(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6646387
(24)【登録日】2020年1月15日
(45)【発行日】2020年2月14日
(54)【発明の名称】電気モータ
(51)【国際特許分類】
H02K 13/00 20060101AFI20200203BHJP
H02K 9/06 20060101ALI20200203BHJP
【FI】
H02K13/00 T
H02K9/06 C
【請求項の数】10
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-175542(P2015-175542)
(22)【出願日】2015年9月7日
(65)【公開番号】特開2016-59272(P2016-59272A)
(43)【公開日】2016年4月21日
【審査請求日】2018年7月6日
(31)【優先権主張番号】201410452501.3
(32)【優先日】2014年9月5日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518263944
【氏名又は名称】ジョンソン エレクトリック インターナショナル アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ウェン リャン リー
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ チン シク ラウ
(72)【発明者】
【氏名】クウォン イップ プーン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ヨウ ワン
(72)【発明者】
【氏名】ジ ドン チャイ
【審査官】
津久井 道夫
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−153487(JP,A)
【文献】
特開2013−055880(JP,A)
【文献】
特開2010−035272(JP,A)
【文献】
特開2014−045624(JP,A)
【文献】
実開平03−111157(JP,U)
【文献】
特開2005−012982(JP,A)
【文献】
特開2003−111340(JP,A)
【文献】
特開2001−157411(JP,A)
【文献】
実開平01−162761(JP,U)
【文献】
特開2003−061315(JP,A)
【文献】
特開2000−184664(JP,A)
【文献】
実開昭58−127860(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 13/00
H02K 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気モータのためのブラシアセンブリであって、ブラシホルダと、該ブラシホルダに摺動自在に取り付けられたブラシとを備え、前記ブラシホルダは、ブラシホルダプレートと、該ブラシホルダプレートから延びる側部とを有し、前記ブラシは、円弧状であるとともに、前記ブラシホルダプレートに接触する第1の面と、前記ブラシホルダの前記側部に接触する第2の面とを有し、前記ブラシホルダの前記側部は、前記ブラシの前記第2の面に接触する複数のリブを有し、前記複数のリブは、前記ブラシホルダに対して前記ブラシが移動する方向において互いに離間している、
ことを特徴とするブラシアセンブリ。
【請求項2】
前記ブラシホルダの前記側部の隣接するリブ間に貫通穴が形成される、
請求項1に記載のブラシアセンブリ。
【請求項3】
前記ブラシに接触する前記リブの表面は湾曲面である、
請求項1又は2に記載のブラシアセンブリ。
【請求項4】
前記ブラシホルダプレートは、前記ブラシの前記第1の面と位置合わせされた、前記ブラシホルダプレートを貫通する複数の開口部を定める、
請求項1、2又は3に記載のブラシアセンブリ。
【請求項5】
前記ブラシホルダプレートは、前記ブラシの前記第1の面を支持する、前記ブラシの形状に対応する形状を有する少なくとも2つの細長い突起部を有する、
請求項4に記載のブラシアセンブリ。
【請求項6】
前記ブラシホルダプレートの前記開口部の少なくとも一部は、前記2つの細長い突起部の間に形成される、
請求項5に記載のブラシアセンブリ。
【請求項7】
前記ブラシは、モータの整流子に接触するための第1の端部と、前記第1の端部に対向する第2の端部とを有し、前記ブラシアセンブリは、前記ブラシの前記第2の端部に接触して前記ブラシを該ブラシの前記第1の端部の方に付勢する弾性要素をさらに備える、
請求項1から6のいずれか1項に記載のブラシアセンブリ。
