(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の中空糸膜束の第1端部の外径(D1)と前記複数の中空糸膜束の第2端部の外径(D2)が、D2/D1=1.5〜5の関係を満たしている、請求項1記載の中空糸膜モジュール。
前記複数の中空糸膜束の長さがLであるとき、前記少なくとも隣接する中空糸膜束の中空糸膜同士が、前記中空糸膜束の第1端部から0.1〜0.4Lの長さ範囲から第2端部までが斜めに交わった状態になっている、請求項1または2記載の中空糸膜モジュール。
前記複数の中空糸膜束の第1端部が、底部に接着剤が入ったキャップ内に差し込まれて固定され、前記第1端部側の開口部が封止されているものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の中空糸膜モジュール。
前記複数の中空糸膜束が、第1端部側に間隔をあけて一列に配置されているか、または第1端部側に間隔をあけて一列に配置され、かつ前記一列に配置されたものを複数列有している、請求項1〜4のいずれか1項に記載の中空糸膜モジュール。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<中空糸膜モジュール>
中空糸膜モジュール10は、両端側が閉塞された筒状のケースハウジング11内に中空糸膜束12〜15が配置されている。
【0011】
筒状のケースハウジング11は公知のものであり、合成樹脂、金属およびそれらの組み合わせなどからなるものである。
筒状のケースハウジング11は、図示していないが、処理対象となる原水入口、濾過水出口、濃縮水出口などの出入り口、逆圧洗浄水入口、洗浄排水出口などを適宜組み合わせて有することができる。
筒状ケースハウジング11は、底面11a側に散気装置を配置して、濾過運転時において、底面11a側から散気(曝気)することができる。
また前記散気装置は、膜面を洗浄するためのエアースクラビング用の装置として使用できるものでもよい。
【0012】
中空糸膜束の本数および一束の中空糸膜の本数は、いずれも特に制限されるものではなく、ケースハウジング11の容積および目的とする濾過性能に応じて決めることができる。
中空糸膜束12〜15は、多数本の中空糸膜22〜25が束ねられたものであり、それぞれの第1端部12a〜15a側が別々に束ねられており、第1端部12a〜15aのそれぞれに対応する反対側が第2端部12b〜15bとなる。
中空糸膜束12〜15は、第1端部12a〜15a側に間隔をあけて一列に配置されている。
中空糸膜束が3本であるときは、3本の束が三角形の頂点に位置するように配置することができる。
中空糸膜束が4本であるときは、一列に配置するほかに、4本の束が正方形の頂点に位置するように配置することができる。
中空糸膜束5本以上であるときは、1列または2列以上に配置することができるほか、一重の環状または二重以上の環状に配置することもできる。
【0013】
中空糸膜22〜25は公知のものを使用することができ、材質は特に制限されるものではなく、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなどのセルロースエステル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなどのポリスルホン系樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリプロピレン、フッ素樹脂からなる中空糸膜を使用することができる。
中空糸膜22〜25の合計本数はモジュールケース11の容積、濾過性能(膜面積)などに応じて調整されるものであるが、例えば100〜10000本の範囲にすることができる。
中空糸膜束12〜15の中空糸膜22〜25の本数は、いずれも同一本数である必要はなく、例えば両端に位置する中空糸膜束12、15の本数を少なくし、中間に位置する中空糸膜束13、14の本数を多くすることができる。
【0014】
