特許第6646329号(P6646329)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6646329
(24)【登録日】2020年1月15日
(45)【発行日】2020年2月14日
(54)【発明の名称】低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20200203BHJP
   H01L 29/786 20060101ALI20200203BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALI20200203BHJP
【FI】
   H01L29/78 612D
   H01L29/78 616A
   H01L29/78 627C
   H01L29/78 627G
   G02F1/1368
【請求項の数】16
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2018-538701(P2018-538701)
(86)(22)【出願日】2016年5月20日
(65)【公表番号】特表2019-505999(P2019-505999A)
(43)【公表日】2019年2月28日
(86)【国際出願番号】CN2016082717
(87)【国際公開番号】WO2017128565
(87)【国際公開日】20170803
【審査請求日】2018年7月24日
(31)【優先権主張番号】201610060851.4
(32)【優先日】2016年1月28日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517264292
【氏名又は名称】武漢華星光電技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】WUHAN CHINA STAR OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100143720
【弁理士】
【氏名又は名称】米田 耕一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100080252
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 征四郎
(72)【発明者】
【氏名】▲とう▼思
(72)【発明者】
【氏名】郭遠
【審査官】 岩本 勉
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2007/0026347(US,A1)
【文献】 特開2015−129941(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/142873(WO,A1)
【文献】 特開2007−053356(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0040174(US,A1)
【文献】 中国特許出願公開第1917155(CN,A)
【文献】 特開2009−170832(JP,A)
【文献】 特開2008−047891(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0194443(US,A1)
【文献】 特開2000−349300(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336
G02F 1/1368
H01L 29/786
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法であって、
その手順は、
基板を提供し、前記基板上にNMOS領域とPMOS領域を画定し、前記基板上に第1金属層を堆積し、前記第1金属層にパターニング処理を行い、NMOS領域に位置する第1遮光層及びPMOS領域に位置する第2遮光層を取得する手順1と、
前記第1遮光層と、第2遮光層と、基板上にバッファ層を形成し、前記バッファ層上にアモルファスシリコン層を堆積し、低温結晶化プロセスを採用して前記アモルファスシリコン層をポリシリコン層に転化させ、フォトマスクによってNMOS領域のポリシリコン層にチャネルドープする手順2と、
前記ポリシリコン層上にフォトレジスト層を塗布し、1つのハーフトーンフォトマスクを採用して前記フォトレジスト層を露光し、現像した後、NMOS領域に位置する第1フォトレジスト層とPMOS領域に位置する第2フォトレジスト層を取得し、前記第1フォトレジスト層は、真ん中の厚膜領域及び厚膜領域の両側に位置する薄膜領域を備え、前記第2フォトレジスト層の厚みは均等であるとともに、前記第1フォトレジスト層の厚膜領域と前記第2フォトレジスト層の厚みは同じである手順3と、
前記第1フォトレジスト層と第2フォトレジスト層を遮蔽物とし、前記ポリシリコン層にエッチングを行い、NMOS領域に位置する第1ポリシリコン部とPMOS領域に位置する第2ポリシリコン部をそれぞれ取得する手順と、
ドライエッチング装置を採用して前記第1フォトレジスト層と第2フォトレジスト層にアッシング処理を行い、前記第1フォトレジスト層上の両側に位置する薄膜領域が完全に除去されるようにすると同時に、前記第1フォトレジスト層上の真ん中に位置する厚膜領域及び第2フォトレジスト層の厚みを薄くし、残りの第1フォトレジスト層上の厚膜領域と第2フォトレジスト層をマスクとし、前記第1ポリシリコン部の両側にN型重ドープすることで、2つのN型重ドープ領域を取得する手順と、からなり、
らに、前記製造方法は、
前記第1ポリシリコン部と、第2ポリシリコン部と、バッファ層上にゲート電極絶縁層を堆積し、前記ゲート電極絶縁層上に第2金属層を堆積し、前記第2金属層にパターニング処理を行うことで、第1ポリシリコン部と第2ポリシリコン部の上方にそれぞれ対応する第1ゲート電極と第2ゲート電極を取得する手順4と、
前記第1ゲート電極をフォトマスクとし、前記第1ポリシリコン部にN型軽ドープすることで、2つのN型重ドープ領域の内側にそれぞれ位置する2つのN型軽ドープ領域を取得し、前記第1ポリシリコン部上の2つのN型軽ドープ領域の間に位置する領域に第1チャネル領域を形成する手順と、
フォトマスクによって前記第2ポリシリコン部の両側にP型重ドープすることで、2つのP型重ドープ領域を取得し、前記第2ポリシリコン部上の2つのP型重ドープ領域の間に位置する領域に第2チャネル領域を形成する手順5と、