【請求項8】
ステータと、該ステータに対して回転自在なロータと、該ロータに固定された整流子と、該整流子に係合する、請求項1から7のいずれか1項に記載のブラシアセンブリとを備える、
ことを特徴とする電気モータ。
【請求項9】
請求項8に記載のモータと、該モータによって駆動されるファンとを備える、
ことを特徴とする送風機。
【請求項10】
前記ブラシアセンブリは、前記モータの前記ステータと前記ファンとの間に配置され、前記ステータはステータ巻線を有し、前記ブラシホルダは、前記ステータ巻線と位置合わせされた開口部を定め、前記ブラシアセンブリは、前記ファンに隣接する前記モータの軸端に配置される、
請求項9に記載の送風機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気モータに関し、特に、湾曲した又は弓形のブラシを有する電気モータのためのブラシアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
電気モータのための既知のブラシアセンブリでは、モータの動作中、整流子の表面にブラシが当接することによってロータの巻線に電力が供給される。ブラシは、整流子に比べて相対的に摩耗しやすい炭素系材料で形成される。炭素ブラシが著しく摩耗した場合には、ブラシと整流子の間の接触が弱くなり、これが電力の送達に影響を与え、このためモータの異常動作が生じることがある。従って、炭素ブラシの使用寿命を延ばすことが望ましい。ブラシの寿命は、高温に影響される。モータの動作中には、ブラシとその他の構成部品、特に整流子との間の摩擦によって大量の熱が生じる。ブラシを流れる電流も熱を生じる。従って、炭素ブラシからの放熱を高めることによってブラシの寿命を延ばすことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このため、ブラシ寿命の長いブラシアセンブリに対する要望がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
従って、本発明は、その1つの態様では、電気モータのためのブラシアセンブリであって、ブラシホルダと、ブラシホルダに摺動自在に取り付けられたブラシとを備え、ブラシホルダは、ブラシホルダプレートと、ブラシホルダプレートから延びる側部とを有し、ブラシは円弧状であるとともに、ブラシホルダプレートに接触する第1の面と、ブラシホルダの側部に接触する第2の面とを有し、ブラシホルダの側部は、ブラシの第2の面に接触する複数のリブを有するブラシアセンブリを提供する。
【0005】
ブラシホルダの側部の隣接するリブ間には、貫通穴が形成されることが好ましい。
【0006】
ブラシに接触するリブの表面は、湾曲面であることが好ましい。
【0007】
ブラシホルダプレートは、ブラシの第1の面と位置合わせされた、ブラシホルダプレートを貫通する複数の開口部を定めることが好ましい。
【0008】
ブラシホルダプレートは、ブラシの第1の面を支持する、ブラシの形状に対応する形状を有する少なくとも2つの細長い突起部を有することが好ましい。
【0009】
ブラシホルダプレートの開口部の少なくとも一部は、2つの細長い突起部の間に形成されることが好ましい。
【0010】
ブラシは、モータの整流子に接触するための第1の端部と、第1の端部に対向する第2の端部とを有し、ブラシアセンブリは、ブラシの第2の端部に接触してブラシをその第1の端部の方に付勢する弾性要素をさらに備えることが好ましい。
【0011】
第2の態様によれば、本発明は、ステータ巻線を有するステータと、ステータに対して回転自在なロータと、ロータに固定された整流子と、整流子に係合する上述したブラシアセンブリとを備えた電気モータを提供する。
【0012】
第3の態様によれば、本発明は、上述したモータと、このモータによって駆動されるファンとを備えた送風機を提供する。
【0013】
ブラシアセンブリは、ステータとファンの間に配置され、ステータはステータ巻線を有し、ブラシホルダは、ステータ巻線と位置合わせされた開口部を定め、ブラシアセンブリは、ファンに隣接するモータの軸端に配置されることが好ましい。
【0014】
以下、添付図面の図を参照しながら、本発明の好ましい実施形態をほんの一例として説明する。図では、複数の図に出現する同一の構造、要素又は部品には、一般にこれらが出現する全ての図において同じ参照番号を付している。一般に、図に示す構成要素及び特徴部の寸法は、表現の便宜上明瞭にするために選択したものであり、必ずしも縮尺通りではない。以下、各図を列挙する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】1つの実施形態による、モータを組み込んだ送風機の外側ハウジングを取り外した斜視図である。