第1端部12a〜15aを束ねる方法は特に制限されるものではなく、接着剤などで一体化する方法、粘着テープなどで一体化する方法を適用することができる。
第1端部12a〜15aは閉塞されており、開口されていない。
図1では、中空糸膜束の第1端部12a〜15aが、底部に接着剤31が入ったキャップ30内に差し込まれて固定された状態が示されている。
キャップ30は、合成樹脂などからなるものであり、中空糸膜束の第1端部12a〜15aの外径と同程度であるか、僅かに大きな内径を有するものが好ましい。
キャップ30の深さは1〜15cm程度でよく、厚みは0.5〜5mm程度でよい。
またキャップ30を使用した場合、キャップ30が錘としても機能するため、濾過運転時などにおいて第1端部12a〜15aの位置が維持されやすくなる。
【0015】
中空糸膜束12〜15は、それぞれの第2端部12b〜15b側が放射状に拡げられ、かつ少なくとも隣接する中空糸膜束12〜15の中空糸膜22〜25同士が斜めに交わった状態で、樹脂固定部35において一体化されている。
中空糸膜12〜15の第2端部12b〜15bの拡がりの程度は、各膜束で異なっていてもよい。
中空糸膜束12〜15の中空糸膜22〜25は、全てが放射状に拡げられていなくてもよく、中心に位置する一部の中空糸膜22〜25は第1端部12a〜15a(キャップ30)の長さ方向に沿う方向に伸ばされているものがあってもよい。
中空糸膜束12〜15の第2端部12b〜15bは、樹脂固定部35においてケースハウジング11と共に一体化されているが、第2端部12b〜15b側の中空糸膜22〜25は開口されている。
なお、
図1(a)は、第2端部12b〜15b側の中空糸膜22〜25の交わり状態と樹脂固定部35の両方が分かるように図示している。
【0016】
本発明において前記の「斜めに交わった状態」は、少なくとも隣接する中空糸膜22〜25同士が斜め方向に交わっており、1本の中空糸膜が複数点で他の複数本の中空糸膜と接触している状態である。なお、以下においては、前記した状態を「斜めに交差している」ということがある。
中空糸膜束12〜15の中空糸膜22〜25が斜めに交わる程度は同一である必要はなく、モジュールケース11内における各中空糸膜束の位置などにより異なるものである。
図1(a)と
図2に示されているとおり、両端に位置している中空糸膜束12と中空糸膜束15は、中間に位置している中空糸膜束13と中空糸膜束14と比べると、隣接する中空糸膜との交わり(接触)の程度が小さくなっている。
【0017】
本発明では、第1の実施形態として、
中空糸膜束12の中空糸膜22と中空糸膜束13の中空糸膜23の一部または全部が斜めに交わっている実施形態、
中空糸膜束13の中空糸膜23と中空糸膜束14の中空糸膜24の一部または全部が斜めに交わっている実施形態、
中空糸膜束14の中空糸膜24と中空糸膜束15の中空糸膜25の一部または全部が斜めに交わっている実施形態を含む。
第1の実施形態では、中空糸膜束12〜15のうち、隣接する中空糸膜束の中空糸膜同士が斜めに交わっている状態になるものである。
【0018】
また本発明では、第2の実施形態として、
中空糸膜束12の中空糸膜22と中空糸膜束14の中空糸膜24の一部が斜めに交わっている実施形態、
中空糸膜束13の中空糸膜23と中空糸膜束15の中空糸膜25の一部が斜めに交わっている実施形態も含まれる。
第2の実施形態では、中空糸膜束12〜15のうち、隣接する中空糸膜束の中空糸膜同士が斜めに交わっている状態になると共に、一つおいて配置された中空糸膜束の中空糸同士の一部も斜めに交わっている状態になるものである。
中空糸膜束12〜15の第1端部12a〜15aの間隔を調整することによって、第1の実施形態にしたり、第2の実施形態にしたりすることができる。
【0019】
中空糸膜束12〜15の第1端部12a〜15aの外径(D1)と第2端部12b〜15bの外径(D2)は、D2/D1=1.5〜5であることが好ましく、D2/D1=2〜4であることがより好ましい。
D2/D1が1.5以上であると、隣接する中空糸膜束12〜15の中空糸膜22〜25同士が斜めに交差し易くなるので好ましい。
