特許第6646191号(P6646191)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6646191
(24)【登録日】2020年1月15日
(45)【発行日】2020年2月14日
(54)【発明の名称】着脱式ハンドルを備えた照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21V 21/40 20060101AFI20200203BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20200203BHJP
   A61B 90/30 20160101ALI20200203BHJP
【FI】
   F21V21/40
   F21S2/00 610
   A61B90/30
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-524755(P2018-524755)
(86)(22)【出願日】2016年8月23日
(65)【公表番号】特表2018-535519(P2018-535519A)
(43)【公表日】2018年11月29日
(86)【国際出願番号】FR2016052106
(87)【国際公開番号】WO2017089661
(87)【国際公開日】20170601
【審査請求日】2018年7月3日
(31)【優先権主張番号】1561411
(32)【優先日】2015年11月26日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】517273238
【氏名又は名称】マケ・ソシエテ・パール・アクシオン・サンプリフィエ
【氏名又は名称原語表記】MAQUET SAS
(74)【代理人】
【識別番号】100068021
【弁理士】
【氏名又は名称】絹谷 信雄
(74)【代理人】
【識別番号】100128509
【弁理士】
【氏名又は名称】絹谷 晴久
(74)【代理人】
【識別番号】100119356
【弁理士】
【氏名又は名称】柱山 啓之
(72)【発明者】
【氏名】パトリス・シャンジュー
(72)【発明者】
【氏名】アンドレ・ロワゾー
【審査官】 下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭56−050414(JP,U)
【文献】 特開昭63−167105(JP,A)
【文献】 実開昭59−121507(JP,U)
【文献】 特公昭49−022993(JP,B1)
【文献】 特開平04−326260(JP,A)
【文献】 特開2016−207654(JP,A)
【文献】 中国実用新案第202432464(CN,U)
【文献】 米国特許第5493757(US,A)
【文献】 特表平04−501335(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 21/40
A61B 90/30
F21S 2/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
把握スティック(10)が設けられたハンドル(5)を受けるように設計された基台(6)を有する光モジュール(2)を備えた照明器具(1)であって、
前記ハンドル(5)は、前記基台(6)の上に配置されたリング(7,7’)の中に着脱可能な方法で軸方向に挿入できるように構成され、
前記照明器具は、前記リング(7,7’)を前記基台(6)に対して回すことによって、前記ハンドル(5)が前記基台(6)から軸方向に引き抜かれることを特徴とする、照明器具(1)。
【請求項2】
前記ハンドル(5)を前記基台(6)にロックおよびロック解除する目的のために、ラッチ(8,8’)が前記リング(7,7’)内に受け入れられることを特徴とする請求項1記載の照明器具(1)。
【請求項3】
前記ラッチ(8)は、少なくとも1つの格納式カム(13)が設けられることを特徴とする請求項2記載の照明器具(1)。
【請求項4】
前記ラッチ(8)は、スプリング(16)に搭載された2つのカム(13)が設けられ、前記スプリング(16)は、前記カム(13)を押して、前記ハンドル(5)を前記基台(6)にロックするようにし、そして前記リング()を回した場合、前記スプリング(16)は、前記リング(7)の内面に配置されたラグ(15)によって押される前記カム(13)によって圧縮されることを特徴とする請求項3記載の照明器具(1)。
【請求項5】
前記ラッチ(8’)は、前記リング(7’)内で半径方向に延びる少なくとも1つの格納式スタッド(18)が設けられることを特徴とする請求項2記載の照明器具(1)。
【請求項6】
