(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも一部の前記入出金項目予測情報が、前記移動平均処理済み傾向情報をさらに移動平均処理した重複移動平均処理済み傾向情報に基づき生成されることを特徴とする請求項4に記載の借入情報予測及び資金繰り情報提供装置。
好ましくは、前記資金繰り予測情報に基づき、将来起こり得る資金需要の増加に関する警告が出力されることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の借入情報予測及び資金繰り情報提供装置。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0025】
図1は、本発明の実施の形態にかかる「借入情報予測及び資金繰り情報提供装置1」の外観を示す概略図である。
図1に示すように、本装置1は、借入情報予測及び資金繰り情報提供装置本体10、表示部である各種情報を表示する「ディスプレイ21」、各種情報を入力する「キーボード22」及び「マウス23」を備えている。
また、借入情報予測及び資金繰り情報提供装置本体10には、CD等の情報記録媒体を受容し、そのデータを取得等する各種データ入力部13を備えている。
【0026】
そして、
図1の「借入情報予測及び資金繰り情報提供装置1」の各装置10等は、コンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)やハードディスク等を有し、バスを介して接続されている。
【0027】
本実施の形態の「借入情報予測及び資金繰り情報提供装置1」は、「借入情報予測装置」としての部分と、「資金繰り情報提供装置」としての部分を有するため、以下、「借入情報予測装置」部分と「資金繰り情報提供装置」部分とに分けて、以下、詳述する。
【0028】
(「借入情報予測装置」としての部分について)
図1に示す本装置1の各種データ入力部13に、本発明に係る「借入情報予測」に関するプログラム等が記憶されているCD等を挿入し、データを読み込ませることで、「借入情報予測装置1」として機能する。
また、本発明に係る「借入情報予測」に関するプログラム等は、CD等以外の無線通信によって、本装置1が取得しても良く、予め借入情報予測及び資金繰り情報提供装置本体10内に記憶させておいても構わない。
【0029】
図2は、
図1の「借入情報予測及び資金繰り情報提供装置本体10」の「借入情報予測装置」の部分の主な構成を示す概略図である。
図1に示すように、同本体10の「借入情報予測装置」の部分は、制御部11を有し、制御部11は、ディスプレイ21等の外部装置と通信するための通信装置12や各種データ入力部13を制御する構成となっている。
また、ディスプレイ21、キーボード22及びマウス23は通信装置12と通信可能に接続されている。
さらに、制御部11は、
図2に示す第1の各種データ記憶部30、第2の各種データ記憶部40及び第3の各種データ記憶部50も制御する。
【0030】
図3乃至
図5は、それぞれ「第1の各種情報記憶部30」乃至「第3の各種情報記憶部50」の主な構成を示す概略ブロック図である。これらの内容については、後述する。
【0031】
以下、本実施の形態にかかる「借入情報予測及び資金繰り情報提供装置1」の「借入情報予測装置」の部分の動作例等を説明する。
本実施の形態では、A企業の経営者が、A企業の金融機関取引情報である例えば、通帳データを
図1の「借入情報予測装置及び資金繰り情報提供装置1」に入力することで、A企業の将来の借入状況等を把握し、各種アラート等の提供を受けることを例に、以下説明する。
【0032】
図7及び
図8は、借入情報予測及び資金繰り情報提供装置1の「借入情報予測装置」部分の主な動作例等を示す概略フローチャートである。
以下、
図7及び
図8のフローチャートに沿って説明する。
【0033】
先ず、A企業の経営者は、A企業の通帳データを、例えば、CD等に記憶させ、
図1の「借入情報予測及び資金繰り情報提供装置本体10」の「各種データ記憶部13」を介して入力する。
すると、この通帳データは、「借入情報予測及び資金繰り情報提供装置本体10」の
図3の金融機関取引情報記憶部である例えば、「通帳データ記憶部31」に記憶される。
【0034】
図6は、
図3の「通帳データ記憶部31」に記憶される金融機関取引情報である例えば、「通帳データ31a」の一部を示す概略説明図である。
図6に示すように、通帳データ31aには、A企業の通帳の金融機関取引情報の項目情報である例えば、入金/出金の日付、入金又は出金の別、それらの摘要、金額等が含まれている。
【0035】
次いで、ステップ(以下「ST」とする。)1に進む。ST1では、借入関連項目情報生成処理部である例えば、
図3の返済額判断処理部(プログラム)33が動作し、
図3の「返済額表示データ記憶部32」を参照する。
返済額表示データ記憶部32には、「所定の返済額表示データ」が記憶されている。例えば、「借入」、「カリイレ」、「融資」、「ユウシ」、「証書貸付」、「ショウショカシツケ」、「証貸」、「ショウカシ」、「手形貸付」、「テガタカシツケ」、「手貸」、「テガシ」等の単語や金融機関名等の名称等が「所定の返済額表示データ」として、予め記憶されている。
【0036】
また、同記憶部32には、これらの単語等の表示データが「利息」等の「除外表示データ」を含んでいるときは、「返済額」とは判断しない旨の情報も記憶されている。
【0037】