D2/D1が5以下であると、隣接する中空糸膜束12〜15の中空糸膜22〜25同士が斜めに交差し易くなり、中空糸膜束12〜15(第1端部12a〜15a)の中心軸と中空糸膜22〜25がなす角度があまり大きくならず、第1端部12a〜15a側が分離したり、断線したりし難くなるので好ましい。
特に
図1に示すようにキャップ30を使用する場合は、D2/D1が5以下であると、キャップ30の開口部の縁において中空糸膜22〜25が大きな角度で折れ曲がることが抑制されるため、前記した分離や断線が生じ難くなるので好ましい。
【0020】
図1(b)に示すように中空糸膜束12〜15の長さがLであるとき、隣接する中空糸膜束の中空糸膜同士が、中空糸膜束12〜15の第1端部12a〜15aから0.1L〜0.4Lの長さ範囲から第2端部12b〜15bまでが斜めに交わっている状態になっていることが好ましい。
【0021】
中空糸膜束12〜15の第1端部12a〜15aの間隔(w1)は、モジュールケース11への中空糸膜の充填率などを考慮して決めることができる。
【0022】
中空糸膜モジュール10は、モジュールケース11内において、中空糸膜束12〜15の第2端部12b〜15b(樹脂固定35)が上になり、第1端部12a〜15aが下になるようにして懸垂されている。
第1端部12a〜15a(それぞれのキャップ30の底面)は、モジュールケース11の底面11aと接触していてもよいし、底面11aとの間に間隔があってもよい。第1端部12a〜15a(それぞれのキャップ30の底面)とモジュールケース11の底面11aが接触している場合でも、接着はしておらず、外力が加えられると中空糸膜束12〜15は揺れ動くことができるようになっている。
【0023】
図1および
図2に示すようにして、本発明の中空糸膜モジュール10では、中空糸膜束12〜15の第1端部12a〜15a側は別々に束ねられているが、中空糸膜束12〜15の第2端部12b〜15b側の中空糸膜22〜25は、少なくとも隣接する中空糸膜22〜25同士が斜めに複雑に交わっている状態(即ち、1本の中空糸膜が複数点、好ましくは3点以上で他の中空糸膜と接触している状態)で配置されている。
このため、中空糸膜モジュール10を濾過運転するとき、モジュールケース11の底面11aから散気(曝気)したとき、または膜面を洗浄するためにエアースクラビングしたときには、中空糸膜束12〜15の第1端部12a〜15aが揺れ動くため、膜面に懸濁物質が付着することが抑制させることができたり、容易に脱落させることができたりするため好ましい。
また中空糸膜束12〜15の第1端部12a〜15a側は隙間があるため、濾過運転時には原水が前記隙間から出入りでき、逆圧洗浄時には洗浄排水の排水経路も確保できる。
さらには、中空糸膜束12〜15の第2端部12b〜15b側が互いに斜めに交差しているため、モジュールケース11の底面11aから散気(曝気)したとき、膜面を洗浄するためにエアースクラビングしたとき、または逆圧洗浄したときであっても、第2端部12b〜15bは揺れ動き難くなり、樹脂固定部35と中空糸膜束12〜15の境界部分も揺れ動き難くなるため、従来技術と比べると前記境界部分における中空糸膜の断線が生じ難くなっている。
【0024】
図3は、別実施形態の中空糸膜モジュール110である。
ケースハウジング111内には、
図1(a)と同様にして、中空糸膜束112〜115、中空糸膜束116〜119が懸垂されている。
中空糸膜束112〜115は、横方向(
図3の長辺方向)に一列に並べて配置され、中空糸膜束116〜119は、横方向(
図3の長辺方向)に一列に並べて配置されている。
中空糸膜束112〜115と中空糸膜束116〜119は、それぞれが縦方向(
図3の短辺方向)に二列になるように配置されている。
中空糸膜束112〜115の第1端部112a〜115aと第2端部112b〜115bは、
図2と同様にD2/D1=1.5〜5の関係を満たしていることが好ましい。
