(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の島上設置型空気清浄機では、本体内の集塵ユニットが吸込口から一方向へのみ引き出せる構成であるため、本体に対して保守点検できる向きが一方向のみに限られてしまい不便であった。すなわち、パチンコ店にて集塵ユニットを保守点検する際、誤って本体の吸込口とは逆側の通路に脚立を置いてしまった場合、遊技機島を回り反対側の通路まで脚立を移動させなければならなかった。
【0006】
また、特許文献1には、空気清浄機の吸込口を2つの面に設けて、各吸込口ごとに集塵ユニットを備えるほか、本体内の集塵ユニットは1つだけでも良いことも開示されている(段落0032)。このように、2つの吸込口に対して集塵ユニットが1つの場合、各吸込口から集塵ユニットを外部へ取り出すことも想定し得る。しかし、吸込口は、本体内の集塵ユニットとの相互的な位置や集塵能力に応じて大きさや位置が定められるため、設計上の自由度に乏しく、集塵ユニットの出し入れを兼用するような設計は困難であった。
【0007】
本発明は、以上のような従来の技術が有する問題点に着目してなされたものであり、本体ケースの相対向する2側方のどちら側からでも、内部の集塵手段を自由に出し入れすることが可能であり、集塵手段の保守点検を容易に行うことができ、また、集塵手段を出し入れする開口部に関して、吸込口の設計仕様に何ら制限されることはなく自由に設計することができる空気清浄装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するための本発明の要旨とするところは、以下の各項の発明に存する。
[1]本体ケース(11)内に空気中の塵挨を捕集する集塵手段(20)が収納された空気清浄装置(10)において、
前記本体ケース(11)は、前記集塵手段(20)に送る空気を外部から取り入れる吸込部(12)と、前記集塵手段(20)を通過した空気を外部へ送り出す吹出部(13)とを備え、
前記本体ケース(11)の相対向する2側方に面して、前記吸込部(12)および前記吹出部(13)とは別に、前記集塵手段(20)を2側方よりそれぞれ本体ケース(11)内に出し入れ可能な開口部(14)が設けられ、
前記各開口部(14)の傍らに、それぞれ前記集塵手段(20)を前記本体ケース(11)内の所定の収納位置に着脱可能に拘束するためのロック機構(40)が設けられ、
前記各ロック機構(40)は、
前記各開口部(14)の傍らの定位置に固定されており、それぞれの定位置における何れか一方の拘束解除により、該一方がある側の開口部(14)より前記集塵手段(20)を前記本体ケース(11)内に出し入れ可能と
し、
前記各ロック機構(40)は、スライドするロックピン(42)と、該ロックピン(42)を操作するツマミ(43)とを備え、前記ロックピン(42)および前記ツマミ(43)が、それぞれ前記集塵手段(20)に対して係合ないし外れることを特徴とする空気清浄装置(10)。
【0009】
[2]前記集塵手段(20)は、
プレフィルター(21)と、電気集塵機(22)を少なくとも含み、
前記各ロック機構(40)は、前記ロックピン(42)が前記電気集塵機(22)に対して係合ないし外れる一方、前記ツマミ(43)が前記プレフィルター(21)に対して係合ないし外れることを特徴とする前記[1]に記載の空気清浄装置(10)。
【0010】
[3]
前記電気集塵機(22)に電力を供給するための給電部は、電気集塵機(22)における空気の流れの下流側に配置され、
前記給電部は、前記本体ケース(11)側の電極接点(28)と、前記電気集塵機(22)側の電極接点(24)とを備え、各電極接点(24,28)は、互いに凹凸構造の嵌合によって密閉される状態で接触することを特徴とする前記[2]に記載の空気清浄装置(10)。
【0011】
次に、前述した解決手段に基づく作用を説明する。
前記[1]に記載の空気清浄装置(10)によれば、本体ケース(11)の相対向する2側方に面して開口部(14)があり、いずれの開口部(14)からでも本体ケース(11)内の集塵手段(20)を出し入れすることができる。
【0012】
ここで各開口部(14)は、本体ケース(11)にある空気の吸込部(12)や吹出部(13)とは別であり、これらの位置や大きさ等の設計仕様(条件)に制限されることなく、独立した開口として自由に設計することができる。また、集塵手段(20)は、吸込部(12)や吹出部(13)に対して干渉することなく、各開口部(14)から自由に出し入れすることができる。
【0013】
空気清浄装置(10)の設置箇所において、当該箇所の例えば両側に通路(作業スペース)がある場合、各開口部(14)がそれぞれ通路側を向くように配置すると良い。これにより、空気清浄装置(10)に対して、どちらの通路側からでも開口部(14)に近づくことが可能となる。よって、空気清浄装置(10)に対する方向性を特に気にすることもなく、容易に集塵手段(20)を取り出して保守点検を行うことができる。
【0014】
また、前記各開口部(14)の傍らに、それぞれ集塵手段(20)を本体ケース(11)内の所定の収納位置に着脱可能に拘束するためのロック機構(40)が設けられている。ここで各ロック機構(40)は、
前記各開口部(14)の傍らの定位置に固定されており、それぞれの定位置における何れか一方の拘束解除により、該一方がある側の開口部(14)から集塵手段(20)を本体ケース(11)内に出し入れ可能となる。
【0015】
よって、他方の開口部(14)側のロック機構(40)は操作することなく、一方の開口部(14)側のロック機構(40)の操作だけで、集塵手段(20)を出し入れする側の開口部(14)から拘束ないし拘束解除することができる。このようなロック機構(40)によって、本体ケース(11)内の所定の収納位置に集塵手段(20)を確実に保持することができ、また容易に取り外すことも可能となる。
さらに、各ロック機構(40)は、スライドするロックピン(42)と、該ロックピン(42)を操作するツマミ(43)とを備え、ロックピン(42)およびツマミ(43)が、それぞれ集塵手段(20)に対して係合ないし外れる。
