側にコイルアセンブリ14を収容している。ハウジング11の開口側の端部11aは、フランジ部材32の縁部32aに突き当てられたスリーブ21の端部21aを覆うようにかしめられている。すなわち、スリーブ21がコイルアセンブリ14をハウジング11に押し付けた状態でハウジング11に固定されることで、コイルアセンブリ14がハウジング11に対して固定されると共に、ソレノイド部10とバルブ部20とが一体的に組付けられている。
【0026】
ターミナル部39は、周方向の一部を切欠かれたハウジング11から径方向外側に突出する位置に配置され、樹脂材料によってカバー部13bと一体成形されている。このターミナル部39は、コネクタ及び変圧部を介して電源に接続されることで、コイル12に電力を供給(給電)可能に構成されている。
【0027】
[コイルアセンブリの詳細構成]
次に、コイルアセンブリ14の詳細な構成について説明する。
図2の断面図に示すように、コイルアセンブリ14は、径方向の内側から順に、コア部17と、ボビン13aと、コイル12と、カバー部13bとが層状に重なるように構成されている。軸方向におけるコイル12の一方側には、ボビン13の第1厚肉部131aを挟んでハウジング11の一部(支持部11c)が位置し、コイル12の他方側にはボビン13の第2厚肉部131bを挟んでフランジ部材32の縁部32aが位置している。従って、コイル12の周囲を順に巡るように配置される第1コア15と、ハウジング11と、第2コア16と、プランジャ18とで、コイル12への通電に伴って電磁力を発生させる磁気回路が構成されている。
【0028】
コア部17の第1コア15及び第2コア16は、コイル12と軸方向に重なる位置において、第1コア15の端面15cと第2コア16の外筒部32bの端面(傾斜面32e)とが非磁性の金属材料(ロウ付け材)である非磁性部36によってロウ付けされることで接続されている。第1コア15の内周面15aと、第2コア16の外筒部32bの内周面32cとは、互いに等しい内径に設定されると共に、非磁性部36を介して平滑に接続されることで、プランジャ18に対する摺接面を構成している。
【0029】
第2コア16の外筒部32bのうち、非磁性部36に隣接する部分には、第1コア15の端面15cに近付くほど外径が小さくなるテーパ状に形成されたテーパ部32Tが設けられている。詳しく説明すると、テーパ部32Tの傾斜面32eは、外筒部32bの内周面32cと径が等しい内側端部T1と、外筒部32bの外周面32dと径(r1)が等しい外側端部T2とに亘って、コア部17の中心軸O1を中心線とする円錐状に広がっている。そして、テーパ部32Tは、
図2に示す断面において、外周面32dから径方向内側へ向けて傾斜する傾斜面32e(外周面)と、軸方向に延びる内周面32cとによって、エッジ状の内側端部T1を第1コア15の側へ向けた片刃状に形成されている。
【0030】
第1コア15は、外筒部32bの外径r1(最大外径)に比して小さな外径r2を有する小径部15Aと、小径部15Aよりも大きな外径r3を有する大径部15Bとが一体的に構成されており、小径部15Aの軸方向位置がコイル12に重なるように配置されている。言い換えると、第1コア15は、コイル12の径方向内側位置で外筒部32bの厚みh1よりも小さい厚みh2に設定された(h1>h2)小径部15Aと、小径部15Aよりも大きい厚みh3を有して(h2<h3)小径部15Aから軸方向に延設された大径部15Bとを有している。
【0031】
小径部15Aはボビン13aの薄肉部132を介してコイル12に対向しており、大径部15Bはボビン13aの第1厚肉部131aに対向している。ここで、ボビン13aの内周面は、第1厚肉部131a及び第2厚肉部131bと薄肉部132とに亘って同径に設定されており、第1コア15の大径部15Bの外径r3と、第2コア16の外筒部32bの外径r1とにそれぞれ略等しく設定されている。従って、ボビン13aの内周面は、支持部である外筒部32bの外周面と大径部15Bの外周面とに接触して支持されると共に、少なくともカバー部13bが充填(射出成形)される前の状態で、小径部15Aから離間している。