中空糸膜束116〜119の第1端部116a〜119aと第2端部116b〜119bは、
図2と同様にD2/D1=1.5〜5の関係を満たしていることが好ましい。
【0025】
図3に示す実施形態では、中空糸膜束112〜115は隣接する膜束の中空糸膜同士が交差しており、中空糸膜束116〜119は隣接する膜束の中空糸膜同士が交差している。
さらに
図3に示す実施形態では、中空糸膜束112と中空糸膜束116の中空糸膜同士が交差しており、中空糸膜束113と中空糸膜束117の中空糸膜同士が交差しており、中空糸膜束114と中空糸膜束118の中空糸膜同士が交差しており、中空糸膜束115と中空糸膜束119の中空糸膜同士が交差している。
また、
図3に示す実施形態では、中空糸膜束112と中空糸膜束117、中空糸膜束113と中空糸膜束117のように、斜め方向に隣接する中空糸膜束の中空糸膜同士が交差していてもよい。
【0026】
図3に示す実施形態では、
図1、
図2に示す実施形態よりも中空糸膜束の本数が増加しているが、中空糸膜束の中空糸膜がより複雑に斜めに交差しているため、モジュールケース11の底面11aから散気(曝気)したとき、または膜面を洗浄するためにエアースクラビングしたときであっても、第2端部112b〜115b、116b〜119bは揺れ動き難くなり、樹脂固定部35と中空糸膜束112〜115、116〜119の境界部分も揺れ動き難くなるため、従来技術と比べると前記境界部分からの中空糸膜の断線が生じ難くなる。
【0027】
<中空糸膜モジュールの製造方法>
図1、
図2により本発明の中空糸膜モジュール10の製造方法を工程ごとに説明する。
なお、第1工程〜第6工程は順序を示すものであり、工数を限定するものではない。例えば、一つの工程を二つに分けたり、二つの工程を一つにしたりすることもできる。
【0028】
第1工程において、1本の中空糸膜束の第1端部側を複数束に分割する。
前記の1本の中空糸膜束とは、例えば、中空糸膜が合計で100〜10000本の範囲からなる束である。
第1工程では、1本の中空糸膜束の第1端部(
図1の第1端部12a〜15a)側のみを複数束(
図1(a)では4束)に分割する。
このとき、分割した第1端部側は紐のようなもので仮留めしてもよい。
【0029】
第2工程において、複数束に分割した第1端部側のそれぞれを別々に一体化することで、第1端部12a〜15a側が複数に分割され束ねられて一体化され、第2端部12b〜15b側が一体化されていない中空糸膜束12〜15を得る。
中空糸膜束12〜15の第1端部12a〜15a側を一体化する方法としては、
図1(a)に示されているとおり、底部に接着剤31が入ったキャップ30内に中空糸膜束12〜15の第1端部12a〜15a側を差し込んで固定する方法が好ましい。
中空糸膜束12〜15の第1端部12a〜15aの開口部は、キャップ30内において接着剤31で閉塞される。
第2工程において分割され一体化された第1端部12a〜15bに対応する反対側端部が、それぞれ第2端部12b〜15bとなる。
【0030】
第3工程において、第2工程で得た中空糸膜束をケースハウジング内に入れ、中空糸膜束の第2端部側を放射状に拡げた後、前記ケースハウジングの長さに合わせて切断する。
特許文献1の
図1に示されている中空糸膜モジュールのような場合には、中空糸膜2(膜束2a)の長さの調整は容易であるが、本発明の場合には、
図1(a)に示すように第2端部12b〜15b側が放射状に拡げられているため、第3工程が必要になる。
この工程は、第1端部12a〜15aを上にして、第2端部12b〜15bを下にした状態で実施することができる。
なお、第2工程の終了時には、第2端部12b〜15bは、一本の束状態であり、第3工程にて1本の束を放射状に拡げることで、第1端部12a〜15aに対応した第2端部12b〜15b側が互いに斜めに複雑に交差した状態になる。
【0031】
第4工程において、第3工程で切断した第2端部12b〜15b側の切断面(開口部)を接着剤で封止する。
このとき、第2端部12b〜15bは、樹脂固定部35はないが、外観上は
