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特許6646112スケジューリング機能を含むデマンドレスポンス管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6646112
(24)【登録日】2020年1月14日
(45)【発行日】2020年2月14日
(54)【発明の名称】スケジューリング機能を含むデマンドレスポンス管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20120101AFI20200203BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20200203BHJP
   H02J 3/14 20060101ALI20200203BHJP
【FI】
   G06Q50/06
   H02J13/00 301A
   H02J13/00 311T
   H02J3/14 130
【請求項の数】14
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2018-138870(P2018-138870)
(22)【出願日】2018年7月24日
(65)【公開番号】特開2020-17030(P2020-17030A)
(43)【公開日】2020年1月30日
【審査請求日】2018年7月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】518263807
【氏名又は名称】エンコアードジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】中野 明彦
(72)【発明者】
【氏名】加藤 真一
(72)【発明者】
【氏名】孔 喜俊
(72)【発明者】
【氏名】リ ヒョソプ
【審査官】 牧 裕子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−033199(JP,A)
【文献】 特開2016−012273(JP,A)
【文献】 特開2015−149827(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/141354(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
H02J 3/14
H02J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加入者の家電機器における電力使用量を示す電力使用量情報を転送する電力情報転送装置、および
前記電力使用量情報を受信するデマンドレスポンス運用サーバを含み、
前記デマンドレスポンス運用サーバは、
小売電気事業者サーバに節減要請予想時間帯を提供した後に、前記小売電気事業者サーバから節減要請時間帯の入力を受け付けるインターフェースを提供する節減要請入力部、
電力売買価格に影響を与える要因に関する情報を含むスケジューリング参照情報に基づいて電力購入予想価格を推定し、前記電力購入予想価格が予め定められた金額より高い時間帯を前記節減要請予想時間帯して前記節減要請入力部に提供し、前記節減要請入力部が受け付けた節減要請時間帯にデマンドレスポンスイベントをスケジューリングしてスケジューリング情報を生成するスケジューリング情報生成部、および
前記加入者から前記スケジューリングされたデマンドレスポンスイベントに対する参加有無の入力を受け、前記デマンドレスポンスイベントの結果を前記加入者の端末に転送する加入者インターフェースを含む、スケジューリング機能を含むデマンドレスポンス管理システム。
【請求項2】
前記スケジューリング情報生成部は、前記スケジューリング参照情報に含まれる天気に最も類似する天気であった過去の日付又は時間帯の時間別電力購入価格を前記電力購入予想価格と推定する、請求項に記載のスケジューリング機能を含むデマンドレスポンス管理システム。
【請求項3】
前記スケジューリング情報生成部は、前記スケジューリング参照情報に含まれる分類型付加情報が示す、前記予め定められた日付または時間帯に対応する、曜日、地域および社会的イベントのうち少なくとも一つ同一の日付又は時間帯の時間別電力購入価格を前記電力購入予想価格と推定する、請求項2に記載のスケジューリング機能を含むデマンドレスポンス管理システム。
【請求項4】
前記予め定められた日付または時間帯は、前記デマンドレスポンスイベントに対応する日付と年度が異なり同じ日付を中心に前後の一定期間を含むように決定されるか、または前記デマンドレスポンスイベントに対応する日付の直前の一定期間に決定される、請求項2又は3に記載のスケジューリング機能を含むデマンドレスポンス管理システム。
【請求項5】
前記節減要請入力部は、前記節減要請予想時間帯を前記小売電気事業者サーバに提供して前記小売電気事業者サーバを使用する小売電気事業者が前記節減要請予想時間帯を参照できるようにする、請求項1からのいずれか一項に記載のスケジューリング機能を含むデマンドレスポンス管理システム。
【請求項6】
前記デマンドレスポンス運用サーバは、前記加入者が節減できる電力使用量を含む目標節減量を算出する節減目標算出部をさらに含み、前記加入者インターフェースは、前記節減目標算出部により算出された目標節減量を前記加入者の端末に提供する、請求項1からのいずれか一項に記載のスケジューリング機能を含むデマンドレスポンス管理システム。
【請求項7】
前記節減目標算出部は、前記デマンドレスポンスイベントをスケジューリングする日付の直前の一定の日付時間帯だけの時間帯別電力使用量に基づいて最小使用量を決定し、
前記デマンドレスポンスイベントを含む時間帯の前記加入者の予測使用量を決定した後、前記最小使用量と前記予測使用量の差に決定定数を掛けて前記目標節減量を算出し、
前記節減目標算出部は、前記目標節減量が前記予測使用量に平均予測誤差率を掛けた値より小さい場合には、前記目標節減量を前記予測使用量と平均予測誤差率を掛けた値以上に修正する、請求項に記載のスケジューリング機能を含むデマンドレスポンス管理システム。
【請求項8】
前記デマンドレスポンス運用サーバは、前記加入者の家電機器に対応する情報を生成する家電機器情報生成部、および前記加入者の家電機器を制御する信号を生成して前記加入者の家電機器に転送する制御信号生成部をさらに含む、請求項1に記載のスケジューリング機能を含むデマンドレスポンス管理システム。