【0016】
前記[2]に記載の空気清浄装置(10)によれば、前記集塵手段(20)は、
プレフィルター(21)と、電気集塵機(22)を少なくとも含むものである。
ここで各ロック機構(40)は、ロックピン(42)が電気集塵機(22)に対して係合ないし外れる一方、ツマミ(43)がプレフィルター(21)に対して係合ないし外れる。
【0017】
前記[3]に記載の空気清浄装置(10)によれば、電気集塵機(22)に電力を供給するための給電部は、電気集塵機(22)における空気の流れの下流側に配置される。
パチンコ店等の遊技施設のように、喫煙者の割合が比較的多く環境負荷が大きい設置箇所では、電気集塵機(22)にも汚れが付着しやすい。電気集塵機(22)の給電部の電極接点に汚れが付着すると、高電圧が汚れを伝い放電する現象(リーク)が発生して問題となる。よって、電気集塵機(22)の下流側、すなわち清浄後の空気が通過するエリアに給電部を配置することで、給電部への汚れの付着を極力防止することができる。
【0018】
また、前記給電部は、本体ケース(11)側の電極接点(28)と、電気集塵機(22)側の電極接点(24)とを備え、各電極接点(24,28)は、互いに凹凸構造の嵌合によって密閉される状態で接触する。これにより、各電極接点(24,28)が位置ずれすることはなく、確実に接触させることができる。また、各電極接点(24,28)は接触した状態では外部に露出しないため、汚れの侵入を防ぐことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る空気清浄装置によれば、本体ケースの相対向する2側方のどちら側からでも、内部の集塵手段を自由に出し入れすることが可能であり、集塵手段の保守点検を容易に行うことができる。また、集塵手段の出し入れに関して、吸込口に何ら制限されることはなく自由に設計することができる。また、ロック機構によって、本体ケース内の所定の収納位置に集塵手段を確実に保持することができ、容易に取り外すことも可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面に基づき、本発明を代表する実施の形態を説明する。
本実施の形態に係る空気清浄装置10は、本体ケース11内に空気中の塵挨を捕集する集塵手段20が収納され、外部の空気を内部に取り込んで清浄し、清浄後の空気を外部へ送り出すものである。以下、空気清浄装置10を、パチンコ店における遊技機島1に設置した場合を例に説明する。
【0022】
図1〜
図4に示すように、空気清浄装置10は、略立方体の箱状に形成された本体ケース11内に集塵手段20を含む関連部品が収納され、
図15に示す遊技機島1の上部に、そのまま設置できる大きさに構成されている。ここで遊技機島1は、パチンコ店内で複数の遊技機(パチンコ機)2が前後2列となる背中合わせに並設されたものである。パチンコ店内では、遊技機島1を中心として、その両側は通路となっている。
【0023】
空気清浄装置10の本体ケース11は、空気を外部から取り入れる吸込部12と、集塵手段20を通過した空気を外部へ送り出す吹出部13とを備えている。本体ケース11には、吸込部12と吹出部13とは別に、相対向する2側方に面して、集塵手段20を2側方より本体ケース11内に出し入れ可能な開口部14が設けられている。開口部14は、吸込部12や吹出部13に集塵手段20を干渉させることなく出し入れできる大きさに設けられている。
【0024】
図1,
図5に示すように、本体ケース11は、前後に長い立方体の箱状に形成されており、長方形の底面部15および天井部16と、これらの間を支持する支柱材17a,17bからなる枠組みを備えている。枠組みの前面側は、そのまま開口しており、該開口を吸気カバー120で覆って吸込部12が形成されている。枠組みの後面側も、図中に示されていないが開口しており、該開口を排気カバー130で覆って吹出部13が形成されている。
【0025】
本体ケース11の枠組みの両側面は、前後の各カバー120,130の側端で覆われる部位を除いて大きく側方に開口しており、該開口のうち後述の送風手段30が占める部位を除いて開口部14となっている。各開口部14は、通常時は保守カバー60で塞がれており、さらに保守カバー60の上から側面パネル50で覆われている。
【0026】
本体ケース11は、前面側の吸気カバー120と、後面側の排気カバー130と、両側面を覆う一対の側面パネル50,50、それに底面部15と天井部16とから外郭が形成されている。本体ケース11の天井部16や、吸込部12や吹出部13におけるカバー120,130等の各構成部品は、例えば、ステンレス等の金属により形成される。かかる金属材質だと、特に塗装をしなければ汚れが目立つこともない。
【0027】
吸込部12では、吸気カバー120に多数設けられた穴を通じて外部の空気が本体ケース11内に取り入れられる。一方、吹出部13では、排気カバー130に多数設けられた穴を通じて清浄後の空気が本体ケース11外へ送り出される。ここで穴は図示した例では(
図13参照)、六角形の穴を前後左右に密に並べて穿設したハニカムパンチングであり、丸穴よりも同一面積内における開口率を高くすることができる。
【0028】
吸気カバー120や排気カバー130における各穴の大きさ(開口径)は、遊技機の遊技媒体である遊技球の直径よりも小さく設定されている。これにより、パチンコ店内における遊技球の配送設備から落下した遊技球が吸込部12や吹出部13から入り込む事態や悪戯によるトラブルを未然に防止することができる。なお、穴の具体的な形態はハニカムパンチングに限られるものではなく、他に例えば、スリットを並べるように設けても良い。穴がいずれの形態にせよ、遊技球の直径よりも小さく設定することが好ましい。
【0029】