【0032】
大径部15Bは、軸方向にボビン13aよりも突出してハウジング11の底部11bに突き当てられると共に、底部11bから立上る環状の支持部11cに嵌め込まれている。すなわち、第1コア15の大径部15Bは、外周面15bにおいてボビン13a内周面と支持部11cとに接触しており、バルブボディ等に固定されるハウジング11と、ハウジング11に対して位置決めされた状態で固定されるボビン13aとによってそれぞれ支持されている。
【0033】
[リニアソレノイドバルブの製造工程]
上述したリニアソレノイドバルブ1は、次のような工程を含む製造工程を経て製造される。
【0034】
コア形成工程においては、第1コア15及び第2コア16を、非磁性部36を間に挟んでコア部17として一体的に形成すると共に、第2コア16の外筒部32bの外径r1に比して小さな外径r2を有する小径部15Aと、小径部15Aに比して大きな外径r3を有する大径部15Bとを第1コア15に形成する。コイル配置工程においては、コイル12を、コア部17の外周側に、ボビン13aの内周面が外筒部32b及び大径部15Bの外周面に接触し、かつ軸方向におけるコイルの少なくとも一部が小径部15Aと重なるように配置する。樹脂層形成工程においては、コイル配置工程によってコア部17に対して位置決めされたコイル12と金型との間に、非磁性の樹脂材料を充填(射出成形)して硬化させ、コイル12の外周側にカバー部13bを形成させる。
【0035】
これらコア形成工程、コイル配置工程、及び樹脂層形成工程を経て一体成形されたコイルアセンブリ14を、プランジャ18及びシャフト19と共にハウジング11の内側に組み付けることでソレノイド部10を形成し、さらにソレノイド部10とバルブ部20とを一体的に組み付けてリニアソレノイドバルブ1を形成する。
【0036】
上述した樹脂層形成工程において樹脂材料を充填する際には、コイル12及びボビン13aに対して径方向内側への成形圧(充填圧)がかかる。また、充填されたカバー部13bが冷却する際の収縮によって、コイル12及びボビン13aが径方向内側へと押圧される。従来、第1コア15は軸方向にボビン13aの薄肉部132と厚肉部131とに亘ってボビン13aの内周面に接触していたため、このような径方向内側(縮径方向)への力が作用する場合、第1コア15のうち厚肉部131に比して薄い薄肉部132に接触する部分に大きな縮径方向の力が作用することがあった。このため、第1コア15がボビン13aによって押圧されることを考慮して、プランジャ18の外径を第1コア15の内径に比して小さく設定して、プランジャ18と第1コア15との間隙を大きめに設定する必要があった。しかし、プランジャ18と第1コア15とが離間するほど、磁気回路の磁気効率が低下してプランジャ18に作用する磁力が弱まってしまうため、プランジャ18の推力を確保するために、例えばコイルを大型化するなどしてリニアソレノイドバルブのコンパクト化が妨げられていた。
【0037】
そこで、本実施形態に係る第1コア15のうちコイル12に対向する部分である小径部15Aは、第2コア16のうちコイル12に対向する部分である外筒部32bの外径r1よりも小さく、かつ大径部15Bの外径r3よりも小さな外径r2に設定されている。すなわち、少なくとも樹脂材料が充填される前の状態で、小径部15Aとボビン13aの内周面との間に隙間が形成されるように構成されている。
【0038】
このため、カバー部13bを成形する際にボビン13aの薄肉部132に縮径方向の力が作用し、薄肉部132が内径側に撓むように変形する場合であっても、小径部15Aの外周面と薄肉部132の内周面との間の隙間により薄肉部132の変形を吸収することができるので小径部15Aに縮径方向の大きな力が作用することを防ぐことができる。これにより、カバー部13bとなる樹脂材料を充填する際の成形圧や冷却時の収縮による影響を低減することができる。また、例えば第1コア15の外径が軸方向の全長に亘って外筒部32bの外径と等しく設定されたものに比して、成形圧による第1コア15への影響が低減されるため、プランジャ18の外径を第1コア15の内径に近付けることで、プランジャ18に作用する磁気を強めることができ、プランジャ18の推力を確保しつつリニアソレノイドバルブ全体をコンパクトに構成することができる。
