(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6646411
(24)【登録日】2020年1月15日
(45)【発行日】2020年2月14日
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
F21S 41/29 20180101AFI20200203BHJP
F21S 41/32 20180101ALI20200203BHJP
F21W 102/13 20180101ALN20200203BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20200203BHJP
【FI】
F21S41/29
F21S41/32
F21W102:13
F21Y115:10
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-225621(P2015-225621)
(22)【出願日】2015年11月18日
(65)【公開番号】特開2017-97959(P2017-97959A)
(43)【公開日】2017年6月1日
【審査請求日】2018年10月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100062225
【弁理士】
【氏名又は名称】秋元 輝雄
(74)【代理人】
【識別番号】100186060
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 大輔
(72)【発明者】
【氏名】駒野 健二
(72)【発明者】
【氏名】四方 作刀志
【審査官】
山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−203508(JP,A)
【文献】
特開2013−118148(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/147 − 45/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有するハウジングと前記ハウジングの開口を塞ぐように装着されたアウターレンズとによって形成された灯室内に、LED、LED実装基板、リフレクタ及びエクステンションが収容されて、前記LED、前記リフレクタ及び前記エクステンションによって光学系が構成されてなる車両用灯具であって、
前記LED実装基板は、前記灯室内の上半部に配設された基板ホルダに取り付けられ、
前記LED実装基板の下方の前記灯室内の下半部に前記リフレクタが配置され、
前記基板ホルダ及び前記リフレクタの前方に透明材料で形成された前記エクステンションが配置され、
前記エクステンションの前方に前記アウターレンズが位置しており、
前記エクステンションは、前記リフレクタの前方に位置する窓孔部と、前記窓孔部の上方に配置されるとともに前後方向に凸形状の自由曲面が前面に形成された厚肉部と、を有し、
前記厚肉部は、光入射面と、光入反射面と、光出反射面と、を有し、
前記リフレクタは、前記LEDからの光を反射して、前記窓孔部及び前記アウターレンズを通して外部に向けて照射させ、
前記光入射面は、前記厚肉部の裏面の一部に形成されているとともに、前記LEDからの光を前記光入反射面へと屈折させ、
前記光入反射面は、前記厚肉部の下面に形成されているとともに、前記光入射面からの光を前記光出反射面へと全反射させ、
前記光出反射面は、前記厚肉部の前面に形成されているとともに、前記光入反射面からの光を外部へと照射させることを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
前記エクステンションは、前記窓孔部及び前記厚肉部の夫々の外延部から後方に延びる環状のフランジ部と、裏面側の前記光入射面を除いた部分に形成された鏡面反射面と、を更に有し、
前記フランジ部は、前記LEDからの光を前記光入反射面へと反射させ、
前記光入反射面は、前記フランジ部からの光を前記厚肉部に入射させ、
前記光出反射面は、前記フランジ部から前記光入反射面より入射した光を、後方へと全反射させ、