前記ラッチ(8’)は、スプリング(16’)上に搭載された3つのスタッド(18)が設けられ、前記スタッド(18)は、前記リング(7’)の中に突出して前記ハンドル(5)を前記基台(6)にロックするようになり、そして前記リング(7’)を回した場合、前記スタッド(18)は、格納位置になって、これらが前記リング(8’)の内面に配置された個々の凹部(20)の中に格納されるようになることを特徴とする請求項5記載の照明器具(1)。
【請求項7】
前記ハンドル(5)は、前記リング(7,7’)内に位置決めするための凸形状の位置決め突起(11)を有する固定ヘッド(9)が設けられ、
前記突起(11)は、前記ラッチ(8,8’)と協働できるように配置された環状溝(12)を有することを特徴とする請求項記載の照明器具(1)。
【請求項8】
前記ハンドル(5)は、滅菌されていることを特徴とする請求項記載の照明器具(1)。
【請求項9】
電気器具が、前記ハンドル(5)内に受け入れられ、
前記電気器具を通電し、監視/制御するための手段が前記ハンドル(5)および前記基台(6)に配置されることを特徴とする請求項記載の照明器具(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、把握スティックが設けられたハンドルを受けるように設計された基台を有する光モジュールを備えた照明器具に関するものであり、ハンドルは、基台の上に配置されたリングの中に着脱可能な方法で軸方向に挿入できるように構成される。
【背景技術】
【0002】
既知の方法では、手術野を照明するために手術室で使用される照明器具は、手術野の上方で位置決め可能なようにサスペンションアームに装着された光モジュールを備える。光モジュールの位置は、手術室内の医療チームによって変更できる。光モジュールを操作してその位置を変更する目的のために、手術野の上方にある空間内で移動させ操縦できるようにするハンドルが設けられる。
【0003】
現在の一般的な方法は、手術中に光モジュールが操作される際、医療チームのスタッフによって接触される滅菌ハンドルおよび滅菌ハンドルカバーまたはシールドを設けることである。
【0004】
文献US4844252およびUS6370735は、手術用照明光モジュールに着脱式に接続可能である滅菌ハンドルを開示する。こうしたハンドルは、照明モジュールの構造に配置されたソケットの中にねじ込むためにねじ山が設けられた上側部分を有する。
【0005】
手術室において、無菌状態を維持するために、医療機器の種々の物品間の接続を容易にすることによって、操作および接触されるエリアを制限する必要がある。残念ながら、既知のハンドルでは、ハンドルを照明モジュールに搭載すること、およびそこから取り外すことは、ねじ込みおよびねじ外しの際に大きなトルクが印加されることを要求する。さらに、これらのねじ込みおよびねじ外しの際、スティックを介してハンドルを保持するのに加えて、医療スタッフはまた、照明モジュールに接触して、それを所定場所に保持する必要がある。それが、移動するサスペンションアームに配置されているためである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、容易かつ迅速に滅菌ハンドルが搭載でき、そこから取り外しできる照明器具を提案することによって、これらの不具合を是正することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
詳細には、本発明は、把握スティックが設けられたハンドルを受けるように設計された基台を有する光モジュールを備えた照明器具を提供するものであり、ハンドルは、基台の上に配置されたリングの中に着脱可能な方法で軸方向に挿入できるように構成され、照明器具は、リングを基台に対して回すことによって、ハンドルが基台から軸方向に引き抜くことができることを特徴とする。
【0008】
本発明の医療照明器具は、特に、下記の特徴のいずれかを有してもよい。
・ハンドルを基台にロックおよびロック解除する目的のために、ラッチがリング内に受け入れられてもよい。
・ラッチは、少なくとも1つの格納式カムが設けられてもよい。
・ラッチは、スプリングに搭載された2つのカムが設けられてもよく、スプリングは、カムを押して、ハンドルを基台にロックするようにし、そしてリングを回した場合、スプリングは、リングの内面に配置されたラグによって押されるカムによって圧縮されるようにしてもよい。
・ラッチは、半径方向に延びる少なくとも1つの格納式スタッドが設けられてもよい。
・ラッチは、スプリング上に搭載された3つのスタッドが設けられてもよく、スタッドは、リングの中に突出してハンドルを基台にロックするようになり、そしてリングを回した場合、スタッドは、格納位置になって、これらがリングの内面に配置された個々の凹部の中に格納されるようになる。