【0039】
特に、
図2に示すように第2コア16の外筒部32bが内周側から芯材31によって支持される構成では、芯材31の軸方向における第1コア側(図中右側)の側面31aと外筒部32bの内周面32cとの接続位置X1(即ち、外筒部32bが芯材31に支持される領域の端部位置)と、第1コア15の大径部15Bによって支持され、薄肉部132に比して大きな剛性を有する第1厚肉部131aの第2コア側(図中左側)の端部位置X2との間で、カバー部13bに押圧された薄肉部132が撓むように変形すると考えられる。そこで、小径部15Aは、上記接続位置X1と第1厚肉部131aの端部位置X2との間の中央位置M(X1とX2の中点)を含む範囲に亘って形成することが好ましい。小径部15Aは、軸方向に関して端部位置X2から第2コア側へ向かって形成されると好適である。また、小径部15Aは、軸方向に関して第1コア15の第2コア側の端部位置から、第1厚肉部側(図中右側)へ向かって形成されるとより好適である。特に、第1コア15と第2コア16との間に非磁性部36が設けられる構成では、非磁性部36の外径を小径部15Aの外径r2と等しく設定することが好ましい。なお、シャフト19はプランジャ18よりも小径であるため、少なくとも外筒部32bが芯材31に支持される領域においては、第2コア16は第1コア15に比して大きな厚みを有しており、第1コア15に比して成形圧による影響を受けにくい。
【0040】
[通電制御による開弁及び閉弁]
次に、上述したように構成されるリニアソレノイドバルブ1の作用について説明する。コイル12が非通電状態にあるとき、上述した通りスプール22はスプリング23の付勢力によって閉弁位置に保たれている。そして、入力ポートP3と出力ポートP2とがスプール22の第2ランドL2によって遮断される一方で、出力ポートP2とドレーンポートP1とが連通しているため、出力ポートP2に接続された油路の油圧はドレーンポートP1を介して排出される。このとき、プランジャ18はシャフト19を介してスプール22に押圧されて、ハウジング11の底部11bに突き当てられた位置にある。
【0041】
コイル12に電力が供給されると、ソレノイド部10の磁気回路を通る磁束によって、プランジャ18が軸方向に第2コア16の側へ吸引される吸引力(推力)が発生する。この吸引力はコイル12を流れる電流の大きさに応じて変化するため、コイル12への供給電力が大きくなると、プランジャ18はスプール22からの付勢力に抗して軸方向にバルブ部20の側へ駆動される。すると、シャフト19を介してプランジャ18に押圧されたスプール22がスプリング23の付勢力(弾発力)に抗して閉弁位置から軸方向に摺動することで、出力ポートP2とドレーンポートP1とが遮断されると共に、入力ポートP3と出力ポートP2とがスリーブ21の内部で連通された状態(開弁状態)となる。
【0042】
バルブ部20が開弁状態にあるとき、出力ポートP2から出力された油圧は外部油路を介してフィードバックポートP4に供給されるため、フィードバック油室53においてスプール22をソレノイド部10の側へ付勢する付勢力が発生する。従って、スプール22は、ソレノイド部10への供給電力及び入力ポートP3への入力圧の変化に応じて、プランジャ18から受取る駆動力と、スプリング23の付勢力及びフィードバック油室53における付勢力との合計とが釣り合う位置へ向けて移動する。これにより、コイル12への供給電力の大きさに応じて、バルブ部20の開弁及び閉弁が制御されると共に、バルブ部20の内部における開口度が制御されることで、適宜調圧された出力圧が出力ポートP2から出力される。コイル12への電力供給が遮断された場合には、スプリング23の付勢力とフィードバック油室53における付勢力とによって、スプール22は速やかに閉弁位置へと復帰する。
【0043】