【請求項9】
前記家電機器情報生成部は、前記電力使用量情報から電力使用量イベント情報を抽出し、前記抽出された電力使用量イベント情報に基づいて前記加入者の家電機器をラベリングして格納する、請求項に記載のスケジューリング機能を含むデマンドレスポンス管理システム。
【請求項10】
前記家電機器情報生成部は、前記加入者の家電機器に対応する情報を前記加入者の家電機器に問い合わせする信号を生成して前記加入者の家電機器に転送し、前記加入者の家電機器は、前記問い合わせする信号に応答して前記家電機器情報生成部に前記加入者の家電機器の種類およびモデル情報を転送する、請求項に記載のスケジューリング機能を含むデマンドレスポンス管理システム。
【請求項11】
前記加入者の家電機器に対応する情報は機器別節電量情報を含む、請求項8に記載のスケジューリング機能を含むデマンドレスポンス管理システム。
【請求項12】
前記加入者インターフェースは、前記加入者の家電機器に対応する情報に基づいて前記加入者の家電機器のうち前記デマンドレスポンスイベントの間に自動制御対象となる家電機器を選択できるインターフェースを提供し、
前記制御信号生成部は、選択された家電機器に対する制御信号を生成する、請求項に記載のスケジューリング機能を含むデマンドレスポンス管理システム。
【請求項13】
前記デマンドレスポンス管理システムは、ネットワークを介して連結され、前記加入者の家電機器を制御できる遠隔リモコンを含み、
前記制御信号生成部は、前記遠隔リモコンを介して前記加入者の家電機器を制御する制御信号を生成する、請求項に記載のスケジューリング機能を含むデマンドレスポンス管理システム。
【請求項14】
前記デマンドレスポンス運用サーバは、前記デマンドレスポンスイベントの結果に対する報酬を示す報酬情報を管理する報酬情報管理部をさらに含み、
前記報酬情報管理部は、複数のプラットフォームに応じた互いに異なる報酬を前記複数のプラットフォーム別に各々格納し、前記加入者インターフェースに提供する、請求項1に記載のスケジューリング機能を含むデマンドレスポンス管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デマンドレスポンス管理装置および方法に関し、より詳しくは、加入者が小売電気事業者により登録されたスケジューリングに応じてデマンドレスポンスプログラムを実行するように管理することができるデマンドレスポンス運用装置および方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電力は、その特性上、貯蔵することができないため、瞬時瞬時で需要と供給のバランスを保つことが必要であり、電気事業者は、最大需要電力の発生時に合わせた適正な予備率を確保するために充分な供給能力(発電設備)を備えている。これまでは需要の伸びに合わせ、発電所の建設が進められてきた。しかし、電力自由化により競争が進展する中、各事業者とも大型の設備投資に対し慎重な判断が求められるようになってきている。中長期的には火力発電所の休廃止が計画されており、資源エネルギー庁では供給力確保のため、容量市場の創設を検討している。また一方で、太陽光発電等の再生可能エネルギーや蓄電池といった需要家側のエネルギーリソースの普及拡大、IoT等の発展に伴い、従来の省エネだけでなく、電力の供給状況に応じて需要パターンを変化させるデマンドレスポンス(DR)やバーチャルパワープラント(仮想発電所)といった新たな取り組みも始まっている。
【0003】
2016年4月の電力小売全面自由化以降、新規参入する事業者は増加し、経済産業省に登録された小売電気事業者は2018年6月時点で400社を超えている。新規に参入した事業者の多くは自社で発電設備を保有しておらず、発電事業者等から相対で電源を調達するほか、日本卸電力取引所(以下、JEPX)の取引を活用している。ただし、相対取引は少なく、特に規模の小さい事業者は、JEPXからの調達に依存している。JEPXは30分単位で取引が行われており、その取引価格は常に変動している。とりわけ、夏季や冬季の需給ひっ迫時や地域間連系線の送電混雑時に起こる市場分断に伴い価格高騰が発生することもあり、安定した量・価格で調達できない時間帯も出ている。
また、2012年7月の再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT:Feed−In Tariff)導入により、特に太陽光発電の導入が急速かつ大量に進んでいる。太陽光発電のような自然変動電源は天候に左右されるため、好天時には発電量が増加し需給が緩和されてJEPXの価格は下がり、逆に降雨や曇天時には発電量が減少し需給がタイトになりJEPXの価格は上がる傾向にある。さらに、太陽光発電の大量導入に伴い、特に低需要期は太陽光発電が供給過多となり、昼間の需給調整が必要となっている。この需給調整の方策としては、太陽光発電の出力抑制や需要増加が挙げられる。
【0004】
したがって、小売電気事業者は前記のとおり、常に電源の調達価格の変動リスクを抱えており、季節や時間帯によっては、小売の販売価格を電源の調達価格が上回る損失(以下、逆ザヤ)が発生する可能性がある。
【0005】
このような逆ザヤの発生を回避するためには、JEPXの価格が高騰している時期で逆ザヤが発生する可能性のある時間帯に、電力の需要を効率的に節減できるデマンドレスポンス管理システムが有効である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記問題点を解決するために、本発明は、節減要請時間帯を入力できるインターフェースを提供することができる。この節減要請時間帯をデマンドレスポンスイベントとしてスケジューリングし、実際に節減を行う本プログラムの加入者(当該小売電気事業者の顧客)が容易に参加有無を表すことができる加入者インターフェースも提供される。
【0007】
したがって、本発明によれば、小売電気事業者が、例えば逆ザヤが発生し得る時間帯に電力需要を抑制させて小売電気事業者の逆ザヤを低減できるデマンドレスポンス管理システムが提供される。
【0008】
