(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記プレイヤ管理部は、生体認証に成功した場合において、前記取得された生体情報が所定の登録条件を満たすときには、前記取得された生体情報を新たなマスタ情報として登録することを特徴とする請求項1または2に記載のゲームシステム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本実施形態のゲーム装置においては、プレイヤごとに「プレイヤデータ」を管理する。
プレイヤデータは、ゲームに関わる「ゲームデータ」とプレイヤの個人情報としての「属性情報」を含む。更に、ゲームデータは、ゲームの設定に関わる「設定情報」およびゲームの設定に直接的に関わるものではない「プレイ履歴」の双方を含む。
設定情報としてゲームの進捗状況を保存しておけば、次回のゲームは前回の続きから開始される。また、クレーンゲーム装置の場合には、プレイヤを特定し、そのプレイヤに対応づけられるプレイ履歴(例:プレイ回数や成功率など)をゲームがプレイされるごとに更新する。後者の場合には、プレイ履歴によってゲーム内容は変化しないが、個人のプレイ履歴(ゲームデータ)に基づいてゲームが管理されるといえる。
このように、本実施形態においては、プレイヤを特定し、特定したプレイヤのプレイヤデータ(保存されるべきデータ)を前提として、いいかえれば、プレイヤごとに保存されているデータに基づいて実行されるデータ保存型ゲームを想定して説明する。
以下においては、プレイヤデータのうち、ゲームデータの一種である設定情報を中心として説明する。
【0013】
図1は、ゲームシステム100の概要を説明するための模式図である。
ゲーム装置110aはゲームG1を実行する。ゲームG1はデータ保存型ゲームである。プレイヤは、ゲームG1のプレイ結果を「設定情報」として保存する。本実施形態における設定情報は、キャラクタの装備や種類、戦績、レベル、操作のためのキーコンフィグレーションなど、プレイヤごとに用意されるゲームの設定等を示すゲームデータ(セーブデータともいう)の一種であるとする。以下においては、ゲームデータの代表として、設定情報を対象として説明する。
【0014】
ゲーム装置110bはゲームG2を実行する。ゲームG2はゲームG1と同一であってもよいし、ゲームG1とは異なるデータ保存型ゲームであってもよい。ゲームG2についてもプレイヤごとに設定情報を管理する。
【0015】
本実施形態におけるゲームシステム100は、顔認証(生体認証)の機能を備える。ここで、あるプレイヤの顔画像は未登録であるとする。カメラ302はプレイヤの顔画像R1を取得し、ゲーム装置110aはゲーム支援装置102に顔画像R1を送信する。ゲーム支援装置102は、顔画像R1に対応するマスタ画像(後述)が存在しないとき、このプレイヤは未登録者である旨をゲーム装置110aに通知する。このとき、ゲーム装置110aはプレイヤ(未登録者)に対してゲームカード304をかざすように指示する。
【0016】
プレイヤ(未登録者)は、ゲーム装置110aでゲームG1をプレイしたとする。プレイヤ(未登録者)はゲームカード304をカードリーダ300にかざす(S1)。ゲーム装置110aはゲームカード304からプレイヤID(以下、「PID」とも表記する)を取得する。カメラ302はプレイヤPの顔画像R1(生体情報)を改めて取得する(S2)。ゲーム装置110aはプレイヤIDと顔画像R1のペアをゲーム支援装置102(サーバ)に送信する(S3)。
【0017】
ゲーム支援装置102は、プレイヤIDに対応づけられるゲームG1の設定情報H1をゲーム装置110aに送信する(S4)。ゲーム装置110aは、設定情報H1に基づいてゲームG1を実行する。その一方、ゲーム支援装置102は、S3において取得した顔画像R1をこのプレイヤのマスタ画像(マスタ情報)として登録しておく。このとき、プレイヤは未登録者から登録者になる。
【0018】
プレイヤ(登録者)はゲームG1のプレイ後、ゲーム装置110bにてゲームG2をプレイしたとする(S5)。ゲーム装置110bのカメラ302は、プレイヤの顔画像R2を取得する(S6)。ゲーム装置110bは顔画像R2をゲーム支援装置102に送信する(S7)。ゲーム支援装置102は、顔画像R2とマスタ画像(顔画像R1)を照合することにより、ゲームカード304の読み取りがなされていなくても、顔画像R2に対応するプレイヤを特定できる。ゲーム支援装置102は、プレイヤに対応するゲームG2の設定情報H2をゲーム装置110bに送信する(S8)。ゲーム装置110bは、設定情報H2に基づいてゲームG2を実行させる。
【0019】
以上の制御方法によれば、このプレイヤは、1台目のゲーム装置110aにおいては従来どおりゲームカード304を使用しているが、2台目以降においてはゲームカード304を使用しなくても適切な設定情報H2に基づいてゲームG2をプレイできる。
以下、ゲームシステム100の構成および制御の詳細について説明する。
【0020】
図2は、ゲームシステム100のハードウェア構成図である。
