特許第6646226号(P6646226)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ キヤノンマーケティングジャパン株式会社の特許一覧 ▶ キヤノンITソリューションズ株式会社の特許一覧

特許6646226情報処理装置、情報処理方法、プログラム
<>
  • 特許6646226-情報処理装置、情報処理方法、プログラム 図000002
  • 特許6646226-情報処理装置、情報処理方法、プログラム 図000003
  • 特許6646226-情報処理装置、情報処理方法、プログラム 図000004
  • 特許6646226-情報処理装置、情報処理方法、プログラム 図000005
  • 特許6646226-情報処理装置、情報処理方法、プログラム 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6646226
(24)【登録日】2020年1月15日
(45)【発行日】2020年2月14日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 1/00 20060101AFI20200203BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20200203BHJP
   G06F 21/32 20130101ALI20200203BHJP
【FI】
   G06T1/00 340A
   G06T7/00 510B
   G06F21/32
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-231507(P2016-231507)
(22)【出願日】2016年11月29日
(65)【公開番号】特開2018-88153(P2018-88153A)
(43)【公開日】2018年6月7日
【審査請求日】2017年10月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】390002761
【氏名又は名称】キヤノンマーケティングジャパン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】592135203
【氏名又は名称】キヤノンITソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100189751
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 友輔
(72)【発明者】
【氏名】深谷 大樹
【審査官】 ▲広▼島 明芳
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−004677(JP,A)
【文献】 特開2015−122062(JP,A)
【文献】 特開2009−156948(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 1/00 − 7/90
G06F 21/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影された画像から顔を検出する顔検出手段と、
前記顔検出手段により検出された顔のうち、最も大きな顔を特定する特定手段と、
前記顔検出手段により検出された顔のうち、前記特定手段により特定された顔以外の顔について、前記特定手段により特定された顔の大きさとの比率が所定の値を満たすか否かを判定する大きさ判定手段と、
前記大きさ判定手段により所定の値を満たすと判定された顔と、前記特定手段により特定された顔とに基づき、端末前方状態を判定する状態判定手段と、
を備え、
前記状態判定手段は、前記顔検出手段により検出された顔のうち、前記大きさ判定手段により所定の値を満たすと判定された顔がある場合には、前記端末前方状態を覗き込み状態として判定することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
撮影された画像から顔を検出する顔検出手段と、
前記顔検出手段により検出された顔のうち、予め登録されたユーザの顔を特定する特定手段と、
前記顔検出手段により検出された顔のうち、前記特定手段により特定された顔以外の顔について、前記特定手段により特定された顔の大きさとの比率が所定の値を満たすか否かを判定する大きさ判定手段と、
前記大きさ判定手段により所定の値を満たすと判定された顔と、前記特定手段により特定された顔とに基づき、端末前方状態を判定する状態判定手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
前記状態判定手段は、前記顔検出手段により検出された顔のうち、前記大きさ判定手段により所定の値を満たすと判定された顔がある場合には、前記端末前方状態を覗き込み状態として判定することを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記状態判定手段は、前記顔検出手段により顔の検出がされていない場合は、前記端末前方状態を離席状態として判定することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
情報処理装置における情報処理方法であって、
前記情報処理装置の顔検出手段が、撮影された画像から顔を検出する顔検出工程と、
前記情報処理装置の特定手段が、前記顔検出工程により検出された顔のうち、最も大きな顔を特定する特定工程と、
