【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成27年2月10日〜2月12日東京ビッグサイトにおいて開催された一般社団法人新日本スーパーマーケット協会 第49回スーパーマーケット・トレードショー2015で展示
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
最上段の物品陳列部の陳列面の下方には蒸発器が設けられ、複数の物品陳列部よりも下方に位置する最下段には排熱部が設けられており、前記蒸発器の下方と前記排熱部の上方はそれぞれ個別の断熱材により区切られていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の物品陳列什器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の各種店舗で物品を陳列する際には、購入者の購買意欲を促すために、例えば関連する物品を近くに陳列して購入者が同時に視認できるような陳列がなされている。また、例えば関連する物品の保存温度が異なる場合には、前述の特許文献1及び特許文献2の物品陳列什器を併設することが考えられる。
しかし、このように保存温度の異なる物品陳列什器を併設すると、購入者が保存温度の異なる関連する物品を同時に視認できる範囲は、これら保存温度の異なる物品陳列什器が隣接する周辺のみに限られるために、購入者の購買意欲を促すように保存温度の異なる関連する物品を効果的に陳列することができなかった。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、保存温度の異なる物品を効果的に陳列することができる物品陳列什器を提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の物品陳列什器は、
後方側の物品陳列部が前方側の物品陳列部よりも高くなるように設けられた複数の物品陳列部を有する物品陳列什器において、
前記物品陳列什器は
、冷気を吹出す冷気吹出口と、前記冷気吹出口から吹出された冷気を吸入する冷気吸入口と、を有する冷却手段を有し、
前記冷却手段は、前記後方側の物品陳列部のみに設けられ、前記冷気吹出口は、前記後方側の物品陳列部の後方上部に設けられ、前記冷気吸入口は、前記後方側の物品陳列部の前方下部に設けられており、
前記冷気吹出口から吹出された冷気の大部分が前記冷気吸入口に、一部が前方側の物品陳列部にそれぞれ流れ込むことを特徴としている。
この特徴によれば、複数の物品陳列部を有する物品陳列什器が、いずれか一つの物品陳列部を冷却する冷却手段を有し、冷却される物品陳列部の境界部に設けられた冷気吹出口から吹出された冷気を冷気吸入口が吸入することで、各物品陳列部間の温度を区分けすることができるため、物品の保存温度に合わせた異なる陳列環境を確保することができる。これにより、保存温度の異なる様々な物品を同時に一つの物品陳列什器に陳列することが可能となり、購入者が物品選定時に保存温度の異なる物品を同時に視認できる。すなわち、購入者の購買意欲を促すように保存温度の異なる物品を効果的に陳列することができる。
【0007】
前記冷却手段により冷却される物品陳列部は、少なくとも一つの物品陳列部よりも上段に配置されることを特徴としている。
この特徴によれば、冷却手段の冷気を吹出す冷気吹出口と、吹出された冷気を吸入する冷気吸入口が上段の物品陳列部に設けられていることにより、冷気の一部が冷気吸入口の下方に隣接する物品陳列部に流れ込み、冷却されない物品陳列部においても冷気を利用できる。
【0008】
前記複数の物品陳列部のいずれか一つの陳列面は、他の物品陳列部の陳列面と角度を異ならせた傾斜面で形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、角度を異ならせた傾斜面を有している物品陳列部と他の物品陳列部とは陳列空間が異なることを購入者が視認しやすいため、物品選定に際して、購入者が容易に物品陳列部の違いを判別でき、購入物品を容易に選定することができる。
【0009】
前記
