【実施例】
【0142】
略語:BCC(分枝状キメラ化合物);CC(キメラ化合物);HEG(ヘキサエチレングリコール);LCC(線状キメラ化合物);MWCO(分子量カットオフ);PEG(ポリエチレングリコール);PN(ポリヌクレオチド);Sp(スペーサー);TFF(タンジェンシャルフロー濾過)。
【0143】
本開示は、明確さおよび理解の目的で例示および実施例によっていくらか詳細に記載されているが、ある特定の変更および改変を実践することができることが当業者に明らかとなるであろう。したがって、以下の合成および生物学的実施例は、添付の特許請求の範囲によって描写される本開示の射程を限定すると解釈されるべきでない。
【0144】
合成実施例
(実施例S1)
ポリヌクレオチドおよびキメラ化合物の構造。
表S1−1は、実施例で参照されるポリヌクレオチド(PN)およびキメラ化合物(CC)の構造を示す。ポリヌクレオチドおよびキメラ化合物中のヌクレオチドは、2’−デオキシリボポリヌクレオチドである。HEGは、ヘキサエチレングリコールスペーサー部分である。他のスペーサーは、明細書および図に記載されている。表S1−1または特定の実施例に述べられている場合を除いて、すべてのヌクレオチド間連結および核酸部分とスペーサー部分との間の連結は、ホスホロチオエートエステル連結である。表S1−1は、CC(例えば、D56−02、D56−03、D56−07、D56−08、D56−10、D56−11)であって、これらの分子を分枝状担体部分(例えば、[マレイミド−PEGn]y−FICOLL)と連結して分枝状CCを創製するのに使用されるエンド連結基(例えば、−(CH2)6−SS−(CH2)6−OH、−(CH2)6−SH、−(CH2)3SS−(CH2)3−OH、−(CH2)3SH、HO(CH2)6−SS−(CH2)6−、およびHS(CH2)6−)を有するCCも示す。これらの連結基は、ホスホロチオエート連結で末端ヌクレオチドまたはスペーサー部分を介してポリヌクレオチドまたはCCに接続されている。分枝状CC(例えば、[(D56−01)−PEGn]x−FICOLL)は、コンジュゲーションストラテジーによって調製され、実施例に記載した連結基を有する。
【表S1-1】
【0145】
(実施例S2)
ポリヌクレオチド(PN)およびキメラ化合物(CC)の合成。
ポリヌクレオチドは、製造者のプロトコールに従って酸化的硫化を用いてホスホラミジット化学反応を使用して固相合成によって製造し、精製および単離した(Molecules、2013年、18巻、14268〜14284頁)。使用したヌクレオシドモノマーは、5’−ジメトキシトリチル−保護−2’−デオキシヌクレオシド、3’−((2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル))−ホスホラミジットであった。CCについては、HEGスペーサーを、18−O−ジメトキシトリチルヘキサエチレングリコール,1−((2−シアノエチル)−(N,N−イソプロピル))−ホスホラミジット(例えば、Glen Research、Sterling、VA製Space Phorphoramidite 18)を使用して組み込んだ。D56−11については、5’−C6−ジスルフィドリンカーを、1−O−ジメトキシトリチル−ヘキシル−ジスルフィド−1’−((2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル))−ホスホラミジット(例えば、Glen Research、Sterling、VA製Thiol−Modifier C6 S−S)を使用して組み込んだ。D56−07については、3’−C3−ジスルフィドリンカーを、1−O−ジメトキシトリチル−プロピル−ジスルフィド,1’−スクシニル−固体支持体(例えば、Glen Research、Sterling、VA製3’−Thiol−Modifier C3 S−S CPG)を使用して組み込んだ。D56−02については、3’−C6−ジスルフィドリンカーを、1−O−ジメトキシトリチル−ヘキシル−ジスルフィド,1’−スクシニル−固体支持体(例えば、Glen Research、Sterling、VA製3’−Thiol−Modifier C6 S−S CPG、またはPrime Synthesisからの特注として)を使用して組み込んだ。
【0146】
PNおよびCCは、所望の順序でヌクレオチドモノマー、HEGスペーサー、およびリンカーを付加するようにプログラムされた固相シンセサイザーで合成し、合成は、3’から5’方向に行った。3’−ヌクレオシドまたはリンカー基(例えば、3’−Thiol−Modifier C6 S−S CPG)を固体支持体に付着させた。合成サイクルは、酸(例えば、トルエン中のジクロロ酢酸)を使用する脱トリチル化ステップ、ホスホラミジットモノマー+弱酸性アクチベーター(例えば、サッカリン1−メチルイミダゾール)を使用するカップリングステップ、酸化的硫化ステップ(例えば、ピリジン中の0.2Mキサンタンヒドリド)、および未反応基のキャッピングステップ(例えば、イソ酪酸無水物およびN−メチルイミダゾール)からなっていた。合成サイクルを、PNおよびCC配列が完全にアセンブルされるまで繰り返した。保護されたPNおよびCCを固体支持体から切断および脱保護した(例えば、アセトニトリル中の20% t−ブチルアミンを使用してシアノエチルホスフェート保護基を除去し、その後、濃アンモニア水で処置して支持体からPNまたはCCを切断し、得られた溶液を周囲温度で72時間保持してヌクレオチド上の保護基を除去した)。ポリヌクレオチドを、陰イオン交換クロマトグラフィーを使用して精製し、タンジェンシャルフロー濾過(TFF)システムを使用して限外濾過/ダイアフィルトレーションによって脱塩し、凍結乾燥した。PNおよびCCを凍結乾燥固体として冷凍貯蔵する。
【0147】
D56−02を10mmolスケールで製造した。外観は、白色粉末であり、判明した分子量は、7780(理論7785Da)であり、逆相HPLCによる純度は、85%であり、イオン交換HPLCによる純度は、86%であった。
【0148】
Alexa Fluor(登録商標)555−(D56−01)(蛍光標識D56−01とも呼ばれる)は、TriLink Biotechnologies(San Diego、CA)によって調製された。Alexa Fluor(登録商標)ブランド蛍光色素は、Molecular Probes,Inc.(Eugene、OR)によって販売されている。
【0149】
(実施例S3)
D56−05([(D56−01)−PEG
6]
x−FICOLLとも呼ばれる)の製造。
D56−05([(D56−01)−PEG6]x−FICOLLとも呼ばれる)製造スキームは、
図1に示した通り、3段階で構成される。FICOLLへの他のPNまたはCCコンジュゲートは、PNもしくはCC配列、PNもしくはCCへのチオールリンカー、および/またはアミン架橋剤へのチオールを変更することによって、同じ製造経路により調製することができる。
【0150】
段階1では、FICOLLをいくつかのステップで修飾して反応性マレイミド基を含め、[マレイミド−PEG6]y−FICOLLを得る。段階2では、D56−02((D56−01)−3’−SSとも呼ばれる)中のジスルフィドを還元してチオールにし、D56−03((D56−01)−3’−SHとも呼ばれる)を形成する。段階3では、[マレイミド−PEG6]y−FICOLLおよびD56−03を反応させてD56−05([(D56−01)−PEG6]x−FICOLLとも呼ばれる)を形成する。精製は、プロセス中の各ステップで行う。最終D56−05溶液を滅菌濾過し、特徴付ける。D56−05溶液を−60℃未満で貯蔵する。
【0151】
図2は、FICOLL中間体のカルボキシメチル化(CM)−FICOLL、アミノエチルカルバミルメチル化(aminoethylcarbamylmethylated)[AECM]z−FICOLL、および[マレイミド(Mal)−PEG6]y−FICOLL、ならびに最終生成物の[(D56−01)−PEG6]x−FICOLLとも呼ばれるD56−05を製造するためのプロセスを概説する。
【0152】
I.FICOLL PM400の組成物。FICOLL PM400(FICOLL400)は、ナノ粒子の懸濁液として存在する、400,000+/−100,000の報告された分子量を有するスクロースの合成、中性、高度分枝状ポリマーである。これは、スクロースをエピクロロヒドリンと共重合することによって形成される。FICOLL PM400は、GE Healthcare(Pittsburgh、PA)から噴霧乾燥粉末として購入した。
【0153】
II.段階1、ステップ1:カルボキシメチル化−FICOLL(CM−FICOLL)の調製
【0154】
CM−FICOLLは、標準的な脱塩手順(例えば、5kDa分子量カットオフ(MWCO)膜を使用する透析)を使用する代わりに、100kDa MWCO膜を用いたタンジェンシャルフロー分画(TFF)を使用する精製を実施したことを除いて、Inman、J. Immunology、1975年、114巻:704〜709頁の方法によってFICOLL PM400から調製した。TFF精製は、標準的な脱塩手順と同様に低分子および過剰の試薬を除去した。
【0155】
CM−FICOLLを、塩基性条件下でFICOLL PM400をクロロ酢酸ナトリウムと反応させることによって生成する。反応スキームを
図3に示す。FICOLL PM400(13g)の溶液をMilli−Q脱イオン水中130mg/mLで調製した。溶液を40℃循環水浴に接続されたジャケット付き反応器に40〜45分間移した。このFICOLL溶液に、2.7Mクロロ酢酸ナトリウム溶液92.5mL、10N水酸化ナトリウム溶液50mL、およびMilli−Q脱イオン水7.5mLを添加した。反応は、撹拌しながら40℃で2.5時間進行させた。次いで、反応溶液を冷却したガラス瓶に移し、氷上に置いた。その直後、2Mリン酸ナトリウム緩衝液pH4 10mLを反応溶液に添加し、pHを、20%クロロ酢酸溶液を添加することによって7.0に調整した。粗製CM−FICOLLを、精製の準備ができるまで低温(氷上)に保った。粗製CM−FICOLLを、100kDa MWCOを有するタンジェンシャルフロー分画(TFF)膜を伴ったシステムセットアップを使用してダイアフィルトレーションによって精製した。粗製CM−FICOLLを、合計およそ15〜18体積交換について、0.2M水性塩化ナトリウムに対してダイアフィルトレーションした。各透過液ダイアボリュームの吸光度を215nmで測定し、透過液の吸光度が0.1AUに到達したとき、ダイアフィルトレーションを停止した。精製したCM−FICOLL溶液を約30mg/mLに濃縮し、−80℃で貯蔵した。それぞれFICOLL PM400 13gから開始して、3ロットのCM−FICOLLをこのプロセスによって調製した。CM−FICOLLの収量は、6.7g、7.1g、および7.7gであった。
【0156】
III.段階1、ステップ2:N−(2−アミノエチル)カルバミルメチル化−FICOLL([AECM]
z−FICOLLとも呼ばれる)の調製。[AECM]
z−FICOLLは、標準的な脱塩手順(例えば、5kDa分子量カットオフ(MWCO)膜を使用する透析)を使用する代わりに、100kDa MWCO膜を用いたタンジェンシャルフロー分画(TFF)を使用する精製を実施したことを除いて(セクションBでCM−FICOLLについて記載したように)、Inman(J. Immunology、1975年、114巻:704〜709頁)の方法によってCM−FICOLLから調製した。
【0157】
[AECM]
z−FICOLLを、CM−FICOLLを大過剰のエチレンジアミン、および水溶性カルボジイミドと反応させることによって生成する。反応スキームを