吸込部12は、本体ケース11の前面だけでなく、両側面の前端側の一部も含むように設けられている。すなわち、吸気カバー120は、本体ケース11の枠組みの前面開口に対向する正面壁に加えて、その両側に連なり本体ケース11の両側面の前端側をなす両側壁を備えている。かかる吸気カバー120により、吸込部12の前面をなす正面壁は、少なくとも両側壁の前後幅の距離だけ、後述する集塵手段20の空気吸込側正面より離隔している。これにより、本体ケース11の側面の一部も吸込部12となり、吸込部12の前面と集塵手段20の空気吸込側正面との間に、比較的大きなスペースが確保されている。
【0030】
吸気カバー120の正面壁と両側壁との角は、単に直角に折曲させることなく、アール断面形状にすることで、このアール部位にもパンチングできるように形成している。仮に、吸気カバー120の正面壁と両側壁とを直角に折曲させた場合、強度を保つためには当該角に穴を設けることは難しくなり、角を境に吸込部12は、その前面と側面とに分断されることになる。なお、吹出部13を取り囲む排気カバー130の構成についても同様である。
【0031】
本空気清浄装置10では、本体ケース11の両側面に集塵手段20を出し入れするための開口部14を大きく設けた分、本体ケース11の強度が脆弱になるが、吸気カバー120および排気カバー130により補強されている。すなわち、吸気カバー120および排気カバー130は、前記支柱材17a,17bとは別に面的な支柱となる。なお、本体ケース11の補強に関しては、吸気カバー120だけでも足りている。かかる吸気カバー120により、外部から広範囲で空気を取り込む領域を確保でき、本体ケース11の強度も維持することができる。
【0032】
詳しく言えば、吸込部12は、吸気カバー120の正面壁と両側壁の上端縁が、天井部16の一部として分離可能な前部16aに接続され、本体ケース11の枠組みの前面側に後付けするユニットとして構成されている。吸気カバー120の正面壁と両側壁の下端縁に沿って、底面部15の前部15aの周縁に合致する補強枠121が固着されている。また、天井部16の前部16aにも、吸込部12の一部として細幅のスリットが並ぶ吸気口12aが別途設けられている。補強枠121にて、その正面中央より上方へ延出した部位には、持ち運ぶ際の手掛かりとなる把手部122が凹設されている。
【0033】
同様に、吹出部13は、排気カバー130の後面壁と両側壁の上端縁が、天井部16の一部として分離可能な後部16bに接続され、本体ケース11の枠組みの後面側に後付けするユニットとして構成されている。排気カバー130の正面壁と両側壁の下端縁に沿って、底面部15の後部15bの周縁に合致する補強枠131が固着されている。補強枠131にて、その正面中央より上方へ延出した部位には、前記把手部122と対をなす把手部132が凹設されている。
【0034】
図1に示すように、空気清浄装置10の本体ケース11内には、前面側の吸込部12から後面側の吹出部13に向かって順に、集塵手段20をなすプレフィルター21と電気集塵機22、それに送風手段30が収納されている。本実施の形態に係る集塵手段20は、プレフィルター21と電気集塵機22とを基本的な構成とする。ここでプレフィルター21と電気集塵機22は、後述の側面パネル50等を取り外した状態で、それぞれ本体ケース11の両側の開口部14より、本体ケース11内に出し入れ可能となっている。
【0035】
本体ケース11内における内部空間のうち、後面開口に面した位置に送風手段30は固定されている。送風手段30より前方の内部空間は、前面開口に面して集塵手段20を着脱自在な収納空間と、その下流側に広がり送風手段30の前面に至る空き空間とに区画されている。プレフィルター21の前面が集塵手段20の空気吸込側正面となり、電気集塵機22の後面が集塵手段20の空気吐出側背面となる。なお、送風手段30の前の空き空間は、送風手段30の駆動時における圧力損失を防ぐためのスペースであり、また、前記開口部14から送風手段30の部品である後述のファン32を取り出すために必要となる。
【0036】
プレフィルター21は、吸込部12から取り込んだ空気が始めに通過して比較的大きな塵埃を捕集するものである。ここで塵挨とは、綿ゴミ、糸屑、その他、除去されるべき粒子を広く含むものである。プレフィルター21は、枠組み状の取付枠210に、金属網をプリーツ状に繰り返し折り曲げたフィルター材211を取り付け、その内側に、不織布や樹脂製の網目状のシート等を重ねて構成されている。かかるプレフィルター21は、目詰まりを防ぐために定期的にフィルター材211を清掃する必要があり、またシートが劣化した場合には新品に交換する必要もある。
【0037】
プレフィルター21の取付枠210の開口面積が、集塵手段20の空気吸込側正面の面積に相当する。前記吸込部12における開口面積は、少なくともプレフィルター21の取付枠210の開口面積と同等以上になるように設定されている。ここで吸込部12の開口面積とは、吸気カバー120にある各孔の面積の合計である。吸込部12の開口面積が、取付枠210の開口面積に対して大きいほど、吸込部12における空気の吸引効率を高めることができる。
【0038】
また、吸込部12の開口面積は、フィルター材211自体の表面積よりは小さく設定されており、集塵機能の向上が図られている。なお、吸込部12の開口面積に関して、前記吸気口12aの分は特に考慮しなくても構わない。また、吹出部13の開口面積は、排気カバー130にある各孔の面積の合計であるが、かかる吹出部13の開口面積も、適宜設定し得る設計事項である。
【0039】
電気集塵機22は、前記プレフィルター21を通過してきた空気中に未だ含まれている比較的小さい塵埃に電荷を与えて捕集するものである。電気集塵機22は、流入してくる空気中の塵埃を放電によって帯電させ(イオン化)、帯電した塵埃を吸着して捕集する。かかる電気集塵機22自体の構成は周知であり、詳しい説明は省略するが、前後面が開口した枠組み状のケース220の内部に、放電ないし集塵の電極板221が多数並設されており、前記プレフィルター21と同様に、本体ケース11内の所定の収納位置に着脱自在なユニットとして構成されている。電気集塵機22も、目詰まりを防ぐために定期的な清掃や部品交換等を含む保守点検が必要となる。
【0040】