冷気吸入口の前方には、所定高さを有する仕切り板が設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、冷気を冷気吸入口側に向けられるため、冷気吹出口から冷気吸入口に向かう冷気の流れにより形成されるエアカーテンを効果的に作用させ、冷却効果を高めることができる。
【0010】
最上段の物品陳列部の陳列面の下方には蒸発器が設けられ、複数の物品陳列部よりも下方に位置する最下段には排熱部が設けられており、前記蒸発器の下方と前記排熱部の上方はそれぞれ個別の断熱材により区切られていることを特徴としている。
この特徴によれば、複数の物品陳列部のうち冷却されない物品陳列部の後方には上下に個別の断熱材により仕切られた中央段となる空間が形成され、当該空間は最上段に設けられた蒸発器による冷気の影響を断熱するとともに、最下段の排熱部の影響を断熱することができ、温度変化の少ない空間を物品陳列部の中央段に確保することができる。
【実施例1】
【0013】
実施例1に係る物品陳列什器につき、
図1から
図4を参照して説明する。以下、
図2の左側を物品陳列什器の前方側として説明し、右側を後方側として説明する。
【0014】
図1に示されるように、本発明に係る物品陳列什器1は、主に商店やスーパーマーケット、コンビニエンスストア等の野菜、果物及びその他の生鮮食品並びにその他の食料品等(以下、商品とする)を取り扱う販売店舗に設置され、購入者の商品購入に際して、店舗が販売する商品を陳列するために設置されるものである。
物品陳列什器1の構造としては、正面側を開口し、水平面に対して前後方向に所定の角度θ(
図2参照)で傾斜した第一の陳列面3を備える第一の物品陳列部4と、同じく正面側を開口し、略水平な第二の陳列面5を備える第二の物品陳列部6がそれぞれ基台2の上部に配置されており、第一の陳列面3及び第二の陳列面5にはそれぞれに商品が陳列できる構成となっており、基台2の底部に設けられたキャリヤー2aにより店舗内の任意の位置に移動自在となっている(
図2参照)。
【0015】
次に、物品陳列什器1の第一の物品陳列部4は、その前方側に前面板7が、後方側に中間板8がそれぞれ傾いて立設されており、これらと側壁9と棚板10とにより、商品である各種物品が陳列される第一の物品陳列部4が形成されている。これにより、第一の陳列面3の前方側に立った購入者から見ると、第一の物品陳列部4に陳列された商品は前後方向に高さを変えた状態で視界に入るため、第一の物品陳列部4に陳列された商品全体の視認性を向上することができる(
図4参照)。
【0016】
次に、第一の陳列面3を成す棚板10は取り外し可能となっており、棚板10を取り外すと、その後方側には後述する収納庫11が設けられ、展示器材31を不使用時に収納することができる(
図4参照)。なお、ここでいう展示器材31とは、例えば各商品に関する商品表示札及び値札並びに各商品を見映えよく載置するための枠体、筐体、各種飾り付け等であって、商品の展示と同時に使用される各種の器材を指す。この収納庫11が設けられていることで、物品陳列什器1の占める空間を有効活用し、陳列される商品に合わせて様々な展示器材31を用いて購入者の購買意欲を促すような陳列をすることができるとともに、物品陳列什器1の内部でそれらの展示器材31を保管しておくことができ、紛失を防止することができる。
【0017】
次に、第二の物品陳列部6は、天板12、後方側の背板13及び側壁9により形成されており、略水平な天板12により第二の陳列面5を形成している。ここで、第一の陳列面3と第二の陳列面5が異なる角度となっていることで、購入者が陳列部の違いを把握しやすくなっている。そして、天板12の下部には、後述する冷却手段の一部であり、周辺の空気を冷却し冷気を生成する蒸発器14が設けられるとともに、蒸発器14で生成した冷気を吹出す冷気吹出口15が背板13の上部に設けられ、背板13の後方側には蒸発器14と冷気吹出口15に連通する冷気通路16が設けられ、この冷気通路16により冷気が蒸発器14から冷気吹出口15に流れることできる構成となっている(
図2,
図3参照)。