ゲームシステム100においては、ゲーム支援装置102(サーバ)に対して、複数の店舗108a、108b・・・108n(以下、まとめて言うときや特に区別しないときには「店舗108」と総称する)がインターネット106を介して接続される。
【0021】
店舗108は、遊園地やゲームセンターなどが想定される。店舗108においては、複数のゲーム装置110a〜110f(以下、まとめて言うときや特に区別しないときには「ゲーム装置110」と総称する)と中継装置112が専用回線により接続される。ゲーム装置110は「サテライト」とよばれる業務用ゲーム装置、いわゆる、アーケードゲーム機である。中継装置112は「ターミナル」とよばれ、1以上のゲーム装置110のゲームプレイの支援・補助を行うための装置である。中継装置112とインターネット106は有線接続されるが、無線接続されてもよい。
なお、中継装置112は、ルータ等を介して他の種類のゲーム装置と共通に用いられ、店舗外との通信を行う店舗サーバ装置として機能してもよい。
【0022】
中継装置112は、ゲーム装置110におけるゲームプレイ結果をリプレイ(動画再生)する、複数のゲームプレイの結果からランキングを作成する、ゲームにおいて使用可能なカード等のアイテムを提供する、プレイヤがキャラクタやデッキ等の設定を変更する、などの既知の支援機能を有する。一般的には、中継装置112は、ゲームの演出や分析などゲーム装置110におけるゲームプレイの興趣をいっそう高めるための処理として支援処理を実行する。
【0023】
プレイヤはゲームカード304を保有する。ゲームカード304にはプレイヤIDが記録される。なお、ゲームカード304にカードID(アクセスコード)を付与し、カードIDとプレイヤIDを対応づけてもよい。この場合には、カードIDが実質的にプレイヤIDとして機能する。
【0024】
ゲーム装置110はゲームカードからプレイヤIDを読み取る。ゲーム装置110は、中継装置112を介してゲーム支援装置102にゲームを識別するためのIDであるゲームID(以下、「GID」とも表記する)とともに、プレイヤIDを送信する。ゲーム装置110は、更に、プレイヤの顔画像を取得し、中継装置112を介してゲーム支援装置102に送信する。
【0025】
本実施形態おけるゲーム装置110は、現金またはプリペイドカード等により、ゲームをプレイする前にプレイ料金を前払いするものとして説明する。
【0026】
図3は、ゲーム装置110の機能ブロック図である。
ゲーム装置110の各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)および各種コプロセッサなどの演算器、メモリやストレージといった記憶装置、それらを連結する有線または無線の通信線を含むハードウェアと、記憶装置に格納され、演算器に処理命令を供給するソフトウェアによって実現される。コンピュータプログラムは、デバイスドライバ、オペレーティングシステム、それらの上位層に位置する各種アプリケーションプログラム、また、これらのプログラムに共通機能を提供するライブラリによって構成されてもよい。以下に説明する各ブロックは、ハードウェア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。
図4に示すゲーム支援装置102の機能ブロックについても同様である。
【0027】
ゲーム装置110は、ユーザインタフェース処理部120、データ処理部122、通信部124およびデータ格納部126を含む。
ユーザインタフェース処理部120は、ジョイスティック(操縦桿)およびボタンを介してプレイヤからの操作を受け付けるほか、画像表示や音声出力など、ユーザインタフェースに関する処理を担当する。通信部124は、インターネット106を介してゲーム支援装置102等との通信処理を担当する。データ格納部126は各種データを格納する。データ処理部122は、ユーザインタフェース処理部120や通信部124により取得されたデータ、データ格納部126に格納されているデータに基づいて各種処理を実行する。データ処理部122は、ユーザインタフェース処理部120、通信部124およびデータ格納部126のインタフェースとしても機能する。
【0028】
データ処理部122は、決済処理部138およびゲーム実行部140を含む。
決済処理部138は、プレイ料金の入金を確認する。ゲーム実行部140は、プレイ料金の入金を条件として、ゲームの実行を制御する。
【0029】
ユーザインタフェース処理部120は、プレイヤからの入力を受け付ける入力部128と、プレイヤに対して画像や音声等の各種情報を出力する出力部130を含む。
入力部128は、ID取得部152、入金検出部136、認証情報検出部132および撮像部134を含む。ID取得部152は、カードリーダ300によりゲームカード304からプレイヤIDを読み取る。ID取得部152は、手動入力によりプレイヤIDを受け付けてもよい。入金検出部136は、プリペイドカードまたは硬貨によるプレイ料金の入金を検出する。認証情報検出部132は、後述するパスコード(認証情報)の入力を検出する。撮像部134(生体情報取得部)は、カメラ302によりプレイヤの顔画像(生体情報)を取得する。