前記第1ゲート電極と、第2ゲート電極と、ゲート電極絶縁層上に層間絶縁層を堆積し、前記層間絶縁層及びゲート電極絶縁層にパターニング処理を行うことで、前記N型重ドープ領域の上方に位置する第1ビアホール及び前記P型重ドープ領域の上方に位置する第2ビアホールを取得した後、前記層間絶縁層に脱水素処理と活性化処理を行う手順6と、
前記層間絶縁層上に第3金属層を堆積し、前記第3金属層にパターニング処理を行うことで、第1ソース電極と、第1ドレイン電極と、第2ソース電極と、第2ドレイン電極を取得し、前記第1ソース電極と、第1ドレイン電極は、第1ビアホールによってN型重ドープ領域とそれぞれ互いに接触し、前記第2ソース電極と、第2ドレイン電極は、第2ビアホールによってP型重ドープ領域とそれぞれ互いに接触する手順7と、
前記第1ソース電極と、第1ドレイン電極と、第2ソース電極と、第2ドレイン電極と、層間絶縁層上に平坦層を形成し、前記平坦層にパターニング処理を行うことで、前記第
1ドレイン電極上方に位置する第3ビアホールを取得する手順8と、
前記平坦層上に第1透明導電酸化物層を堆積し、前記第1透明導電酸化物層にパターニング処理を行うことで、共通電極を取得する手順9と、
前記共通電極と、平坦層上に不動態化保護層を堆積し、前記不動態化保護層が前記平坦層上の第3ビアホールを覆った後、前記不動態化保護層にパターニング処理を行うことで、前記第3ビアホールの底部に位置する不動態化保護層上の第4ビアホールを取得する手順10と、
前記不動態化保護層上に第2透明導電酸化物層を堆積し、前記第2透明導電酸化物層にパターニング処理を行うことで、画素電極を取得し、前記画素電極は、第4ビアホールによって第1ドレイン電極と互いに接触する手順11と、からなり、
前記手順1において、NMOS領域に位置する前記第1遮光層のチャネル方向の幅と、PMOS領域に位置する前記第2遮光層のチャネル方向の幅と、は互い同じであり、
さらに、前記手順3において、前記第1フォトレジスト層の前記厚膜領域は前記第1遮光層の真上にあって、かつ、前記第1フォトレジスト層の前記厚膜領域のチャネル方向の幅は、前記第1遮光層のチャネル方向の幅と同じである
ことを特徴とする低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法において、
前記手順2において、前記低温結晶化プロセスは、エキシマレーザアニールまたは金属誘起横方向結晶化である
ことを特徴とする低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載の低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法において、
前記手順2において、前記チャネルドープの具体的な操作は、前記ポリシリコン層上にフォトレジスト層を塗布し、フォトマスクによってフォトレジスト層を露光し、現像し、NMOS領域に位置するフォトレジスト層を除去した後、NMOS領域全体のポリシリコン層にP型軽ドープする
ことを特徴とする低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法。
【請求項4】
請求項1に記載の低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法において、
前記手順6において、急速熱アニールプロセスを採用して前記層間絶縁層に脱水素処理と活性化処理を行う
ことを特徴とする低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法。
【請求項5】
請求項1に記載の低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法において、
前記基板は、ガラス基板であり、前記第1金属層、第2金属層、第3金属層の材料は、モリブデン、チタン、アルミニウム、銅のうちの1つまたは複数のスタックの組み合わせであり、前記バッファ層、ゲート電極絶縁層、層間絶縁層、及び不動態化保護層は、酸化シリコン層、窒化シリコン層、または酸化シリコン層と窒化シリコン層が重なり合って構成された複合層であり、前記平坦層は、有機フォトレジスト材料である
ことを特徴とする低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法。
【請求項6】
請求項1に記載の低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法において、
前記第1透明導電酸化物層と、第2透明導電酸化物層の材料は、金属酸化物である
ことを特徴とする低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載の低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法において、
前記金属酸化物は、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、アルミニウムスズ酸化物、アルミニウム亜鉛酸化物、またはインジウムゲルマニウム亜鉛酸化物である
ことを特徴とする低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法。
【請求項8】
請求項1に記載の低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法において、
前記N型重ドープ、N型軽ドープにおいてドープされたイオンは、リンイオンまたはヒ素イオンである
ことを特徴とする低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法。
【請求項9】
請求項3に記載の低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法において、
前記P型重ドープ、P型軽ドープにおいてドープされたイオンは、ホウ素イオンまたはガリウムイオンである
ことを特徴とする低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法。
【請求項10】
低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法であって、
その手順は、
基板を提供し、前記基板上にNMOS領域とPMOS領域を画定し、前記基板上に第1金属層を堆積し、前記第1金属層にパターニング処理を行い、NMOS領域に位置する第1遮光層及びPMOS領域に位置する第2遮光層を取得する手順1と、