【
図2】
図1の送風機のブラシアセンブリ及び整流子の平面図である。
【
図3】
図2のブラシアセンブリの一部を拡大した斜視図である。
【
図4】
図3のブラシアセンブリの一部であるブラシホルダ部品の斜視図である。
【
図6】第2の実施形態による送風機の斜視図である。
【
図8】
図6の送風機の外側ハウジングを取り外した斜視図である。
【
図9】
図6の送風機のブラシアセンブリ及び整流子の斜視図である。
【
図10】
図9のブラシアセンブリのブラシホルダを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本発明の1つの実施形態による、モータを組み込んだ送風機の斜視図である。この送風機は、外側ハウジング及びシュラウドを省いて示している。送風機10は、モータ12と、モータ12によって駆動されるファン14とを含む。モータ12は、シャフト16を有するロータを含み、ファン14は、シャフト16に固定して取り付けられる。ロータは、ロータ巻線に接続された整流子18を含む。整流子18には、ブラシアセンブリ20が係合してロータ巻線に電力を給電する。ファン14は、ブラシアセンブリ20に隣接するモータ12の軸端に取り付けられる。この構成は、ブラシアセンブリ20をファン14に近付けることにより、ファン14によって発生した空気流をブラシアセンブリ20の冷却に使用してブラシアセンブリ20の放熱を高めることができる。
【0017】
図2は、
図1のブラシアセンブリ及び整流子の平面図である。
図3は、ブラシアセンブリの一部を拡大した斜視図である。ブラシアセンブリ20は、ブラシホルダ22と、ブラシホルダ22に取り付けられたブラシ24とを含む。ブラシアセンブリ20のブラシは、整流子18に摺動自在に接触する。図示の実施形態では、ブラシホルダ22が、2つの別個のブラシホルダ部品を含む。ブラシ24の数は、ブラシホルダ部品の数に等しく、各ブラシ24は、ブラシホルダ部品のうちの対応する一方に取り付けられる。分割された又は独立タイプのブラシホルダ22の1つの利点は、ブラシホルダ22の材料コストを削減できる点である。他の実施形態では、ブラシホルダ22を、複数のブラシホルダ部分を有する一体型ブラシホルダとし、それぞれのブラシホルダ部分にブラシ24を取り付けることもできる。
【0018】
図示の実施形態では、各ブラシ24が円弧状である。この円弧形状は、直線状のブラシに比べて同じ長さ空間内における実際のブラシの長さを増大させ、従ってブラシの寿命を効果的に引き延ばす。ブラシ24は、モータ12の整流子18に接触する第1の端部26と、第1の端部26に対向する第2の端部28とを含む。ブラシアセンブリ20は、各ブラシ24を整流子の方に付勢して接触させる弾性要素30をさらに含む。従って、ブラシ24の第1の端部26が摩耗するにつれ、弾性要素30がブラシ24を整流子18の方に押し、ブラシ24と整流子18の間の電気的接触が維持されるようになる。
【0019】
図3を参照すると、図示の実施形態では、弾性要素30が、各ブラシに1つずつの2つの捩りバネ30である。捩りバネ30は、コイル部分32と、コイル部分32から延びる2つの端部34、36とを含む。コイル部分32は、ブラシホルダ22上の位置決めポスト38の周囲に取り付けられる。捩りバネ30の一端34は、ブラシホルダ22上の固定ポスト40に固定され、他端36は、ブラシ24の第2の端部28に接続又は当接して、ブラシ24を第1の端部26の方に付勢する。ブラシの第2の端部28は、バネの他端を受け入れるための溝42を有することが好ましい。
【0020】
捩りバネ30は、別の好適な方法で取り付けることもできると理解されたい。例えば、コイル部分32が位置決めポスト38に対して回転できないように、コイル部分32を位置決めポスト38に固定することができる。この場合、端部34をブラシホルダ22に固定するための固定ポスト38又は別の構造は不要である。
【0021】
上記の実施形態では、弾性要素を捩りバネ30として示したが、弾性要素は、ブラシを整流子に接触するように付勢する限り、別のタイプの弾性要素として実装することもできると理解されたい。
【0022】
図4は、一方のブラシホルダ部品の斜視図であり、
図5は、このブラシホルダ部品の平面図である。ブラシホルダ22は、ブラシホルダプレート44、ブラシホルダプレート44から延びる側部46、及びブラシホルダ取り付け部分48を含む。
【0023】
ブラシホルダ取り付け部分48は、取り付け穴50を有する。ブラシホルダ22は、取り付け穴50を貫通するネジなどの締結具によって送風機10の外側ハウジング73(