図1(a)と同様の状態になっている。
【0032】
第5工程において、前記中空糸膜束の第2端部12b〜15b同士を樹脂で一体化すると共に、前記中空糸膜束の第2端部12b〜15bとケースハウジング11を樹脂で一体化する。
第5工程は、周知の遠心ポッティング法を適用して実施することができる。遠心ポッティング法は、例えば、特開2002−355535号公報(
図2など)、特開2004−49986号公報(
図1〜
図3など)、特開2015−142886号公報(
図8など)に記載され、図示された方法を使用することができる。
この工程の処理によって、第2端部12b〜15bは
図1(a)、
図2に示す状態になる。
ポッティング剤(接着剤)は、例えば公知のウレタン樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤を使用することができる。
【0033】
第6工程において、第5工程で樹脂(樹脂系接着剤)により一体化した第2端部12b〜15b側を切断して開口させる。
この工程の処理によって、
図1(a)に示す樹脂固定部35が形成される。
【実施例】
【0034】
実施例1
200本の酢酸セルロース製の中空糸膜(品名:AMK−1,膜種:FUC1582:ダイセン・メンブレン・システムズ株式会社製)(長さ110cm,外径50mm,合計膜面積0.8m
2)の束を用意した。
(第1工程)
前記中空糸膜束の第1端部から約20cmの長さ位置にて、四分割して約50本ずつの4つの束(中空糸膜束12〜15)にした。
【0035】
(第2工程)
4つの束の第1端部のそれぞれにキャップ(ポリエチレン製,深さ7cm,厚さ1mm,外径12mm)を被せた。キャップの底には予め接着剤(エポキシ系接着剤)約10gを入れておき、4本の束の第1端部をキャップに固定すると共に、第1端部の開口部分を封止した。
第2工程の終了時には、第1端部と反対側の第2端部は一つの束の状態になっているが、4本の束の第1端部(第1端部12a〜15a)に対応する部分がそれぞれの第2端部(第2端部12b〜15b)となる。
【0036】
(第3工程)
第1端部が4本の束であり、第2端部が1本の束である中空糸膜束を合成樹脂製の筒形状のモジュールケース(長さ105cm,外径5cm,内径4cm)内に収容した。
このとき、第1端部側が上になり、第2端部側が下になるようにした。4本の第1端部側の間隔(w1)は約0.8cmとした。
その後、モジュールケースの長さに合わせて第2端部を切断した。
【0037】
(第4工程)
第2端部の切断面である開口部に接着剤(エポキシ樹脂系接着剤)を塗布して封止した。
(第5工程)
遠心ポッティング法(ウレタン樹脂系接着剤を使用)を適用して樹脂固定部(
図1の樹脂固定部35)を形成することで、第2端部側の中空糸膜同士と、第2端部側の中空糸膜束とモジュールケースを一体化した。
(第6工程)
樹脂固定部を切断して第2端部側を開口させて、本発明の中空糸膜モジュールを得た。
【0038】
試験例1
実施例1で得た中空糸膜モジュールを含む
図4に示す濾過装置を使用して、下記条件にて濾過運転を実施した。
原水:揖保川の表流水
入口圧力:29.4kPa(0.3kg/cm
2)
濾過流量:54L/h
Flux(外圧):1.6m/d
循環流量:110L/h
濾過時間:40分
逆圧洗浄水流量:240L/h
逆圧洗浄倍率:4.4倍(240L/h/54L/h)
【0039】
ポンプ61を使用して、原水タンク50の原水をライン55により中空糸膜モジュール51に供給して濾過運転した。
濾過水は濾過水ライン56により濾過水タンク52に貯水した後、ポンプ12を使用して返送ライン57により原水タンク50に戻した。
濾過時間40分ごとに運転を停止して、逆圧洗浄を実施した。逆圧洗浄は、ポンプ62を使用して、濾過水タンク52の濾過水を中空糸膜モジュール51に供給して実施した。洗浄排水は排水ライン58から排出した。
このような濾過運転と逆圧洗浄を80日間実施したが、樹脂固定部35と中空糸膜束12〜15の境界部分における断線は発生しなかった。