・ハンドルは、リング内に位置決めするための凸形状の位置決め突起を有する固定ヘッドが設けられてもよく、突起は、ラッチと協働できるように配置された環状溝を有する。
・ハンドルは、滅菌されていてもよい。
・電気器具がハンドル内に受け入れられてもよく、電気器具を通電し、監視/制御するための手段がハンドルおよび基台に配置されてもよい。
【0009】
本発明のこの構成では、照明器具の基台にスナップ式に固定することによって、滅菌ハンドルを迅速に搭載することが可能であり、医療スタッフが基台に対して回すのが容易である、照明器具の基台上の回転リングを用いて、ハンドルを基台に容易にロック/ロック解除することが可能である医療照明器具が得られる。
【0010】
本発明によれば、ラッチをリングに追加することは、ハンドルと協働することが可能になり、リングがロック位置にある場合、ハンドルを基台に保持することが可能であり、リングがロック解除位置にある場合、ハンドルを引き抜くことが可能である。ラッチは、スプリングに搭載された、カムまたはスタッドに基づいた格納式保持手段が設けられ、これらは、回転リングの位置に応じて、リングの開口部(orifice)の中に突出またはそこから格納される。
【0011】
本発明の照明器具では、器具の操作および、ハンドルを接続するために医療スタッフによって接触される表面が、それぞれ容易になり、制限される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
添付図面を参照して下記の詳細な説明を読めば、本発明はより良く理解でき、他の利点が見えてくる。
【0013】
図1】ハンドルを介して手術者によって操作される本発明の医療照明器具の概略図である。
図2】本発明の照明器具の基台に搭載可能および取り外し可能なハンドルの斜視図である。
図3A】本発明の照明器具に搭載可能なハンドルの斜視図である。
図3B】本発明の照明器具に搭載可能なハンドルの他の斜視図である。
図4】本発明の第1実施形態における医療照明器具の基台およびハンドルの分解斜視図である。
図5A】本発明の第1実施形態において医療照明器具の基台に搭載されたハンドルの輪郭図である。
図5B図5Aの縦断面図である。
図6A】本発明の第1実施形態において医療照明器具のハンドルについて基台のロック解除位置を示す断面図である。
図6B】本発明の第1実施形態において医療照明器具のハンドルについて基台のロック位置を示す断面図である。
図7】本発明の第2実施形態における医療照明器具の基台およびハンドルの分解斜視図である。
図8】本発明の第2実施形態において医療照明器具の基台に搭載されたハンドルの縦断面図での輪郭図である。
図9A】本発明の第2実施形態において医療照明器具のハンドルについて基台のロック位置を示す断面図である。
図9B】本発明の第2実施形態において医療照明器具のハンドルについて基台のロック解除位置を示す断面図である。
図10A】本発明の第3実施形態において電気器具を受け入れるように構成された着脱式ハンドルを示し、基台に搭載可能でそこから取り外し可能なハンドルの斜視図である。
図10B】本発明の第3実施形態において電気器具を受け入れるように構成された着脱式ハンドルを示し、基台に搭載可能でそこから取り外し可能なハンドルの斜視図である。
図10C】本発明の第3実施形態における医療照明器具の基台およびハンドルの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、手術室で使用される医療照明器具の一部を示しており、光モジュール2が多関節サスペンションアーム3に装着され、光モジュール2は、手術野(不図示)の上方で調整可能に位置決め可能であり、前記手術野は適切に照明できるようになる。本例では、例えば、執刀医など、医療スタッフ4の一員が、ハンドル5を使用することによって、光モジュール2を操作し、手術野の上方でそれを移動し操縦している。
【0015】
ハンドル5は、基台6を介して光モジュール2に着脱可能に接続され、本例では、光モジュール2の底面で中央に位置するように配置される。
【0016】
本例に示す基台6は、平坦な円盤の形態である。円盤の両面の一方は、任意の既知の手段によって光モジュール2に固定される。図2で見えるように、ハンドル5を基台6の中に固定するための固定システムが円盤の他方の面に配置される。固定システムは、基台6に配置されたリング7,7’で構成され、前記リングは、基台6の円盤の表面に対して垂直な軸Aの周りに、両矢印Tによって示すように、いずれの方向にも回転できる。
【0017】
リング7,7’によって形成された開口部は、リング7,7’の中に軸方向に係合可能であるラッチ9,9’(後述する)を受け入れる。ラッチ8,8’は、ハンドル5が、矢印Fで示すように、リング7,7’の中に軸方向に挿入された場合、ハンドル5を基台6の中に保持するように設計され、そしてリング7,7’を回すことによって、ハンドル5は、矢印F’で示すように、基台6から軸方向に引き抜くことが可能になる。
