(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の吊り鉄骨ユニットを所定の高さの設置位置にそれぞれ搬送し、建物の上部構造に吊り下げ支持して設置するとともに隣り合う吊り鉄骨ユニット同士を接続して構築される吊り天井用の吊り鉄骨フレームの施工方法であって、
前記吊り鉄骨ユニットの設置位置の直下から離間した床上の搬送前仮置き領域に、鉄骨基台上に載置しつつ着脱可能に接続した状態で設けられる吊り鉄骨ユニット搬送前設置工程と、
前記搬送前仮置き領域の直上の前記建物の上部構造に吊上げ用の揚重機を複数取り付けるとともに、前記吊り鉄骨ユニットの最終設置位置に対応する前記建物の上部構造に引込用の揚重機を複数取り付ける揚重機取付工程と、
前記搬送前仮置き領域に設けられた前記鉄骨基台の一端側に、一部の吊上げ用の揚重機の索状吊り材を接続し、前記吊り鉄骨ユニットの上端部に残りの吊上げ用の揚重機の索状吊り材を接続し、一部の引込用の揚重機の索状吊り材を前記鉄骨基台の一端側に接続し、残りの引込用の揚重機の索状吊り材を前記鉄骨基台の一端側と反対の他端側に接続する揚重機吊り材接続工程と、
前記揚重機を駆動によって前記索状吊り材を繰り出し、巻き上げすることにより、前記吊り鉄骨ユニットを所定の最終設置位置に搬送し、吊り部材を介して前記建物の上部構造に吊り下げ支持して設置する吊り鉄骨ユニット設置工程とを備えており、
前記吊り鉄骨ユニット設置工程は、第一段階で、前記複数の吊上げ用の揚重機の駆動によって前記搬送前仮置き領域から前記鉄骨基台とともに前記吊り鉄骨ユニットを真っ直ぐ上方に吊り上げ、
第二段階で、前記複数の引込用の揚重機を駆動して前記吊り鉄骨ユニットを前記最終設置位置の直下に引き込み、
第三段階で、前記複数の引込用の揚重機を駆動して前記吊り鉄骨ユニットを吊り上げて前記最終設置位置に設置することを特徴とする吊り天井用の吊り鉄骨フレームの施工方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、ホールや体育館等の大規模建物に設置される吊り鉄骨フレームは、例えば、複数に分割形成した吊り鉄骨ユニットが10ton前後の大重量であり、一般に、このような大重量の吊り鉄骨ユニットは、地組みし、順次、大型クレーンを用いて所定の最終設置位置まで搬送して設置する。
【0006】
しかしながら、建物の躯体施工の完了後や屋根部(上部構造)の施工の完了後に吊り鉄骨の施工(設置)を行う場合や、建物近隣の環境等に伴う制約がある場合など、大型クレーンを使用して吊り鉄骨ユニットを設置できないケースもある。そして、大型のクレーンを使用することができない場合には、例えば、1階床で地組みした吊り鉄骨ユニットを屋内で所定位置まで吊り上げるとともに建物の上部構造に吊り下げ支持させて設置することになる。
【0007】
このとき、天井高がある程度低い場合には、1階床から枠組足場やローリングタワー等の足場を用い、建物の上部構造へのチェーンブロック等の揚重機の取り付けや、地組みした吊り鉄骨ユニットの吊り上げ、位置決め等を行って所定の最終設置位置に設置することができる。
【0008】
これに対し、ホールや体育館等の大規模建物では、天井高が数十mに及ぶ場合もあり、工期の長期化、高コスト化などの不都合が生じることで、従来のように足場を用いて吊り鉄骨ユニットを設置し、吊り鉄骨フレームを構築することができないケースがある。
【0009】
さらに、1階床上で吊り鉄骨ユニットを地組みしたり、外部で形成した吊り鉄骨ユニットを搬入して仮設置する場所の確保に制約が生じ、複数の吊り鉄骨ユニットのそれぞれの最終設置位置の直下に吊り鉄骨ユニットの地組み領域(搬送前仮置き領域)を確保することは難しい。このため、最終設置位置から離れた床上の地組み領域から吊り鉄骨ユニットを吊り上げ搬送して設置することが必要になるが、特に天井高が数十mにも及ぶ場合には、単にチェーンブロック等の揚重機で吊り鉄骨ユニットを吊り上げ、最終設置位置まで横移動させる手法では、その適用自体が困難であったり、高所での揚重機の付け替え、玉掛けの掛け替え等の作業が生じてしまう。
【0010】
特に、吊り天井の外周部、すなわち、建物の壁部に沿って隣接設置する吊り鉄骨ユニットや、隣り合う壁部が繋がるコーナー部に嵌め込むように設置する吊り鉄骨ユニットは、壁面施工用などとして壁部に沿って近接配置された足場や、架構の突起部等の障害物によって、最終設置位置の直下で地組みしそのまま直上に吊り上げて設置することができないケースがある。