図4に示す。CM−FICOLL溶液(0.2M水性塩化ナトリウム中約30mg/mL)を22℃循環水浴に接続されたジャケット付き反応器に20〜30分間移した。このCM−FICOLL溶液に、エチレンジアミン二塩酸塩(FICOLL当たりおよそ13800モル当量)を添加し、完全に溶解させた。溶液のpHを1N水性水酸化ナトリウムで4.7に調整した。次いで、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC−HCl、FICOLL当たりおよそ835モル当量)を撹拌しながら10分の期間にわたって混合物に添加した。溶液のpHを点検し、必要であれば、1N水性水酸化ナトリウムまたは1N水性塩化水素で4.7に調整した。反応は、22℃で3.5時間進行させ、この時間中に、必要に応じてpHを4.7に調整した。粗製[AECM]
z−FICOLLを、100kDa MWCOを有するタンジェンシャルフロー分画(TFF)膜を伴ったシステムセットアップを使用してダイアフィルトレーションによって精製した。粗製[AECM]
z−FICOLLを、合計およそ15〜20体積交換について、100mMリン酸ナトリウムおよび150mM塩化ナトリウム、pH7.5 緩衝液に対してダイアフィルトレーションした。各透過液ダイアボリュームの吸光度を215nmで測定し、透過液の吸光度が0.1AUに到達したとき、ダイアフィルトレーションを停止した。精製した[AECM]
z−FICOLL溶液を約33mg/mLに濃縮し、0.22μm孔サイズフィルターを使用して濾過し、アリコートし、−80℃で貯蔵した。CM−FICOLL6.5g、7.0g、および7.5gから開始して、3ロットの[AECM]
z−FICOLLをこのプロセスによって調製した。[AECM]
z−FICOLLの収量は、それぞれ5.4g、5.9g、および6.9gであった。実施例S4および実施例S5に記載の手順を使用して判定したアミンとFICOLLのモル比(z)は、それぞれ221、218、および224であった。
【0158】
IV.SM−PEG
6ヘテロ二官能性リンカーの組成物。SM−PEG
6(スクシンイミジル−((N−マレイミドプロピオンアミドール)−ヘキサエチレングリコール(hexethyleneglycol))エステル)は、Thermo Scientific(カタログ#22105 Rockford、IL)から得た。SM−PEG
6は、6エチレングリコール単位の親水性ポリエチレングリコール(PEG)スペーサーアームを含有する、601.6の分子量を有するアミン−スルフヒドリル架橋剤である。スペーサーアーム長は、約32オングストロームである。SM−PEG
nの一般的な化学構造を
図5に示す。SM−PEG
6について、n=6であり、使用した化合物の構造は、
図5Aに示した通りであった。実施例S13におけるD56−25、D56−26、およびD56−27の調製について、それぞれ、n=24、45、および70のSM−PEG
nを使用した。
【0159】
V.段階1、ステップ3:SM−PEG
6を使用する[マレイミド−PEG
6]
y−FICOLLの調製。[マレイミド−PEG
6]
y−FICOLLを、[AECM]
z−FICOLLのSM−PEG
6との反応によって調製した。反応スキームを
図6に示す。[AECM]
z−FICOLL溶液(100mMリン酸ナトリウムおよび150mM塩化ナトリウム、pH7.5 緩衝液中20mg/mL、アミンとFICOLLのモル比(z)=218〜224)を、撹拌バーを含有するプラスチック瓶に移した。別個のガラスバイアルにおいて、SM−PEG
6をジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解させて100mg/mLの最終濃度の溶液にした。SM−PEG
6溶液(アミン当たり5当量)を、撹拌しながら[AECM]
z−FICOLLに徐々に添加した。反応瓶を25℃の乾燥空気インキュベーターに移し、反応を穏やかに撹拌しながら40分間進行させた。次いで反応瓶を室温(22〜24℃)に移した。
【0160】
FICOLL上の未反応アミンを、スルホ−N−ヒドロキシスクシンイミジル−アセテート(Su−NHS−Ac、Thermo Scientific、Rockford、IL)を使用してキャッピングした。Su−NHS−Acをガラスバイアル中のDMSOに溶解させて100mg/mLの濃度にした。Su−NHS−Ac溶液(アミン当たり5当量)を[マレイミド−PEG6]y−FICOLL溶液に添加し、室温で15分間撹拌した。このキャッピング反応は、FICOLL上の未反応アミンをアセトアミドに変換し、それは、得られるFICOLL生成物の物理化学的性質にとって重要であり得る。
【0161】
未反応SM−PEG6およびSu−NHS−Acをグリシンでクエンチした。グリシンを100mMリン酸ナトリウムおよび150mM塩化ナトリウム、pH7.5 緩衝液に溶解させて100mg/mLの濃度にし、溶液を0.22μm孔サイズフィルターを使用して濾過した。グリシン溶液(SM−PEG6およびSu−NHS−Acの合計当たり10当量)を[マレイミド−PEG6]y−FICOLL溶液に添加し、室温で15分間撹拌した。
【0162】
[マレイミド−PEG6]y−FICOLL粗調製物を精製の準備ができるまで低温(湿った氷上)に保ち、精製をコンジュゲーション反応と同じ日に実施した。粗製[マレイミド−PEG6]y−FICOLLを、100kDa MWCOを有するタンジェンシャルフロー分画(TFF)膜を伴ったシステムセットアップを使用してダイアフィルトレーションによって精製した。粗製[マレイミド−PEG6]y−FICOLLを、100mMリン酸ナトリウム、150mM塩化ナトリウム、pH7.5 緩衝液を使用して約5.8mg/mLに希釈し、合計およそ24〜29体積交換について、100mMリン酸ナトリウム、150mM塩化ナトリウム、pH7.5 緩衝液に対してダイアフィルトレーションした。各透過液ダイアボリュームの吸光度を215nmで測定し、透過液の吸光度が0.1AUに到達したとき、ダイアフィルトレーションを停止した。精製した[マレイミド−PEG6]y−FICOLLを滅菌ポリプロピレンバイアル中にアリコートし、−80℃で貯蔵した。濃度は、約5.3mg/mLであった。2つの最大スケール反応(パイロットロット4および5)について、[AECM]z−FICOLL 655mgおよび1900mgを使用し、精製した[マレイミド−PEG6]y−FICOLL 444mgおよび1288mgを単離した。
【0163】
[マレイミド−PEG
6]
y−FICOLLのマレイミドとFICOLLのモル比(y)は、実施例S4および実施例S6に概説した手順によって判定した。表S3−1は、3つの異なるロットの[AECM]
z−FICOLL、2つの異なるロットのSM−PEG
6リンカー、および2つの異なるスケールの生成を使用して生成した[マレイミド−PEG
6]
y−FICOLLの一貫性を示す。指定範囲のマレイミド:FICOLLモル比(y約162〜221)を有する[マレイミド−PEG
6]
y−FICOLLの生成は、以下の試薬およびプロセスパラメータの制御を必要とする:1)約218〜224のアミン:FICOLLモル比(z)での[AECM]
z−FICOLLの調製、2)高度に純粋なSM−PEG
6リンカーを有すること、ならびに3)試薬濃度、化学量論比、イオン強度、pH、時間、および温度について規定された反応条件。
【表S3-1】
【0164】
[マレイミド−PEG
6]
y−FICOLLパイロットロット4および5の純度を、表S3−2に示したパラメータを使用してサイズ排除クロマトグラフィー−高速液体クロマトグラフィー(SEC−HPLC)によって査定した。粗製および精製パイロットロット4および5のクロマトグラムを
図7に示す。精製パイロットロット4および5は、それぞれ100%および99.6%純粋であった。
【表S3-2】
【0165】
SM−PEG6リンカーを使用して製造した[マレイミド−PEG6]y−FICOLLは、米国特許第8,597,665号で以前に記載されたスルホスクシンイミジル4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート(スルホ−SMCC)リンカーを使用して製造した[マレイミド−MC]y−FICOLLより、水性緩衝液中で有意に可溶性であった。スルホ−SMCCリンカーは、疎水性メチルシクロヘキシル(MC)連結基をもたらし、それは、[マレイミド−MC]y−FICOLLを冷凍/解凍サイクル(複数可)後に水性緩衝液中でオイルアウトおよび/または沈殿させ、チオール活性化ポリヌクレオチド(PN)またはキメラ化合物(CC)との信頼できない反応をもたらす。[マレイミド−PEG6]y−FICOLLまたは[マレイミド−MC]y−FICOLLが、これらが調製された日に使用されない場合、これらは、マレイミド基が活性なままであるように冷凍して貯蔵されなければならない。[マレイミド−MC]y−FICOLLの異種混合物は、これらの芳しくない安定性に起因してD56−03((D56−01)−3’−SHとも呼ばれる)とのコンジュゲーション反応において使用しなかった。[マレイミド−MC]y−FICOLLの合成については実施例S14を参照。
【0166】
F.段階2、ステップ1:D56−03((D56−01)−3’−SHとも呼ばれる)の調製。D56−03(チオール)は、D56−02(ジスルフィド)の過剰のトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩(TCEP)との反応によって調製した。反応スキームを
図8に示す。生成の日に、D56−02((D56−01)−3’−SSとも呼ばれる)をフリーザーから取り出し、瓶を開ける前に少なくとも1〜2時間にわたって室温に平衡化させて、吸湿性凍結乾燥固体中への水分取込みを最小限にした。D56−02を活性化緩衝液(100mMリン酸ナトリウム、150mM塩化ナトリウム、1mMエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、pH7.5)に溶解させて約56mg/mLの名目上の濃度にした。溶液の実際の濃度は、22.65mg/mL−1cm−1の吸光係数を使用して260nmの吸光度によって判定した。濃度を活性化緩衝液でおよそ25mg/mlに調整し、260nmの吸光度によって検証した。
【0167】
TCEP−HClは、Thermo Scientific(カタログ#20490、Rockford、IL)から得た。生成の日に、TCEP−HClを活性化緩衝液に溶解させて48±1mg/mLの濃度にした。TCEP溶液を周囲研究室温度に保ち、3時間以内に使用した。
【0168】
D56−02溶液に、TCEP溶液(5当量)を撹拌しながら室温で添加した。反応器を40±2℃の水浴に移し、還元ステップを120±10分間進行させた。得られた粗製D56−03溶液を約10〜15分間室温に冷却させた後、精製した。この反応は、パイロットロット4についてD56−02 989mgに対して実施し、パイロットロット5についてD56−02 1814mgおよび1836mgに対して2つのパートで実施した。
【0169】
D56−03の精製は、製造者の推奨手順に従ってXK50/30カラム(GE Healthcare)に充填したSephadex G−25 Fine(カタログ#17−0032、GE Healthcare、Pittsburgh、PA)を使用してゲル濾過によって実現した。G25脱塩クロマトグラフィーカラムは、AKTAピュリファイヤークロマトグラフィーシステム(GE Healthcare、以前にAmersham Pharmacia Biotech)によって制御した。粗製D56−03溶液を15〜16%の試料体積とカラム容積の比でG25カラムにロードした。移動相は、30cm/時間の流量でカラムに施した。カラムからの溶離液を215nmおよび260nmで監視し、試料収集は、溶離液吸光度がおよそ100mAUより上に上昇したとき開始した。カラムにロードした試料体積の約1.6〜1.7倍の全体積を収集した。精製したD56−03溶液をアリコートし、−80℃で貯蔵した。パイロットロット4および5の精製の詳細を表S3−3に詳述する。
【表S3-3】
【0170】
D56−03の純度は、表S3−2に概説した手順を使用してSEC−HPLCによって判定したところ、パイロットロット4および5について100%であった(
図9)。パイロットロット4および5について、D56−03 802mgおよび2904mgをそれぞれ単離した。
【0171】
G.段階3、ステップ1:D56−05([(D56−01)−PEG