また、本発明の他の態様によれば、デマンドレスポンスイベント時、小売電気事業者等のサービス提供者及び加入者に家電製品等を操作可能にしてデマンドレスポンスの結果をより向上させることを可能にする加入者インターフェースが提供される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記技術的課題を解決するためのスケジューリング機能を含むデマンドレスポンス管理システムは、加入者の電力使用量情報を転送する電力情報転送装置、およびデマンドレスポンス運用サーバを含む。前記デマンドレスポンス運用サーバは、小売電気事業者サーバに節減要請時間帯を提供し、小売電気事業者サーバから節減要請時間帯の入力を受けるインターフェースを提供する節減要請入力部、前記節減要請時間帯を算出して前記節減要請入力部に提供し、前記入力された節減要請時間帯にデマンドレスポンスイベントをスケジューリングしてスケジューリング情報を生成するスケジューリング情報生成部、および前記加入者から前記スケジューリングされたデマンドレスポンスイベントに対する参加有無の入力を受け、前記デマンドレスポンスイベントの結果を前記加入者の端末に転送する加入者インターフェースを含む。
【0010】
この場合、前記スケジューリング情報生成部は、スケジューリング参照情報に基づいて電力購入予想価格を推定し、前記電力購入予想価格が予め定められた金額より高い時間帯を前記節減要請予想時間帯に設定する。前記スケジューリング参照情報は、温度、湿度、日照量または風量を含む天気情報、曜日、地域および社会的イベントのうち少なくとも一つを含む分類型付加情報、または発電設備又は蓄電設備の使用可能量の変化推移または燃料価格推移を含む連続型付加情報を含んでもよい。
【0011】
また、前記スケジューリング情報生成部は、予め定められた日付時間帯において、前記天気情報または連続型付加情報が最も類似する、または前記分類型付加情報が同一な日付の時間帯別電力購入価格を用いて電力購入予想価格を推定してもよい。
【0012】
なお、前記スケジューリング情報生成部は、前記予め定められた日付時間帯のうち前記分類型付加情報が同一な場合の天気情報または連続型付加情報を用いて前記電力購入予想価格を推定してもよい。
【0013】
また、前記予め定められた日付時間帯は、前記デマンドレスポンスイベントを含む日付と年度が異なる同じ日付を中心に前後の一定期間を含むように決定されるか、または前記デマンドレスポンスイベントを含む日付から一定期間を含むように決定されてもよい。
【0014】
なお、前記節減要請入力部は、前記節減要請予想時間帯を前記小売電気事業者サーバに提供して前記小売電気事業者が前記節減要請予想時間帯を参照できるようにしてもよい。
【0015】
また、前記デマンドレスポンス運用サーバは、前記加入者が節減できる電力使用量を含む目標節減量を算出する節減目標算出部をさらに含み、前記加入者インターフェースは、前記節減目標算出部により算出された目標節減量を前記加入者の端末に提供してもよい。
【0016】
なお、前記節減目標算出部は、前記デマンドレスポンスイベントをスケジューリングする日付の直前の一定の日付・時間帯の時間帯別電力使用量に基づいて最小使用量を決定し、また、前記デマンドレスポンスイベントを含む時間帯の前記加入者の予測使用量を決定した後、前記最小使用量と前記予測使用量の差に決定定数を掛けて前記目標節減量を算出し、前記節減目標算出部は、前記目標節減量が前記予測使用量に平均予測誤差率を掛けた値より小さい場合には、前記目標節減量を前記予測使用量に平均予測誤差率を掛けた値以上に修正してもよい。
【0017】
また、前記デマンドレスポンス運用サーバは、前記加入者の家電機器に対する情報を生成する家電機器情報生成部、および前記加入者の家電機器を制御する信号を生成して前記加入者の家電機器に転送する制御信号生成部をさらに含んでもよい。
【0018】
なお、前記家電機器情報生成部は、前記電力使用量情報から電力使用量イベント情報を抽出し、前記抽出された電力使用量イベント情報に基づいて前記加入者の家電機器をラベリングして格納してもよい。
【0019】
また、前記家電機器情報生成部は、前記加入者の家電機器に対する情報を前記加入者の家電機器に問い合わせする信号を生成して前記加入者の家電機器に転送し、前記加入者の家電機器は、前記問い合わせする信号に応答して前記家電機器情報生成部に前記加入者の家電機器の種類およびモデル情報を転送してもよい。
なお、前記加入者の家電機器に対する情報は機器別節電量情報を含んでもよい。
【0020】
また、前記加入者インターフェースは、前記加入者の家電機器に対する情報に基づいて前記加入者の家電機器のうち前記デマンドレスポンスイベントの間に自動制御対象となる家電機器を選択できるインターフェースを提供し、前記制御信号生成部は、選択された家電機器に対する制御信号を生成してもよい。
【0021】
なお、前記デマンドレスポンス管理システムは、ネットワークを介して連結され、前記加入者の家電機器を制御できる遠隔リモコンを含み、前記制御信号生成部は、前記遠隔リモコンを介して前記加入者の家電機器を制御する制御信号を生成してもよい。
【0022】
また、前記デマンドレスポンス運用サーバは、前記デマンドレスポンスイベントの結果に対する報酬情報を管理する報酬情報管理部をさらに含み、前記報酬情報管理部は、複数のプラットフォームに応じた互いに異なる補償を前記複数のプラットフォーム別に各々格納し、前記加入者インターフェースに提供してもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、前記問題点を解決するために、本発明は、小売電気事業者に逆ザヤの発生予想時間帯を提供し、小売電気事業者が前記逆ザヤの発生予想時間帯を参照して節減要請時間帯を入力できるインターフェースを提供することができる。また、上述した節減要請時間帯をデマンドレスポンスイベントとしてスケジューリングして加入者が容易に参加有無を表示するようにする加入者インターフェースも提供される。
【0024】
したがって、本発明によれば、小売電気事業者の損失が発生しうる期間に電力需要を減少させて小売電気事業者の逆ザヤを低減できるデマンドレスポンス管理システムが提供される。
【0025】
また、本発明によれば、デマンドレスポンスイベント時、自動制御が可能な機器を制御してデマンドレスポンスの結果を改善できる加入者インターフェースを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施形態によるデマンドレスポンス管理システムの構成図である。