したがって、同処理部33は、
図3及び
図6の「通帳データ31a」の「摘要」の表示データ(文言)が、
図3の所定の返済額表示データに該当するか否かを判断して、該当する場合は、借入関連項目情報である例えば、「返済額」データと判断し、その出金年月日データと関連付けて、借入関連項目情報記憶部である例えば、
図3の「返済額データ記憶部34」に記憶する。
【0038】
次いで、ST2へ進む。ST2では、借入関連項目情報生成処理部である例えば、
図3の利息判断処理部(プログラム)36が動作し、
図3及び
図6の「通帳データ31a」の「摘要」の表示データ(文言)が、
図3の「利息表示データ記憶部35」に記憶されている所定の利息表示データ、例えば、「利息」等であるか否かを判断する。
そして、該当する場合は、借入関連項目情報である例えば、「利息」データと判断し、 出金年月日データと関連付けて、借入関連項目情報記憶部である例えば、
図3の「利息データ記憶部37」に記憶する。
【0039】
以上で、借入情報予測及び資金繰り情報提供装置1は、毎月の返済金(借入金)データである「返済額データ」と毎月の利息データを取得することができる。
次いで、これら毎月の「返済額データ」と毎月の「利息データ」から、借入金の予測に必要な借入全体演算情報である例えば、「1年間の金利データ」、「残債額データ」及び「残りの返済期間データ」を生成する。
【0040】
そして、ST3へ進む。ST3では、「1年間の金利データ」を生成する。具体的には、借入全体演算基本情報生成処理部である例えば、
図4の「年間金利データ生成処理部(プログラム)42」が動作し、
図4の「年間金利データ演算記憶部41」に記憶されている以下の式を参照する。
すなわち、「年間金利データ=(n月の利息額−n+1月の利息額)÷(n+1月の返済額)×12」である。
【0041】
そして、同処理部(プログラム)42は、
図3の「返済額データ記憶部34」を参照し、「n+1月の返済額」である例えば、3月の返済額「6,000円」を取得して、代入する。
また、
図3の「利息データ記憶部37」を参照し、「n+1月の利息額」と「n月の利息額」、例えば、3月の利息額(290円)と2月の利息額(295円)を取得し、代入する。
そして、「年間金利データ」を求めて、
図4の「年間金利データ記憶部43」に記憶する。
【0042】
上述の例では、{(2月の利息額(295円))−(3月の利息額(290円))}÷
(3月の返済額(6000円))×12で年間金利データは「1%」となり、この「1%」を「年間金利データ記憶部43」に記憶する。
【0043】
なお、本実施の形態では、1カ月あたりの金利を算出し、簡易的に12倍しているが、本発明はこれに限らず、「365(又は366)÷前回返済日から今回返済日の日数」(月末が祝日の場合は前営業日に返済となるのでカレンダー機能と連携すれば厳密に算出可能)として演算しても構わない。
【0044】
次いで、ST4へ進む。ST4では、「n+1月の残債額」、例えば、3月の残債額を生成する。具体的には、借入全体演算基本情報処理部である例えば、
図4の「残債額データ生成処理部(プログラム)45」が動作し、
図4の「残債額データ演算記憶部44」に記憶されている以下の式を参照する。
すなわち、「(n+1月の残債額)=(n+1月の利息額)÷{(n月の利息額−n+1月の利息額)÷(n+1月の返済額)}である。
【0045】
そして、同処理部(プログラム)45は、
図3の「返済額データ記憶部34」から「n+1月の返済額」である例えば、3月の返済額「6,000円」を取得して、代入する。
また、
図3の「利息データ記憶部37」を参照し、「n+1月の利息額」と「n月の利息額」、例えば、3月の利息額(290円)と2月の利息額(295円)を取得し、代入する。
そして、「3月の残債額年間金利データ」を求めて、
図4の「残債額データ記憶部46」に記憶する。
【0046】
上述の例では、「3月の利息額(290円)÷{(2月の利息額(295円)−3月の利息額(290円))÷3月の返済額(6000円)}となり、「3月の残債額」は「348,000円」となる。
【0047】
次いで、ST5へ進む。ST5では、借入金の「残りの返済期間データ」を生成する。
具体的には、借入全体演算基本情報処理部である例えば、
図5の「残りの返済期間データ生成処理部(プログラム)51」が動作し、
図4の「残りの返済期間データ演算記憶部47」に記憶されている以下の式を参照する。
すなわち、「(n+1月の残債額)÷(n+1月の返済額)」である。
【0048】
そして、同処理部(プログラム)51は、
図4の「残債額データ記憶部」から「n+1月の残債額」である例えば、3月の返済額「348,000円」を取得して、代入する。
また、
図3の「返済額データ記憶部34」から「n+1月の返済額」である例えば、3月の返済額「6,000円」を取得し、代入する。
そして、「残りの返済期間データ」を求めて、
図5の「残りの返済期間データ記憶部52」に記憶する。
【0049】
上述の例では、「3月の残債額(348,000円)÷3月の返済額(6,000円)となり、「残りの返済期間データ」は「58カ月」となる。
【0050】
以上で、「年間金利(利率)データ」、「残債額データ」及び「残りの返済期間データ」を生成することができる。
したがって、これらの情報に基づき、法人融資の大半を占める元金均等返済の場合における借入額全体の金額と、各月の返済額、返済期間等の情報を
図9に示すように得ることができる。
