【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成25年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「太陽光発電多用途化実証プロジェクト太陽光発電多用途化実証事業傾斜地用太陽光発電システムの実証」委託研究、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に説明する「発明の実施形態」は、本願発明の技術的範囲に属する実施形態の一例を示すものである。つまり、特許請求の範囲に記載された発明特定事項等は、下記の実施形態に示された具体的構成や構造等に限定されるものではない。
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。なお、各図に付された方向を示す矢印等は、各図相互の関係を理解し易くするために記載したものである。本発明は、各図に付された方向に限定されるものではない。
【0012】
少なくとも符号を付して説明した部材又は部位は、「複数」や「2つ以上」等の断りをした場合を除き、少なくとも1つ設けられている。
(第1実施形態)
本実施形態は、
図1に示すように、太陽電池パネル1Aを設置するためのパネル架台1に本発明を適用したものである。つまり、太陽電池パネル1Aは、本発明に係る板状のパネル部材の一例である。
【0013】
1.パネル架台の構造
本実施形態に係るパネル架台1は、少なくともフレーム2、支柱部3(
図2参照)及び固定柱4等を有する。フレーム2には太陽電池パネル1Aが組み付けられる。当該フレーム2は、パネル架台1が傾斜面に設置された状態において、当該傾斜面に沿うように上方側から下方側に延びる骨格材である。
【0014】
1.1 フレームの詳細
本実施形態に係るフレーム2は、
図3に示すように、複数本の梁状部材2A及び複数本の連結材2B、2C等を有して構成されている。各梁状部材2Aは、その長手方向がフレーム2の延び方向に一致している。
【0015】
すなわち、複数本の梁状部材2Aは、フレーム2の幅方向一端側及び他端側において傾斜面に沿うように上方側から下方側に延びる部材である。なお、幅方向とは、フレーム2の延び方向と直交する方向であって、傾斜面の法線方向と交差する方向をいう。
【0016】
本実施形態に係る各梁状部材2Aは、
図4に示すように、リップ溝形鋼(C形鋼)等の溝形鋼を2本1組として、それら2本のリップ溝形鋼が互いに連結固定されたものである。なお、本実施形態では、ボルト等の機械的締結具(図示せず。)により2本のリップ溝形鋼が連結固定されている。
【0017】
複数本の連結材2Bは、
図3に示すように、幅方向一端側の梁状部材2Aと幅方向他端側の梁状部材2Aとを連結する部材であって、それら梁状部材2Aの長手方向に対して傾いた方向に延びる筋交い状(クロスメンバー状)の部材である。
【0018】
複数本の連結材2Cは、幅方向一端側の梁状部材2Aと幅方向他端側の梁状部材2Aとを連結する部材であって、それら梁状部材2A間を渡すように当該梁状部材2Aの長手方向に対して直行する方向に延びる部材である。
【0019】
本実施形態に係る連結材2B、2Cは、山形鋼等の形鋼にて構成されている。なお、連結材2B、2Cと各梁状部材2Aとはボルト等の機械的締結具(図示せず。)にて連結固定されているが、溶接等にて連結固定してもよい。
【0020】
1.2 固定柱の詳細
固定柱4は、
図1に示すように、フレーム2の延び方向一端側に設けられた柱部材である。当該固定柱4の上端側はフレーム2に組み付けられ、下端側は大地側に固定されている。
【0021】
すなわち、幅方向一端側の梁状部材2A及び幅方向他端側の梁状部材2Aは傾斜面に沿うように上下方向に延びている。固定柱4は、
図4に示すように、フレーム2の幅方向一端側及他端側それぞれに設けられている。
【0022】
各固定柱4の上端側は、各梁状部材2Aの延び方向上端側、つまりフレーム2の延び方向上端側にボルト等の機械的締結具よって組み付け固定されている。
図1に示すように、フレーム2と各固定柱4とを組み付け固定する固定部6には可変機構7が設けられている。
【0023】