図6)に固定される。図示の実施形態では、ファン14とブラシアセンブリ20の間に散気装置51が配置される。
【0024】
ブラシ24は円弧状であり、ブラシホルダプレート44に接触する第1の面52と、ブラシホルダの側部46に接触する第2の面54とを含む。図示の実施形態では、第1の面52が、ブラシ24の底面である。他のいくつかの実施形態では、モータの配向に応じて第1の面52をブラシの上面とすることもできる。第2の面54は、ブラシ24の側面である。ブラシ24は円弧状なので、ブラシ24の側面54も円弧面である。ブラシホルダの側部46は、ブラシ24の方に突出する複数のリブ56を含み、これらのリブ56は、ブラシ24の側面54に接触する。ブラシ24の側面54には、側部46全体ではなくリブ56が接触するので接触面積が減少し、これによって可動ブラシとブラシホルダの側部46との間の摩擦、従って摩擦から生じる熱の量が効果的に減少する。これによってブラシの動きがスムーズになり、ブラシの側面54の摩耗が減少し、従ってブラシの寿命が延びる。
【0025】
また、図示の実施形態では、リブ56が湾曲した接触面を有し、これによってブラシ24の摩耗をさらに低減することができる。
【0026】
図示の実施形態では、隣接するリブ56間に貫通穴58が形成される。これにより、モータ12の動作中にブラシ24によって生じた熱をより良好に放散することができる。特に、図示の送風機10の用途では、モータ12のブラシアセンブリ20に近い側にファン14が配置される。この結果、ファン12によって発生した空気流がこれらの貫通穴58を通過し、ブラシ24全体に流れてブラシ24の熱を放散することができる。
【0027】
図示の実施形態では、ブラシホルダプレート44が、ブラシ24の底面52を支持するための複数の細長い突起部60を有する。細長い突起部60は、ブラシの円弧形状に対応する円弧形状を有する。細長い突起部60を設けることにより、ブラシホルダプレートとブラシ24の底面52との間の摩擦、及びこの摩擦から生じる熱が減少し、これによりブラシの動きがスムーズになってブラシの底面52の摩耗が減少し、従ってブラシ24の寿命が延びる。細長い突起部60は、ブラシの底面52をブラシホルダプレートの上面(すなわちブラシの底面52に面する側の面)から一定距離だけ離間させ、このこともブラシ24の放熱を容易にする。また、細長い突起部60は、ブラシ24の動きを誘導するためのレールとして機能することもできる。
【0028】
さらに、図示の実施形態では、ブラシ24の底面に面するブラシホルダプレート44に、ブラシホルダプレート44を貫通する複数の開口部62が定められる。ファン14によって発生した空気流は開口部64を通過し、ブラシ24全体に流れてその熱を放散することができる。これらの開口部62は、突起部60に沿って分布する。この実施形態では、各ブラシ24に対応する2つの突起部60が形成される。開口部62の一部は、2つの突起部60の間に定められ、残りの開口部62は、2つの突起部60の外側に定められる。
【0029】
上記の実施形態では2つの突起部60を示しているが、突起部60の数は特定の数に限定されるものではないと理解されたい。開口部62が突起部60に沿って配置される場合、本発明では、これらの開口部がブラシ24から熱を放散するように空気流を誘導できる限り、開口部の数及び位置に関する制約について記載しない。
【0030】
ブラシホルダの側部46には、ブラシ24の上面を位置付けるための複数のガイドブロック45が形成される。ブラシホルダ22の整流子に近い一端には、ブラシ24の一端が貫通して延びて整流子18に摺動自在に接触することを可能にする窓47が形成される。ガイドブロック45、窓47及びブラシホルダプレート44は、ブラシ24の軸方向におけるブラシ24の動きを制限するように協働する。
【0031】
図6〜
図10に、別の実施形態による送風機を示す。
図6〜
図8を参照すると、送風機70が、モータ72と、モータ72によって駆動されるファン74とを含む。モータ72は、ステータ76と、ステータ76に対して回転自在なロータ78と、ロータ78に固定された整流子80と、整流子80に係合するブラシアセンブリ81とを含む。ステータ76は、ステータ巻線82を含む。ブラシアセンブリ81は、ブラシホルダ84と、ブラシホルダ84に取り付けられたブラシ86とを含む。ブラシ86と整流子80の係合については上記の実施形態で説明したので、ここではその説明を繰り返さない。
【0032】
ブラシアセンブリ81は、ステータ76とファン74の間に配置される。ブラシホルダ84は、ステータ巻線82と位置合わせされた少なくとも1つの開口部88(
図9及び