前記第1遮光層と、第2遮光層と、基板上にバッファ層を形成し、前記バッファ層上にアモルファスシリコン層を堆積し、低温結晶化プロセスを採用して前記アモルファスシリコン層をポリシリコン層に転化させ、フォトマスクによってNMOS領域のポリシリコン層にチャネルドープする手順2と、
前記ポリシリコン層上にフォトレジスト層を塗布し、1つのハーフトーンフォトマスクを採用して前記フォトレジスト層を露光し、現像した後、NMOS領域に位置する第1フォトレジスト層とPMOS領域に位置する第2フォトレジスト層を取得し、前記第1フォトレジスト層は、真ん中の厚膜領域及び厚膜領域の両側に位置する薄膜領域を備え、前記第2フォトレジスト層の厚みは均等であるとともに、前記第1フォトレジスト層の厚膜領域と前記第2フォトレジスト層の厚みは同じである手順3と、
前記第1フォトレジスト層と第2フォトレジスト層を遮蔽物とし、前記ポリシリコン層にエッチングを行い、NMOS領域に位置する第1ポリシリコン部とPMOS領域に位置する第2ポリシリコン部をそれぞれ取得する手順と、
ドライエッチング装置を採用して前記第1フォトレジスト層と第2フォトレジスト層にアッシング処理を行い、前記第1フォトレジスト層上の両側に位置する薄膜領域が完全に除去されるようにすると同時に、前記第1フォトレジスト層上の真ん中に位置する厚膜領域及び第2フォトレジスト層の厚みを薄くし、残りの第1フォトレジスト層上の厚膜領域と第2フォトレジスト層をマスクとし、前記第1ポリシリコン部の両側にN型重ドープすることで、2つのN型重ドープ領域を取得する手順と、からなり、
さらに、前記製造方法は、
前記第1ポリシリコン部と、第2ポリシリコン部と、バッファ層上にゲート電極絶縁層を堆積し、前記ゲート電極絶縁層上に第2金属層を堆積し、前記第2金属層にパターニング処理を行うことで、第1ポリシリコン部と第2ポリシリコン部の上方にそれぞれ対応する第1ゲート電極と第2ゲート電極を取得する手順4と、
前記第1ゲート電極をフォトマスクとし、前記第1ポリシリコン部にN型軽ドープすることで、2つのN型重ドープ領域の内側にそれぞれ位置する2つのN型軽ドープ領域を取得し、前記第1ポリシリコン部上の2つのN型軽ドープ領域の間に位置する領域に第1チャネル領域を形成する手順と、
フォトマスクによって前記第2ポリシリコン部の両側にP型重ドープすることで、2つのP型重ドープ領域を取得し、前記第2ポリシリコン部上の2つのP型重ドープ領域の間に位置する領域に第2チャネル領域を形成する手順5と、
前記第1ゲート電極と、第2ゲート電極と、ゲート電極絶縁層上に層間絶縁層を堆積し、前記層間絶縁層及びゲート電極絶縁層にパターニング処理を行うことで、前記N型重ドープ領域の上方に位置する第1ビアホール及び前記P型重ドープ領域の上方に位置する第2ビアホールを取得した後、前記層間絶縁層に脱水素処理と活性化処理を行う手順6と、
前記層間絶縁層上に第3金属層を堆積し、前記第3金属層にパターニング処理を行うことで、第1ソース電極と、第1ドレイン電極と、第2ソース電極と、第2ドレイン電極を取得し、前記第1ソース電極と、第1ドレイン電極は、第1ビアホールによってN型重ドープ領域とそれぞれ互いに接触し、前記第2ソース電極と、第2ドレイン電極は、第2ビアホールによってP型重ドープ領域とそれぞれ互いに接触する手順7と、
前記第1ソース電極と、第1ドレイン電極と、第2ソース電極と、第2ドレイン電極と、層間絶縁層上に平坦層を形成し、前記平坦層にパターニング処理を行うことで、前記第1ドレイン電極上方に位置する第3ビアホールを取得する手順8と、
前記平坦層上に第1透明導電酸化物層を堆積し、前記第1透明導電酸化物層にパターニング処理を行うことで、共通電極を取得する手順9と、
前記共通電極と、平坦層上に不動態化保護層を堆積し、前記不動態化保護層が前記平坦層上の第3ビアホールを覆った後、前記不動態化保護層にパターニング処理を行うことで、前記第3ビアホールの底部に位置する不動態化保護層上の第4ビアホールを取得する手
順10と、
前記不動態化保護層上に第2透明導電酸化物層を堆積し、前記第2透明導電酸化物層にパターニング処理を行うことで、画素電極を取得し、前記画素電極は、第4ビアホールによって第1ドレイン電極と互いに接触する手順11と、からなり、
そのうち、前記手順2において、前記低温結晶化プロセスは、エキシマレーザアニールまたは金属誘起横方向結晶化であり、
そのうち、前記手順2において、前記チャネルドープの具体的な操作は、前記ポリシリコン層上にフォトレジスト層を塗布し、フォトマスクによってフォトレジスト層を露光し、現像し、NMOS領域に位置するフォトレジスト層を除去した後、NMOS領域全体のポリシリコン層にP型軽ドープするものであり、
さらに、
前記手順1において、NMOS領域に位置する前記第1遮光層のチャネル方向の幅と、PMOS領域に位置する前記第2遮光層のチャネル方向の幅と、は互い同じであり、
さらに、前記手順3において、前記第1フォトレジスト層の前記厚膜領域は前記第1遮光層の真上にあって、かつ、前記第1フォトレジスト層の前記厚膜領域のチャネル方向の幅は、前記第1遮光層のチャネル方向の幅と同じである
ことを特徴とする低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法。
【請求項11】
請求項10に記載の低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法において、
前記手順6において、急速熱アニールプロセスを採用して前記層間絶縁層に脱水素処理と活性化処理を行う
ことを特徴とする低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法。
【請求項12】
請求項10に記載の低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法において、
前記基板は、ガラス基板であり、前記第1金属層、第2金属層、第3金属層の材料は、モリブデン、チタン、アルミニウム、銅のうちの1つまたは複数のスタックの組み合わせであり、前記バッファ層、ゲート電極絶縁層、層間絶縁層、及び不動態化保護層は、酸化シリコン層、窒化シリコン層、または酸化シリコン層と窒化シリコン層が重なり合って構成された複合層であり、前記平坦層は、有機フォトレジスト材料である
ことを特徴とする低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法。
【請求項13】
請求項10に記載の低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法において、