可変機構7は、フレーム2と固定柱4とのなす角θを変更可能とする機構である。当該可変機構7は、
図5に示すように、1本の軸ボルト7A及び少なくとも1本(本実施形態では2本)の固定ボルト7B等を有して構成される。
【0024】
軸ボルト7Aは、各梁状部材2A及び各固定柱4に設けられた丸穴7Cを貫通する。一対の固定ボルト7Bは、各固定柱4に設けられた丸穴7D及び各梁状部材2Aに設けられた長穴7Eを貫通する。
【0025】
具体的には、
図4に示すように、各固定柱4の上端には、板状の固定板6Aが設けられている。各梁状部材2Aを構成する2本のリップ溝形鋼は、固定板6Aを水平方向から挟み込むように配置される。丸穴7Dは固定板6Aに設けられている。長穴7Eは各リップ溝形鋼のH寸法部分(JIS G 3350等参照)に設けられている。
【0026】
そして、軸ボルト7A及び一対の固定ボルト7Bにナット(図示せず。)が締め込まれ、それらボルト7A、7Bに締結力は発生すると、固定板6Aと2本のリップ溝形鋼との接触部で発生する摩擦力によりフレーム2が固定柱4に対して揺動不可として固定される。
【0027】
各長穴7Eは、
図5に示すように、長径方向が丸穴7Cを中心とする円弧状に湾曲している。このため、一対の固定ボルト7Bの締結力が小さい状態では、フレーム2は、軸ボルト7Aを中心として各長穴7Eの長径方向に揺動変位できる。なお、本実施形態では、
図5に示す状態を基準として、上下に各10度ずつ揺動変位可能である。
【0028】
固定柱4の下端側には、
図1に示すように、コンクリート製の基礎5が設けられている。基礎5は、杭(図示せず。)等を介して大地に固定されている。そして、固定柱4の下端は、基礎5に埋設された基礎ボルトやアンカーボルト等(図示せず。)を介して基礎5に固定されている。
【0029】
複数の補強支柱4A、4B(
図4参照)は、固定柱4に作用する曲げモーメントに対向する部材である。各補強支柱4A、4Bは、上端側が固定柱4上端側に固定され、下端側が基礎プレート5A、5B(
図4参照)を介して基礎5に固定されている。基礎プレート5A、5Bは、基礎5に埋設された基礎ボルト等(図示せず。)を介して基礎5に固定されている。
【0030】
1.3 支柱部の詳細
支柱部3は、固定柱4より延び方向他端側においてフレーム2に固定されている。すなわち、フレーム2は、
図1に示すように、傾斜面に沿うように上下方向に延びている。固定柱4はフレーム2の上端側に位置する。そして、支柱部3は固定柱4より下方側に位置してフレーム2の下端側を支持する。
【0031】
支柱部3はフレーム2に固定されている。このため、パネル架台1を傾斜面に設置する際には、当該支柱部3は、後述するように、フレーム2と一体に傾斜面に対して変位する。つまり、固定柱4は、大地に対して固定された不動の柱であるのに対して、支柱部3は、フレーム2に一体化されてフレーム2と共に変位可能な柱である。
【0032】
本実施形態に係る支柱部3は、
図6A〜
図6Cに示されるように、複数本(本実施形態では5本)の柱状材3A〜3Eで構成されたトラス構造である。各柱状材3A〜3Eとフレーム2とは、ボルト等の機械的締結具(図示せず。)にて連結固定されているが、溶接等にて連結固定してもよい。なお、柱状材3A〜3Eは山形鋼等の形鋼である。
【0033】
支柱部3の下端側には滑り部3Fが設けられている(
図6A参照)。滑り部3Fは、パネル架台1の設置作業時に傾斜面と直接的又は間接的に滑り接触可能な部位である。当該滑り部3Fは、少なくとも滑り方向一端側が曲面状に湾曲している(
図6B参照)。
【0034】
すなわち、「滑り方向」とはフレーム2の延び方向と平行な方向である。そして、本実施形態に係る滑り部3Fは、幅方向に延びる樋状の部位であって(
図6A参照)、幅方向と直交する仮想面に投影された形状が半円状(
図6B参照)となっている。
【0035】
つまり、本実施形態に係る滑り部3Fは、滑り方向両端側それぞれが1/4円弧状に湾曲した形状となっている。樋状の滑り部3F内には補強板3Gが設けられている。補強板3Gは、支柱部3に作用する荷重によって滑り部3Fが潰れるように変形することを抑止する。
【0036】