また、
図9に示すように、借入金の金利の支払い状況も把握することもできる。
図9は、借入金全体情報である借入額全体の金額と、各月の返済額、返済期間等の情報を示す概略説明図である。
【0051】
図9に示すように、借入情報予測及び資金繰り情報提供装置1は、利用者の通帳データ31aを取得するだけで、利用者から借入内容の提供を受ける必要なく、借入金全体情報を精度良く予測することができる。
特に、かかる借入全体情報は通帳データ31a等から自動的に生成することができるので、本実施の形態にかかる借入情報予測及び資金繰り情報提供装置1は、小規模な店舗等の経営者等の利用者にとっては、極めて使い勝手が良い装置等となる。
【0052】
次いで、借入情報予測及び資金繰り情報提供装置1は、上記のような工程で取得した、利用者の「借入金全情報」に基づき、借入金全体情報の変動に伴い予測される資金に関する警告情報である、例えば、以下のアラートを必要に応じて生成し、ディスプレイ21に表示等することで、利用者に報知する構成となっている。
【0053】
(利用者のA企業が取引をしている各銀行における借入金のシェア変動にアラート)
図9に示すように、借入情報予測及び資金繰り情報提供装置1は、A企業の借入金額や、返済状況等を把握することができるので、A企業が取引をしている銀行毎の現在及び将来の返済金額等の情報を取得することができる。
したがって、借入情報予測及び資金繰り情報提供装置1は、企業が取引をしている銀行毎の借入金額や借入残高等をディスプレイ21等に並べて表示すると共に、借入金額が特定の銀行に偏っているときは、アラートをディスプレイ21等に表示させることができる構成となっている。
【0054】
このアラートを視認したA企業の経営者等は、自社の借入金額が特定の銀行に偏り、将来、他の銀行から借入等が困難になるおそれがあることを未然に把握することができる。
【0055】
(借入金の残債と月商対比のアラート)
借入情報予測及び資金繰り情報提供装置1は、
図9の情報等からA企業の借入金の残債が、A企業の月商対比1倍以下になったか否かを判断し、月商対比1倍以下になった場合に、資金調達の必要性ありとして、ディスプレイ21等にアラートを出力する構成となっている。
【0056】
すなわち、借入情報予測及び資金繰り情報提供装置1は、上述のように、演算して求めたA企業の「残債額」と、別に取得した売上データとを比較し、「残債」が「月商対比1倍以下」になったと判断したときは、近い将来に、資金不足が生じる可能性が高いとして、ディスプレイ21等に、アラートを出力する構成となっている。
【0057】
したがって、日常、仕事等に忙殺され、経理情報を確認できないA企業の経営者等であっても、近い将来、資金不足等が生じる可能性があることを未然に知ることができる。
【0058】
(所要運転資金対比と借入金の残債のアラート)
借入情報予測及び資金繰り情報提供装置1は、「所要運転資金対比」データを演算し、借入金の残債が下回ったときは、資金調達の必要性ありと判断し、アラートをディスプレイ21等に出力する。
ここで、「所要運転資金対比」データとは、商品を仕入れて、販売し、それを回収して代金等が入金されるまでのタイムラグを補う資金を意味する。
この「所要運転資金対比」データは、A企業の売上が増加傾向のときに増える傾向にあり、本実施の形態では、借入情報予測及び資金繰り情報提供装置1が、A企業の借入金の残債との対比で、残債が所定範囲以上、上回ると判断したき、健全な資金調達の必要性があるとして、ディスプレイ21等にアラートを出力する。
【0059】
したがって、日常、仕事等に忙殺され、経理情報を確認できないA企業の経営者等であっても、近い将来、資金不足等が生じる可能性があることを未然に知ることができる。
【0060】
次いで、「借入情報及び資金繰り情報提供装置1」の「資金繰り情報提供装置」としての部分について、以下に詳述する。
【0061】
(「資金繰り情報提供装置」としての部分についての「第1の実施の形態」)
図1に示す「借入情報予測及び資金繰り情報提供装置本体10」には、CD等の情報記録媒体を受容し、そのデータを取得等する各種データ入力部13を備えている。
【0062】
したがって、
図1に示す本装置1の各種データ入力部13に「資金繰り情報提供」に関するプログラム等が記憶されているCD等を挿入し、データを読み込ませることで、「借入情報予測及び資金繰り情報提供装置1」として機能する。
また、「資金繰り情報提供」に関するプログラム等は、CD等以外の無線通信によって、本装置1が取得しても良く、予め借入情報予測及び資金繰り情報提供装置本体10内に記憶させておいても構わない。
【0063】
図10は、
図1の「借入情報予測及び資金繰り情報提供装置1」の「借入情報予測及び資金繰り情報提供装置本体10」の主な構成を示す概略図である。
図1に示すように、同本体10は、制御部111を有し、制御部111は、ディスプレイ21等の外部装置と通信するための通信装置12や各種データ入力部13を制御する構成となっている。
また、ディスプレイ21、キーボード22及びマウス23は通信装置12と通信可能に接続されている。
さらに、制御部111は、
図10に示す第11の各種データ記憶部130、第12の各種データ記憶部140、第13の各種データ記憶部150、第14の各種データ記憶部160、第15の各種データ記憶部170及び第16の各種データ記憶部180も制御する。
【0064】
図11乃至