【0011】
本発明は、上記事情に鑑み、上記のような多くの制約がある場合であっても、効率的に吊り鉄骨フレームを建物上部構造に吊り下げ支持させて構築することを可能にする吊り天井用の吊り鉄骨フレームの施工方法を提供することを目的とする。
【0012】
なお、本発明は、実現場で上記と同様の課題が生じ、本願の発明者らが容易には想到し得ない創意工夫を繰り返することによって、困難極まる吊り鉄骨フレームの施工を実現したことに基づく発明である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。
【0014】
本発明の吊り天井用の吊り鉄骨フレームの施工方法は、複数の吊り鉄骨ユニットを所定の高さの設置位置にそれぞれ搬送し、建物の上部構造に吊り下げ支持して設置するとともに隣り合う吊り鉄骨ユニット同士を接続して構築される吊り天井用の吊り鉄骨フレームの施工方法であって、前記吊り鉄骨ユニットの設置位置の直下から離間した床上の搬送前仮置き領域に、鉄骨基台上に載置しつつ着脱可能に接続した状態で設けられる吊り鉄骨ユニット搬送前設置工程と、前記搬送前仮置き領域の直上の前記建物の上部構造に吊上げ用の揚重機を複数取り付けるとともに、前記吊り鉄骨ユニットの最終設置位置に対応する前記建物の上部構造に引込用の揚重機を複数取り付ける揚重機取付工程と、前記搬送前仮置き領域に設けられた前記鉄骨基台の一端側に、一部の吊上げ用の揚重機の索状吊り材を接続し、前記吊り鉄骨ユニットの上端部に残りの吊上げ用の揚重機の索状吊り材を接続し、一部の引込用の揚重機の索状吊り材を前記鉄骨基台の一端側に接続し、残りの引込用の揚重機の索状吊り材を前記鉄骨基台の一端側と反対の他端側に接続する揚重機吊り材接続工程と、前記揚重機を駆動によって前記索状吊り材を繰り出し、巻き上げすることにより、前記吊り鉄骨ユニットを所定の最終設置位置に搬送し、吊り部材を介して前記建物の上部構造に吊り下げ支持して設置する吊り鉄骨ユニット設置工程とを備えており、前記吊り鉄骨ユニット設置工程は、第一段階で、前記複数の吊上げ用の揚重機の駆動によって前記搬送前仮置き領域から前記鉄骨基台とともに前記吊り鉄骨ユニットを真っ直ぐ上方に吊り上げ、第二段階で、前記複数の引込用の揚重機を駆動して前記吊り鉄骨ユニットを前記最終設置位置の直下に引き込み、第三段階で、前記複数の引込用の揚重機を駆動して前記吊り鉄骨ユニットを吊り上げて前記最終設置位置に設置することを特徴とする。
【0015】
また、本発明の吊り天井用の吊り鉄骨フレームの施工方法においては、前記吊り鉄骨フレームが、前記建物の壁部に沿う外周部に配設される複数の外周部用の吊り鉄骨ユニットと、前記外周部用の吊り鉄骨ユニットで囲まれた中央部に配設される中央部用の吊り鉄骨ユニットとを備えるとともに、隣り合う壁部が繋がって形成される一方のコーナー部から他方のコーナー部の直線状の一壁部側には、一対のコーナー部に配設される一対のコーナー部用の吊り鉄骨ユニットと、前記一対のコーナー部用の吊り鉄骨ユニットの間に配設される中間部用の吊り鉄骨ユニットの少なくとも3つ以上の前記吊り鉄骨ユニットが前記外周部用の吊り鉄骨ユニットとして設けられ、前記吊り鉄骨ユニット設置工程において、前記コーナー部用の吊り鉄骨ユニットを設置する際には、前記第二段階で前記コーナー部を形成する壁部に対して斜め方向の横方向から前記コーナー部の前記最終設置位置の直下に引き込み、前記中間部用の吊り鉄骨ユニットを設置する際には、前記一対のコーナー部用の吊り鉄骨ユニットを先行して設置した後、前記第二段階で前記一壁部に対向する方向の横方向から前記一対のコーナー部用の吊り鉄骨ユニットの間の前記最終設置位置の直下に引き込むことが望ましい。
【0016】
さらに、本発明の吊り天井用の吊り鉄骨フレームの施工方法においては、前記鉄骨基台が所定の間隔をあけて平行配置され、一端側に前記吊上げ用の揚重機の索状吊り材及び前記引込用の揚重機の索状吊り材が接続され、他端側に前記引込用の揚重機の索状吊り材が接続される一対の主鉄骨を備えており、前記鉄骨基台上に前記吊り鉄骨ユニットが載置された状態で、前記一対の主鉄骨が、その一端側を前記吊り鉄骨ユニットの下端部側の一端よりも所定の長さで材軸方向外側に突出して設けられていることがより望ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の吊り天井用の吊り鉄骨フレームの施工方法においては、障害物があったり、作業環境などによって吊り鉄骨ユニットの最終設置位置の直下に地組み領域などの搬送前仮置き領域を設けることができない場合であっても、吊り鉄骨ユニットを効率的に所定の最終設置位置に搬送設置することができ、複数の吊り鉄骨ユニットを順次搬送設置するとともに接続し、好適に吊り天井用の吊り鉄骨フレームを構築することが可能になる。