【0018】
ハンドル5は、把握スティック10の両端の一方で支持された固定ヘッド9を備える。
【0019】
図3A図3Bは、基台6にスナップ式に固定されたハンドル5を示し、ハンドル5の固定ヘッド9は、リング7,7’内で係合し、ラッチ8,8’を介してリング7,7’の中に保持される。ハンドル5は、把握スティック10を介してアクセス可能な状態である。
【0020】
図2図4および図7で見えるように、固定ヘッド9は、軸方向に延びている位置決め突起11を備えた円盤の形態であるベッドを備える。本例では、位置決め突起11は、リング7,7’の開口部の中への固定ヘッド9の挿入を容易にするように凸面形状であり、ラッチ8,8’と協働して、ハンドル5をリング7,7’の開口部に保持する環状溝12が設けられる。
【0021】
図4図6は、ハンドル5が基台6の中に着脱可能にスナップ式に固定される方法の第1実施形態を示し、図7図9は、ハンドル5が基台6の中に着脱可能にスナップ式に固定される方法の第2実施形態を示す。両方の実施形態に共通である要素は、同様な参照符号を有する。
【0022】
図4は、ハンドル5が基台6の中に着脱可能な方法でスナップ式に固定される方法の第1実施形態の分解斜視図である。本実施形態において、ラッチ8は、円環形状であり、リング7の内径より僅かに小さい外径である。ラッチ8の円環形状は、対称に配置された2つの螺旋状のカム13を有し、それぞれが円環形状の周囲でその両端の一方で旋回するように搭載され、カムは、円環形状の周囲に沿って個々の開口14の中で延びている。
【0023】
本例において、その内面において、リング7は、対称に配置された、2つの半径方向に突出するラグ15を有する(図6A図6Bに見える)。
【0024】
図5A図5Bは、第1実施形態において照明器具の基台6に搭載されたハンドル5を示しており、リング7はロック位置にある。
【0025】
図6A図6Bは、ラッチ8がどのように、リング7の位置の関数として、即ち、ロック位置(図6B)またはロック解除位置(図6A)にあるかに応じて動作するかの原理を示す。
【0026】
ラッチ8がリング7内に受け入れられた場合、スプリング16がカム13の各々の自由端とリング7の内面との間の空間に存在し、そのためリング7がロック位置(図6B)にある場合、カム13は、ラッチの開口14を通ってラッチ8の開口部の中に突出する。リング7がロック解除位置(図6A)にある場合、リング7のラグ15が、カム13の自由端に対して押圧し、これによりカム13をラッチの開口14の中に格納させて、スプリング16をカム13の自由端とリング7の内面との間で圧縮させる。
【0027】
図7は、ハンドル5が照明器具1の基台6の中に着脱可能な方法でスナップ式に固定される方法の第2実施形態の分解図である。本実施形態において、ラッチ8’は、円環形状であり、リング7’の内径より僅かに小さい外径である。
【0028】
本例において、ラッチは、ラッチ8’の壁に放射状に対称に配置された3つの開口部17を有し、これを介してラッチ8’の厚さより大きい長さのスタッド18がスプリング16’の上に搭載され、貫通する方法で配置される。
【0029】
スタッド18の各々は、開口部17の直径より広い直径の頭部を有する。
【0030】
各開口部17は、肩部19を有し、スプリング16’が、ラッチ8’の内面で開口部17を通過しないようにしている。
【0031】
本例において、リング7’は、その内面において、対称に配置された(図9A図9Bに見える)3つの凹部20を有する。
【0032】
図8図9Aは、第2実施形態においてリング7’内でロック位置に受け入れられたラッチ8’を示す。リング7’がロック位置にある場合、スタッド18の頭部21は、リング7’の「連続した」内面(即ち、凹部20の外側)によって開口部17の中に押し込まれる。スタッド18は、ラッチ8’の開口部の中に突出し、スプリング16’は圧縮される。
【0033】
図9Bは、ロック解除位置でのラッチ8’およびリング7’を示す。このロック解除位置において、リング7’の凹部20は、ラッチ8’を通過する開口部17に面することが判る。スプリングによって付勢されて、スタッド18は、これらの空間に後退し、これらはラッチ8’の開口部の中に突出しない。
【0034】
上述した第1実施形態において、本発明によれば、医療スタッフ4の一員が滅菌ハンドル5を照明器具1に設置したい場合、スタッフのその一員は、その把握スティック10によってハンドル5を保持し、固定ヘッド9をラッチ8の開口部の中へ軸方向に挿入する。
【0035】