前記情報処理装置の大きさ判定手段が、前記顔検出工程により検出された顔のうち、前記特定工程により特定された顔以外の顔について、前記特定工程により特定された顔の大きさとの比率が所定の値を満たすか否かを判定する大きさ判定工程と、
前記情報処理装置の状態判定手段が、前記大きさ判定工程により所定の値を満たすと判定された顔と、前記特定工程により特定された顔とに基づき、端末前方状態を判定する状態判定工程と、
を備え、
前記状態判定工程は、前記顔検出工程により検出された顔のうち、前記大きさ判定工程により所定の値を満たすと判定された顔がある場合には、前記端末前方状態を覗き込み状態として判定することを特徴とする情報処理方法。
【請求項6】
情報処理装置における情報処理方法であって、
前記情報処理装置の顔検出手段が、撮影された画像から顔を検出する顔検出工程と、
前記情報処理装置の特定手段が、前記顔検出工程により検出された顔のうち、予め登録されたユーザの顔を特定する特定工程と、
前記情報処理装置の大きさ判定手段が、前記顔検出工程により検出された顔のうち、前記特定工程により特定された顔以外の顔について、前記特定工程により特定された顔の大きさとの比率が所定の値を満たすか否かを判定する大きさ判定工程と、
前記情報処理装置の状態判定手段が、前記大きさ判定工程により所定の値を満たすと判定された顔と、前記特定工程により特定された顔とに基づき、端末前方状態を判定する状態判定工程と、
を備えることを特徴とする情報処理方法。
【請求項7】
情報処理装置を、
撮影された画像から顔を検出する顔検出手段と、
前記顔検出手段により検出された顔のうち、最も大きな顔を特定する特定手段と、
前記顔検出手段により検出された顔のうち、前記特定手段により特定された顔以外の顔について、前記特定手段により特定された顔の大きさとの比率が所定の値を満たすか否かを判定する大きさ判定手段と、
前記大きさ判定手段により所定の値を満たすと判定された顔と、前記特定手段により特定された顔とに基づき、端末前方状態を判定する状態判定手段として機能させ、
前記状態判定手段を、前記顔検出手段により検出された顔のうち、前記大きさ判定手段により所定の値を満たすと判定された顔がある場合には、前記端末前方状態を覗き込み状態として判定する手段として機能させるためのプログラム。
【請求項8】
情報処理装置を、
撮影された画像から顔を検出する顔検出手段と、
前記顔検出手段により検出された顔のうち、予め登録されたユーザの顔を特定する特定手段と、
前記顔検出手段により検出された顔のうち、前記特定手段により特定された顔以外の顔について、前記特定手段により特定された顔の大きさとの比率が所定の値を満たすか否かを判定する大きさ判定手段と、
前記大きさ判定手段により所定の値を満たすと判定された顔と、前記特定手段により特定された顔とに基づき、端末前方状態を判定する状態判定手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各企業でテレワークへの関心が高まっている。テレワークには機密情報への第三者のアクセス防止や労働管理の適正化などの課題があり、導入するためにはそれらの課題を解決しなければならない。
【0003】
現在、それらの課題を解決するため、顔認証技術を利用したテレワーク管理支援システムが開発されている。このシステムを用いることで、カメラ画像から本人認証を行い、なりすましや第三者による覗き見の状態を検出し、管理者に通知することができる。
【0004】
このような顔認証技術を利用したテレワーク管理支援システムにおいては、顔検出・認識の精度が高くなければテレワーカの労務状況を誤判断してしまうことになる。そのため、顔検出・認識精度の向上が望まれている。
【0005】
特許文献1には、輪郭周辺領域を探索することで人体領域を判定し、顔検出精度を向上させる仕組みが記載されている。
【0006】
特許文献2には、照明条件(光源、測光)により肌の色合いに差が生じる問題に対し、その時の彩度に合った適切な肌色色相テーブルを参照することで、顔検出率を向上させる仕組みが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−9576号公報
【特許文献2】特開2007−264860号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献に記載の技術によれば、顔検出の精度を向上させることが期待できる。
【0009】
しかし、顔を誤検出・誤認識してしまうケースとしては、背景の凹凸や模様を顔として誤検出・誤認識してしまったり、衣服の模様やひだを顔として誤検出・誤認識してしまうというケースがある。
【0010】
また、テレワーカのから離れたところにいる人物の顔を検出することで、覗き込みと判定してしまうケースもある。
【0011】
そこで、本発明は、背景などを顔として誤検出・誤認識してしまうことを低減させ、適切な労務状況を判定することが可能な仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の情報処理装置は、撮影された画像から顔を検出する顔検出手段と、前記顔検出手段により検出した顔の大きさが所定の値を満たすか否かを判定する大きさ判定手段と、前記大きさ判定手段により所定の値を満たすと判定された顔に基づき、端末前方状態を判定する状態判定手段と、を備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の情報処理方法は、情報処理装置における情報処理方法であって、前記情報処理装置の顔検出手段が、撮影された画像から顔を検出する顔検出工程と、前記情報処理装置の大きさ判定手段が、前記顔検出工程により検出した顔の大きさが所定の値を満たすか否かを判定する大きさ判定工程と、前記情報処理装置の状態判定手段が、前記大きさ判定工程により所定の値を満たすと判定された顔に基づき、端末前方状態を判定する状態判定工程と、を備えることを特徴とする。