6]
x−FICOLLとも呼ばれる)の調製。D56−05は、[マレイミド−PEG
6]
y−FICOLLのD56−03((D56−01)−3’−SHとも呼ばれる)との反応によって調製した。反応スキームを
図10に示す。
【0172】
[マレイミド−PEG
6]
y−FICOLLおよびD56−03はともに反応性であり、注意して取り扱わなければならない。両材料は、−80℃で冷凍貯蔵し、使用直前に4℃の水浴中で数時間解凍した。[マレイミド−PEG
6]
y−FICOLL溶液(約5.3mg/mL、マレイミド:FICOLLモル比(y)=206〜221)を、撹拌バーを含有するプラスチック瓶に移した。この溶液に、D56−03の溶液(約11.5mg/mL、マレイミド当たり0.64〜0.69当量、FICOLL当たり141当量)を撹拌しながら添加した。反応器中の体積を、5mg/mLの最終D56−03濃度を得るために100mMリン酸ナトリウム、150mM塩化ナトリウム、pH7.5で調整した。次いでコンジュゲーション反応物を25℃の乾燥空気インキュベーターに移し、反応を穏やかに撹拌しながら1時間進行させた。パイロットロット4について、[マレイミド−PEG
6]
y−FICOLL 218mgおよびD56−03 600mgを使用した。パイロットロット5について、[マレイミド−PEG
6]
y−FICOLL 874mgおよびD56−03 2400mgを使用した。
【0173】
FICOLL上の未反応マレイミド基を、100mMリン酸ナトリウム、150mM塩化ナトリウム、pH7.5 緩衝液中のシステインの100mg/mL溶液(マレイミド当たり10当量)を使用して室温で15分間キャッピングした。次いで粗製[(D56−01)−PEG
6]
x−FICOLLを低温室(2〜8℃)に移し、一晩貯蔵した。このキャッピング反応は、FICOLLにシステインを導入し(硫黄による共有結合(covalent bond)を介して)、D56−05([(D56−01)−PEG
6]
x−FICOLLとも呼ばれる)生成物の物理化学的性質にとって重要であり得る。
【0174】
D56−05の精製は、表S3−4に記載した通り、ダイアフィルトレーションによって実施した。粗製D56−05の体積を10mMリン酸ナトリウム、142mM塩化ナトリウム、pH7.2 緩衝液で調整した。各ダイアボリューム(フィードリザーバー中の出発試料体積に等しい透過液の体積)で、透過液の試料を採取して215nmの吸光度を判定した。ダイアフィルトレーションは、透過液吸光度が0.05AU未満に下がったとき終了した。ダイアフィルトレーションを完了した際、D56−05試料をTFFシステムから回収し、0.22μmフィルターを使用して滅菌濾過した。D56−05をアリコートし、−60℃未満で貯蔵した。D56−05パイロットロットを特徴付け、結果を実施例S9に提供する。
【表S3-4】
【0175】
(実施例S4)
FICOLL含有中間体および生成物中のFICOLL濃度を判定する手順。
FICOLL含有中間体および生成物のFICOLL濃度は、FICOLL PM400を、アッセイの検量線を作成するのに使用したことを除いて、製造者のプロトコールに従ってPierce Glycoprotein Carbohydrate Estimation Kit(製品#23260、Thermo Scientific、Rockford、IL)を使用して判定した。
【0176】
(実施例S5)
[AECM]
z−FICOLL溶液中のアミン濃度およびアミン:FICOLLモル比(z)を判定する手順。
[AECM]
z−FICOLLのアミン濃度は、製造者のプロトコールに従ってPierce Fluoraldehyde OPA Reagent Solution(製品#26025、Thermo Scientific、Rockford、IL)を使用して判定した。グリシンを使用してアッセイの検量線を作成した。アミン:FICOLLモル比(z)は、アミン濃度をFICOLL濃度で除すことによって計算し、ここでFICOLL濃度は、実施例S4に記載した通りに判定し、濃度は、モル濃度の単位でのものであった。
【0177】
(実施例S6)
[マレイミド]
y−FICOLL溶液中のマレイミド濃度およびマレイミド:FICOLLモル比(y)を判定する手順。
[マレイミド−PEG
6]
y−FICOLLおよび[マレイミド−MC]
y−FICOLLのマレイミド濃度は、エルマン試薬(5,5’−ジチオ−ビス−(2−ニトロ安息香酸)、製品番号22582、Thermo Scientific、Rockford、IL)を使用して判定した。[マレイミド]
y−FICOLLを製造者のプロトコールに従って過剰のシステインと反応させ、残っているシステインをシステイン検量線を使用して定量化した。マレイミド濃度は、初期システイン濃度から残っているシステイン濃度を減じることによって判定した。マレイミド:FICOLLモル比(y)は、マレイミド濃度をFICOLL濃度で除すことによって計算し、ここでFICOLL濃度は、実施例S4に記載した通りに判定し、濃度は、モル濃度の単位でのものであった。
【0178】
(実施例S7)
FICOLLコンジュゲート(例えば、D56−05、[(D56−01)−PEG
6]
x−FICOLLとも呼ばれる)中のポリヌクレオチド(PN)またはキメラ化合物(CC)濃度およびPN:FICOLLまたはCC:FICOLLモル比(x)を判定する手順。
D56−05([(D56−01)−PEG
6]
x−FICOLLとも呼ばれる)のD56−01(CC)濃度は、紫外分光光度法およびベールの法則式を使用して判定した。(慣習により、FICOLLに付着したキメラ化合物は、この段階で、リンカーを有するキメラ化合物、D56−03がこの化合物を形成するのに使用されたが、配列名称D56−01によって参照されることに留意されたい)。260nmの吸光度を判定し、D56−01について22.65mg/ml
−1×cm
−1の吸光係数を使用した。FICOLLおよびリンカーは、260nmで吸収せず、したがって吸光度は、CC、D56−01の吸光度に単に起因する。mg/mLでのD56−01濃度をD56−01の遊離酸の分子量を使用してモル濃度に変換した。CC:FICOLLモル比(x)は、CC濃度をFICOLL濃度で除すことによって判定し、ここでFICOLL濃度は、実施例S4に記載した通りに判定し、濃度は、モル濃度の単位でのものであった。他のPN−FICOLLまたはCC−FICOLL溶液の濃度は、必要に応じて、使用したPNまたはCCの吸光係数および遊離酸分子量を使用して判定する。
【0179】
(実施例S8)
粒径を判定する手順。
FICOLL試料(例えば、D56−05)の粒径(Z−アベレージ)および標準偏差(SD)は、Malvern Zetasizer機器を使用して動的光散乱(DLS)によって測定した。試料を10mMリン酸ナトリウム、142mM塩化ナトリウム、pH7.2 緩衝液で0.5mg/mLのFICOLL濃度に希釈し、規定された機器設定下で測定した。較正された50nmポリスチレンナノスフェア試料(製品#3050A、Thermo Scientific、Rockford、IL)をシステム適性対照として分析に含め、これは、49±6nmの粒径を有していた。
【0180】
(実施例S9)
精製した、[(D56−01)−PEG
6]
x−FICOLLとも呼ばれるD56−05の物理化学的特徴付け。
D56−05([(D56−01)−PEG
6]
x−FICOLLとも呼ばれる)の5つのパイロットロットを実施例S3に概説した手順を使用して製造した。これらのロットを特徴付け、結果を表S9−1に要約する。純度は、215nmで検出して表S3−2に概説した手順を使用してSEC−HPLCによって判定したところ、99%超〜100%の範囲であった。FICOLL濃度は、実施例S4に記載の手順によって判定した。FICOLL濃度については、ダイアフィルトレーションにおける保持液の最終濃度を制御することによって目標を定めることができる。D56−01濃度およびD56−01:FICOLL比(x)は、実施例S7に記載の手順によって判定した。D56−01:FICOLLモル比(x)は、117〜140の範囲であり、実施例S3に記載の製造手順がFICOLLに対するキメラ化合物の担持量について高レベルの制御をもたらすことを実証した。このプロセスの標的D56−01:FICOLLモル比(x)は、120±30である。D56−05の粒径は、実施例S8に記載した通りに判定した。
【表S9-1】
【0181】
表S9−1に示した結果は、D56−05の5つの連続して生成したパイロットロットの生成の一貫性を例示する。D56−05の重要な特性D56−01:FICOLLモル比(x)および粒径のこの高レベルの制御は、実施例S3に概説した試薬および手順を使用することによって実現した。[マレイミド]y−FICOLLを製造するのにスルホ−SMCCリンカーの代わりにSM−PEG6リンカーを使用することは、極めて重要であった。その理由は、SM−PEG6リンカーが生成物を有意により水溶性にし、マレイミド:FICOLLモル比(y)およびD56−03との反応性の制御を改善するためである。その上、試薬の品質(純度)ならびに当量の数、濃度、pH、イオン強度、時間、および温度(実施例S3に記載した)を含めたプロセスパラメータの制御は、一貫した結果を実現するのに極めて重要であった。実施例S4〜S8に記載の分析手順の開発も、プロセスの制御に必要であった。
【0182】
(実施例S10)
D56−05凍結乾燥製剤。
5℃超で貯蔵されるD56−05溶液製剤の安定性に限界があったため、制御された室温で良好な安定性を実現することを目標としたD56−05凍結乾燥製剤の開発を行った(実施例S11を参照)。凍結乾燥される製剤の組成の選択は、熱安定性に影響し得るpHおよびイオン強度を制御するのに一般的に安全と認められる(GRAS)賦形剤を使用したプレフォーミュレーション研究に基づいた。D56−05霊長類投与量に基づいた一連の試験製剤を冷凍/解凍安定性について試験し、溶液透明度およびHPLCサイジングクロマトグラフィーに基づいて評価した。1mg/ml D56−05(パイロットロット2)、10mMリン酸カリウム(pH=7.5)、および300mMトレハロースを含有する製剤は、10サイクル実験を通じて同一のクロマトグラフィー挙動および動的光散乱プロファイルを示したので、さらなる開発のために選択した。上述した製剤を、およそ−35℃での棚冷凍、その後の−35℃(約60μbar真空)での36時間の一次乾燥、30℃の棚温度への2時間の移行、および追加の24時間にわたる二次乾燥からなる凍結乾燥サイクルに付した。凍結乾燥した生成物(40バイアル)は、1〜1.4%の残留水分を有すると示された許容されるケーキであった。製剤を水1mL中に復元し、生成物は、製剤直後または凍結乾燥および復元プロセス後に分析したとき、SEC−HPLCによってまったく同様に挙動することが示された。
【0183】
(実施例S11)
D56−05([(D56−01)−PEG
6]
x−FICOLLとも呼ばれる)溶液および凍結乾燥製剤の安定性。
本実施例は、液体および凍結乾燥した物質の安定性を記述する。
【0184】
A.D56−05溶液製剤の安定性。12カ月の貯蔵にわたるD56−05([(D56−01)−PEG
6]
x−FICOLLとも呼ばれる)溶液製剤の安定性を評価した。溶液製剤は、約3〜5mg/mLの濃度で10mMリン酸ナトリウム、142mM塩化ナトリウム、pH7.2 緩衝液に溶解したD56−05からなっていた。D56−05溶液製剤(パイロットロット4)の安定性を−80℃、5℃、および37℃の貯蔵温度で評価した。安定性試験は、pH、D56−01濃度(実施例S7)、SEC−HPLCによるD56−05の%純度(表S3−2、215nmでの検出)、および粒径分析(実施例S8)を含んでいた。
【0185】
表S11−1および表S11−2は、−80℃、5℃、および37℃にて最大で12カ月間貯蔵したD56−05([(D56−01)−PEG
6]
x−FICOLLとも呼ばれる)溶液製剤、パイロットロット4の安定性結果を示す。時間0の結果は、表S9−1に示されている。
【表S11-1】
【表S11-2】
【0186】
