特許第6646275号(P6646275)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 豊丸産業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6646275-遊技機 図000002
  • 特許6646275-遊技機 図000003
  • 特許6646275-遊技機 図000004
  • 特許6646275-遊技機 図000005
  • 特許6646275-遊技機 図000006
  • 特許6646275-遊技機 図000007
  • 特許6646275-遊技機 図000008
  • 特許6646275-遊技機 図000009
  • 特許6646275-遊技機 図000010
  • 特許6646275-遊技機 図000011
  • 特許6646275-遊技機 図000012
  • 特許6646275-遊技機 図000013
  • 特許6646275-遊技機 図000014
  • 特許6646275-遊技機 図000015
  • 特許6646275-遊技機 図000016
  • 特許6646275-遊技機 図000017
  • 特許6646275-遊技機 図000018
  • 特許6646275-遊技機 図000019
  • 特許6646275-遊技機 図000020
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6646275
(24)【登録日】2020年1月15日
(45)【発行日】2020年2月14日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20200203BHJP
【FI】
   A63F7/02 304D
【請求項の数】1
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2015-221801(P2015-221801)
(22)【出願日】2015年11月12日
(65)【公開番号】特開2017-86569(P2017-86569A)
(43)【公開日】2017年5月25日
【審査請求日】2018年11月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000241234
【氏名又は名称】豊丸産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100174344
【弁理士】
【氏名又は名称】安井 雅俊
(72)【発明者】
【氏名】森本 陽児
【審査官】 堀 圭史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−131018(JP,A)
【文献】 特開2013−042770(JP,A)
【文献】 特開2013−059471(JP,A)
【文献】 特開2013−162990(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤面に対して平行に延びる第一回転軸を中心に回転可能に支持され、前記第一回転軸の軸線周りに図形又は記号を模した側面部を備える回転体と、
前記第一回転軸の軸線方向と交差する方向に延びる第二回転軸を中心に回動可能に支持された可動部材と、
駆動手段と、
前記駆動手段の動力を前記第一回転軸に伝達する第一伝達手段と、
前記第一回転軸の動力を前記第二回転軸に伝達する第二伝達手段と
を備える役物手段を備え
前記第一伝達手段は、
前記駆動手段の出力軸に設けられた第一平歯車と、
前記第一回転軸に設けられ、前記第一平歯車と噛合する第二平歯車と
を備え、
前記第二伝達手段は、
前記第一回転軸に設けられた第一傘歯車と、
前記第二回転軸と平行に延び、且つ前記第一傘歯車の軸と交差する交差軸を有し、前記第一傘歯車と噛合する第二傘歯車と、
前記第二傘歯車の動力を、前記第二回転軸に伝達する為の一又は複数の歯車と
を備え、
前記回転体の前記側面部は、キャラクタの顔を模した第一顔部と、当該第一顔部よりも手前に迫り出した顔を摸した第二顔部とを前記第一回転軸の軸線回りに並べて備え、
前記可動部材は、前記回転体の手前側で且つ前記回転体の軸方向の少なくとも一端側において、前記第二回転軸を中心に回動可能であって、前記キャラクタの腕を摸した腕部であって、
前記役物手段は、
前記回転体を前記第一顔部が前方になる通常位置に回転させることに応じて、前記腕部を前記回転体の前側に重なるように回動させる第一状態と、
前記回転体を前記通常位置から前記第二顔部が前方になる動作位置に回転させることに応じて、前記腕部を前記回転体の前側から離れる方向に回動させる第二状態とに切替可能であること
を特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、役物手段を備えた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技機において、モータに連結されたギアに傘歯ギアを連結し、角度が異なる回転軸に動力を伝達する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。更に、そのような傘歯ギアの特徴を生かし、モータと、該モータによって回転され、両端に傘歯ギアを備える連結ロッドと、該連結ロッドの一方の傘歯ギアに噛合するギアの回転によって移動する第一可動部材と、他方の傘歯ギアに噛合するギアの回転によって移動する第二可動部材とを備えた遊技機も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−264428号公報
【特許文献2】特開2013−236802号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献2に記載の遊技機では、第一可動部材の回転軸と、第二可動部材の回転軸とは互いに平行であるので、第一可動部材及び第二可動部材を互いに平行、且つ対称的に移動させることしかできなかった。
【0005】
本発明の目的は、一つの駆動手段で、回転軸の角度が互いに異なる回転体と可動部材を動作させることができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る遊技機は、遊技盤面に対して平行に延びる第一回転軸を中心に回転可能に支持され、前記第一回転軸の軸線周りに図形又は記号を模した側面部を備える回転体と、前記第一回転軸の軸線方向と交差する方向に延びる第二回転軸を中心に回動可能に支持された可動部材と、駆動手段と、前記駆動手段の動力を前記第一回転軸に伝達する第一伝達手段と、前記第一回転軸の動力を前記第二回転軸に伝達する第二伝達手段とを備える役物手段を備え、前記第一伝達手段は、前記駆動手段の出力軸に設けられた第一平歯車と、前記第一回転軸に設けられ、前記第一平歯車と噛合する第二平歯車とを備え、前記第二伝達手段は、前記第一回転軸に設けられた第一傘歯車と、前記第二回転軸と平行に延び、且つ前記第一傘歯車の軸と交差する交差軸を有し、前記第一傘歯車と噛合する第二傘歯車と、前記第二傘歯車の動力を、前記第二回転軸に伝達する為の一又は複数の歯車とを備え、前記回転体の前記側面部は、キャラクタの顔を模した第一顔部と、当該第一顔部よりも手前に迫り出した顔を摸した第二顔部とを前記第一回転軸の軸線回りに並べて備え、前記可動部材は、前記回転体の手前側で且つ前記回転体の軸方向の少なくとも一端側において、前記第二回転軸を中心に回動可能であって、前記キャラクタの腕を摸した腕部であって、前記役物手段は、前記回転体を前記第一顔部が前方になる通常位置に回転させることに応じて、前記腕部を前記回転体の前側に重なるように回動させる第一状態と、前記回転体を前記通常位置から前記第二顔部が前方になる動作位置に回転させることに応じて、前記腕部を前記回転体の前側から離れる方向に回動させる第二状態とに切替可能であることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る遊技機では、一つの駆動手段で回転軸の角度が互いに異なる回転体と可動部材を動作させることができるので、複数の駆動手段を使用しないことから駆動手段にかかる費用を削減できる。また、回転体の動作タイミングと可動部材の動作タイミングがずれないので、回転体と可動部材の夫々の動作を一つのまとまった動作として自然な演出ができる。