なお、ID取得部152によってプレイヤIDが特定できたことに連動して、入金検出部136があらかじめプレイヤIDに対応づけて記憶されているクレジットカード等のポストペイ型の決済を決済処理部138に行わせ、ゲーム実行部140がゲームを実行するとしてもよい。
【0030】
通信部124は、データを送信する送信部142とデータを受信する受信部144を含む。
【0031】
図4は、ゲーム支援装置102の機能ブロック図である。
ゲーム支援装置102は、通信部160、データ処理部162およびデータ格納部164を含む。
通信部160は、インターネット106または専用回線を介してゲーム装置110との通信処理を担当する。データ格納部164は各種データを格納する。データ処理部162は、通信部160により取得されたデータ、データ格納部164に格納されているデータに基づいて各種処理を実行する。データ処理部162は、通信部160およびデータ格納部164のインタフェースとしても機能する。
【0032】
データ処理部162は、ゲーム制御部192、顔認証部194およびプレイヤ管理部196を含む。
ゲーム制御部192は、設定情報の準備、複数のプレイヤのマッチング等、ゲーム装置110におけるゲームの進行を制御する。顔認証部194(生体認証部)は、顔認証を実行する。プレイヤ管理部196は、プレイヤ情報を管理する。プレイヤ情報は、プレイヤごとに設定情報等を管理するための情報である。プレイヤ情報は、第1プレイヤ情報150および第2プレイヤ情報170を含むが、詳細は
図5,6に関連して後述する。
【0033】
通信部160は、データを送信する送信部166と、データを受信する受信部168を含む。
【0034】
データ格納部164は、プレイヤ情報を格納するプレイヤ情報格納部146と、設定情報を格納する設定情報格納部148を含む。
【0035】
図5は、第1プレイヤ情報150のデータ構造図である。
第1プレイヤ情報150は、プレイヤ情報の一部としてプレイヤ情報格納部146に格納される。第1プレイヤ情報150は、プレイヤと設定情報を対応づける。
PID=P01のプレイヤ(以下、「プレイヤ(P01)」のように表記する)は、ゲーム(G01)、ゲーム(G02)等の複数のゲームをプレイした経験がある。設定情報は、設定ID(以下、「HID」とも表記する)により識別される。たとえば、プレイヤ(P01)とゲーム(G01)には設定情報(H01)が対応づけられている。設定情報(データ)そのものは、設定IDとともに設定情報格納部148に格納される。
【0036】
また、各プレイヤは、必須ではないが、パスコードを登録してもよい。パスコード(認証情報)の利用方法については後述する。
【0037】
図6は、第2プレイヤ情報170のデータ構造図である。
第2プレイヤ情報170も、プレイヤ情報の一部としてプレイヤ情報格納部146に格納される。第2プレイヤ情報170は、プレイヤ、マスタ画像(マスタ情報)および適合率を対応づける。マスタ画像は、顔認証時に照合されるべきプレイヤの顔画像である。ここでいうマスタ画像は、顔画像そのものであってもよいが、プレイヤの顔における各種特徴量を表すデータセットであってもよい。顔認証部194は、撮像部134が取得する顔画像(以下、「被認証画像」ともよぶ)とマスタ画像の類似度を計算することにより、プレイヤを顔認証する。
【0038】
プレイヤには複数のマスタ画像が対応づけられる。
図6の第2プレイヤ情報170においては、プレイヤ(P01)には5枚のマスタ画像(M01)〜マスタ画像(M05)が対応づけられている。本実施形態においては、顔認証部194は、あるプレイヤXの被認証画像が、マスタ画像(M01)〜マスタ画像(M05)のうちいずれかのマスタ画像に対して、類似度T1以上となるとき、プレイヤXが「プレイヤ(P01)」であると判定する。類似度は0〜100(%)の間で指標化される。被認証画像とマスタ画像の類似度計算は、既存の画像認識技術を応用すればよい。なお、本実施形態においては、類似度T1は95(%)であるとして説明する。また、複数のマスタ画像のうち2以上の所定枚数のマスタ画像に対して類似度T1以上となるときに、プレイヤを特定するとしてもよい。
【0039】
顔認証部194は、更に、マスタ画像ごとに適合率を計算する。マスタ画像の適合率は、そのマスタ画像が顔認証に際してプレイヤを識別するのに使用された回数に基づく。たとえば、プレイヤXの被認証画像とプレイヤ(P01)の5枚のマスタ画像を照合し、プレイヤXがプレイヤ(P01)であると判明したとする。このとき、被認証画像に対して類似度T1以上となったマスタ画像は「適合」とされ、類似度T1未満となったマスタ画像は「不適合」となる。たとえば、プレイヤ(P01)の顔認証を100回実行し、プレイヤ(P01)を100回特定したとする。100回の顔認証においてマスタ画像(M01)の適合回数が99回であるとき、マスタ画像(M01)の適合率は99(%)(=99/100)となる。
【0040】