なお、「滑り部3Fが傾斜面に間接的に滑り接触する」とは、滑り部3Fが傾斜面上に敷かれたレールや帯板等に接触しながら滑り変位するこという。「滑り部3Fが傾斜面に直接的に滑り接触する」とは、レール等が敷かれることなく、滑り部3Fが傾斜面に接触しながら滑り変位するこという。
【0037】
1.4 ブレースの詳細
パネル架台1は、
図1に示すように、少なくとも1本のブレース8を備える。ブレース8は、フレーム2を傾斜面側に引き寄せる張力を発揮する部材である。なお、本実施形態では、2本のブレース8を備えているとともに、各ブレース8は幅方向一端側の梁状部材2A及び他端側の梁状部材2Aに当該張力を作用させる。
【0038】
各ブレース8は、一端側が固定柱4より延び方向他端側にてフレーム2に連結され、他端側が大地側に連結される。つまり、本実施形態では、各ブレース8の一端側が支柱部3側に連結され、かつ、各ブレース8の他端側が固定柱4側にて大地側に連結される。
【0039】
具体的には、
図7に示すように、各ブレース8は、第1丸鋼ブレース8A、第2丸鋼ブレース8B及びターンバックル8C等を有して構成されている。各第1丸鋼ブレース8Aの一端側は、連結プレート8Cを介してフレーム2に連結されている。
【0040】
各第2丸鋼ブレース8Bの一端側は、基礎プレート5Aを介して基礎5に連結されている。各第1丸鋼ブレース8A及び各第2丸鋼ブレース8Bの他端側には雄ねじ部が形成されている。
【0041】
ターンバックル8Cは、各第1丸鋼ブレース8Aの雄ねじ部及び各第2丸鋼ブレース8Bの雄ねじ部にネジ結合する雌ネジ部を有する環状の部材である。そして、作業者は、ターンバックル8Cを回転させて雌ネジ部と各雄ねじ部とのねじ込み長さを調整することにより、ブレース8に発生する張力を調整する。
【0042】
1.5 補助支柱部の詳細
支柱部3に対して幅方向にずれた部位には、
図2に示すように、少なくとも1本の補助支柱部9が設けられている。本実施形態では、滑り部3Fを挟んで幅方向両側に補助支柱部9が設けられている。
【0043】
各補助支柱部9は、フレーム2から傾斜面に向けて延びて当該傾斜面に接触可能な柱部であって、フレーム2に作用する荷重を受けることが可能な柱部である。各補助支柱部9は、伸縮自在な構成となっている。
【0044】
すなわち、各補助支柱部9は、第1補助支柱部9A、第2補助支柱部9B及びネジ式の調整足9C等を有して構成されている。各第1補助支柱部9Aは、フレーム2から傾斜面側に延びる柱材である。当該各第1補助支柱部9Aはボルト等の機械的締結具又は溶接等によりフレーム2に固定されている。
【0045】
各第2補助支柱部9Bは、複数本(本実施形態では2本)のボルト9Hにて各第1補助支柱部9Aに固定された柱部である。各第1補助支柱部9A及び各第2補助支柱部9Bのうち少なくとも一方には、上記固定用のボルト9Hの本数より多いボルト穴が設けられている。
【0046】
そして、作業者は、固定用のボルト9Hを挿入するボルト穴を適宜選択することにより、各補助支柱部9の長さを変更することができる。なお、紙面右側の補助支柱部9は縮んだ状態を示し、紙面左側の補助支柱部9は伸びた状態を示している。
【0047】
各調整足9Cは、ボルト状の調整部9D、及び調整部9Dより外形寸法が大きいフランジ部9Eを有する。各第2補助支柱部9Bの下端には、各調整部9Dとネジ結合可能なナット9Fが溶接されている。
【0048】
したがって、作業者は、各ナット9Fに対する各調整部9Dのねじ込み長さを調節することにより、各第2補助支柱部9Bに対する各調整足9Cの突出寸法を微調整できる。なお、各ナット9Gは、各調整足9C(調整部9D)の緩み止めナットである。
【0049】
2.パネル架台の設置方法
本実施形態に係るパネル架台1は、例えば以下の工程順に従って設置される。
(1)基礎5の施行工程
(2)固定柱4及び基礎プレート5A、5B等を基礎5に固定する工程
(3)支柱部3の下端側に設けられた滑り部3Fを傾斜面に直接的又は間接的に滑り接触させながらフレーム2を当該傾斜面に沿って移動させる工程(
図8参照)
(4)フレーム2を固定柱4に固定する工程
(5)各調整足9Cを傾斜面に接地させ、フレーム2が安定するように補助支柱部9の長さを調整する工程