前記鏡面反射面は、前記光出反射面にて全反射された光を前方へと反射させ、外部に照射させることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記エクステンションの前記厚肉部の前記光入射面は、該厚肉部の裏面に対して凹状に形成された段差部内に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記ハウジング及び前記基板ホルダはいずれも、樹脂材料又は金属材料のいずれかで形成されていること特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記LEDは複数個からなり、横方向に直線状に実装されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両用灯具に関するものであり、詳しくは、LEDを光源とすると車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の車両用灯具としては、例えば、特許文献1に「車両用灯具」として開示されたものがある。
【0003】
それは、
図6に示すように、ハウジング81とアウターレンズ82とによって区画された灯室83内において、ハウジング81の上部に固定された基板ホルダ84の下面に、LED85を実装した基板86が取り付けられ、基板86の下方にリフレクタ87が配設されている。
【0004】
そして、LED85の点灯時にLED85から出射された光は、下方のリフレクタ87によって車両前方に向けて反射され、アウターレンズ82を通過して車両前方に向けて照射される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015−69860号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記構成からなる車両用灯具80は、LED85を実装した基板86を取り付ける基板ホルダ84が、アウターレンズ82側から見て中央の位置に位置しており、その上方の部分にエクステンション88の遮蔽部89が設けられて基板ホルダ84及びLED85を実装した基板86等が遮蔽されると共に、下側の部分にエクステンション88の開口部90が設けられてLED85から出射してリフレクタ87で反射されて車両前方へ向かう光が通過する構成となっている。
【0007】
そのため、車両用灯具80の点灯時には、車両用灯具80の灯室83内の空間が光路形成に有効に利用されていないために、アウターレンズ82の下側(下半部)の領域からのみ光が出射されて上側(上半部)の領域からの光の出射はない。
【0008】
また、アウターレンズ82からは、全面領域からではなく一部の領域から光が出射されるため、観視者が違和感を感じるおそれがある。更に、アウターレンズ82において光の出射面積が小さいために出射光の断面積も小さく、出射光の見栄えの低下は避けられない。
【0009】
そこで、本発明は上記問題に鑑みて創案なされたもので、その目的とするところは、ハウジングとアウターレンズとにより形成された灯室内の空間を光路形成に有効に利用するにより、アウターレンズの全面領域からの光の出射を可能にした車両用灯具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載された発明は、開口を有するハウジングと前記ハウジングの開口を塞ぐように装着されたアウターレンズとによって形成された灯室内に、LED、LED実装基板、リフレクタ及びエクステンションが収容されて、前記LED、前記リフレクタ及び前記エクステンションによって光学系が構成されてなる車両用灯具であって、前記LED実装基板は、前記灯室内の上半部に配設された基板ホルダに取り付けられ、前記LED実装基板の下方の前記灯室内の下半部に前記リフレクタが配置され、前記基板ホルダ及び前記リフレクタの前方に透明材料で形成された前記エクステンションが配置され、前記エクステンションの前方に前記アウターレンズが位置しており、前記エクステンションは、前記リフレクタの前方に位置する窓孔部と、前記窓孔部の上方に配置されるとともに前後方向に凸形状の自由曲面が前面に形成された厚肉部と、を有し、前記厚肉部は、光入射面と、光入反射面と、光出反射面と、を有し、前記リフレクタは、前記LEDからの光を反射して、前記窓孔部及び前記アウターレンズを通して外部に向けて照射させ、前記光入射面は、前記厚肉部の裏面の一部に形成されているとともに、前記LEDからの光を前記光入反射面へと屈折させ、前記光入反射面は、前記厚肉部の下面に形成されているとともに、前記光入射面からの光を前記光出反射面へと全反射させ、前記光出反射面は、前記厚肉部の前面に形成されているとともに、前記光入反射面からの光を外部へと照射させることを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の請求項2に記載された発明は、請求項1において、前記エクステンションは、前記窓孔部及び前記厚肉部の夫々の外延部から後方に延びる環状のフランジ部と、裏面側の前記光入射面を除いた部分に形成された鏡面反射面と、を更に有し、前記フランジ部は、前記LEDからの光を前記