【0014】
また、本発明のプログラムは、情報処理装置において実行可能なプログラムであって、前記情報処理装置を、撮影された画像から顔を検出する顔検出手段と、前記顔検出手段により検出した顔の大きさが所定の値を満たすか否かを判定する大きさ判定手段と、前記判定手段により所定の値を満たすと判定された顔に基づき、端末前方状態を判定する状態判定手段として機能させるためのプログラム。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、背景などを顔として誤検出・誤認識してしまうことを低減させ、適切な労務状況を判定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態における、テレワーク管理システムのシステム構成の一例を示す図である。
図2】本発明の実施形態における、管理サーバ101、テレワーカ用PC111、管理者用PC121に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3】本実施例における顔検出処理を示すフローチャート
図4】本実施例における顔検出処理を示すフローチャート
図5】検出対象の顔のイメージを示す図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明のテレワーク管理システムのシステム構成の一例を示す図である。
【0019】
テレワーク管理システム100は、1または複数の管理サーバ101、1または複数のテレワーカ用PC111、1または複数の管理者用PC121がインターネット130を介して接続される構成となっている。
【0020】
管理サーバ101は、テレワーカの在席・離席状況に関する情報や第三者による覗き込み、成りすまし等の情報(テレワーク情報)を一元管理するサーバであり、サービス環境ネットワーク104上に構築されている。
【0021】
管理サーバ101へは、テレワーカ用PC111と管理者用PC121が、アカウントIDとパスワードを用いた認証処理により接続し、管理サーバ101は、テレワーカ用PC111からテレワーク情報を受信した場合は、管理サーバ101のデータベースに格納する。また、管理者用PC121からテレワーク情報の取得要求があった場合は、管理サーバ101のデータベースから必要なテレワーク情報を取り出す。
【0022】
テレワーカ用PC111は、テレワーカから勤務中か勤務外かの申請(申告)を受け付け、また接続された撮像装置により撮影された映像(画像)から端末前方状態(テレワーカが在席・離席しているのか、覗き込みやなりすましが発生しているか)を検知する端末である。自宅ネットワーク110上に存在し、端末前方状態は、ルータ112、インターネット130、及びルータ103を介して管理サーバ101へ送信される。
【0023】
管理者用PC121は、テレワーク情報を確認するための端末であり、社内ネットワーク120上に存在し、テレワーク情報の確認には、ウェブ管理コンソール(ウェブブラウザ上で動作)を使用し、ルータ122、インターネット130、及びルータ103を介して管理サーバ101に接続する。
【0024】
なお、本実施例においては、テレワーカ用PC111が端末前方状態を検知し、管理サーバ101へ情報を送信する構成として説明するが、テレワーカ用PC111から映像(画像)のみを管理サーバ101に送信し、管理サーバ101において当該映像(画像)から端末前方状態を検知するよう構成しても良い。
【0025】
図2は、本発明の実施形態における管理サーバ101、テレワーカ用PC111、管理者用PC121に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。各装置ともに、同様な構成を備えるため、同一の符号を用いて説明する。
【0026】
図2に示すように、情報処理装置は、システムバス200を介してCPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、記憶装置204、入力コントローラ205、音声入力コントローラ206、ビデオコントローラ207、メモリコントローラ208、よび通信I/Fコントローラ209が接続される。
【0027】
CPU201は、システムバス200に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
【0028】
ROM202あるいは記憶装置204は、CPU201が実行する制御プログラムであるBIOS(Basic Input/Output System)やOS(Operating System)や、本情報処理方法を実現するためのコンピュータ読み取り実行可能なプログラムおよび必要な各種データ(データテーブルを含む)を保持している。
【0029】
RAM203は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM202あるいは記憶装置204からRAM203にロードし、ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現する。