前記第1透明導電酸化物層と、第2透明導電酸化物層の材料は、金属酸化物である
ことを特徴とする低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法。
【請求項14】
請求項13に記載の低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法において、
前記金属酸化物は、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、アルミニウムスズ酸化物、アルミニウム亜鉛酸化物、またはインジウムゲルマニウム亜鉛酸化物である
ことを特徴とする低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法。
【請求項15】
請求項10に記載の低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法において、
前記N型重ドープ、N型軽ドープにおいてドープされたイオンは、リンイオンまたはヒ素イオンである
ことを特徴とする低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法。
【請求項16】
請求項10に記載の低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法において、
前記P型重ドープ、P型軽ドープにおいてドープされたイオンは、ホウ素イオンまたはガリウムイオンである
ことを特徴とする低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイの技術分野に関し、特に、低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表示技術の発展に伴い、液晶表示装置(Liquid Crystal Display、LCD)等の平面表示装置は、高画質、省エネ、機体が薄い、応用範囲が広い等の長所があるため、携帯電話、テレビ、携帯情報端末、デジタルカメラ、ノートパソコン、デスクトップパソコン等の各種消費型電子製品に、幅広く適用されており、表示装置における主流となっている。
【0003】
従来市場における液晶表示装置のほとんどは、液晶表示パネル及びバックライトモジュール(backlight module)を含むバックライト型液晶表示装置である。液晶表示パネルの動作原理は、2枚の平行したガラス基板の間に液晶分子を配置し、2枚のガラス基板の間には複数の垂直及び平行した微細な配線が多くあり、通電の有無によって液晶分子の変化する方向を制御し、バックライトモジュールの光線が屈折して出ることで画面が現れる。
【0004】
通常液晶表示パネルは、カラーフィルタ(CF、Color Filter)基板と、薄膜トランジスタ(TFT、Thin Film Transistor)基板と、カラーフィルタ基板と薄膜トランジスタ基板の間に挟まれた液晶(LC、Liquid Crystal)と、シール剤の枠(Sealant)とからなり、一般にその成型プロセスは、初期段階であるアレイ(Array)製造工程(薄膜、フォトリソグラフィ、エッチング及びフィルムの剥離)と、中盤段階であるセル(Cell)製造工程(TFT基板とCF基板を貼り合わせる)と、終盤段階であるモジュール組立製造工程(IC駆動とプリント基板の圧接)と、からなる。そのうち、初期段階であるArray製造工程では、主にTFT基板を形成することで、液晶分子の動きを制御しやすくする。中盤段階であるCell製造工程は、主にTFT基板とCF基板の間に液晶を添加する。終盤段階であるモジュール組立製造工程は、主にIC圧接とプリント基板の整合を行い、さらに、液晶分子を動かして、画像を表示する。
【0005】
低温ポリシリコン(Low Temperature Poly Silicon、LTPS)は、中型小型の電子製品に幅広く使用されている液晶表示技術である。従来のアモルファスシリコン材料の電子移動度は、約0.5−1.0cm/V.Sであるのに対し、低温ポリシリコンの電子移動度は、30−300cm/V.Sに達する。従って、低温ポリシリコン液晶表示装置は、高い解析度、速い反応速度、高い開口率等の多くの長所を備える。
【0006】
しかしながら、一方で、LTPS半導体の部品は、体積が小さく、集積度が高いため、LTPSアレイ基板全体の製造工程は複雑で、生産コストが比較的高い。
【0007】
現在のLTPSアレイ基板の製造プロセスにおいて、ポリシリコン(Poly−si)層のパターニング、NMOS(Negative channel Metal Oxide Semiconductor、N型金属酸化物半導体)部品のチャネル(channel)のドープ、NMOS部品のN型重ドープ(N+ドープ)は、それぞれ1つのフォトマスクを必要とし、具体的な手順は以下の通りである。
【0008】
図1に示す通り、ポリシリコン層にフォトレジスト層200を塗布し、第1フォトマスクによってフォトレジスト層200を露光し、現像した後、残りのフォトレジスト層200を遮蔽物とし、ポリシリコン層にエッチングを行うことにより、NMOS領域に位置する第1ポリシリコン部300と、PMOS(Positive channel Metal Oxide Semiconductor、P型金属酸化物半導体)領域に位置する第2ポリシリコン部400を取得する。
【0009】
図2に示す通り、前記第1ポリシリコン部300と、第2ポリシリコン部400上にフォトレジスト層500を塗布し、第2フォトマスクによってフォトレジスト層500を露光し、現像した後、PMOS領域の第2ポリシリコン部400が残りのフォトレジスト層500によって遮蔽されるようにし、NMOS領域の第1ポリシリコン部300にチャネルドープする。
【0010】
図3に示す通り、前記第1ポリシリコン部300と、第2ポリシリコン部400上にフォトレジスト層600を塗布し、第3フォトマスクによってフォトレジスト層600を露光し、現像した後、PMOS領域の第2ポリシリコン部400及びNMOS領域の第1ポリシリコン部300の間の領域が残りのフォトレジスト層600によって遮蔽されるようにし、NMOS領域の第1ポリシリコン部300の両端にN型重ドープする。
【0011】