(6)各ブレース8で現実に発生している張力を予め決められた範囲の張力(以下、設置張力という。)に調整する工程
(3)の支柱部3を滑り変位させる工程には、各梁状部材2Aを構成する2本のリップ溝形鋼の間に固定板6Aを挟み込んだ状態でフレーム2を傾斜面に降ろすことが望ましい。その理由は、固定板6Aによりフレーム2の変位を案内させながら当該フレーム2を降下させることが可能となるからである。
【0050】
なお、上記(4)の工程においては、フレーム2が固定柱4に対して大きく変位しない程度に軸ボルト7A及び固定ボルト7Bを締め付け、フレーム2を固定柱4に仮固定することが望ましい。
【0051】
そして、(5)及び(6)の工程が終了した後に、軸ボルト7A及び固定ボルト7Bを規定トルクにて締め付け、フレーム2を固定柱4に強固に固定することが望ましい。その理由は、ブレース8に発生する張力を調整すると、これに応じてフレーム2の姿勢が変化するからである。
【0052】
因みに、フレーム2を固定柱4に強固に固定した状態で、ブレース8の張力を設置張力まで高めていくと、フレーム2に必要以上の曲げモーメント(曲げ応力)が発生した状態が継続するので、早期にフレーム2の疲労破壊を招くおそれがある。
【0053】
各補助支柱部9の長さ調整は、ブレース8の張力を設置張力に調整した後、再度、微調整することが望ましい。その理由は、ブレース8の張力を設置張力まで高めていくと、フレーム2の姿勢が変化する場合があるからである。
【0054】
ブレース8の張力調整は、例えば、(a)ブレース8で発生する張力を直接的に管理調整する手法、(b)ターンバックル8Cを締め込む際のトルクを介して間接的にブレース8で発生する張力を管理する手法等、その具体的手法は不問である。
【0055】
なお、ブレース8をフレーム2に組み付けるタイミングは、フレーム2を傾斜面に沿って移動させる前、及びフレーム2の移動が終了したとき、つまりブレース8の張力調整をするとき等、いずれのタイミングでもよい。
【0056】
支柱部3の下端、つまり滑り部3Fを滑り変位させる際に、レール等を用いて傾斜面に対して間接的に滑り接触させた場合において、設置終了後、当該レール等を撤去するか否かは不問である。
【0057】
3.本実施形態に係るパネル架台の特徴
本実施形態では、パネル架台1の設置時には、支柱部3の下端側を傾斜面に直接的又は間接的に滑り接触させながらフレーム2を当該傾斜面に沿って移動させる。したがって、傾斜面全体に作業用の足場を設けることなく、パネル架台1を設置することが可能となる。延いては、設置工期の短縮及び設置コストの低減を図ることが可能となる。
【0058】
本実施形態では、フレーム2のうち固定柱4より延び方向他端側は、ブレース8により大地側に引き寄せられている。このため、支柱部3の下端をコンクリートや杭等にて大地に固定しなくても、風等の風圧を受けて当該支柱部3が移動してしまうことを抑制できる。
【0059】
さらに、ブレース8に発生する張力を調整することで、支柱部3の下端をコンクリートや杭等にて大地に固定しなくても、支柱部3を容易に不動化できるので、パネル架台1の設置工期の短縮及び設置コストの低減を図ることが可能となる。
【0060】
本実施形態では、支柱部3に対して幅方向にずれた部位に補助支柱部9が設けられている。これにより、パネル架台1(フレーム2)のうち支柱部3側を安定させることができる。
【0061】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、ボルト等の機械的締結具(図示せず。)により2本のリップ溝形鋼が連結固定されて梁状部材2Aが構成されていた。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、2本のリップ溝形鋼を溶接にて連結固定した梁状部材2A、又は1本の部材で構成された梁状部材2Aを採用してもよい。
【0062】
上述の実施形態では、支柱部3の滑り変位を容易にするために、支柱部3の下端に湾曲した滑り部3Fを設けた。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、傾斜面が比較的堅く滑り易い状態であるときには、滑り部3Fを廃止してもよい。
【0063】