もしリング7がロック解除位置にある場合、カム13がラッチ8の中に格納される。リング7をロック位置に回すことによって、スプリング16に搭載されたカム13は、ハンドル5の固定ヘッド9での環状溝12の中に受け入れられるようになり、ハンドル5を基台6にロックする。
【0036】
本実施形態において、ハンドル5が軸方向に挿入されるとき、もしリング7がロック位置にある場合、固定ヘッド9の凸形状が、スプリング16に搭載されたカム13を押すことができ、そのためこれらは離れて移動し、ラッチ8の開口14の中に後退して、固定ヘッド9を環状溝12のレベルに通過できるようにし、その際、スプリング16に搭載されたカム13は、前記環状溝12に自動的に受け入れられるようになり、これによりハンドル5を基台6にロックすることに留意すべきである。
【0037】
それを変えるためにハンドル5を照明器具1から取り外すには、医療スタッフ4の一員は、一方の手で把握スティック10を介してハンドル5を把持し、そして他方の手でリング7をロック解除位置に回す。リング7がこの位置にある場合、リング7のラグ15は、カム13の自由端を押して、スプリング16を圧縮し、これによりカム13をラッチ8の開口部から離隔させて、これらをハンドル5の固定ヘッド9での環状溝12から解除する。こうして医療スタッフ4の一員は、ハンドル5を軸方向に引き出して、基台6から引き抜くことができる。
【0038】
上述した第2実施形態において、本発明によれば、医療スタッフ4の一員が滅菌ハンドル5を照明器具1の照明モジュール2に設置したい場合、スタッフのその一員は、その把握スティック10によってハンドル5を保持し、リング7’がロック解除位置にあるときは、固定ヘッド9を基台6の中へ軸方向に挿入する。この位置では、スタッド18は、ラッチ8’の開口部の中に突出せず、固定ヘッド9が通過するのを許容する。そしてリング7’をロック位置に回すことによって、スプリング16’に搭載されたスタッド18は、ハンドル5の固定ヘッド9での環状溝12に受け入れられるようになり、ハンドル5を基台6にロックする。
【0039】
それを変えるためにハンドル5を照明器具1から取り外すには、医療スタッフ4の一員は、一方の手で把握スティック10を介してハンドル5を把持し、そして他方の手でリング7をロック解除位置に回す。リング7’がこの位置にある場合、スプリング16’に搭載されたスタッド18は、これらが後退する凹部20に面することが判る。そしてスタッド18は、ハンドル5の固定ヘッド9での環状溝12から解除する。こうして医療スタッフ4の一員は、ハンドル5を軸方向に引き出して、基台6から引き抜くことができる。
【0040】
医療環境において、手術野の周囲で良好な滅菌状態を維持することは、優先事項である。本発明の照明器具1は、医療スタッフの一員が、把握スティック10およびリング7,7’だけに接触することによって、ハンドル5を着脱可能な方法でスナップ式に固定することを可能にする。こうして手術の前に滅菌ハンドル5を固定するために、そして手術の終わりにそれを取り外すために、接触される表面が制限される。さらに、ハンドル5を固定し、取り外すことが容易かつ迅速である。第1実施形態において、ハンドル5を基台6の中に押し込むことによって、または、ハンドル5をロックするためにリング7を回すという簡単なジェスチャを行うことによって、ハンドル5を固定することが可能である。第2実施形態において、ハンドル5を基台6に固定するために、そして前記ハンドル5を前記基台6でロック解除するために、リング7’を回すという簡単なジェスチャを行うことによって、ハンドル5を固定することが可能である。
【0041】
第1および第2実施形態において、ハンドル5を基台6から引き抜くためには、リング7,7’をロック解除位置に回して、ハンドル5を軸方向に引き出せば充分である。
【0042】
図10A図10Cに示す本発明の第3実施形態において、ハンドル5は、例えば、手術野を撮影するためのカメラ、ランプ、マルチメディア器具、またはいずれか他の電気器具(不図示)を受け入れることが可能なように、中空でもよい。中空ハンドル5の中に受け入れられた電気器具に電力を供給するため、そして電気器具を監視または制御するために、電気器具を通電するため、および監視/制御するための手段がハンドルおよび基台に配置される。本例において、位置決め突起11は、第1コネクタ支持体31に配置された回転コネクタ30を有する。
【0043】
この特定の実施形態において、静止コネクタ33のための第2コネクタ支持体32が、回転コネクタ30と静止コネクタ33との間の接続が本発明の固定システムを介して生ずるような方法で、基台6に搭載される。
【0044】
ハンドル5は、上述したような着脱可能な方法で、ラッチ8,8’で受け入れられたリング7,7’の中にスナップ式に固定する。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図10C