【0030】
入力コントローラ205は、入力装置210からの入力を制御する。入力装置210としては、キーボード、タッチパネル、マウス等のポインティングデバイス等が挙げられる。
【0031】
なお、入力装置210がタッチパネルの場合、ユーザがタッチパネルに表示されたアイコンやカーソルやボタンに合わせて押下(指等でタッチ)することにより、各種の指示を行うことができることとする。
【0032】
また、タッチパネルは、マルチタッチスクリーンなどの、複数の指でタッチされた位置を検出することが可能なタッチパネルであってもよい。
【0033】
音声入力コントローラ206は、マイク/スピーカ211がマイク機能として動作する場合、マイク/スピーカ211からの音声入力を制御し、マイク/スピーカ211から入力された音声を認識することが可能となっている。また、音声入力コントローラ206は、マイク/スピーカ211がスピーカ機能として動作する場合、マイク/スピーカ211への音声出力を制御し、マイク/スピーカ211に対し音声を出力することが可能となっている。
【0034】
ビデオコントローラ207は、ディスプレイ212などの外部出力装置への表示を制御する。ディスプレイは本体と一体になったノート型パソコンのディスプレイも含まれるものとする。なお、外部出力装置はディスプレイに限ったものははく、例えばプロジェクタであってもよい。また、前述のタッチ操作により受け付け可能な装置については、入力装置210を提供する。
【0035】
なおビデオコントローラ207は、表示制御を行うためのビデオメモリ(VRAM)を制御することが可能で、ビデオメモリ領域としてRAM203の一部を利用することもできるし、別途専用のビデオメモリを設けることも可能である。
【0036】
本発明では、ユーザが情報処理装置を通常使用する場合の表示に用いられる第1のビデオメモリ領域と、所定の画面が表示される場合に、第1のビデオメモリ領域の表示内容に重ねての表示に用いられる第2のビデオメモリ領域を有している。ビデオメモリ領域は2つに限ったものではなく、情報処理装置の資源が許す限り複数有することが可能なものとする。
【0037】
メモリコントローラ208は、外部メモリ213へのアクセスを制御する。外部メモリとしては、ブートプログラム、各種アプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、および各種データ等を記憶する外部記憶装置(ハードディスク)、フレキシブルディスク(FD)、或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等を利用可能である。
【0038】
通信I/Fコントローラ209は、ネットワーク214を介して外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いた通信やISDNなどの電話回線、および携帯電話の3G回線を用いた通信が可能である。
【0039】
なお、記憶装置204は情報を永続的に記憶するための媒体であって、その形態をハードディスク等の記憶装置に限定するものではない。例えば、SSD(Solid State Drive)などの媒体であってもよい。
【0040】
また本実施形態における通信端末で行われる各種処理時の一時的なメモリエリアとしても利用可能である。
【0041】
尚、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、ディスプレイ212上での表示を可能としている。また、CPU201は、ディスプレイ212上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0042】
次に、図3図4のフローチャートを用いて、本実施形態におけるテレワーク管理システムが実行する処理について説明する。
【0043】
図3図4のフローチャートは、テレワーカ用PC111のCPU201が所定の制御プログラムを読み出して実行する処理である。
【0044】
ステップS301では、テレワーカ用PC111のCPU201は、設定ファイルから各種パラメータを読み込む。パラメータには、例えば、カメラの画像サイズ、顔認証の類似度の閾値、処理サイクル、端末前方状態の判定に用いる顔のサイズなどがある。
【0045】
カメラ画像サイズのパラメータは、カメラから取得する画像の大きさの定義に使用する値であり、ピクセル値などにより指定するものとする。
【0046】
顔認証の類似度の閾値は、テレワーカ本人かどうかの判断に使用する値である。
【0047】
処理サイクルのパラメータは、テレワーカ用PC111での勤務状態(端末前方状態)検出の処理周期の定義にしようする値であり、ミリ秒などの単位を用いて指定するものとする。
【0048】
読み込んだ各パラメータは、RAM203に記憶させておき、必要なときに参照する。
【0049】
端末前方状態の判定に用いる顔のサイズは、後述するステップS403において用いる値である。ピクセル数や上記カメラ画像の大きさに対する割合などにより指定するものとする。
【0050】
また、後述するステップS304において検出された顔のうち、大きさが最大の顔に対する比率により指定してもよい。この場合は、本ステップにおいて最大の顔に対する比率をパラメータとして読み込み、ステップS304の顔判定処理において、最も大きな顔を特定し、当該顔のサイズを取得する処理が追加実行されることとなる。
【0051】