図16は、それぞれ「第11の各種情報記憶部130」乃至「第16の各種情報記憶部180」の主な構成を示す概略ブロック図である。これらの内容については、後述する。
【0065】
以下、本実施の形態にかかる「借入情報予測及び資金繰り情報提供装置1」の「資金繰り情報提供装置」部分の動作例等を説明する。
本実施の形態では、A企業の経営者が、A企業の金融機関取引情報である例えば、通帳データを
図1の「借入情報予測及び資金繰り情報提供装置1」に入力することで、A企業の将来、例えば、翌月の資金繰り状況(資金不足等)等を把握することを例に、以下説明する。
【0066】
先ず、A企業の経営者は、A企業の通帳データを、例えば、CD等に記憶させ、
図1の「借入情報予測及び資金繰り情報提供装置本体10」の「各種データ記憶部13」を介して入力する。
すると、この通帳データは、「借入情報予測及び資金繰り情報提供装置本体10」の
図11の金融機関取引情報記憶部である例えば、「通帳データ記憶部131」に記憶される。
【0067】
図17は、
図11の「通帳データ記憶部131」に記憶される「通帳データ131a」の一部を示す概略説明図である。
図17に示すように、通帳データ131aには、A企業の通帳の金融機関取引情報の項目情報である例えば、入金/出金の日付、入金又は出金の別、それらの摘要、金額等が含まれている。
【0068】
本装置1は、この通帳データ131aから過去の損益計算書等の属する出金項目である例えば、「過去人件費」「過去固定費」「過去変動費」「過去返済」等を区分して記憶すると共に、過去の入金項目である例えば、「過去売上」等も区分して記憶する。
更に、これらの「過去人件費」「過去固定費」「過去変動費」「過去返済」「過去売上」等に基づき、将来、例えば、翌月の「将来人件費」「将来固定費」「将来変動費」「将来返済」「将来売上」等を予測する。
以下、項目毎に説明する。
【0069】
(「将来人件費データ」生成工程について)
先ず、入出金項目情報生成処理部である
図11の「人件費判断取得部(プログラム)132」が動作し、A企業から個人に対する振込データが所定数以上、存在する年月日の出金データ、
図17の場合は、2017年5月25日の「給与」等の出金データを「人件費」として、
図11の「過去人件費データ記憶部133」に記憶する。
【0070】
例えば、
図11の通帳データ131aのうち、5月の「給与」40,000円、6月の「給与」40,000円、7月の「給与」40,000円等のデータを「過去人件費データ記憶部133」に記憶する。
【0071】
次いで、入出金項目予測情報生成処理部である例えば、
図11の「将来人件費データ生成処理部(プログラム)134」が動作し、「過去人件費データ記憶部133」のデータ(例えば、5月「40,000円」、6月「40,000円」、7月「40,000円」等)を取得し、平均値を求め、将来である例えば、8月の入出金項目予測情報である例えば、「将来人件費データ」を生成し、
図11の「将来人件費データ記憶部135」に記憶する。
【0072】
例えば、(40,000円(5月)+40,000円(6月)+40,000円(7月))÷3=40,000円(8月の予測値)を8月の「将来人件費データ」として「将来人件費データ記憶部135」に記憶する。
【0073】
(「将来固定費データ」生成工程について)
次いで、「将来固定費データ」生成工程について以下説明する。
先ず、
図11の「借入情報予測及び資金繰り情報提供装置本体10」の入出金項目情報生成処理部である例えば、「固定費判断取得部(プログラム)136」が動作し、
図11及び
図17の「通帳データ記憶部131」の通帳データ131aの特定の摘要(例えば、「電気nカ月分」等)を機械学習等により、「固定費」として判断し、
図11の「過去固定費データ記憶部137」に記憶する。
【0074】
例えば、
図17の通帳データ131aのうち、5月の「電気5月分」の30,000円、6月の「電気6月分」の36,000円、7月の「電気7月分」の30,000円等のデータを「過去固定費データ記憶部137」に記憶する。
【0075】
次いで、入出金項目予測情報生成処理部である例えば、
図11の「将来固定費データ生成処理部(プログラム)138」が動作し、
図11の「過去固定費データ記憶部137」のデータ(例えば、5月の「30,000円」、6月の「36,000円」、7月の「30,000円」等)を取得し、平均値を求め、将来である例えば、8月の「将来固定費データ」を生成し、
図12の「将来固定費データ記憶部141」に記憶する。
【0076】
例えば、(30,000円(5月)+36,000円(6月)+30,000円(7月))÷3=32,000円(8月の予測値)を8月の入出金項目予測情報である例えば、「将来固定費データ」として「将来固定費データ記憶部141」に記憶する。
【0077】
(「将来変動費データ」生成工程について)
次いで、「将来変動費データ」生成工程について以下説明する。
先ず、
図12の「借入情報予測及び資金繰り情報提供装置本体10」の入出金項目情報生成処理部である例えば、「変動費判断取得部(プログラム)142」が動作し、
図11及び
図17の通帳データ記憶部131の通帳データ131aのうち、固定費以外の出金(但し、借入及び貸付に対する返済を除く)を「変動費」とし、
図12の「過去変動費データ記憶部143」に記憶する。
【0078】
例えば、