図6に示す第2プレイヤ情報170によれば、プレイヤ(P01)の顔認証に際しては、マスタ画像(M01)は高い確率(適合率)にて被認証画像と適合している。したがって、マスタ画像(M01)は、プレイヤ(P01)を特定する上で有用なマスタ画像であると考えられる。
【0041】
一方、マスタ画像(M05)の適合率は37(%)しかない。マスタ画像(M05)は、プレイヤ(P01)の現在の顔画像と乖離している、あるいは、画像不鮮明といった理由により、有用なマスタ画像ではないことが推測される。
【0042】
図7は、ゲーム開始前にプレイヤを識別する処理過程を示すフローチャートである。
なお、このフローチャートは、ゲーム装置110とゲーム支援装置102の両方の処理、いいかえれば、ゲームシステム100としての処理を示す。
プレイヤがゲーム装置110の前に着席したとき、撮像部134は顔画像を取得する(S10)。撮像部134は、複数枚の顔画像を取得し、その中からもっとも写りのいい顔画像を被認証画像として選択する。たとえば、撮像部134は、顔の向きや大きさ、目の開度など任意の選択条件にしたがって被認証画像を選択してもよい。
【0043】
ゲーム装置110の送信部142は1枚の被認証画像をゲーム支援装置102に送信し、ゲーム支援装置102の顔認証部194は顔認証を実行する(S12)。顔認証の詳細は、次の
図8に関連して詳述する。
【0044】
顔認証に成功したとき(S14のY)、ゲーム支援装置102は、該当する設定情報(ゲームデータ(プレイヤデータ))をゲーム装置110に送信する。ゲーム装置110のゲーム実行部140は設定情報(ゲームデータ)に基づいてゲームの初期設定をする(S16)。次に、プレイヤは、プレイ料金を入金する(S18)。入金検出部136は入金を検出し、決済処理部138はプレイ料金分の支払いがなされたかを確認する。入金後、ゲーム実行部140はゲームを開始させる(S20)。
【0045】
一方、顔認証に失敗したとき(S14のN)、ゲーム支援装置102からゲーム装置110に対してプレイヤにゲームカード304をかざすよう指示を送信し、ゲーム装置110は、プレイヤがかざしたゲームカード304からプレイヤIDを読み取りゲーム支援装置102に送信する(S22)。顔認証に失敗するケースは、顔画像をマスタ画像として登録していない未登録プレイヤの場合と、マスタ画像を登録しているにも関わらず顔認証に失敗した登録プレイヤの場合が考えられる。
【0046】
プレイヤ管理部196は、第2プレイヤ情報170を参照し、入力されたプレイヤIDにマスタ画像が対応づけられているか否かを判定する(S24)。マスタ画像が対応づけられていれば、いいかえれば、登録プレイヤであるにも関わらず顔認証に失敗している場合には(S24のY)、顔認証部194は確認処理を実行する(S26)。確認処理とは、顔認証に失敗したプレイヤが他人のゲームカード304を使用してゲーム装置110にアクセスしようとしていないか、いいかえれば、ゲームカード304(PID)の真正性を判定するための処理である。確認処理の詳細は、
図9に関連して後述する。
【0047】
真正の登録プレイヤであれば(S28のY)、S22で入力されたプレイヤIDに対応する設定情報(ゲームデータ)に基づいてゲームが準備される(S16)。一方、真正のプレイヤでなければ(S28のN)、ゲーム装置110の出力部130はゲームに警告表示する(S30)。この場合、ゲームは開始されない。
【0048】
一方、入力されたプレイヤIDにマスタ画像が対応づけられていなければ、いいかえれば、未登録プレイヤの場合には(S24のN)、S10で得られた顔画像(被認証画像)をマスタ画像として、S22で得られたプレイヤIDに対応づけることによりプレイヤを新規登録する(S32)。新規登録後、処理はS18に移行する。
新規登録後、処理はS16に移行してもよい。この場合には、新規登録者のためのゲームデータが初期設定されるとしてもよい。
【0049】
なお、試遊など1回だけプレイしてみたいプレイヤ等の場合は、プレイヤIDを取得して新規登録することが煩わしい場合もあるため、S22のプレイヤIDの入力を省略するか、新規登録をせず入金処理(S18)をさせてゲームを開始するよう、登録処理のする/しないを選択的にしてもよい。
【0050】
プレイヤは、プレイ前の顔認証のために待たされたくないと考えられる。このため、顔画像取得(S10)および顔認証(S12)では、正確性よりも迅速性を重視する方が好ましいと考えられる。好適な顔画像が得られないなどの理由により顔認証に失敗したときには、プレイヤは従来手法と同様、ゲームカード304を使うことでプレイヤIDを入力する。プレイヤがゲーム装置110に近づいたときにさりげなく顔画像(被認証画像)を取得し、プレイヤが顔認証をしていることに気づかないうちに顔認証(S12)を実行することが望ましい。
【0051】
なお、S22において、プレイヤは、プレイヤIDをタッチパネル等(図示しない)から手動で入力してもよい。このとき、プレイヤはプレイヤIDに加えてパスコードも入力してもよい。ゲーム装置110の送信部142は、プレイヤIDとパスコードの組み合わせをゲーム支援装置102に送信する。プレイヤ管理部196は、第1プレイヤ情報150を参照し、プレイヤIDとパスコードの組み合わせが正しく登録されているときにプレイヤを認証する。このような制御方法によれば、ゲームカード304を持参していないプレイヤが顔認証に失敗したとしても、プレイヤIDとパスコードさえ覚えていれば適切にゲームをプレイできる。
