(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0027】
まず、
図1を用いて、本実施形態に係る訪問介護支援システム1の構成について説明する。
【0028】
訪問介護支援システム1は、介助者による被介護者の訪問介護を支援するものである。ここで、被介護者とは、訪問介護サービスを利用し、介助作業を受ける者である。また、介助者とは、訪問介護サービス事業者に属し、被介護者に訪問介護サービスを提供する(被介護者の介助作業を行う)者(いわゆるホームヘルパー)である。本実施形態では、介助作業の一例として、被介護者の排便の介助を想定している。訪問介護支援システム1は、主として排便予測装置10、施解錠装置20、サービス情報入出力装置30、解錠キー40、携帯機器50、位置検知装置60、表示装置70及び制御装置80を具備する。
【0029】
排便予測装置10は、被介護者の排便を予測するものである。排便予測装置10は、被介護者の生体情報に基づいて当該被介護者の排便(大便の排泄)を予測することができる。具体的には、排便予測装置10は、超音波センサを用いて被介護者の腸の動きを測定することで、被介護者が何分後に排便するかを予測することができる。排便予測装置10は、被介護者の腸の動きと排便のタイミングを学習することで、排便の予測の精度を高めることもできる。排便予測装置10は、被介護者の身体(腹部等)に装着される。
【0030】
施解錠装置20は、所定の場合に被介護者の居宅Hの出入口Dに設けられた錠前を施錠又は解錠するものである。施解錠装置20は、後述する解錠キー40による操作に基づいて、出入口Dの錠前を解錠する。また、施解錠装置20は、解錠キー40による操作を受け付ける解錠許可状態、又は解錠キー40による操作を受け付けない解錠拒否状態のいずれか一方に切り替えることができる。施解錠装置20は、解錠許可状態に切り替えられている場合、解錠キー40による操作に基づいて出入口Dの錠前を解錠する。施解錠装置20は、解錠拒否状態に切り替えられている場合、解錠キー40による操作が行われても、出入口Dの錠前を解錠しない。
【0031】
サービス情報入出力装置30は、訪問介護サービスに関する各種の情報を入出力可能なものである。サービス情報入出力装置30は、任意の情報を入力可能な操作部と、任意の情報を出力(表示)可能な表示部と、が一体になったタッチパネル等により構成される。サービス情報入出力装置30は、被介護者の居宅Hに設けられる。サービス情報入出力装置30は、被介護者やその家族等によって操作される。
【0032】
解錠キー40は、施解錠装置20を操作するためのものである。解錠キー40としては、一般的な鍵のほか、カードキー等を用いることができる。施解錠装置20が解錠許可状態に切り替えられた状態で、解錠キー40を用いて当該施解錠装置20を操作することにより、出入口Dの錠前を解錠することができる。なお、解錠キー40による操作とは、例えば当該解錠キー40が一般的な鍵(ブレード部分と頭部からなるもの)である場合には、当該解錠キー40を施解錠装置20の鍵穴に差し込んで回転させる操作であり、当該解錠キー40がカードキーである場合には、当該解錠キー40を施解錠装置20の読み取り部にかざす操作である。解錠キー40は、訪問介護サービス事業者の拠点Bに配置され、必要に応じて介助者が携帯することができる。拠点Bは、介助作業を行っていない介助者が待機したり、訪問介護サービス事業者に属するその他のスタッフ(事務員等)が仕事をするための施設である。
【0033】
携帯機器50は、訪問介護サービスに関する各種の情報を入出力可能なものである。携帯機器50は、介助者が携帯可能な大きさに構成される。携帯機器50は、任意の情報を入力可能な操作部と、任意の情報を出力(表示)可能な表示部と、が一体になったタッチパネル等により構成される。例えば、携帯機器50として介助者が携帯可能かつ通信可能な携帯情報端末(スマートフォン)等を用いることができる。
【0034】
位置検知装置60は、介助者の位置を検知するものである。位置検知装置60は、介助者の現在の位置を検知して、当該位置に関する情報を発信することができる。具体的には、位置検知装置60は、GPS(Global Positioning System)を用いて介助者の位置を検知することができる。介助者は、被介護者の居宅Hを訪問する際には、当該位置検知装置60を携帯する。
【0035】