D56−05溶液製剤、パイロットロット4について、pH、D56−01濃度、D56−05純度、および粒径は、最大で12カ月間、冷凍(−80℃)または冷蔵(5℃)条件で貯蔵して有意に変化しなかった。しかし37℃で、pHおよびD56−05純度はともに、より長い貯蔵時間で有意に低下し、一方、D56−01濃度および粒径は、一貫したままであった。異なる貯蔵条件下でのD56−05粒径の一貫性は、D56−05が経時的に凝集しないことを示す。
【0187】
B.D56−05凍結乾燥製剤安定性。12カ月の貯蔵にわたるD56−05([(D56−01)−PEG
6]
x−FICOLLとも呼ばれる)凍結乾燥製剤の安定性を評価した。凍結乾燥製剤は、実施例S10に記載されている。D56−05凍結乾燥製剤の安定性を4℃、25℃、および37℃の貯蔵温度で評価した。安定性試験は、pH、D56−01濃度(実施例S7)、SEC−HPLCによるD56−05の%純度(215nmでの検出を含む表S3−2)、および粒径分析(実施例S8)を含んでいた。
【0188】
表S11−3は、4℃、25℃、および37℃で最大で12カ月間貯蔵したD56−05([(D56−01)−PEG
6]
x−FICOLLとも呼ばれる)凍結乾燥製剤の安定性結果を示す。凍結乾燥前の(pre−lyo)D56−05製剤についてのデータも表S11−3に含まれている。
【表S11-3】
【0189】
D56−05凍結乾燥製剤について、pH、D56−01濃度、およびD56−05純度は、4℃、25℃、および37℃にて最大で12カ月間貯蔵して有意に変化しなかった。粒径も4℃にて最大で12カ月間貯蔵して安定であった。しかし、粒径の軽微な増大が25℃で12カ月間貯蔵した生成物について観察され、一方、粒径の大きな増大(約6×)が37℃で12カ月間貯蔵した試料について明白であった。しかし、in vitro生物活性(ヒトB細胞IL−6産生)は、いずれの温度でも12カ月貯蔵した後未変化であった。凍結乾燥製剤は、25℃で少なくとも12カ月にわたって十分に安定であると結論付けられた。
【0190】
D56−05溶液製剤は、冷凍(−80℃)および冷蔵(5℃)貯蔵条件で安定であるが、D56−05凍結乾燥製剤は、特に25℃および37℃というより高い貯蔵温度で、溶液中のD56−05と比較して安定性の増強を示した。
【0191】
(実施例S12)
異なるマレイミド:FICOLLモル比(y)を用いた[マレイミド−PEG
6]
y−FICOLLの調製、および精製したD56−05([(D56−01)−PEG
6]
x−FICOLLとも呼ばれる)におけるD56−01:FICOLLモル比(x)に対するインパクト。
異なるマレイミド:FICOLLモル比(y)を有する[マレイミド−PEG
6]
y−FICOLLロットを、より小さいスケールであることおよび異なる量のSM−PEG
6(アミン当たり0.25、0.5、0.75、1.0、& 2.0当量)を使用したことを除いて、実施例S3、セクションEに記載の手順を使用して(AECM)
z−FICOLL(アミン:FICOLLモル比(z)=224)から生成した。マレイミド:FICOLLモル比(y)は、実施例S4およびS6に記載の手順によって判定した。表S12−1の結果は、異なる量のSM−PEG
6を添加すると、8〜185のマレイミド:FICOLLモル比(y)を有する[マレイミド−PEG
6]
y−FICOLLが生じたことを示す。次いで[マレイミド−PEG
6]
y−FICOLLロットをD56−03(マレイミド当たり1.1当量)と反応させ、得られたD56−05ロットを実施例S3、セクションGに記載した通りに精製した。D56−05([(D56−01)−PEG
6]
x−FICOLLとも呼ばれる)ロットのD56−01:FICOLLモル比(x)を実施例S4およびS7に記載した通りに判定したところ、24〜154の範囲であった(表S12−1)。これらの結果は、D56−05中のD56−01担持量を、[マレイミド−PEG
6]
y−FICOLLの調製に使用されるSM−PEG
6の量によって制御することができることを示す。これらの化合物のin vitro効力について実施例B9を参照。
【表S12-1】
【0192】
(実施例S13)
それぞれn=24、45、および70であるSM−PEG
nリンカーを使用するD56−25、D56−26、およびD56−27([(D56−01)−PEG
n]
x−FICOLLとも呼ばれる)の調製。
異なるPEGリンカー長を有する[マレイミド−PEG
n]
y−FICOLLロットを、より小さいスケールであることおよびそれぞれn=24、45、および70のSM−PEG
nリンカーを使用したことを除いて、実施例S3、セクションEに記載の手順を使用して(AECM)
z−FICOLL(アミン:FICOLLモル比(z)=224)から生成した(SM−PEG
nの化学構造については
図5を参照)。使用したSM−PEG
24試薬は、Thermo Fisher(Rockford、IL)から得た。これは、nが24である
図5Aに示した構造を有する。使用したSM−PEG
45およびSM−PEG
70試薬は、Nanocs Inc.(New York、NY)から得た。構造は、
図5−Bに示した通りである(nは、それぞれ45および70である)。得られた[マレイミド−PEG
n]
y−FICOLLロットのマレイミド:FICOLLモル比(y)は、実施例S4およびS6に記載した通りに判定し、結果を表S13−1に示す。マレイミド:FICOLLモル比(y)は、199〜227の範囲であり、PEGリンカー長は、得られるマレイミド:FICOLLモル比に有意に影響しなかったことを示した。
【0193】
D56−25、D56−26、およびD56−27(それぞれn=24、45、および70である[(D56−01)−PEG
n]
x−FICOLLとも呼ばれる)を、より小さいスケールであることを除いて実施例S3、セクションGに記載した通りに3つの[マレイミド−PEG
n]
y−FICOLLロットから調製した。[(D56−01)−PEG
n]
x−FICOLLロット(D56−05(n=6)、D56−25(n=24)、D56−26(n=45)、およびD56−27(n=70))のD56−01:FICOLLモル比(x)を実施例S4およびS7に記載した通りに判定し、平均粒径を実施例S8に記載した通りに判定した。D56−01:FICOLLモル比(x)は、108〜116の範囲であり(表S13−1)、PEGリンカー長は、得られるD56−01:FICOLLモル比に有意に影響しないことを示した。しかし、平均粒径の増大があり(55nm〜91nm)、それは、PEGリンカーの長さの増大と相関した(表S13−1)。これらの化合物のin vitro効力については実施例B10を参照。
【表S13-1】
【0194】
(実施例S14)
[マレイミド−MC]
y−FICOLLの調製。
[マレイミド−MC]
y−FICOLLを、米国特許第8,597,665号に記載のスルホ−SMCCリンカーを使用して[AECM]
z−FICOLLから製造した。[マレイミド−MC]
y−FICOLLは、オイルアウトおよび/または沈殿として観察される水性緩衝液中の溶解性問題を示した。マレイミド−MC−FICOLLの取り扱いが困難だったため、チオール活性化ポリヌクレオチド(PN)またはキメラ化合物(CC)とのコンジュゲーション反応は一貫性がなかった。
【0195】
(実施例S15)
Alexa Fluor(登録商標)555−(D56−05)(Alexa Fluor(登録商標)555/[(D56−01)−PEG
6]
x−FICOLLとも呼ばれる)の調製。
Alexa Fluor(登録商標)555のアミン反応性誘導体(Alexa Fluor(登録商標)555−NHSエステル)は、Life Technologies(Foster City、CA)から購入した。実施例S3に記載した通りに調製したAECM−FICOLLをAlexa Fluor(登録商標)555−NHSエステルおよびSM−PEG
6の混合物と反応させることによって活性化してAlexa Fluor(登録商標)555/[マレイミド−PEG
6]
y−FICOLLを形成し、これを実施例S3に記載した通りにD56−03((D56−01)−3’−SHとも呼ばれる)と反応させてAlexa Fluor(登録商標)555−(D56−05)(Alexa Fluor(登録商標)555/[(D56−01)−PEG
6]
x−FICOLLとも呼ばれる)を得た。
【0196】
(実施例S16)
D56−08、D56−09、D56−12、およびD56−13の調製。
D56−08、D56−09、D56−12、およびD56−13を米国特許第8,597,665号に記載されている通りに調製する。
【0197】
(実施例S17)
Alexa Fluor(登録商標)647−(D56−05)(Alexa Fluor(登録商標)647/[(D56−01)−PEG
6]
x−FICOLLとも呼ばれる)の調製。
Fluor647−NHSエステル(Life Technologies)をrPAと反応させてrPA当たり1 Alexa Fluor(登録商標)647の得られた比でAlexa Fluor(登録商標)647/rPAを得た。
【0198】
生物学的実施例
(実施例B1)
ヒト白血球の単離および刺激。
ポリヌクレオチド(PN)およびキメラ化合物(CC)の活性を、ヒト末梢血単核細胞(PBMC)および単離B細胞によるサイトカイン分泌の測定、およびB細胞増殖の測定によってin vitroで査定した。細胞培養培地中に分泌されたサイトカインレベルは、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)によって測定した。
【0199】
ヒト血液は、健康なヒトドナーからインフォームドコンセントとともに得た。PBMCは、FICOLL−Paque(GE Healthcare、UK)密度勾配遠心分離によって単離した。ヒトB細胞は、抗CD19マイクロビーズ(Miltenyi Biotec、Auburn、CA)を用いた正の選択によって単離した。ヒト形質細胞様樹状細胞(pDC)は、抗BDCA−2マイクロビーズ(Miltenyi Biotec、Auburn、CA)を用いた正の選択によって単離した。単離pDCを全PBMCのプールに戻して添加し、ドナーによって0.5〜2.4%に変動する全PBMC中の最終pDC濃度をもたらした。
【0200】
細胞を、10%熱不活化ウシ胎児血清(FBS)(Gemini、West Sacramento、CA)+50U/mlペニシリン、50μg/mlストレプトマイシン、2mM L−グルタミン、10mM 4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)緩衝液、および1mMピルビン酸ナトリウム(BioWhittaker、Walkersville、MD)を補充したRPMI−1640 (BioWhittaker、Walkersville、MD)に再懸濁させた。B細胞刺激について、細胞を、5.5〜0.0054μMの濃度範囲のPNまたはCCとともに2通りに96ウェル丸底プレート中1mL当たり0.75×10
6で90〜93時間培養した。PBMCおよびpDC富化PBMC刺激について、細胞を、2.5〜0.0012μMの濃度範囲のPNまたはCCとともに3通りに96ウェル平底プレート中1mL当たり2.5×10
6で21〜24時間培養した。
【0201】
ELISAアッセイ。IL−6およびIFN−αレベルを、市販の抗体対(MabTech,Inc.Cincinnati、OH)を使用してアッセイした。最小限の検出の限界は、IL−6について31pg/mLおよびIFN−αについて23pg/mLであった。96ウェルMaxisorp免疫プレートをサイトカイン特異的Abで被覆し、次いでDPBS中1%BSAでブロックした。細胞培養試料を添加し、結合したサイトカインを、ビオチン標識二次抗体を添加し、その後西洋わさびペルオキシダーゼおよびペルオキシダーゼ特異的比色基質を添加することによって検出した。検量線は、IL−6についてR&D Systems(Minneapolis、MN)およびIFN−αについてMabTechから購入した組換えサイトカインを使用して作成した。吸光度値は、SpectraMax190またはVersaMaxマイクロプレートリーダー(Molecular Devices Corporation、Sunnyvale、CA)を使用して650nmでバックグラウンド減算して450nmで判定した。最大半量有効濃度(EC