図2A】本発明の一実施形態による電力情報転送装置を説明するための図である。
図2B】本発明の一実施形態による電力情報転送装置を説明するための図である。
図2C】本発明の一実施形態による電力情報転送装置を説明するための図である。
図2D】本発明の一実施形態による電力情報転送装置を説明するための図である。
図3】本発明の一実施形態によるデマンドレスポンス運用サーバのブロック図である。
図4】本発明の一実施形態によるデマンドレスポンス運用方法を示すフローチャートである。
図5】本発明の一実施形態による節減要請入力部の例示である。
図6】本発明の一実施形態による加入者インターフェースの例示である。
図7】本発明の一実施形態による加入者インターフェースの例示である。
図8】本発明の一実施形態による加入者インターフェースの例示である。
図9】本発明の一実施形態による加入者インターフェースの例示である。
図10】本発明の一実施形態による加入者インターフェースの例示である。
図11】本発明の一実施形態による加入者インターフェースの例示である。
図12】本発明の一実施形態による追加の遠隔リモコン制御装置の構成例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下の内容は単に発明の原理を例示する。よって、当業者であれば、たとえ本明細書に明確に説明又は図示されていない場合も、発明の原理を実現し、発明の概念と範囲に含まれた様々な装置を発明することができるものである。また、本明細書に列挙された全ての条件付きの用語及び実施形態は原則的に発明の概念が理解できるようにするための目的にのみ明白に意図され、このように特別に列挙された実施形態及び状態に制限的ではないものとして理解しなければならない。
【0028】
上述した目的、特徴及び長所は添付された図面と関連した次の詳細な説明を介してより明らかになるものであり、それにより、発明が属する技術分野で通常の知識を有した者が発明の技術的思想を容易に実施することができるものである。
【0029】
また、発明の説明において、発明と関連する公知技術に関する具体的な説明は、省略する場合がある。以下では添付した図面を参照して説明する。
【0030】
以下では、図1図4を参照して本発明の一実施形態によるスケジューリング機能を有するデマンドレスポンス管理システムについて説明する。
図1は、本発明の一実施形態によるスケジューリング機能を有するデマンドレスポンス管理システムの構成図を示し、図2は、本発明の一実施形態による電力情報転送装置を説明するための図である。また、図3は、本発明の一実施形態によるデマンドレスポンス運用サーバのブロック図である。図4は、本発明の一実施形態によるデマンドレスポンス管理方法のフローチャートを示す。
【0031】
1.デマンドレスポンス管理システム700の概要
図1に示すように、デマンドレスポンス管理システム700は、電力情報転送装置100、デマンドレスポンス運用サーバ300、加入者端末400、および加入者によって使用される複数の家電機器500を含むことができる。この場合、デマンドレスポンス運用サーバ300と電力情報転送装置100はネットワーク200を介して連結でき、ネットワーク200はワイドエリアネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、PLC(電力線通信)などの様々な形態で電力情報を送受信できる通信網を含むことができる。
【0032】
1)電力情報転送装置100
電力情報転送装置100は、複数の家電機器500のある加入者の宅内の電力使用量をデマンドレスポンス運用サーバ300に転送することができる。電力使用量の転送方法は下記のとおりである。
【0033】
第1の方法は、図2Aに示すように、電力情報転送装置100を複数の家電機器500と連結された分電盤やマルチタップなどの配線器具に設け、複数の家電機器500の総電力使用量を測定した後、リアルタイム(例えば、1秒に1回)で、ネットワーク200を介して総電力使用量を示す電力使用量情報を転送する方法である。例えば、電力情報転送装置100は、分電盤において分岐遮断機120または主遮断機110を代替する位置に設けられる。この時、電力情報転送装置100は、ブースバー130を介して入力される電圧を測定し、別途の電流センサ140を介して電流を測定することができる。または、図2Bに示すように、電力情報転送装置100は、分岐遮断機120または主遮断機110の位置とは別の分電盤の内部空間に設けられ、分岐遮断機120と連結された導線130−1を介して入力される電圧を測定することもできる。
【0034】
この場合、電力情報転送装置100は、測定された電圧値および電流値に基づいて、有効電力量、無効電力量および力率などを演算して電力使用量情報を生成し、特定時間ごとに(例えば、1分当たりに1回)、電力使用量情報をデマンドレスポンス運用サーバ300に送信することができる。
【0035】
第2方法は、図2Cに示すように、電力情報転送装置100がエナジーマネジメントシステム(EMS)ゲートウェイとなり、複数の家電機器500または別途の電力測定装置105(例えば、スマートメーター)に電力使用量を要求して、電力使用量情報をネットワーク200を介して転送する方法である。この場合、電力情報転送装置100と複数の家電機器500は、例えば、エコーネット、エコーネットライトなどの電力情報転送標準を使用して電力使用量情報を転送するか、または家電機器500の製造業者が提供するAPIを介して電力使用量情報または家電機器500情報(製造会社、モデルなど)を送受信することができる。
【0036】
第3方法は、図2Dに示すように、電力情報転送装置100が通信可能な計量器であり、送配電装置内のデータ収集部650が電力使用量を収集し、それを遠距離通信装置により小売電気事業者サーバ600を介してデマンドレスポンス運用サーバ300に送信する方法である。この場合、例えば、30分当たりに1回の頻度で、電力使用量情報がデマンドレスポンス運用サーバ300に転送される。
【0037】
本発明の実施例によるデマンドレスポンス運用サーバ300は、好ましくは、上記の三つの方法を実行できる電力情報転送装置100を支援できるように構成される。
【0038】
2)加入者端末400