【0008】
前記第一伝達手段は、前記モータの出力軸に設けられた第一平歯車と、前記第一回転軸に設けられ、前記第一平歯車と噛合する第二平歯車とを備え、前記第二伝達手段は、前記第一回転軸に設けられた第一傘歯車と、前記第二回転軸と平行に延び、且つ前記第一傘歯車の軸と交差する交差軸を有し、前記第一傘歯車と噛合する第二傘歯車とを備え、前記第二傘歯車の回転する動力を前記第二回転軸に伝達する。回転体の回転中心である第一回転軸と、可動部材の回動中心である第二回転軸とは互いに交差しているが、第一傘歯車と第二傘歯車を用いることで、駆動手段の動力で回転する第一回転軸の動力を第二回転軸に精度良く伝達できる。第二傘歯車の軸と第二回転軸は互いに平行になっているので、傘歯車の動力を第二回転軸に伝達させ易い。
【0009】
前記第二伝達手段は、前記第二傘歯車の動力を、前記第二回転軸に伝達する為の一又は複数の歯車を備え。第二伝達手段は、一又は複数の歯車(例えば平歯車)を用いることで、第二傘歯車の動力を第二回転軸に伝達させることができる。複数の歯車を用いることで、第二傘歯車と第二回転軸が離れていても、動力を伝達させることができる。
【0010】
なお、前記回転体の前記側面部は、キャラクタの顔を模した第一顔部と、当該第一顔部よりも手前に迫り出した顔を摸した第二顔部とを前記第一回転軸の軸線回りに並べて備え、前記可動部材は、前記回転体の手前側で且つ前記回転体の軸方向の少なくとも一端側において、前記第二回転軸を中心に回動可能であって、前記キャラクタの腕を摸した腕部であって、前記役物手段は、前記回転体を前記第一顔部が前方になる通常位置に回転させることに応じて、前記腕部を前記回転体の前側に重なるように回動させる第一状態と、前記回転体を前記通常位置から前記第二顔部が前方になる動作位置に回転させることに応じて、前記腕部を前記回転体の前側から離れる方向に回動させる第二状態とに切替可能であ。役物手段を第一状態から第二状態に切り替えた場合、回転体が回転して第二顔部が前方を向くと共に、腕部が回転体から離れる側に回動する。第二顔部は、第一顔部よりも手前に迫り出した顔を摸しているので、その顔が前方に向くと同時に、腕部が回転から離れる側に回動するので、遊技者側から見て第二顔部がより強調される。これにより、キャラクタの顔があたかも手前に迫り出してくるような場面をダイナミックに演出できる。
【0011】
また、前記第一回転軸は左右方向に延び、前記第二回転軸は前後方向に延びるようにしてもよい。第一回転軸は左右方向に延びているので、左右方向に長い回転体を用いることができる。これにより、キャラクタの顔を左右方向に長い面積で表現できるので、顔の表情を明確に表現できる。また、回転体は左右方向に長いので、上下方向の高さを短くしても顔の表情を表現できる。これにより、遊技盤面に邪魔にならないように役物手段を配置できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】パチンコ機1の正面図である。
図2】遊技盤2の正面図である。
図3】役物装置20の斜視図である。
図4】役物装置20の正面図(第一状態)である。
図5】役物装置20の正面図(第二状態)である。
図6】左側ギア機構70及び右側ギア機構80を露出した役物装置20の斜視図(第一状態)である。
図7】左側ギア機構70及び右側ギア機構80を露出した役物装置20の正面図(第一状態)である。
図8】演出体40、右側手腕部61、左側手腕部62、左側ギア機構70、右側ギア機構80の夫々の位置関係を示す斜視図である(第一状態)。
図9】左側ギア機構70及び右側ギア機構80を露出した役物装置20の正面図(第二状態)である。
図10】演出体40、右側手腕部61、左側手腕部62、左側ギア機構70、右側ギア機構80の夫々の位置関係を示す斜視図である(第二状態)。
図11】演出体40の右斜め前方から見た斜視図である。
図12】演出体40の右斜め後方から見た斜視図である。
図13】発光基板90が内側に支持された本体部材41の斜視図である。
図14】発光基板90の右斜め上方から見た斜視図である。
図15】発光基板90の右斜め下方から見た斜視図である。
図16図7に示すI−I線矢視方向断面図である。
図17図9に示すII−II線矢視方向断面図である。
図18】第一装飾面51Aと右側手腕部61及び左側手腕部62との重なり面積S1,S2を示す図(第一状態)である。
図19】第一装飾面51Aと右側手腕部61及び左側手腕部62との重なり面積S3,S4を示す図(第二状態)である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る遊技機の第一の実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。以下説明では、図1の手前側、奥側、上側、下側、左側、及び右側を、夫々、パチンコ機1の前側、後側、上側、下側、左側、及び右側とする。それ以外の図面では、図中に矢印で示す左右、前後、上下を使用する。
【0014】
図1及び図2を参照して、パチンコ機1の機械的構成について説明する。図1に示すように、パチンコ機1の上半分の部分には遊技盤2が設けられている。遊技盤2は正面視略正方形の板状であり(図2参照)、透明なガラス板を保持した前面枠10によって前面を保護されている。遊技盤2の下部には上皿5が設けられている。上皿5は、遊技球発射装置(図示略)に金属製の遊技球を供給し、且つ賞球を受ける。上皿5の上面には、遊技者によって操作される操作ボタン9が設けられている。上皿5の直下には、賞球を受ける下皿6が設けられている。下皿6の右横には、遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。発射ハンドル7は、遊技者が回転操作できるように設けられており、遊技者が発射ハンドル7を回転させて発射操作を行うと、発射ハンドル7の回転角度に応じた強度で、遊技球発射装置によって遊技球が発射される。前面枠10の上部の左右の角には、スピーカ26が夫々設けられている。
【0015】
図2に示すように、遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。遊技球発射装置によって発射された遊技球は、ガイドレール3によって遊技領域4へ導かれ、遊技領域4内を流下する。遊技領域4の略中央には、各種演出を実行するセンター飾り8が設けられている。センター飾り8は、表示画面28及び役物装置20を主に備える。表示画面28は、センター飾り8の略中央に配置されている。表示画面28は、例えばLCD等によって構成され、前面の全ての領域を表示領域として、様々な映像を表示可能である。表示画面28は、例えば、大当り判定の結果を報知する演出図柄(図示略)を表示する。
【0016】
役物装置20は、センター飾り8の上部で、且つ表示画面28の前側の上方に配置されている。役物装置20は、演出体40、右側手腕部61、及び左側手腕部62を備える。演出体40は、左右方向に延びる軸心(後述する回転軸725,811)を中心に回転する回転体である。その外周面には、例えば動物(ウサギ)のキャラクタの顔部分が模してある。右側手腕部61は、演出体40の右側前方に設けられ、演出体40に摸したキャラクタの右側の手腕部分を模している。左側手腕部62は、演出体40の左側前方に設けられ、演出体40に摸したキャラクタの左側の手腕部分を模している。役物装置20は、パチンコ機1の遊技状態に応じて、演出体40を回転させると共に、右側手腕部61及び左側手腕部62を上下動させることによって、ヒトの視覚効果を利用した特徴的な演出を行う演出装置である。なお、役物装置20の具体的な構造、及び動作については後述する。
【0017】