50)値は、表にしたすべてのドナーについての累積的アベレージで内挿することによって各個体ドナーから計算した。EC
50は、最大サイトカインレベルの半分に等しい値を与えるPNまたはCC濃度として定義した。
【0202】
(実施例B2)
マウス脾細胞の単離および刺激
ポリヌクレオチド(PN)およびキメラ化合物(CC)の活性を、マウス脾細胞によるサイトカイン分泌を測定することによってin vitroで査定した。細胞培養培地中に分泌されたサイトカインレベルは、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)によって測定した。
【0203】
生後8〜20週のBALB/cマウスの脾臓を回収し、脾細胞を、標準的な裂きおよびACK溶解緩衝液(BioWhittaker,Inc.、Walkersville、MD)を用いた処置を使用して単離した。4つの脾臓を実験においてプールした。細胞を、10%熱不活化ウシ胎児血清(FBS)+50μM 2−メルカプトエタノール、50U/mlペニシリン、50μg/mlストレプトマイシン、2mM L−グルタミン、10mM HEPES、および1mMピルビン酸ナトリウムを補充したRPMI−1640に再懸濁させた。刺激のために、脾細胞を、22〜0.0003μMの濃度範囲のPNまたはCCとともに3通りに96ウェル平底プレート中1mL当たり3.5×10
6細胞で20〜24時間培養した。
【0204】
ELISAアッセイ。IL−6およびIL−12p40レベルを、市販の抗体対(BD Biosciences、San Jose、CA)を使用してアッセイした。最小限の検出の限界は、IL−6について31pg/mLおよびIL−12p40について63pg/mlであった。96ウェルMaxisorp免疫プレートをサイトカイン特異的Abで被覆し、次いでDPBS中1%BSAでブロックした。培養上清を添加し、結合したサイトカインを、ビオチン標識二次抗体を添加し、その後HRPおよびペルオキシダーゼ特異的比色基質を添加することによって検出した。検量線は、BD Biosciencesから購入した組換えサイトカインを使用して作成した。吸光度値は、SpectraMax190またはVersaMaxマイクロプレートリーダー(Molecular Devices Corporation、Sunnyvale、CA)を使用して650nmでバックグラウンド減算して450nmで判定した。EC
50は、最大サイトカインレベルの半分に等しい値を与えるPNまたはCCの濃度として定義した。IL−6およびIL−12p40のEC
50値を、GraphPad Prismソフトウェアを使用して、X=Log(X)変換データのS字形用量応答曲線フィットを使用して判定した。
【0205】
(実施例B3)
線状キメラ化合物(CC)配列最適化。
2つの別個の実験を行った。以下の表において、平均は、幾何平均を指す。
【0206】
A.実験1。線状CC D56−14は、ヒトPBMCからIFN−α、ヒトB細胞からIL−6を誘導し、マウス脾細胞を刺激することが以前に示されていた(米国特許第8597665号)。配列最適化を実施して、IFN−α活性をD56−14と比べて改善することができるか否かを判定した。7種の新しい線状CCを一次スクリーニングアッセイ、すなわち、ヒトPBMC IFN−α活性およびヒトB細胞IL−6活性において試験した(手順については実施例B1を参照)。本実施例で使用した線状CCの一般構造、N1−S1−N2−S2−N3を使用して、CC内の核酸モチーフ(N)の配置を記述することができる。本研究における新しいCCのうちの6種はすべて、N3位置にマウスモチーフ、5−AACGTTC−3’を含有した。D56−24は、N2位置にマウスモチーフを含有しており、スクリーニングに含めて、線状のCC場面におけるマウス活性モチーフの異なる適所配置を探索した。D56−10は、公知のCpG−B免疫刺激性配列(ISS)であり、陽性対照としてパネルに含めた。
【表B3-1】
【表B3-2】
【0207】
線状CC D56−16、D56−18、D56−19、ならびにD56−22およびD56−24は、D56−14と比較して同様のまたは改善されたPBMC IFN−α活性(表B3−1)、および同様のまたはわずかに低減したヒトB細胞活性(表B3−2)を示した。線状CC D56−24は、試験した配列のうちで最良のPBMC IFN−αおよびヒトB細胞活性を示した。上述したように、D56−24と他の配列との間の主要な差異は、それぞれN
2およびN
3のヒトおよびマウスモチーフがD56−24において交換されており、その結果、マウスモチーフが他の新しいCCにおけるN
3位置と比較してN
2位置に位置していることである。
【0208】
B.実験2。実験1からの結果に基づいて、CC配列の新しいパネルを、ヒトおよびマウス活性を増大させる目標で設計した。具体的には、D56−16、D56−18、D56−19、およびD56−22に関連した4つの新しい配列を、マウスモチーフをN
2位置に移動させて設計した:D56−17、D56−01、D56−20、およびD56−23。新しいCCの最初のin vitroスクリーニングをマウス脾細胞で実施した(表B3−3および表B3−4)。N
2位置にマウスモチーフを有するすべての配列は、N
3位置にマウスモチーフを有する対応するCCと比較して強く改善されたIL−6およびIL12p40効力を示した。D56−01およびD56−23は、試験したCCのうちで最良のIL−6効力を示し、一方、D56−01は、最良のIL−12p40効力を有した。
【表B3-3】
【表B3-4】
【0209】
ヒトPBMC IFN−α活性およびヒトB細胞IL−6活性の結果を、それぞれ表B3−5および表B3−6に示す。意外にも、N
2位置にマウスモチーフを有すると、ヒトPBMC IFN−α効力も有意に改善された。一般に、ヒトIL−6効力も、N
2位置にマウスモチーフを有するCCについて改善された。
【0210】
実施したin vitro試験のうちで、IFN−α効力が、がん、抗ウイルス、喘息、およびアレルギーモデルにおける良好なin vivo活性について最も予言に役立つと考えられる。このことに基づいて、D56−01、D56−17、D56−20、D56−23、およびD56−24をリード候補と見なした。これらの配列は、良好なヒトB細胞IL−6およびマウスIL−6活性も示した。意外にも、D56−01は、他のN
2マウスモチーフ配列と比較して有意に改善されたIL12p40効力を有する。
【表B3-5】
【表B3-6】
【0211】
(実施例B4)
D56−05は、D56−01より強力なin vitro応答を誘導する。
ヒトおよびマウスサイトカインの両方の誘導の効力に基づいて、D56−01をナノ粒子製剤を開発するためのリード候補として選択した。D56−01配列を実施例S3に記載した通りにFICOLLにコンジュゲートさせて、D56−05([(D56−01)−PEG
6]
x−FICOLLとも呼ばれる)を生成した。次いでD56−01およびD56−05を、ヒトPBMC IFN−αおよびヒトB細胞IL−6の誘導についての相対的なin vitro効力を比較した。ヒトPBMC IFN−α活性およびヒトB細胞IL−6活性の結果を、それぞれ表B4−1および表B4−2に示す。配列D56−10およびD56−14を本実験における歴史的陽性対照として使用した。
【0212】
ナノ粒子製剤D56−05は、IFN−α(表B4−1)およびIL−6活性(表B4−2)の両方の誘導において著しくより強力であった。
【表B4-1】
【表B4-2】
【0213】
(実施例B5)
D56−05は、D56−01より強力なin vivo応答を誘導する。
D56−05およびD56−01をマウスおよびカニクイザルに投与した後の自然免疫応答の誘導を評価した。サルにおいて、インターフェロン経路関連遺伝子発現を、D56−05およびD56−01を投与する前、および投与して24時間後に収集した血液試料中で測定した。マウスにおいて、インターフェロン経路およびケモカイン関連遺伝子発現を、化合物投与の18時間後に回収した注射部位流入領域リンパ節中で測定した。D56−05およびD56−01を獲得する抗原提示細胞集団の相対能力を、化合物注射の24時間後にマウスから回収した注射部位流入領域リンパ節中で評価した。その上、成熟マーカー発現(CD69、CD86)を、化合物注射の20時間後に回収したリンパ節由来の形質細胞様樹状細胞(pDC)に対して測定した。
【0214】
カニクイザル(Macaca fascicularis)をValley Biosystems(West Sacramento、CA)またはBattelle Biomedical Research Center(Columbus、OH)に収容し、そこでオールインライフ(all in life)手順を実行した。健康な成体動物のみを各研究において使用した。全血を、免疫化前後にPAXgeneチューブ(QIAGEN、Venlo、NL)に収集し、製造者の使用説明書に従ってRNAを後で抽出するために冷凍した。3〜6匹のサルの群に、PharmAthene(Annapolis、MD)製炭疽組換え防御抗原(rPA)10μgを、単独で、あるいはPBS 1mL中のD56−05 1000、250、もしくは50μg、またはD56−01 1000もしくは250μgと組み合わせて、筋肉内経路(四頭筋)によって免疫した。
【0215】
免疫原性研究のために、カニクイザルの群に、BioWhittaker(Walkersville、MD)製ダルベッコPBS(DPBS)1mlの全体積中D56−01またはD56−05の用量を含む/含まないrPAをi.m.(四頭筋)またはs.c.経路によって免疫し、引き続いて採血してAb応答に対するアジュバントの効果を査定した。
【0216】
スイスウェブスター、BALB/c、およびC57BL/6マウス(生後8〜12週)を、Charles River Laboratoies(Hollister、CA)から購入し、Pacific BioLabs(Hercules、CA)またはMurigenics(Vallejo、CA)に収容し、そこでオールインライフ手順を実行した。TLR9−/−マウスをSimonsen Laboratories(Gilroy、CA)で維持し、生後8〜16週で使用した。
【0217】
免疫原性、組織分布、および全身毒性研究のために、マウスの四頭筋に、rPAを含む/含まないアジュバント、またはrPA単独を注射した。筋組織応答を査定する研究のために、マウスの四頭筋に両側性に、アジュバント単独を注射した。遺伝子発現およびフローサイトメトリー査定を含めた流入領域リンパ節応答に関して、マウスの後足蹠の両方に、rPAを含む/含まないアジュバントを注射した。D56−01−Alexa Fluor(登録商標)555は、使用したとき、Alexa Fluor(登録商標)555/D56−05特異的相対的蛍光をマッチさせる比で非標識D56−01と組み合わせて投与した。すべての免疫化は、DPBSまたは10mMリン酸ナトリウム緩衝液50μLの全体積中で実施した。
【0218】
遺伝子発現分析のために、マウスにDPBS、またはD56−05もしくはD56−01 10μgを筋肉内または皮下経路(足蹠)によって注射した。筋組織および流入領域リンパ節をそれぞれ6時間または18時間に、RNAlater(QIAGEN、Venlo、オランダ)中に回収し、製造者の使用説明書に従ってRNAを後に抽出するために冷凍した。フローサイトメトリーによって化合物の細胞取込みを定量化するために、流入領域リンパ節を、蛍光標識D56−01またはD56−05 25μgを注射して24時間後に回収した。Alexa Fluor(登録商標)555−(D56−01)およびAlexa Fluor(登録商標)555−(D56−05)の製造については、それぞれ実施例S2およびS15を参照。フローサイトメトリーを使用して細胞表面マーカーを分析するために、流入領域リンパ節を、非蛍光標識D56−01またはD56−05 5、2、または0.2μgを注射して20時間後に回収した。フローサイトメトリー実験のために、単一細胞懸濁液を、リンパ節をプールした処置群から調製した。