加入者は、加入者端末400を介してウェブ画面またはアプリプログラムを通じてデマンドレスポンスプログラム参加時間帯を決定し、デマンドレスポンスプログラム参加結果を確認することができる。加入者端末400は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、PCなどのコンピューティング機能を含んで該機能を実行することができ、通信可能な端末を含み、ネットワーク200を介してデマンドレスポンス運用サーバ300の加入者インターフェース340と連結される。
【0039】
3)デマンドレスポンス運用サーバ300
図3の通り、デマンドレスポンス運用サーバ300は、節減目標算出部310、節減要請入力部320、スケジューリング情報生成部330、加入者インターフェース340、家電機器情報生成部350、制御信号生成部360および報酬情報管理部370を含むことができる。
【0040】
節減目標算出部310は、電力情報転送装置100から受信した電力使用量情報を受信し電力使用履歴として格納して管理し、電力使用量情報および電力使用履歴に基づいて加入者別の目標節減量を算出することができる。本明細書において、目標節減量は加入者別に節減可能な電力量を意味する。目標節減量は、例えば加入者が設定する、デマンドレスポンスへの参加率により表されてもよい。デマンドレスポンスへの参加率は、加入者の普段の電力使用量比デマンドレスポンス時の電力使用量の比率である。節減目標算出部310が行う目標節減量算出アルゴリズムについては後述する。
【0041】
節減要請入力部320は、小売電気事業者サーバ600がデマンドレスポンスが必要な時間帯を示す情報を入力できるインターフェースである。例えば、節減要請入力部320は、ウェブサーバの形態で構成される。
【0042】
スケジューリング情報生成部330は、小売電気事業者サーバ600から販売電力量を示す情報の提供を受けて逆ザヤの発生予想時間帯および電力購入不足時間帯情報を含む節減要請予想時間帯を算出して節減要請入力部320に提供することができる。また、スケジューリング情報生成部330は、小売電気事業者サーバ600が入力した節減要請時間帯をデマンドレスポンスイベントとしてスケジューリングしてスケジューリング情報を生成することができる。生成されたスケジューリング情報は、加入者インターフェース340に提供される。
【0043】
加入者インターフェース340は、デマンドレスポンスプログラムを実行するために加入者端末400を介してインターフェースを提供するウェブサーバである。具体的には、加入者インターフェース340は、参加有無入力画面(図6)、参加登録画面(図7)、自動制御設定画面(図8)およびアラーム画面(図9)を含むウェブサーバであってもよい。加入者インターフェース340の細部画面については後述する。
【0044】
家電機器情報生成部350は、加入者の保有家電機器に対応する情報を生成することができる。この場合、家電機器情報生成部350は、電力情報転送装置100を介して入力された電力使用量情報から電力使用量イベント(例えば、家電機器のオン/オフまたは家電機器におけるモード転換時の電力使用量の変化量および変化パターン)に基づいて加入者の保有家電機器対応する情報を生成することができる。この場合、家電機器情報生成部350は、電力使用量イベント情報に基づいて、加入者の保有家電機器にラベリングすることができる。電力使用量イベント情報は、電力使用量の変化内容を示す情報であり、例えば消費される有効電力及び無効電力の少なくともいずれかの変化量である。すなわち、家電機器情報生成部350は、電力使用量の変化内容に基づいて、保有家電機器に関連付けて、加入者の保有家電機器が冷蔵庫であるかまたは洗濯機であるかといった種類またはモデル名を決定することができる。または、家電機器情報生成部350は、電力情報転送装置100または加入者が保有している家電機器そのものから、加入者が保有している家電機器の情報を取得した後、その情報をアップデートすることもできる。
【0045】
また、家電機器情報生成部350は、家電機器に格納されたモデル情報を問い合わせするプロトコルを用いることができる。例えば、家電機器情報生成部350は、複数の家電機器が一つの内部ネットワーク(近距離通信網、LAN)に連結されている場合、所定のプロトコルに基づいて、電力情報転送装置100を介して連結された複数の家電機器の機能およびモデル情報を問い合わせすることができる。この時、複数の家電機器500は、電力情報転送装置100を介して、当該家電機器内に格納されたデータ、モデル情報および外部制御可否をデマンドレスポンス運用サーバ300の家電機器情報生成部350に転送することができる。
【0046】
なお、家電機器情報生成部350は、上述した電力使用量イベント情報からラベリングされた家電機器別電力使用量を示す情報を分離して格納することもできる。また、家電機器情報生成部350は、デマンドレスポンスイベントが発生した時、機器別節電量情報を加入者の家電機器に対応する情報として生成して格納することができる。
【0047】
制御信号生成部360は、加入者が参加することにした時間帯のデマンドレスポンスプログラムの進行時、自動で加入者の保有家電機器のうち少なくとも一部を制御するための制御信号を生成することができる。この時、制御信号は、家電機器の製造業者が提供するAPIを介して生成される制御メッセージ、家電機器を制御することができ、通信網と連結された遠隔リモコンの制御信号、またはエコーネットライトなどの規格に従ってエアコンなどの家電機器を制御できる制御信号であってもよい。すなわち、制御信号生成部360は、ネットワークを介して連結され、加入者の家電機器を制御できる遠隔リモコンを介して加入者の家電機器を制御する制御信号を生成してもよい。
【0048】
例えば、家電機器500を制御するために、デマンドレスポンス運用サーバ300は、遠隔制御リモコン1220をさらに備えることができる(図12を参照)。
この場合、遠隔制御リモコン1220は、通信モジュール(例えば、WiFiモジュール)および赤外線モジュール(リモコンとして使用可能な)を備えることができ、加入者の宅内のルータ1210と連結されるか、または広帯域通信網である第3世代、第4世代または第5世代無線通信網に連結されて、ネットワーク200を介してデマンドレスポンス運用サーバ300から制御信号または問い合わせ信号(制御可能な家電機器を問い合わせる時に使用される信号)を受信することができ、問い合わせ信号に対する応答または制御信号に対応する制御を実行することができる。また、遠隔制御リモコン1220は、赤外線モジュールを介して加入者が選択した家電機器を制御することができる。