表示装置70は、訪問介護サービスに関する各種の情報を表示可能なものである。表示装置70は、任意の情報を表示可能な液晶ディスプレイ等により構成される。表示装置70は、拠点Bに設けられる。表示装置70は、拠点Bで待機している介助者やスタッフに視認可能な位置に配置される。
【0036】
制御装置80は、種々の情報に基づいて訪問介護支援システム1の各部の動作を制御するものである。制御装置80は、主としてCPU等の演算処理装置、RAMやROM等の記憶装置、I/O等の入出力装置、並びにモニター等の表示装置等により構成される。制御装置80には、訪問介護支援システム1の動作を制御するための種々の情報やプログラム等が予め記憶される。制御装置80は、任意の場所(例えば、訪問介護サービス事業者の本社や拠点B等)に配置される。制御装置80は、有線又は無線によって、排便予測装置10、施解錠装置20、サービス情報入出力装置30、携帯機器50、位置検知装置60及び表示装置70と接続され、種々の情報(信号)のやり取りを行うことができる。
【0037】
次に、
図2を用いて、上述の如く構成された訪問介護支援システム1の制御態様について説明する。訪問介護支援システム1は、
図2に示すような制御を行うことで、被介護者の介助作業が必要な場合にだけ、解錠キー40による出入口Dの解錠を可能とすることができる。
【0038】
なお、
図2においては、制御態様の理解を助けるために、各ステップにおける制御の主体又は対象となる機器名を上部に記載している。また、前提として、施解錠装置20は解錠拒否状態に切り替えられているものとする。
【0039】
まず排便予測装置10が、被介護者がT分後に排便する(排便のT分前である)ことを予測する(ステップS101)。ここで、Tは任意に設定することができる値である。Tの値は、介助者が被介護者の居宅Hを訪問するのに要する時間等を考慮して予め設定される。排便予測装置10は、被介護者の排便を予測すると、当該予測に関する情報(T分後に排便が予測されること)を制御装置80に伝達する。
【0040】
制御装置80は、排便予測装置10からの情報を受けると、介助者の介助作業が必要であると判断し、現在、訪問介護サービス(以下、「サービス」と称する)の提供時間内であるか否かを判定する(ステップS102)。サービスの提供時間とは、訪問介護サービス事業者と被介護者との間の契約で定められているサービスの提供時間である。当該サービスの提供時間は予め任意に定めることができる。例えば、21時から翌日の7時までをサービスの提供時間として定めれば、夜間(被介護者の家族が就寝する時間帯)の介助作業を介助者に行ってもらうことができる。
【0041】
制御装置80は、現在、サービスの提供時間内ではないと判定した場合(ステップS102でNo)、被介護者の居宅Hに設けられたサービス情報入出力装置30に、「サービスの提供時間外(契約時間外)であるが、サービスを希望するか否か」を問い合わせる画面を表示させる(ステップS103)。これは、提供時間外のサービスを例外的に希望するか否か、被介護者やその家族(以下、「被介護者等」と称する)の意思を確認するためである。被介護者等は、サービス情報入出力装置30を用いて、サービスを希望するか否か回答する。なお、契約時間外のサービスを希望するか否かを、予め制御装置80やサービス情報入出力装置30に設定しておくことも可能である。
【0042】
被介護者等がサービスを希望しないと回答した場合(ステップS103でNo)、制御装置80は本制御を終了する。この場合、被介護者の介助作業はその家族等が行うことになる。
【0043】
制御装置80は、現在、サービスの提供時間内であると判定した場合(ステップS102でYes)、又は被介護者等がサービスを希望すると回答した場合(ステップS103でYes)には、施解錠装置20を解錠許可状態に切り替える(ステップS104)。また制御装置80は、拠点Bに設けられた表示装置70に、被介護者の居宅Hへの訪問(サービス)を要請する旨の画面を表示させる(ステップS105)。この際、制御装置80は、サービスの要請と併せて、被介護者の排便の予測時間(T分後である旨)も表示装置70に表示させる。
【0044】
拠点Bの表示装置70でサービスの要請(ステップS105参照)を確認した介助者は、拠点Bに配置された解錠キー40を持って被介護者の居宅Hへと移動する。この際、介助者は、被介護者の排便の予測時間に極力間に合うように(間に合わない場合であっても、極力早く)、居宅Hへと移動する。居宅Hに到着した介助者は、解錠キー40を用いて施解錠装置20を操作する。