【0219】
臓器をRNAlater(Qiagen、Venlo、オランダ)中で冷凍した。トータルRNAを、ともにオンカラムDNase I消化を用いて、RNeasy線維性組織ミニキット(Qiagen)を使用して個々のホモジナイズされた筋肉当たり30mgおよびRNeasyミニキット(Qiagen)を使用してホモジナイズされた膝窩リンパ節全体から単離した。
【0220】
逆転写−ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)。cDNAを、組換えRNasinリボヌクレアーゼ阻害剤(Promega、Madison、WI)、Oligo(dT)15(Promega)、ランダムプライマー(Promega)、dNTP(Invitrogen、Carlsbad、CA)、およびSuperScript III逆転写酵素(Invitrogen)を使用してトータルRNA試料から調製した。mRNAの定量化は、Power SYBR Greenマスターミックス(Life Technologies)を使用して実施した。サイクリング条件は、95℃で15分、その後の40ラウンドの95℃で15秒および60℃で1分であり、StepOne v2.1ソフトウェアを使用してApplied Biosystems(Carlsbad、CA)StepOnePlus Real Time PCRシステムによって分析した。ユビキチンを参照遺伝子として使用した。PCR後に、Ct値を判定し、正規化されたデータを免疫化前またはDPBS対照に対する倍率増大として表現した。あるいは、製造者の指示に従ってサイトカインおよびケモカインについてRT
2 Profiler PCRアレイシステム(Qiagen)とともに使用するために、RT
2 First Strand Kit (Qiagen)によってRNAを逆転写した。
【0221】
フローサイトメトリー。単一細胞懸濁液をマウス組織から調製し、2mg/mlコラゲナーゼ、2型(Worthington Biochemical Lakewood、NJ)で37℃にて45分間最初に消化した筋肉を除いて実験群によってプールした。クローン2.4G2 mAbでFcgRをブロックした後、2mM EDTAを含む/含まない0.1%BSAを含有するDPBS中で4℃にて30分間細胞を染色した。細胞を1%の最終濃度のホルムアルデヒドで最低限20分間固定し、その後FACSフロー緩衝液で洗浄および再懸濁させた。CD3ε(145−2C11)、CD4(GK1.5)、CD8a(53−6.7)、CD11b(M1/70)、CD11c(HL3)、CD19(6D5)、CD45R/B220(RA3−6B2)、CD49b(DX5)、CD69(H1.2F3)、CD86(GL−1)、CD95(Jo2)、CD279(J43)、CD317/PDCA−1(eBio927)、CXCR5(2G8)、F4/80(BM8)、Ly−6C(AL−21)、Ly−6G(1A8)、MHCクラスII(MHC II;I−A/I−E)(M5/114.15.2)、ならびにTおよびB細胞活性化Ag(GL7)に対するAbは、BD Biosciences(San Jose、CA)、BioLegend(San Diego、CA)、またはeBioscience(San Diego、CA)から購入した。ビオチン化ピーナッツアグルチニン(PNA)は、Vector Laboratories(Burlingame、CA)から購入した。フローサイトメトリーデータは、LSR II(BD Biosciences、San Jose、CA)フローサイトメーターで収集し、FlowJoソフトウェア(Tree Star、Ashland、OR)を使用して分析した。多色イメージングフローサイトメトリーデータは、ImageStreamX mk II(Amnis、Seattle、WA)で収集し、IDEAS v6.1ソフトウェアを使用して分析した。画像は、開口数0.9および有効被写界深度2.5mmを有する360レンズを使用して捕捉した。共局在した蛍光シグナルを有する可能性のある細胞は、ブライトディテールシミラリティ(bright detail similarity)(BDS)の助けを借りて同定した。BDSスコア付けは、重なりの空間的な場所および程度を比較して画像の非平均正規化ピアソン相関係数を計算することによって細胞内の蛍光マーカー間の共局在を定量化する。2の閾値レベルを超えるBDSスコアを有する事象は、蛍光共局在を有する可能性があり、それは、視覚的に確認した。リンパ節細胞を抗体で染色して、pDC(CD3
−、CD19
−、CD49b
−、MHCII
+、CD11c
+、およびB220
+またはPDCA−1
+)、cDC(MHCII
+、CD11b
−、CD11c
+)、ならびにmDC(MHCII
+、CD11b
+、CD11c
+)、ならびに細胞成熟のマーカー(CD69およびCD86)を同定した。一次ゲーティングは、光散乱、二重線除外、およびリンパ球系列除外ゲーティングによるものであった。pDC、cDC、およびmDCに対する蛍光標識D56−05およびD56−01取込み、ならびに別個の実験における、pDCに対する成熟マーカー発現の程度(幾何平均蛍光強度;gMFI)は、FlowJoソフトウェア(TreeStar、Ashland、OR)を使用して判定した。
【0222】
統計分析。図面の簡単な説明で特定したDunn事後検定を伴ったマン−ホイットニーまたはクラスカル−ウォリス検定を使用して統計的有意性を判定した。0.05未満またはそれに等しいp値を有意と見なした。
【0223】
結果。表B5−1は、サル血液中のIFN経路関連遺伝子発現(免疫化前に対する倍率増大)を示す。これらのデータは、D56−01は、IFN関連遺伝子発現を誘導したが、D56−05は、霊長類においてrPAで免疫した後、より強いIFN関連遺伝子発現を誘導したことを示す。
【0224】
単量体D56−01と比較してアジュバント活性の改善と関連し得る局部組織における早期D56−05効果を査定するために、転写変化を注射して6時間後に注射部位筋肉において分析した。マウスに等量のCpGに基づく用量で、rPAを用いずにアジュバントを注射し、PBSを注射した動物は、対照として機能を果たした。D56−05は、複数のIFN調節遺伝子(IRG)(
図11A)およびケモカイン(
図11B)の両方について、単量体D56−01の効果と比較して、誘導される遺伝子の数および遺伝子誘導のレベルの両方に対してより強力な効果を呈した。同様に、D56−05は、より高いレベルのIL−1およびTNFスーパーファミリーのサイトカインを誘導した(
図11C)。接着分子、インテグリン、および基質メタロプロテイナーゼも、D56−05処置後に注射部位筋肉においてはるかに大きい程度に誘導された(
図11D)。よって、ナノ粒子様製剤中のD56−01は、単量体D56−01と比較して、注射部位における免疫活性化の早期マーカーを誘導することにおいてより効率的である。ナノ粒子および単量体D56−01が注射部位筋肉への細胞動員に差次的に影響したか否かを判定するために、免疫細胞集団の相対的割合をフローサイトメトリーによって分析した。24時間で、全CD45+細胞は、D56−01注射組織と比較してD56−05注射筋肉において3倍豊富であった(約212,000対約67,000細胞/筋肉1g)。D56−05注射は、単量体D56−01を投与されたマウスと比較して注射筋肉内で相対的により高い割合の通常のDC(cDC)、骨髄DC(mDC)、骨髄細胞、マクロファージ、単球、および好中球を誘導した(
図11E)。
【0225】
D56−05誘導炎症性遺伝子発現、およびrPA誘導Ab応答に対するアジュバンティシティがTLR9非依存性経路を伴ったか否かを試験するために、応答をTLR9
−/−マウスにおいて試験した。D56−05をi.m.注射した後、IRGならびにケモカインおよびサイトカイン遺伝子の誘導は、野生型C57BL/6マウスにおいて観察されたが、TLR9
−/−マウスでは観察されなかった(
図12A)。したがって、D56−05アジュバント活性は、TLR9
−/−マウスにおいて観察されなかった(
図12B)。注射部位で誘導される炎症応答およびTLR9
−/−マウスにおけるアジュバント効果の両方の欠如は、D56−05の活性がTLR9シグナル伝達に依存することを実証した。
【0226】
s.c.注射して18時間後に、D56−05は、D56−05と比較して、リンパ節内でインターフェロン調節遺伝子(
図13A)、ケモカイン(
図13B)、およびサイトカイン(
図13C)の転写をより大きく増大させた。複数のケモカインのより強い誘導の可能性のある成り行きとして、D56−05注射は、D56−01注射マウスと比較して流入領域リンパ節内でより大きい数の様々な抗原提示細胞(APC)集団をもたらした。MHC II+ pDCは、特に影響され、D56−05処置後に5倍大きい数が存在した(平均、940対187細胞/リンパ節)(
図14)。総合すると、これらのデータは、D56−05は、注射部位および流入領域リンパ節において免疫応答を開始するのに単量体D56−01より強力であることを実証する。
【0227】
D56−05処置後の細胞輸送の相対的増大がアジュバントの細胞取込みに対する差次的な効果を伴ったか否かを判定した。MHCII+ pDCおよびmDC、骨髄細胞、マクロファージ、ならびに単球、ならびに好中球を含む広範囲の細胞集団が適応免疫応答の開始に関与し、すべてD56−05を注射した後により大きい蛍光を実証した。D56−05注射マウス内で高レベルのAlexa Fluor(登録商標)555蛍光を伴った相当な割合のmDC、骨髄細胞、マクロファージ、および単球が存在した一方、mDCのみが同様の程度にD56−01を内部移行した。Alexa Fluor(登録商標)555標識D56−01−FicollまたはD56−01のリンパ球取込みは、無視できた。表B5−2は、細胞内のA555標識D56−05またはD56−01の幾何平均蛍光強度(gMFI)によって測定した蛍光標識D56−05またはD56−01の取込みを示す。これらのデータは、流入領域リンパ節pDC、cDC、およびmDCが、マウスにin vivo注射した後にD56−05またはD56−01を吸収することを示す。一般に、D56−05の取込みは、より高いgMFI値によって示される通り、異なる細胞集団においてD56−01の取込みより大きかった。
【0228】
D56−05はまた、流入領域リンパ節内で単量体D56−01が発揮したより、APCおよびリンパ球の活性化状態に対して大きい効果を発揮した。D56−05注射後に、単量体D56−01を注射したマウスから回収されたリンパ節細胞と比較して、pDC、CD8+DC、cDC、mDC、および骨髄細胞はすべて、CD86のより大きい発現を示した一方、BおよびNK細胞は、CD69のより大きい発現を示した。表B5−3は、マウスリンパ節由来のpDC上の諸レベルのCD69およびCD86発現を示す。これらのデータは、D56−05およびD56−01はともに、pDC上でCD69およびCD86発現を誘導するが、D56−05は、D56−01と比較してin vivoでpDCの成熟を誘導することにおいてより強力であることを示す。よって、Ficoll上のD56−01のナノ粒子製剤は、重要なAPC集団によるその取込みおよびこの集団の活性化を実質的に改善し、適応免疫の有効な誘導に寄与する。
【0229】