【0049】
一方、報酬情報管理部370は、デマンドレスポンスイベントの結果に対する報酬を示す報酬情報、例えばデマンドレスポンスイベントに参加する加入者の電力使用量節減分に対応する報酬情報を生成して、生成した報酬情報を記憶媒体に格納して管理することができる。または、報酬情報管理部370は、使用量節減分そのものを報酬情報として記憶媒体に格納することもできる。生成された報酬情報は、例えば、ポイント情報または金額情報であってもよい。
【0050】
報酬情報管理部370により生成された報酬情報は加入者インターフェース340に提供され、加入者が現在まで電力使用量の節減によって節減した電気料金またはデマンドレスポンスイベントの参加によって得たポイントなどに関する情報を加入者に提供することができる。
【0051】
4)小売電気事業者サーバ600
小売電気事業者サーバ600は、デマンドレスポンス運用サーバ300から節減要請入力インターフェースの提供を受ける。また、電力情報転送装置100が通信装置を含む計量器である場合、送配電装置内のデータ収集部650が電力使用量を収集して小売電気事業者サーバ600に転送し、小売電気事業者サーバ600がデマンドレスポンス運用サーバ300に電力使用量情報を転送することもできる。
【0052】
2.デマンドレスポンス管理システム700の詳細動作
以下では、図4により本発明を実施するためのデマンドレスポンス運用サーバ300の詳細動作について説明する。
【0053】
先ず、デマンドレスポンス運用サーバ300の節減目標算出部310は、加入者別の目標節減量を算出する(S410)。例えば、加入者別の目標節減量は以下のように算出される。
【0054】
先ず、節減目標算出部310は、加入者別に最小電力使用量を算出することができる。この場合、節減目標算出部310は、最小電力使用量を算出するために目標節減量算出日付(デマンドレスポンスイベント日付)またはデマンドレスポンスイベントをスケジューリングする日付(デマンドレスポンスイベント入力日付)の直前の一定期間(例えば、前7日間)に対応する時間帯別電力使用量のデータを使用する。例えば、2018年3月23日にデマンドレスポンスイベントをスケジューリングする場合、前7日間の3月16日から3月22日に対する時間帯別電力使用量情報が必要である。
【0055】
また、節減目標算出部310は、前述した一定期間(例えば、前7日間)に対応する期間の時間帯別電力使用量のうち最大電力使用量と最小電力使用量の差の一定割合(例えば、5%)を最小電力使用量に加えた電力使用量を最小使用量に設定することができる。例えば、節減目標算出部310は、2018年3月23日にデマンドレスポンスイベントをスケジューリングする場合、前7日間の3月16日から3月22日に対する時間帯別電力使用量のうち、最大使用量が1,000Whであり、最小電力使用量が100Whである場合、最大電力使用量と最小電力使用量の差の5%である45Whを加えた145Whを最小使用量に設定することができる。
【0056】
次に、節減目標算出部310は、加入者の予測使用量を算出することができる。予測使用量は、デマンドレスポンスイベントが発生した時点の加入者の使用量予測値を意味する。この場合、節減目標算出部310は、例えば、予測使用量として、デマンドレスポンスイベントが発生した時点の前の3週間における同一時間帯の電力使用量の中央値または平均値を利用できる。または、節減目標算出部310は、小売電気事業者サーバ600が提供する使用量予測値を適用することもできる。
【0057】
予測使用量と最小使用量が決定された場合には、予測使用量と最小使用量の差に0と1の間任意の値の決定定数を乗じて目標節減量を決定することができる。但し、目標節減量が予測使用量と平均予測誤差率の積以上になるように決定定数を設定することが好ましい。平均予測誤差率は、実際の電力使用量に対する、実際の電力使用量と予測使用量との差分の割合である。節減目標算出部310は、目標節減量が予測使用量に平均予測誤差率を掛けた値より小さい場合には、目標節減量を予測使用量に平均予測誤差率を掛けた値以上に修正してもよい。また、例えば、節減目標算出部310は、以前の該当加入者の実際の削減量のうち最大値になるように決定定数を決定することができる。
【0058】
例えば、最小使用量が145whであり、予測使用量が500whであり、平均予測誤差率が5%である場合について説明する。予測使用量と最小使用量の差は355whであり、予測使用量*平均予測誤差率が25whであるため、節減目標算出部310は25wh/355wh=0.07以上になるように決定定数を設定する。
【0059】
次に、デマンドレスポンス運用サーバ300は、節減要請時間帯に対応する情報を含むスケジューリング情報を生成することができる(S420)。
この時、デマンドレスポンス運用サーバ300は、節減要請入力部320を介して小売電気事業者サーバ600における節減要請時間帯の入力を受け付けることができる。この時、節減要請入力部320は、デフォルトとして節減要請予想時間帯を小売電気事業者サーバ600に提供してもよい。小売電気事業者サーバ600は、節減要請入力部320から提供された節減要請予想時間帯を参照し、小売電気事業者サーバ600のユーザが、提供された節減要請予想時間帯を修正した後の節減要請時間帯の入力を受け付けてもよい。節減要請予想時間帯は、逆ザヤの発生予想時間帯を含むことができる。
【0060】
この場合、逆ザヤの発生予想時間帯は下記のように算出することができる。
先ず、スケジューリング情報生成部330は、デマンドレスポンスイベント日付の時間帯別価格を予測する。具体的には、スケジューリング情報生成部330は、デマンドレスポンスイベントの日付における価格に影響を与える環境に関する情報を活用して価格を予測する。
【0061】
このために、スケジューリング情報生成部330は、電力売買価格に影響を与える要因に関する情報を含むスケジューリング参照情報に基づいて電力購入予想価格を推定し、電力購入予想価格が予め定められた金額より高い時間帯が節減要請予想時間帯であると推定することができる。スケジューリング参照情報は、例えば、温度、湿度、日照量または風量を含む天気情報、及び曜日、地域および社会的イベントのうち少なくとも一つを含む分類型付加情報、または燃料価格推移を含む連続型付加情報等の環境に関する情報である。