なお、プレイヤ管理部196は、プレイヤIDとパスコードの組み合わせではなく、プレイヤIDとパスコードの何れか一方のみでプレイヤを認証してもよい。
【0052】
図8は、
図7のS12およびS14における顔認証の処理過程を示すフローチャートである。
顔認証部194は、S10において取得された顔画像(被認証画像)と登録プレイヤのマスタ画像を照合する。未チェックの登録プレイヤが存在するときには(S40のY)、登録プレイヤのデータを1つ選択する(S42)。顔認証部194は、選択した登録プレイヤの複数のマスタ画像と被認証画像を照合し、それぞれの類似度を計算する(S44)。類似度がT1以上となるマスタ画像がなければ(S46のN)、処理はS40に戻り、次の登録プレイヤを対象として同様に照合処理を行う。類似するマスタ画像があれば(S46のY)、プレイヤ管理部196は照合結果に基づいて適合率を更新する(S48)。このとき、顔認証部194は、顔認証に成功したと判定し、プレイヤIDを特定する(S50)。顔認証に成功しないまますべての登録プレイヤをチェックしたときには(S40のN)、顔認証部194は顔認証に失敗したと判定する(S52)。
【0053】
図9は、
図7のS26およびS28における確認処理のフローチャートである。
上述したように、確認処理は、登録プレイヤが顔認証に失敗したとき、ゲームカード304の真正性を判定するための処理である。ここでは、プレイヤXがPID=P01のゲームカード304を使用してプレイヤIDを入力したとする。ただし、プレイヤXは顔認証に失敗している。このため、プレイヤXは、ゲームカード304(P01)の正当な持ち主でない可能性がある。
【0054】
顔認証部194は、S22において入力されたPID=P01に対応するマスタ画像(M01)〜マスタ画像(M05)と、S10において取得されたプレイヤXの顔画像(被認証画像)を再照合する(S60)。S60においては類似度が閾値T2(<T1)以上であれば、適合と判定する。本実施形態における閾値T2は60(%)とする。5枚のマスタ画像のうち、3枚以上が不適合であるとき(S62のY)、顔認証部194は不正と判定する(S64)。プレイヤXの被認証画像とプレイヤ(P01)のマスタ画像の類似度が比較的緩やかな閾値T2(60(%))にすら満たない場合、プレイヤXとプレイヤ(P01)は別人の可能性が高いと考えられるためである。
一方、不適合なマスタ画像が3枚未満のときには(S62のN)、顔認証部194は真正と判定する(S66)。
【0055】
確認処理により、あるプレイヤが別のプレイヤのゲームカード304を使ってゲームをプレイするのを防止できる。
【0056】
図10は、マスタ画像の入換処理のフローチャートである。
撮像部134はゲームの開始前だけでなく、ゲーム中およびゲームの終了後にも顔画像を取得する。ゲーム開始前は、上述の理由により顔画像の取得に時間をかけたくないが、ゲーム開始後は比較的時間に余裕があるため多数の顔画像を取得しやすくなる。プレイヤ管理部196は、適宜取得される顔画像のうち好適なものをマスタ画像として登録することもできる。
【0057】
本実施形態においては、ゲームの開始前に3枚の顔画像を取得し、ゲーム中も定期的に顔画像を取得するものとする。新しい顔画像が取得されたとき、適宜、
図10に示す入換処理が実行される。入換処理はゲーム中にバックグラウンド処理として実行されてもよいし、ゲームの終了後にバッチ処理として実行されてもよい。
【0058】
まず、顔認証部194は、新たに取得された顔画像が登録条件を満たすか否かを判定する(S70)。登録条件は、顔の映りの良さを判定する条件として任意に定められればよい。たとえば、登録条件は、目の開度、顔の向き、大きさ、画像の鮮明度や明るさを判定する条件として定められてもよい。
【0059】
顔画像が登録条件を満たし(S70のY)、かつ、適合率が閾値V未満となるマスタ画像があるときには(S72のY)、プレイヤ管理部196は顔画像をそのマスタ画像と入れ換えて、新たなマスタ画像として登録する(S74)。
【0060】
たとえば、閾値V=50(%)とすると、プレイヤ(P01)のマスタ画像(M01)〜マスタ画像(M05)のうち、マスタ画像(M05)の適合率は閾値V未満となる(
図6参照)。プレイヤ(P01)について新たに得られた顔画像R3が登録条件を満たすときには、プレイヤ管理部196はマスタ画像(M05)の代わりに顔画像R3を新たなマスタ画像として登録する。
【0061】
顔画像が登録条件を満たさないとき(S70のN)、または、適合率が閾値V未満となるマスタ画像が存在しないときには(S72のN)、マスタ画像の入れ換えは実行されない。
【0062】