光入反射面へと反射させ、前記
光入反射面は、前記フランジ部からの光を前記厚肉部に入射させ、前記
光出反射面は、前記フランジ部から前記
光入反射面より入射した光を、後方へと全反射させ、前記鏡面反射面は、前記
光出反射面にて全反射された光を前方へと反射させ、外部に照射させることを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の請求項3に記載された発明は、請求項1または2において、前記エクステンションの前記厚肉部の前記光入射面は、該厚肉部の裏面に対して凹状に形成された段差部内に設けられていることを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明の請求項4に記載された発明は、請求項1〜3のいずれかにおいて、前記ハウ
ジング及び前記基板ホルダはいずれも、樹脂材料又は金属材料のいずれかで形成されていること特徴とするものである。
【0014】
また、本発明の請求項5に記載された発明は、請求項1〜4のいずれかにおいて、前記LEDは複数個からなり、横方向に直線状に実装されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ハウジングとアウターレンズとによって形成された灯室内に、LED実装基板、リフレクタ及びエクステンションを収容して、LED、リフレクタ及びエクステンションによる光学系を構成した。この光学系によって、LEDから出射してリフレクタで反射された光が、灯具の下半部から前方に向けて照射されて主配光を形成し、LEDから出射してエクステンションの厚肉部内を導光された光が、灯具の上半部から前方斜め上方に向けて照射されて補助配光を形成する。
【0016】
その結果、ハウジングとアウターレンズとにより形成された灯室内の空間を光路形成に有効に利用することができ、アウターレンズの全面領域からの光の出射が可能となって夜間点灯時の灯具の見栄えが向上して商品性を高めることができる。また、リフレクタ及びエクステンションの厚肉部の夫々が光学的に疑似光源として機能し、あたかも2つの光源が存在するように見え、これによっても光学的に商品価値を高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明の好適な実施形態を
図1〜
図5を参照しながら、詳細に説明する(同一部分については同じ符号を付す)。尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの実施形態に限られるものではない。
【0019】
図1は本実施形態の車両用灯具の平面図、
図2は
図1のA−A断面図である。
【0020】
車両用灯具(以下、「灯具」と略称する)1は、不透明樹脂からなり有底開口を有するハウジング10と透明樹脂からなりハウジング10の開口を塞ぐように装着されたアウターレンズ20とによって形成された灯室2内に、光源(LED)3、リフレクタ30及びエクステンション40が収容され、光源のLED3、リフレクタ30及びエクステンション40によって光学系が構成されている。
【0021】
灯室2内には、LED3、リフレクタ30及びエクステンション40と共に、LED3が実装されてなるLED実装基板4を取り付ける基板ホルダ50が配設されている。
【0022】
基板ホルダ50は、熱伝導性が良好な金属材料で形成されて、LED実装基板4を取り付ける機能と同時に、LED3の発熱を放熱するヒートシンクの機能を兼ており、LED実装基板4を取り付ける略平板状の基台部51と、基台部51の一方の面の中央部から該基台部51に垂直方向に延びる板状の板状支持部52とを有している。
【0023】
上記構成の基板ホルダ50は、板状支持部52をハウジング10の底部上部の内面に密着させて、板状支持部52に設けられた基板ホルダ固定用ネジ孔52aにネジ60を通してハウジング10の底部上部に予め形成されたタップ孔10aに螺合することにより、ハウジング10に固定されている。
【0024】
このとき、基板ホルダ50の基台部51は、灯室2の上下方向中央部に位置すると共に、平坦面からなるLED実装基板取付面51aが下方を向いている。なお、上下の方向は、灯具1を車両に取り付けた状態において車両の高さ方向を示す。
【0025】