本体ケース11内における集塵手段20の収納空間は、そのまま本体ケース11の両側方に開口しており、集塵手段20の保守点検時に出し入れする前記開口部14となっている。ここで収納空間は、プレフィルター21の収納位置と電気集塵機22の収納位置とに区画されている。
プレフィルター21の収納位置は、本体ケース11の枠組みの前面開口に沿う最前方にあり、当該位置には、底面部15上にベース台15cが固定されることで区画されている。ベース台15cは、各開口部14間に亘って延びており、その前後幅はプレフィルター21の取付枠210の奥行きに合致している。
【0041】
ベース台15cの前端縁の直ぐ前方には、前記支柱材17aが立設しており、ベース台15cの後端縁には、プレフィルター21が電気集塵機22の収納位置側へずれないためのフランジ15dが立設されている。また、ベース台15cの両端、すなわち各開口部14の傍らには、それぞれ集塵手段20を収納位置に着脱可能に拘束するためのロック機構40が設けられている。ロック機構40について詳しくは後述する。なお、プレフィルター21の収納位置には、フィルター材211のプリーツ(折りひだ)の浅さや深さを調整可能なスペースを設けても良い。
【0042】
一方、電気集塵機22の収納位置は、プレフィルター21の収納位置の直ぐ後方より、送風手段30前の空き空間の手前までである。電気集塵機22の収納位置の後端は、前記空き空間にて底面部15上に載置されたベース台15eの端面や前記支柱材17bによって区画されている。電気集塵機22の収納位置は、各開口部14間の全幅に亘っており、その前後幅は電気集塵機22のケース220の奥行きに合致している。
【0043】
電気集塵機22の収納位置の上方に位置する天井部16の内面側には、位置決め用の切欠16cが各開口部14間の全幅に亘って延びるように設けられている。かかる切欠16cは、ケース220の後端縁に沿って設けられた突条のレール222が合致することで、電気集塵機22を各開口部14より本体ケース11内に収める際に、電気集塵機22の前後が逆向きになることを防ぐものである。レール222の両端は、それぞれ切欠16cの端から挿入しやすいように中央に向かってテーパー状の傾斜している。
【0044】
電気集塵機22のケース220の両側面には、それぞれ取手223と脚部224が設けられている。取手223を掴むことで、電気集塵機22の出し入れ作業や持ち運びが容易となる。また、取手223の両端部と一対の脚部224とにより、ケース220の両側面を床面に直に接触させることなく載置することができる。なお、電気集塵機22の収納位置における底面部15上にも、電気集塵機22を両側方向に円滑に摺動させるためのスライドレールを設ければ、重量が重たい電気集塵機22でも出し入れ作業が容易となる。
【0045】
集塵手段20であるプレフィルター21や電気集塵機22は、それぞれ本体ケース11内における収納位置がそのまま側方に開口した開口部14を通じて出し入れ可能である。ここで開口部14は、集塵手段20のほか、送風手段30の全部または一部も出し入れ可能な大きさに形成されている。すなわち、開口部14には、プレフィルター21と電気集塵機22の収納位置の開口に加えて、送風手段30前の空き空間の開口も含まれており、後述するが送風手段30のファン32を外して出し入れすることができる。また、送風手段30全体を本体ケース11内に着脱可能に構成することで、送風手段30の収納空間における両側方の開口も開口部14として含めても良い。
【0046】
図7〜
図10に示すように、電気集塵機22に電力を供給するための給電部は、電気集塵機22における空気の流れの下流側に配置されている。電気集塵機22では、ケース220の前面開口が前記プレフィルター21に対向する上流側となり、ケース220の後面開口が送風手段30に対向する下流側となるが、給電部はケース220の後面開口に面して設けられている。給電部は、電気集塵機22側の電極接点24と、本体ケース11側の電極接点28とを備えてなる。各電極接点24,28は、互いに凹凸構造の嵌合によって密閉される状態で接触するように構成されている。
【0047】
すなわち、
図7に示すように、電気集塵機22のケース220で後面開口を囲む下端部と上端部には、それぞれ両側に並ぶ係合凹部23,23が一対ずつ形成されており、各係合凹部23の奥端面部に、それぞれ平板状の電極接点24が設けられている。ここで係合凹部23の両側は、奥端面部に向かって傾斜するテーパー面となっている。各電極接点24は、ステンレス等の金属や導電性プラステック等の導電性の材質で形成されている。
【0048】
一方、本体ケース11内にて、電気集塵機22の収納位置の後端を区画する前記ベース台15eの端面には、該端面と直交する方向へ出没可能な一対の係合凸部27,27が設けられている。また、図示省略したが、本体ケース11内にて吹出部13の内側付近にも、電気集塵機22の上側にある各電極接点24に対向配置される一対の係合凸部27,27を設けることが可能である。
【0049】
各係合凸部27は、
図10に示すように、本体ケース11内にて固定された支持ブラケット25に対して可動軸26を介して出没可能に支持されている。ここで各係合凸部27は、図示省略したバネ等の付勢手段によって、それぞれ突出する方向へ常時付勢されている。各係合凸部27の先端面部に、それぞれステンレス等の金属板を湾曲させた板バネ状の電極接点28が設けられている。ここで係合凸部27の両側は、先端面部に向かって傾斜するテーパー面となっている。また、電極接点28は、その板バネ自体の弾性によって、係合凸部27の出没方向と同方向へ変位可能となっている。
【0050】
電気集塵機22側の電極接点24と本体ケース11側の電極接点28との凹凸構造について、本実施の形態では、電気集塵機22側の電極接点24を凹状とし、本体ケース11側の電極接点28を凸状としたが、これは、凹凸構造の嵌合によって密閉される際に、より空気の流れから遮断しやすいためである。ただし、逆に態様として、電気集塵機22側の電極接点24を凸状とし、本体ケース11側の電極接点28を凹状としても良い。