【0045】
施解錠装置20は、解錠キー40による操作が行われた際に、解錠許可状態(ステップS104参照)に切り替えられている場合には(ステップS106でYes)、出入口Dの錠前を解錠する(ステップS107)。一方、施解錠装置20は、解錠キー40による操作が行われた際に、解錠拒否状態のままである場合には(ステップS106でNo)、出入口Dの錠前を解錠しない(ステップS108)。
【0046】
このように、介助作業が必要な場合(ステップS102でYes、又はステップS103でYes)にのみ解錠キー40による出入口Dの解錠が可能となる。すなわち、介助者は、介助作業が不要なときには居宅Hへと入室することができないため、居宅Hの防犯性を高めることができる。
【0047】
施解錠装置20は、出入口Dの錠前を解錠した場合(ステップS107)、その旨を制御装置80に伝達する。制御装置80は、施解錠装置20から出入口Dの錠前を解錠した旨が伝達されると、当該出入口Dが解錠された時刻を記録する(ステップS109)。
【0048】
このように出入口Dが解錠された時刻を記録することで、制御装置80は異常の発生を検知することができる。具体的には、解錠された時刻から所定時間(介助作業完了までに必要と思われる時間)が経過しても、介助作業が完了した旨の信号(後述のステップS110等参照)を受信しない場合には、制御装置80は何らかの異常(介助作業のトラブルの発生や、介助者による違法行為等)が発生したと判断することができる。この場合、制御装置80はスタッフにその旨を報知する等して、被介護者の安全を確保することができる。
【0049】
また、施解錠装置20によって出入口Dの錠前が解錠されると(ステップS107)、介助者は当該出入口Dから居宅H内へと入る(入室する)ことができる。当該介助者は、居宅H内の被介護者に対して介助作業を行う。具体的には、介助者は、排便予測装置10によって予測された被介護者の排便の介助を行う。介助者は、被介護者の介助作業が完了すると、当該被介護者の居宅Hから退出する。
【0050】
介助者は、居宅Hから退出した後で、携帯機器50を操作し、被介護者の介助作業が完了した旨を当該携帯機器50に入力する。携帯機器50は、その旨の信号を制御装置80へと発信する(ステップS110)。
【0051】
制御装置80は、携帯機器50から介助作業が完了した旨の信号を受信すると、拠点Bに設けられた表示装置70にその旨(被介護者の介助作業(サービス)が完了した旨)の画面を表示させる(ステップS111)。これによって、拠点Bに待機している他の介助者やスタッフが、介助作業が完了したことを認識することができる。
【0052】
また制御装置80は、位置検知装置60からの情報(介助者の位置に関する情報)を受信し、介助者が被介護者の居宅Hの外にいるか否かを判定する(ステップS112)。
【0053】
制御装置80は、介助者が居宅Hの中にいると判定した場合(ステップS112でNo)、制御装置80は介助者が携帯している携帯機器50に、被介護者の居宅Hから退室するように促す画面(以下、「退室誘導画面」と称する)を表示させる(ステップS113)。また制御装置80は、位置検知装置60からの情報(介助者の位置に関する情報)の記録を開始する(ステップS113)。これによって、介助者の居宅H内での行動(移動の様子)を記録し、介助作業に関係のない行動(例えば、介助作業とは関係ない部屋の移動等)をとっていないか、後で確認することができる。
【0054】
制御装置80は、携帯機器50に退室誘導画面を表示させてから所定時間(例えば、10分)経過するまで(ステップS114でNo)、介助者が居宅Hから退室しなかった場合には(ステップS112でNo)、当該退室誘導画面の表示及び介助者の位置に関する情報の記録(ステップS113)を継続する。ステップS114における所定時間は、任意に設定することができる。
【0055】
制御装置80は、携帯機器50に退室誘導画面を表示させてから所定時間経過した場合(ステップS114でYes)、拠点Bに設けられた表示装置70に、異常が発生していることを報知する警告画面を表示させる(ステップS115)。当該異常とは、介助作業が完了したにもかかわらず、介助者が被介護者の居宅Hから退室していないことを意味する。
【0056】