Ficollコンジュゲーションが同じ細胞内へのCpG−ODNおよびAg取込みの効率を増大させたか否かを判定するために、マウスに蛍光標識アジュバント(上述の通り)+Alexa Fluor(登録商標)647で標識されたrPAを足蹠注射した。膝窩リンパ節細胞をフローサイトメトリー分析のために、注射して24または48時間後に回収した。検査した各APC型で、多くの細胞は、Agまたはアジュバントのみを組み込んだが、rPAおよびD56−05またはD56−01の両方を取得した細胞の集団も存在した。D56−05およびrPAで免疫されたマウスでは、Agおよびアジュバントを同時に取り込んだAPCならびにアジュバントのみを取り込んだ細胞の頻度が最も高いことが実証された。2つの追加の実験において多色イメージングフローサイトメトリーおよび後続のBDSスコア付けの計算を使用して、Alexa Fluor(登録商標)555標識D56−05およびAlexa Fluor(登録商標)647標識rPAが同じ細胞内に特異的に共局在したか否かを判定した。D56−05およびrPAを合同で取り込んだpDCのおよそ11%、mDCの7%、骨髄細胞の5%、およびcDCの1%未満が2超のBDSスコアを実証し、測定時における細胞内でのAgおよびアジュバントの可能性のある共局在を示した。
【0230】
注射部位流入領域リンパ節内でのGC BおよびT濾胞性ヘルパー(T
FH)細胞応答に対するD56−05のインパクトを評価した。これは、B220+/GL7+/PNA+/CD95+細胞としてGC B細胞およびCD4+/CXCR5+/PD1+細胞としてT
FH細胞を同定して、フローサイトメトリーによって直接的に評価した。マウスの足蹠に、D56−05もしくはD56−01を含む/含まないrPAまたはビヒクル対照で1回免疫し、GC BまたはT
FH細胞の数を2週間監視した。より高い割合のGC BおよびT
FH細胞が5日目までにrPA/D56−05免疫化マウスの流入領域リンパ節内で検出され、14日目で上昇したままであった。GC BおよびT
FH応答は、ビヒクル注射マウスと比較してrPAのみで免疫されたマウスにおいて最小であった。総合すると、これらのデータは、先天性免疫の誘導に関するD56−01に対するD56−05の効力の増大が早期のGC BおよびT細胞応答に反映されることを示唆する。
【表B5-1】
【表B5-2】
【表B5-3】
【0231】
(実施例B6)
D56−05アジュバント急速高力価毒素中和抗体は、rPAに応答し、生きたBacillus Anthrax胞子での致死的チャレンジからサルを保護する。
D56−05の哺乳動物被験体における防御抗原特異的抗体応答を誘導する能力(すなわち、免疫原性)を、D56−05+rPAで免疫したサルにおいて評価した。比較のために、追加の群のサルをD56−01+rPAまたはrPA単独で免疫した。D56−05で1回または2回の免疫した後の保護を試験するために、サルに致死量の炭疽胞子でチャレンジし、生存時間を監視した。
【0232】
サル免疫原性研究についての生存中の手順は、実施例B5の下で記載されている。炭疽エアロゾルチャレンジ研究のために、サル(Macaca fascicularis)をBattelle Biomedical Research Center(Columbus、OH)に収容し、そこでオールインライフ手順を実行した。以前に炭疽に曝露されなかった25匹の雄および25匹の雌の健康サルを、体重によってランダム化して8匹(4匹の雄、4匹の雌)または6匹(3匹の雄、3匹の雌)の群にした。DPBS 1mLの全体積中D56−05 1000または250μgと組み合わせたrPA 10μgで0および/または29日目に四頭筋内にi.m.経路によって動物を免疫した。6匹の非免疫動物から構成される群も含めた。血清試料を研究中に収集して抗体応答の発生を確認した。サルを200×50%致死量(LD
50)当量の標的用量のエアロゾル化B.anthracis Ames胞子に、69、70、または71日目に曝露した。各群からの少なくとも2匹のサルをそれぞれの日に割り当てて、サルを3つのチャレンジ日のうちの1つにランダム化した。動物を、チャレンジ後の28日にわたって生存時間および疾病の臨床徴候について1日2回監視した。瀕死と判断されたいずれの動物も、直ちに安楽死させた。血液寒天プレート上にEDTA全血30〜40mlをストリークし、37℃で少なくとも48時間インキュベートすることによって、定性的な菌血症を62日目以降査定した。B.anthracis形態と一致する任意のコロニー(粗い外観および不規則な縁部を伴って、g−溶血性、白色コロニー、直径4〜10mm)をもたらす試料を陽性と記録した。
【0233】
毒素中和アッセイ(TNA)。rPAに対する抗体価の発生をin vitro毒素中和アッセイ(TNA)によって査定した。アッセイは、rPAに対する血清抗体のBacillus anthracis致死性毒素細胞傷害性からJ774.1細胞を特異的に保護する能力を測定する。J774.1ネズミマクロファージ(アメリカンタイプカルチャーコレクション、Manassas、VA)を、連続希釈血清試料の存在または非存在下でPAおよび致死因子(LF;List Biological Laboratories、Campbell、CA)に曝露した。生存能をMTT(3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド)の添加によって査定した。力価を、中和曲線の4−パラメータロジスティック対数フィットの変曲点に対応する、毒素媒介細胞傷害性の50%中和(ED
50)をもたらす血清試料の希釈の逆数として計算した。TNA結果を、試験試料のED
50および参照標準のED
50の商(NF
50)として報告する。アッセイ終点は、SoftMaxProバージョン4.7.1(Molecular Devices、Sunnyvale、CA)を使用して計算した。TNAアッセイは、Battelleで実施したチャレンジに対して−1、+1、+3、+5、+7、+14、+21、および+28日目から生じる血清を除いてDynavax Technologiesによって実施され、ヒト参照標準AVR801を使用してNF
50値を計算した。アッセイ終点は、SAS(JMP、Cary、NC)を使用して計算した。データ取得および分析は、SoftMaxProバージョン5.0.1(Molecular Devices、Sunnyvale、CA)またはSAS(SAS Institute、Cary、NC)を使用してSpectraMax190またはVersa−Maxによって実施した。定量化の下限(LLOQ)は、100であった。検出不可能な値をもたらす試料は、LLOQの半分に等しい値に割り当てた。
【0234】
抗rPA IgG定量化。プレート(96ウェル)をrPAで被覆し、一晩インキュベートした。適切な希釈系列の標準物質および試験血清を2通りにアッセイした。HRP−コンジュゲートヤギ抗ヒトIgG(SouthernBiotech、Birmingham、AL)を検出に使用し、色を、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジンマイクロウェルペルオキシダーゼ基質システム(KPL、Gaithersburg、MD)を用いて発色させた。力価は、4−パラメータロジスティック対数フィット曲線の変曲点に対応する希釈の逆数(ED50)として計算した。結果を、試験試料のED50および参照標準のED50の商(NF50)として報告する。データ取得および分析は、SoftMaxPro v5.0.1ソフトウェア(Molecular Devices)を使用してSpectraMax190またはVersaMaxによって実施した。
【0235】
結果。表B6−1および
図15Aは、免疫原性研究データ、具体的には、rPA単独、rPA+D56−05、またはrPA+D56−01を単回注射して2週間後のサル血清において誘導されたTNA力価(個々の力価、幾何平均、および95%信頼区間)を示す。2つの最高用量のD56−05は、D56−01添加による有意でない増大と比較して、rPAのみを与えられた動物においてより有意に高い平均TNA力価を誘導した。D56−05の最高用量において、rPA単独と比較したTNA力価の計算された31倍の増大は、アジュバント効力の過小評価である可能性があり、その理由は、rPAのみの動物における力価はすべて、TNAアッセイの検出のレベル未満であったためである。その上、D56−05 250〜1000mgを受けたすべての動物(11匹のうちの11匹)は、血清陽性であった一方、D56−01 250〜1000mgで免疫された11匹の動物のうちの5匹は、LLOQ未満であった。これらのデータは、rPA+D56−05およびrPA+D56−01はともに、rPA単独での免疫化と比較して毒素中和抗体の急速で強力な力価を誘導したが、TNA力価は、等価なCC量のD56−05で免疫されたサルにおいて最高であったことを示す。
【0236】
同様に、14日における全抗rPA IgGの力価は、rPA/D56−05で免疫した後に有意に増大し(
図15B)、TNA結果と有意に相関した(
図15C)。28日目における第2の免疫化の後、TNA応答の15倍超のブーストがすべての群において明白であり、力価は、少なくとも18週間上昇したままであった。第2の免疫を行って約5カ月後の抗原チャレンジに対するメモリー応答も、これらの動物において評価した。少なくとも15倍のTNA力価のさらなる増大(
図15D)は、急速な、ロバストな応答を実証し、潜在的防御免疫を示した。
【0237】
保護を直接的に評価するために、cynomolgus macaquesをrPA+D56−05で1回(29日目)または2回(0および29日目)i.m.免疫し、200 LD50当量の標的用量のエアロゾル化B.anthracis胞子で70±1日目にチャレンジした。生存時間、菌血症、および臨床的疾患の症状をチャレンジ後28日間監視し、血清試料を、TNA力価を判定するためにチャレンジ前後に収集した。
図16Aは、rPA+D56−05で1回または2回免疫した後、エアロゾル化した生きた炭疽胞子でチャレンジしたサルについてのカプラン−マイヤー生存分析を示す。炭疽チャレンジからの完全な保護が、D56−05 1000mgとともにrPAの単回のワクチン接種、またはD56−05 250もしくは1000mgとともに2回のワクチン接種を受けたすべてのサルにおいて実現され、一方、すべてのワクチン接種されなかった動物は、チャレンジの9日以内に疾患で死んだ。これらのデータは、rPA+D56−05で単回免疫すると致死的チャレンジからサルの100%が保護されることを明確に示す。2回免疫された動物も保護された。
【0238】
さらに、rPA/D56−05をワクチン接種された動物は、チャレンジ後の任意の時点で菌血症または臨床症状を示さなかった。チャレンジ後、すべての動物は、TNA力価の急速な増大をもたらし、強いメモリー応答を示した。メモリー応答は、単回rPA/D56−05免疫化を受けたサルにおいて顕著であり、感染チャレンジの7日以内に2回免疫動物と同等のレベルに急速に上昇した(
図16B)。総合すると、これらのデータは、rPA+D56−05 1000mgで単回免疫すると、顕著なリコール応答について動物がプライムされ、エアロゾル化B.anthracis胞子での致死的チャレンジからの保護がもたらされることを実証する。
【0239】
炭疽曝露に対する急速な単回注射保護は、未充足ニーズを相当するが、D56−05の強力なアジュバント活性は、実質的に低減された用量が、2回注射予防レジメンが実現可能である局面において有効であり得ることを示唆した。したがって、別個の実験において、TNA応答を、rPAおよび1000、50、20、または5mgのD56−05で0および28日目に免疫されたサルにおいて監視した。1000超のTNA力価が、試験した最低用量である5mgのD56−05用量でさえ、2回免疫化レジメンにおいて誘発され、Agのみの注射(細菌胞子曝露のサロゲートとして使用した)と比べて10,000超にさらにブーストされた(
図16C)。よって、2回免疫化レジメンにおいて、データは、サルにおける単回免疫化レジメンで保護的であると実証されたD56−05用量の1/200で保護的能力があることを示唆する。
【0240】
D56−05ナノ粒子製剤によるアジュバント活性の改善も、マウスにおいて評価した。実際に、rPA/D56−05は、マウスにおいて第1および第2の免疫化の両方の後に有意により高いTNA力価を誘導し、D56−05作用機序を調査する研究に関する種の関連性を実証した(
図17A−B)。
【表B6-1】
【0241】
(実施例B7)
等価な用量で、ナノ粒子製剤D56−05は、遊離線状キメラ化合物D56−01と比較して、マウスにおいて安全性利点を実証する。