図10)を定める。これにより、ファン74によって発生した空気流がこれらの開口部88を流れてステータ巻線82の熱を放散することができる。
【0033】
図示の実施形態では、ブラシホルダ84がブラシ86とステータ76の間に配置され、ブラシ86がファン74とブラシホルダ84の間に配置されている。この結果、ファン74によって発生した空気流がブラシ86から熱を放散することができる。同時に、上述したように、空気流の一部は、ブラシホルダ84の開口部88を流れてステータ巻線からの熱を放散することができる。
【0034】
ブラシホルダ84は、ブラシホルダプレート90と、ブラシホルダプレート90から延びる側部92とを含む。側部92には、ブラシ86に接触する複数のリブ94が形成される。隣接するリブ94間には貫通穴が形成される。このため、ブラシ86及びブラシホルダの側部92は互いに非連続的に接触し、これによってブラシ86とブラシホルダ84の間の接触面積が減少し、従ってこれらの間の摩擦が減少する。任意に、ブラシホルダプレート90上に細長い突起部96が形成され、突起部96の周囲に開口部98が形成される。側部92のブラシホルダプレート90から離れた頂部には、複数のガイドブロック95が形成される。ブラシホルダ84の整流子80に近い一端には窓97が形成される。ブラシホルダプレート90、側部92、リブ94、ガイドブロック95、突起部96、窓97及び開口部98の構成及び機能は、前の実施形態のものと同じにすることができ、ここではその説明を繰り返さない。
【0035】
この実施形態では、ブラシホルダ84を、2つのブラシホルダ部分を有する一体型ブラシホルダ84として示している。各ブラシホルダ部分には、ブラシホルダプレート90を貫通する開口部88が定められる。開口部88の数は、特定の数に限定されるものではないと理解されたい。他のいくつかの実施形態では、ブラシホルダプレート90を、前の実施形態で説明したような分割型ブラシホルダとすることもできる。
【0036】
ブラシホルダ84の側部92とブラシ86の間には間隙99が形成される。ブラシホルダプレート90の側部92とブラシ86の間の部分には、1又はそれ以上の貫通穴100が定められる。ブラシホルダプレート90内の貫通穴100、及びリブ94間の貫通穴は、これらを空気流が流れてブラシ86の側面の熱を放散することができる。この実施形態では、リブ94の存在によってブラシホルダの側部92とブラシ86の間の間隙99が形成されている。この間隙は、別の方法で形成することもできると理解されたい。
【0037】
要約すれば、本発明は、送風機、モータ、及びモータのブラシアセンブリを提供する。ブラシとブラシホルダプレートの間、及び/又はブラシとブラシホルダの側部との間の接触面積を減少させることによってブラシの寿命を効果的に延ばすことができる。ブラシホルダの側部の隣接するリブ間に貫通穴を形成し、ブラシに面するブラシホルダプレートを貫いて開口部を形成し、ファンに近いモータの端部にブラシを配置することによってブラシの放熱が大幅に高められ、従ってブラシの寿命が延びる。同時に、ブラシホルダプレートにステータと位置合わせされた開口部を定めることにより、ファンによって発生した空気流を用いてステータ巻線からの熱を放散させ、これによってモータの放熱を効果的に高めることができる。また、分割型ブラシホルダは、ブラシホルダの材料コストを削減する。
【0038】
本出願の明細書及び特許請求の範囲では、記述する項目又は特徴の存在を明示する一方でさらなる項目又は特徴の存在を排除しないように、「備える、含む、有する(comprise、include、contain及びhave)」という動詞、並びにその派生形の各々を包括的な意味で使用している。
【0039】
明確化のために別個の実施形態の文脈で説明した本発明のいくつかの特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供することもできると理解されたい。これとは逆に、簡潔さを期すために単一の実施形態の文脈で説明した本発明の様々な特徴を別個に、又はいずれかの好適な下位の組み合わせで提供することもできる。
【0040】
上述した実施形態はほんの一例にすぎず、当業者には、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲から逸脱することなく、他の様々な修正が明らかになるであろう。
【符号の説明】
【0041】
24 ブラシ
26 ブラシの第1の端部
28 ブラシの第2の端部
30 弾性要素(捩りバネ)
32 コイル部分
34 弾性要素の一端
36 弾性要素の他端
38 位置決めポスト
40 固定ポスト
42 溝
45 ガイドブロック
47 窓
52 ブラシの第1の面
54 ブラシの第2の面