警告画面を見たスタッフは、被介護者の居宅Hを訪問し、安全確認を行う。具体的には、当該スタッフは、介助者が被介護者に危害を加えていないか、被介護者の居宅Hで窃盗等の違法行為を行っていないか等を確認する。また当該スタッフは、介助者を速やかに被介護者の居宅Hから退室させる。
【0057】
居宅Hの安全確認が完了した後、スタッフは携帯機器50(又は、その他の通信機器)を操作し、被介護者の居宅Hの安全確認が完了した旨を当該携帯機器50に入力する。携帯機器50は、その旨の信号を制御装置80へと発信する(ステップS116)。
【0058】
制御装置80は、携帯機器50から安全確認が完了した旨の信号を受信した場合(ステップS116)、又は介助者が居宅Hの外にいると判定した場合(ステップS112でYes)には、施解錠装置20に出入口Dの錠前を施錠させる(ステップS117)。また制御装置80は、施解錠装置20を解錠拒否状態に切り替える(ステップS117)。これによって、介助作業が完了した後では、解錠キー40による出入口Dの解錠ができなくなり、介助者は自由に居宅H内へ入室することができなくなる。
【0059】
このように、被介護者の介助作業が必要な場合(ステップS102でYes、又はステップS103でYes)にだけ、解錠キー40による出入口Dの解錠が可能となり(ステップS104)、介助者はその時にだけ居宅Hへと入室することができる。言い換えれば、被介護者の介助作業が必要でない場合には、介助者は解錠キー40を持っていても居宅Hへと入室することができない。このように、解錠キー40を有する介助者の入室を適宜制限することで、居宅Hの防犯性を高めることができる。
【0060】
また、被介護者の介助作業が完了したにもかかわらず介助者が居宅Hから退室しない場合(ステップS112でNo)には、当該介助者に退室を促す(ステップS113)ことができる。これによって、介助者による違法行為(窃盗等)を未然に防止することができる。また、当該介助者の位置に関する情報を記録する(ステップS113)ことができる。これによって、当該介助者による違法行為の有無の確認がし易くなる。
【0061】
さらに、介助者が居宅Hから退室しない場合(ステップS114でYes)には、他のスタッフに異常が発生していることを報知し(ステップS115)、当該スタッフを居宅Hに向かわせることで、被介護者の安全を確保することができる。
【0062】
以上の如く、本実施形態に係る訪問介護支援システム1は、
被介護者の居宅Hの出入口Dを施錠又は解錠する施解錠装置20(施解錠手段)と、
施解錠装置20を、介助者が有する解錠キー40(認証手段)によって解錠可能な解錠許可状態、又は解錠不能な解錠拒否状態に切り替え可能であり、前記被介護者の介助作業を行う必要がある場合に、施解錠装置20を前記解錠許可状態に切り替える制御装置80(制御手段)と、
を具備するものである。
【0063】
このように構成することにより、介助作業を行う必要がある場合に介助者による被介護者の居宅Hの解錠を可能とすることで、当該居宅Hの防犯性の向上を図ることができる。
すなわち、介助作業が必要な場合に解錠キー40による居宅Hの解錠を可能とすることで、当該解錠キー40を有する介助者が自ら解錠して居宅Hへと入室することができる。これによって、被介護者等が居宅Hを解錠する必要がなくなり、当該被介護者等の作業負担を軽減することができる。特に、夜間の訪問介護サービスを受ける場合には、被介護者やその家族が居宅Hを解錠するために起床する必要がなくなる。また、介助作業が不要な場合には、介助者は居宅Hに入室することができなくなるため、防犯性を向上させることができる。
【0064】
また、訪問介護支援システム1は、
前記介助者による前記被介護者の介助作業が完了したことを検知する携帯機器50(作業完了検知手段)と、
前記介助者の位置を検知する位置検知装置60(位置検知手段)と、
をさらに具備し、
制御装置80は、
携帯機器50により介助作業が完了したことが検知され、かつ位置検知装置60により前記介助者が前記被介護者の居宅Hの外にいることが検知された場合に、施解錠装置20に出入口Dを施錠させるものである。
【0065】
このように構成することにより、居宅Hの防犯性の向上を図ることができる。
すなわち、適切なタイミングで(介助作業が完了し、かつ介助者が居宅Hの外に出た時に)出入口Dを施錠することで、防犯性の向上を図ることができる。また、被介護者等が自ら施錠する必要がないため、作業負担を軽減することができる。