顔は年齢とともに変化する。したがって、過去に登録したマスタ画像の適合率は徐々に低下していくと考えられる。登録条件を満たす最新の顔画像と適合率の低い既存のマスタ画像を入れ換えることにより、マスタ画像の品質を維持しやすくなる。いいかえれば、より現状に合った、映りのよい顔画像をマスタ画像として登録することにより、顔認証の精度を維持している。これを、ゲームプレイ中などのゲーム装置110の前にプレイヤが位置しているときに撮影することで、プレイヤにストレスを感じさせることなく処理できる。
【0063】
図11は、1人のプレイヤが複数の設定情報を保有する状態を示す模式図である。
一般的には、1人のプレイヤが複数のゲームカード304を使い分けることもある。たとえば、プレイヤ(P01)はゲーム(G01)のアバター(キャラクタ)として「戦士」を使いたい場合もあれば、「魔導師」でプレイしたい場合もある。このとき、プレイヤ(P01)は、戦士でプレイするためのゲームカード304と魔導師でプレイするためのゲームカード304を保有することになる。
【0064】
本実施形態においても、このようなプレイスタイルを可能とするため、1つのプレイヤIDに対して複数のカードID(以下、「CID」とも表記する)を対応づけてもよい。
図11においては、プレイヤ(P01)はゲームカード304(C01)とゲームカード304(C02)を保有している。PID=P01に対して、CID=C01、C02が対応づけられる。
【0065】
ゲームカード304(C01)にはゲーム(G01)の設定情報(H01:戦士)が対応づけられる。ゲームカード304(C02)にはゲーム(G01)の設定情報(H14:魔導師)が対応づけられる。また、PID=P01に対してはプレイヤ(P01)の複数のマスタ画像が対応づけられる。PID、CID、HIDおよびマスタ画像は、プレイヤ情報格納部146において対応づけられる。
【0066】
プレイヤ(P01)は、顔画像によりPID=P01を特定され、PIDに対応づけられるCID=C01、C02を特定される。また、プレイヤ(P01)がゲームカード304(C01)をかざしたときには、プレイヤ管理部196は、CID=C01に対応づけられるPID=P01と、PID=P01に対応づけられるマスタ画像を特定する。このように、カードIDとプレイヤIDが同一でなくても、カードIDからプレイヤIDを特定できる。
【0067】
図12は、設定選択画面200の画面図である。
ゲームカード304(C01)とゲームカード304(C02)を有するプレイヤ(P01)がS12の顔認証に成功したとき、プレイヤ管理部196は、PID=P01とともに、PID=P01に対応づけられる設定情報(H01:戦士)と設定情報(H14:魔導師)を特定し、ゲーム装置110に設定選択画面200を表示させる。設定選択画面200は、それぞれの設定に対応する設定ボタン202を含む。
【0068】
プレイヤ(P01)は、使用したい設定情報(ゲームデータ)に対応する設定ボタン202を選択する。たとえば、プレイヤが設定ボタン202aを選択したときには、設定情報(H01:戦士)に基づいてゲームが開始される。プレイヤは、複数のゲームカード304を持参・選択しなくても、顔認証をするだけで、ゲーム(G01)に対応する複数の設定情報を簡単に選ぶことができる。
【0069】
以上、実施形態に基づいてゲームシステム100を説明した。
本実施形態によれば、プレイヤがゲームカード304を使用するとき、ゲームシステム100はプレイヤIDと顔画像をさりげなく対応づける。いったん対応づけができれば、以後、プレイヤはゲームカード304を使わなくても、顔認証によりプレイヤ識別がなされる。ゲームカード304の使用頻度が減るため、プレイヤの利便性が高まるだけでなく、ゲームカード304の紛失リスクを減らすことができる。データ保存型ゲームにおいてゲームカード304を使うことは常識化しているため、ゲームカード304を使わなくてもプレイヤ識別がなされたときにプレイヤに新鮮な驚きを与えることも期待される。
【0070】
プレイヤがカメラ302に正対しないために好適な顔画像(被認証画像)を得られず、本人であっても顔認証に失敗する可能性はゼロではない。その一方、プレイヤはゲーム装置110の前に座ったときにはすぐにゲームをプレイしたいと考えられるため、ゲーム開始前の顔認証に際してプレイヤに負担はかけたくない。たとえば、カメラ302に正対するようにプレイヤに指示するとすれば、プレイヤの利便性を損なう可能性がある。本実施形態においては、ゲーム開始前にさりげなくプレイヤの顔画像を取得し、顔認証に失敗したときは従来どおりゲームカード304の入力でプレイできるため、プレイヤに追加的な負担がほとんどかからない。ゲームシステム100は、顔認証とゲームカード304併用を想定しているが、顔認証技術の進展にともない、ゲームカード304の使用頻度は低下していくものと考えられる。
【0071】
ゲーム装置110は、ゲームの開始前だけでなく、ゲームの開始後も顔画像を取得する。登録条件を満たす好適な顔画像が得られたときには、これをマスタ画像として追加することにより、マスタ画像の品質を保つことができる。ゲーム開始前は顔画像を多数撮影するのが難しい場合でも、ゲーム開始後は比較的多くの撮影機会を確保できるため、ゲームのプレイを終了するまでにマスタ画像にふさわしい好適な顔画像を取得できる可能性を高めることができる。