ここで、本実施形態に係るソレノイド部10のコイル12及びコア部17は、樹脂材料を充填して形成されるカバー部13bによって一体となったコイルアセンブリ14として形成されている。このため、例えばボビンにコイルを巻き回して一体的に形成された部材をコア部材の外周側に装着してソレノイド部を構成するものに比して、コア部17とコイル12との間隔を小さくして磁気回路の磁気効率を向上することができる。
【0044】
そして、上述した通り、第1コア15のうちコイル12に対向する部分である小径部15Aの外径r2を、大径部15Bの外径r3及び第2コア16のうちコイル12に対向する部分である外筒部32bの外径r1のそれぞれに比して小さく設定することで、コイルアセンブリ14を一体成形する際に第1コア15に縮径方向の大きな力が作用することを防いでいる。これにより、プランジャ18の外径を第1コア15の内径に近付けることで、プランジャ18に作用する磁気を強めることができ、プランジャ18の推力を確保しつつリニアソレノイドバルブ全体をコンパクトに構成することができる。
【0045】
また、ソレノイド部10の磁気回路の一部を構成する第2コア16は、非磁性部36に隣接する位置において、軸方向に第1コア15に近付くほど外径が小さくなるテーパ状に形成されたテーパ部32Tを有している。そして、テーパ部32Tの内周面32cは、
図2に示すように、プランジャ18が軸方向に関して第1コア15の側へ移動した状態(非通電時の位置へ移動した状態)において、径方向から視てプランジャ18の外周面と重なる位置まで延設されている。このため、コイル12に通電した際に、テーパ部によって集束させられた磁束がテーパ部32Tとプランジャ18との対向領域を通過するような磁力回路が形成される。これにより、プランジャ18に強い磁力を作用させて、ソレノイド部10の応答性を向上させることができる。また、プランジャ18の第2コア16に近い側の端部が、テーパ部32Tの内側端部T1を超えて移動することがないため、部材間の引っ掛かりを防いで、ソレノイド部10の動作の安定性を向上させることができる。
【0046】
また、このテーパ部32Tの傾斜面32e(外周面)の最大外径である外側端部T2の外径は、第1コア15の小径部15Aの外径r
2よりも大きく、かつ外筒部32bの外周面32dの最大外径(r1)と等しく設定されている。このため、第2コア16の外筒部32bの外周部を通過する磁束を、テーパ部32Tを介してプランジャ18へと集中させることができ、磁気効率を向上してより一層のコンパクト化に貢献することができる。
【0047】
また、非磁性部36は金属材料によって第1コア15の端面15cと第2コア16の端面である傾斜面32eとをロウ付けして形成されているため、上述したようにテーパ部32Tの傾斜面32eの最大外径が外周面32dの最大外径(r1)と等しくなるように形成して磁気効率を向上可能なコア部17を容易に構成することができる。
【0048】
[他の実施形態]
上述したリニアソレノイドバルブ1において、バルブ部20はノーマルクローズタイプのものに限らず、非通電状態において入力ポートと出力ポートとが連通するノーマルオープンタイプであってもよい。
【0049】
また、第1コア15及び第2コア16は、非磁性部36を間に挟んで一体的に形成されるものに限らず、例えば磁性材料のみによって形成された部材であってもよい。また、非磁性部36は、上述した構成に限らず、例えばステンレス等の非磁性材料によって構成した環状部材を、ロウ付け又は圧入等によって第1コア15及び第2コア16のそれぞれに接続してもよい。
【0050】
[本実施形態のまとめ]
本実施形態に係るリニアソレノイドバルブ(1)は、中空円筒状のスリーブ(21)内を軸方向に摺動して開弁と閉弁とを行うスプール(22)と、
コイル(12)と、
外周面に前記コイル(12)を巻き回された薄肉部(132)と、前記薄肉部(132)に比して厚さが大きい厚肉部(131)とを有し、前記薄肉部(132)及び前記厚肉部(131)の内周に形成された開口部(130)を前記軸方向に向けて配置される筒状のボビン(13a)と、
前記コイル(12)への通電に伴って前記軸方向に駆動されて前記スプールを移動させる磁性部材である可動子(18)と、