また、背板13の上部であり冷気吹出口15の上方側には、冷気吹出口15から吹出された冷気を前方側の下方であり、第二の物品陳列部6の最前部に位置する冷気吸入口18に向けて案内するキャノピー17が設けられており、第二の物品陳列部6の前方側で、冷却される第二の物品陳列部6と隣接する第一の物品陳列部4との境界部に冷気吸入口18が設けられており、冷気吹出口15からこの冷気吸入口18に向けて吹出された冷気を吸入する(
図2,
図3参照)。
【0018】
次に、冷却手段の構成について詳述する。
図2に示されるように、本実施例における冷却手段は間接冷却方式となっている。冷却手段は主に、前述の蒸発器14及び基台2の内部に収容される排熱部としての圧縮器、凝縮器及び膨張弁(いずれも図示せず)により構成されており、これらの内部を循環する図示しない冷媒の気化熱により蒸発器14周辺の空気から吸熱することで冷気を生成し、蒸発器14の前方側に設けられた送風機19により、背板13の後方に設けられた冷気通路16に冷気が流れ、後述する冷気の循環流が形成される構造となっている。また、蒸発器14による大気からの吸熱に際して発生する結露を排出するために、ドレンとしての排管20が送風機19の前方側に設けられている。更に冷却手段は、前述の冷気吹出口15、キャノピー17、冷気吸入口18を協働させることで冷気を循環させている。冷却時の冷気の流れの詳細については後述する。
【0019】
次に、基台2と収納庫11との間には断熱材21Aが設けられ、第二の物品陳列部6の下方に設けられた蒸発器14と収納庫11の間には断熱材21Bが設けられ、冷気通路16の更に後方側には断熱材21Cが設けられている。この断熱材21A、断熱材21B及び断熱材21Cにより、蒸発器14による冷却作用が収納庫11や物品陳列什器1の後方に伝わることを防ぎ、冷却効率を向上するとともに、基台2内に設けられた排熱部である圧縮機及び凝縮器からの排熱が収納庫11内に伝わることを防いでいる。また、冷気吸入口18の前方には冷気の流れを仕切る透明の仕切り板22が後方に傾いて立設されており、この仕切り板22により、第二の物品陳列部6に向けて吹出された冷気の大部分が冷気吸入口18に案内されている。この仕切り板22は、必要に応じてその一部に商品表示札や値札を貼付されることがある。また仕切り板22は、透明な部材により形成されているため、物品陳列什器1の前方側に立つ購入者の視界を遮ることなく、仕切り板22の後方側に位置する第二の物品陳列部6に陳列された商品への購入者からの見通しをよくしている。また、この仕切り板22があることで第二の物品陳列部6に形成されるエアカーテンとしての冷気の流れを冷気吸入口18へとガイドできるため、冷却効果を高めることができる。
【0020】
次に、冷却手段による冷却時の冷気の流れの詳細について説明する。
図3に示す通り、前述の冷却手段が作動すると、蒸発器14により吸熱された空気が冷気として生成されながら、送風機19により蒸発器14に送風がされ(F0)、この送風により蒸発器14で生成された冷気が背板13と断熱材21Cとの間に形成された冷気通路16に流れ込む(F1)。この冷気は冷気通路16を上方に上り(F2)、冷気吹出口15からキャノピー17に案内されながら前方側に位置する第二の物品陳列部6に吹出される(F3)。吹出された冷気は第二の物品陳列部6を流れることで第二の物品陳列部6に陳列された商品を冷却し(F4)、その後に仕切り板22により大部分の冷気が案内され、冷気吸入口18に吸入され(F5)、送風機19の前方側に戻り(F6)、その後同様に送風機19により蒸発器14に冷気が送られる。このように、冷却手段の動作時においては、F0からF6につながり循環する冷気の循環流が形成されている。すなわち、第二の物品陳列部6は、この冷気の循環流の内側に位置する事で、冷気の循環流により包み込まれるため、第二の物品陳列部6の一方の端部である後方側上部の冷気吹出口15から連続して吹出され、第二の物品陳列部6の他方の端部である前方側下部の冷気吸入口18に連続して吸入される冷気により、効果的に冷却効果を得る冷却領域となっている。
【0021】