【0072】
また、本実施形態のゲームシステム100においては、あるプレイヤが別のプレイヤのゲームカード304を手に入れてプレイしようとしても、確認処理によりゲームカード304の真正性を確認し、プレイを拒否できる。このため、ゲームカード304だけを使う従来型のシステムに比べてセキュリティを高めることができる。
【0073】
通常、1つのゲームカード304に対して1種類の設定情報が対応づけられる。プレイヤは複数種類の設定情報を使い分けるためには複数枚のゲームカード304を使い分ける必要がある。本実施形態によれば、顔認証に成功すれば、プレイヤに利用可能な設定情報を設定選択画面200において選択させることができる。多数のゲームカード304の選別作業をする機会が減少するため、あるいは、なくなるため、プレイヤは複数種類の設定情報を使いやすくなる。
【0074】
なお、本発明は上記実施形態や変形例に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。上記実施形態や変形例に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成してもよい。また、上記実施形態や変形例に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。
【0075】
アーケードゲーム装置110とゲーム支援装置102によりゲームシステム100が構成されるとして説明したが、アーケードゲーム装置110の機能の一部はゲーム支援装置102により実現されてもよいし、ゲーム支援装置102の機能の一部がゲーム装置110に割り当てられてもよい。また、ゲーム支援装置102やアーケードゲーム装置110以外の第3の装置が、これらの装置の機能の一部を担ってもよい。
【0076】
ゲーム支援装置102は複数の装置の集合体として形成されてもよい。1つまたは複数のハードウェアに対して、本発明を実現するために必要な複数の機能をどのように配分するかは、各ハードウェアの処理能力やゲームシステム100に求められる仕様等に鑑みて決定されればよい。
【0077】
[変形例]
本実施形態においては、顔画像(生体情報)に基づく顔認証(生体認証)を前提として説明した。変形例として、顔画像以外の生体情報により生体認証をしてもよい。生体情報は、具体的には、指紋、掌紋、静脈、虹彩、掌形、網膜、声紋など、身体的特徴を示す情報であればよい。また、生体情報の種類に合わせて任意に登録条件を定めればよい。たとえば、指紋認証を行う場合には、ゲーム装置110の操作桿等に指紋検出センサを設け、所定サイズ以上かつ高精度にて指紋画像を検出できたときに登録条件が成立するとしてもよい。いずれにしても登録条件は生体情報を好適に取得できたか否かを判定する条件として定義されればよい。
【0078】
本実施形態においては、顔認証はゲーム支援装置102で実行するとして説明したが、ゲーム装置110で顔認証を実行してもよい。この場合には、ゲーム支援装置102の顔認証部194は、ゲーム装置110の機能として実現されればよい。ゲーム装置110は、マスタ画像をデータ格納部126に保存しておいてもよいし、ゲーム支援装置102からマスタ画像をダウンロードしてもよい。
【0079】
本実施形態の設定情報は、ゲームのプレイ結果または進捗状況、設定を示すゲームデータであるとして説明した。上述したように、設定情報はゲームデータの一種であり、ゲームデータは設定情報のほかにプレイ履歴を含む。また、ゲームデータはプレイヤデータの一種であり、プレイヤデータはゲームデータと属性情報を含む。属性情報は、性別、年齢、ゲーム経験年数、ユーザの属性を示す情報であればよい。また、属性情報(プレイヤデータ)は、クレジットカード番号等の支払いに関わる情報であってもよい。プレイヤは、ゲームをプレイしたとき、プレイ料金をクレジットカードにより支払うことができてもよい。この場合、ゲーム支援装置102はポストペイのための決済処理部(図示せず)を備え、クレジットカード会社の決済装置(図示せず)と接続されてもよい。プレイヤIDとクレジットカード番号を対応づけておけば、ゲーム支援装置102の決済処理部は、プレイヤIDに対応づけられるクレジットカード番号からプレイ料金を引き落とせばよい。
【0080】
本実施形態においては、顔認証(S12)のあとに入金処理(S18)を実行するとして説明したが、入金処理のあとに顔認証を実行してもよい。入金後に顔認証を実行することにより、ゲームをプレイする意思のないプレイヤの顔画像がたまたま取得され、顔認証を実行されるのを防ぐことができる。
【0081】
プレイヤによるプレイ意思確認のための開始ボタン(図示せず)をゲーム装置110に設けてもよい。プレイヤが開始ボタンを押下したことを条件として顔認証またはゲームカード304の受付処理を実行してもよい。あるいは、顔認証(S12)を先に実行し、そのあとにプレイヤが所定時間以内に開始ボタンを押下しなければS16等の後処理を実行しないとしてもよい。