センター飾り8の略中央下方には、第一始動口14が設けられている。第一始動口14の下方には、第二大入賞口17が設けられている。センター飾り8の右斜め下方には、普通図柄作動ゲート12が設けられている。普通図柄作動ゲート12の下方には、第二始動口15が設けられている。第二始動口15の左斜め下方には、第一大入賞口16が設けられている。第二始動口15、第一大入賞口16及び第二大入賞口17は、夫々開閉部材を備える。遊技球は、開閉部材が開放された場合にのみ、第二始動口15、第一大入賞口16及び第二大入賞口17の夫々に入賞することができる。
【0018】
遊技盤2の右下部には、図柄表示部24が設けられている。図柄表示部24は、第一特別図柄表示部、第二特別図柄表示部、普通図柄表示部、第一特別図柄記憶数表示LED、第二特別図柄記憶数表示LED及び普通図柄記憶数表示LEDを備える。
【0019】
図3図17を参照し、役物装置20の構成を説明する。図3に示すように、役物装置20は、支持部材30、演出体40、右側手腕部61、左側手腕部62を備える。支持部材30は、上面と前面が夫々開口する略箱状に形成された透明な樹脂部品である。支持部材30は、演出体40を内側に回転可能に支持すると共に、その演出体40の前側且つ左右両側において、右側手腕部61及び左側手腕部62を上下動可能に支持する。演出体40は、第一装飾面51Aと第二装飾面52A(図11図12参照)を周方向に並べて備える。後述するが、第一装飾面51Aには、動物(ウサギ)のキャラクタの顔部分が自然で落ち着いた表情で摸されている(図4参照)。第二装飾面52Aには、第一装飾面51Aと同一のキャラクタの顔部分が興奮した表情で摸されている(図5参照)。
【0020】
役物装置20は、図4に示す第一状態と、図5に示す第二状態とに相互に切り替え可能である。第一状態は、演出体40、右側手腕部61、左側手腕部62が、夫々原点位置にある状態である。第一状態では、演出体40の第一装飾面51Aが正面に向くように配置されると共に、右側手腕部61及び左側手腕部62が上方位置に配置される。第二状態は、演出体40、右側手腕部61、左側手腕部62が、夫々可動後の位置にある状態である。第二状態では、演出体40が回転し、演出体40の第二装飾面52Aが正面に向くように配置されると共に、右側手腕部61及び左側手腕部62が下方位置に配置される。役物装置20は、パチンコ機1の遊技状態に応じて、第一状態と第二状態を相互に切り替える。
【0021】
図3図6を参照し、支持部材30の構造を説明する。支持部材30は、中央壁部31、右側壁部32、左側壁部33、底壁部34、右側ギア保持部35、左側ギア保持部36、下側壁部37等を備える。中央壁部31は、正面視横長の略矩形状に形成され、上下方向に立った状態で配置される。中央壁部31の背面側には、演出基板100が固定される。演出基板100には、例えば、演出体40の内側に支持された後述する発光基板90(図13参照)がケーブル101(図8参照)を介して接続される。
【0022】
右側壁部32は、中央壁部31の右端部から前方に略直角に延設され、側面視略矩形状に形成される。右側壁部32の略中央には、円形状の貫通孔(図示略)が設けられる。該貫通孔には、演出体40の後述する右側軸部431(図11参照)が回転可能に挿入される。左側壁部33は、中央壁部31の左端部から前方に略直角に延設され、側面視略矩形状に形成される。左側壁部33の略中央にも、円形状の貫通孔(図示略)が設けられる。該貫通孔には、演出体40の後述する左側軸部441(図11参照)が回転可能に挿入される。底壁部34は、中央壁部31の下端部、右側壁部32の下端部、左側壁部33の下端部に夫々接続し、平面視横長の略矩形状に形成される。底壁部34の上面には、前後方向に延びる複数の縦溝が左右方向に並んで設けられる。それ故、下側壁部37の内側に固定される後述する発光基板110の複数のLED111から照射される光の一部が縦溝に反射するので、底壁部34が光って見える。
【0023】
右側ギア保持部35は、右側壁部32の前端部から右側方に延びるように設けられ、前面が開口する略箱状に形成される。右側ギア保持部35の内側には、右側ギア機構80(図8参照)が保持される。右側ギア機構80は、後述するモータ95の駆動によって回転する演出体40の回転力を、右側手腕部61を上下動させる動力に変換する。右側ギア保持部35の前面には、右側化粧板351が固定され、右側ギア保持部35の開口を塞いでいる。
【0024】
図6に示すように、右側ギア保持部35の背面側には、縦長略矩形状の挿通孔353が設けられている。挿通孔353には、後述する右側ギア機構80の第一ギア81に設けられた当接片81A(図7参照)が挿通される。第一ギア81の回転に伴い、当接片81Aは、挿通孔353の範囲内を上下方向に移動可能である。挿通孔353の上縁部には、ゴム製の上側規制部355(図7参照)が固定され、下縁部には、ゴム製の下側規制部356(図7参照)が固定される。上側規制部355は、挿通孔353を上方に移動する当接片81Aと当接し、下側規制部356は、挿通孔353を下方に移動する当接片81Aと当接する。よって、挿通孔353、上側規制部355、及び下側規制部356は、第一ギア81の回転範囲を規制する。
【0025】
左側ギア保持部36は、左側壁部33の前端部から左側方に延びるように設けられ、前面が開口する略箱状に形成される。左側ギア保持部36の内側には、左側ギア機構70(図8参照)が保持される。左側ギア保持部36の前面には、左側化粧板361が固定され、左側ギア保持部36の開口を塞いでいる。図8に示すように、左側ギア保持部36の内側には、ギアセンサ79が設けられる。ギアセンサ79は、左側ギア機構70の直上に配置され、演出基板100に配線(図示略)を介して接続される。ギアセンサ79は、左側ギア機構70の後述する第三ギア73に固定された検出板733を検出することで、第三ギア73の位置を検出する。ギアセンサ79は、検出信号を演出基板100に出力する。演出基板100は、受信した検出信号に基づき、演出体40、右側手腕部61、左側手腕部62の夫々の位置が分かるので、役物装置20が第一状態であるか第二状態であるかを認識できる。図3図8に示すように、左側ギア保持部36の背面には、モータ95が、透明樹脂製の固定部材700を介して固定される。モータ95の出力軸951は、右方に向けて略水平に延び、左側ギア機構70と接続する。モータ95は、演出基板100に配線(図示略)を介して接続される。モータ95には、演出基板100から配線を介して電力が供給される。
【0026】
図6に示すように、下側壁部37は、右側ギア保持部35の下端部と、左側ギア保持部36の下端部との間に渡設され、前面側が開口する左右方向に長い略箱状に形成される。下側壁部37の内側は、右側ギア保持部35、及び左側ギア保持部36の夫々の内側と連通する。下側壁部37の内側には、左右方向に長い発光基板110が取り付けられる。発光基板110の前面には、複数のLED111が左右方向に並んで設けられる。複数のLED111は点灯又は点滅することで、前方に光を照射する。下側壁部37の開口する前面には、透明樹脂製の化粧板39(図3図4参照)が固定される。化粧板39の前面は、不規則な形状の凸凹面が形成される。化粧板39の凸凹面は、発光基板110から照射される光を乱反射させることができる。これにより、化粧板39全体がキラキラして見える。また、下側壁部37の下端部に沿って前方に突出するリブ状の下壁371が設けられる。該下壁371の上面には、前後方向に延びる複数の縦溝が左右方向に並んで設けられる。これにより、発光基板110の複数のLED111から照射される光が縦溝に反射するので、下壁371が光って見える。
【0027】
図6図8を参照し、左側ギア機構70の構成を説明する。左側ギア機構70は、モータ95の駆動力を、演出体40を回転する動力と、左側手腕部62を上下動する動力とに変換する。左側ギア機構70は、第一ギア71、第二ギア72、第三ギア73、第四ギア74、第五ギア75等を備える。図8に示すように、第一ギア71は、モータ95の右方に延びる出力軸951に固定され、該出力軸951と一体して回転する。第二ギア72は、第一ギア71の前側に回転可能に支持され、第一ギア71の左右方向に延びる軸心に対して平行に延びる軸心を有する。第二ギア72は、ギア部721と傘歯ギア部722を同軸上に備える。ギア部721は右側、傘歯ギア部722は左側に配置される。ギア部721は、第一ギア71と噛合する。それ故、第二ギア72は、第一ギア71の回転に伴って回転する。第二ギア72の軸孔(図示略)には、左右方向に延びる回転軸725が挿入固定される。回転軸725の右端部は、演出体40の後述する左側軸部441の軸孔(図示略)に挿入固定される。それ故、演出体40は、第二ギア72の回転に伴って、第二ギア72と同方向に回転する。
