(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6646192
(24)【登録日】2020年1月15日
(45)【発行日】2020年2月14日
(54)【発明の名称】過酢酸製剤濃度判定装置、及び、過酢酸製剤濃度判定装置に用いる試薬
(51)【国際特許分類】
G01N 21/78 20060101AFI20200203BHJP
G01N 31/00 20060101ALI20200203BHJP
【FI】
G01N21/78 Z
G01N31/00 M
【請求項の数】7
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2018-98133(P2018-98133)
(22)【出願日】2018年5月22日
(65)【公開番号】特開2019-203751(P2019-203751A)
(43)【公開日】2019年11月28日
【審査請求日】2018年11月30日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】506359495
【氏名又は名称】鈴研株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】230100022
【弁護士】
【氏名又は名称】山田 勝重
(74)【代理人】
【識別番号】100084319
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 智重
(74)【代理人】
【識別番号】100120204
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 巌
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 裕之
【審査官】
吉田 将志
(56)【参考文献】
【文献】
中国特許出願公開第1031763(CN,A)
【文献】
中国特許出願公開第104422688(CN,A)
【文献】
中国特許出願公開第107144531(CN,A)
【文献】
国際公開第2008/133321(WO,A1)
【文献】
特開平5−31742(JP,A)
【文献】
特許第2640847(JP,B2)
【文献】
特開2010−60437(JP,A)
【文献】
特開2014−44049(JP,A)
【文献】
実開昭58−195843(JP,U)
【文献】
大越俊行(小津産業),特集3 殺菌・洗浄の新たな展開,月刊 フードケミカル A Technical Journal on Food Chemistry & Chemicals.,株式会社食品化学新聞社 川添 辰幸,第32巻
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/75−83
G01N 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
過酢酸製剤の溶液に所定濃度の試薬を添加した対象溶液が収容された光透過性の容器と、
前記容器に対して所定範囲の波長の測定光を照射する光源と、
前記測定光の波長を前記所定範囲に制御する光源制御部と、
複数段階の濃度に対応する複数の色見本を示す色見本表示部とを備え、
前記容器と前記色見本表示部が並んで設けられており、
前記過酢酸製剤は食品用であって、前記過酢酸製剤の濃度は50mg/L〜500mg/Lの範囲であり、
前記測定光が前記容器を透過した透過光と前記複数の色見本のいずれかとを目視により同定することにより、前記対象溶液に含まれる過酢酸製剤の濃度判定を可能としたことを特徴とする過酢酸製剤濃度判定装置。
【請求項2】
前記所定範囲の波長は、480nm以上680nm以下である請求項1に記載の過酢酸製剤濃度判定装置。
【請求項3】
前記所定範囲の波長は、530nm以上630nm以下である請求項2に記載の過酢酸製剤濃度判定装置。
【請求項4】
前記試薬はヨウ化カリウムであり、前記所定濃度は5%以上である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の過酢酸製剤濃度判定装置。
【請求項5】
前記所定濃度は5%を超える請求項4に記載の過酢酸製剤濃度判定装置。
【請求項6】
前記所定濃度は10%以上である請求項5に記載の過酢酸製剤濃度判定装置。
【請求項7】
前記複数の色見本は、前記過酢酸製剤の用途に応じて交換可能である請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の過酢酸製剤濃度判定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、過酢酸製剤濃度判定装置、特に食品用の過酢酸製剤の濃度を判定する過酢酸製剤濃度判定装置に関し、さらに、このような過酢酸製剤濃度判定装置に用いられる試薬に関する。
【背景技術】
【0002】