図17の通帳データ131aのうち、5月分として、「カ)ニンジン」の10,0000円及び「カ)キャベツ」の50,000円の合計60,000円とし、6月分として「カ)キャベツ」40,000円、7月分として「カ)ニンジン」20,000円等のデータを
図12の「過去変動費データ記憶部143」に記憶する。
【0079】
次いで、入出金項目予測情報生成処理部である例えば、
図12の「将来変動費データ生成処理部(プログラム)144」が動作し、
図12の「過去変動費データ記憶部143」のデータ(例えば、5月の「60,000円」、6月の「40,000円」、7月の「20,000円」等)を取得し、平均値を求め、将来である例えば、8月の「将来変動費データ」を生成し、
図12の「将来変動費データ記憶部145」に記憶する。
【0080】
例えば、(60,000円(5月)+40,000(6月)+20,000円(7月))÷3=40,000円(8月の予測値)を8月の入出金項目予測情報である例えば、「将来変動費データ」として「将来変動費データ記憶部145」に記憶する。
【0081】
(「将来返済データ」の生成工程について)
次いで、「将来返済データ」生成工程について以下説明する。
先ず、
図12の「借入情報予測及び資金繰り情報提供装置本体10」の入出金項目情報生成処理部である例えば、「返済判断取得部(プログラム)146」が動作し、
図11及び
図17の通帳データ記憶部131の通帳データ131aのうち、入金の欄のうち、摘要が「返済」データを
図12の「過去返済データ記憶部147」に記憶する。
【0082】
例えば、
図17の通帳データ131aのうち、5月分として0円、6月分として6,000円、7月分として6,000円等のデータを
図4の「過去返済データ記憶部147」に記憶する。
【0083】
次いで、入出金項目予測情報生成処理部である例えば、
図12の「将来返済データ生成処理部(プログラム)148」が動作し、
図12の「過去返済データ記憶部147」のデータ(例えば、5月の「0円」、6月の「6,000円」、7月の「6,000円」等)を取得し、返済額は前月と同様と判断し、8月の「将来返済データ」を生成し、
図13の「将来返済データ記憶部151」に記憶する。
【0084】
例えば、上述の例では、前月(7月)が、6,000円であるため、8月も6,000円と判断し、6,000円を8月の「将来返済データ」として、
図13の「将来返済データ記憶部51」に記憶する。
【0085】
(「将来売上データ」の生成工程について)
次いで、「将来売上データ」の生成工程について以下説明する。
図18及び
図19は、「将来売上データ」生成工程を示す概略フローチャートである。
以下、「将来売上データ」の生成工程を、
図18及び
図19のフローチャートに沿って説明する。
先ず、ST11では、
図11の入出金項目情報生成処理部である例えば、「売上判断取得部(プログラム)152」が動作し、
図11及び
図17の「通帳データ記憶部131」の通帳データ131aの入金の欄のうち、「証書貸付」以外のすべての入金を「売上」とし、
図13の「過去売上データ記憶部153」に記憶する。
【0086】
例えば、
図17の通帳データ131aのうち、5月分として「カ)リンゴ」の70,000円、「カ)ミカン」の90,000円、及び「カ)バナナ」の100,000円等のデータを抽出する。
また、6月分として、「カ)リンゴ」の80,000円及び「カ)ミカン」の110,000円等のデータを抽出する。
そして、7月分として、「カ)ミカン」の80,000円及び「カ)バナナ」の90,000円等のデータを抽出し、
図13の「過去売上データ記憶部153」に記憶する。
【0087】
次いで、ST12へ進む。ST12では、
図13の「トリム売上平均値演算処理部(プログラム)154」が動作し、
図13の「過去売上データ記憶部153」の月別の売上データのうち、最大値と最小値を除去し、残った売上値の平均を求め、
図13の「トリム売上平均値記憶部155」に記憶する。
【0088】
図20は、売上情報等に関する説明図である。
図13の「トリム売上平均値記憶部155」に記憶される「トリム平均値」は、
図20の「トリム平均値」に示すように算出される。
例えば、
図20に示すように、2016年7月のトリム平均値が178千円、8月のトリム平均値が224千円、9月のトリム平均値が173千円等である。
【0089】
このように本実施の形態では、各月の売上値の平均の計算に異常値を含めないことで、平均値の信頼性を向上させることができる。
【0090】
次いで、ST13へ進む。ST13では、
図13の「季節指数データ生成処理部(プログラム)156」が動作し、過去における複数年の月別のトリム平均値等の売上データに基づき、各月の変動指数である例えば、季節指数(各月における売上変化の指数)を求め、
図13の「季節指数データ記憶部157」に記憶する。
【0091】
図21は、
図13の「季節指数データ記憶部157」に記憶されている「季節指数データ157a」を示す概略説明図である。
図21に示すように、季節指数は、例えば、1月の季節指数は「0.85」、2月の季節指数は「0.83」、そして、3月の季節指数は「0.89」等となり、その月の売上の変動傾向を示す「変動指数」が記憶されている。
【0092】
次いで、ST14へ進む。ST14では、
図13の「月別傾向値生成処理部(プログラム)158」が動作し、
図13の「トリム売上平均値記憶部155」と「季節指数データ記憶部157」を参照し、月毎の「トリム平均値」データに、対応する月の「季節指数」を除して、傾向情報である例えば、「季節変動除去後の傾向値」を求め、