【0028】
第三ギア73は、第二ギア72の左斜め前側に回転可能に支持され、第二ギア72の左右方向に延びる軸心に対して直交し、且つ前後方向に延びる軸心を有する。第三ギア73は、傘歯ギア部731とギア部732を同軸上に備える。傘歯ギア部731は後ろ側、ギア部732は前側に配置される。傘歯ギア部731は、第二ギア72の傘歯ギア部722に対して直交する方向に噛合する。それ故、第三ギア73は、第二ギア72の回転に伴って回転する。第四ギア74は、第三ギア73の直下に回転可能に支持され、第三ギア73の前後方向に延びる軸心に対して平行に延びる軸心を有する。第四ギア74は、第三ギア73のギア部741と噛合する。それ故、第四ギア74は、第三ギア73の回転に伴って回転する。
【0029】
第五ギア75は、第四ギア74の右側に回転可能に支持され、第四ギア74の前後方向に延びる軸心に対して平行に延びる軸心を有する。第五ギア75は、第四ギア74と噛合する。それ故、第五ギア75は、第四ギア74の回転に伴って回転する。第五ギア75の中央の軸孔(図示略)には、前後方向に延びる回転軸751の後端部が挿入固定される。それ故、回転軸751は、第五ギア75と一体して回転する。回転軸751の前端部には、左側手腕部62の後述する腕部622の長手方向の一端部が直交する方向に固定される。腕部622は右側に延びる。それ故、回転軸761の回転に伴い、腕部622が回転軸761を中心に回動することによって、左側手腕部62が上下動する。
【0030】
図6図8を参照し、右側ギア機構80の構成を説明する。右側ギア機構80は、演出体40の回転駆動力を、右側手腕部61を上下動する動力に変換する。右側ギア機構80は、第一ギア81、第二ギア82、第三ギア83、第四ギア84等を備える。図8に示すように、第一ギア81は傘歯ギアである。第一ギア81の軸孔(図示略)には、左右方向に延びる回転軸811の右端部が挿入固定される。回転軸811の左端部は、演出体40の右側軸部431の軸孔(図11参照)に挿入固定される。それ故、第一ギア81は、回転軸811を介して、演出体40と一体して回転する。第一ギア81には、扇状の当接片81A(図7参照)が設けられる。当接片81Aは、第一ギア81と一体して回転軸841を中心に回動する。当接片81Aは、右側ギア保持部35の背面側に設けられた挿通孔353に挿通される。第一ギア81の回転に伴い、当接片81Aは、挿通孔353の範囲内を上下方向に移動可能である。
【0031】
第二ギア82は、第一ギア81の右斜め前側に回転可能に支持され、第一ギア81の左右方向に延びる軸心に対して直交し、且つ前後方向に延びる軸心を有する。第二ギア82は、ギア部821と傘歯ギア部822を同軸上に備える。ギア部821は前側、傘歯ギア部822は後ろ側に配置される。傘歯ギア部822は、第一ギア81に対して直交する方向に噛合する。それ故、第二ギア82は、第一ギア81の回転に伴って回転する。
【0032】
第三ギア83は、第二ギア82の直下に回転可能に支持され、第二ギア82の前後方向に延びる軸心に対して平行に延びる軸心を有する。第三ギア83は、第二ギア82のギア部821と噛合する。それ故、第三ギア83は、第二ギア82の回転に伴って回転する。第四ギア84は、第三ギア83の左側に回転可能に支持され、第三ギア83の前後方向に延びる軸心に対して平行に延びる軸心を有する。第四ギア84は、第三ギア83と噛合する。それ故、第四ギア84は、第三ギア83の回転に伴って回転する。第四ギア84の中央の軸孔(図示略)には、前後方向に延びる回転軸841の後端部が挿入固定される。それ故、回転軸841は、第四ギア84と一体して回転する。回転軸841の前端部には、右側手腕部61の後述する腕部612の長手方向の一端部が直交する方向に固定される。腕部612は左側に延びる。それ故、回転軸841の回転に伴い、腕部612が回転軸841を中心に回動することによって、右側手腕部61が上下動する。
【0033】
図3を参照し、右側手腕部61及び左側手腕部62の構造を説明する。右側手腕部61は、拳部611と腕部612を備える。腕部612は長尺状であって、キャラクタの右腕部を表現したものである。上記の通り、腕部612の長手方向の一端部は、右側ギア機構80の回転軸841の前端部に対して直交する方向に固定される。腕部612は、回転軸841の前端部から左方に延びる。拳部611は、キャラクタの右拳を表現したものである。拳部611は、腕部612の他端部に固定される。拳部611の大きさは限定しないが、演出体40に対して目立つように大きいものが好ましく、例えば、演出体40の第一装飾面51Aの右側1/4程度を覆うことができる大きさにしてもよい(図7図18参照)。
【0034】
左側手腕部62は、右側手腕部61と同様に、拳部621と腕部622を備える。腕部622も長尺状であって、キャラクタの左腕部を表現したものである。上記の通り、腕部622の長手方向の一端部は、左側ギア機構70の回転軸751の前端部に対して直交する方向に固定される。腕部622は、回転軸751の前端部から右方に延びる。拳部621は、キャラクタの左拳を表現したものである。拳部611は、腕部622の他端部に固定される。拳部621の大きさは限定しないが、演出体40に対して目立つように大きいものが好ましく、例えば、演出体40の第一装飾面51Aの左側1/4程度を覆うことができる大きさにしてもよい(図7図18参照)。なお、拳部611と拳部621の夫々の大きさは互いに同一であるが、互いに異ならせてもよい。また、拳部611と拳部621は何れも手を握りしめた拳を表現しているが、手の形状についても限定せず、何れか一方又は両方において、例えば手の平を広げた状態を表現してもよい。
【0035】
図11図17を参照し、演出体40の構造を説明する。演出体40は、左右方向に延びる略角柱状に形成される。演出体40は、本体部材41、第一装飾部材51、第二装飾部材52、枠部53、発光基板90等を備える。
【0036】
図13を参照し、本体部材41の構造を説明する。本体部材41は、左右方向に長い側面視略L字型の白色の樹脂部材である。なお、本体部材41は白色以外でもよいが、後述する発光基板90に設けられるLED911,921から発せられる光を乱反射させるには、明るくて光沢性の有る材質が好ましい。本体部材41は、底壁部42、右側壁部43、左側壁部44等を備える。底壁部42は、本体部材41の平面視横長の略矩形状に形成される。
【0037】
底壁部42は、前後方向において、平坦部45、傾斜部46、前方延設部47、リブ48等を備える。平坦部45は略水平方向に延び、平面視横長の略矩形状に形成される。平坦部45には、前後方向に延びる複数のスリット451が左右方向に並んで設けられる。スリット451は、演出体40の通気孔として機能する。
【0038】
平坦部45の上面の左右両側には、略垂直上方に突出する位置決めピン453が夫々設けられている(図13では、左側の位置決めピン453のみ図示)。位置決めピン453の夫々の上部に対して、後述する発光基板90に設けられた2つの位置決め用孔部93を嵌合させることによって、本体部材41に対して発光基板90が位置決めされる。平坦部45の上面において、右側、中央、左側の3カ所には、略垂直上方に突出する略円筒状の基板固定部455が設けられている(図13では、左側と中央の基板固定部455のみ図示)。基板固定部455の夫々上部に設けられた孔部(図示略)に対して、発光基板90に設けられた後述する固定用孔部94を介して螺子留めすることによって、本体部材41に対して発光基板90が固定される。また、平坦部45の後端部の右側、中央、左側の3カ所には、後述する第二装飾部材52に設けられた3本のピン(図示略)を嵌合させる為の孔部(図示略)が設けられる。
【0039】