【0018】
よって、本発明の吊り天井用の吊り鉄骨フレームの施工方法によれば、大型クレーンを使用できないなど多くの制約があり、また、数十mにも及ぶ高さに吊り鉄骨フレーム(吊り天井)を構築する場合であっても、効率的に吊り鉄骨フレームを構築することができ、大幅な工期の短縮、施工の低コスト化を図ることが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、
図1から
図7を参照し、本発明の一実施形態に係る吊り天井用の吊り鉄骨フレームの施工方法について説明する。
【0021】
はじめに、本実施形態の吊り天井は、
図1、
図2、
図3に示すように、建物Tの上部構造T1に吊り部材1を介して吊り下げ支持される吊り鉄骨フレームAと、吊り鉄骨フレームに支持されて天井面を形成する天井部(不図示)とを備えて構成されている。
なお、吊り鉄骨フレームAに直接天井パネルや空調設備、照明設備などを取り付けて吊り天井を構成してもよいし、吊り鉄骨フレームAに吊り部材(吊りボルト)を介して野縁、野縁受け等の天井下地を吊り下げ支持し、天井下地に天井パネル等を取り付けて吊り天井を構成してもよい。
【0022】
一方、本実施形態の建物の上部構造T1は、鉄骨を組み付けて形成され、屋根部を支持する鉄骨トラス屋根構造とされている。なお、この建物Tの上部構造T1においても、特にその構成を限定する必要はなく、吊り鉄骨フレームA等を支持することが可能であれば、SRC造など、他の構成であってもよい。
【0023】
本実施形態の吊り鉄骨フレームAは、
図1、
図2、
図4に示すように、平面視で建物Tの壁部T2で囲まれる略全域に設置され、複数の吊り鉄骨ユニット10〜21を所定の天井高に搬送し、建物Tの上部構造である鉄骨トラス屋根構造T1に吊り部材1を介して吊り下げ支持し、且つ隣り合う吊り鉄骨ユニット10〜21を連結して構築される。
【0024】
また、本実施形態の吊り鉄骨フレームAは、直線状に延びる各壁部T2に沿って配設される複数の外周部用の吊り鉄骨ユニット(10〜14、17〜21)と、外周部用の吊り鉄骨ユニット(10〜14、17〜21)で囲まれる中央部に配設される複数の中央部用の吊り鉄骨ユニット15、16とに分けられ、これら複数の吊り鉄骨ユニット10〜21を所定の天井高位置で一体に連結して構成されている。
【0025】
さらに、各吊り鉄骨ユニット10〜21は、複数の上弦材、下弦材、縦材、斜材等の複数の鉄骨を組み付けて形成され、本実施形態では、例えば一つの吊り鉄骨ユニット10〜21が10ton前後の重量をもって形成されている。
【0026】
また、建物Tの隣り合う壁部T2が繋がる一方のコーナー部から他方のコーナー部までの直線状の一壁部T2には、複数の外周部用の吊り鉄骨ユニット(10〜14、17〜21)が並設されている。すなわち、一方のコーナー部から他方のコーナー部の直線状の一壁部T2には、一対のコーナー部用の吊り鉄骨ユニット10、13、18、21と、一対のコーナー部用の吊り鉄骨ユニット10、13、18、21の間に配設される中間部用の吊り鉄骨ユニット11、12、14、17、19、20とが設けられている。なお、建物Tの隣り合う壁部T2が繋がる一方のコーナー部から他方のコーナー部までの直線状の一壁部T2には、少なくとも3つ以上の外周部用の吊り鉄骨ユニット(10〜14、17〜21)が並設されていることが好ましい。
【0027】
このように構成した本実施形態の吊り鉄骨フレームAを施工する際には、
図1、
図3に示すように、1基の吊り鉄骨ユニット10〜21を所定の最終設置位置に搬送して設置するために、例えば、少なくとも8台あるいは4台の電気チェーンブロック等の揚重機30〜37を使用する。なお、本実施形態では、揚重機30〜37が電気チェーンブロックであるものとして説明を行うが、勿論、ホイストやウィンチなどの他の揚重機を用いてもよい。
【0028】
ここで、