【0051】
図11,
図12に示すように、本体ケース11の各開口部14の傍らにあるロック機構40は、スライドロック式のストッパーにより構成されている。各ロック機構40は、ベース台15c(
図5参照)の両端に固設されている。
図11(a)は、ロック機構40の拘束時の斜視図であり、
図11(b)は、ロック機構40の拘束時の装置全体の斜視図である。
図12(a)は、ロック機構40の拘束解除時の斜視図であり、
図12(b)は、ロック機構40の拘束解除時の装置全体の斜視図である。
【0052】
各ロック機構40は、集塵手段20であるプレフィルター21と電気集塵機22を、同時に本体ケース11内の収納位置に拘束(外れないように固定)するものである。本ロック機構40では、何れか一方の拘束解除により、該一方がある側の開口部14より、プレフィルター21と電気集塵機22(集塵手段20)を本体ケース11内に出し入れ可能となる。各ロック機構40は、本体ケース11内においてプレフィルター21の収納位置にあるベース台15c(
図5参照)の両端に固設されている。
【0053】
図11(a),
図12(a)に示すように、ロック機構40は、ケース状のプラケット41と、該プラケット41内に軸支され左右方向(軸方向)にスライドするロックピン42とから構成されている。ロックピン42の途中には、操作用のツマミ43が係合軸43aを介して一体に突設されている。プラケット41には、ロックピン42をスライドさせるためのツマミ43の操作に伴って、係合軸43aが移動可能に嵌合するための被係合溝41a〜41cが設けられている。
【0054】
図11(a),(b)に示すように、ロックピン42の一端がプラケット41より右側方へ突出した拘束状態では、ツマミ43の係合軸43aは、被係合溝41cの一端より上方へ突出している。かかる拘束状態にて、ロックピン42の一端は、電気集塵機22の手前に係合するため、電気集塵機22は、開口部14から取り出すことができず、また、ツマミ43はプレフィルター21の手前に係合するため、プレフィルター21も開口部14から取り出すことができない。
【0055】
拘束状態にあったツマミ43を、被係合溝41cの一端より他端へ動かすと、ロックピン42は左側へと軸方向へスライドし、ロックピン42の一端はプラケット41内に没入する。さらに、ツマミ43を、被係合溝41cの他端より手前へ倒すと、ロックピン42は軸心周りに回転し、ツマミ43の係合軸43aは、被係合溝41bを経て被係合溝41aの下端に嵌合して拘束解除状態となる。
【0056】
図12(a),(b)に示すように、ロックピン42の一端がプラケット41内に没入し、逆にロックピン42の他端がプラケット41より左側方へ突出した拘束解除状態では、ツマミ43の係合軸43aは、被係合溝41aの下端より前方へ突出している。かかる拘束状態にて、ロックピン42の一端は、電気集塵機22の手前から外れるため、電気集塵機22を開口部14から取り出すことができ、また、ツマミ43はプレフィルター21の手前から外れるため、プレフィルター21も開口部14から取り出すことができる。さらに、
図13にも示すように、ツマミ43は開口部14より手前へ突出するため、後述の側面パネル50等を装着することができない。
【0057】
また、
図1に示すように、本体ケース11内において、電気集塵機22の下流側は、前述した空き空間をおいて送風手段30が収納されている。送風手段30は、ファン32が回転することにより、本体ケース11の吸込部12から空気を取り入れて、プレフィルター21と電気集塵機22とを順に通過させた後、吹出部13等から外部へ送り出すものである。送風手段30は、箱状のハウジング31内に、送風用のファン32と、ファン32を回転させる電動モーター(図示せず)等を備え、ユニットとして構成されている。
【0058】
ファン32は、具体的には例えば、静圧が高く大風量のターボファンが採用されている。ターボファンは、その上流側に面する径方向内側から空気を渦巻き状に吸い込み、その全周に亘って径方向外側へ吐出するように構成されている。かかるファン32は、ハウジング31から取り外して前記各々開口部14より外部へ出し入れすることができる。ここでハウジング31は、本体ケース11内に原則として固定されているが、ネジ等を取り外すことで外部へ取り出すことができる。
【0059】
送風手段30のハウジング31は、その両側面が各開口部14と同一面上に連なっており、本体ケース11の側面を兼ねている。これにより、空気清浄装置10全体の軽量化を図ることができ、コスト低減も可能となる。
本体ケース11にて、ファン32の全周より吐出される清浄後の空気は、主に排気カバー130に覆われた吹出部13と、次述する側面パネル50に設けられた吹出口52から外部へ送出(メイン)され、また、屋根部19に設けられた吹出口13a,13bからも送出(サブ)されるように構成されている。
【0060】
送風手段30の排気側は、吹出部13と連通しているが、
図1に示すように、天井部16の内側にて、ファン32の外周が対向する箇所には、ハウジング31の上面開口と通気口18aを介して連通する排気空間18が設けられている。排気空間18の上側に位置する天井部16上の所定箇所には、上方へ所定高さだけ突出する屋根部19が設けられている。屋根部19の前後の端面には、それぞれ前記吹出部13とは別に空気の吹出口13a,13bが設けられている。かかる屋根部19および前後の吹出口13a,13bは、ハウジング31の上面開口から排出された空気の上方への流れを、なるべくターボファン軸方向(前後方向)へも変更するための経路変更部となっている。
【0061】
また、
図1において、本体ケース11における各開口部14は、前述したが通常時は保守カバー60で塞がれており、さらに保守カバー60の上から側面パネル50によって覆われている。保守カバー60は、開口部14の大きさにほぼ合致した矩形の板材からなり、本体ケース11の開口部14に対して工具なしで着脱可能に構成されている。すなわち、保守カバー60の下端縁には、開口部14の下端側にある係止溝に着脱可能に係止される差込片61が設けられている。また、保守カバー60の上側には、開口部14の上端側に対して着脱可能に固定できる周知のワンタッチ式のロック機構62が設けられている。