傾斜部46は、平坦部45の前端部から前方に対して斜め下方に傾斜して延び、平面視横長の略矩形状に形成される。傾斜部46の上面において左右両側には、支持壁461が夫々立設される(図13では、左側の支持壁461のみ図示)。支持壁461の上部には、前後方向に貫通する固定孔462が設けられる。固定孔462には、後述する第一装飾部材51を固定する為の螺子が締結される。なお、図示しないが、右側の支持壁の固定孔にも、第一装飾部材51を固定する為の螺子が締結される。傾斜部46の上面において左右方向の略中央には、支持壁463が立設される。支持壁463には、固定孔464が設けられる。固定孔464には、第一装飾部材51を固定する為の螺子が締結される。前方延設部47は、傾斜部46の前端部から前方に対して略水平に延び、平面視横長の略帯状に形成される。リブ48は、平坦部45の後端部から略垂直上方に突出する。
【0040】
右側壁部43は、底壁部42の右端部から略垂直上方に立設され、側面視略台形状に形成される。右側壁部43の外面(右側面)における前端側の下部には、右側方に突出する略円筒状の右側軸部431が設けられる。右側壁部43の前端側の上部には、第一係止孔433、及び第二係止孔434が前後方向に並んで設けられる。第一係止孔433は前側、第二係止孔434は後ろ側に設けられる。第一係止孔433は上下方向に長い略矩形状である。第二係止孔434は前後方向に長い略矩形状である。第一係止孔433には、後述する枠部53に設けられた右側の係止爪531(図11図12参照)が係止する。第二係止孔434には、後述する第二装飾部材52に設けられた右側の係止爪521(図11図12参照)が係止する。
【0041】
左側壁部44は、底壁部42の左端部から略垂直上方に立設され、側面視略台形状に形成される。左側壁部44の外面(左側面)における前端側の下部には、左側方に突出する略円筒状の左側軸部441が設けられる。左側壁部44の前端側の上部には、第一係止孔443、及び第二係止孔444が前後方向に並んで設けられる。第一係止孔443は前側、第二係止孔444は後ろ側に設けられる。第一係止孔443は上下方向に長い略矩形状である。第二係止孔444は前後方向に長い略矩形状である。第一係止孔443には、後述する枠部53に設けられた左側の係止爪(図示略)が係止する。第二係止孔444には、後述する第二装飾部材52に設けられた左側の係止爪(図示略)が係止する。
【0042】
底壁部42の前端部と、右側壁部43の前端部とが連結して形成される右下角部には、前後方向に貫通する固定孔49Aが設けられる。底壁部42の前端部と、左側壁部44の前端部とが連結して形成される左下角部には、前後方向に貫通する固定孔49Bが設けられる。これら固定孔49A,49Bには、後述する枠部53の下端側を固定する為の螺子が締結される。
【0043】
図14図15を参照し、発光基板90の構造を説明する。発光基板90は、第一面91及び第二面92を備える。第一面91は、第一状態のときに上方に向く面である。第二面92は、第一状態のときに下方を向く面である。第一面91には、左右方向において、複数のLED911が前後方向に千鳥状に配列される。第二面92の前端側には、複数のLED921が横一列に並んで配列される。発光基板90の左後方角部近傍と、右前方角部近傍とには、位置決め用孔部93が夫々設けられている。発光基板90の左前方角部近傍と、前端部の略中央部近傍と、右後方角部近傍とには、固定用孔部94夫々設けられている。
【0044】
図13に示すように、発光基板90は、本体部材41の底壁部42における平坦部45の上面において、位置決めピン453の夫々の上部に対して、発光基板90に設けられた2つの位置決め用孔部93を嵌合させることによって、本体部材41に対して発光基板90が位置決めされる。更に、基板固定部455の夫々上部に設けられた孔部(図示略)に対して、発光基板90に設けられた後述する固定用孔部94を介して螺子留めすることによって、本体部材41に発光基板90が固定される。これにより、図13図16に示すように、発光基板90は、本体部材41の底壁部42の平坦部45の上面から隙間を空けた位置において略水平に支持される。この状態では、図16に示すように、発光基板90の前端部は、第一装飾部材51の内面と隙間を空けて相対する。発光基板90の第一面91は、第二装飾部材52の内面と隙間を空けて相対する。更に、発光基板90の前端部の位置P2は、本体部材41の底壁部42における傾斜部46の後端部の位置P1よりも前方にある。それ故、発光基板90の第二面92の前端側に設けられた複数のLED921は、傾斜部46の上面と対向するので、LED921から発せられる光を傾斜部46に反射させ、第一装飾部材51に向けて照射させることができる。発光基板90はケーブル101を介して演出基板100に接続される。それ故、演出基板100は、発光基板90に設けられたLED911,921の発光態様を制御する。
【0045】
図11を参照し、第一装飾部材51の形状と固定方法を説明する。第一装飾部材51は、略平面状の板部材であって、その外面に、第一装飾面51Aを備える。第一装飾面51Aには、ウサギのキャラクタの顔部分であって、自然で落ち着いた表情が摸されている。キャラクタの顔を表現する為に、例えば、両眼、鼻、口が形成される。第一装飾面51Aは、平面に形成される凹凸面によって顔の凹凸形状を表現することで、キャラクタの顔を立体的に視認させることができる。第一装飾部材51の裏面(第一装飾面51Aとは反対側の面)において、左右の両端部の夫々の上部と、下端部の略中央部とには、第一装飾部材51の裏面から略垂直方向に突出する略円筒状の固定ピン(図示略)が夫々設けられる。これら3本の固定ピンは、本体部材41の傾斜部46に設けられた2つの支持壁461の各固定孔462と、1つの支持壁463の固定孔464に対して螺子で締結される。これにより、本体部材41の前面側に対して、第一装飾部材51が固定される。第一装飾部材51は、発光基板90に対して直交する方向に配置される。なお、第一装飾部材51は、光透過性樹脂で形成されるのが好ましい。
【0046】
図11図12を参照し、枠部53の形状と固定方法を説明する。枠部53は、正面視略矩形状の枠体である。枠部53は、第一装飾部材51の第一装飾面51Aの外周縁部に沿って配置される。枠部53の左右の両端部の夫々の上部には、係止爪531(図12参照)が設けられる。更に、枠部53の下側の両角部には、固定孔(図示略)が夫々設けられる。第一装飾部材51が先に固定された本体部材41の前面側に対し、枠部53を位置決めし、左右一対の係止爪531を、本体部材41の右側壁部43に設けられた第一係止孔433と、左側壁部44に設けられた第一係止孔443とに夫々係止させる。枠部53の下側の両角部に設けられた2つの固定孔(図示略)を、本体部材41の前面側の右下角部と左下角部に夫々設けられた固定孔49A,49Bに位置を合わせ、螺子で締結する。これにより、第一装飾部材51の第一装飾面51Aの外周縁部に対して枠部53が固定される。
【0047】
図11図12を参照し、第二装飾部材52の形状と固定方法を説明する。第二装飾部材52は、外方に向けて凸状に膨出するように断面略円弧状に形成された板部材であって、その外面に第二装飾面52Aを備える。それ故、第二装飾面52Aは円弧面で形成される。第二装飾面52Aには、第一装飾面51Aと同一のキャラクタの顔部分であって、第一装飾面51Aの表情よりも興奮した表情が摸されている。興奮した表情は、例えば、両眼、鼻、口の各パーツを、第一装飾面51Aの各パーツよりも拡大することによって表現できる。更に、第二装飾面52Aは、外方に向かって膨出する円弧面上に、顔の凹凸形状を表現することで、第一装飾面51Aと比較して、キャラクタの顔をより立体的に視認させることができる。第二装飾面52Aには、第一装飾面51Aの外縁部に配置された枠部53は無いので、キャラクタの顔をより強調させて視認させることができる。なお、第二装飾部材52も、光透過性樹脂で形成されるのが好ましい。
【0048】