食中毒の予防等の観点から食品に用いる殺菌剤が重要視されている。従来から使用されている塩素系殺菌剤では、臭いが強い点、安定性が低い点、残留性がある点などにおいて懸念されるところがあり、これらの懸念点を解消しうる殺菌剤として、過酢酸製剤が注目されている。過酢酸製剤は、臭いがほぼなく、食品への使用に適した濃度に希釈した後の安定性が高く、食品への残留性が非常に低い、などの点から、塩素系殺菌剤に代わるものとして期待されている。このような過酢酸製剤は、諸外国においては、野菜、果物、食肉等の幅広い食品に対して殺菌目的で広く使用されてきている。一方、日本においては、近年、食品添加物としての指定がなされ、製造基準・使用基準、及び、成分規格が告示されたところである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3170526号公報
【特許文献2】特開2006−242629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来は、過酢酸製剤の原液の成分規格を確認するための公定法は存在するものの、食品に対して使用するために希釈した状態における実用濃度を確認するための公定法は存在していなかった。実用濃度の測定としては、例えば、試験紙を用いた方法や、ヨウ素電量滴定法による複雑な構成の装置を用いたものがあったが、試験紙を用いた方法は、簡便に測定できるが精度が低く、低濃度側で特に信頼性が低いという問題があった(例えば特許文献1、2)。また、ヨウ素電量滴定法による装置は、装置が大型で重量があるため、現場で簡便かつ迅速に測定を行うことが難しかった。
【0005】
そこで本発明は、持ち運びが容易であり、現場で簡便かつ迅速に過酢酸製剤の濃度を精度良く判定することができる過酢酸製剤濃度判定装置、及び、これに用いる試薬を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の過酢酸製剤濃度判定装置は、過酢酸製剤の溶液に所定濃度の試薬を添加した対象溶液が収容された光透過性の容器と、容器に対して所定範囲の波長の測定光を照射する光源と、測定光の波長を所定範囲に制御する光源制御部と、複数段階の濃度に対応する複数の色見本を示す色見本表示部とを備え、
前記容器と前記色見本表示部が並んで設けられており、前記過酢酸製剤は食品用であって、前記過酢酸製剤の濃度は50mg/L〜500mg/Lの範囲であり、測定光が容器を透過した透過光と複数の色見本のいずれかと
を目視により同定することにより、対象溶液に含まれる過酢酸製剤の濃度判定を可能としたことを特徴としている。
【0008】
本発明の過酢酸製剤濃度判定装置において、所定範囲の波長は、480nm以上680nm以下であることが好ましく、530nm以上630nm以下であるとさらに好ましい。
【0009】
本発明の過酢酸製剤濃度判定装置において、試薬はヨウ化カリウムであり、所定濃度は5%以上であることが好ましく、5%を超えるとさらに好ましく、10%以上であるとさらによい。
【0010】
本発明の過酢酸製剤濃度判定装置において、測定光と透過光に基づいて算出される吸光度の変化が、過酢酸製剤の濃度の変化に対して、略比例関係にあることが好ましい。
【0011】
本発明の過酢酸製剤濃度判定装置において、容器と色見本表示部が並んで設けられていることが好ましい。
【0012】
本発明の過酢酸製剤濃度判定装置において、複数の色見本は、過酢酸製剤の用途に応じて交換可能であることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の過酢酸製剤濃度判定装置は、持ち運びが容易であり、現場で簡便かつ迅速に過酢酸製剤の濃度を精度良く判定することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】(a)は、本発明の実施形態に係る過酢酸製剤濃度判定装置の構成を概念的に示した図、(b)は(a)の過酢酸製剤濃度判定装置において、容器と色見本表示部が並んで配置された構成を概念的に示す図である。
【
図2】対象溶液における過酢酸製剤の濃度に対する吸光度の変化を示すグラフであって、ヨウ化カリウムの濃度が2〜5%の場合を示している。
【
図3】対象溶液における過酢酸製剤の濃度に対する吸光度の変化を示すグラフであって、ヨウ化カリウムの濃度が2〜5%の場合を示している。
【
図4】対象溶液における過酢酸製剤の濃度に対する吸光度の変化を示すグラフであって、ヨウ化カリウムの濃度が5〜50%の場合を示している。
【
図5】対象溶液における過酢酸製剤の濃度に対する吸光度の変化を示すグラフであって、ヨウ化カリウムの濃度が5〜50%の場合を示している。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態に係る過酢酸製剤濃度判定装置及び試薬について図面を参照しつつ詳しく説明する。
図1を参照しつつ過酢酸製剤濃度判定装置の構成について説明する。
図1(a)は、本実施形態に係る過酢酸製剤濃度判定装置10の構成を概念的に示した図、(b)は(a)の過酢酸製剤濃度判定装置10において、容器12と色見本表示部15が並んで配置された構成を概念的に示す図である。
【0018】
図1(a)に示すように、過酢酸製剤濃度判定装置10は、その筐体11内に、容器12を収容するとともに、光源13及び光源制御部14を備える。容器12は、筐体11に設けられた所定の空間に収容される。また、