in vivoでCC配列の安全性/耐容性に対するナノ粒子製剤の効果を試験するために、マウスに、筋肉内経路によってD56−05およびD56−01の繰り返しの高用量注射を投与した。毒性を査定する種として、マウスは、マウスにおけるTLR9発現のより広範な細胞分布に起因して、霊長類と比較して、CpG ODN含有ヌクレオチドに対して誇張された薬理学的応答を実証する。本発明者らは、遊離およびナノ粒子バージョンのCCの相対的安全性を査定するために、合計4回の注射で2週間毎にD56−05またはD56−01のいずれか100μg(D56−01の重量に基づいて)を受けているマウスにおいて血清サイトカイン応答を測定し、体重の変化を監視した。
【0242】
雌BALB/cマウス(生後6〜10週)をCharles Riverから購入し、Murigenics(Vallejo、CA)に収容し、そこでオールインライフ手順を実行した。5匹のマウスの群に、注射間に2週間を伴ってD56−05またはD56−01 100μgを1回、2回、3回、または4回投与した。選ばれた群を各注射の2時間後に屠殺した。対照に関して、1つの群は、注射を受けず、別の群に注射ビヒクル(生理食塩水、50μL)を投与した。これらの群はともに、4回目の注射の18時間後に屠殺した。血清を屠殺時に心穿刺によって回収した。脾臓、肝臓、および腎臓を屠殺時に回収し、秤量した。マウスを研究全体にわたって毎週2回秤量した。
【0243】
ELISA。血清試料中のサイトカインレベルを実施例B1の下で記載した通りに市販の抗体対を使用して測定した。マウスIL−6およびIL−12p40を検出するための抗体対は、BD Biosciences(San Jose、CA)から調達した。マウスIP−10、MCP−1、およびTNF−αを検出するための試薬は、R&D Systems(Minneapolis、MN)から調達した。これらのアッセイの検出の限界は、約20pg/mL〜約150pg/mLの範囲であった。データ取得および分析は、SoftMaxPro v5.0.1ソフトウェア(Molecular Devices)を使用してSpectraMax190またはVersaMaxによって実施した。
【0244】
酵素結合ハイブリダイゼーションアッセイまたはハイブリダイゼーションアッセイによるD56−05またはD56−01組織定量化。個々の動物ごとに1組織当たり25〜50mgの脾臓、肝臓、腎臓、または注射部位筋肉、および個々の動物ごとにプールした注入領域リンパ節を、20mM Tris(pH8)、20mM EDTA(Sigma−Aldrich、St.Louis、MO)、100mM塩化ナトリウム、0.2% SDS(Teknova、Hollister、CA)中でTissueLyser II(Qiagen)を使用してホモジナイズし、1.2U/組織1mgで50℃にて6〜20時間、プロテイナーゼK(New England BioLabs、Ipswitch、MA)消化に付した。Nunc Immobilizerアミノプレートを、0.1Mリン酸ナトリウム(Teknova)中の30ng/ml捕捉プローブ(D56−01定量化について配列番号18に示した5’−GCGCCGAGAA CGTTGCGCCG A−3’;およびD56−05定量化について配列番号19に示した5’−AGCCGCGTTG CAAGAGAAGC GATGCGCGGC TCG−3’)で4℃にて一晩被覆した。D56−05を定量化するために、0.6mg/ml検出プローブ(配列番号18に示した5’−GCGCCGAGAA CGTTGCGCCG A−3’)と等体積で混合したホモジナイズされた試料を、52℃で75分間インキュベートした。D56−01を定量化するために、SSC+2% N−ラウロイルサルコシンナトリウム塩緩衝液と等体積で混合したホモジナイズされた試料を、45℃で2時間インキュベートし、室温で30分間冷却させた。捕捉されたD56−01の相補的39エンドの合成を、0.5mMビオチン化dUTPおよび50mM dNTP(New England BioLabs)の存在下で、1.25Uクレノウ断片(New England BioLabs)によって触媒した。HRPコンジュゲートストレプトアビジン(Thermo Scientific、Waltham、MA)をアジュバント検出に使用し、色を3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジンマイクロウェルペルオキシダーゼ基質システム(KPL)で発色させた。アジュバントは、標準物質として機能を果たした。LLOQは、D56−05およびD56−01についてそれぞれ6.24および7.62ng/組織1gであった。すべてのデータ取得および分析は、SoftMaxPro v5.0.1ソフトウェア(Molecular Devices)を使用してSpectraMax190またはVersaMaxによって実施した。
【0245】
結果。D56−05および単量体D56−01がi.m.注射後に差次的な組織分布動態を示したか否かを試験するために、マウスにD56−05またはD56−01を注射し、注射部位および流入領域リンパ節、ならびに遠位部位(脾臓、肝臓、および腎臓)におけるアジュバントのレベルを測定した。マウスは、回収を促進するために高用量(100μg)のいずれかのアジュバントを受け、組織を注射の1日後に回収した。D56−05およびD56−01を上述したハイブリダイゼーションアッセイによって定量化した。D56−05は、注射部位筋肉およびリンパ節(膝窩、鼠径部、坐骨、腰椎、および仙椎)内で濃縮され、一方、D56−01は、全身性に急速に分布した(
図18)。D56−01は、注射部位およびリンパ節において最小限のレベルで検出され、代わりに、脾臓、肝臓、および腎臓内で濃縮されていた。これらのデータは、ナノ粒子および単量体D56−01は、注射の24時間以内に差次的に分布し、D56−05の優先的な局所的保持がアジュバントとしてのその効力の増大に寄与し得ることを示唆する。
【0246】
CpG−ODN投与後にマウスにおいて一般に観察されたすべての全身性毒性は、D56−01と比較してD56−05を注射された動物において大いに低減された。表B7−1は、D56−05またはD56−01の第1の用量を投与して2時間後のマウスにおける血清サイトカインレベルを示す。炎症性サイトカインIL−6、IL−12p40、IP−10、MCP−1、およびTNF−αはすべて、D56−01注射の2時間後に血中に高レベルで誘導されたが、D56−05に応答して誘導されなかった。
【0247】
その上、D56−05注射マウスにおける全身性効果の遅延の証拠はほとんどなかった。D56−05を4回隔週に注射した後に屠殺したマウスは、シャム注射マウスと同様の脾臓および肝臓の重量を実証した。D56−01を投与されたが、D56−05を投与されなかったマウスは、2回の注射後に明白な脾腫大および肝腫大を発生させ、3および4回の注射後により顕著になった。このデータを表B7−2に要約する。腎臓重量に対する効果はなかった。D56−05注射マウスにおける病理組織学的変化は最小限であった一方、D56−01注射の繰り返しは、脾臓骨髄外造血活性の増大、ならびに類洞の細胞浸潤、肝細胞変性、および軽度/中等度の肝臓壊死を含めた肝臓変化をもたらした。
【0248】
図19は、D56−05およびD56−01を受けたマウスの研究にわたる群アベレージ体重を示す。げっ歯類に特異的な顕著な体重減少、TNF−アルファ依存性CpG誘導毒物学事象が、D56−01注射を隔週に投与された動物において起こった。対照的に、高用量D56−05の注射を隔週に投与されたマウスについて、体重は、対照のものよりわずかに低いだけであった。このデータは、D56−01を投与されたマウスにおける脾腫大および肝腫大に起因して重量が追加された効果を除去するように調整されると、全体重は、高用量D56−01の連続的投与とともに低下するが、D56−05では低下しないことを実証する。総合して、これらのデータは、遊離CC D56−01に対してナノ粒子製剤化D56−05の顕著な安全性利点を示す。遊離CCと異なり、ナノ粒子製剤は、高用量注射を繰り返した後でも炎症性血清サイトカイン応答、感知できる臓器肥大、または体重の劇的な低減を誘導しない。よって、単量体D56−01に対するD56−05ナノ粒子のアジュバント活性の改善は、全身毒性シグナルの低減が伴う。
【表B7-1】
【表B7-2】
【0249】
(実施例B8)
D56−05の腫瘍内投与は、リンパ腫細胞株EG7−OVA腫瘍を有するマウスにおける腫瘍増殖を抑制する。
がん免疫療法のモデル(Mooreら、Cell、54巻:777頁、1998年)におけるD56−05の適用を試験するために、リンパ腫細胞株EG7 l OVAを使用して、確立された腫瘍の増殖に対するD56−05または対照非CpG含有オリゴヌクレオチド(D56−30)の腫瘍内注射の効果を査定した。
【0250】
雌C57BL/6マウス(生後6〜10週)をHarlanから購入し、Murigenics(Vallejo、CA)に収容し、そこでオールインライフ手順を実行した。1×10
*6 EG−7細胞(アメリカンタイプカルチャーコレクション、Manassas、VA)をC57BL/6マウスの側腹部内に皮下注射した。研究日0(細胞移植の4日後)に開始して、マウス(N=5/群)の確立された腫瘍塊中に、PBS 150μLの体積中D56−05または対照非CpGオリゴヌクレオチド(D56−30)50μgの注射を投与した。注射は、0、3、および7日目に毎日投与した。動物を観察し、腫瘍サイズ(体積)を測定した。
【0251】
腫瘍体積データを
図20に示す。データは、腫瘍内経路によって投与されたD56−05がこのネズミ腫瘍モデルにおいて腫瘍体積増大を阻害したことを実証する。
【0252】
(実施例B9)
異なるD56−01:FICOLLモル比(x)を有するD56−05([(D56−01)−PEG
6]
x−FICOLLとも呼ばれる)コンジュゲートのin vitro効力評価。
生物学的応答の効力に対するD56−05([(D56−01)−PEG
6]
x−FICOLLとも呼ばれる)コンジュゲート中の様々なD56−01:FICOLLモル比(x)の効果をin vitro分析によって査定した。ヒトB細胞内のin vitro効力を、異なるD56−01:FICOLLモル比(x)を有するD56−05コンジュゲート:D56−05 x=24、D56−05 x=53、D56−05 x=82、D56−05 x=124、およびD56−05 x=154について実施例B1に記載した通りに判定した。ヒトB細胞IL−6アッセイの結果を表B9−1に示す。異なるD56−01:FICOLLモル比(x)を有するD56−05の合成については実施例S12を参照。
【0253】
これらのデータは、より高いD56−01:FICOLLモル比(x)を有するD56−05コンジュゲートが、D56−05と比較してヒトIL−6アッセイにおいて同様の効力を示したことを示す。
【表B9-1】
【0254】
(実施例B10)
n=6、24、45、および70のSM−PEG
nを使用して製造したD56−05、D56−25、D56−26、およびD56−27([(D56−01)−PEG
n]
x−FICOLLとも呼ばれる)のin vitro効力評価
[(D56−01)−PEG
n]
x−FICOLL中の様々な長さ(n)のSM−PEG
nリンカー分子の効果を、in vitro生物学的応答の効力を測定することによって試験した。ヒトpDC富化PBMCおよびB細胞内のin vitro効力を、実施例S3および実施例S13に記載した通りにそれぞれn=6、24、45、および70のSM−PEG
nを使用して製造した[(D56−01)−PEG
n]
x−FICOLLコンジュゲート、D56−05、D56−25、D56−26、およびD56−27について、実施例B1に記載した通りに判定した。ヒトpDC富化PBMC IFN−αアッセイおよびヒトB細胞IL−6アッセイの結果をそれぞれ表B10−1および表B10−2に示す。より長いPEGリンカーを有する[(D56−01)−PEG
n]
x−FICOLLコンジュゲートは、IFN−αアッセイにおいてわずかに増大した効力、およびIL−6アッセイにおいてわずかに低減された効力を示した。
【表B10-1】
【表B10-2】