図1に示すように、本実施形態では、建物Tの施工に伴い、複数の外周部用の吊り鉄骨ユニット(10〜14、17〜21)のそれぞれの最終設置位置の直下に、例えば壁面施工用の足場、建物架構の突起部、踊り場等の障害物22が存在し、各外周部用の吊り鉄骨ユニット(10〜14、17〜21)の最終設置位置の直下に吊り鉄骨ユニット10〜21の地組み領域(搬送前仮置き領域)Rを設けることができないものとして説明を行う。
なお、ホールなど、壁に踊り場が設けられている場合には、特に、この踊り場が障害となって最終設置位置の直下に地組み領域Rを設けることができない。
【0029】
一方、複数の中央部用の吊り鉄骨ユニット15、16の最終設置位置の直下には障害物22がなく、各中央部用の吊り鉄骨ユニット15、16の最終設置位置の直下に地組み領域Rを確保し、この地組み領域Rで吊り鉄骨ユニット15、16を地組みできるものとする。
【0030】
本実施形態では、このように最終設置位置の直下の障害物22の有無に応じ、外周部用の吊り鉄骨ユニット(10〜14、17〜21)を所定の高さの最終設置位置に搬送して設置するために例えば8台の揚重機30〜37を用い、中央部用の吊り鉄骨ユニット15、16を搬送設置するために4台の揚重機を用いる。
【0031】
そして、本実施形態の吊り天井用の吊り鉄骨フレームAの施工方法では、
図1、
図3及び
図5に示すように、まず、外周部用の吊り鉄骨ユニット(10〜14、17〜21)の地組み領域Rをその最終設置位置の直下から離れた1階床上の所望の位置に位置出し/芯出しして設定する。また、中央部用の吊り鉄骨ユニット15、16の地組み領域Rを最終設置位置の直下の1階床上に位置出し/芯出しして設定する。
【0032】
地組み領域Rを設定した段階で、揚重機30〜37を建物Tの上部構造の鉄骨トラス屋根構造T1の所定位置に取り付ける(揚重機取付工程)。
【0033】
このとき、外周部用の吊り鉄骨ユニット(10〜14、17〜21)を搬送設置する場合には、吊り鉄骨ユニット(10〜14、17〜21)の地組み領域Rの直上に2台/組の吊上げ用の揚重機30〜33を2組、計4台の吊上げ用の揚重機30〜33をバランスよく真っ直ぐに吊り鉄骨ユニット(10〜14、17〜21)を吊り上げられる位置に設置する。残りの2台/組の引込用の揚重機34〜37を2組、計4台の引込用の揚重機34〜37を吊り鉄骨ユニット(10〜14、17〜21)の最終設置位置に対応した鉄骨トラス屋根構造T1の所定位置に取り付ける。
【0034】
また、中央部用の吊り鉄骨ユニット15、16を搬送設置する場合には、4台の吊上げ用の揚重機をバランスよく真っ直ぐに吊り鉄骨ユニット15、16を吊り上げられ、鉄骨トラス屋根構造T1の最終設置位置に対応する位置に取り付ける。
【0035】
このように揚重機30〜37を設置するとともに吊り鉄骨ユニット10〜21を地組みする。この地組み作業では、地組み領域Rの所定の位置に鉄骨基台(スノコ鉄骨)23を敷設し、鉄骨基台230上に吊り鉄骨ユニット10〜21を組み上げてゆく。すなわち、外周部用の吊り鉄骨ユニット(10〜14、17〜21)は、最終設置位置の直下から離間した床上の地組み領域Rに、鉄骨基台23上に載置しつつ着脱可能に接続した状態で設けられる(吊り鉄骨ユニット搬送前設置工程)。また、中央部用の吊り鉄骨ユニット15、16は、最終設置位置の直下の床上の地組み領域Rに、鉄骨基台23上に載置しつつ着脱可能に接続した状態で設けられる。
【0036】
本実施形態の鉄骨基台23は、少なくとも、吊り鉄骨ユニット10〜21の下弦材及び上弦材に沿う材軸方向に延び、且つ所定の間隔をあけて平行に配置した一対の主鉄骨24、25を備えて構成されている。また、本実施形態では、鉄骨基台23の一対の主鉄骨24、25の他端部24b、25bを吊り鉄骨ユニット10〜21の他端部(下弦材の他端部)よりも僅かに下弦材の材軸方向の一方向外側に突出させ、鉄骨基台23の一対の主鉄骨24、25の一端部24a、25a側を吊り鉄骨ユニット10〜21の一端部(下弦材の一端部)よりも所定の長さで大きく下弦材の材軸方向の他方向外側に突出させるようにする。
【0037】
さらに、組み上げた吊り鉄骨ユニット10〜21は、例えば下弦材と主鉄骨24、25をボルト接続するなどし、着脱可能に鉄骨基台23に接続しておく。また、吊り鉄骨ユニット10〜21には、上弦材の所定位置に下端部を接続して複数の吊り部材1を取り付けておく。
【0038】
鉄骨基台23上に吊り鉄骨ユニット10〜21を形成した段階で、揚重機30〜37からチェーン(索状吊り材)30a〜37aを繰り出し、その先端を鉄骨基台23及び吊り鉄骨ユニット10〜21に接続する(揚重機吊り材接続工程)。