上述の実施形態に係る滑り部3Fは、樋状に構成されて滑り方向両側が曲面状であった。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、滑り方向下方側のみを曲面状とした滑り部3F、又は球面に構成された滑り部3F等であってもよい。
【0064】
上述の実施形態では、パネル架台1の設置完了後においても、支柱部3は傾斜面に載置されているのみであった。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、パネル架台1の設置完了後、支柱部3をコンクリート等にて傾斜面に固定してもよい。
【0065】
上述の実施形態では、設置されたフレーム2の延び方向上端側に固定柱4が設けられていた。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、設置されたフレーム2の延び方向下端側に固定柱4が設けられていてもよい。
【0066】
上述の実施形態では、固定柱4に可変機構7を設けた。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、可変機構7を廃止してもよい。
上述の実施形態に係る可変機構7においては、各固定柱4に設けられた丸穴7D及び各梁状部材2Aに設けられた長穴7Eを固定ボルト7Bが貫通する構成であった。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0067】
つまり、一対の固定ボルト7Bは、各梁状部材2A及び各固定柱4のうちいずれか一方に設けられた丸穴7D及び他方に設けられた長穴7Eを貫通する構成であれば十分である。具体的には、各固定柱4に設けられた長穴及び各梁状部材2Aに設けられた丸穴を固定ボルト7Bが貫通する構成であってもよい。
【0068】
上述の実施形態では、支柱部3側がブレース8にて大地側に引き寄せられていた。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ブレース8を廃止し、フレーム2が固定柱4に強固に固定された後、支柱部3及び補助支柱部9のうち少なくとも一方をコンクリートや杭等にて大地に固定してもよい。
【0069】
上述の実施形態に係るブレース8の大地側は、固定柱4側(基礎5)に固定されていた。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ブレース8の大地側を固定柱4より支柱部3側(下端側)にて大地に固定してもよい。
【0070】
上述の実施形態では、支柱部3に対して幅方向にずれた部位に補助支柱部9が設けられていた。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、(a)支柱部3に対してフレーム2の延び方向にずれた位置やフレーム2の下端側に補助支柱部9が設けられた構成、(b)補助支柱部9を廃止した構成又は補助支柱部9を3本以上とした構成等であってもよい。
【0071】
上述の実施形態に係る補助支柱部9は伸縮自在であった。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば補助支柱部9をフレーム2に対して組付自在な構成とし、設置現場に合わせて、適宜、補助支柱部9の長さを選定してもよい。
【0072】
上述の実施形態では、板状のパネル部材の一例として「太陽電池パネル」を用いて本発明の実施の形態を説明した。しかし、本発明に係るパネル部材は「太陽電池パネル」に限定されるものではなく、例えば「広告用パネル」等であってもよい。
【0073】
また、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。
なお、本発明に係るパネル架台1は、上述の実施形態に示されるように傾斜面に設置されるパネル架台1に適用すると、特に好適であるが、
図9に示すように、略水平面に設置することも可能である。
【0074】
すなわち、
図9に示すように、ブレース8にてフレーム2を地面側に引き寄せているので、フレーム2の長手方向両側を固定柱4にて大地に固定することなく、少なくともフレーム2の長手方向一端側を大地に固定すれば十分である。