上述の製造工程を完成させるには、合計3つのフォトマスクの製造工程が必要であり、製造工程は、面倒であり、生産コストが高い。従って、前記技術問題の解決のため、低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、1つのハーフトーンフォトマスクを採用することによって、従来技術と比較して、ポリシリコン層のパターニング処理及びNMOS領域のポリシリコン部のN型重ドープ製造工程におけるフォトマスクを1つ減らすことにより、生産コストの低減を実現する低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述の目的を実現するため、本発明は、以下の手順からなる低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法を提供する。
【0014】
手順1は、基板を提供し、前記基板上にNMOS領域とPMOS領域を画定し、前記基板上に第1金属層を堆積し、前記第1金属層にパターニング処理を行い、NMOS領域に位置する第1遮光層及びPMOS領域に位置する第2遮光層を取得する。
【0015】
手順2は、前記第1遮光層と、第2遮光層と、基板上にバッファ層を形成し、前記バッファ層上にアモルファスシリコン層を堆積し、低温結晶化プロセスを採用して前記アモルファスシリコン層をポリシリコン層に転化させ、フォトマスクによってNMOS領域のポリシリコン層にチャネルドープする。
【0016】
手順3は、前記ポリシリコン層上にフォトレジスト層を塗布し、1つのハーフトーンフォトマスクを採用して前記フォトレジスト層を露光し、現像した後、NMOS領域に位置する第1フォトレジスト層とPMOS領域に位置する第2フォトレジスト層を取得する。前記第1フォトレジスト層は、真ん中の厚膜領域及び厚膜領域の両側に位置する薄膜領域を備え、前記第2フォトレジスト層の厚みは均等であるとともに、前記第1フォトレジスト層の厚膜領域と前記第2フォトレジスト層の厚みは同じである。
【0017】
前記第1フォトレジスト層と第2フォトレジスト層を遮蔽物とし、前記ポリシリコン層にエッチングを行い、NMOS領域に位置する第1ポリシリコン部とPMOS領域に位置する第2ポリシリコン部をそれぞれ取得する。
【0018】
ドライエッチング装置を採用して前記第1フォトレジスト層と第2フォトレジスト層にアッシング処理を行い、前記第1フォトレジスト層上の両側に位置する薄膜領域が完全に除去されるようにすると同時に、前記第1フォトレジスト層上の真ん中に位置する厚膜領域及び第2フォトレジスト層の厚みを薄くする。残りの第1フォトレジスト層上の厚膜領域と第2フォトレジスト層をマスクとし、前記第1ポリシリコン部の両側にN型重ドープすることで、2つのN型重ドープ領域を取得する。
【0019】
さらに、以下の手順を備える。
【0020】
手順4は、前記第1ポリシリコン部と、第2ポリシリコン部と、バッファ層上にゲート電極絶縁層を堆積し、前記ゲート電極絶縁層上に第2金属層を堆積し、前記第2金属層にパターニング処理を行うことで、第1ポリシリコン部と第2ポリシリコン部の上方にそれぞれ対応する第1ゲート電極と第2ゲート電極を取得する。
【0021】
前記第1ゲート電極をフォトマスクとし、前記第1ポリシリコン部にN型軽ドープすることで、2つのN型重ドープ領域の内側にそれぞれ位置する2つのN型軽ドープ領域を取得し、前記第1ポリシリコン部上の2つのN型軽ドープ領域の間に位置する領域に第1チャネル領域を形成する。
【0022】
手順5は、フォトマスクによって前記第2ポリシリコン部の両側にP型重ドープすることで、2つのP型重ドープ領域を取得し、前記第2ポリシリコン部上の2つのP型重ドープ領域の間に位置する領域に第2チャネル領域を形成する。
【0023】
手順6は、前記第1ゲート電極と、第2ゲート電極と、ゲート電極絶縁層上に層間絶縁層を堆積し、前記層間絶縁層及びゲート電極絶縁層にパターニング処理を行うことで、前記N型重ドープ領域の上方に位置する第1ビアホール及び前記P型重ドープ領域の上方に位置する第2ビアホールを取得した後、前記層間絶縁層に脱水素処理と活性化処理を行う。
【0024】
手順7は、前記層間絶縁層上に第3金属層を堆積し、前記第3金属層にパターニング処理を行うことで、第1ソース電極と、第1ドレイン電極と、第2ソース電極と、第2ドレイン電極を取得する。前記第1ソース電極と、第1ドレイン電極は、第1ビアホールによってN型重ドープ領域とそれぞれ互いに接触し、前記第2ソース電極と、第2ドレイン電極は、第2ビアホールによってP型重ドープ領域とそれぞれ互いに接触する。
【0025】
手順8は、前記第1ソース電極と、第1ドレイン電極と、第2ソース電極と、第2ドレイン電極と、層間絶縁層上に平坦層を形成し、前記平坦層にパターニング処理を行うことで、前記第1ドレイン電極上方に位置する第3ビアホールを取得する。
【0026】
手順9は、前記平坦層上に第1透明導電酸化物層を堆積し、前記第1透明導電酸化物層にパターニング処理を行うことで、共通電極を取得する。
【0027】
手順10は、前記共通電極と、平坦層上に不動態化保護層を堆積し、前記不動態化保護層が前記平坦層上の第3ビアホールを覆った後、前記不動態化保護層にパターニング処理を行うことで、前記第3ビアホールの底部に位置する不動態化保護層上の第4ビアホールを取得する。
【0028】
手順11は、前記不動態化保護層上に第2透明導電酸化物層を堆積し、前記第2透明導電酸化物層にパターニング処理を行うことで、画素電極を取得する。前記画素電極は、第4ビアホールによって第1ドレイン電極と互いに接触する。
【0029】
前記手順2において、前記低温結晶化プロセスは、エキシマレーザアニールまたは金属誘起横方向結晶化である。
【0030】
前記手順2において、前記チャネルドープの具体的な操作は、前記ポリシリコン層上にフォトレジスト層を塗布し、フォトマスクによってフォトレジスト層を露光し、現像する。NMOS領域に位置するフォトレジスト層を除去した後、NMOS領域全体のポリシリコン層にP型軽ドープする。
【0031】
前記手順6において、急速熱アニールプロセスを採用して前記層間絶縁層に脱水素処理と活性化処理を行う。
【0032】
前記基板は、ガラス基板である。前記第1金属層、第2金属層、第3金属層の材料は、モリブデン、チタン、アルミニウム、銅のうちの1つまたは複数のスタックの組み合わせである。前記バッファ層、ゲート電極絶縁層、層間絶縁層、及び不動態化保護層は、酸化シリコン層、窒化シリコン層、または酸化シリコン層と窒化シリコン層が重なり合って構成された複合層である。前記平坦層は、有機フォトレジスト材料である。
【0033】
前記第1透明導電酸化物層と、第2透明導電酸化物層の材料は、金属酸化物である。
【0034】