【0039】
そして、外周部用の吊り鉄骨ユニット(10〜14、17〜21)に対しては、4台の吊上げ用の揚重機30〜33のうち、2台の吊上げ用の揚重機31、32のチェーン30a、31aを鉄骨基台23の一対の主鉄骨24、25の一端24a、25a側にそれぞれ玉掛けして接続し、残りの2台の吊上げ用の揚重機32、33のチェーン32a、33aを鉄骨基台23の一対の主鉄骨24、25の他端24b、25b側に配された上弦材などの吊り鉄骨ユニット(10〜14、17〜21)の上端部の他端側にそれぞれ玉掛けして接続する。
【0040】
すなわち、外周部用の吊り鉄骨ユニット(10〜14、17〜21)を搬送設置する際には、複数の吊上げ用の揚重機30〜33のうち、1組(2台)の吊上げ用の揚重機30、31のチェーン30a、31aを鉄骨基台23の外側に大きく突出した一対の主鉄骨24、25の一端24a、25a側に接続し、もう1組(2台)の吊上げ用の揚重機32、33のチェーン32a、33aを、バランスよく吊り上げられる吊り鉄骨ユニット(10〜14、17〜21)の他端側の上端部に接続する。
【0041】
さらに、外周部用の吊り鉄骨ユニット(10〜14、17〜21)に対しては、1組(2台)の引込用の揚重機34、35のチェーン34a、35aを鉄骨基台23の一対の主鉄骨24、25の外側に大きく突出した一端24a、25a側に、残りの1組(2台)の引込用の揚重機36、37のチェーン36a、37aを鉄骨基台23の他端24b、25b側にそれぞれ玉掛けして接続する。
【0042】
このように各揚重機30〜37のチェーン30a〜37aを鉄骨基台23と吊り鉄骨ユニット(10〜14、17〜21)の上端部に接続した段階で、
図1及び
図5に示すように、2組(4台)の吊上げ用の揚重機30〜33のチェーン30a〜33aを巻き上げ、鉄骨基台23とともに外周部用の吊り鉄骨ユニット(10〜14、17〜21)を地組み領域Rから真っ直ぐ上方に吊り上げ搬送する。このとき、鉄骨基台23に接続した引込用の揚重機34〜37も連動させ、吊り鉄骨ユニット(10〜14、17〜21)が吊り上げ搬送されるとともに弛むチェーン34a〜37aを巻き取るようにする。
【0043】
より具体的に、外周部用の吊り鉄骨ユニット(10〜14、17〜21)の搬送設置時(吊り鉄骨ユニット設置工程)には、第一段階で、所定の最終設置位置の直下から離れた床上の地組み領域Rで形成した吊り鉄骨ユニット(10〜14、17〜21)を吊上げ用の揚重機30〜33によって障害物22に干渉することなく真っ直ぐ上方に吊り上げ、所定の高さ位置まで搬送する。
【0044】
次に、
図1、
図6及び
図7に示すように、第二段階で、吊上げ用の揚重機30〜33からチェーン30a〜33aを繰り出しつつ、4台の引込用の揚重機34〜37を駆動してチェーン34a〜37aの巻き取り、外周部用の吊り鉄骨ユニット(10〜14、17〜21)をその最終設置位置の直下に引き込んでゆく。そして、4台の引込用の揚重機34〜37のチェーン34a〜37aが上下方向に真っ直ぐ延設される位置まで吊り鉄骨ユニット(10〜14、17〜21)を引き込むと、自動的に所定の最終設置位置の直下に吊り鉄骨ユニット(10〜14、17〜21)が配設される。すなわち、本実施形態では、引込用の揚重機34〜37のチェーン34a〜37aが壁部T2に沿って真っ直ぐ上下方向に延設された状態で、吊り下げ支持された吊り鉄骨ユニット(10〜14、17〜21)の他端が建物Tの壁部T2に対して所定の間隔をあけた位置に配設される。
【0045】
本実施形態の吊り天井用の吊り鉄骨フレームAの施工方法では、1組の吊上げ用の揚重機30、31のチェーン30a、31aを鉄骨基台23の一端24a、25a側(すなわち、吊り鉄骨ユニット(10〜14、17〜21)の下方)に接続し、他の1組の吊上げ用の揚重機32、33のチェーン32a、33aを吊り鉄骨ユニット(10〜14、17〜21)の上端部に接続し、さらに、引込用の揚重機34〜37のチェーン34a〜37aを鉄骨基台23の一端24a、25a側と他端24b、25b側にそれぞれ接続している。また、鉄骨基台23の一端部24a、25a側を吊り鉄骨ユニット(10〜14、17〜21)の一端部側よりも下弦材の材軸方向外側に大きく延出させておき、この大きく延出した主鉄骨24、25の一端24a、25a側に1組の引込用の揚重機34、35のチェーン34a、35aを接続している。