第二装飾部材52の裏面(第二装飾面52Aとは反対側の面)において、上端部の右側、中央、左側には、第二装飾部材52の裏面から略垂直方向に突出する略円筒状の固定ピン(図示略)が夫々設けられる。これら3本の固定ピンは、本体部材41の平坦部45の後端部に設けられた3つの孔部(図示略)に位置決めされ、螺子が締結される。更に、第二装飾部材52の裏面において、左右の両端部と、下端部の中央部とには、係止爪521(図12では、右端側の係止爪521のみ図示)が夫々設けられる。これら3つの係止爪521の内、左右の係止爪521は、本体部材41の右側壁部43に設けられた第二係止孔434と、左側壁部44に設けられた第二係止孔444とに夫々係止させる。下端部側の係止爪は、第一装飾部材51の上端部に沿って設けられたリブに係止させる。これにより、本体部材41の前面側に対して、第一装飾部材51が固定される。
【0049】
図8図16図17を参照し、演出体40の回転軸725,811の軸線から第一装飾部材51までの距離と、第二装飾部材52までの距離との差異から生まれる効果を説明する。図8に示すように、演出体40の回転中心は、右側軸部431及び左側軸部441に夫々挿入固定される回転軸725,811である。回転軸725,811は夫々互いに同一軸線上である。図16に示すように、回転軸725,811の軸線に直交する方向における第一装飾部材51までの離間距離(例えば最短距離)をL1とする。回転軸725,811の軸線に直交する方向における第二装飾部材52までの離間距離(例えば最短距離)をL2とする。本実施形態の演出体40では、距離L1よりも距離L2の方が長くなるように調整される。これにより、図17に示すように、第二装飾面52Aを前方に向けたときの第二装飾面52Aの位置は、第一装飾面51Aを前方に向けたときの第一装飾面51Aの位置に比べて、より前方に配置される。よって、役物装置20は、第一装飾面51Aが前方に向く第一状態から、演出体40を回転させ、第二装飾面52Aを前方に向ける第二状態に切り替えることによって、キャラクタの顔があたかも前方に迫り出すような演出を行うことができる。
【0050】
図7図10図16図17を参照し、役物装置20の動作を説明する。パチンコ機1が例えば、通常の遊技状態のとき、役物装置20は第一状態を維持する。パチンコ機1が特定の遊技状態(例えば、リーチ状態、大当たり状態等)に移行するとき、役物装置20は第一状態から第二状態に切り替える。以下、第一状態における役物装置20の各部材の位置関係、及び第一状態から第二状態に切り替える際の動作を説明する。
【0051】
−第一状態−
図7図8に示すように、第一状態では、演出体40の第一装飾面51Aが前方に配置される。右側手腕部61の拳部611は、第一装飾面51Aの右且つ前側に、左側手腕部62の拳部621は、第一装飾面51Aの左且つ前側に配置される。それ故、拳部611,621は、第一装飾面51Aの前側に重なるように配置される。第一装飾面51Aの外周縁部に沿って枠部53が配置される。従って、第一状態の役物装置20は、ウサギのキャラクタが枠部53の後方から顔を覗かせると共に、その枠部53の前側において、右側の拳と左側の拳を顔の高さ位置にかかげた様子を表現できる。この状態では、奥側から手前に向かって、顔、枠、両腕の順に配置されるので、キャラクタの顔と両腕を奥行きのある態様で表現できる。さらに、顔が一番奥側に配置されているので、キャラクタの気持ちが落ち着いた自然な状態を表現できる。
【0052】
図16に示すように、演出体40の内側では、発光基板90の第一面91が上方、第二面92が下方に向くように配置される。それ故、第一装飾部材51に対して、第一面91及び第二面92に設けられた複数のLED911,921から発せられる光は直接照射されずに、演出体40の内部に反射した反射光が照射される。更に、発光基板90の前端部は、第一装飾部材51の内面と隙間を空けて相対するので、第一装飾面51Aが部分的に明るくなるようなことが無く、第一装飾面51Aの全体をムラなく且つ柔らかく光らせることができる。
【0053】
また、複数のLED921が設けられた第二面92は、本体部材41の底壁部42の内面と隙間を空けて相対するので、複数のLED921から照射された光を、底壁部42の内面に反射させることができる。これにより、役物装置20が第一状態のときに、底壁部42の内面に反射した光を第一装飾部材51に照射させることができるので、第一装飾面51Aの明るさを保つことができる。更に、底壁部42には、第一装飾部材51側に傾斜する傾斜部46が設けられているので、複数のLED921から照射された光を、傾斜部46の内面で反射させ、その反射光を第一装飾部材51側に照射させることができる。これにより、第一装飾面51Aを更に明るく見せることができる。また、発光基板90の第二面92において、複数のLED921は前端側に配列されているので、複数のLED921を第一装飾面51A側に寄せることができる。これにより、第一装飾面51Aをより明るく見せることができる。
【0054】
−第二状態−
例えば、パチンコ機1が特定の遊技状態に移行した場合、図10に示すように、演出基板100は、モータ95を駆動させ、出力軸951を左側面視反時計回りに回転させる。すると、第一ギア71が出力軸951と共に反時計回りに回転する。これに伴い、第一ギア71とギア部721が噛合する第二ギア72が時計回りに回転する。第二ギア72の回転に伴い、第二ギア72に固定された回転軸725、及び回転軸725に固定された演出体40が時計回り(手前方向)に回転する。演出体40が時計回りに回転すると、第一装飾面51Aは下方に回動して支持部材30の内側に隠れる。第二装飾面52Aが上方から降りるように回動する。演出体40が時計回りに回転することに伴い、演出体40に固定された回転軸811、及び回転軸811に固定された第一ギア81が時計回りに回転する。このとき、第一ギア81に設けられた当接片81Aは、第一ギア81と一体して回動し、右側ギア保持部35に設けられた挿通孔353の内側を上方に移動する。当接片81Aは、挿通孔353の上縁部に固定された上側規制部355と当接すると、第一ギア81の回転は規制される。演出基板100は、モータ95を停止させ、演出体40の回転を停止する。このとき、演出体40は、第二装飾面52Aを正面に向けた状態となる。
【0055】
左側ギア機構70では、第二ギア72が時計回りに回転することに伴い、第二ギア72の傘歯ギア部722に対して、傘歯ギア部731が噛合する第三ギア73が正面視時計回りに回転する。第二ギア72の軸線方向と、第三ギア73の軸線方向とは、互いに直交する位置関係であるが、夫々の傘歯ギア部722と731が噛合することで、第二ギア72の動力が第三ギア73に良好に伝達される。第三ギア73の回転に伴い、第四ギア74が反時計回りに回転する。第四ギア74の回転に伴い、第五ギア75が時計回りに回転する。第五ギア75の回転と共に、第五ギア75に固定された回転軸751が時計回りに回転する。回転軸751の回転に伴い、左側手腕部62の腕部622が回転軸751を中心に時計回りに回動するので、拳部621は大きく下方に移動する。
【0056】
右側ギア機構80では、演出体40が時計回りに回転することに伴い、演出体40に固定された回転軸811、及び回転軸811に固定された第一ギア81が左側面視時計回りに回転する。第一ギア81が時計回りに回転することに伴い、第一ギア81に対して傘歯ギア部822が噛合する第二ギア82が正面視反時計回りに回転する。第一ギア81の軸線方向と、第二ギア82の軸線方向とは、互いに直交する位置関係であるが、傘歯ギアである第一ギア81と、第二ギア82の傘歯ギア部822が噛合することで、第一ギア81の動力が第二ギア82に良好に伝達される。第二ギア82の回転に伴い、第三ギア83が時計回りに回転する。第三ギア83の回転に伴い、第四ギア84が反時計回りに回転する。第四ギア84の回転と共に、第四ギア84に固定された回転軸841が反時計回りに回転する。回転軸841の回転に伴い、右側手腕部61の腕部612が回転軸841を中心に反時計回りに回動するので、拳部611も大きく下方に移動する。
【0057】
よって、演出体40が回転して第一装飾面51Aから第二装飾面52Aに切り替わると同時に、右側手腕部61及び左側手腕部62を下方に移動させることができる。一つのモータ95で、回転軸の角度が互いに異なる演出体40と右側手腕部61、及び左側手腕部62を動作させることができる。即ち、複数のモータを使用しないことからモータにかかる費用を削減できる。また、演出体40の動作タイミングと、右側手腕部61、及び左側手腕部62の動作タイミングがずれないので、演出体40と右側手腕部61、及び左側手腕部62の夫々の動作を、一つのまとまった自然な動作として演出ができる。