【0062】
より詳細には、スケジューリング情報生成部330は、予測しようとする日付の時間帯別電力購入価格を予測しようとする場合、予め定められた予測期間の環境に関する付加情報を活用することができる。この場合、予め定められた予測期間は、例えば、予測しようとするデマンドレスポンスイベント日付と年度が異なる同じ日付を中心に前後の一定期間(例えば、前後の15日間)の付加情報、もしくは予測しようとするデマンドレスポンスイベント日付の前1ヶ月の付加情報を活用することができる。例えば、スケジューリング情報生成部330が2018年4月1日のデマンドレスポンスイベントの時間帯を予測しようとする場合(つまり、予測対象日が2018年4月1日の場合)、予め定められた予測期間は、2018年4月1日と年度が異なる同じ日付の2017年4月1日を中心に前後の15日間である2017年3月15日〜2017年4月15日、2016年3月15日〜2016年4月15日、または2015年3月15日〜2015年4月15日の付加情報を電力購入価格の予想に活用することができる。または2018年4月1日から、日付の前1ヶ月の2018年3月1日から2018年3月31日までの付加情報を活用することもできる。
【0063】
また、スケジューリング情報生成部330は、スケジューリング参照情報に含まれる天気情報が示す、予め定められた日付または時間帯の天気に最も類似する天気であった過去の日付又は時間帯の時間別電力購入価格を電力購入予想価格と推定してもよい。スケジューリング情報生成部330は、予め定められた予測期間の中で最も予測対象日に類似する環境の日付、例えば、天気が最も類似する日付の時間帯別電力購入価格を電力購入予想価格と推定することができる。
【0064】
予測対象日と環境が類似する日付が複数存在する場合、スケジューリング情報生成部330は、予測対象日の予測対象時間帯別環境をさらに考慮することができる。例えば、予め定められた予測期間中に平均気温が最も類似する日付が複数存在する場合には、予測対象時間帯の平均気温が最も類似する日付を選択することができる。
【0065】
例えば、予測対象日(2018年4月1日)の平均気温が12.5度であり、予め定められた予測期間中の予測対象日の予測対象時間の午後2時〜3時の平均温度が、2017年4月1日が13度、2017年4月3日が10度である場合、予測対象日(2018年4月1日)の12.5度は2017年4月1日の13度が最も類似しているので選択することができる。
【0066】
また、スケジューリング情報生成部330は、スケジューリング参照情報に含まれる分類型付加情報が示す、予め定められた日付または時間帯に対応する、曜日、地域および社会的イベントのうち少なくとも一つと同一の日付又は時間帯の時間帯別電力購入価格を電力購入予想価格と推定してもよい。すなわち、スケジューリング情報生成部330は、曜日、地域、社会的なイベント(祝日)のうちの少なくとも一つを含む分類型付加情報を価格の予測に活用することもできる。例えば、予測対象日が月曜日の場合、予め定められた予測期間中、平日の天気情報に加えて月曜日の天気情報を価格の予測に活用することができる。さらに、連続型付加情報の燃料価格推移から時間別電力購入価格を電力購入予想価格と推定することができる。
【0067】
スケジューリング情報生成部330は、予測対象日と環境が最も類似する日付を選択した後、選択した日付の時間帯別電力購入価格を予測価格に基づいて定め、定めた時間帯別電力購入価格が小売電気事業者ごとに定める基準額(例えば、15円/kWh)を超えている時間帯を削減要請予想時間帯に設定する。
【0068】
したがって、スケジューリング情報生成部330は、節減要請時間帯を反映してスケジューリング情報を生成し、節減要請入力部320に設定されたスケジューリング情報を反映して表示する。例えば、図5を参照すれば、カレンダーに算出された節減要請時間帯420を反映して表示する。但し、小売電気事業者サーバ600は、自動で表示された節減要請時間帯を修正して入力することができる。
【0069】
そして、デマンドレスポンス運用サーバ300は、目標節減量に基づいて節減要請時間帯における加入者別のデマンドレスポンスイベントへの参加有無および参加率に関する情報の入力を加入者から受けることができる(S430)。
【0070】
この場合、デマンドレスポンス運用サーバ300は、加入者インターフェース340を介して加入者の入力を受信する。加入者インターフェース340の画面については後述する。
【0071】
その後、デマンドレスポンス運用サーバ300は、電力情報転送装置100を介して実際電力使用量をモニターすることができる(S440)。
【0072】
最後に、デマンドレスポンス運用サーバ300は、実際電力使用量のモニター結果に基づいて、デマンドレスポンスイベントの実行結果を確認し、報酬を与えることができる(S450)。この時、加入者は、加入者インターフェース340を介してデマンドレスポンスイベントの実行結果および報酬ポイントを画面で確認することができる。
【0073】
3.加入者インターフェース340および加入者端末の詳細動作
以下では図6および図9を参照して本発明の実施形態による加入者インターフェース340および加入者端末の例示的な詳細動作を説明する。
【0074】
図6図9を参照すれば、加入者インターフェース340は、参加有無入力画面(図6)、参加登録画面(図7)、自動制御設定画面(図8)およびアラーム画面(図9)を提供するウェブサーバであってもよい。
【0075】
参加有無入力画面は、複数のプラットフォームから提供するデマンドレスポンスプログラムの現在までの結果を表示するプラットフォーム別表示部620、621と参加確認ボタン610とを提供する。
【0076】
複数のプラットフォームは、例えば、加入者の家庭に電力を販売する小売電気事業者サーバ600が提供するデマンドレスポンスプログラムのプラットフォームとまたは電気事業者から委託を受けて別途に運営するデマンドレスポンス委託業者(Aggregator)のデマンドレスポンスプログラムプラットフォームを含むことができる。または、複数のプラットフォームは、加入者が自ら節電イベントを登録してスケジューリングして進行する場合も含むことができる。
【0077】