図1(b)に示すように、筐体11の正面において、容器12と並ぶように、色見本表示部15が設けられている。
【0019】
筐体11は、所定の耐水性と耐久性を有し、さらに、持ち運び可能な重量で構成可能な材料、例えば樹脂材料で構成される。これにより、容器12の操作その他の場面で濡れた手で操作するなどして水分が付着しても誤動作が発生することを防ぐことができ、また、運搬中や操作中などに衝撃が加わったとしても破損しにくいことから、動作不能となることを防ぐことができる。
【0020】
容器12は、少なくとも入射面と出射面が光透過性を有する材料、例えば樹脂材料やガラスで構成される。入射面と出射面は互いに対向して設けられ、入射面には光源13からの測定光が入射し、この測定光が容器内の対象溶液を透過し、筐体11の正面に位置する出射面から外部へ出射する。
ここで、筐体11において、少なくとも、容器12が収容される空間を光が透過しない材料で構成すると、対象溶液の透過光が無駄なく出射面から出射するため、測定精度を安定させることができる。
【0021】
容器12には、過酢酸製剤の溶液に所定濃度の試薬を添加した対象溶液が収容される。
過酢酸製剤は、食品用の製剤であり、より具体的には、牛、鶏、及び豚の食肉、並びに、野菜の表面殺菌の目的に用いる製剤である。過酢酸製剤は、厚生労働省による規格基準に沿って、過酢酸、又は、酢酸、過酸化水素、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、若しくはオクタン酸を原料とし、過酢酸若しくは酢酸、及び、過酸化水素に1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸を混合したもの、又は、オクタン酸を混合したものである。
【0022】
試薬はヨウ化カリウムであり、その濃度(質量濃度)は5%以上であることが好ましい。例えば、5gのヨウ化カリウムを過酢酸製剤の溶液100mLに添加するとき、ヨウ化カリウムの濃度が5%となる(”L”はリットルである)。ヨウ化カリウムの濃度を5%以上にすることにより、対象溶液中の過酢酸製剤の濃度の違いに応じて、対象溶液を透過した透過光の色の違いが明確化しやすくなることから、過酢酸製剤の濃度判定を精度良く行うことが可能となる。これに対して、ヨウ化カリウムの濃度が5%未満であるときは、透過光の色が変動して不安定であるため、色見本表示部15と対比・同定することが困難となることから、目視によって過酢酸製剤の濃度判定を行うことは難しい。
【0023】
さらに、ヨウ化カリウムの濃度は、発色の安定性の観点からは5%を超えた濃度が好ましい。また、濃度10%以上とすると発色の安定性がより高まるため、さらに好ましい。
また、発色を安定させるための補助剤として亜ジチオン酸ナトリウムと、pH調整のためクエン酸とリン酸水素二ナトリウムで構成された緩衝剤を微量添加するとよい。また溶液の保存性を高めるためにはエチレンジアミン四酢酸を0.01%以下の範囲で配合させるとよい。
【0024】
光源13は、容器12に対して所定範囲の波長の測定光を照射する。測定光の波長範囲を限定することができれば、光源の種類は限定されず、例えば発光ダイオード(LED)を用いることができる。また、フィルタを用いることによって波長を限定できれば、発光波長の広い光源を用いることもできる。上記フィルタは、容器12の入射面上若しくは近傍に設け、又は、容器12の入射面に所定の色を付してフィルタ機能を持たせても良い。測定光の波長の範囲は、光源制御部14によって制御される。光源制御部14は、波長の制御のほか、光源13の動作の制御、例えばオン・オフ、出射強度の制御も行う。
【0025】
試薬としてヨウ化カリウムを用いた対象溶液に対して照射する測定光の波長は、480nm以上680nm以下の範囲にすることが好ましい。この範囲に設定することにより、対象溶液に照射する測定光と、対象溶液を透過した透過光とに基づいて算出される吸光度の変化が、過酢酸製剤の濃度の変化に対して略比例関係となる。このため、透過光の吸光度又は色によって、過酢酸製剤の濃度を正確に判定することができる。これに対して、測定光の波長が480nm未満の範囲、及び、680nmを超える範囲では、過酢酸製剤の濃度変化に対する吸光度の変化が比例しないため、透過光における吸光度や色では過酢酸製剤の濃度を判定することは困難である。
【0026】
さらに、測定光の波長を530nm以上680nm以下とすると、過酢酸製剤の濃度変化に対する吸光度の変化の直線性が高まるため、過酢酸製剤の濃度判定の精度が高まるため好ましい。測定光の波長を530nm以上630nm以下とすると、透過光の強度を一定以上に確保できるため、判定の際に視認し易くなることから、過酢酸製剤の濃度判定を容易かつ高精度で行うことができる。
【0027】
色見本表示部15は、複数段階の濃度に対応する複数の色見本を示す。例えば、
図1(b)に示すように、6つの色見本15a、15b、15c、15d、15e、15fが、容器12と並んで設けられている。前記色見本15a〜15fは、目視において互いに識別可能な色を有している。色見本15a〜15fは、例えば、白色で光を透過させない樹脂材料製の板材に印刷を施すことによって、反射色を呈するように形成される。この色見本15a〜15fの色は、例えば、反射光の可視吸収スペクトルを用いて規定することによって、判定者が識別可能に設定することが可能である。