ここで、第一の物品陳列部4は冷気の循環流路の外側に位置する非冷却領域であるが、冷気吹出口15から吹出された冷気の一部(F7)が、仕切り板22を乗り越えて、更に前方側の第一の物品陳列部4に流れ込む(F8、F9)。このように若干流れ込む冷気によって、第一の物品陳列部4は前述の冷却領域のような顕著な冷却効果は期待できないが、例えば夏場のような外気の温度が高い場合において、外気の影響により常温で管理される商品の温度が過度に上がることを防ぐことができ、これにより商品の劣化を防ぐことができる。この僅かな冷気による効果を本説明においては保冷効果と呼ぶ。
更に、仕切り板22が設けられていることで、前方側の第一の物品陳列部4に流れ込む冷気の量を抑えることができ、冷却領域内の冷却効率を上げることが可能となっている。また、仕切り板22を後方側に傾斜させているため、第一の物品陳列部に流れ込む冷気の量を抑えることができる。
【0022】
更に、第二の物品陳列部6が第一の物品陳列部4よりも上方に位置していることで、第二の物品陳列部6を冷却するための冷気が前方側の下部に位置する第一の物品陳列部4に流れ込みやすく、保冷効果を高めることができる。
更にまた、第一の陳列面3が冷気吹出口15から吹出される冷気(F3)と略平行な傾きを有して形成されていることで、第一の陳列面3に流れ込んだ冷気はこの傾きに沿って前方側まで流れていくことができ、第一の物品陳列部4を均一に保冷することができる。
【0023】
次に、物品陳列什器1の使用状態について説明する。
図4に示すように、各種物品が陳列された状態において、第一の物品陳列部4と第二の物品陳列部6には関連する物品を陳列すると良い。
具体的な陳列物品の例として、物品陳列什器1の前方側、すなわち購入者30から見て手前側に位置する第一の物品陳列部4には、主に常温で陳列される商品が陳列され、例えばリンゴのように個単位で販売される果物等であって常温で保存できるものが該当する。
一方、物品陳列什器1の後方、すなわち購入者30から見て奥側に位置する第二の物品陳列部6には、冷蔵状態での保存が必要な商品が陳列され、例えばカットリンゴのようにカットされた果物等が該当する。これにより、購入者30は手前側の個売りの果物と奥側のカットされた果物を同時に視認することができ、個売りの果物を視認することで購買意欲を惹起されるとほぼ同時に、自らの購入量に適したカットされた果物を視認できるため、物品の一覧性を確保でき、購入者30が関連する商品を同時に視認できるという視覚的作用により、商品の購買意欲を促すことできる構成となっている。
【0024】
ここで、
図4に示すように、第一の物品陳列部4に陳列されている商品(本説明ではリンゴ)は展示器材31の上に載置されている。この展示器材31は前述の通り各種器材が含まれるが、不使用時は収納庫11内に収納することができる。収納庫11は第一の物品陳列部4の第一の陳列面3を成す棚板10を取り外すと内部に拡がる空間であり、基台2の上部に位置する底部11a、最後方に位置する壁部11b、天井部11cにより構成されている。これらの底部11a、壁部11b、天井部11cはそれぞれ断熱材21A、断熱材21B、断熱材21Cにより囲まれており、物品陳列什器1の最下段に位置する基台2内に設けられた図示しない凝縮器等の排熱部や第二の物品陳列部6に設けられた蒸発器14が生成する冷気により内部の温度が変化しにくいようになっている。
【0025】
このように、前後方向に異なる温度で管理された第一の物品陳列部4と第二の物品陳列部6を有していることで、購入者が前後に陳列された関連する商品を容易に視認しやすい構成となっており、同一什器に常温と冷蔵状態の物品陳列部を有する事で、それぞれの什器を別々に設ける必要が無くなり、店舗内の省スペース化を実現する事が可能となっている。また、購入者にとっても一般に店舗内で異なるエリアに配置されていた常温用の物品陳列什器と冷蔵用の物品陳列什器が配置された別々のエリアに行く必要がなく、容易に選定をすることができる。
【0026】
次に、実施例2から実施例4について説明する。以下の説明において実施例1と同一の構成については符号及び説明を省略する。
図5(a)に示すように、実施例2に係る物品陳列什器1’においては、第一の物品陳列部4’と第二の物品陳列部6’は一部前後方向に重なって設けられている。このように前後方向に一部重なっていても、前方側に立つ購入者は第一の物品陳列部4’の全体を視認でき、第一の物品陳列部4’の第一の陳列面3’を広くとることができる。また、中間板8’を透明とすることで、購入者からの第二の物品陳列部6’に陳列した商品の見通しをよくすることができる。