【0066】
また、制御装置80は、
携帯機器50により介助作業が完了したことが検知され、かつ位置検知装置60により前記介助者が前記被介護者の居宅Hの外にいることが検知された場合に、施解錠装置20を前記解錠拒否状態に切り替えるものである。
【0067】
このように構成することにより、居宅Hの防犯性の向上を図ることができる。
すなわち、適切なタイミングで施解錠装置20を解錠拒否状態に切り替えることで、防犯性の向上を図ることができる。
【0068】
また、訪問介護支援システム1は、
前記介助者に任意の情報を報知する携帯機器50(介助者報知手段)をさらに具備し、
制御装置80は、
携帯機器50により介助作業が完了したことが検知され、かつ位置検知装置60により前記介助者が前記被介護者の居宅Hの中にいることが検知された場合に、携帯機器50を用いて前記介助者に前記被介護者の居宅Hからの退室を促すものである。
【0069】
このように構成することにより、居宅Hの防犯性の向上を図ることができる。
すなわち、介助作業が完了した介助者に退室を促すことで、違法行為の未然防止を図ることができる。
【0070】
また、制御装置80は、
携帯機器50により介助作業が完了したことが検知され、かつ位置検知装置60により前記介助者が前記被介護者の居宅Hの中にいることが検知された場合に、前記介助者の位置に関する情報を記憶するものである。
【0071】
このように構成することにより、居宅Hの防犯性の向上を図ることができる。
すなわち、居宅Hの中での介助者の行動(移動の様子)を記録することで、当該介助者の違法行為を未然に防止する効果(抑止効果)が得られる。また、記録された介助者の行動から、違法行為の有無の確認等が行い易くなる。
【0072】
また、訪問介護支援システム1は、
前記介助者及び前記被介護者以外の第三者(他の介助者やスタッフ等)に任意の情報を報知する表示装置70(第三者報知手段)をさらに具備し、
制御装置80は、
携帯機器50により介助作業が完了したことが検知され、かつ位置検知装置60により前記介助者が前記被介護者の居宅Hの中にいることが検知された状態が所定時間継続した場合に、表示装置70を用いて前記第三者に警告を報知するものである。
【0073】
このように構成することにより、居宅Hの防犯性の向上を図ることができる。
すなわち、介助作業が完了したにもかかわらず介助者が居宅Hから退室しない場合には、スタッフ等の第三者にその旨を伝える(警告する)ことで、当該第三者によって現地(居宅H)の安全確認を行ったり、介助者に対して指導を行ったりすることができる。
【0074】
また、訪問介護支援システム1は、
前記被介護者の介助作業を要請する排便予測装置10(要請手段)をさらに具備し、
制御装置80は、
排便予測装置10による要請があった場合に、前記被介護者の介助作業を行う必要があると判断するものである。
【0075】
このように構成することにより、施解錠装置20の解錠許可状態への切り替えを、適切なタイミングで行うことができる。
すなわち、介助作業の要請があった場合に被介護者の介助作業を行う必要があると判断することで、適切なタイミングで施解錠装置20を解錠許可状態に切り替えることができ、ひいては居宅Hの防犯性の向上を図ることができる。
【0076】
また、排便予測装置10は、
前記被介護者の生体情報に基づいて前記被介護者の介助作業を要請するものである。
【0077】
このように構成することにより、被介護者の生体情報に基づいて自動的に介助作業を要請することができる。
これによって、被介護者等の作業負担(介助作業を要請するための作業の負担)を軽減することができる。
【0078】
また、特に本実施形態の如く、排便予測装置10によって被介護者の排便及びその時間(T分後に排便すること)を事前に予測することによって、当該排便のタイミングに合わせて介助者が居宅Hを訪問することができる。これによって、被介護者が排便後に不快な状態で待たされる時間を削減することができる。また、介助者が、被介護者の排便が終わるまで待つ時間を削減することができ、ひいては訪問介護サービスの効率化を図ることができる。
【0079】