【0046】
これにより、第一段階で吊り鉄骨ユニット(10〜14、17〜21)を直上に吊り上げ搬送する際に、大きく延出した主鉄骨24、25の一端24a、25a側に接続した引込用の揚重機34、35のチェーン34a、35aが吊り鉄骨ユニット(10〜14、17〜21)に干渉することがない。また、第二段階の横方向移動時に、揚重機30〜37のチェーン30a〜37aが鉄骨基台23や吊り鉄骨ユニット(10〜14、17〜21)に干渉することがない。よって、吊り鉄骨ユニット(10〜14、17〜21)の搬送作業中に揚重機30〜37の付け替えや、チェーン30a〜37aの玉掛けの付け替えを全く行うことなく、吊り鉄骨ユニット(10〜14、17〜21)を所定の最終設置位置の直下まで搬送移動することが可能になる。
【0047】
次に、第三段階で、チェーン34a〜37aが真っ直ぐ上下方向に延びた状態で最終設置位置の直下に吊り鉄骨ユニット(10〜14、17〜21)を吊り下げ支持した引込用の揚重機34〜37を駆動してチェーン34a〜37aを巻き上げ、吊り鉄骨ユニット(10〜14、17〜21)を所定の高さの最終設置位置まで搬送する。また、これに連動して吊上げ用の揚重機30〜33のチェーン30a〜33aを弛みを生じさせないように巻き上げる。そして、最終設置位置に到達した段階で、吊り鉄骨ユニット(10〜14、17〜21)の上端部に取り付けられた吊り部材1の他端を建物Tの上部構造の鉄骨トラス屋根構造T1の所定位置に接続する。
【0048】
また、このように所定の高さの最終設置位置に配置する際に、1組の吊上げ用の揚重機32、33のチェーン32a、33aが吊り鉄骨ユニット(10〜14、17〜21)の上端部に接続されているため、また、1組の引込用の揚重機34、35が突出した鉄骨基台23の一端24a、25a側に接続されているため、これら揚重機32〜35のチェーン32a〜35aが吊り鉄骨ユニット(10〜14、17〜21)に干渉しない。これにより、好適に吊り鉄骨ユニット(10〜14、17〜21)の設置が行える。
【0049】
次に、鉄骨基台23を吊り鉄骨ユニット(10〜14、17〜21)から取り外すとともに各揚重機30〜37を駆動して鉄骨基台23を床に降ろし、チェーン30a〜37aを取り外す。また、各揚重機30〜37を建物Tの上部構造の鉄骨トラス屋根構造T1から撤去することによって、吊り鉄骨ユニット10〜21の設置作業が完了する。
【0050】
そして、本実施形態の吊り天井用の吊り鉄骨フレームAの施工方法において、外周部用の吊り鉄骨ユニット(10〜14、17〜21)を設置する際には、コーナー部用の吊り鉄骨ユニット10、13、18、21を各コーナー部に先行して設置し、その後、一対のコーナー部の間の中間部用の吊り鉄骨ユニット11、12、14、17、19、20をそれぞれ設置する。また、隣り合う吊り鉄骨ユニット10〜21の上弦材や下弦材同士を連結する。
【0051】
ここで、コーナー部用の吊り鉄骨ユニット10、13、18、21は、地組み領域Rから真っ直ぐ上方に吊り上げ搬送した後、引込用の揚重機34〜37によってコーナー部に対して対角線方向(コーナー部を形成する一対の壁部T2にそれぞれ交差する斜め方向)に横移動させてコーナー部の所定の設置位置に設置する。
【0052】
一方、中間部用の吊り鉄骨ユニット11、12、14、17、19、20は、地組み領域Rから真っ直ぐ上方に吊り上げ搬送した後、引込用の揚重機34〜37によって壁部T2に対向する方向(壁部T2に直交する方向)に横移動させつつ壁部T2に近づけてゆき、所定の位置に設置する。
【0053】
すなわち、本実施形態では、建物Tの隣り合う壁部T2が繋がる一方のコーナー部から他方のコーナー部までの直線状の一壁部T2に少なくとも3つ以上の外周部用の吊り鉄骨ユニット(10〜14、17〜21)を並設しつつ連結して吊り鉄骨フレームAを構築する。
【0054】
これにより、本実施形態の吊り天井用の吊り鉄骨フレームAの施工方法を用い、容易に且つ確実で、効率的に、上記のようにコーナー部用の吊り鉄骨ユニット10、13、18、21を設置した後、中間部用の吊り鉄骨ユニット11、12、14、17、19、20を設置、連結して、外周部用の複数の吊り鉄骨ユニット(10〜14、17〜21)を所定の最終設置位置に一体に配設することができる。
【0055】