図14の「月別傾向値記憶部161」に記憶する。
【0093】
このように月毎のトリム平均値に季節指数を除することで、季節変動を除去した後の傾向値を把握することができる。
例えば、
図20の例で示すと、2016年7月は、トリム平均値が「178千円」で、季節指数が「1.08」であるから、売上の「月別傾向値」は「165」となり、8月は。「249」、9月は「164」等となり、これらの「月別傾向値」が、
図14の「月別傾向値記憶部161」に記憶されることになる。
【0094】
次いで、ST15へ進む。ST15では、
図14の「将来傾向値予測データ生成処理部(プログラム)162」が動作し、
図14の「月別傾向値記憶部161」の「月別傾向値」に基づき、「将来傾向値」を生成し、
図14の「将来傾向値記憶部163」に記憶する。
すなわち、この工程では、例えば、
図20に示す「季節変動除去後の月別傾向値」から、将来の「月別傾向値」、例えば、
図20に記憶が未だない「2017年8月」の「月別傾向値」を予測することになる。
【0095】
具体的には、
図20の例では、2016年7月の「月別傾向値」は、「165」で、8月の「月別傾向値」は「249」であるため、7月から8月への傾向値の変化は「1.5倍」となる。このため、
図14の「将来傾向値予測データ生成処理部(プログラム)162」が動作し、2017年7月の月別傾向値「146」を「1.5倍」して、2017年8月の「将来傾向値」である「219」を求め、
図14の「将来傾向値記憶部163」に記憶する。
これにより、2017年8月の「将来傾向値」は、例えば「219」と予測され、記憶されることになる。
また、この「将来傾向値」が「傾向情報に基づいて生成される予測情報」の一例となっている。
【0096】
次いで、ST16へ進む。ST16では、
図14の「季節調整済み将来傾向値生成処理部(プログラム)164」が動作し、
図14の「将来傾向値記憶部163」の「将来傾向値(例えば、8月、219)」に、対応する「季節指数記憶部」の「季節指数(例えば、8月、0.9)」を乗じて、「季節調整済み将来傾向値」を生成し、「季節調整済み将来傾向値記憶部165」に記憶する。
すなわち、ST15で求めた「将来傾向値」はあくまで年間全体の傾向値を示すもので、各月特有の変動情報を考慮していない。そこで、本工程では、当該月の季節指数を乗じることで、季節指数を考慮した月別傾向値を求め、その数値の信頼性を高めている。
【0097】
具体的には、上述の例の「将来傾向値」である「219」に、8月の季節指数「0.9」を乗じて、変動情報付き傾向情報である例えば、「季節調整済み将来傾向値」である「197」を求め、
図14の「季節調整済み将来傾向値記憶部165」に記憶する。
【0098】
以上で、将来、例えば2017年9月の「将来人件費」、「将来固定費」、「将来変動費」「将来返済」等の出金に関する予測値と、売上に関する予測値である「季節調整済み将来傾向値」が、本装置1によって求められ記憶される。
そこで、以下のように、2017年9月の「損益計算書」データをST17で予測する。
ST17では、
図14の資金繰り予測情報生成処理部である例えば、「将来損益計算書生成処理部(プログラム)166」が動作し、
図11の「将来人件費データ記憶部135」、
図12の「将来固定費データ記憶部141」、
図12の「将来変動費データ記憶部145」、
図13の「将来返済テータ記憶部151」及び
図14の「季節調整済み将来傾向値記憶部165」を参照する。
【0099】
そして、同処理部166は、記憶部135等内の「将来人件費データ」(8月、40、000円)、「将来固定費データ」(8月、32、000円)、「将来変動費データ」(8月、40,000円)、「将来返済データ」(8月、6,000円)、「季節調整済み将来傾向値」(8月、197,000円)等に基づいて、例えば、2017年8月の「資金繰り予測情報」である例えば、「将来損益計算書」データを生成し、
図14の「将来損益計算書記憶部167」に記憶する。
【0100】
以上で、将来、例えば2017年8月の「損益計算書」データが生成され、記憶される。
そして、この「損益計算書」データは、特に「売上」データの予測が年間の傾向値と、予測する月の季節指数を考慮した予測データであり、年間の売上全体の変化の傾向と、当該月等の特異な季節指数の双方を加味したデータであるため、精度の高い予測データとなっている。
また、この「損益計算書」データは、通帳データ等を入力するだけで、自動的に「人件費」「固定費」「変動費」「返済」及び「売上」等の各項目に分類して作成されると共に、将来の予測である「損益計算書」データも生成されるので、利用者にとって、容易に「資金繰り状況」を把握することができる。
【0101】
また、本実施の形態では、このように、2017年8月の「損益計算書」データを生成し、必要に応じて、この「損益計算書」データを
図1のディスプレイ21に表示することができる。このため、利用者は、ディスプレイ21を視認することで、容易に、将来の資金繰り状況等を把握することができる。
具体的には、例えば、利用者は、2017年8月における預金の不足等を事前に把握することができる。
【0102】
また、本実施の形態では、上述のように、将来の「損益計算書」データを予測することができるため、将来起こり得る資金需要の増加に関する警告である各種アラートを出力することができる構成ともなっている。
【0103】