【0027】
次に、
図5(b)に示すように、実施例3に係る物品陳列什器1’’においては、実施例1と同様に第一の物品陳列部4’’と第二の物品陳列部6’’の高さが異なっているが、第一の物品陳列部4’’の第一の陳列面3’’は略水平に形成されている。これにより、第二の物品陳列部6’’から第一の物品陳列部4’’に僅かに流れ込んだ冷気は第一の陳列面3’’が略水平に形成されているため、更に前方に流れていくことなく第一の物品陳列部4’’に滞留することとなり、これにより第一の物品陳列部4’’の保冷効果を高めることができる。
【0028】
次に、
図5(c)に示すように、実施例4に係る物品陳列什器1’’’においては、第二の物品陳列部6’’’に設けられた冷却手段の内、冷気吹出口15’’’が第二の物品陳列部6’’’の前方に、冷気吸入口18’’’が第二の物品陳列部6’’’の後方に配置されている。このような配置にすることで、冷気が前方側の第一の物品陳列部4’’’に流れ込むことを防ぎ、第二の物品陳列部6’’’の冷却効率を向上させることができる。
【0029】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0030】
例えば、前述の実施例においては、いずれも冷却領域である第二の物品陳列部が後方側に設けられる態様について説明を行ったが、本発明は前記態様に限定されず、冷却領域である第二の物品陳列部が前方に設けられるものであってもよい。
【0031】
また、前述の実施例おいては、いずれも陳列部が二つのものについて説明したが、陳列部の数は二つのものに限定されず、三つの以上の陳列部を設け、それぞれ異なる温度領域とすることもできる。たとえば常温状態、冷蔵状態及び冷凍状態といった構成である。その他、三つの陳列部の前後方向の中間領域にのみ冷却領域を設けるような構成であっても構わない。
【0032】
更にまた、本発明における物品陳列部は、冷気吹出口と冷気吸入口の位置により定まるものである。本実施例における複数の物品陳列部は、それぞれ一つの陳列面を有していたが、物品陳列部は複数の陳列面を有していてもよいし、一つの陳列面に複数の物品陳列部が形成されていてもよい。すなわち、本発明における物品陳列部とは、冷気吹出口と冷気吸入口のいずれか一方が設けられる境界部により画定される領域である。
【0033】
更にまた、前述の実施例においては、冷却手段については圧縮式の場合について説明したが、吸収式やその他のものであっても構わない。
【0034】
更にまた、その他の展示物品の例としては、食材となる各種の野菜を第一の物品陳列部4に常温管理で陳列し、それらの食材を調理した惣菜を第二の物品陳列部6に冷蔵管理して陳列することで、購入者に対して調理例を示すことができ、例えば季節の食材を用いた献立・レシピ等を店舗側から購入者に提案する事で、それぞれの献立・レシピ等の調理に用いられる食材への購買意欲を促すこともできるし、購入者に旬の食材と併せて調理済みの惣菜を視認させることで、惣菜への購買意欲を促すこともできる。このように様々なテーマに合わせて同一什器に各種関連する商品を陳列する事が可能であり、関連する商品の購買意欲を相乗的に促すことができる。
【0035】
更にまた、本発明に係る物品陳列什器に陳列される物品は、冷却領域に陳列される商品としては生鮮食品に限られず、冷凍食品、加工食品や飲料であってもよく、非冷却領域に陳列される商品としては常温で保存される保存食品や調味料であってもよい。
【0036】
すなわち、ここでいう関連する商品とは、同じ食材について未加工のものとカット加工したものや、同時に調理される食材等であって、購入者がほぼ同時にそれらの商品を視認することにより、それらの商品への購買意欲が促されるような商品を指しており、前述の例示に限定されるものではない。例えば酒類と一緒に食される酒肴類や、食材とその調理・食事に供される器具や調味料であってもよい。
【0037】
更にまた、物品としては店舗で陳列される商品の他、倉庫等での一時的な保管や展示会等での一時的な展示に用いられるような物品であってもよい。