また、端末前方状態が「在席」であるときに検出されている顔のサイズの平均値に対する比率により指定してもよい。
【0052】
当該値を満たす顔(当該サイズより大きな顔)の個数を判定することで、覗き見や離席などの端末前方状態を判定する。
【0053】
ステップS302では、テレワーカ用PC111のCPU201は、ステップS315で証跡情報を送信できるよう、管理サーバとの通信接続を確立する。通信接続の確立には、あらかじめ管理サーバに登録しているテレワーカのシステムログイン用のアカウントIDとログインパスワードを使用する。
【0054】
ステップS303では、テレワーカ用PC111のCPU201は、接続されたカメラにより撮影された画像を取得する。取得した画像はRAM203に記憶しておく。
【0055】
ステップS304では、テレワーカ用PC111のCPU201は、ステップS303で取得した画像から顔を検出する。顔の検出には公知技術を用いるものとする。検出結果はRAM203に記憶しておく。
【0056】
ステップS305では、テレワーカ用PC111のCPU201は、ステップS304において検出された顔に対して、大きさの判定処理を行う。本処理の詳細については、図4のフローチャートを用いて後述する。
【0057】
ステップS306では、テレワーカ用PC111のCPU201は、ステップS305の大きさ判定処理にて誤検出・不適切な顔を取り除いた後の、顔検出個数を判定する。
【0058】
顔の検出数が0個(未検出)の場合、処理をステップS307に移行し、端末前方状態(テレワーカの勤務状態)を「離席」として判定し設定する。
【0059】
検出数が2個以上の場合、処理をステップS308に移行し、端末前方状態(テレワーカの勤務状態)を「覗き見」(覗き込み)として判定し設定する。
【0060】
検出数が1個の場合、処理をステップS309に移行し、テレワーカ本人の顔であるか否かを確認するための顔認証処理をおこなう。
【0061】
ステップS309では、テレワーカ用PC111のCPU201は、カメラにより撮影された画像から検出された顔と、予め登録されたテレワーカ本人の顔画像との類似度を算出する。
【0062】
ステップS310では、テレワーカ用PC111のCPU201は、ステップS309で算出した類似度と、ステップS301で読み込んだ類似度の閾値とを比較し、画像から検出された顔がテレワーカ本人の顔であるかを判定する。
【0063】
具体的には、算出された類似度が閾値を満たす場合は本人と判定し、閾値を満たさない場合は、他人と判定する。
【0064】
本人と判定された場合(ステップS310:YES)は、処理をステップS311に移行し、端末前方状態(テレワーカの勤務状態)を「在席」に設定する。
【0065】
他人と判定された場合(ステップS310:NO)は、処理をステップS312に移行し、端末前方状態(テレワーカの勤務状態)を「なりすまし」に設定する。
【0066】
ステップS313では、テレワーカ用PC111のCPU201は、端末前方状態(テレワーカの勤務状態)を判定し、「覗き見」または「なりすまし」の場合は、処理をステップS314に移行する。
【0067】
「在席」または「離席」の場合は、処理をステップS315に移行する。
【0068】
ステップS314では、テレワーカ用PC111のCPU201は、ディスプレイに表示されている画面をスクリーン画面として取得する。
【0069】
ステップS315では、テレワーカ用PC111のCPU201は、ステップS303で取得したカメラ画像と、ステップS314で取得したスクリーン画像とを、管理サーバ101に証跡情報として送信する。
【0070】
ステップS316では、テレワーカ用PC111のCPU201は、CPU負荷調整のためにスリープ処理をおこなう。スリープする時間は、S301で読み込んだ処理サイクルのパラメータを使用する。
【0071】
ステップS317では、テレワーカ用PC111のCPU201は、本実施形態の処理を終了する指示がなされたかを判断する。例えば、メニュー等からテレワーカ本人により明示的に終了命令があったかを判断する。処理を終了する場合は、本フローチャートの処理を終了し、処理を終了させない場合は、再びステップS303の処理に戻る。
【0072】
次に、図4のフローチャートを用いて、ステップS305の処理の詳細を説明する。
【0073】
ステップS401では、テレワーカ用PC111のCPU201は、ステップS304で検出した顔のうち、顔のサイズ判定処理を実行していない顔があるかを判定する。
【0074】
未処理の顔がある場合(ステップS401:YES)は、処理をステップS402に移行する。
【0075】
未処理の顔がない場合、すなわちステップS304で検出した全ての顔に対してサイズ判定処理を実施済みの場合(ステップS401:NO)は、本フローチャートの処理を終了する。
【0076】
ステップS402では、テレワーカ用PC111のCPU201は、処理対象の顔の顔領域情報を取得する。顔領域情報は処理対象の顔が収まる矩形に関する情報であり、矩形の左上角のXYのピクセル座標、右下角のXYのピクセル座標、矩形の回転角で表現されるものとする。そして、取得した顔領域情報から顔のサイズ(本実施例においては顔領域情報により示される矩形の面積とする)を取得する。
【0077】
顔領域情報のイメージ例を図5に示す。図5において実線や破線で示すとおり、テレワーカの顔が収まる矩形(501など)が形成されている。この矩形で示す領域が顔領域である。この矩形の左上の頂点を(X1,Y1)、右下の頂点を(X2,Y2)といったピクセル座標で示し、その領域のピクセル数を面積とする。