言い換えれば、建物Tの隣り合う壁部T2が繋がる一方のコーナー部から他方のコーナー部までの直線状の一壁部T2に沿う外周部用の吊り鉄骨ユニット(10〜14、17〜21)を、3つ以上でなく、2つのコーナー部用の吊り鉄骨ユニットを並設して構成した場合、一方のコーナー部の吊り鉄骨ユニットを対角線方向に横移動して所定位置に設置した後、他方のコーナー部の吊り鉄骨ユニットを同様に対角線方向に横移動して設置しようとしたとき、先行して設置した一方のコーナー部用の吊り鉄骨ユニットに干渉してしまう。このため、他方のコーナー部用の吊り鉄骨ユニットを設置するために、特殊な取り回し、揚重機30〜37の付け替え、チェーン30a〜37aの付け替え等、煩雑な作業をせざるを得なくなる。
【0056】
このため、本実施形態のように、建物Tの隣り合う壁部T2が繋がる一方のコーナー部から他方のコーナー部の直線状の一壁部T2に少なくとも3つ以上の外周部用の吊り鉄骨ユニット(10〜14、17〜21)を並設しつつ連結して吊り鉄骨フレームAを構築することにより、本実施形態の吊り天井用の吊り鉄骨フレームAの施工方法を有効適切に機能させることができ、効率的且つ効果的に(好適に)吊り鉄骨フレームAを構築することが可能になる。
【0057】
上記のように外周部用の吊り鉄骨ユニット10〜21を所定位置に設置し連結した段階で、中央部用の吊り鉄骨ユニット15、16を設置する。このとき、中央部用の吊り鉄骨ユニット15、16は、その所定の最終設置位置の直下に障害物22がなく、直下に地組み領域Rを設定し、4つの吊上げ用の揚重機によって真っ直ぐ吊り上げることで所定の高さの最終設置位置に配設される。
【0058】
このため、中央部用の吊り鉄骨ユニット15、16においては、特に横移動を必要とせず、所定の高さ位置に吊り上げた後、吊り部材1を建物Tの上部構造の鉄骨トラス屋根構造T1に接続して吊り下げ支持させ、さらに隣り合う吊り鉄骨ユニット10〜21に連結することによって、その設置作業が完了する。
【0059】
これにより、外周部用の吊り鉄骨ユニット(10〜14、17〜21)と中央部用の吊り鉄骨ユニット15、16が設置され、隣り合う吊り鉄骨ユニット10〜21同士が連結されて、吊り鉄骨フレームAが完成する。
【0060】
また、このように構築した吊り鉄骨フレームAに、直接天井パネルや空調設備、照明設備などを取り付けて吊り天井を構築したり、吊り鉄骨フレームAに吊りボルトを介して野縁、野縁受け等の天井下地を吊り下げ支持し、天井下地に天井パネル等を取り付けて吊り天井を構築することによって、吊り天井の施工が完了する。
【0061】
したがって、本実施形態の吊り天井用の吊り鉄骨フレームAの施工方法においては、吊り鉄骨ユニット10〜21の最終設置位置の直下から離れた床上の地組み領域(搬送前仮置き領域)Rに、鉄骨基台23に上載した形で設けられた吊り鉄骨ユニット10〜21を吊上げ搬送して設置するにあたり、建物Tの上部構造T1に支持させて、地組み領域Rの直上に少なくとも4台の吊上げ用の揚重機30〜33を設置し、且つ少なくとも4台の引込用の揚重機34〜37を吊り鉄骨ユニット10〜21の最終設置位置に対応した所定位置に設置する。
【0062】
そして、第一段階で、吊上げ用の揚重機30〜33を駆動してチェーン30a〜33aを巻き取ることによって、地組み領域Rの吊り鉄骨ユニット10〜21を鉄骨基台23とともに真っ直ぐ上方に吊り上げ、第二段階で、4台の引込用の揚重機34〜37を駆動してチェーン34a〜37aの巻き取ることによって、吊り鉄骨ユニット10〜21を引き込んでその最終設置位置の直下に配設し、第三段階で、4台の引込用の揚重機34〜37を駆動してチェーン34a〜37aを巻き上げ、吊り鉄骨ユニット10〜21を所定の高さの最終設置位置まで搬送することができる。
【0063】
また、このとき、2台/組の吊上げ用の揚重機30、31のチェーン30a、31aを鉄骨基台23の一端24a、25a側に接続し、残りの2台/組の吊上げ用の揚重機32、33のチェーン32a、33aを吊り鉄骨ユニット10〜21の上端部の他端側に接続し、2台/組の引込用の揚重機34、35のチェーン34a、35aを鉄骨基台23の一端24a、25a側に、残りの2台/組の引込用の揚重機36、37のチェーン36a、37aを鉄骨基台23の他端24b、25bにそれぞれ接続することによって、上記の第一段階、第二段階、第三段階で各揚重機30〜37のチェーン30a〜37aや揚重機30〜37自体が吊り鉄骨ユニット10〜21に干渉することなく、且つ、揚重機30〜37の付け替えやチェーン30a〜37aの接続位置の付け替えなどの煩雑な作業を行うことなく、吊り鉄骨ユニット10〜21を所定位置に設置することができる。