前記金属酸化物は、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、アルミニウムスズ酸化物、アルミニウム亜鉛酸化物、またはインジウムゲルマニウム亜鉛酸化物である。
【0035】
前記N型重ドープ、N型軽ドープにおいてドープされたイオンは、リンイオンまたはヒ素イオンである。
【0036】
前記P型重ドープ、P型軽ドープにおいてドープされたイオンは、ホウ素イオンまたはガリウムイオンである。
【0037】
本発明は、さらに、以下の手順からなる低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法を提供する。
【0038】
手順1は、基板を提供し、前記基板上にNMOS領域とPMOS領域を画定し、前記基板上に第1金属層を堆積し、前記第1金属層にパターニング処理を行い、NMOS領域に位置する第1遮光層及びPMOS領域に位置する第2遮光層を取得する。
【0039】
手順2は、前記第1遮光層と、第2遮光層と、基板上にバッファ層を形成し、前記バッファ層上にアモルファスシリコン層を堆積し、低温結晶化プロセスを採用して前記アモルファスシリコン層をポリシリコン層に転化させ、フォトマスクによってNMOS領域のポリシリコン層にチャネルドープする。
【0040】
手順3は、前記ポリシリコン層上にフォトレジスト層を塗布し、1つのハーフトーンフォトマスクを採用して前記フォトレジスト層を露光し、現像した後、NMOS領域に位置する第1フォトレジスト層とPMOS領域に位置する第2フォトレジスト層を取得する、前記第1フォトレジスト層は、真ん中の厚膜領域及び厚膜領域の両側の薄膜領域を備え、前記第2フォトレジスト層の厚みは均等であるとともに、前記第1フォトレジスト層の厚膜領域と前記第2フォトレジスト層の厚みは同じである。
【0041】
前記第1フォトレジスト層と第2フォトレジスト層を遮蔽物とし、前記ポリシリコン層にエッチングを行い、NMOS領域に位置する第1ポリシリコン部とPMOS領域に位置する第2ポリシリコン部をそれぞれ取得する。
【0042】
ドライエッチング装置を採用して前記第1フォトレジスト層と第2フォトレジスト層にアッシング処理を行い、前記第1フォトレジスト層上の両側に位置する薄膜領域が完全に除去されるようにすると同時に、前記第1フォトレジスト層上の真ん中に位置する厚膜領域及び第2フォトレジスト層の厚みを薄くする。残りの第1フォトレジスト層上の厚膜領域と第2フォトレジスト層をマスクとし、前記第1ポリシリコン部の両側にN型重ドープすることで、2つのN型重ドープ領域を取得する。
【0043】
さらに、以下の手順を備える。
【0044】
手順4は、前記第1ポリシリコン部と、第2ポリシリコン部と、バッファ層上にゲート電極絶縁層を堆積し、前記ゲート電極絶縁層上に第2金属層を堆積し、前記第2金属層にパターニング処理を行うことで、第1ポリシリコン部と第2ポリシリコン部の上方にそれぞれ対応する第1ゲート電極と第2ゲート電極を取得する。
【0045】
前記第1ゲート電極をフォトマスクとし、前記第1ポリシリコン部にN型軽ドープすることで、2つのN型重ドープ領域の内側にそれぞれ位置する2つのN型軽ドープ領域を取得し、前記第1ポリシリコン部上の2つのN型軽ドープ領域の間に位置する領域に第1チャネル領域を形成する。
【0046】
手順5は、フォトマスクによって前記第2ポリシリコン部の両側にP型重ドープすることで、2つのP型重ドープ領域を取得し、前記第2ポリシリコン部上の2つのP型重ドープ領域の間に位置する領域に第2チャネル領域を形成する。
【0047】
手順6は、前記第1ゲート電極と、第2ゲート電極と、ゲート電極絶縁層上に層間絶縁層を堆積し、前記層間絶縁層及びゲート電極絶縁層にパターニング処理を行うことで、前記N型重ドープ領域の上方に位置する第1ビアホール及び前記P型重ドープ領域の上方に位置する第2ビアホールを取得した後、前記層間絶縁層に脱水素処理と活性化処理を行う。
【0048】
手順7は、前記層間絶縁層上に第3金属層を堆積し、前記第3金属層にパターニング処理を行うことで、第1ソース電極と、第1ドレイン電極と、第2ソース電極と、第2ドレイン電極を取得する。前記第1ソース電極と、第1ドレイン電極は、第1ビアホールによってN型重ドープ領域とそれぞれ互いに接触し、前記第2ソース電極と、第2ドレイン電極は、第2ビアホールによってP型重ドープ領域とそれぞれ互いに接触する。
【0049】
手順8は、前記第1ソース電極と、第1ドレイン電極と、第2ソース電極と、第2ドレイン電極と、層間絶縁層上に平坦層を形成し、前記平坦層にパターニング処理を行うことで、前記第1ドレイン電極上方に位置する第3ビアホールを取得する。
【0050】
手順9は、前記平坦層上に第1透明導電酸化物層を堆積し、前記第1透明導電酸化物層にパターニング処理を行うことで、共通電極を取得する。
【0051】
手順10は、前記共通電極と、平坦層上に不動態化保護層を堆積し、前記不動態化保護層が前記平坦層上の第3ビアホールを覆った後、前記不動態化保護層にパターニング処理を行うことで、前記第3ビアホールの底部に位置する不動態化保護層上の第4ビアホールを取得する。
【0052】
手順11は、前記不動態化保護層上に第2透明導電酸化物層を堆積し、前記第2透明導電酸化物層にパターニング処理を行うことで、画素電極を取得する。前記画素電極は、第4ビアホールによって第1ドレイン電極と互いに接触する。
【0053】
そのうち、前記手順2において、前記低温結晶化プロセスは、エキシマレーザアニールまたは金属誘起横方向結晶化である。
【0054】
そのうち、前記手順2において、前記チャネルドープの具体的な操作は、前記ポリシリコン層上にフォトレジスト層を塗布し、フォトマスクによってフォトレジスト層を露光し、現像する。NMOS領域に位置するフォトレジスト層を除去した後、NMOS領域全体のポリシリコン層にP型軽ドープする。
【発明の効果】
【0055】
本発明が提供する低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法は、1つのハーフトーンフォトマスクを採用することによって、従来技術と比較して、ポリシリコン層のパターニング処理及びNMOS領域のポリシリコン部のN型重ドープ製造工程におけるフォトマスクを1つ減らすことにより、生産コストの低減を実現するとともに、製造された低温ポリシリコンアレイ基板は、優れた電気的性能を備える。
【0056】
本発明の特徴及び技術内容をさらに分かりやすくするため、以下に本発明に関する詳しい説明と図を参照する。しかしながら、図は参考と説明のためにのみ提供するものであって、本発明に制限を加えるためのものではない。
【図面の簡単な説明】