【0028】
なお、色見本表示部15を光透過性材料で構成し、色見本15a〜15fを光透過性のフィルム等で形成することによって透過色を呈するようにした構成も可能である。この場合は、光源13からの出射光などを筐体11の内部側から色見本表示部15へ照射するとよい。
【0029】
以上の色見本表示部15の構成により、容器12からの透過光の色と、色見本表示部15の色見本15a〜15fの色を容易に比較することができ、色見本表示部15の色見本15a〜15fのいずれかの色と透過光の色とを簡便に同定することができる。色見本15a〜15fの各色は、予めスペクトル分布を取得してあり、濃度の判明している過酢酸製剤溶液の濃度との対応関係が作成されている。このため、容器12からの透過光の色を色見本15a〜15fのいずれかの色と同定することで、対応する過酢酸製剤溶液の濃度を特定できるため、濃度判定を簡便かつ精度良く行うことができる。
【0030】
なお、色見本表示部15における色見本の数や形態は、
図1(b)に例示した数や形態に限定されない。例えば、6つ未満や7つ以上であってもよい。また、
図1(b)のように筐体11に固定された構成に代えて、回転可能な基材に複数の色見本を配置した構成も可能である。この場合、例えば、円板の表面において外周に沿って複数の色見本を配置し、この円板を平面中心の周りに回転させることによって、各色見本を順次容器12と並べて配置し、これによって色見本と容器12からの透過光の比較をし易くすることができる。
【0031】
また、過酢酸製剤の用途・種類などに応じて、色見本表示部15の色見本を交換可能とすると、想定される範囲の色見本と透過光を比較できるため、効率良く、精度の高い濃度判定を行うことができる。
【0032】
次に実施例について説明する。
図2〜
図5は、対象溶液における過酢酸製剤の濃度(PAA濃度)(mg/L)(横軸)に対する吸光度(縦軸)の変化を示すグラフである。
図2と
図3は、ヨウ化カリウムの濃度が2〜5%の場合を示しており、
図4と
図5は、ヨウ化カリウムの濃度が5〜50%の場合を示している。
図2と
図3においては、ヨウ化カリウムの濃度2.0%、3.0%、4.0%、5.0%をそれぞれ示している。
図4と
図5においては、ヨウ化カリウムの濃度5%、10%、20%、50%をそれぞれ示している。
【0033】
ここで、対象溶液中の過酢酸製剤としては、エンビロテッックジャパン株式会社製のパーサンMP2−J(商品名)を用いた。この過酢酸製剤の構成は、過酢酸15%、酢酸40%、過酸化水素5.5%、安定剤1%未満(質量濃度)である。
【0034】
図2〜
図5の各図においては、容器12に照射した測定光の波長は次の通りである。
図2(a):測定光の波長430nm
図2(b):測定光の波長480nm
図2(c)、
図4(a):測定光の波長530nm
図3(a)、
図4(b):測定光の波長580nm
図3(b)、
図4(c):測定光の波長630nm
図5(a):測定光の波長680nm
図5(b):測定光の波長730nm
【0035】
図2(b)、(c)、
図3(a)、(b)、及び、
図4(a)、(b)、(c)に示す透過光(波長480nm、530nm、580nm、630nm)においては、ヨウ化カリウムの濃度が5%のときには、過酢酸製剤濃度と吸光度は略比例関係となっている。これに対して、
図2(b)、(c)、
図3(a)、(b)において、濃度5%未満においては、過酢酸製剤濃度と吸光度は比例していないことが分かる。
【0036】
また、
図5(a)に示す透過光については、ヨウ化カリウムの濃度が5%を超えた範囲において、過酢酸製剤濃度と吸光度は略比例関係となっている。
【0037】
上述のように、
図2(b)、(c)、
図3(a)、(b)、
図4(a)、(b)、(c)、及び、
図5(a)に示す透過光、すなわち、波長480nm以上680nm以下の範囲の透過光においては、ヨウ化カリウムの濃度によって、過酢酸製剤濃度と吸光度とが略比例関係となることが分かった。
【0038】
各図を対比すると、測定光の波長が530nm以上680nm以下、さらには530nm以上630nm以下の範囲であると過酢酸製剤濃度と吸光度との変化の直線性が高まることが分かる。
本発明について上記実施形態を参照しつつ説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、改良の目的又は本発明の思想の範囲内において改良又は変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0039】
以上のように、本発明に係る過酢酸製剤濃度判定装置は、持ち運びが容易であり、現場で簡便かつ迅速に過酢酸製剤の濃度を精度良く判定することができる点で有用である。
【符号の説明】
【0040】
10 過酢酸製剤濃度判定装置
11 筐体
12 容器
13 光源
14 光源制御部
15 色見本表示部
15a、15b、15c、15d、15e、15f 色見本