LED実装基板4は、基板上に複数のLED3が直線状に実装されてなり、基板ホルダ50の基台部51のLED実装基板取付面51aに、LED3の実装方向を左右方向とすると共に光出射面3aを下方に向けて密着取付けされている。なお、左右の方向は、灯具1を車両に取り付けた状態において車両の幅方向を示す。
【0026】
LED実装基板4の下方にはリフレクタ30が配置されている。リフレクタ30は、前方に向かって斜め下方に延びる、上側に凹の自由曲面からなる湾曲形状を呈しており、少なくとも凹状の内面は、アルミニウムや銀等による金属反射膜からなる鏡面反射面(以下、「反射面」と略称する)30aが形成されており、この反射面30aがLED実装基板4に実装されたLED3の光出射面3aに対向するように位置している。
【0027】
エクステンション40は、基板ホルダ50の基台部51に取り付けられたLED実装基板4及びリフレクタ30の前方に配置され、リフレクタ30の直前方に位置する窓孔部41、窓孔41の、下方を向く平坦面からなる上端部から上方に向かって延びる、前後方向に凸の自由曲面を有する厚肉部42及び、窓孔部41及び厚肉部42の夫々の外縁部から後方に延びる環状のフランジ部43を有している。この場合、窓孔41の上端部(換言すると、厚肉部42の下端部)は、光入反射(全反射)面42cとなっている。なお、前後の方向は、灯具1を車両に取り付けた状態において車両の前後方向を示す。
【0028】
エクステンション40は透明樹脂からなり、厚肉部42の下部の左右方向に延びる領域を除いた裏面側にアルミニウムや銀等による金属反射膜からなる鏡面反射面が形成されている。これにより、厚肉部42の裏面が鏡面反射面(以下、「第1反射面」と呼称する)42aとなると同時に、フランジ部43の内側面が鏡面反射面(以下、「第2反射面」と呼称する)43aとなっている。なお、厚肉部42の下部の裏面側に左右方向に延びる領域には透明樹脂材料が露出していると共に、その領域はLED実装基板4の先端部の下方に位置し、光入射面42bとなっている。
【0029】
アウターレンズ20は、前方に凸の自由曲面からなる湾曲形状を呈しており、両面ともにレンズカットが施されていない素通しのレンズとなっている。
【0030】
次に、LED3から出射した光の光路について
図3(
図2を用いた光路説明図)を参照して説明する。
【0031】
LED3から下方に位置するリフレクタ30に向けて出射された光L1は、リフレクタ30の反射面30aで前方に向けて反射され、反射光がエクステンション40の窓孔部41を通ってアウターレンズ20に至り、アウターレンズ20を透過して前方に向けて照射される。
【0032】
また、LED3からエクステンション40の厚肉部42の光入射面42bに向けて出射された光L2は、該光入射面42bから厚肉部42内に入射され、厚肉部42内を導光されて光入反射面42cで、厚肉部42の前面からなる光出反射(全反射)面42dに向けて反射され、反射光が厚肉部42内を導光されて光出反射面42dからアウターレンズ20に向けて出射され、アウターレンズ20を透過して前方斜め上方に向けて照射される。
【0033】
また、LED3からリフレクタ30の下端延長方向(下端の前方斜め下方)位置する、エクステンション40のフランジ部43の内側面からなる第2反射面43aに向けて出射された光L3は、第2反射面43aで前方斜め上方に向けて反射され、反射光がエクステンション40の窓孔部41を通って該エクステンション40の厚肉部42の光入反射面42cに至り、光入反射面42cから厚肉部42内に入射される。
【0034】
エクステンション40の厚肉部42内に入射した光は、厚肉部42内を導光されて光出反射面42dで第1反射面42aに向けて反射され、反射光が厚肉部42を導光されて第1反射面42aに至り、第1反射面42aで反射されてその反射光が光出反射面42dからアウターレンズ20に向けて出射され、アウターレンズ20を透過して前方斜め上方に向けて照射される。
【0035】
したがって、夜間の点灯時の灯具を前方から見ると、灯具の下半部からはLED3から出射してリフレクタ30の反射面30aで反射された光がエクステンション40の窓孔部41及びアウターレンズ20を通して観視される。
【0036】
一方、灯具の上半部からは、LED3から出射してエクステンション40の厚肉部42の光入射面42bから厚肉部42内に入射して該厚肉部42内を導光中に光入反射面42cで反射されて光出反射面42dから出射された光、及びLED3から出射してエクステンション40のフランジ部43の第2反射面43aで反射してエクステンション40の窓孔部41を通ってエクステンション40の厚肉部42の光入反射面42cに至り、光入反射面42cから厚肉部42内に入射して該厚肉部42内を導光中に光出反射面42dで全反射されてさらに第1反射面42aで反射されて光出反射面42dから出射された光が、アウターレンズ20を通して観視される。