前記コイル(12)の内周側に配置され、前記可動子(18)を前記軸方向に摺動自在に支持する磁性部材である第1固定子(15)と、
前記コイル(12)の内周側において前記第1固定子(15)と前記軸方向に並んで配置された第2固定子(16)と、
前記コイル(12)の外周側に形成された樹脂層(13b)と、を備え、
前記第2固定子(16)は、外周面において前記ボビン(13a)の内周面を支持する支持部(32b)を有し、
前記第1固定子(15)は、外周面において前記ボビン(13a)の内周面を支持する大径部(15B)と、前記軸方向において前記支持部(32b)と前記大径部(15B)との間に位置し、周方向における少なくとも一部が前記大径部(15B)及び前記支持部(32b)に比して小さな外径に設定された小径部(15A)と、を有し、
前記小径部(15A)は、径方向から視て、前記軸方向における少なくとも一部が前記薄肉部(132)に重なり、前記小径部(15A)の外周面と前記薄肉部(132)の内周面との間に隙間が形成されるように配置される。
【0051】
本リニアソレノイドバルブによれば、コイルの外周側に樹脂層を形成させることでコイルと第1固定子及び第2固定子を一体的に形成するため、例えば樹脂部材と一体のコイルを第1固定子及び第2固定子に嵌め込むことで組み付けるものに比して、コイルと第1固定子及び第2固定子との間隔を小さくすることができる。そして、第1固定子の大径部と第2固定子の支持部とにボビンの内周面を支持させると共に、大径部及び支持部よりも小さな外径を有する小径部をボビンの薄肉部に対向する位置に設けている。このため、樹脂層を形成する際にコイルに作用する縮径方向の力を、ボビンと小径部との間の空間を利用して緩和して、樹脂層の形成に伴う影響を低減す
ることができる。
【0052】
また、本実施形態に係るリニアソレノイドバルブ(1)において、前記第2固定子(16)は、前記支持部(32b)の内周側に配置された芯部(31)を有し、
前記ボビン(13a)の前記厚肉部(131)は、前記大径部(15B)によって支持される第1厚肉部(131a)と、前記軸方向において前記薄肉部(132)を挟んで前記第1厚肉部(131a)とは反対側に配置され、前記支持部(32b)によって支持される第2厚肉部(131b)と、を含み、
前記軸方向において、前記小径部(15A)は、前記第1厚肉部(131a)の前記軸方向における前記第2固定子(16)側の端部位置(X2)から、前記第2固定子(16)側へ向かって形成されると好適である。
【0053】
この構成によれば、大径部によって支持される第1厚肉部と、支持部によって支持される第2厚肉部との間に位置し、これら厚肉部に比して剛性が小さい薄肉部のうち、少なくとも第1厚肉部の近傍位置に小径部が設けられる。このため、樹脂層を形成する際に、第1厚肉部の近傍で径方向内側に押圧された薄肉部が第1コアに影響を及ぼす可能性を低減することができる。
【0054】
また、本実施形態に係るリニアソレノイドバルブ(1)において、前記軸方向において、前記小径部(15A)は、前記第1固定子(15)の前記軸方向における前記第2固定子(16)側の端部位置から、前記第1厚肉部(131a)側へ向かって形成されると好適である。
【0055】
この構成によれば、第1固定子のうち、第2固定子側の端部位置から第1厚肉部側へ向かって小径部が設けられる。このため、樹脂層を形成する際に、第1固定子の上記端部位置の近傍で径方向内側に押圧された薄肉部が第1コアに影響を及ぼす可能性を低減することができる。
【0056】
また、本実施形態に係るリニアソレノイドバルブ(1)において、前記支持部(32b)は、前記軸方向において前記芯部(31)よりも前記第1固定子側へ延設され、
前記軸方向において、前記小径部(15A)は、前記芯部(31)の前記軸方向における前記第1固定子側の側面(31a)と前記支持部(32b)の内周面(32c)との接続位置(X1)から、前記第1厚肉部(131a)の前記軸方向における前記第2固定子(16)側の端部位置(X2)までの間の、中央位置(M)を含む範囲に亘って形成されると好適である。
【0057】