【0058】
第一装飾面51Aから第二装飾面52Aに切り替わることによって、これまで落ち着いた表情であったキャラクタが急に興奮した表情に変化する。また、第二装飾面52Aでは、第一装飾面51Aの前側に配置されていた枠部53も無くなり、右側手腕部61及び左側手腕部62も第二装飾面52Aの下側まで移動されることから、第二装飾面52Aに摸されたキャラクタの顔がより強調される。更には、第二装飾面52Aは、第一装飾面51Aよりも前側に配置されることから、役物装置20は、下方に下げた左右の両腕を支えにして、枠部53の内側を乗り越えて前方に勢いよく飛び出すような場面をダイナミックに表現できる。
【0059】
図17に示すように、演出体40の内側では、発光基板90の第一面91が前方に向くように配置される。それ故、正面を向いている第二装飾部材52には、第一面91に設けられた複数のLED911から発せられる光が直接照射されているので、第一装飾面51Aに比べて第二装飾面52Aを強く光らせることができる。これにより、興奮したウサギのキャラクタの表情をより強調させることができる。
【0060】
このように、演出体40の内側に一枚の発光基板90を設け、該発光基板90を演出体40と一体して回転させるので、明るさの異なる第一装飾面51Aと第二装飾面52Aを遊技状態に応じて簡単に切り替えることができる。それ故、第一装飾面51Aと第二装飾面52Aの夫々に対応する複数枚の発光基板を設ける必要が無く、一枚の発光基板90で、異なる態様で発光する第一装飾面51Aと第二装飾面52Aを作り出すことができるので、発光基板にかかるコストを削減できる。
【0061】
また、第一状態から第二状態に切り替えるとき、役物装置20を正面から見た場合に、演出体40が上方から下方に回動する動作に合わせ、右側手腕部61及び左側手腕部62も上方から下方に移動する。つまり、演出体40の回動方向に合わせ、右側手腕部61及び左側手腕部62が移動し、その移動する速度もほぼ同じにできることから、演出体40の動作と、右側手腕部61及び左側手腕部62の動作とが一つのまとまりのあるキャラクタの動作として、遊技者に印象づけることができる。
【0062】
なお、詳述しないが、役物装置20を第二状態から第一状態に切り換える場合、上記動作と逆の動作を行えばよい。モータ95の出力軸951を左側面視時計回りに回転させることによって、各ギアの回転方向は反対となるので、第二状態から第一状態に切り替えることができる。
【0063】
図18図19を参照し、役物装置20を前方から見た場合において、演出体40に対して右側手腕部61及び左側手腕部62が重なる面積の差異によって生まれる視覚効果を説明する。図18に示すように、第一状態では、演出体40の前面は、第一装飾面51A及び枠部53で構成される。そして、右側手腕部61及び左側手腕部62は、その演出体40の前面の左右両側に配置され、右側の拳部611は、演出体40の前面の右側約1/4の領域に重なるように配置され、左側の拳部621は、演出体40の前面の左側約1/4の領域に重なるように配置される。大きな拳部611,621が最も手前に、且つ演出体40の前面の左右両側に重なるように配置されるので、最も奥側に配置された第一装飾面51Aよりも、拳部611,621がより強調される。ここで、第一状態における第一装飾面51A及び枠部53に対する拳部611,621の夫々の重なり面積をS1,S2とする。重なり面積S1,S2が大きいほど、第一装飾面51A及び枠部53は隠れるので、第一装飾面51Aに摸された顔は目立たなくなる。
【0064】
他方、図19に示すように、第一状態から第二状態に切り換わると、演出体40の前面は、第二装飾面52Aのみで構成される。第二装飾面52Aには、キャラクタの顔が可能な限り拡大して摸されているので、第二装飾面52Aだけでも、第一装飾面51Aに摸された顔よりも手前側に迫り出しているかのように見える。そして、右側手腕部61及び左側手腕部62は、第二装飾面52Aの下端位置まで大きく下がり、拳部611,621の殆どは、第二装飾面52Aの前面から外れた状態となる。
【0065】
ここで、第二状態における第二装飾面52Aに対する拳部611,621の夫々の重なり面積をS3,S4とする。このとき、第二状態における拳部611,621の重なり面積S3,S4は、第一状態における拳部611,621の重なり面積S1,S2に対して大幅に小さくなる。それ故、演出体40を正面から見た場合に、第二装飾面52Aを遮るものが殆ど無くなるので、右側手腕部61及び左側手腕部62よりも、第二装飾面52Aに摸された顔の方がより強調され、それまで奥側に配置されていたキャラクタの顔が、あたかも手前に迫り出して来たかのようなダイナミックな動作を効果的に演出できる。なお、重なり面積S1,S2と、重なり面積S3,S4との差異が大きければ大きい程、第二装飾面52Aに摸された顔がより強調されることが期待される。
【0066】
なお、第二状態において、右側手腕部61及び左側手腕部62を、第二装飾面52Aの下方であって、第二装飾面52Aに対して拳部611,621が重ならない位置まで大きく移動させてもよい(即ち、重なり面積S3,S4=0)。但し、その場合、右側手腕部61及び左側手腕部62と、第二装飾面52Aとの前後関係が無くなるので、右側手腕部61及び左側手腕部62の印象が薄れてしまう可能性がある。このことから、第二装飾面52Aに対して、右側手腕部61及び左側手腕部62の少なくとも一部を重なるようにするのが好ましい。これにより、第二装飾面52Aに摸された顔と、右側手腕部61及び左側手腕部62との関係性を維持しつつ、キャラクタの顔手前に迫り出して来たかのようなダイナミックな動作を効果的に演出できる。
【0067】
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機1は、役物装置20を備える。役物装置20は、演出体40、右側手腕部61、及び左側手腕部62を備える。演出体40は、遊技盤2の盤面に対して平行に延びる回転軸725,811を中心に、支持部材30によって回転可能に支持される。演出体40は軸線周りに第一装飾面51A及び第二装飾面52Aを備える。右側手腕部61は、回転軸841を中心に、支持部材30によって回動可能に支持される。左側手腕部62は、回転軸751を中心に、支持部材30によって回動可能に支持される。回転軸841,751は、回転軸725,811の軸線方向と直交する方向に延びる。
【0068】
役物装置20は、更に、モータ95、左側ギア機構70、右側ギア機構80を備える。左側ギア機構70は、第一ギア71、第二ギア72、第三ギア73、第四ギア74、第五ギア75等を備える。第一ギア71及び第二ギア72は、モータ95の動力を回転軸725に伝達する。第二ギア72、第三ギア73、第四ギア74、第五ギア75は、回転軸725の動力を回転軸751に伝達する。右側ギア機構80は、第一ギア81、第二ギア82、第三ギア83、第四ギア84を備え、回転軸725と共に回転する回転軸811の動力を回転軸841に伝達する。これにより、一つのモータ95で、回転軸の角度が互いに異なる演出体40と右側手腕部61、及び左側手腕部62を動作させることができる。即ち、複数のモータを使用しないことからモータにかかる費用を削減できる。また、演出体40の動作タイミングと、右側手腕部61、及び左側手腕部62の動作タイミングがずれないので、演出体40と右側手腕部61、及び左側手腕部62の夫々の動作を、一つのまとまった自然な動作として演出できる。
【0069】