なお、本実施形態に係る施解錠装置20は、本発明に係る施解錠手段の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る解錠キー40は、本発明に係る認証手段の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る制御装置80は、本発明に係る制御手段の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る携帯機器50は、本発明に係る作業完了検知手段及び介助者報知手段の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る位置検知装置60は、本発明に係る位置検知手段の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る表示装置70は、本発明に係る第三者報知手段の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る排便予測装置10は、本発明に係る要請手段の実施の一形態である。
【0080】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0081】
例えば、本実施形態においては、介助作業の一例として被介護者の排便の介助を想定したが、本発明はこれに限るものではなく、その他の介助作業(被介護者の心身の状況の観察、入浴の介助、排尿の介助、食事の介助、身の回りの世話等)について訪問介護支援システム1を適用することも可能である。
【0082】
また、排便予測装置10は、被介護者の排便を予測して介助作業を要請する(制御装置80に排便に関する情報を伝達する)ものとしたが、本発明はこれに限るものではなく、その他の生体情報に基づいて介助作業を要請してもよい。例えば、被介護者の排尿を予測したり、被介護者の血圧、体温、脈拍等を検知して、適宜介助作業を要請する構成とすることも可能である。
【0083】
また、本実施形態においては、被介護者の生体情報(排便の予測)に基づいて介助作業を要請するものとしたが、本発明に係る要請手段はこれに限るものではなく、その他の方法で介助作業を要請することも可能である。例えば、被介護者の異常を検知するセンサ(被介護者の転倒を検知する画像センサ等)を用いて介助作業を要請することも可能である。また、被介護者やその家族により操作可能な操作手段(介助作業を要請するためのスイッチ等)を用いた操作に基づいて介助作業を要請することも可能である。また、タイマー等を用いて、定期的に(一定時間毎や、予め定められた時刻に)介助作業を要請する構成とすることも可能である。すなわち、本発明は定期巡回を行う訪問介護サービスにも適用することが可能である。
【0084】
また、サービス情報入出力装置30及び携帯機器50の構成は本実施形態に限定するものではなく、各種の情報を入力及び出力可能なものであればよい。例えば、サービス情報入出力装置30として、被介護者やその家族が有するスマートフォンを用いることも可能である。また情報の出力方法としては、画面に表示させる方法に限らず、例えば音声による出力を用いることも可能である。
【0085】
また、本実施形態においては、介助者による携帯機器50の操作によって、介助作業の完了を検知するものとしたが、本発明に係る作業完了検知手段はこれに限るものではなく、その他の方法によって介助作業の完了を検知してもよい。例えば、介助作業を受けた被介護者の操作によって介助作業の完了を検知することや、介助作業の開始(居宅Hの解錠)から所定時間経過した時点で介助作業が完了したものとすることも可能である。
【0086】
また、本実施形態においては、居宅Hを解錠するための認証手段として解錠キー40を用いるものとしたが、本発明はこれに限るものではなく、その他の認証手段を用いることが可能である。例えば生体認証(指紋、顔、血管、音声等)や、暗証番号等による認証を用いることも可能である。
【0087】
また、位置検知装置60は、GPSを用いて介助者の位置を検知するものとしたが、本発明に係る位置検知手段はこれに限るものではなく、その他の方法で介助者の位置を検知することも可能である。例えば、居宅Hに設けられた各種のセンサ(赤外線センサ等)を用いて介助者の位置を検知する構成や、GPSと各種のセンサを組み合わせて介助者の位置を検知する構成とすることも可能である。
【0088】
また、本実施形態においては、携帯機器50と位置検知装置60を別部材で構成するものとしたが、本発明はこれに限るものではない。例えば、携帯機器50にGPS機能を備えることで、当該携帯機器50を本発明に係る位置検知手段としても用いることが可能である。