【0057】
以下に図と組み合わせて、本発明の具体的な実施方法を詳述することによって、本発明の技術案及びその他の有利な効果をさらに明らかにする。
図1】従来の低温ポリシリコンアレイ基板の製造工程においてポリシリコン層に行うパターニング処理を示した図である。
図2】従来の低温ポリシリコンアレイ基板の製造工程においてNMOS領域のポリシリコン層に行うチャネルドープを示した図である。
図3】従来の低温ポリシリコンアレイ基板の製造工程においてNMOS領域のポリシリコン層に行うN型重ドープを示した図である。
図4】本発明の低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法における手順1を示した図である。
図5】本発明の低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法における手順2を示した図である。
図6A】本発明の低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法における手順3を示した図である。
図6B】本発明の低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法における手順3を示した図である。
図6C】本発明の低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法における手順3を示した図である。
図7】本発明の低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法における手順4を示した図である。
図8】本発明の低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法における手順5を示した図である。
図9】本発明の低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法における手順6を示した図である。
図10】本発明の低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法における手順7を示した図である。
図11】本発明の低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法における手順8を示した図である。
図12】本発明の低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法における手順9を示した図である。
図13】本発明の低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法における手順10を示した図である。
図14】本発明の低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法における手順11を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
本発明が採用した技術手段及びその効果をさらに詳しく説明するため、以下に本発明の好ましい実施例及び図を添えて詳述する。
【0059】
図4図14を参照する。本発明は、以下の手順からなる低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法を提供する。
【0060】
図4に示す通り、手順1は、基板10を提供し、前記基板10上にNMOS領域とPMOS領域を画定し、前記基板10上に第1金属層を堆積し、前記第1金属層にパターニング処理を行うことで、NMOS領域に位置する第1遮光層21及びPMOS領域に位置する第2遮光層22を取得する。
【0061】
図5に示す通り、手順2は、前記第1遮光層21と、第2遮光層22と、基板10上にバッファ層30を形成し、前記バッファ層30上にアモルファスシリコン層を堆積し、低温結晶化プロセスを採用して前記アモルファスシリコン層をポリシリコン層31に転化させ、フォトマスクによってNMOS領域のポリシリコン層31にチャネルドープする。
【0062】
具体的には、前記低温結晶化プロセスは、エキシマレーザアニール(Excimer Laser Annealing、ELA)または金属誘起横方向結晶化(Metal Induced lateral Crystallization、 MILC)等であることができる。
【0063】
具体的には、前記チャネルドープの具体的な操作は、前記ポリシリコン層31上にフォトレジスト層32を塗布し、フォトマスクによってフォトレジスト層32を露光し、現像する。NMOS領域に位置するフォトレジスト層32を除去した後、NMOS領域全体のポリシリコン層31にP型軽ドープする。
【0064】
図6Aに示す通り、手順3は、前記ポリシリコン層31上にフォトレジスト層を塗布し、1つのハーフトーン(Half−Tone)フォトマスクを採用して前記フォトレジスト層を露光し、現像した後、NMOS領域に位置する第1フォトレジスト層33とPMOS領域に位置する第2フォトレジスト層34を取得する。前記第1フォトレジスト層33は、真ん中の厚膜領域331及び厚膜領域331の両側に位置する薄膜領域332を備え、前記第2フォトレジスト層34の厚みは均等であるとともに、前記第1フォトレジスト層33の厚膜領域331と前記第2フォトレジスト層34の厚みは同じである。
【0065】
図6Bに示す通り、前記第1フォトレジスト層33と第2フォトレジスト層34を遮蔽物とし、前記ポリシリコン層31にエッチングを行い、NMOS領域に位置する第1ポリシリコン部40とPMOS領域に位置する第2ポリシリコン部90をそれぞれ取得する。
【0066】
図6Cに示す通り、ドライエッチング装置を採用して前記第1フォトレジスト層33と第2フォトレジスト層34にアッシング(ashing)処理を行い、前記第1フォトレジスト層33上の両側に位置する薄膜領域332が完全に除去されるようにすると同時に、前記第1フォトレジスト層33上の真ん中に位置する厚膜領域331及び第2フォトレジスト層34の厚みを薄くする。残りの第1フォトレジスト層33上の厚膜領域331と第2フォトレジスト層34をマスクとし、前記第1ポリシリコン部40の両側にN型重ドープすることで、2つのN型重ドープ領域41を取得する。
【0067】
具体的には、前記手順3は、1つのハーフトーンフォトマスクを採用してポリシリコン層31のパターニング及び第1ポリシリコン部40のN型重ドープを実現し、従来技術と比較してフォトマスクを1つ減らすことによって、生産コストを低減する。
【0068】