この場合、複数のプラットフォームから提供する報酬は、図6に示すように各々異なってもよい。すなわち、報酬情報管理部370は、複数のプラットフォームに応じた互いに異なる報酬を複数のプラットフォーム別に各々格納し、加入者インターフェースに提供してもよい。図6の場合は、1番のプラットフォームのデマンドレスポンスプログラムは現在まで節約された電気料金を表示した形態であり、2番のプラットフォームのデマンドレスポンスプログラムは報酬をポイントの形態で提供している。
【0078】
この時、加入者が参加有無入力画面に表示されたスケジューリング情報からデマンドレスポンスプログラムの参加可能時間を確認し、可能な時間に参加確認ボタン610を押すと、図7の参加登録画面に移る。
【0079】
参加登録画面では、加入者は選択した日付・時間帯のデマンドレスポンスプログラムに対する詳細情報を参照しつつ参加有無を登録するようになる。また、加入者は、参加登録画面を介して参加時間(開始時間および終了時間)および節電目標(参加率)を修正することができる。
【0080】
この時、加入者インターフェース340は、参加登録画面において、節減目標算出部310により演算された目標節減量720をデフォルトとして提供する。この場合、加入者は、目標節減量720の変更によって節電可能金額などを変更することができる。
【0081】
さらに、加入者インターフェース340は、デマンドレスポンスイベントの間に自動制御対象となる家電機器を選択できるインターフェースとしての自動制御設定画面を提供し(図8)、デマンドレスポンスプログラムの実行時、自動で制御される家電機器を設定することができる。自動制御設定画面では、対象機器チェックボックス810、対象機器アイコン820および機器別節減目標830を提供することができる。
【0082】
この時、制御可能な家電機器の目録は、デマンドレスポンス運用サーバ300がデータベースとして格納しており、さらに電力使用量の分析によって家電機器種類および機器モデル名を確認する時にアップデートが可能である。
【0083】
または、デマンドレスポンス運用サーバ300は、家電機器に格納されたモデル情報を問い合わせするプロトコルを用いて、家電機器の機能およびモデル情報を確認することもできる。例えば、デマンドレスポンス運用サーバ300または加入者端末400において、複数の家電機器が一つの内部ネットワーク(近距離通信網、LAN)に連結されている場合、デマンドレスポンス運用サーバ300、同一内部ネットワークに連結された加入者端末400または同一内部ネットワークに連結された電力情報転送装置100は連結された複数の家電機器に機能およびモデル情報を問い合わせすることができ、上述した問い合わせに複数の家電機器が応答して機能およびモデル情報をデマンドレスポンス運用サーバ300、同一内部ネットワークに連結された加入者端末400または同一内部ネットワークに連結された電力情報転送装置100に転送することができる。
【0084】
また、デマンドレスポンス運用サーバ300の家電機器情報生成部350は、格納された加入者の制御可能な家電機器の目録をアップデートすることができる。
一方、加入者インターフェース340は、デマンドレスポンスが実行されると、図9のようなアラーム画面を提供するようになる。
【0085】
アラーム画面においては、先ず、デマンドレスポンスプログラム(ミッション)の開始前までは参加時間までの残り時間および節電目標を提示し(図9(a))、デマンドレスポンスプログラム中には進行状態を表示するようになる。この場合、進行している速度を演算して、現在の速度で目標達成が難しい場合には警報を表示する(図9(b))。また、デマンドレスポンスプログラムが終了すれば、加入者インターフェース340は、デマンドレスポンスプログラムの実行結果を表示する(図9(c))。
【0086】
図10を参照すれば、加入者インターフェース340は、デマンドレスポンスの参加結果について詳細な結果を提供することができる。
例えば、加入者インターフェース340は、現在まで加入者のデマンドレスポンスの参加結果を要約した節電結果の要約(例えば、月別要約または年別要約)画面を提供することができ(図10(a)を参照)、またはイベント別デマンドレスポンスの参加結果を詳細に示した画面(図10(b)を参照)を提供することもできる。この場合、加入者インターフェース340は、ユーザが機器別節電量確認ボタン1130を押すと、機器別節電量確認画面(図11)に画面を移す。この場合、家電機器情報生成部350は、機器別電力使用量および機器別節電量を格納することができる。
【0087】
したがって、本発明に係るデマンドレスポンス管理システムは、小売電気事業者に逆ザヤの発生予想時間帯を提供し、小売電気事業者が前記逆ザヤの発生予想時間帯を参照して節減要請時間帯を入力できるインターフェースを提供することができる。また、上述した節減要請時間帯をデマンドレスポンスイベントとしてスケジューリングして加入者が容易に参加有無を表示するようにする加入者インターフェースも提供される。
【0088】
したがって、本発明によれば、小売電気事業者の損失が発生し得る期間に電力需要を減少させて小売電気事業者の損失を低減させるデマンドレスポンス管理システムが提供される。
【0089】
また、本発明によれば、デマンドレスポンスイベント時、自動制御が可能な機器を制御してデマンドレスポンスの結果を改善できる加入者インターフェースが提供される。
【0090】
以上の説明は本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲内で様々な修正、変更および置換が可能である。
【0091】
したがって、本発明に開示された実施形態および添付された図面は本発明の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであり、このような実施形態及び添付された図面によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は下記の請求範囲によって解釈しなければならず、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は本発明の権利範囲に含まれるものとして解釈しなければならない。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12