【0062】
側面パネル50は、開口部14に送風手段30のハウジング31の側面を合わせ、さらに前後の各カバー120,130の両側壁の一部も覆う大きさの平行四辺形の板材から形成されている。側面パネル50も、前記保守カバー60と同様に本体ケース11の開口部14に対して工具なしで着脱可能に構成されている。すなわち、側面パネル50の下端縁には、開口部14の下端側に着脱可能に係止される磁石等の係止手段が設けられている。また、側面パネル50の上端縁には、天井部16の側端縁に沿わせる係止片51が連結されていると共に、側面パネル50の上側には、開口部14の上端側に対して着脱可能に固定できる周知のワンタッチ式のロック機構(図示せず)を適宜採用すると良い。
【0063】
本実施の形態に係る側面パネル50は、開く際に本体ケース11から取り外せるものであるが、側面パネル50の一端縁など一部を本体ケース11に連結した状態で開閉可能に構成しても良い。いずれの構成にせよ、側面パネル50や保守カバー60を開く(取り外す)ことにより、集塵手段20であるプレフィルター21や電気集塵機22、それに送風手段30のファン32を本体ケース11内から外部へ取り出すことができるようになっている。
【0064】
また、側面パネル50の上端の一端側には、吹出部13や屋根部19の吹出口13a,13bとはまた別に、横長の吹出口52が開設されている。吹出口52には、下端縁を軸として上縁側が外側へ回動して開閉角度を調整可能なフラップ53が設けられており、空気の吹き出し方向をある程度調整することができるようになっている。
【0065】
次に、本空気清浄装置10の作用について説明する。
本空気清浄装置10は、
図15に示すように、パチンコ店において遊技機島1の上部に設置される。空気清浄装置10の設置時には、遊技機島1を特に改造する必要はなく、独立して提供される空気清浄装置10を既存の遊技機島1上に載せて取り付けるだけで済む。空気清浄装置10は、パチンコ店内における空気の循環方向等の環境設計に応じて、遊技機島1上の任意の箇所に設置することができる。
【0066】
空気清浄装置10の本体ケース11の向きは、その両側方にある各開口部14が、それぞれ遊技機島1の両側にある通路に面するように取り付ける。なお、遊技機2を壁面に沿って一列に並設した片側専用の遊技機島では、空気清浄装置10の設置に際して、本体ケース11の各開口部14を特に区別する必要はなく、パチンコ店内における環境設計のみを考慮して、どちらの開口部14であっても正面通路側を向くようにすれば足り、空気清浄装置10の設置の自由度は向上する。
【0067】
本体ケース11は立方体の箱状に形成されており、前面側に吸込部12が設けられ、前面側と相対向する後面側に吹出部13が設けられている。そして、本体ケース11の前後面と略直交する両側面に、それぞれ開口部14が設けられている。かかる構成によれば、本体ケース11の各面ごとに機能が明確に区別できて分かり易く、設置箇所にて配置する向きも容易に定めることができる。すなわち、本体ケース11の両側面(開口部14)を、通路側に向けるように配置すれば良く、後述する集塵手段20を出し入れする際の作業スペースを通路上に確保することができる。
【0068】
図15において、破線の矢印は、遊技機2の近傍から立ち上がるタバコの煙等を含む空気が、遊技機島1上に設置された空気清浄装置10に取り込まれる流れを表している。また、実線の矢印は、空気清浄装置10により浄化された空気が、外部へ排気される流れを表している。パチンコ店では喫煙可であることが多いため、タバコの煙等で空気が汚れがちとなるが、空気清浄装置10による空気の浄化によって、パチンコ店内を快適な環境に維持することができる。
【0069】
空気清浄装置10が作動すると、送風手段30のファン32が回転し、本体ケース11の吸込部12より外部の空気が取り込まれる。また、外部の空気は、吸込部12のほか、天井部16にある吸気口12aからも補助的に取り込まれる。本体ケース11内における空気の流れは、先ずプレフィルター21によって比較的大きな塵埃が捕集され、次いで電気集塵機22によって小さい塵埃も電気的に捕集され、ある程度の脱臭もなされる。このように浄化された空気は、吹出部13や側面パネル50にある吹出口52のほか、屋根部19の前後の吹出口13a,13bからも外部へ排出される。
【0070】
パチンコ店内では遊技者が遊技中に喫煙することも多く、このような環境下で使用する空気清浄装置10には、一般家庭用の空気清浄機以上に高い性能が要求される。かかる性能に関して、吸込部12の開口面積と、集塵手段20における空気吸込側正面の面積との具体的な関係も重要となる。前述したように、吸込部12の開口面積は、吸気カバー120にある各孔の面積の合計であり、空気吸込側正面の面積は、プレフィルター21の取付枠210の開口面積である。ここで吸込部12の開口面積が、取付枠210の開口面積に対して大きいほど、吸込部12における空気の吸引効率を高めることができる。
【0071】
図1からも分かるように、プレフィルター21の取付枠210の開口面積は、吸込部12の前面をなす吸気カバー120の正面壁の面積とほぼ等しい。よって、吸気カバー120の正面壁からプレフィルター21まで距離をあけて、吸気カバー120の両側壁も吸込部12に加えることで、吸気カバー120における孔以外の部分の面積を差し引いても、吸込部12の開口面積をプレフィルター21の開口面積よりも大きく設定することができる。
【0072】
言い換えれば、本体ケース11の前面だけでなく、側面の前端側の一部も吸込部12として形成することになる。これにより、吸込部12が、取付枠210の大きさに合致する本体ケース11の前面だけの場合に比べて、本体ケース11内に取り込む空気の風量を増加させることが可能となり、集塵機能を向上させることができる。
【0073】