本実施の形態のアラートは、「第1の資金調達検討アラート」,「第2の資金調達検討アラート」及び「納税準備アラート」を含むため、以下、それぞれについて説明する。
【0104】
(第1の資金調達検討アラート出力工程について)
図15の「第1の資金調達検討アラート生成処理部(プログラム)171」が動作し、
図14の「将来損益計算書記憶部167」を参照し、設定された複数カ月以内に、通帳の予測金額が設定した金額を下回るか否かを判断し、下回ると判断したときは、「第1の資金調達検討アラート」をディスプレイ21等に出力する。
したがって、通帳の予測金額が設定金額を下回るときは、アラートが出力されるので、利用者にその予測を気付かせることができる。
【0105】
(第2の資金調達検討アラート出力工程について)
図15の「第2の資金調達検討アラート生成処理部(プログラム)172」が動作し、過去の出金データ等を参照し、複数カ月連続で出金額が前年同月比を上回ったか否かを判断し、上回ったときは、増加運転資金ニーズが予測されると判断し、「第2の資金調達アラート」をディスプレイ21等に出力する。
したがって、増加運転資金ニーズが予測されるときは、アラートが出力されるので、利用者にその予測を気付かせることができる。
【0106】
(納税準備アラート出力工程について)
図15の「納税準備アラート生成処理部(プログラム)173」が動作し、過去の出金データと入金データ等を参照し、出金が入金より少ない状態が、複数カ月続いたか否かを判断し、「納税準備アラート」をディスプレイ21等に出力する。
したがって、利用者が納税準備をする必要があるときは、事前にアラートが出力される。
【0107】
例えば、当該企業の売上が増加した際は、一般的に増加運転資金が必要となり、借り入れを行わないと、現金は減ることになる。このため、その後の納税のタイミングで現金が足りないことが起こり得る。
そこで、このような状況を回避すべく、納税を鑑みた資金繰り計画が必要となる旨のアラートを出力する構成となっている。
【0108】
(「資金繰り情報提供装置」としての部分についての「第2の実施の形態」)
本実施の形態では、上述の第1の実施の形態の売上に関する「将来傾向値」をさらに処理する点で相違するが、その他の多くの構成が、第1の実施の形態と共通するため、以下相違点を中心に説明し、第1の実施の形態と共通する構成等は同一符号等して、その説明を省略する。
【0109】
上述の第1の実施の形態では、
図18のST14で「月別傾向値」を求め、ST15では、この「月別傾向値」に基づき「将来傾向値」を生成したが、本実施の形態では、「月別傾向値」からさらに「3カ月移動平均」処理を2回(3×3移動平均)行い、その後、「第2の将来傾向値」を求める点で大きく相違する。
以下、詳細に説明する。
【0110】
先ず、将来の売上データを生成するための
図18のST11乃至ST14までは、第1の実施の形態と共通する。
また、出金に関する人件費、固定費、変動費、返済等についてのデータの算出方法も第1の実施の形態と共通する。
以下、ST14の処理が終えた後の処理について説明する。
【0111】
図18のST14で、季節変動除去後の「月別傾向値」を
図14の「月別傾向値記憶部161」に記憶した後、
図15の「第1の3カ月移動平均処理部(プログラム)174」が動作し、
図14の「月別傾向値記憶部161」の各月の「月別傾向値」と、その前後1カ月の値を足して3で割り、当該月の「第1の3カ月移動平均値」を求め、
図15の「第1の3カ月移動平均値記憶部175」に記憶する。
この「第1の3カ月移動平均値」が、移動平均処理済み傾向情報の一例である。
【0112】
また、
図22は、第2の実施の形態の特徴部分を示す概略説明図である。
図22に示すように、月別傾向値を「第1の3カ月移動平均」処理することで、
図22に示すように、2016年7月が「191」、8月が「193」、9月が「186」等となり、これらが「第1の移動平均値」となる。
【0113】
次いで、
図15の「第2の3カ月移動平均処理部(プログラム)176」が動作し、「第1の3カ月移動平均値記憶部175」の各月の「第1の3カ月移動平均値」と、その前後1カ月の値を足して3で割り、当該月の「第2の3カ月移動平均値」を求め、「第2の3カ月移動平均値記憶部177」に記憶する。
すると、
図22の「第2の移動平均値」となる。すなわち、本実施の形態では「3カ月移動平均」を2回(3×3移動平均)行うことで、全体の傾向値を把握し易い数値を求めている。
この「第2の3カ月移動平均値」が、重複移動平均処理済み傾向情報の一例となっている。
【0114】
図23は、「トリム平均値」と「第2の3カ月移動平均値」の月別変化を比較したグラフである。
図23に示すように、本実施の形態のように、「3×3移動平均」処理を行うことで、より傾向を把握しやすいデータとなっている。
【0115】
次いで、
図16の「第2の将来傾向値予測データ生成処理部(プログラム)181」が動作し、
図15の「第2の3カ月移動平均値記憶部177」の各月の「第2の3カ月移動平均値」に基づき、「第2の将来傾向値」を生成し、
図16の「第2の将来傾向値記憶部182」に記憶する。
【0116】
例えば、2016年の7月から8月の「第2の3カ月移動平均値」は、
図22によれば、「183」から「190」と変化し、約1.04倍となっている。
このため、
図16の「第2の将来傾向値予測データ生成処理部(プログラム)181」は、2017年7月の「159」を、同様に1.04倍し、8月の売上の予想値として「165」を求め、この値を「第2の将来傾向値」として、「第2の将来傾向値記憶部182」に記憶させる。