【0078】
ステップS403では、テレワーカ用PC111のCPU201は、ステップS402で取得したサイズが、予め定められたサイズ(カメラ画像に対する割合や、絶対的なピクセル数)などを満たすか否かを判定する。
【0079】
予め定められたサイズを満たさない場合(ステップS403:YES)は、処理をステップS404に移行する。
【0080】
予め定められたサイズを満たす場合(ステップS403:NO)は、処理をステップS401に戻し、未処理の顔に対する処理を継続する。すなわち、予め定められたサイズを満たす顔については、ステップS306の顔の個数判定処理の対象とする(端末前方状態の判定に用いる顔とする)。
【0081】
ステップS404では、テレワーカ用PC111のCPU201は、ステップS403で所定のサイズを満たさないと判定された顔を、ステップS306の顔の個数判定処理の対象から除外する。そして、処理をステップS401に戻し、未処理の顔に対する処理を継続する。
【0082】
以上の処理により、背景や衣服の模様などを顔として誤検出・誤認識してしまうことを低減させることが可能となる。また、覗き見をしていないことが明らかである位置(テレワーカ用PCから遠く離れた位置)にいる人物の顔を検出することで覗き見と判定してしまうことを低減させることが可能となる。このように、顔のサイズにより端末前方状態を判定するにあたり適した顔と適していない顔とを判別することで、在席・離席・覗き込み・成りすまし等の端末前方状態を適切に判定することが可能となる。
【0083】
図5は、ステップS304による顔検出処理の結果を示すイメージ図である。
【0084】
図5の501〜505の破線や実線で囲まれた領域が、ステップS306で検出した顔である。ステップS305の処理により、501〜505の5つの領域のうち、実線で囲まれた504と505の顔が端末前方状態の判定に用いられる顔として判別される。
【0085】
すなわち、501や502のように、テレワーカ用PC111から遠く離れたところにいる人物であると判断できる顔については、端末前方状態の判定対象からは除外される。また、503のように衣服の模様などを顔であると誤検知してしまった場合にも、対象から除外される。
【0086】
他方、504のようなテレワーカ本人や、なりすましてテレワーカ用PC111を使用している人物の顔は、大きく(所定のサイズよりも大きく)映るため、端末前方状態の判定に用いられる。また、覗き込みをしている人物の顔(図5の例では505の顔)についても同様である。
【0087】
本実施例においては、絶対的なピクセル数やカメラ画像に対する割合を用いて、端末前方状態の判定に用いる顔を選別した。しかし、まずテレワーカ本人の顔を特定し、当該顔のサイズとの比率により、選別してもよい。このように、いずれの情報を基準としてサイズを判定しても良い。
【0088】
本実施例においては、図3図4のフローチャートで示す処理をテレワーカ用PC111で実行するものとして説明したが、管理サーバ101において実行するよう構成してもよい。この場合、テレワーカ用PC111から管理サーバに対して、撮影された画像を送信し、管理サーバが図5に示すパラメータ等を用いて、処理を実行する。
【0089】
本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0090】
また、本発明におけるプログラムは、図3図4に示すフローチャートの処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムであり、本発明の記憶媒体は図3図4の処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムが記憶されている。なお、本発明におけるプログラムは図3図4の各装置の処理方法ごとのプログラムであってもよい。
【0091】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読み出し、実行することによっても本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0092】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0093】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク等を用いることが出来る。
【0094】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0095】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0096】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、ひとつの機器から成る装置に適用しても良い。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0097】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ、データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0098】
101 管理サーバ
111 テレワーカ用PC
121 管理者用PC
図1
図2
図3
図4
図5