【0064】
これにより、本実施形態の吊り天井用の吊り鉄骨フレームAの施工方法においては、障害物22があったり、作業環境などによって吊り鉄骨ユニット10〜21の最終設置位置の直下に地組み領域Rを設けることができない場合であっても、吊り鉄骨ユニット10〜21を効率的に所定の設置位置に搬送設置することができ、複数の吊り鉄骨ユニット10〜21を順次所定位置に搬送設置するとともに連結し、好適に吊り天井用の吊り鉄骨フレームAを構築することが可能になる。
【0065】
さらに、本実施形態の吊り天井用の吊り鉄骨フレームAの施工方法においては、数十mにも及ぶ高さに吊り鉄骨フレームAを構築する場合であっても、吊り鉄骨ユニット10〜21の組立が1階床で行えるため、地組みに油圧クレーン等を使用でき、大幅に組立効率を向上させることが可能になる。また、材料供給が1階床上で済むため、ハンドリングが容易になる。
【0066】
さらに、作業の大部分が1階床上で行え、高所作業が非常に少なくて済むため、この点からも作業効率を大幅に高めることができる。また、作業の安全性も大幅に増大する。さらに、数十mにも及ぶ高さに吊り鉄骨フレームAを構築する場合であっても吊り鉄骨ユニット用の組立作業ステージ(組立作業用の足場)が不要であり、且つ壁仕上げ用足場の組立・解体も最低限度にすることができる。また、大型重機を使用する必要がなく、仮設コストも最小限に抑えることが可能になる。
【0067】
よって、本実施形態の吊り天井用の吊り鉄骨フレームAの施工方法によれば、大型クレーンを使用できないなど多くの制約があり、また、数十mにも及ぶ高さに吊り鉄骨フレームA(吊り天井)を構築する場合であっても、効率的に吊り鉄骨フレームAの施工を行うことができ、大幅な工期の短縮、施工の低コスト化を図ることが可能になる。
【0068】
以上、本発明に係る吊り天井用の吊り鉄骨フレームの施工方法の一実施形態について説明したが、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0069】
例えば、地組み領域Rの設定、揚重機30〜37の設置は各吊り鉄骨ユニット10〜21の設置作業毎に行っても、複数同時に行ってもよい。また、複数の吊り鉄骨ユニット10〜21を同時作業で組み立て、搬送設置するようにしてもよい。
【0070】
さらに、本実施形態では、外周部用の吊り鉄骨ユニット(10〜14、17〜21)を所定の最終設置位置の直下から離れた地組み領域Rで形成し、横移動を伴う搬送作業によって所定位置に設置するものとして説明を行った。
これに対し、地組み領域Rの設定に大きな制限があり、中央部用の吊り鉄骨ユニット15、16が最終設置位置の直下で地組みできないケースも当然に考えられる。この場合においても、本実施形態の記載と同様、中央部用の吊り鉄骨ユニット15、16を、最終設置位置の直下から離れた地組み領域Rから真っ直ぐ上方に吊り上げ、引込用の揚重機34〜37で所定の最終設置位置の直下に引き込み、所定の高さの最終所定位置に吊り上げて設置すればよい。
【0071】
すなわち、本発明に係る吊り天井用の吊り鉄骨フレームAの施工方法は、外周部用の吊り鉄骨ユニット(10〜14、17〜21)への適用に限定する必要はなく、吊り鉄骨ユニット10〜21を所定の最終設置位置の直下から吊り上げるだけでは設置できないあらゆるケースに適用可能である。
【0072】
また、本実施形態では、吊り鉄骨ユニット10〜21を床上に設定した地組み領域Rで地組みし、現場で地組みした吊り鉄骨ユニット10〜21を吊り上げ搬送して設置するものとしたが、他の領域で形成した吊り鉄骨ユニット10〜21を現場の床上に設定した搬送前仮置き領域Rに搬送設置し、本実施形態の第一段階、第二段階、第三段階を経て所定の最終設置位置に設置するようにしてもよい。すなわち、本発明に係る吊り天井用の吊り鉄骨フレームAの施工方法においては、必ずしも吊り天井を構築する直下の床面上で吊り鉄骨ユニット10〜21を地組みしなくてもよい。
【0073】
さらに、本実施形態では、横移動を伴う吊り鉄骨ユニット10〜21の所定位置への設置作業を行うために、吊上げ用の揚重機30〜33を4台、引込用の揚重機34〜37を4台用いるものとしたが、必ずしも揚重機の数を本実施形態のように限定しなくてもよい。