【0117】
次いで、
図16の「第2の季節調整済み将来傾向値生成処理部(プログラム)183」が動作し、「第2の将来傾向値記憶部182」の「第2の将来傾向値」に、対応する
図13の「季節指数記憶部157」の「季節指数」を乗じて、「季節調整済み第2の将来傾向値」を生成し、
図16の「季節調整済み第2の将来傾向値記憶部184」に記憶する。
【0118】
例えば、「第2の将来傾向値」である上述の「165」に、8月の季節指数「0.9」を乗じて、「季節調整済み将来傾向値」(149)を求め、149千円を8月の「季節調整済み第2の将来傾向値」として、
図16の「季節調整済み第2の将来傾向値記憶部184」に記憶する。
この工程で、売上の予測値が傾向値と季節調整の双方の要素から精度よく推定されることになる。
【0119】
次いで、「損益計算書」を予測する工程が実行される。
具体的には、
図16の「第2の将来損益計算書生成処理部(プログラム)185」が動作し、
図11の「将来人件費データ記憶部135」、
図12の「将来固定費データ記憶部141」、
図12の「将来変動費データ記憶部145」、
図13の「将来返済データ記憶部151」及び
図16の「季節調整済み第2の将来傾向値記憶部184」を参照する。
そして、「将来人件費データ」(8月、40,000円)、「将来固定費データ」(8月、32,000円)、「将来変動費データ」(8月、40,000円)、「将来返済データ」(8月、6,000円)及び「季節調整済み第2の将来傾向値」(8月、149,000円)等に基づいて、2017年8月の「第2の将来損益計算書」データを生成し、
図16の「第2の将来損益計算書記憶部186」に記憶する。
【0120】
このように、本実施の形態では、第1の実施の形態と異なり、「3×3移動平均」の処理を付加して、売上の予想値を算出するので、第1の実施の形態に比べより不規則要因が除去され、平準化された傾向値(第2の将来傾向値)に基づいた判断することできる。
【0121】
本発明は上述の第1の実施の形態及び第2の実施の形態に限らず、以下の構成も含まれる。
例えば、通帳データ等の基礎データが少なく、季節指数を演算で得られないとき、例えば、1年分のみのデータしかないときは、上述の「3カ月移動平均(当該月の前後1カ月のデータを平均する方法、当該月以前の3カ月のデータを平均する方法、当該月以後の3カ月のデータを平均する方法等)」で、傾向値を求めても構わない。
【0122】
また、第2の実施の形態の「3×3移動平均」で「傾向値」を求めても構わない。
さらに、通帳データ等に欠落データがあるときも、上述の「3カ月移動平均」又は「3×3移動平均」でデータを補足して、「月別傾向値」等を求める構成としても構わない。
【0123】
以上説明した本実施形態においては、装置として実現される場合を例に挙げて説明したが、本発明は、これに限定されず、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、DVDなど)光磁気ディスク(MO)、半導体メモリなどの記憶媒体に格納され頒布されてもよい。
【0124】
また、記憶媒体は、プログラムを記憶でき、かつコンピュータが読み取り可能な記憶媒体であればよい。記憶媒体の記憶形式は、特には限定されない。
【0125】
また、記憶媒体からコンピュータにインストールされたプログラムの指示に基づきコンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)や、データベース管理ソフト、ネットワークソフト等のMW(ミドルウェア)等が本実施形態を実現するための各処理の一部を実行してもよい。
【0126】
さらに、本発明における記憶媒体は、コンピュータと独立した媒体には限定されず、LANやインターネット等により伝送されたプログラムをダウンロードして記憶または一時記憶した記憶媒体も含まれる。
【0127】
また、本発明におけるコンピュータは、記憶媒体に記憶されたプログラムに基づいて本実施形態における各処理を実行すればよく、1つのパソコン等からなる装置であってもよいし、複数の装置がネットワーク接続されたシステム等であってもよい。
【0128】
また、本発明におけるコンピュータとは、パソコンには限定されず、情報処理機器に含まれる演算処理装置、マイコン等も含み、プログラムによって本発明の機能を実現することが可能な機器、装置を総称している。
【0129】
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。上記実施形態の構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせたりすることができる。
【課題】利用者が金融機関等の取引情報を入力するだけで将来の借入の予測情報等を自動的に利用者に提供することができる借入情報予測及び資金繰り情報提供装置等を提供すること。
【解決手段】金融機関取引情報31aを記憶する金融機関取引情報記憶部31と、金融機関取引情報から借入関連項目情報を抽出して借入関連項目情報記憶部34に記憶させる借入関連項目情報生成処理部33と、借入関連項目情報に基づいて、借入全体演算基本情報43を生成する借入全体演算基本情報生成処理部42と、を有し、借入全体演算基本情報に基づいて借入全体情報を予測して生成する借入情報予測及び資金繰り情報提供装置1。