また、上記実施形態の左側ギア機構70では、第一ギア71は平歯ギアであって、第二ギア72は、回転軸725に固定され、第一ギア71と噛合する平歯ギアであるギア部721を備える。更に、第二ギア72は、傘歯ギア部722を備え、第三ギア73は、傘歯ギア部722と噛合する傘歯ギア部731を備える。更に、第三ギア73は、平歯ギアであるギア部732を備え、該ギア部732に対して平歯ギアである第四ギア74が噛合し、該第四ギア74に対して平歯ギアである第五ギア75が噛合する。第五ギア75には回転軸725が固定される。演出体40の回転中心である回転軸725,811と、右側手腕部61の回動中心である回転軸725とは互いに交差しているが、第二ギア72の傘歯ギア部722と、第三ギア73の傘歯ギア部731とを用いることで、モータ95の動力で回転する回転軸725,811の動力を回転軸725に精度良く伝達できる。第三ギア73の傘歯ギア部731の軸と、回転軸725は互いに平行になっているので、第三ギア73の動力を、第四ギア74及び第五ギア75を介して回転軸725に伝達させ易い。
【0070】
また、上記実施形態の左側ギア機構70は、第三ギア73の動力を、回転軸725に伝達する為の第四ギア74及び第五ギア75を備えるので、第三ギア73と回転軸725が離れていても、動力を伝達させることができる。
【0071】
また、上記実施形態では、回転軸725,811は左右方向に延びているので、左右方向に長い演出体40を用いることができる。これにより、キャラクタの顔を左右方向に長い面積で表現できるので、顔の表情を明確に表現できる。また、演出体40は左右方向に長いので、上下方向の高さを短くしても顔の表情を表現できる。これにより、遊技盤2の盤面に邪魔にならないように役物装置20を配置できる。
【0072】
なお、以上説明において、演出体40が本発明の「回転体」の一例である。右側手腕部61及び左側手腕部62が本発明の「可動体」の一例である。第一装飾面51A及び第二装飾面52Aが本発明の「側面部」の一例である。回転軸725,811が本発明の「第一回転軸」の一例である。回転軸751,841が本発明の本発明の「第二回転軸」の一例である。モータ95は本発明の「駆動手段」の一例である。第一ギア71及び第二ギア72が、本発明の「第一伝達手段」の一例である。第二ギア72、第三ギア73、第四ギア74、第五ギア75が、本発明の「第二伝達手段」の一例である。第一ギア71が本発明の「第一平歯車」の一例である。第二ギア72のギア部721が本発明の「第二平歯車」の一例である。第二ギア72の傘歯ギア部722が本発明の「第一傘歯車」の一例である。第三ギア73の傘歯ギア部731が本発明の「第二傘歯車」の一例である。第三ギア73の軸が本発明の「交差軸」の一例である。第四ギア74及び第五ギア75が本発明の「複数の歯車」の一例である。
【0073】
本発明は、以上詳述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。上記実施形態の役物装置20の演出体40には、第一装飾面51A及び第二装飾面52Aの二つの側面部を備えるが、一つでもよく、三つ以上にしてもよい。さらに、第一装飾面51A及び第二装飾面52Aには、一例として、動物のキャラクタの顔を模しているが、第一装飾面51A及び第二装飾面52Aに形成するものは何でもよく、記号、又は文字等を摸してもよい。
【0074】
また、上記実施形態では、第一装飾面51A及び第二装飾面52Aに夫々形成する図形等は、同一のキャラクタの顔について表情を変えて摸しているが、自由に変更可能であって、全く異なる図形等を模してもよい。但し、第一装飾面51Aに摸される図形等と、第二装飾面52Aに摸される図形等とが、何等かの関連性があるのが好ましい。また、同一のキャラクタの顔の表情以外にも、変身前、変身後や、成長前、成長後、また更には卵と孵化した姿など、風貌等の見た目が異なるものの同一のキャラクタを示すものでもよい。さらに、右側手腕部61及び左側手腕部62の形状についても、上記実施形態と異なる形状でもよい。
【0075】
また、上記実施形態の左側ギア機構70において、第二ギア72、及び第三ギア73は、平歯ギアと傘歯ギアを連結した複合ギアであるが、平歯ギアと傘歯ギアを夫々分離したものでもよい。右側ギア機構80の第一ギア81、及び第二ギア82も同様である。
【0076】
また、上記実施形態の左側ギア機構70において、第三ギア73と回転軸751との距離に応じて、第四ギア74、第五ギア75を省略し、又はギアを追加してもよい。但し、回転軸751の回転方向を考慮して、ギアを追加、又は省略するのが好ましい。右側ギア機構80においても、第二ギア82と回転軸841との距離に応じて、第三ギア83、第四ギア84を省略し、又はギアを追加してもよい。但し、回転軸841の回転方向を考慮して、ギアを追加、又は省略するのが好ましい。
【0077】
上記実施形態の役物装置20は、右側手腕部61及び左側手腕部62を備え、キャラクタの左右の両腕を表現するが、何れか一方の片腕のみを表現してもよく、その場合、例えば、モータ95側とは反対側の右側手腕部61を省略してもよい。
【0078】
上記実施形態の演出体40は、左右方向に延びる回転軸725,811を中心に回転するものであるが、遊技盤2の盤面に対して平行に延びる回転軸であれば、回転軸が何れの方向に延びていてもよい。例えば、上下方向に延びる回転軸を中心に回転するものでもよい。
【0079】
回転軸725,811は、同軸上に互いに連結してもよく、一本の回転軸であってもよい。
【0080】
上記実施形態の発光基板90は、「発光手段」として、LED911,921を備えるが、LED以外の発光手段を備えてもよく、ルミネセンス、化学的な発光、生物学的な発光等、発光する仕組みについても限定しない。
【0081】
上記実施形態では、演出体40の第二装飾面52Aは円弧面で形成されているが、面形状はこれ以外でも、例えば平面であってもよい。
【0082】
上記実施形態の発光基板90は、第一面91及び第二面92の両面に、複数のLED911,921を備えるが、少なくとも第一面91に複数のLED911を設ければよい。第二面92の複数のLED921は省略してもよい。
【0083】
また、本実施形態では、遊技機として、遊技機の一種であるパチンコ機を例に挙げているが、遊技機はパチンコ機に限られず、パチコン機、パチスロ台等の各種の遊技機に適用可能である。
【0084】
なお、請求項、明細書および図面に記載される全ての要素(例えば、演出装置、図柄表示部、電動役物、入賞口等)は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、前記要素につけられた名称(要素名)は、単に本件の記載のために便宜上付与したにすぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。従って、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。例えば、「表示画面」は、ハード単体でも、ソフトを含んだものであっても構わない。更には、上記全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくはひとつの要素を複数の要素に分けて構成するかは、何れも当業者であれば容易に考えられる事項であり、敢えて明細書等において全パターンを記載しなくても何れのパターンも想定範囲内であることは明らかであることから、特許請求の範囲等においてそれらを明確に除外している旨の記載がない限りは、それら全てについて本発明に係る権利範囲に含まれることは言うまでもない。従って、その程度の範囲内での構成上の差異を、本実施例に記載がなされていないことを理由に遊技機に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはあたらない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施例から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。
【符号の説明】
【0085】
1 パチンコ機
2 遊技盤
40 演出体
51A 第一装飾面
52A 第二装飾面
61 右側手腕部
62 左側手腕部
725,811 回転軸
751,841 回転軸
95 モータ
71 第一ギア
72 第二ギア
73 第三ギア
74 第四ギア
75 第五ギア
721 ギア部
722 傘歯ギア部
731 傘歯ギア部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19