この構成によれば、第2固定子の支持部が芯部によって支持される位置から、第1固定子の大径部によって支持され、薄肉部に比して大きな剛性を有する第1厚肉部までの間の中央位置を含むように小径部が形成される。即ち、樹脂層を形成する際の薄肉部の変形量が大きくなりやすい位置に小径部が配置されるため、樹脂層を形成する際の影響を効果的に緩和することができる。
【0058】
また、本実施形態に係るリニアソレノイドバルブ(1)において、前記軸方向において前記第1固定子(15)と前記第2固定子(16)との間に設けられ、非磁性である非磁性部(36)を備え、
前記小径部(15A)は、周方向における全周に亘って形成され、
前記非磁性部(36)の外径は、前記小径部(15A)の外径(r2)と等しく設定され、
前記支持部(32b)には、前記可動子(18)の外周面に摺接し得る内周面(32c)と、前記軸方向において前記第1固定子(15)に近付くほど外径が小さくなるように傾斜した外周面(32e)とによって、テーパ状に形成されたテーパ部(32T)が設けられ、
前記テーパ部(32T)の内周面(32c)は、前記軸方向において、前記可動子(18)が前記軸方向に関して前記第1固定子(15)の側へと移動した状態で、径方向から視て前記可動子(18)の外周面と重なる位置まで延設されると好適である。
【0059】
この構成によれば、可動子が第1固定子の側へ移動した状態でコイルに通電された際に、テーパ部によって集束させられた磁束がテーパ部と可動子との対向領域を通過するような磁力回路が形成される。このため、可動子に強い磁力を作用させて、装置の応答性を向上させることができる。
【0060】
本実施形態に係るリニアソレノイドバルブの製造方法は、
中空円筒状のスリーブ(21)内を軸方向に摺動して開弁と閉弁とを行うスプール(22)と、
コイル(12)と、
外周面に前記コイル(12)を巻き回された薄肉部(132)と、前記薄肉部(132)に比して厚さが大きい厚肉部(131)とを有し、前記薄肉部(132)及び前記厚肉部(131)の内周に形成された開口部(130)を前記軸方向に向けて配置される筒状のボビン(13a)と、
前記コイル(12)への通電に伴って前記軸方向に駆動される磁性部材である可動子(18)と、
前記可動子(18)を前記軸方向に摺動自在に支持する磁性部材である第1固定子(15)と、
前記第1固定子(15)と前記軸方向に並んで配置された第2固定子(16)と、を備えるリニアソレノイドバルブの製造方法であって、
前記軸方向における前記第1固定子(15)の一部を大径部(15B)とし、前記軸方向において前記大径部(15B)より前記第2固定子(16)に近い前記第1固定子(15)の他の一部を小径部(15A)とし、前記第2固定子(16)の一部を支持部(32b)として、前記小径部(15A)の周方向における少なくとも一部の外径が、前記大径部(15B)の外径及び前記支持部(32b)の外径より小さくなるように、前記第1固定子(15)と前記第2固定子(16)とを一体的に形成するコア形成工程と、
前記第1固定子(15)及び前記第2固定子(16)の外周側に、前記ボビン(13a)の内周面が前記支持部(32b)の外周面に支持され、前記ボビン(13a)の前記厚肉部(131)の内周面が前記大径部(15B)の外周面に支持され、かつ前記軸方向における前記コイル(12)の少なくとも一部が前記小径部(15A)と重なり、前記小径部(15A)の外周面と前記ボビン(13a)の前記薄肉部(132)の内周面との間に隙間が形成されるように、前記コイル(12)を配置するコイル配置工程と、
前記コイル(12)の外周側に非磁性の樹脂材料を充填して樹脂層(13b)を形成させる樹脂層形成工程と、を含む。
【0061】
本製造方法によれば、コア形成工程と、コイル配置工程と、樹脂層形成工程とによって、コイルと第1固定子及び第2固定子とを一体的に形成してリニアソレノイドバルブの磁気効率を向上させると共に、第1固定子に設けた小径部とボビンの薄肉部との間に隙間が形成されるように配置することで、樹脂層を形成させる際に第1固定子に縮径方向の大きな力が作用することを防ぐことができる。