仮に、本体ケース11の前面のみ吸込部として形成すると、プレフィルター21の正面に至る空気の流れは、取付枠210の中央寄りに偏りがちとなる。一方、本実施の形態の吸込部12のように、本体ケース11の前面のみならず、側面の前端側も前面と一続きの吸込部としたことで、取付枠210の両端付近にも空気を隈無く通過させることができる。これにより、プレフィルター21の全域を満遍なく活用することが可能となり、フィルター材211の汚れにムラが生じることも防ぐことができる。
【0074】
また、本実施の形態では、送風手段30のファン32としてターボファンを採用したため、他のファンと比較して吹き出し方向の制限が少なくなる。よって、送風手段30から排出された空気を、本体ケース11の後面側にある吹出部13だけでなく、屋根部19の前後の吹出口13a,13bより、本体ケース11の前後上方へ送り出したり、また、側面パネル50の吹出口52からも、本体ケース11の両側方へ送り出すことも可能となる。このように、ルーバー等の可動物によらず、空気を多方向へ吹き出すことが可能となり、故障のリスクも低減する。
【0075】
パチンコ店内のような環境下では、空気清浄装置10における集塵手段20の掃除や部品交換等の保守点検も高頻度で必要となる。
図14に示すように、本空気清浄装置10によれば、本体ケース11の相対向する2側方に面して開口部14があり、いずれの開口部14からでも本体ケース11内の集塵手段20を出し入れすることができる。ここで各開口部14は、本体ケース11の吸込部12や吹出部13とは別であり、これらの位置や大きさ等の設計仕様(条件)に制限されることなく、独立した開口として自由に設計することができる。また、集塵手段20は、吸込部12や吹出部13に対して干渉することなく、各開口部14から自由に出し入れすることができる。
【0076】
空気清浄装置10は遊技機島1上において、前述したように各開口部14がそれぞれ通路側を向くように配置される。これにより、空気清浄装置10に対して、どちらの通路側からでも開口部14に近づくことが可能となる。よって、空気清浄装置10に対する方向性を特に気にすることもなく、集塵手段20の取り出しが容易となり保守点検作業を効率良く行うことができる。そのため、空気清浄装置10における空気の流れ(風量)を常に最適な状態に保つことができ、集塵性能を維持できるだけでなく、ファン32の負荷も電力コストも低減でき、故障も未然に防止することができる。
【0077】
集塵手段20は、本実施の形態ではプレフィルター21と電気集塵機22であるが、それぞれユニットとして構成されている。これにより、各開口部14からのプレフィルター21や電気集塵機22の出し入れは、ユニットを単に本体ケース11に着脱(出し入れ)するように容易に行うことが可能となる。また、各開口部14からは、集塵手段20のほか、送風手段30のフィン32の部分だけを、ハウジング31から外して出し入れすることもできる。もちろん、送風手段30全体を、各開口部14から容易に出し入れできるようにしても構わない。
【0078】
本体ケース11における各開口部14は、通常時は保守カバー60で塞がれており、さらに保守カバー60の上から側面パネル50によって覆われている。これにより、本体ケース11内の集塵手段20を出し入れしない時は、開口部14を閉じて集塵手段20や送風手段30等の内部構成を隠蔽することができ、必要に応じて密閉状態に閉じられるように構成しても良い。
【0079】
保守カバー60は、その下端縁にある差込片61を開口部14の下端側に係止した状態でロック機構62により、工具等を用いることなく開口部14を塞ぐように容易に装着することができる。また、側面パネル50も、その上端縁にある係止片51を天井部16の側端縁に沿わせた状態でロック機構(図示せず)により、工具等を用いることなく開口部14を含む側面を覆うように容易に装着することができる。
【0080】
本実施の形態に係る側面パネル50は、開く際に本体ケース11から取り外せるものであるが、側面パネル50の一端縁など一部を本体ケース11に連結した状態で開閉可能に構成しても良い。いずれの構成にせよ、側面パネル50や保守カバー60を開く(取り外す)ことにより、集塵手段20であるプレフィルター21や電気集塵機22、それに送風手段30のファン32を本体ケース11内から外部へ取り出すことができる。
【0081】
また、側面パネル50は、本体ケース11の外郭の主要部をなしており、開口部14を塞ぐだけでなく装飾性も兼ね備えることで、空気清浄装置10の外観の意匠性を高めることができる。すなわち、側面パネル50の形状のほか、外表面の模様や材質等を工夫すると良い。側面パネル50の材質に関しては、単位当たりの重量が本体ケース11を構成する材質よりも軽量なものを採用することで、空気清浄装置10全体の軽量化のみならず、着脱する際の作業性を向上させることができる。
【0082】
本体ケース11内にて、プレフィルター21や電気集塵機22は、それぞれの収納位置に収められるが、各開口部14の傍らにあるロック機構40によって、不用意に動かぬように固定される。ここで各ロック機構40は、何れか一方の拘束解除により、該一方がある側の開口部14からプレフィルター21や電気集塵機22を本体ケース11内に出し入れ可能となる。よって、他方の開口部14側のロック機構40は操作することなく、一方の開口部14側のロック機構40の操作だけで、集塵手段20を出し入れする側の開口部14から拘束ないし拘束解除することができる。
【0083】
かかるロック機構40により、プレフィルター21や電気集塵機22は、本体ケース11内のそれぞれの収納位置に確実に保持することができ、また容易に取り外すことも可能となり、集塵手段20を出し入れする際の安全性が向上する。特に、本実施の形態に係るロック機構40によれば、プレフィルター21や電気集塵機22を、それぞれ一連の動作で同時に拘束ないし拘束解除することを可能とする。このようなロック機構40は、スライドロック式のストッパーからなり、簡易な構成であり動力も必要とせず、容易に手動で操作することができる。
【0084】