【0037】
そのため、アウターレンズ20からは全面領域に亘って光の出射が見られるため、夜間点灯時の灯具の見栄えが向上して商品性を高めることができる。
【0038】
また、昼間の非点灯時の灯具を前方方向からみると、灯具1の上半部においては、エクステンション40の厚肉部42の第1反射面42aによるメタリック調の光輝反射光が観視され、灯具1の下半部においては、リフレクタ30の反射面30aによるメタリック調の光輝反射光がエクステンション40の窓孔部41を通して観視される。
【0039】
これにより、アウターレンズ20からは全面領域に亘って光輝反射光が見られるため、昼間非点灯時の灯具の美観を演出することによって見栄えが向上して商品性を高めることができる。
【0040】
また、エクステンション40の厚肉部42は、灯具1を前方方向から見たときに、後方に位置するハウジング10やLED実装基板4が取り付けられた基板ホルダ50といった内蔵物が見えないように遮蔽する機能も有している。これによっても見栄えの向上が図られている。
【0041】
なお、ハウジング10は樹脂材以外に、例えば、アルミダイキャスト等の金属材料で形成することも可能である。この場合、LED3の点灯時の発熱が基板ホルダ50を介してハウジング10に伝導され、ハウジング10から外部に放散される。
【0042】
これにより、LED3の点灯時の発熱が効率良く放熱されてLED3自体の温度上昇が抑制され、LED3の自己発熱による温度上昇に起因するLED3の発光効率の低減による発光光量の減少が抑えられると共に、同様にLED3の自己発熱による温度上昇に起因するLED3の素子劣化による発光寿命の短縮を抑制することができ、その結果、高い信頼性及び適切な照射光量を確保することができる。
【0043】
なお、基板ホルダ50は金属材料以外に、熱伝導性が良好な樹脂材料で形成することも可能である。
【0044】
上述した灯具1は、例えば、フォグランプとして用いられ、リフレクタ30で反射されて灯具の前方に向けて照射される光(L1)によって配光規格を満足する主配光を形成し、エクステンション40の厚肉部42内を導光されて灯具の前方斜め上方に向けて照射される光(L2、L3)によって点灯フィーリングを高める補助配光を形成する。
【0045】
この場合、リフレクタ30は、反射光が出射光として主配光を形成する疑似光源を構成し、エクステンション40(エクステンション40の厚肉部42)は、出射光が点灯フィーリングを高める補助配光を形成する疑似光源を構成する。
【0046】
そのため、灯具は、2つの疑似光源によってあたかも2つの光源が存在するように見えるため、光学的に商品価値を高めることができる。
【0047】
なお、エクステンション40の厚肉部42の、透明樹脂が露出した光入射面42bは、
図4(
図2のB部拡大図)に示すように、第1反射面42aに対して段差によって形成された凹部42fに設けられている。これは、例えば、蒸着によって金属反射膜からなる第1反射面42aを形成する場合、光入射面42bとなる部分に金属反射膜が被膜されないような被膜防止を比較的容易に行うことができるためである。したがって、
図5(光入射面の他の形態に係る説明図)に示すような、金属反射膜が被膜されない光入射面42bを、金属反射膜からなる第1反射面42aが形成された、厚肉部42の裏面42eの延長面上に設けることも可能である。あるいは、図示していないが、厚肉部の裏面の適宜な位置に突出部を設け、該突出部に、透明樹脂が露出した光入射面42bを設けることも可能である。
【符号の説明】
【0048】
1… 車両用灯具
2… 灯室
3… 光源(LED)
3a… 光出射面
4… LED実装基板
10… ハウジング
10a… タップ孔
20… アウターレンズ
20a… 内面
30… リフレクタ
30a… 鏡面反射面(反射面)
40… エクステンション
41… 窓孔部
42… 厚肉部
42a… 鏡面反射面(第1反射面)
42b… 光入射面
42c… 光入反射(全反射)面
42d… 光出反射(全反射)面
42e… 裏面
42f… 凹部
43… フランジ部
43a… 鏡面反射面(第2反射面)
50… 基板ホルダ
51… 基台部
51a… LED実装基板取付面
52… 板状支持部
52a… 基板ホルダ固定用ネジ孔
60… ネジ