【0082】
撮像部134は、所定の撮影条件が成立したときにプレイヤを撮像するとしてもよい。たとえば、プレイヤとゲーム装置110が十分に近づいたとき、十分に明るい顔画像が得られるときなど、顔画像の品質について任意の撮影条件を設定してもよい。また、カメラ302が複数のプレイヤの顔を含む撮影画像を得ているときには、顔認証部194は撮影画像中においてもっとも顔領域の大きなプレイヤを対象として顔認証を実行してもよい。顔認証部194は、所定時間以上、撮影画像に継続して映り込んでいるプレイヤを対象として、顔認証を実行するとしてもよい。
【0083】
本実施形態におけるパスコードは、テキスト情報であるとして説明した。パスコードは、テキスト情報に限らず、他の生体情報であってもよい。たとえば、顔認証に失敗したときには、指紋をパスコードとして入力させてもよい。
【0084】
本実施形態においては、ゲームカード304にプレイヤIDまたはカードIDを登録するとして説明した。このほかにも、スマートフォン等の携帯端末にプレイヤIDを登録してもよい。
【0085】
本実施形態においては、登録条件を満たした顔画像と、適合率がV未満となるマスタ画像を入れ換えるとして説明した(
図10参照)。入れ換えに限らず、登録条件を満たした顔画像を新たなマスタ画像として追加でPIDに対応づけてもよい。
【0086】
図9に関連して説明したように、本実施形態においては、顔認証によりゲームカード304の不正取得を検出できる。設定情報として、メールアドレスや電話番号などプレイヤの連絡先をプレイヤIDに対応づけてもよい。たとえば、プレイヤXがプレイヤ(P01)ゲームカード304を不正使用したときには、顔認証には成功せず、ゲームカード304からプレイヤID=P01が入力されるが、確認処理(S26)により不正を検出できる。このときには、プレイヤ(P01)のメールアドレスに対して、ゲーム支援装置102の送信部166は不正使用がなされている旨を通知してもよい。このような制御方法によれば、プレイヤ(P01)はゲームカード304を落としても、プレイヤXがゲームカード304を不正使用とした段階で窃取に気づくことができる。通知先は、プレイヤ(P01)に限らず、ゲームシステム100の運営者であってもよい。
【0087】
ゲーム装置110は、ゲーム装置110にプレイヤが近づいたとき、カメラ302あるいは測距センサ等によりこれを検知してもよい。このとき、ゲーム装置110の出力部130は、ゲーム画面にキャラクタを表示させてもよい。プレイヤはキャラクタにつられて視線をゲーム画面に向けるため、好適な顔画像(被認証画像)を取得しやすくなる。ゲームのプレイ中であっても、同様の目的により、このようなキャラクタを表示させてもよい。
【0088】
本実施形態においては、ゲーム装置110において顔画像を取得し、マスタ画像として登録するとして説明した。変形例として、プレイヤはスマートフォンやパーソナルコンピュータにより、プレイヤIDと顔画像を入力し、これをゲーム支援装置102に送信することでマスタ画像を登録してもよい。
【0089】
本実施形態においては、ゲーム支援装置102とアーケードゲーム装置110がインターネット106を介して接続されることによりゲームシステム100が形成されるとして説明した。変形例として、ゲームシステム100は単体の装置として形成されてもよい。
【0090】
本実施形態においては、アーケードゲームを想定して説明した。アーケードゲームに限らず、スマートフォンや家庭用ゲーム機によるネットワークゲームにおいても、プレイヤIDと生体認証の双方によるプレイヤ識別を行ってもよい。
【0091】
更に、本発明をゲーム以外に適用してもよい。たとえば、遊園地やスイミングプールなどの娯楽施設において、アトラクションや飲食店などの後払いによる利用を想定する。ユーザは、会員カードでユーザID(プレイヤID)を示すことで利用履歴を記録してもらってもよいし、顔認証により会員カードを使わずに利用履歴を記録してもらってもよい。最終的には利用履歴にもとづいてまとめてクレジットカード決済すればよい。
また、ユーザIDに対して「コーヒーに砂糖はいらない」といった好みに関する設定情報を対応づけてもよい。この場合には、ユーザは自動販売機で顔認証をしてコーヒーを注文するときには、「砂糖不要」をボタン等で明示的に指示しなくても砂糖抜きのコーヒーを注文できる。
【解決手段】ゲーム支援装置102は、プレイヤID、ゲームのプレイヤデータおよびプレイヤの顔画像であるマスタ画像を対応づけて管理する。ゲーム装置110はプレイヤIDを取得する。また、ゲーム装置110はプレイヤの顔画像を取得する。ゲーム装置110がプレイヤの顔画像を取得したとき、ゲーム支援装置102は顔認証を実行する。顔認証に成功したときには、プレイヤIDが入力されていなくても、ゲームシステム100は該当するプレイヤデータに基づいてゲームを実行する。顔認証に失敗したときには、ゲームシステム100はプレイヤIDに基づいてプレイヤデータを特定した上で、ゲームを実行する。顔認証の失敗時においては、新たに取得された顔画像をマスタ画像として登録してもよい。