図11(a),(b)に示すように、ロック機構40が拘束状態にある時、ロックピン42の一端は、プラケット41より右側方へ突出して、電気集塵機22の手前に係合しており、電気集塵機22を開口部14から取り出すことができない。また、ツマミ43は、プラケット41の被係合溝41cの一端より上方へ突出して、プレフィルター21の手前に係合しており、プレフィルター21も開口部14から取り出すことができない。
【0085】
電気集塵機22等を本体ケース11内に出し入れする際は、ツマミ43を被係合溝41cの一端より他端へ動かして、ロックピン42を左側へ軸方向にスライドさせてプラケット41内に一端を没入させる。さらに、
図12(a),(b)に示すように、ツマミ43を被係合溝41cの他端より手前へ倒すと、被係合溝41bを経て被係合溝41aの下端まで移動する。これにより、プレフィルター21と電気集塵機22の拘束を、ツマミ43の一連の操作のみで同時に解除することができる。さらに、ロック機構40が拘束解除状態にあるときは、前述したように、ツマミ43が開口部14より手前へ突出するため、保守カバー60や側面パネル50を装着することができない。
【0086】
パチンコ店のように、喫煙者の割合が比較的多く環境負荷が大きい場合には、電気集塵機22にも汚れが付着しやすい。電気集塵機22に電力を供給する給電部の電極接点24,28に汚れが付着すると、高電圧が汚れを伝い放電する現象(リーク)が発生して問題となる。かかる課題を解決するためには、電極接点24,28へ汚れが付着することを極力防止することが重要となる。
【0087】
そこで、本空気清浄装置10では、給電部を構成する電気集塵機22側の電極接点24と本体ケース11側の電極接点28とを、電気集塵機22における空気の流れの下流側、すなわちケース220の後面開口に面するように配置している。これにより、電極接点24,28に対する汚れの付着を極力防止することができ、前記リークによる漏電も防止できるだけでなく、電極接点24,28の清掃時間も削減することができ、給電部のメンテナンス性が向上する。
【0088】
図9および
図10に示すように、各電極接点24,28は、互いに係合凹部23と係合凸部27との凹凸構造の嵌合によって密閉される状態で接触する。これにより、各電極接点24,28以外の接触面積を増やすことで密閉効果が高まり、各電極接点24,28は、位置ずれすることもなく確実に接触させることができる。また、各電極接点24,28は接触した状態では外部に露出しないため、汚れの侵入を防ぐことができる。
【0089】
電気集塵機22が本体ケース11内に収納されている際、本体ケース11側の係合凸部27は、集塵ユニット側の係合凹部23に嵌合している。この時、係合凸部27にある電極接点28と係合凹部23にある電極接点24とは互いに接触した状態となる。かかる状態から、電気集塵機22を本体ケース11内から取り外し始めると、電気集塵機22の係合凹部23は、本体ケース11の係合凸部27に係合する位置から側方へ移動しながら外れる。
【0090】
逆に、電気集塵機22を取り外した状態から、本体ケース11内に収納し始めると、本体ケース11側の係合凸部27は、電気集塵機22のケース220の隅に押されて凹み、係合凹部23が合致する位置まで移動してくると、係合凸部27は係合凹部23に嵌合する。これにより、係合凸部27にある電極接点28は、係合凹部23にある電極接点28に接触した状態となる。なお、電気集塵機22の収納に際しては、反対側の開口部14にあるロック機構40によって、各電極接点24,28が接触する状態に位置決めされる。
【0091】
以上に説明した本実施の形態からは、本発明とは別に次の発明概念も導かれる。
前記集塵手段20は、前記本体ケース11内にて前記吸込部12に対向して配置され、外部からの空気を始めに通過させて塵埃を捕集するプレフィルター21と、該プレフィルター21の下流側に配置され、該プレフィルター21を通過した塵埃に電荷を与えて捕集する電気集塵機22と、を少なくとも含み、
前記本体ケース11内には、前記プレフィルター21および前記電気集塵機22をそれぞれ配置する収納位置が予め設定されていることを特徴とする空気清浄装置10。
【0092】
また、次のような別の発明概念も導かれる。
前記吸込部12の正面は、前記本体ケース11内の集塵手段20における空気吸込側正面より離隔して配され、
前記吸込部12は、本体ケース11の前面をなす正面壁に加えて、該正面壁の両側に連なり本体ケース11の両側面の前端側をなす両側壁を備え、
前記吸込部12の正面壁および両側壁には、連続して配列する多数の孔が設けられていることを特徴とする空気清浄装置10。
【0093】
かかる本発明概念に従属する発明概念は、次のように表される。
前記吸込部12における開口面積は、少なくとも前記集塵手段20における空気吸込側正面の開口面積と同等以上に設定されていることを特徴とする空気清浄装置10。
ここで集塵手段20における空気吸込側正面の開口面積とは、具体的にはプレフィルター21の取付枠210の開口面積に相当する。
【0094】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。例えば、空気清浄装置10は、パチンコ店での利用に限らず他の遊技施設に利用したり、他の様々な屋内施設においても使用することができる。また、本体ケース11は略立方体の箱状に限られず、相対向する2側方に面する外壁があれば、他に例えば、多角形や円筒形状であっても良い。
【0095】
また、集塵手段20の構成も一例に過ぎず、プレフィルター21や電気集塵機22に加えて、脱臭フィルターや光触媒ユニット、マイナスイオン発生機を付加すれば、脱臭フィルターや光触媒ユニットによりさらなる脱臭処理や除菌処理を行うことができ、マイナスイオン発生機によりマイナスイオン付加処理を行うことができ、空気の脱臭・除菌効果を高めることができる。ここで、集塵手段20を構成することになる脱臭フィルターや光触媒ユニット、マイナスイオン発生機についても、それぞれ前記各開口部14から出し入れ可能に構成することは言うまでもない。