図7に示す通り、手順4は、前記第1ポリシリコン部40と、第2ポリシリコン部90と、バッファ層30上にゲート電極絶縁層51を堆積し、前記ゲート電極絶縁層51上に第2金属層を堆積し、前記第2金属層にパターニング処理を行うことで、第1ポリシリコン部40と第2ポリシリコン部90の上方にそれぞれ対応する第1ゲート電極52と第2ゲート電極93を取得する。
【0069】
前記第1ゲート電極52をフォトマスクとし、前記第1ポリシリコン部40にN型軽ドープすることで、2つのN型重ドープ領域41の内側にそれぞれに位置する2つのN型軽ドープ領域43を取得し、前記第1ポリシリコン部40上の2つのN型軽ドープ領域43の間に位置する領域に第1チャネル領域42を形成する。
【0070】
図8に示す通り、手順5は、フォトマスクによって前記第2ポリシリコン部90の両側にP型重ドープすることで、2つのP型重ドープ領域91を取得し、前記第2ポリシリコン部90上の2つのP型重ドープ領域91の間に位置する領域に第2チャネル領域92を形成する。
【0071】
図9に示す通り、手順6は、前記第1ゲート電極52と、第2ゲート電極93と、ゲート電極絶縁層51上に層間絶縁層53を堆積し、前記層間絶縁層53及びゲート電極絶縁層51にパターニング処理を行うことで、前記N型重ドープ領域41の上方に位置する第1ビアホール55及び前記P型重ドープ領域91の上方に位置する第2ビアホール95を取得した後、前記層間絶縁層53に脱水素処理と活性化処理を行う。
【0072】
具体的には、急速熱アニールプロセス(RTA、Rapid Thermal Annealing)を採用して前記層間絶縁層53に脱水素処理と活性化処理を行う。
【0073】
図10に示す通り、手順7は、前記層間絶縁層53上に第3金属層を堆積し、前記第3金属層にパターニング処理を行うことで、第1ソース電極61と、第1ドレイン電極62と、第2ソース電極96と、第2ドレイン電極97を取得する。前記第1ソース電極61と、第1ドレイン電極62は、第1ビアホール55によってN型重ドープ領域41とそれぞれ互いに接触し、前記第2ソース電極96と、第2ドレイン電極97は、第2ビアホール95によってP型重ドープ領域91とそれぞれ互いに接触する。
【0074】
図11に示す通り、手順8は、前記第1ソース電極61と、第1ドレイン電極62と、第2ソース電極96と、第2ドレイン電極97と、層間絶縁層53上に平坦層70を形成し、前記平坦層70にパターニング処理を行うことで、前記第1ドレイン電極62の上方に位置する第3ビアホール71を取得する。
【0075】
図12に示す通り、手順9は、前記平坦層70上に第1透明導電酸化物層を堆積し、前記第1透明導電酸化物層にパターニング処理を行うことで、共通電極80を取得する。
【0076】
図13に示す通り、手順10は、前記共通電極80と、平坦層70上に不動態化保護層81を堆積し、前記不動態化保護層81が前記平坦層70上の第3ビアホール71を覆った後、前記不動態化保護層81にパターニング処理を行うことで、前記第3ビアホール71の底部に位置する不動態化保護層81上の第4ビアホール85を取得する。
【0077】
図14に示す通り、手順11は、前記不動態化保護層81上に第2透明導電酸化物層を堆積し、前記第2透明導電酸化物層にパターニング処理を行うことで、画素電極82を取得する。前記画素電極82は、第4ビアホール85によって第1ドレイン電極62と互いに接触する。
【0078】
具体的には、前記基板10は透明基板であり、ガラス基板であることが好ましい。
【0079】
具体的には、前記第1金属層、第2金属層、第3金属層の材料は、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)のうちの1つまたは複数のスタックの組み合わせである。
【0080】
具体的には、前記バッファ層30、ゲート電極絶縁層51、層間絶縁層53、及び不動態化保護層81は、酸化シリコン(SiO)層、窒化シリコン(SiN)層、または酸化シリコン層と窒化シリコン層が重なり合って構成された複合層である。
【0081】
具体的には、前記平坦層70は有機フォトレジスト材料である。
【0082】
具体的には、前記第1透明導電酸化物層と、第2透明導電酸化物層の材料は、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、アルミニウムスズ酸化物、アルミニウム亜鉛酸化物、インジウムゲルマニウム亜鉛酸化物、またはその他の適当な酸化物といった金属酸化物である。
【0083】
具体的には、前記P型重ドープ、P型軽ドープにおいてドープされたイオンは、ホウ素イオンまたはガリウムイオンである。
【0084】
具体的には、前記N型重ドープ、N型軽ドープにおいてドープされたイオンは、リンイオンまたはヒ素イオンである。
【0085】
要約すると、本発明が提供する低温ポリシリコンアレイ基板の製造方法は、1つのハーフトーンフォトマスクを採用することによって、従来技術と比較して、ポリシリコン層のパターニング処理及びNMOS領域のポリシリコン部のN型重ドープ製造工程におけるフォトマスクを1つ減らすことにより、生産コストの低減を実現するとともに、製造された低温ポリシリコンアレイ基板は、優れた電気的性能を備える。
【0086】
上述は、本分野の一般の技術者からすると、本発明の技術案と技術構想に基づいてその他の各種対応する変化や変形を作り出すことができるため、これら全ての変化や変形は全て本発明の特許請求範囲に属するものとする。
【符号の説明】
【0087】
200、500、600 フォトレジスト層
300 第1ポリシリコン部
400 第2ポリシリコン部
10 基板
21 第1遮光層
22 第2遮光層
30 バッファ層
31 ポリシリコン層
32 フォトレジスト層
33 第1フォトレジスト層
34 第2フォトレジスト層
331 厚膜領域
332 薄膜領域
40 第1ポリシリコン部
41 N型重ドープ領域
42 第1チャネル領域
43 N型軽ドープ領域
51 ゲート電極絶縁層
52 第1ゲート電極
53 層間絶縁層
55 第1ビアホール
61 第1ソース電極
62 第1ドレイン電極
70 平坦層
71 第3ビアホール
80 共通電極
81 不動態化保護層
82 画素電極
85 第4ビアホール
90 第2ポリシリコン部
91 P型重ドープ領域
92 第2チャネル領域
93 第2ゲート電極
95 第2ビアホール
96 第2ソース電極
97 第2ドレイン電極
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14